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特開2023-37895インプラント周囲疾患の事前予測装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037895
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】インプラント周囲疾患の事前予測装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/00 20180101AFI20230309BHJP
   A61C 8/00 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
G16H50/00
A61C8/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144719
(22)【出願日】2021-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】521393535
【氏名又は名称】株式会社リュクス
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100174285
【弁理士】
【氏名又は名称】小宮山 聰
(72)【発明者】
【氏名】辻 翔太
【テーマコード(参考)】
4C159
5L099
【Fターム(参考)】
4C159DD10
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】インプラント周囲疾患のリスクをインプラント埋入前に予測し、ユーザの意思決定の参考となる情報を提供することができる装置を提供する。
【解決手段】インプラント周囲疾患の事前予測装置1は、インプラント周囲疾患のリスク評価項目であって、インプラントの状態に基づく評価項目以外の評価項目からなる第1種評価項目の評価結果を受け付ける評価取得部21と、第1種評価項目の評価結果、及びインプラント周囲疾患のリスク評価項目であって、インプラントの状態に基づく評価項目からなる第2種評価項目の評価結果に基づいて、インプラント周囲疾患の総合リスクを決定する総合リスク決定部22と、総合リスクが所定の許容リスク以下となるような第2種評価項目の評価結果を特定する特定部23とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント周囲疾患のリスク評価項目であって、インプラントの状態に基づく評価項目以外の評価項目からなる第1種評価項目の評価結果を受け付ける評価取得部と、
前記第1種評価項目の評価結果、及びインプラント周囲疾患のリスク評価項目であって、インプラントの状態に基づく評価項目からなる第2種評価項目の評価結果に基づいて、インプラント周囲疾患の総合リスクを決定する総合リスク決定部と、
前記総合リスクが所定の許容リスク以下となるような前記第2種評価項目の評価結果を特定する特定部とを備える、インプラント周囲疾患の事前予測装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインプラント周囲疾患の事前予測装置であって、
前記第1種評価項目の評価結果に基づいて、インプラント周囲疾患の暫定リスクを決定する暫定リスク決定部をさらに備える、インプラント周囲疾患の事前予測装置。
【請求項3】
請求項2に記載のインプラント周囲疾患の事前予測装置であって、
前記暫定リスクと関連付けられたアドバイスが記憶されたデータベースを参照し、前記暫定リスク決定部が決定した暫定リスクに応じたアドバイスを取得するアドバイス取得部をさらに備える、インプラント周囲疾患の事前予測装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のインプラント周囲疾患の事前予測装置であって、
インプラント製品の情報が記憶されたデータベースを参照し、インプラント製品の情報を取得する製品情報取得部をさらに備える、インプラント周囲疾患の事前予測装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のインプラント周囲疾患の事前予測装置であって、
前記第1種評価項目は、歯周炎の罹患歴、プロービング時出血の割合、プロービング深度が5mm以上である部位の数、年齢に対する骨吸収の比、歯周炎への感受性、及びSPTの頻度からなる群から選択される一つ以上の評価項目を含み、
前記第2種評価項目は、上部構造マージンから骨までの距離、及び補綴因子からなる群から選択される一つ以上の評価項目を含む、インプラント周囲疾患の事前予測装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のインプラント周囲疾患の事前予測装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラント周囲疾患の事前予測装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯周病の進行リスクを評価する方法、及び、インプラント周囲疾患の発症リスクを評価する方法が知られている。
【0003】
非特許文献1には、感染レベル、歯周ポケットの有病率(prevalence)、年齢に対する骨吸収の比等の6個の評価項目から歯周病の進行リスクを評価する方法が記載されている。
【0004】
非特許文献2には、歯周炎の罹患歴、プロービング時出血の割合、プロービング深度が5mm以上である部位の数等の8個の評価項目からインプラント周囲疾患の発症リスクを評価する方法が記載されている。
【0005】
非特許文献3及び4にはそれぞれ、歯周病及びインプラント周囲疾患の分類について記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Lang, Niklaus P., and Maurizio S. Tonetti. "Periodontal risk assessment (PRA) for patients in supportive periodontal therapy (SPT)." Oral Health and Preventive Dentistry 1.1 (2003): 7-16.
【非特許文献2】Heitz‐Mayfield, Lisa JA, Fritz Heitz, and Niklaus P. Lang. "Implant Disease Risk Assessment IDRA-a tool for preventing peri‐implant disease." Clinical oral implants research 31.4 (2020): 397-403.
【非特許文献3】Papapanou, Panos N., et al. "Periodontitis: Consensus report of workgroup 2 of the 2017 World Workshop on the Classification of Periodontal and Peri‐Implant Diseases and Conditions." Journal of periodontology 89 (2018): S173-S182.
【非特許文献4】Berglundh, Tord, et al. "Peri‐implant diseases and conditions: Consensus report of workgroup 4 of the 2017 World Workshop on the Classification of Periodontal and Peri‐Implant Diseases and Conditions." Journal of periodontology 89 (2018): S313-S318.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献2に記載された方法では、インプラント周囲疾患のリスクを評価するための評価項目として、口腔内のインプラントの状態に基づく評価項目が含まれている。また、非特許文献2に記載された方法では、8個の評価項目のすべての情報がなければリスクを評価することができない。すなわち、非特許文献2に記載された方法は、口腔内にインプラントがある対象者に対し、現在のインプラントの状態を診察して将来のインプラント周囲疾患のリスクを評価するものである。そのためこの方法では、口腔内にインプラントのない対象者のインプラント周囲疾患のリスクを評価することはできない。
【0008】
本発明の課題は、インプラント周囲疾患のリスクをインプラント埋入前に予測し、ユーザの意思決定の参考となる情報を提供することができる装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によるインプラント周囲疾患の事前予測装置は、インプラント周囲疾患のリスク評価項目であって、インプラントの状態に基づく評価項目以外の評価項目からなる第1種評価項目の評価結果を受け付ける評価取得部と、前記第1種評価項目の評価結果、及びインプラント周囲疾患のリスク評価項目であって、インプラントの状態に基づく評価項目からなる第2種評価項目の評価結果に基づいて、インプラント周囲疾患の総合リスクを決定する総合リスク決定部と、前記総合リスクが所定の許容リスク以下となるような前記第2種評価項目の評価結果を特定する特定部とを備える。
【0010】
本発明の一実施形態によるプログラムは、上記のインプラント周囲疾患の事前予測装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、インプラント周囲疾患のリスクをインプラント埋入前に予測し、ユーザの意思決定の参考となる情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態によるインプラント周囲疾患の事前予測装置のハードウェアの構成の一例を模式的に示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態によるインプラント周囲疾患の事前予測装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3図3は、特定部の構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、IDRAを説明するための図である。
図5図5は、IDRAを説明するための図である。
図6図6は、インプラント周囲疾患の事前予測の一例を示すフロー図である。
図7図7は、表示装置に表示する画面の一例である。
図8図8は、暫定リスクの決定方法の一例を説明するための図である。
図9図9は、暫定リスクの決定方法の一例を説明するための図である。
図10図10は、例示した方法で決定した暫定リスクと総合リスクとの関係を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態によるインプラント周囲疾患の事前予測装置は、インプラント周囲疾患のリスク評価項目であって、インプラントの状態に基づく評価項目以外の評価項目からなる第1種評価項目の評価結果を受け付ける評価取得部と、第1種評価項目の評価結果、及びインプラント周囲疾患のリスク評価項目であって、インプラントの状態に基づく評価項目からなる第2種評価項目の評価結果に基づいて、インプラント周囲疾患の総合リスクを決定する総合リスク決定部と、総合リスクが所定の許容リスク以下となるような第2種評価項目の評価結果を特定する特定部とを備える。
【0014】
この構成によれば、インプラント埋入前であっても、インプラントの状態に基づく評価項目以外の評価項目からなる第1種評価項目の評価結果に基づいて、インプラント埋入後の総合リスクを所定の許容リスク以下にするために許容される第2種評価項目の評価結果を求めることができる。これによってユーザは、インプラントの実施の適否の判断や、インプラント製品の選択の参考となる情報を得ることができる。
【0015】
インプラント周囲疾患の事前予測装置は、第1種評価項目の評価結果に基づいて、インプラント周囲疾患の暫定リスクを決定する暫定リスク決定部をさらに備えていてもよい。
【0016】
インプラント周囲疾患の事前予測装置は、暫定リスクと関連付けられたアドバイスが記憶されたデータベースを参照し、暫定リスク決定部が決定した暫定リスクに応じたアドバイスを取得するアドバイス取得部をさらに備えていてもよい。
【0017】
この構成によれば、歯科医療従事者による治療方針の決定や、歯科医療従事者と患者とのコミュニケーションの円滑化を支援することができる。
【0018】
インプラント周囲疾患の事前予測装置は、インプラント製品の情報が記憶されたデータベースを参照し、インプラント製品の情報を取得する製品情報取得部をさらに備えていてもよい。
【0019】
この構成によれば、適切なインプラント製品の選択を支援することができる。
【0020】
第1種評価項目は、歯周炎の罹患歴、プロービング時出血の割合、プロービング深度が5mm以上である部位の数、年齢に対する骨吸収の比、歯周炎への感受性、及びSPTの頻度からなる群から選択される一つ以上の評価項目を含み、第2種評価項目は、上部構造マージンから骨までの距離、及び補綴因子からなる群から選択される一つ以上の評価項目を含んでいてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態によるプログラムは、上記のインプラント周囲疾患の事前予測装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0023】
[ハードウェアの構成]
図1は、本発明の一実施形態によるインプラント周囲疾患の事前予測装置1(以下「予測装置1」という。)のハードウェアの構成の一例を模式的に示す図である。予測装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、補助記憶装置13、表示装置14、入力装置15、及び通信インターフェース16を備えている。
【0024】
CPU11は、RAM12にロードされたプログラムを実行する。RAM12は、予測装置1のメインメモリである。RAM12には、補助記憶装置13に記憶されている各種プログラムがロードされる。
【0025】
表示装置14は、CPU11によるプログラムの実行結果を表示する。入力装置15は、予測装置1にデータを入力するための装置であり、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等である。入力装置15は、音声入力装置(マイク)であってもよい。
【0026】
予測装置1は、実行結果を表示装置14に表示するのに代えて、通信インターフェース16によって他のコンピュータ等にデータを送信するようにしてもよい。予測装置1はまた、入力装置15からの入力に代えて、通信インターフェース16によって他のコンピュータ等からデータを受け取るようにしてもよい。
【0027】
予測装置1は、汎用コンピュータに所定のプログラムを実行させることによって、当該コンピュータをインプラント周囲疾患の事前予測装置として機能させるようにしたものであってもよい。この場合の汎用コンピュータは、スマートフォン等の携帯機器であってもよい。
【0028】
[機能的構成]
図2は、予測装置1の機能的構成を示すブロック図である。予測装置1は、評価取得部21、暫定リスク決定部22、総合リスク決定部23、特定部24、アドバイス取得部25、及び製品情報取得部26を備えている。図2及び後述する図3では、各構成部材間における情報(データ)の流れを矢印で模式的に示している。
【0029】
予測装置1は、歯科医療従事者(例えば、歯科医師や歯科衛生士)によって行われるインプラント周囲疾患のリスク評価を支援するために用いられる。インプラント周囲疾患のリスク評価は通常、インプラントの状態に基づく評価項目の評価結果と、インプラントの状態に基づく評価項目以外の評価項目の評価結果とに基づいて行われる。本実施形態では、インプラント周囲疾患のリスク評価項目のうち、インプラントの状態に基づく評価項目以外の評価項目を「第1種評価項目」と呼び、インプラントの状態に基づく評価項目を「第2種評価項目」と呼ぶ。
【0030】
評価取得部21は、第1種評価項目の評価結果を受け付ける。例えば、表示装置14(図1)に第1種評価項目の評価結果の入力を促すメッセージを表示し、ユーザ(歯科医療従事者又は患者)から入力されたデータを評価取得部21によって取得する。
【0031】
暫定リスク決定部22は、第1種評価項目の評価結果に基づいて、暫定的なインプラント周囲疾患のリスク(以下「暫定リスク」と呼ぶ。)を決定する。インプラント周囲疾患のリスク(以下、暫定リスクと区別するため「総合リスク」と呼ぶ。)を決定するためには、原則として、第1種評価項目及び第2種評価項目の両方の評価結果が必要であるが、ここでは、評価取得部21が取得した第1種評価項目の評価結果のみに基づく暫定リスクを決定する。暫定リスクの決定方法の具体例は後述する。
【0032】
総合リスク決定部23は、第1種評価項目及び第2種評価項目の評価結果に基づいて総合リスクを決定する。総合リスクの決定方法の具体例は後述する。
【0033】
特定部24は、総合リスクが所定の許容リスク以下になるような第2種評価項目の評価結果を特定する。すなわち、特定部24は、評価取得部21が取得した第1種評価項目の評価結果を所与として、総合リスクを許容リスク以下にすることができる第2種評価項目の評価結果(以下「許容される第2種評価項目の評価結果」という。)をリストアップする。
【0034】
図3は、特定部24の構成の一例を示すブロック図である。特定部24は、評価生成部241と、判定部242とを備えている。評価生成部241は、第2種評価項目の仮定の評価結果を生成し、この仮定の評価結果を総合リスク決定部23に渡す。総合リスク決定部23は、評価取得部21が取得した第1種評価項目の評価結果と、評価生成部241が生成した第2種評価項目の評価結果とに基づいて総合リスクを決定し、決定した総合リスクを判定部242に渡す。判定部242は、総合リスク決定部23が決定した総合リスクが許容リスク以下であるかどうかを判定する。総合リスクが許容リスク以下であれば、評価生成部241が生成した第2種評価項目の評価結果を「許容される第2種評価項目の評価結果」の一つとする。
【0035】
特定部24は、「許容される第2種評価項目の評価結果」が少なくとも一つ見つかるまで、評価生成部241による第2種評価項目の仮定の評価結果の生成を繰り返す。特定部24は、「許容される第2種評価項目の評価結果」の組み合わせをすべて網羅できるように、評価生成部241による第2種評価項目の仮定の評価結果の生成を繰り返すことが好ましい。
【0036】
図3を用いて説明した特定部24の構成は飽くまでも例示であって、特定部24の構成はこれに限定されない。特定部24は例えば、第1種評価項目の評価結果の組み合わせとこれに対応する「許容される第2種評価項目の評価結果」の組み合わせを記憶したデータベースを参照して、「許容される第2種評価項目の評価結果」を特定するようにしてもよい。あるいは、第1種評価項目の評価結果に応じて分岐する決定木によって、「許容される第2種評価項目の評価結果」を特定するようにしてもよい。いずれの場合も、「許容される第2種評価項目の評価結果」の組み合わせをすべて網羅できることが好ましい。
【0037】
予測装置1は、暫定リスク決定部22が決定した暫定リスク、及び特定部24が特定した第2種評価項目の評価結果(「許容される第2種評価項目の評価結果」)を表示装置14(図1)に表示するようにしてもよい。あるいは、予測装置1は、暫定リスク及び「許容される第2種評価項目の評価結果」を、通信インターフェース16(図1)によって他のコンピュータ等に送信するようにしてもよい。なお、「総合リスクが所定の許容リスク以下となるような第2種評価項目の評価結果」が存在しない場合、その旨を表示又は送信するようにしてもよい。
【0038】
アドバイス取得部25は、アドバイスデータベース251を参照し、暫定リスク決定部22が決定した暫定リスクに応じたアドバイスを取得する。アドバイスデータベース251には、暫定リスクに関連付けられたアドバイスが記憶されている。予測装置1は、アドバイス取得部25が取得したアドバイスを表示装置14に表示したり、通信インターフェース16によって他のコンピュータ等に送信したりしてもよい。
【0039】
アドバイスデータベース251には、上記に加えてさらに、第1種評価項目の評価結果及び第2種評価項目の評価結果に関連付けられたアドバイスが記憶されていることが好ましい。この場合、アドバイス取得部25は、評価取得部21が取得した第1種評価項目の評価結果又は特定部24が特定した第2種評価項目の評価結果に応じたアドバイスを取得することが好ましい。これらのアドバイスも、表示装置14に表示したり、通信インターフェース16によって他のコンピュータ等に送信したりすることができる。
【0040】
また、アドバイスデータベース251に歯科医療従事者用及び患者用等の複数通りのアドバイスを記憶させておき、アドバイス取得部25が複数通りのアドバイスを取得するようにすることが好ましい。
【0041】
製品情報取得部26は、インプラント製品データベース261を参照し、インプラント製品の情報を取得する。インプラント製品データベース261には、インプラント製品の情報が記憶されている。予測装置1は、製品情報取得部26が取得したインプラント製品の情報を、表示装置14に表示したり、通信インターフェース16によって他のコンピュータ等に送信したりしてもよい。
【0042】
インプラント製品データベース261には、インプラント製品の情報として、例えば、インプラントメーカーごとに、製品ライナップ内でのインプラント製品の使い分けのアドバイス等が記憶される。
【0043】
インプラント製品データベース261には、インプラント製品の情報が、暫定リスク、第1種評価項目の評価結果、及び第2種評価項目の評価結果の少なくとも一つと関連付けられて記憶されていてもよい。この場合、製品情報取得部26は、暫定リスク決定部22が決定した暫定リスク、評価取得部21が取得した第1種評価項目の評価結果、又は特定部24が特定した第2種評価項目の評価結果に応じたインプラント製品の情報を取得してもよい。特に、インプラント製品データベース261にインプラント製品の情報が第2種評価項目の評価結果と関連付けられて記憶され、製品情報取得部26が、特定部24が特定した第2種評価項目の評価結果に応じたインプラント製品の情報を取得することが好ましい。
【0044】
また、インプラント製品データベース261に歯科医療従事者用及び患者用等の複数通りの製品情報を記憶させておき、製品情報取得部26が複数通りの製品情報を取得するようにすることが好ましい。
【0045】
アドバイスデータベース251及びインプラント製品データベース261は、予測装置1の内部に存在していなくてもよい。予測装置1は、通信インターフェース16によって他のコンピュータ上のデータベースを参照するようにしてもよい。
【0046】
[予測装置1を使用したインプラント周囲疾患の事前予測の例]
以下、予測装置1を使用したインプラント周囲疾患の事前予測の一例について、より具体的に説明する。予測装置1を使用したインプラント周囲疾患の事前予測は、この例に限定されない。
【0047】
[IDRAの概要]
以下の説明では、総合リスク決定部23による総合リスクの決定方法として、非特許文献2に記載されたインプラント周囲疾患のリスク評価法(Implant Disease Risk Assessment、以下「IDRA」と呼ぶ。)を用いる場合を説明する。以下の説明は飽くまでも例示であって、総合リスク決定部23による総合リスクの決定方法を限定するものではない。総合リスク決定部23は、第1種評価項目及び第2種評価項目の評価結果に基づいて、インプラント周囲疾患の総合リスクを決定するものであればよい。
【0048】
IDRAでは、(1)歯周炎の罹患歴、(2)プロービング時出血(BOP)の割合、(3)プロービング深度(PD)が5mm以上である部位の数、(4)年齢に対する骨吸収の比、(5)歯周炎への感受性、(6)Supportive Periodontal Treatment(SPT)の頻度、(7)上部構造マージンから骨までの距離、及び(8)補綴因子の8個の評価項目の評価結果に基づいて、インプラント周囲疾患の総合リスクを決定する。上記の8個の評価項目のうち、(1)~(6)はインプラントの状態に基づく評価項目以外の評価項目、すなわち第1種評価項目であり、(7)及び(8)はインプラントの状態に基づく評価項目、すなわち第2種評価項目である。
【0049】
図4及び図5は、IDRAを説明するための図である。IDRAではまず、以下に説明するように、上記の評価項目(1)~(8)のそれぞれの評価結果を「高リスク」、「中リスク」、又は「低リスク」に分類する(図4を参照。「(1)歯周炎の罹患歴」については「高リスク」又は「低リスク」に分類する。)。図4では、「高リスク」、「中リスク」、又は「低リスク」の領域をそれぞれ異なるハッチングで示している。
【0050】
(1)歯周炎の罹患歴
歯周炎の罹患歴がなければ「低リスク」、歯周炎の罹患歴があれば「高リスク」に分類する。
【0051】
(2)BOPの割合
BOPが9%以下であれば「低リスク」、BOPが9%超25%以下であれば「中リスク」、BOPが25%超であれば「中リスク」に分類する(なお図4では、BOPが「9」及び「25」の位置に加えて、「36」及び「≧50」の位置にも目盛りを付しているが、これらを境界に6水準に分類するという趣旨ではない。以下の評価項目についても同様である。)。
【0052】
(3)PDが5mm以上である部位の数
PDが5mm以上である部位の数が2部位以下であれば「低リスク」、3部位以上6部位以下であれば「中リスク」、7部位以上であれば「高リスク」に分類する。
【0053】
(4)年齢に対する骨吸収の比
骨吸収(bone loss)を年齢で割った値(BL/Age)が0.5以下であれば「低リスク」、0.5超1.0以下であれば「中リスク」、1.0超であれば「高リスク」に分類する。
【0054】
(5)歯周炎に対する感受性(Periodontitis susceptibility)
歯周病の診断結果(「ステージ/グレード」)が「1A」であれば「低リスク」、「2A」、「2B」、「3A」、又は「3B」であれば「中リスク」、「3C」又はステージ4であれば「高リスク」に分類する。
【0055】
(6)SPTの頻度
SPTの頻度がアポイントメント通り(Compliant)であれば「低リスク」、半年に1回以上であれば「中リスク」、それよりも少なければ「高リスク」に分類する。
【0056】
(7)上部構造マージンから骨までの距離
ソフト・ティシュー・レベル・インプラント(STL)であれば「低リスク」、ボーン・レベル・インプラントで上部構造マージンから骨までの距離が1.5mm以上であれば「中リスク」、1.5mm未満であれば「高リスク」に分類する。
【0057】
(8)補綴因子
清掃性良好(cleanable)、適合良好(well-fitting)、かつ縁上マージン(supramucosal margin)であり、かつ余剰セメントがなければ「低リスク」、適合悪いが縁上マージンであれば「中リスク」、適合悪くかつ縁下マージン(submucosal margin)であるか、余剰セメントがあるか、又は清掃性不良(Not cleanable)であれば「高リスク」に分類する。
【0058】
IDRAでは、上述した8項目の評価結果に基づいて、インプラント周囲疾患の総合リスクを次のように決定する。
【0059】
8項目すべてが「低リスク」であるか、1項目だけが「中リスク」である場合(図5(a)を参照。)、総合リスクを「低リスク」と決定する。
【0060】
「中リスク」が2項目以上あり、かつ、「高リスク」が1項目以下である場合(図5(b)を参照。)、総合リスクを「中リスク」と決定する。「高リスク」が1項目だけあり、残りがすべて「低リスク」の場合も、総合リスクを「中リスク」と決定する。
【0061】
「高リスク」が2項目以上ある場合(図5(c)を参照。)、総合リスクを「高リスク」と決定する。
【0062】
図6は、予測装置1を使用したインプラント周囲疾患の事前予測の一例を示すフロー図である。図6の工程は、データ採取フェーズ(ステップS1)と、リスク判定フェーズ(ステップS2)と、出力ファイル決定フェーズ(ステップS3)とに大別される。
【0063】
[データ採取フェーズ]
データ採取フェーズ(ステップS1)では、予測装置1によるインプラント周囲疾患の事前予測に必要なデータを採取する。より具体的には、上述したIDRAの評価項目のうち、第1種評価項目に関するデータ(すなわち、評価項目(1)~(6)に関するデータ)を採取する。採取されたデータは、例えば入力装置15(図1)によって、予測装置1に入力される。評価取得部21(図2)は、入力されたデータを第1種評価項目の評価結果として取得する。
【0064】
ここで採取するデータ(予測装置1に入力するデータ)は、必ずしもIDRAの評価項目(1)~(6)の評価結果そのものでなくてもよい。例えば、「(4)年齢に対する骨吸収の比」は、年齢と骨吸収の値とが分かれば、これらから算出することができる。また、「(2)BOPの割合」及び「(3)PDが5mm以上である部位の数」は、歯周組織検査結果が入手可能であれば歯周組織検査結果から算出することができる。すなわち、データ採取フェーズ(ステップS1)で採取するデータは、当該データから評価項目(1)~(6)を算出できるものであればよい。評価取得部21が取得する「第1種評価項目の評価結果」にはこのような、入力されたデータから算出されたデータも含むものとする。
【0065】
また、IDRAの評価項目の「(5)歯周炎に対する感受性」は、歯周病の診断の結果として得られるものである。そのためデータ採取フェーズ(ステップS1)では、歯周病の診断を併せて行うことが好ましい。歯周病の診断に用いる評価項目は、「BOPの割合」や「PDが5mm以上である部位の数」等、IDRAの評価項目と部分的に重複している。そのため、歯周病の診断を併せて行うことで、より効率的にデータを採取することができる。もっとも、歯周病の診断を行わずに、「(5)歯周炎に対する感受性」の評価結果を直接入力するようにしてもよい。
【0066】
データ採取フェーズ(ステップS1)は具体的には、データを取得する工程(ステップS1-1)と、歯周病の診断をする工程(ステップS1-2)と、再びデータを取得する工程(ステップS1-3)とを含んでいる。上述のとおり、歯周病の診断をする工程(ステップS1-2)は任意の工程である。
【0067】
歯周病の診断をする工程(ステップS1-2)を行う場合はまず、データを取得する工程(ステップS1-1)において、歯周病の診断をする工程(ステップS1-2)で必要なデータを取得する。例えば、表示装置14(図1)に質問を表示し、ユーザに回答の入力を促すようにする。具体的な態様としては、歯科医療従事者が患者に対して聞き取り調査を行ってその結果を入力する、患者自身がデータを入力する、歯科医療従事者が歯周組織検査結果等からデータを入力する、等が考えられる。図7は、データを取得する工程(ステップS1-1)において、表示装置14に表示する画面の一例である。
【0068】
ステップS1-1で取得したデータに基づいて、歯周病の診断をする(ステップS1-2)。ここでの「診断」は、診察行為の結果として得られた評価結果(BOP等)に基づいて歯周病の進行度を評価することを意味し、診察行為そのものを行うことは必須ではない。歯周病の診断は例えば、非特許文献3に記載された方法によって行うことができる。
【0069】
歯周病の診断をする工程(ステップS1-2)が完了した時点で、評価項目(2)~(5)の評価結果は既知となっている。そのため、再びデータを取得する工程(ステップS1-3)では、「(1)歯周炎の罹患歴」及び「(6)SPTの頻度」に関するデータを取得する。
【0070】
なお、データ採取フェーズ(ステップS1)において歯周病の診断をする工程(ステップS1-2)を行わない場合、データを取得する工程(ステップS1-1)において、「(5)歯周炎に対する感受性」の評価結果を直接入力するようにすればよい。
【0071】
[リスク判定フェーズ]
リスク判定フェーズ(ステップS2)では、暫定リスク決定部22(図2)によって暫定リスクを決定する工程(ステップS2-1)を行う。
【0072】
ここでは暫定リスクの決定方法の一例として、6個の評価項目の中で最もリスクの高い評価項目のリスクを暫定リスクと決定する方法を採用する。すなわち、IDRAと同様に評価項目(1)~(6)のそれぞれを「低リスク」、「中リスク」、又は「高リスク」に分類し(図8を参照。)、この中で最もリスクの高い評価項目のリスクを暫定リスクとする。図9(a)はこの方法で決定した暫定リスクが「低リスク」となる場合(全項目が低リスク)の例であり、図9(b)は「中リスク」となる場合(1項目以上が中リスク)の例であり、図9(c)は「高リスク」となる場合(1項目以上が高リスク)の例である。
【0073】
図10は、この方法で決定した暫定リスクと総合リスクとの関係を示す表である。図10の総合リスクは、第2種評価項目(「(7)上部構造マージンから骨までの距離」及び「(8)補綴因子」)の評価結果が両方とも「低リスク」である場合を想定している。
【0074】
この暫定リスクの決定方法は飽くまでも一例であり、暫定リスク決定部22による暫定リスクの決定方法を限定するものではない。暫定リスク決定部22は、第1種評価項目の評価結果に基づいて、インプラント周囲疾患の暫定リスクを決定するものであればよい。
【0075】
[出力ファイル決定フェーズ]
出力ファイル決定フェーズ(ステップS3)では、(A)暫定リスクに関するアドバイス、(B)評価項目(1)~(6)についてのそれぞれ個別のアドバイス、並びに(C)評価項目(7)及び(8)についてのそれぞれ個別のアドバイスを、それぞれ歯科医療従事者用及び患者用に準備する。さらに、(D)インプラント製品の情報を歯科医療従事者用及び患者用に準備する。
【0076】
まず、特定部24(図2)によって、総合リスクが予め定めた許容リスク以下となるような第2種評価項目(具体的には、評価項目(7)及び(8)。)の評価結果を特定する(ステップS3-1)。ここで許容リスクは、ユーザが変更できるようになっていることが好ましい。
【0077】
例えば、評価項目(1)~(6)の全項目が「低リスク」である場合(暫定リスクは「低リスク」)、インプラント埋入後の総合リスクを「低リスク」にするためには(許容リスクが「低リスク」)、「評価項目(7)の評価結果・評価項目(8)の評価結果」の組み合わせは、「低リスク・低リスク」、「低リスク・中リスク」、「中リスク・低リスク」のいずれかである必要がある。
【0078】
一方、同じく評価項目(1)~(6)の全項目が「低リスク」である場合であっても、インプラント埋入後の総合リスクとして「中リスク」まで許容できるのであれば(許容リスクが「中リスク」)、「評価項目(7)の評価結果・評価項目(8)の評価結果」の組み合わせは、「高リスク・高リスク」以外であればよい。
【0079】
また、評価項目(1)~(6)のうちの1項目だけが「高リスク」、残りの項目が「中リスク」以下である場合(暫定リスクは「高リスク」)、インプラント埋入後の総合リスクを「中リスク」にするためには(許容リスクが「中リスク」)、「評価項目(7)の評価結果・評価項目(8)の評価結果」の組み合わせは、「低リスク・低リスク」、「低リスク・中リスク」、「中リスク・低リスク」、及び「中リスク・中リスク」のいずれかである必要がある。
【0080】
このように、許容される「評価項目(7)の評価結果・評価項目(8)の評価結果」の組み合わせは、評価項目(1)~(6)の評価結果、及び許容リスクによって異なる。特定部24(図2)は、評価取得部21(図2)が取得した評価項目(1)~(6)の評価結果と許容リスクとに基づいて、許容される「評価項目(7)の評価結果・評価項目(8)の評価結果」の組み合わせを特定する。
【0081】
次に、アドバイス取得部25(図2)によって、上記(A)~(C)のアドバイスを取得する(ステップS3-2)。アドバイス取得部25は、アドバイスデータベース251(図2)を参照して、暫定リスク決定部22(図2)が決定した暫定リスクに応じたアドバイスを取得する。アドバイス取得部25はさらに、評価取得部21が取得した評価項目(1)~(6)のそれぞれの評価結果に応じたアドバイス、並びに、特定部24が特定した評価項目(7)及び(8)のそれぞれの評価結果に応じたアドバイスを取得する。これらのアドバイスは、それぞれ歯科医療従事者用及び患者用のものを取得する。
【0082】
続いて、製品情報取得部26(図2)によって、上記(D)の製品情報を取得する(ステップS3-3)。製品情報取得部26は、インプラント製品データベース261(図2)を参照して、インプラント製品の情報を取得する(ステップS3-3)。製品情報も、歯科医療従事者用及び患者用のものを取得する。
【0083】
ステップS3-1~S3-3を行う順番は、これに限定されない。アドバイス取得部25によるアドバイスの取得(ステップS3-2)のうち、評価項目(7)及び(8)のそれぞれの評価結果に応じたアドバイスの取得はステップS3-1の後でなければできないが、それ以外は任意のタイミングで行ってよい。また、評価項目(7)及び(8)のそれぞれの評価結果に応じたアドバイスの取得も、ステップS3-1の後であれば任意のタイミングで行ってよい。製品情報取得部26による製品情報の取得も同様である。
【0084】
以上によって、上記(A)~(C)のアドバイス、及び上記(D)の製品情報を準備する。予測装置1は例えば、ここで準備したアドバイス及び製品情報を表示装置14(図1)に表示したり、通信インターフェース16(図1)によって他のコンピュータ等に送信したりすることができる。
【0085】
本実施形態によれば、インプラント埋入前であっても、インプラントの状態に基づく評価項目以外の評価項目からなる第1種評価項目の評価結果に基づいて、インプラント埋入後の総合リスクを所定の許容リスク以下にするために許容される第2種評価項目の評価結果を求めることができる。
【0086】
インプラント埋入後の総合リスクを小さくするためには、第2種評価項目(「(7)上部構造マージンから骨までの距離」及び「(8)補綴因子」)によるリスクをできるだけ小さくすることが好ましい。しかし、インプラントを埋入する箇所によっては、第2種評価項目の評価結果が制限を受ける場合がある。また、第2種評価項目の評価結果は、インプラントの審美性や補綴形態にも影響する。特定部24が特定した第2種評価項目の評価結果は、インプラントの実施の適否の判断や、インプラント製品の選択の参考にすることができる。
【0087】
また、アドバイス取得部25が暫定リスク等に応じたアドバイスを取得することによって、歯科医療従事者による治療方針の決定や、歯科医療従事者と患者とのコミュニケーションの円滑化を支援することができる。
【0088】
また、製品情報取得部26がインプラント製品の情報を取得することによって、適切なインプラント製品の選択を支援することができる。
【0089】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は本発明を実施するための例示にすぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0090】
上記では、インプラント周囲疾患のリスク評価法としてIDRAを用いる場合を詳しく説明したが、既述のとおり、これは飽くまでも例示である。第1種評価項目は、IDRAの評価項目(1)~(6)以外の評価項目を含んでいてもよく、また、IDRAの評価項目(1)~(6)の一部又は全部を含んでいなくてもよい。第2種評価項目についても、IDRAの評価項目(7)及び(8)以外の評価項目を含んでいてもよく、また、IDRAの評価項目(7)及び(8)の一部又は全部を含んでいなくてもよい。また、総合リスクの決定方法や暫定リスクの決定方法も上記の例には限定されず、合理的であると考えられる種々の方法を採用することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 インプラント周囲疾患の事前予測装置(予測装置)
11 CPU
12 RAM
13 補助記憶装置
14 表示装置
15 入力装置
16 通信インターフェース
21 評価取得部
22 暫定リスク決定部
23 総合リスク決定部
24 特定部
241 評価生成部
242 判定部
25 アドバイス取得部
251 アドバイスデータベース
26 製品情報取得部
261 インプラント製品データベース
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10