IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 公益財団法人鉄道総合技術研究所の特許一覧

特開2023-37866早期地震警報のための地震規模決定方法
<>
  • 特開-早期地震警報のための地震規模決定方法 図1
  • 特開-早期地震警報のための地震規模決定方法 図2
  • 特開-早期地震警報のための地震規模決定方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037866
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】早期地震警報のための地震規模決定方法
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/28 20060101AFI20230309BHJP
【FI】
G01V1/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144669
(22)【出願日】2021-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】野田 俊太
(72)【発明者】
【氏名】岩田 直泰
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊六
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA03
2G105BB01
2G105EE02
2G105FF02
2G105GG03
2G105MM02
(57)【要約】
【課題】地震規模を早期かつ正確に決定することができる早期地震警報のための地震規模決定方法を提供する。
【解決手段】地震動指標値について予め設定された複数の閾値の中から、観測されている地震動が大きいほど大きな閾値を選択する。選択した閾値を超過したデータのみを用いて地震規模を決定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震動指標値について予め設定された複数の閾値の中から、観測されている地震動が大きいほど大きな前記閾値を選択し、選択した前記閾値を超過したデータのみを用いて地震規模を決定する、
早期地震警報のための地震規模決定方法。
【請求項2】
前記地震動指標値は計測震度であり、前記閾値は計測震度閾値であり、
領域を複数のグリッドに分割し、前記グリッドの計測震度を算出し、観測されている地震動が大きいほど大きな前記計測震度閾値を選択し、選択した前記計測震度閾値を超過した前記グリッドの個数Ngridを算出し、
震央から最寄りの観測点までの距離Δclosestを算出し、
数式1により地震規模Mを決定する、請求項1に記載の早期地震警報のための地震規模決定方法。
【数1】
ただし、α、βおよびγは、前記計測震度閾値ごとに過去の地震記録から統計的に求めた係数である。
【請求項3】
前記グリッドの計測震度は、複数の観測点の計測震度から逆距離加重法により算出する、
請求項2に記載の早期地震警報のための地震規模決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、早期地震警報のための地震規模決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、地震動が観測されている観測点のデータを利用して地震規模を決定している。例えば特許文献1では、観測されている地震動の振幅の大きさと距離減衰式の関係から地震規模を決定する。特許文献2では、観測されている地震動の開始時刻からその時点での最大振幅までの時間差から地震規模を決定する。特許文献3では、地震動の閾値を超過した観測点の数から地震規模を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-277557号公報
【特許文献2】特開2013-72685号公報
【特許文献3】特開2014-095586号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“計測震度の算出方法”、[online]、気象庁、[令和3年9月1日検索]、インターネット<URL:https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/kaisetsu/calc_sindo.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地震発生中のあるタイミングに着目した場合、震源に近い観測点では大きな地震動が観測されていたとしても、震源から遠い観測点では地震動の開始から時間が経過していないため、地震動の大きさがまだ成長していないという状況が必ず発生する。震源から遠い観測点のデータを使用すると、震源から近い観測点のデータのみを使用した場合と比較して、決定される地震規模が過小評価されてしまうという課題がある。この結果、早期地震警報の発令が遅れてしまう可能性が高まる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、地震規模を早期かつ正確に決定することができる早期地震警報のための地震規模決定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の早期地震警報のための地震規模決定方法は、地震動指標値について予め設定された複数の閾値の中から、観測されている地震動が大きいほど大きな閾値を選択する。選択した閾値を超過したデータのみを用いて地震規模を決定する。
【0008】
これにより、地震規模に応じた大きな地震動のデータのみを使用して、地震規模を決定する。震源に近い領域で、大きな地震動が発生する。大きな地震動のデータに含まれる情報量は多いので、早期かつ正確に地震規模を決定することができる。
【0009】
地震動指標値は計測震度であり、閾値は計測震度閾値である。領域を複数のグリッドに分割し、グリッドの計測震度を算出する。観測されている地震動が大きいほど大きな計測震度閾値を選択する。選択した計測震度閾値を超過したグリッドの個数Ngridを算出する。震央から最寄りの観測点までの距離Δclosestを算出する。そして、数式1により地震規模Mを決定する。ただし、α、βおよびγは、計測震度閾値ごとに過去の地震記録から統計的に求めた係数である。
【0010】
【数1】
【0011】
地震発生から短時間で、震源に近い領域に、計測震度閾値を超過するグリッドが発生する。計測震度閾値以下のグリッドのデータは使用せず、計測震度閾値を超過するグリッドの個数Ngridのみを使用して、地震規模Mを決定する。これにより、早期かつ正確に地震規模を決定することができる。
【0012】
グリッドの計測震度は、複数の観測点の計測震度から逆距離加重法(IDW法)により算出することができる。
【0013】
観測点は領域内で必ずしも均等に分布しておらず、地震発生時にメンテナンスなどの原因によりデータが観測できない観測点も存在する可能性がある。そのため、地震規模が同じでも、震源の位置により、計測震度閾値を超過する観測点の個数が異なる。一方、グリッドは領域内に均等に分布する。地震規模が同じであれば、震源の位置によらず、計測震度閾値を超過するグリッドの個数は同等である。したがって、地震規模を正確に決定することができる。複数の観測点の計測震度から逆距離加重法によりグリッドの計測震度を算出すれば、グリッドの計測震度を正確に算出することができる。
【発明の効果】
【0014】
地震規模に応じた大きな地震動のデータのみを使用して、地震規模を決定する。震源に近い領域で、大きな地震動が発生する。大きな地震動のデータに含まれる情報量は多いので、早期かつ正確に地震規模を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】グリッドの設定の説明図。
図2】気象庁マグニチュードと推定マグニチュードとの相関を示すグラフ。
図3】地震発生からの経過時間による推定マグニチュードの変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態の早期地震警報のための地震規模決定方法を、図面を参照して説明する。
【0017】
震源に近い観測点では、地震発生から短時間で地震動が開始する。震源から遠い観測点では、地震発生から長時間の経過後に地震動が開始する。地震発生から所定時間後(地震発生中)の同じ時点で両者を評価する。前者では地震動の開始からその時点まで長時間が経過している。そのため、前者の観測データは地震動の開始からのデータ長が長く、観測データの保有する震源要素推定のための情報(最大の計測震度など)が多い。前者は震源に近いので、前者の観測データの振幅(地震動)は大きい。後者では地震動の開始からその時点まで短時間しか経過していない。そのため、後者の観測データは地震動の開始からのデータ長が短く、観測データの保有する震源要素推定のための情報が少ない。後者は震源から遠いので、後者の観測データの振幅(地震動)は小さい。
【0018】
地震発生中のある時点で、大きな地震動のデータに含まれる震源要素推定のための情報量は多く、小さな地震動のデータに含まれる震源要素推定のための情報量は少ない。その時点で大きな地震動のデータのみを使用して地震規模を推定すれば、推定精度および即時性が高くなる。本実施形態では、地震動指標値について予め複数の閾値を設定する。地震動指標値は、計測震度や振幅などである。複数の閾値の中から、観測されている地震動が大きいほど大きな閾値を選択する。選択した閾値を超過したデータのみを使用して地震規模を推定する。これにより、早期かつ正確に地震規模を決定する。
【0019】
実施形態では、一例として、地震動指標値として計測震度(非特許文献1参照)を採用し、閾値として計測震度閾値を採用する。領域を複数のグリッドに分割して、各グリッドの計測震度の大きさを評価する。予め複数の計測震度閾値を設定し、観測されている地震動が大きいほど大きな計測震度閾値を選択する。選択した計測震度閾値を超過したグリッドの個数を使用して、地震規模を推定する。
【0020】
図1は、グリッドの設定の説明図である。例えば、緯度および経度の0.1度刻みで、領域を複数のグリッドgに分割する。領域には複数の観測点(震度観測点)が存在するが、これらの観測点が領域内に均質に存在するとは限らない。複数の観測点における計測震度の観測データから、逆距離加重法(IDW法)を使用して、各グリッドgの計測震度を算出する。逆距離加重法は、対象地点Aの近くに存在する別の地点B1~Bnのデータの平均を取ることによって、対象地点Aのデータを推定する手法である。データの平均を取る際に、対象地点Aから別の地点B1~Bnまでの距離の逆数を重みとして使用する。逆距離加重法以外の方法を使用して、複数の観測点における観測データから、各グリッドgの計測震度を算出してもよい。地震発生から所定時間ごとに連続して、複数のグリッドgの計測震度を算出する。
【0021】
複数の計測震度閾値として、例えば計測震度3.5、4.0、4.5、5.0および5.5を設定する。複数の計測震度閾値の中から、観測されている地震動の大きさに応じて一つの計測震度閾値を選択する。観測されている地震動が大きいほど大きな計測震度閾値を選択する。例えば、複数のグリッドの計測震度の最大値未満であって、その最大値に最も近い計測震度閾値を選択する。例えば、複数のグリッドの計測震度の最大値が5.3のとき、計測震度閾値として5.0を選択する。計測震度閾値を選択した後に、複数のグリッドの計測震度の最大値が更新された場合には、上述した方法で改めて計測震度閾値を選択する。
【0022】
図1に示す複数のグリッドgのうち、選択した計測震度閾値を超過したグリッドgの個数Ngridを算出する。このグリッドgの個数Ngridは、強震動域の面積に相当する。強震動域の面積は、地震規模に比例する。そこで、Ngridを使用して、数式2により地震規模Mを推定する。
【0023】
【数2】
α、βおよびγは、後述する係数である。Δclosestは、震央から最寄りの観測点までの距離(km)である。震央の位置は、気象庁が発表する緊急地震速報から取得してもよいし、観測点の観測データからB-Δ法やC-Δ法などにより算出してもよい。
【0024】
数式2の右辺の第2項は、震央からの距離により地震規模Mを補正する。例えば、震央が海上であり、観測点が陸上のみに存在する場合がある。観測点での計測震度が3.0のとき、震央が観測点から近ければ地震規模は小さいが、震央が観測点から遠ければ地震規模は大きい。数式2の右辺の第2項は、震央から最寄りの観測点までの距離Δclosestが大きいほど、地震規模Mが大きくなるように補正する。
【0025】
数式2のα、βおよびγは、複数の計測震度閾値ごとに過去の地震記録から統計的に求めた係数である。過去の地震記録から、上記のように計測震度閾値を選択してNgridを算出し、またΔclosestを算出して、数式2に代入する。過去の地震記録の気象庁マグニチュードを、数式2のMに代入する。気象庁マグニチュードに代えて、モーメントマグニチュードなど他のマグニチュード指標値を使用してもよい。複数の地震記録について作成した数式2から、最小二乗法等の統計的手法により、α、βおよびγを決定する。複数の計測震度閾値ごとに決定された数式2のためのα、βおよびγを表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
図2は、気象庁マグニチュードと推定マグニチュードとの相関を示すグラフである。図2の横軸は、過去の地震記録の気象庁マグニチュードMjである。図2の縦軸は、過去の地震記録について数式2により推定した地震規模(推定マグニチュード)Mestである。過去の地震記録として、海底地震計で観測された15個の地震イベント記録と、陸上地震計で観測された87個の地震イベント記録を使用している。数式2による推定マグニチュードMestの誤差として、残差の二乗平均平方根(RMS)を算出した。海底地震記録における推定マグニチュードMestの二乗平均平方根は0.324である。陸上地震記録における推定マグニチュードMestの二乗平均平方根は0.330である。気象庁マグニチュードMjと推定マグニチュードMestとの間に、十分な相関があることが確認された。
【0028】
図3は、地震発生からの経過時間による推定マグニチュードの変化を示すグラフである。2008年に発生した岩手・宮城内陸地震(気象庁マグニチュードMj7.2)の地震イベント記録に基づいて、以下の検討を行った。地震発生から連続して、数式2を使用して推定マグニチュードMestを算出した。ただし、観測されている地震動の大きさに応じて計測震度閾値を選択するのではなく、複数の計測震度閾値のそれぞれを一定に保持したまま、推定マグニチュードMestを算出した。
【0029】
大規模地震の場合、地震発生から短時間で、震源に近い領域で地震動が発生し、計測震度が大きくなる。地震発生から長時間の経過後には、震源から遠い領域でも地震動が発生するが、計測震度は小さい。
小規模地震の場合、地震発生から短時間で、震源に近い領域で地震動が発生するが、計測震度は小さい。地震発生から長時間が経過後しても、震源から遠い領域に地震動は発生しない。
【0030】
計測震度閾値を大きい値(例えば5.5)に保持した場合について着目する。この計測震度閾値は、岩手・宮城内陸地震のような大規模地震のマグニチュード推定に適した計測震度閾値である。
大規模地震の場合、地震発生から短時間で、震源に近い領域に大きな地震動が発生し、大きな計測震度閾値を超過するグリッドが発生する。地震発生から短時間でも、数式2は、気象庁マグニチュードMj(=7.2)と同等の推定マグニチュードMestを算出する。すなわち、数式2による地震規模の推定精度は高い。このように、適切な計測震度閾値が選択される場合には、地震規模の推定精度が高い。これにより、早期かつ正確な地震規模の決定が可能である。
【0031】
計測震度閾値を小さい値(例えば3.5)に保持した場合について着目する。この計測震度閾値は、岩手・宮城内陸地震のような大規模地震のマグニチュード推定に適した計測震度閾値とは言えない。
大規模地震の場合、地震発生から短時間で、震源に近い領域に大きな地震動が発生し、小さな計測震度閾値を超過するグリッドが発生する。ただし、小規模地震の場合でも、地震発生から短時間で、震源に近い領域に小さな地震動が発生するので、小さな計測震度閾値を超過するグリッドが発生する。そのため、地震発生からの時間が短い場合、数式2による推定マグニチュードMestは小さな値となる。大規模地震において小さな計測震度閾値を用いる場合、推定マグニチュードMestが大きくなるためには、計測震度閾値を超過したグリッドgの個数Ngridが大きくなる必要がある。すなわち、地震動が遠方まで拡がる必要があるため、推定マグニチュードMestが大きくなるのは、地震発生から長時間が経過した後になる。このように、地震規模に応じた計測震度閾値が選択されない場合には、高精度な地震規模の推定に時間を要する。
【0032】
なお、最終的な地震規模の値はその地震破壊が終了するまで未知であるため、事前に適切な計測震度閾値を設定しておくことはできない。しかしながら、大規模地震発生時においては震源に近い領域では大きな地震動が観測される一方、小規模地震発生時には震源に近い領域でも観測される地震動は小さい。そこで、その時点で観測されている地震動が大きいほど大きな計測震度閾値を選択することで、適切な計測震度閾値を選択することが可能となる。
【0033】
以上に詳述したように、実施形態の早期地震警報のための地震規模決定方法は、地震動指標値について予め設定された複数の閾値の中から、観測されている地震動の大きさが大きいほど大きな閾値を選択する。選択した閾値を超過したデータのみを用いて地震規模を決定する。
【0034】
これにより、地震規模に応じた大きな地震動のデータのみを使用して、地震規模を決定する。震源に近い領域で、大きな地震動が発生する。大きな地震動のデータに含まれる情報量は多いので、地震規模を早期かつ正確に決定することができる。これに伴って、地震警報を早期かつ正確に発令することができる。
【0035】
地震動指標値は計測震度であり、閾値は計測震度閾値である。領域を複数のグリッドに分割し、グリッドの計測震度を算出する。観測されている地震動が大きいほど大きな計測震度閾値を選択する。選択した計測震度閾値を超過したグリッドの個数Ngridを算出する。震央から最寄りの観測点までの距離Δclosestを算出する。そして、数式2により地震規模Mを決定する。ただし、α、βおよびγは、計測震度閾値ごとに過去の地震記録から統計的に求めた係数である。
【0036】
地震発生から短時間で、震源に近い領域に、計測震度閾値を超過するグリッドが発生する。計測震度閾値以下のグリッドのデータは使用せず、計測震度閾値を超過するグリッドの個数Ngridのみを使用して、地震規模Mを決定する。これにより、早期かつ正確に地震規模を決定することができる。
【0037】
グリッドの計測震度は、複数の観測点の計測震度から逆距離加重法により算出することができる。
【0038】
観測点は領域内で必ずしも均等に分布しておらず、地震発生時にメンテナンスなどの原因によりデータが観測できない観測点も存在する可能性がある。そのため、地震規模が同じでも、震源の位置により、計測震度閾値を超過する観測点の個数が異なる。一方、グリッドは領域内に均等に分布する。地震規模が同じであれば、震源の位置によらず、計測震度閾値を超過するグリッドの個数は同等である。したがって、地震規模を正確に決定することができる。複数の観測点の計測震度から逆距離加重法によりグリッドの計測震度を算出すれば、グリッドの計測震度を正確に算出することができる。
【0039】
実施形態では、地震動指標値として計測震度を採用し、閾値として計測震度閾値を採用した。選択した計測震度閾値を超過したグリッドの個数Ngridを使用して、数式2により地震規模Mを決定した。これに対して、以下の数式3から7のいずれか一つにより、地震規模Mを決定してもよい。また、数式2から7を組み合わせて、地震規模Mを決定してもよい。
【0040】
【数3】
【0041】
【数4】
【0042】
【数5】
【0043】
【数6】
【0044】
【数7】
【0045】
ただし、Ampは地震動の振幅値(PGV、PGAなど)、または地震動指標値(計測震度やSI値など)である。Distは震央距離または震源距離である。Depは震源の深さである。a,b,c,dおよびeは係数である。
【0046】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。
【符号の説明】
【0047】
g…グリッド。
図1
図2
図3