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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003781
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20230110BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H02M3/155 W
H02M3/155 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105065
(22)【出願日】2021-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】日本電産モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】古井 崇介
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS01
5H730AS04
5H730AS13
5H730BB14
5H730BB57
5H730BB82
5H730BB88
5H730DD03
5H730DD04
5H730FG05
5H730FG10
5H730FG22
(57)【要約】
【課題】結合リアクトルを備える電圧変換装置の制御をより安定化させる。
【解決手段】電力変換装置(10)は、入力電圧(Vin)を所定の出力電圧(Vout)に変換する。電力変換装置(10)は、互いに磁気結合された第1のリアクトル(L1)及び第2のリアクトル(L2)を有する結合リアクトル(1)と、第1のスイッチング素子(Tr1)と、第2のスイッチング素子(Tr2)と、第1のコンデンサ(C1)と、第2のコンデンサ(C2)と、制御部(15)と、を備えている。制御部(15)は、軽負荷時に、第1のスイッチング素子(Tr1)及び第2のスイッチング素子(Tr2)のスイッチング周波数を上げる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧を所定の出力電圧に変換する電力変換装置であって、
互いに磁気結合された第1のリアクトル及び第2のリアクトルを有する結合リアクトルと、
前記第1のリアクトルの出力側に接続された第1のスイッチング素子と、
前記第2のリアクトルの出力側に接続された第2のスイッチング素子と、
前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子の駆動を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、軽負荷時に、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子のスイッチング周波数を上げることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記制御部は、負荷の大きさに応じて前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子をスイッチングする制御信号のオンデューティ比を変更し、前記オンデューティ比が50%未満である場合に、前記スイッチング周波数を上げることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記電力変換装置は、電流不連続モード及び電流連続モードで動作し、
前記電流不連続モードと前記電流連続モードとの境界において前記第1のリアクトル及び前記第2のリアクトルのいずれかに流れる電流Icrmは、前記入力電圧をViとし、前記オンデューティ比をAとし、前記スイッチング周波数をfSWとし、前記第1のリアクトル及び前記第2のリアクトルの自己リアクタンスをLとし、前記結合リアクトルの結合係数をkとすると、次の式、
Icrm=AVi{1-A(1+k)}/2LfSW(1-A)(1-k)
により表されることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記結合リアクトルの入力側に接続された第1のコンデンサと、
前記結合リアクトルの出力側に接続された第2のコンデンサと、
を更に備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第1のスイッチング素子の出力側に接続された第1のダイオードと、
前記第2のスイッチング素子の出力側に接続された第2のダイオードと、
を更に備えていることを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子は、縦型のMOS型電界効果トランジスタであり、
前記第1のスイッチング素子のドレインと、前記第1のダイオードのアノードとが接続され、
前記第2のスイッチング素子のドレインと、前記第2のダイオードのアノードとが接続されていることを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記第1のスイッチング素子の出力側に接続された第3のスイッチング素子と、
前記第2のスイッチング素子の出力側に接続された第4のスイッチング素子と、
を更に備え、
前記制御部は、前記第1のスイッチング素子のオン時に前記第3のスイッチング素子がオフし、前記第1のスイッチング素子のオフ時に前記第3のスイッチング素子がオンし、前記第2のスイッチング素子のオン時に前記第4のスイッチング素子がオフし、前記第2のスイッチング素子のオフ時に前記第4のスイッチング素子がオンするように、前記第3のスイッチング素子及び前記第4のスイッチング素子の駆動を制御することを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DC-DCコンバータにおいては、大電力化を図るために、コンバータ回路を並列化したインターリーブ方式の回路構成を備えるものがある。このインターリーブ方式の回路構成を小型化するために、各相のリアクトルを磁気結合した結合リアクトルを用いることが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、互いに結合された第1相の第1リアクトルおよび第2相の第2リアクトルを含むコンバータが開示されている。第1リアクトルには、第1ハイサイドスイッチおよび第1ローサイドスイッチが接続されている。第2リアクトルには、第2ハイサイドスイッチおよび第2ローサイドスイッチが接続されている。このコンバータにおいては、第1リアクトルおよび第2リアクトルの結合の強弱に応じて、第1ハイサイドスイッチのオンに応じて第2ローサイドスイッチのボディダイオードの導通を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第10326369号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
結合リアクトルを備える昇圧型のDC-DCコンバータでは、スイッチング素子に与えられるスイッチングパルスのオンデューティ比が50%未満である軽負荷時に、電流不連続モード(DCM)で駆動した場合に、結合リアクトルに逆電流が発生する。このため、オンデューティ比の変化に対して出力電圧が追従しなくなる不感帯現象が起こることがある。この不感帯現象の発生している状態では、電力変換装置の制御が不安定になり、出力電圧が発振するおそれがあるという課題がある。
【0006】
本発明の一態様は、結合リアクトルを備える電圧変換装置の制御をより安定化させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電圧変換装置は、入力電圧を所定の出力電圧に変換する電力変換装置であって、互いに磁気結合された第1のリアクトル及び第2のリアクトルを有する結合リアクトルと、前記第1のリアクトルの出力側に接続された第1のスイッチング素子と、前記第2のリアクトルの出力側に接続された第2のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子の駆動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、軽負荷時に、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子のスイッチング周波数を上げる。
【0008】
電流不連続モードと電流連続モードとの境界で第1のリアクトル及び第2のリアクトルのいずれかに流れる電流は、スイッチング周波数の逆数に依存する。これにより、スイッチング周波数を上げることにより、上記の電流の値が小さくなる。それゆえ、電流不連続モードと電流連続モードとが切り替わる境界が、電流連続モード側にシフトする。したがって、電流不連続モードの範囲を狭めて、電流連続モードの範囲を広げることができる。よって、電力変換装置が軽負荷時の電流不連続モードで動作しているときに生じる不感帯領域を狭めることができる。
【0009】
本発明の態様2に係る電力変換装置において、前記制御部は、負荷の大きさに応じて前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子をスイッチングする制御信号のオンデューティ比を変更し、前記オンデューティ比が50%未満である場合に、前記スイッチング周波数を上げる。
【0010】
上記の構成によれば、オンデューティ比が50%未満であるか否かに応じてスイッチング周波数を上げるか否かを決定することができる。これにより、電流不連続モードと電流連続モードとの切り替えを容易に制御することができる。
【0011】
本発明の態様3に係る電力変換装置において、前記電力変換装置は、電流不連続モード及び電流連続モードで動作し、前記電流不連続モードと前記電流連続モードとの境界において前記第1のリアクトル及び前記第2のリアクトルのいずれかに流れる電流Icrmは、前記入力電圧をViとし、前記オンデューティ比をAとし、前記スイッチング周波数をfSWとし、前記第1のリアクトル及び前記第2のリアクトルの自己リアクタンスをLとし、前記結合リアクトルの結合係数をkとすると、次の式、
Icrm=AVi{1-A(1+k)}/2LfSW(1-A)(1-k)
により表される。
【0012】
上記の構成によれば、電流Icrmのスイッチング周波数依存性を利用して、電流不連続モードと電流連続モードとの切り替えを容易に制御することができる。
【0013】
本発明の態様4に係る電力変換装置では、前記結合リアクトルの入力側に接続された第1のコンデンサと、前記結合リアクトルの出力側に接続された第2のコンデンサと、を更に備えている。
【0014】
上記構成によれば、第1のコンデンサによりリプル電流を除去できると共に、結合リアクトルに蓄えられたエネルギーを第2のコンデンサに供給した後に放出することで、電力変換装置の出力を大きくできる。
【0015】
本発明の態様5に係る電力変換装置では、前記第1のスイッチング素子の出力側に接続された第1のダイオードと、前記第2のスイッチング素子の出力側に接続された第2のダイオードと、を更に備えている。
【0016】
上記構成によれば、第1のスイッチング素子の出力側に第1のダイオードを接続し、第2のスイッチング素子の出力側に第2のダイオードを接続することで、第1のコンデンサから結合リアクトル側へ電流が逆流することを防止できる。
【0017】
本発明の態様6に係る電力変換装置では、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子は、縦型のMOS型電界効果トランジスタであり、前記第1のスイッチング素子のドレインと、前記第1のダイオードのアノードとが接続され、前記第2のスイッチング素子のドレインと、前記第2のダイオードのアノードとが接続されている。
【0018】
上記構成によれば、スイッチング素子として、縦型のMOS型電界効果トランジスタを用いることによって、耐圧を高め、且つ高速にスイッチングを行うことができる。
【0019】
本発明の態様7に係る電力変換装置では、前記第1のスイッチング素子の出力側に接続された第3のスイッチング素子と、前記第2のスイッチング素子の出力側に接続された第4のスイッチング素子と、を更に備え、前記制御部は、前記第1のスイッチング素子のオン時に前記第3のスイッチング素子がオフし、前記第1のスイッチング素子のオフ時に前記第3のスイッチング素子がオンし、前記第2のスイッチング素子のオン時に前記第4のスイッチング素子がオフし、前記第2のスイッチング素子のオフ時に前記第4のスイッチング素子がオンするように、前記第3のスイッチング素子及び前記第4のスイッチング素子の駆動を制御する。
【0020】
上記構成によれば、第1のスイッチング素子の出力側に第3のスイッチング素子を接続し、第2のスイッチング素子の出力側に第4のスイッチング素子を接続することで、第1のコンデンサから結合リアクトル側へ電流が逆流することを防止できる。また、同期整流方式の回路構成が形成されるので、態様5に係る電力変換装置と比べて、変換効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一態様によれば、結合リアクトルを備える電圧変換装置の制御をより安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る電力変換装置を含む電源装置の概略構成を示す図である。
図2】上記電力変換装置における電流連続モードにおける各相の電流経路を示す図である。
図3】上記電力変換装置における第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子のオンデューティ比の時間変化と出力電圧の時間変化との関係を示すグラフである。
図4】上記電力変換装置における結合リアクトルに逆電流が流れる状態を示す図である。
図5】上記電力変換装置の結合リアクトルに不感帯領域が発生した場合の図3相当図である。
図6】上記オンデューティ比が50%未満である場合に結合リアクトルを構成する第1のリアクトル及び第2のリアクトルに流れる電流の波形を示す波形図である。
図7】スイッチング周期と上記第1のリアクトル及び上記第2のリアクトルに流れる電流との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態に係る電力変換装置10を含む電源装置100について、図1図7を参照して説明する。
【0024】
<電源装置の概略構成>
図1は、電力変換装置10を含む電源装置100の概略構成を示す図である。図1に示すように、電源装置100は、電源Eと、電力変換装置10とを備えている。電源装置100は、例えば、電気自動車及びハイブリッド自動車等の車両に搭載され、モータ30に接続される。
【0025】
電力変換装置10は、電源Eから供給される直流の入力電圧Vinを、所定の出力電圧Voutに変換する装置である。電力変換装置10は、例えば、昇圧コンバータ等のDC-DCコンバータである。電源Eは、例えば200〔V〕程度の高電圧電源である。電力変換装置10は、インバータ20に接続され、インバータ20に出力電圧Voutを供給する。なお、電力変換装置10は、DC-DCコンバータに限らず、他にも力率改善(PFC:Power Factor Correction)回路に用いてもよい。
【0026】
電源装置100には、インバータ20が接続される。インバータ20には、三相交流式のモータ30が接続される。インバータ20は、電力変換装置10から供給される出力電圧Voutを3相の交流電圧に変換して、モータ30に出力する。モータ30は、車両の走行駆動源として機能する。
【0027】
[電力変換装置の構成]
電力変換装置10は、図1に示すように、結合リアクトル1と、第1のスイッチング素子Tr1と、第2のスイッチング素子Tr2と、第1のダイオードD1と、第2のダイオードD2と、第1のコンデンサC1と、第2のコンデンサC2と、制御部15とを有している。
【0028】
電力変換装置10の入力端子Pinは、電源Eの正極に接続されている。一方、電力変換装置10の入力端子Ninは、電源Eの負極に接続されている。また、電力変換装置10の出力端子Poutは、インバータ20の正極側の入力端子21に接続されている。一方、電力変換装置10の出力端子Noutは、インバータ20の負極側の入力端子22に接続されている。電力変換装置10は、電源Eから入力される入力電圧Vinを所定の出力電圧Voutに昇圧する。
【0029】
結合リアクトル1は、コア11にコイルが巻回された第1のリアクトルL1と、コア11にコイルが巻回された第2のリアクトルL2とを有して構成される。結合リアクトル1の第1のリアクトルL1及び第2のリアクトルL2は、互いに磁気結合されている。第1のリアクトルL1及び第2のリアクトルL2は、互いに異なる方向に巻回された差動型の結合リアクトルである。これにより、コア11内に発生する各相の直流磁束を打ち消すことができ、磁気飽和に対する余裕度を向上させることができる。したがって、磁気飽和を抑制しながら、コア11のサイズを小型にすることができる。
【0030】
第1のリアクトルL1の入力側の端子T11は、電源Eの正極に接続される。第2のリアクトルL2の入力側の端子T21は、電源Eの正極に接続される。また、第1のリアクトルL1の出力側の端子T12には、第1のスイッチング素子Tr1及び第1のダイオードD1が接続されている。第2のリアクトルL2の出力側の端子T22には、第2のスイッチング素子Tr2及び第2のダイオードD2が接続されている。
【0031】
第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2は、例えば、パワーMOSFET(Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2は、制御部15によって、オン及びオフ動作が制御される。なお、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2は、パワーMOSFETに限らず、他にもIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であってもよい。
【0032】
第1のスイッチング素子Tr1のソースs1とドレインd1の間には、第1のボディダイオードDb1が形成されている。第1のボディダイオードDb1は、第1のスイッチング素子Tr1の寄生ダイオードである。第1のスイッチング素子Tr1がオンしているとき、第1のボディダイオードDb1よりも抵抗の小さいチャネル部分に電流が流れる。一方、第1のスイッチング素子Tr1がオフしているとき、第1のボディダイオードDb1を電流が流れる。
【0033】
第2のスイッチング素子Tr2のソースs2とドレインd2の間には、第2のボディダイオードDb2が形成されている。第2のボディダイオードDb2は、第2のスイッチング素子Tr2の寄生ダイオードである。第2のスイッチング素子Tr2がオンしているとき、第2のボディダイオードDb2よりも抵抗の小さいチャネル部分に電流が流れる。一方、第2のスイッチング素子Tr2がオフしているとき、第2のボディダイオードDb2を電流が流れる。
【0034】
第1のスイッチング素子Tr1のドレインd1は、第1のリアクトルL1の出力側の端子T12、及び第1のダイオードD1のアノードに接続される。第1のスイッチング素子Tr1のソースs1は、入力端子Nin及び出力端子Noutに接続される。第1のスイッチング素子Tr1のゲートg1は、制御部15に接続される。
【0035】
第2のスイッチング素子Tr2のドレインd2は、第2のリアクトルL2の出力側の端子T22、及び第2のダイオードD2のアノードに接続される。第2のスイッチング素子Tr2のソースs2は、入力端子Nin及び出力端子Noutに接続される。第2のスイッチング素子Tr2のゲートg2は、制御部15に接続される。
【0036】
第1のコンデンサC1の一端P1は、入力端子Pinと第1のリアクトルL1の入力側の端子T11との間に接続されている。第1のコンデンサC1の他端N1は、入力端子Ninと出力端子Noutとの間に接続されている。第1のコンデンサC1は、平滑コンデンサであり、電源Eから電力変換装置10に供給される入力電圧Vinに含まれるリプルを少なくする。
【0037】
第2のコンデンサC2の一端P2は、出力端子Poutを介して、インバータ20の正極の端子21に接続される。第2のコンデンサC2の他端N2は、出力端子Noutを介して、インバータ20の負極の端子22に接続される。
【0038】
制御部15は、図1に示すように、制御信号Sig1を出力することにより、第1のスイッチング素子Tr1のオン及びオフ動作を制御する。また、制御部15は、制御信号Sig2を出力することにより、第2のスイッチング素子Tr2のオン及びオフ動作を制御する。これにより、制御部15は、第1のリアクトルL1及び第2のリアクトルL2に蓄積したエネルギーを、第2のコンデンサC2を介してインバータ20へ供給する。
【0039】
制御部15は、負荷の大きさに応じて第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2をスイッチングする制御信号のオンデューティ比を変更する。具体的には、制御部15は、負荷が大きい(重負荷である)ときに、オンデューティ比を大きくし、負荷が小さい(軽負荷である)ときに、オンデューティ比を小さくする。
【0040】
<電力変換装置の動作>
次に、電力変換装置10の動作の一例について、図2を参照して説明する。図2は、電力変換装置10における電流連続モードにおける各相の電流経路を示す図である。図3は、電力変換装置10におけるオンデューティ比Aの時間変化と出力電圧Voutの時間変化との関係を示すグラフである。
【0041】
図2に示す電力変換装置10は、4つの動作モード1~4を有する。
【0042】
動作モード1は、第1のスイッチング素子Tr1がオン、第2のスイッチング素子Tr2がオフの状態である。
【0043】
動作モード2は、第1のスイッチング素子Tr1がオフ、第2のスイッチング素子Tr2がオンの状態である。
【0044】
動作モード3は、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2がオフの状態である。
【0045】
動作モード4は、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2がオンの状態である。各動作モード1~4では、第1のリアクトルL1及び第2のリアクトルL2は、互いに磁気結合した状態で動作する。
【0046】
制御部15は、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2を半周期ずらして、即ち180°位相をシフトさせて駆動させる。第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2のスイッチングのオンデューティ比Aが50%未満である場合、制御部15は、例えば、動作モード1→動作モード3→動作モード2→動作モード3のパターンが繰り返されるように、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2の駆動を制御する。
【0047】
一方、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2スイッチングのオンデューティ比Aが50%よりも大きい場合、制御部15は、動作モード1→動作モード4→動作モード2→動作モード4のパターンが繰り返されるように、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2の駆動を制御する。また、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2のスイッチングのオンデューティ比Aが50%である場合、制御部15は、動作モード1と動作モード2を交互に繰り返す。なお、上記した電力変換装置10の動作パターンは、一例であり、適宜変更可能である。
【0048】
オンデューティ比Aが50%以上である場合、図3に示すように、出力電圧Voutがオンデューティ比Aの変化に追従するように変化する。このように、オンデューティ比Aが50%以上である場合、出力電圧Voutの制御が安定している。
【0049】
[逆電流の発生]
次に、結合リアクトル1の第1のリアクトルL1又は第2のリアクトルL2に逆電流が発生する条件、及び逆電流が発生しない条件について、図3図5、及び表1を参照して説明する。図3は、図1の電力変換装置10における第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2のスイッチングのオンデューティ比Aの時間変化と出力電圧Voutの時間変化との関係を示すグラフである。図4は、図1の電力変換装置10の第2のリアクトルL2に逆電流が流れる状態を示す図である。図5は、図1の電力変換装置10の結合リアクトル1に不感帯現象が発生した場合の図3相当図である。ここで、「不感帯現象」とは、オンデューティ比Aの変化に対して、出力電圧Voutが追従しなくなる現象をいう。また、図5の時間t2~t3に示すように、不感帯現象が発生する領域を「不感帯領域」という。
【0050】
以下の表1に、逆電流が発生する条件を示す。表1において、電流連続モード(CCM:Continuous Conduction Mode)とは、第1のリアクトルL1又は第2のリアクトルL2に電流が連続的に流れるモードをいう。一方、電流不連続モード(DCM:Discontinuous Conduction Mode)とは、第1のリアクトルL1又は第2のリアクトルL2に流れる電流が、一周期中にゼロになる期間ができるモードをいう。
【0051】
なお、一般的なDC-DCコンバータは、軽負荷であっても常に電流連続モードで動作させようとすると、それを意識して設計しなければならないので、電流不連続モード及び電流連続モードが混在する状態で動作するのが通常である。したがって、電力変換装置10も同様に、電流不連続モード及び電流連続モードが混在する状態で動作するものとする。
【0052】
【表1】
【0053】
表1に示すように、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2のスイッチングのオンデューティ比Aが50%以上である場合、第1のリアクトルL1又は第2のリアクトルL2に逆電流は発生しない。また、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2が電流連続モードで駆動する場合、第1のリアクトルL1又は第2のリアクトルL2に逆電流は発生しない。
【0054】
一方、例えば、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2のスイッチングのオンデューティ比Aが50%未満である場合、第2のスイッチング素子Tr2が電流不連続モードで駆動するとき、図4に示すように、第2のリアクトルL2にリアクトル電流IL2-1で示される逆電流が発生する。
【0055】
具体的には、上記した動作モード1から動作モード3へ状態が変化するとき、即ち、第1のスイッチング素子Tr1がターンオフし、第1のリアクトルL1から出力側へ放電している期間に、第2のスイッチング素子Tr2がオフしているとき、第2のボディダイオードDb2が導通することにより、第2のリアクトルL2に逆電流が発生する。
【0056】
この第2のリアクトルL2における逆電流は、図4に示すようにリアクトル電流IL1-1が出力側へ流れているとき、電力伝送を行っている相に対して、これを妨げる方向にリアクトル電流IL2-1が流れることにより起こる。このため、図5のt2~t3に示すように、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2のスイッチングのオンデューティ比Aの変化に対し、出力電圧Voutが追従しなくなる不感帯現象が発生する不感帯領域が現れる。
【0057】
[電流不連続モードと電流連続モードとの境界で流れる電流]
続いて、電流不連続モードと電流連続モードとが切り替わる境界でリアクトルに流れる電流(境界電流)と、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2のスイッチング周波数との関係について説明する。
【0058】
図6は、オンデューティ比が50%未満である場合に結合リアクトルを構成する第1のリアクトルL1及び第2のリアクトルL2に流れる電流の波形を示す波形図である。
【0059】
なお、図6を参照した以下の説明では、上述した第1モード、第2モード、及び第3モードについて、第1モードをモードM1とし、第1モードに続く第3モードをモードM2とし、第2モードをモードM3とし、第2モードに続く第3モードをモードM4とする。また、以降の説明では、第1のリアクトルL1,L2にそれぞれ流れる電流を、その向きに関わらずIL1,IL2と称する。
【0060】
また、後述する表2を参照した説明では、入力電圧VinをViと称し、出力電圧VoutをVoと称する。
【0061】
図6に示すように、オンデューティ比Aが50%未満である場合、モードM1~M4について、第1のリアクトルL1に流れるリアクトル電流IL1は、以下のように変化する。
【0062】
モードM1では、第1のスイッチング素子Tr1がオン時間tonでオンする。これにより、第1のスイッチング素子Tr1を介して第1のリアクトルL1にdi1〔A〕のリアクトル電流IL1が流れ込むことで、第1のリアクトルL1に磁気エネルギーが蓄えられる。
【0063】
モードM2では、第1のスイッチング素子Tr1がオフ時間toff(=ton)でオフすることにより、第1のリアクトルL1に蓄えられていた磁気エネルギーの一部が放出される。これにより、負のdi2〔A〕(|di1|>|di2|)のリアクトル電流IL1が第1のリアクトルL1から第1のダイオードD1に流れ出す。
【0064】
モードM3では、第2のスイッチング素子Tr2がオン時間tonでオンする。これにより、第2のスイッチング素子Tr2を介して第1のリアクトルL1に、僅かなdi3〔A〕(|di2|>|di3|)のリアクトル電流IL1が流れ込む。
【0065】
モードM4では、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2がオフ時間toffでオフすることにより、第1のリアクトルL1に蓄えられていた磁気エネルギーの残りが放出される。これにより、負のdi4〔A〕(di2<di4<0)のリアクトル電流IL1が第1のリアクトルL1から第1のダイオードD1に流れ出す。
【0066】
なお、モードM1~M4におけるリアクトル電流IL1は、それぞれモードM3,M4,M1,M2におけるリアクトル電流IL2と等しい。
【0067】
ここで、第1相(第1のリアクトルL1)及び第2相(第2のリアクトルL2)のそれぞれのモードM1~M4における、入力電圧Viと、入力電圧Viと出力電圧Voとの差(Vi-Vo)は、表2に示す各式のように表される。表2において、Lは第1のリアクトルL1及び第2のリアクトルL2のそれぞれの自己インダクタンスを表し、Mは、結合リアクトル1における相互インダクタンスを表している。
【0068】
【表2】
【0069】
表2におけるモードM1の第1相及び第2相の式より、tonについて整理することにより、式(1)が導かれる。
【0070】
Voton/(L+M)=di1-di3 …(1)
表2におけるモードM2の第1相及び第2相の式より、toffについて整理することにより、式(2)が導かれる。
【0071】
di2=di41=(Vi-Vo)toff/(L-M) …(2)
モードM3については、モードM1と相が入れ替わるだけであるので、式(1)と同じ式が導かれる。モードM4については、モードM2と相が入れ替わるだけであるので、式(2)と同じ式が導かれる。
【0072】
第1相の周期平均電流Iaveは、第1相(第1のスイッチング素子Tr1)のスイッチング周期をTとすると、式(3)のように表される。
【0073】
Iave=di1{(ton/2)+toff+(ton/2)}/T
=di1/2 …(3)
また、電流の傾きの符号を考慮すれば、di1+di3は、-(di2+di4)と等しいことから、式(4)のように求められる。
【0074】
di1+di3=-2(Vi-Vo)toff/(L-M) …(4)
式(1)及び式(4)と、A=ton/(ton+toff)=ton・fSWから、di1は、次式のように求められる。ここで、Aはオンデューティ比を表し、fSWは第1のスイッチング素子Tr1のスイッチング周波数を表す。
【0075】
di1=(L-M)VoA-(L+M)(Vi-Vo)(1-2A)/2fSW(L-M)
上式において、Vi=(1-A)Vo及びM=kL(kは結合リアクトル1の結合係数)であることにより、di1は式(5)のように表される。
【0076】
di1=AVo{1-A(1+k)}/fSW(1-D(1+k)) …(5)
よって、第1相の周期平均電流Iaveで表される境界電流Icrmは、式(3),(5)より、次式(6)のように表される。
【0077】
Icrm=Iave=AVi{1-A(1+k)}/2LfSW(1-A)(1-k) …(6)
このように、境界電流Icrmは、スイッチング周波数fSWを分母に有する式で定まり、スイッチング周波数fSWの逆数に依存する。
【0078】
[電流不連続モードと電流連続モードとの境界の変更]
上述した式(6)による境界電流Icrmとスイッチング周波数fSWとの関係から、スイッチング周波数fSWを上げると境界電流Icrmが小さくなる。これにより、オンデューティ比Aが50%未満であるとき、スイッチング周波数fSWを上げることにより、電流不連続モードで動作する領域を狭めることができる。また、スイッチング周波数fSWがスイッチング周期TSWと逆数の関係にあることから、オンデューティ比Aが50%未満であるとき、スイッチング周期TSWを短くすることにより、上記の境界電流値が小さくなり、電流不連続モードで動作する領域を狭めることができる。
【0079】
そこで、制御部15は、オンデューティ比Aが50%未満であるとき、即ち軽負荷時に、スイッチング周波数fSWを上げるように、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2の動作を制御する。
【0080】
続いて、スイッチング周波数fSWを上げることによる効果について説明する。図7は、スイッチング周期TSWと結合リアクトル1に流れる電流(境界電流)との関係を示す図である。ここでは、第1のスイッチング素子Tr1及び第2のスイッチング素子Tr2のスイッチング周波数fSW(スイッチング周期TSW)が等しくなるように制御され、リアクトル電流IL1,IL2が上述のように等しいとする(図6参照)。
【0081】
上述した式(6)をスイッチング周期TSWで表すと、図7に示すように、スイッチング周期TSWと境界電流Icrmとが比例の関係となる。これにより、図7に示すように、軽負荷時に、スイッチング周波数fSWを上げる前(スイッチング周期TSWを短くする前)の、電流不連続モードの範囲DCM1と、電流連続モードの範囲CCM1との境界Bm1は、境界電流Icrm1によって定まる位置にある。
【0082】
これに対し、スイッチング周波数fSWを上げる(スイッチング周期TSWを短くする)ことにより、境界電流Icrm1が、より小さい境界電流Icrm2に変化する。これにより、境界Bm1がより左側の境界Bm2に変位する。したがって、電流不連続モードの範囲DCM1は、より狭い範囲DCM2に狭まり、電流連続モードの範囲CCM1の範囲は、より広い範囲CCM2に広がる。
【0083】
[実施形態の効果]
上記のように、電流不連続モードの範囲が狭まることにより、オンデューティ比Aが50%未満である状態での電流不連続モードで生じる不感帯領域を狭めることができる。よって、結合リアクトル1を備える電力変換装置10の制御をより安定化させることができる。
【0084】
また、オンデューティ比Aが50%未満であるか否かに応じてスイッチング周波数を上げるか否かを決定することができる。これにより、電流不連続モードと電流連続モードとの切り替えを容易に制御することができる。
【0085】
また、式(6)により表されるように、電流Icrmのスイッチング周波数依存性を利用して、電流不連続モードと電流連続モードとの切り替えを容易に制御することができる。
【0086】
また、電源Eと結合リアクトル1との間に、第1のコンデンサC1に並列に接続することで、リプルを少なくできる。また、結合リアクトル1の出力側に第2のコンデンサC2を接続することにより、結合リアクトル1に蓄えられたエネルギーを、第2のコンデンサC2に供給した後にインバータ20へ放出することで、電力変換装置10の出力を大きくできる。
【0087】
また、第1のスイッチング素子Tr1の出力側に第1のダイオードD1を接続し、第2のスイッチング素子Tr2の出力側に第2のダイオードD2を接続することで、第2のコンデンサC2から結合リアクトル1側へ電流が逆流することを防止できる。
【0088】
また、第1のスイッチング素子Tr1又は第2のスイッチング素子Tr2として、縦型のMOS型電界効果トランジスタであるパワーMOSFETを用いることによって、耐圧を高め、且つ高速にスイッチングを行うことができる。
【0089】
〔その他の実施形態〕
上記した実施形態の電力変換装置10では、2相の第1のリアクトルL1及び第2のリアクトルL2が磁気結合した結合リアクトル1が1つ配置された場合について説明した。しかしながら、これに限らず、例えば4相のリアクトルからなる2つの結合リアクトル1が設けられていてもよい。
【0090】
上記した実施形態の電力変換装置10では、第1のリアクトルL1の出力側に、第1のダイオードD1が接続され、第2のリアクトルL2の出力側に、第2のダイオードD2が接続されている構成としたが、これに限定されない。第1のダイオードD1及び第2のダイオードD2の代わりに、第3のスイッチング素子及び第4のスイッチング素子を配置した同期整流方式の回路構成としてもよい。
【0091】
即ち、電力変換装置10の回路構成を、第1のスイッチング素子Tr1の出力側に第3のスイッチング素子を接続し、第2のスイッチング素子Tr2の出力側に第4のスイッチング素子を接続した回路構成としてもよい。第3のスイッチング素子及び第4のスイッチング素子としては、FET等を用いることができる。
【0092】
第3のスイッチング素子及び第4のスイッチング素子のオン及びオフ動作は、制御部15によって制御される。具体的には、制御部15は、第1のスイッチング素子Tr1のオフ時に第3のスイッチング素子がオンし、第2のスイッチング素子Tr2のオフ時に第4のスイッチング素子がオンするように制御する。また、制御部15は、第1のスイッチング素子Tr1のオン時に第3のスイッチング素子がオフし、第2のスイッチング素子Tr2のオン時に第4のスイッチング素子がオフするように制御する。これにより、第1のスイッチング素子Tr1のオン時、及び第2のスイッチング素子Tr2のオン時に、第2のコンデンサC2から結合リアクトル1側へ電流が逆流することを防止できる。
【0093】
この場合、電源Eを二次電池とすることで、電力変換装置10によって、モータ30が発電された電力を、直流に変換して電源Eに充電することが可能である。また、同期整流方式の回路構成は、第1のダイオードD1及び第2のダイオードD2を備える非同期整流方式の回路構成と比べて、変換効率を高めることができる。
【0094】
〔付記事項〕
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。また、本発明は、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1 結合リアクトル
10 電力変換装置
11 コア
15 制御部
20 インバータ
100 電源装置
L1 第1のリアクトル
L2 第2のリアクトル
Tr1 第1のスイッチング素子
Tr2 第2のスイッチング素子
C1 第1のコンデンサ
C2 第2のコンデンサ
D1 第1のダイオード
D2 第2のダイオード
Vin 入力電圧
Vout 出力電圧
A オンデューティ比
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7