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  • 特開-自然通気式燃焼暖房器 図1
  • 特開-自然通気式燃焼暖房器 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003789
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】自然通気式燃焼暖房器
(51)【国際特許分類】
   F23D 3/08 20060101AFI20230110BHJP
   F24C 5/04 20060101ALI20230110BHJP
   F24C 5/12 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
F23D3/08 620C
F24C5/04 A
F24C5/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105077
(22)【出願日】2021-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】赤佐 星次
(72)【発明者】
【氏名】森田 誠
(57)【要約】
【課題】全周方向で穏やかな暖房感を得ることができると共に、炎の揺らめきを楽しむことができる実用的な暖房器を提供することを目的とする。
【解決手段】自然通気式燃焼暖房器1において、自然通気式燃焼部6の上部に円錐状の整炎蓋3を連接してなり、この整炎蓋3は、円錐の中心と同心円状に複数のスリット状の炎口10a、10b、10cが環状に開口されているものとし、この整炎蓋3の外周上部にガラス外筒4を配置し、さらにガラス外筒4の頂部に天板5を配置した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然通気式燃焼部の上部に円錐状の整炎蓋を連接してなり、
前記整炎蓋は、円錐の中心と同心円状に複数のスリット状の炎口が環状に開口されていることを特徴とする自然通気式燃焼暖房器。
【請求項2】
前記整炎蓋の外周上部にガラス外筒を配置し、前記ガラス外筒の頂部に天板を配置したことを特徴とする請求項1記載の自然通気式燃焼暖房器。
【請求項3】
前記自然通気式燃焼部は、
液体燃料を貯留する燃料タンクと、
前記燃料タンクを貫通する芯内筒と、
前記燃料タンクの上端と連接する芯外筒と、
前記芯内筒と前記芯外筒との間に設けられ下端が前記燃料タンク内の燃料に浸漬される燃焼芯と、
前記燃焼芯の上部内側に配置された内炎筒と、
前記燃焼芯の上部外側に配置された外炎筒と、
前記外炎筒の外側に配置された外筒と、
前記内炎筒の上部に配置された拡炎板とを備えて構成され、
前記整炎蓋の内面と、前記外筒の上端との間に仕切板を有していることを特徴とする請求項1または2記載の自然通気式燃焼暖房器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開放型の芯式ストーブ等の燃焼空気を自然通気により供給する自然通気式燃焼暖房器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の自然通気式燃焼暖房器においては、筒状の燃焼外筒の内部下方に芯式の拡散燃焼部を配置したいわゆる対流型ストーブとしての自然通気式燃焼暖房器(特許文献1)や、ガラス外筒内に内炎筒と外炎筒を配し、ガラス外筒内での燃焼により外炎筒を赤熱させ、この赤熱を反射板により反射させるいわゆる反射型ストーブとしての自然通気式暖房器(特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-190550号公報
【特許文献2】特開平10-2549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、これらの自然通気式燃焼暖房器は、対流型ストーブでは燃焼外筒により炎が視覚的に見えず、仮に見えるようにしたとしても一重の環状の平面的な白炎であり、また反射型ストーブでは炎自体が視認できないため、どちらも炎の揺らぎ等を楽しむことができないものであった。
【0005】
本発明は、炎を楽しむことができる実用的な暖房器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達するため、自然通気式燃焼部の上部に円錐状の整炎蓋を連接してなり、前記整炎蓋は、円錐の中心と同心円状に複数のスリット状の炎口が環状に開口されているものとした。
【0007】
また、前記整炎蓋の外周上部にガラス外筒を配置し、前記ガラス外筒の頂部に天板を配置したものとした。
【0008】
また、前記自然通気式燃焼部は、液体燃料を貯留する燃料タンクと、前記燃料タンクを貫通する芯内筒と、前記燃料タンクの上端と連接する芯外筒と、前記芯内筒と前記芯外筒との間に設けられ下端が前記燃料タンク内の燃料に浸漬される燃焼芯と、前記燃焼芯の上部内側に配置された内炎筒と、前記燃焼芯の上部外側に配置された外炎筒と、前記外炎筒の外側に配置された外筒と、前記内炎筒の上部に配置された拡炎板とを備えて構成され、前記整炎蓋の内面と、前記外筒の上端との間に仕切板を有しているものとした。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、スリット状の炎口の位置で拡散燃焼が生じるため、環状の揺らめく炎が複数立ち上り、炎を楽しむことができると共に、全周方向で穏やかな暖房感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の自然通気式燃焼暖房器の外観斜視図。
図2】同一実施形態の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の一実施形態の自然通気式燃焼暖房器1を、図面を参照して説明する。
【0012】
自然通気式燃焼暖房器1は、室内の空気を燃焼空気として利用し、排気ガスが室内に放出される開放型で、燃焼空気が燃焼のドラフトにより供給される自然通気式の燃焼方式を用いているものである。
【0013】
この自然通気式燃焼暖房器1は、図1に示すように筐体2と、整炎蓋3と、ガラス外筒4と、天板5と、整炎蓋3の下方に配置された自然通気式燃焼部6(詳細は後述)とで構成されている。
【0014】
筐体2には、自然通気式燃焼部6の燃焼量を調整する調整ハンドル7と、燃料の供給口(図示せず)を隠す燃料口蓋8と、全周にわたり燃焼空気が取り込まれる給気口9とが設けられている。なお、ここでは調整ハンドル7は点火スイッチを兼ねている。
【0015】
整炎蓋3は、中央が盛り上がった円錐状に形成されており、その傾斜面には同心円状に複数(ここでは3重)のスリット10a、10b、10cが環状に形成され、このスリット10a、10b、10cに火炎Fが形成され、炎口を構成するようにしている。ここで、各スリット10は略半弧状の開口を円錐の軸対称に複数配置することにより形成され、開口間の残肉部11は、内外のスリット10間でオフセットされて配置されることで、機械的強度の低下を抑制している。
【0016】
ガラス外筒4は、整炎蓋3の外周上部に配置されており、上部が少し窄まった円筒状に形成され、複数本(ここでは4本)の支柱12により保持されていると共に、その下部には筐体2との間に通気口13となる隙間が設けられている。
【0017】
天板5は、ガラス外筒4の頂部において支柱12に支持され、ガラス外筒4の上端に接しないように配置されている。この天板5の外径は、ガラス外筒4の上部の外径よりもわずかに大きく形成され、ガラス外筒4の上部との間に排気口14となる隙間が設けられている。なお、排気の程度に合わせて天板5に排気穴を開口してもよいものである。
【0018】
次に、自然通気式燃焼部6について、図2を参照して説明する。ここでは、自然通気式燃焼部6は、燃料タンク15と燃焼芯16と燃焼筒17とを備えて構成されている。
【0019】
燃料タンク15は、灯油等の液体燃料を貯留するもので、中央に芯内筒18が貫通して設けられ、燃料タンク15の上部には芯外筒19が接続され、底部にはスペーサーとなるタンク脚20が設けられて底板21上に配置されている。
【0020】
燃焼芯16は、綿、ガラス、不織布等の繊維が円筒状に形成され、液体燃料を吸い上げて上端部で燃焼させるもので、芯内筒18と芯外筒19の間に、下端が燃料タンク15内の液体燃料に浸漬した状態で配置されていると共に、調整ハンドル7の操作により燃焼芯16が上下動可能に配置されている。
【0021】
燃焼筒17は、芯内筒18および芯外筒19の上端外周に設けられた燃焼部皿22上に配置されている。燃焼筒17は、燃焼芯16の上部内側に位置する内炎筒23と、燃焼芯16の上部外側に位置する外炎筒24と、外炎筒24の外側に位置する外筒25と、内炎筒23の上部に位置する拡炎板26とで構成され、図示しないロッド等により一体に係合されて形成されている。
【0022】
芯内筒18の上端には、ドラフト量の調整のための多孔板27が配置されている。燃焼部皿22は、外炎筒24と外筒25の間および外筒25の外側にそれぞれ空気穴が適宜設けられている。
【0023】
内炎筒23、外炎筒24、外筒25には、それぞれ多数の小孔が設けられ、芯内筒18部および燃焼部皿22の下方からの燃焼空気が供給される。
【0024】
外筒25の上端と、整炎蓋3の最外周のスリット10cの外側の内面との間には、燃焼ガス(燃焼が完結した排気ガスと燃焼が未完結の未燃ガスの両方を含む)を整炎蓋3のスリット10へ案内するための仕切板28が配置されている。
【0025】
次に、この自然通気式燃焼暖房器1の作動について説明する。
ユーザーの調整ハンドル7操作により燃焼芯16が上昇されて、燃焼芯16の上端が僅かに内炎筒23と外炎筒24の間の空間に露出した状態で、点火ヒータ(図示せず)により燃焼芯16の上端付近が加熱されると、その熱により液体燃料が気化して着火する。
【0026】
着火に伴い燃焼芯16からの揮発量が増加し、内炎筒23の内側および外炎筒24の外側から供給される燃焼空気と混合されつつ緩やかな予混合燃焼反応を進めながら上昇し、さらに外筒25の外側からの燃焼空気と混合され、緩やかな予混合燃焼反応を進めながら整炎蓋3の内部まで上昇する。このとき、外筒25の上端と、整炎蓋3の最外周のスリット10cの外側の内面との間に仕切板28が配置されているため、燃焼ガスはスムーズにスリット10へ導かれる。
【0027】
整炎蓋3の内部に到達した燃焼ガスは、スリット10からガラス外筒4内の空間に放出され、ガラス外筒4内の空気を用いて拡散燃焼され、スリット10の形状に沿った環状の揺らめく火炎Fが複数立ち上る。このとき、ガラス外筒4の内部では、ガラス外筒4および天板5の存在により外部の気流の影響が抑制されているため、火炎の安定を維持できる。
【0028】
このとき、スリット10a、10b、10cは多重かつ上下多段に形成されているため、火炎Fも多重かつ上下多段に形成され、火炎Fが立体的に視認されることとなる。その一方で、整炎蓋3自体も加熱され、全周方向に輻射熱を放出し、暖房感が向上する。
【0029】
ここで、スリット10の火炎Fに対して、ガラス外筒4と筐体2との隙間の通気口13からの空気が供給されるが、このとき火炎Fも上下多段に形成されているため、内側の火炎Fに対しても十分に空気が供給される。さらには、火炎Fが形成されていない残肉部11を介しても空気が供給されるため、内側の火炎Fも十分に燃焼を完結することができる。
【0030】
以上のように、スリット10で形成される火炎Fは、自然通気式燃焼部6によって形成される火炎Fであるため、噴出速度が遅く、揺らめく自然な火炎となる。したがって、環状の揺らめく炎が上下多段に複数立ち上り、炎を楽しむことができると共に、全周方向で穏やかな暖房感を得ることができる。
【0031】
なお、本実施形態では、自然通気式燃焼部6として芯式の燃焼部を例に説明したが、これに限られず、蒸発ポット内で液体燃料を気化して蒸発燃焼させる自然通気ポット式の燃焼部であってもよい。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
1 自然通気式燃焼暖房器
3 整炎蓋
4 ガラス外筒
5 天板
6 自然通気式燃焼部
10 スリット(炎口)
15 燃料タンク
16 燃焼芯
18 芯内筒
19 芯外筒
23 内炎筒
24 外炎筒
25 外筒
28 仕切板
図1
図2