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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037899
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】画像検査装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/393 20060101AFI20230309BHJP
   B65H 7/08 20060101ALI20230309BHJP
   B41J 25/20 20060101ALN20230309BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B65H7/08
B41J25/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144726
(22)【出願日】2021-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】海老澤 崇
【テーマコード(参考)】
2C061
3F048
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AS02
2C061KK26
2C061KK28
2C061KK33
3F048AA08
3F048AB02
3F048BA18
3F048BB02
3F048BB09
3F048DA08
3F048DB07
3F048DC15
3F048EB37
(57)【要約】
【課題】ラインセンサを用いた画像検査部と印刷物が直交しなくとも適切な画像検査を行うことが可能となる。
【解決手段】用紙に画像を印刷するインクジェットヘッド11と、インクジェットヘッド11が印刷した印刷物を搬送する搬送部21A,21Bと、搬送部21A,21Bに対するインクジェットヘッド11の傾きである第1の傾き量を検出する傾き検出部29aと、搬送方向と直交する方向に搬送部を横断して配置され、印刷物を読取った検査画像データと印刷物のデータである基準画像データを比較照合する検査部23A,23Bと、検査画像データを補正する補正量を算出する補正量算出部29bと、を備え、印刷物は四隅にマークが印字されており、補正量算出部29bは検査画像データの四隅のマークを結んだ平行四辺形の画像の傾きである第2の傾き量と、第1の傾き量とに基づき補正量を算出する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を印刷する印刷部と
前記印刷部が印刷した印刷物を搬送する搬送部と、
前記搬送部に対する前記印刷部の傾きである第1の傾き量を検出する傾き検出部と、
前記搬送部の搬送方向と直交する方向に搬送部を横断して配置され、前記印刷物を読取った検査画像データと前記印刷物のデータである基準画像データを比較照合する画像検査部と、
前記検査画像データを補正する補正量を算出する補正量算出部と、を備え、
前記印刷物は四隅にマークが印字されており、
前記補正量算出部は前記検査画像データの四隅のマークを結んだ平行四辺形の画像の傾きである第2の傾き量と、前記第1の傾き量とに基づき前記補正量を算出する
ことを特徴とする画像検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に印刷された画像を検査する画像検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置により印刷された印刷用紙の画像が適切か検査する画像検査装置が良く知られている。
【0003】
画像検査装置では、印刷物の搬送方向と直交する方向にラインセンサを配置し、印刷物の良否を検査する画像検査装置では、吐出データである基準画像データと、ラインセンサが読み取った検査画像データを比較照合して良否判定を行っている。
【0004】
特許文献1には、検査画像データと検査基準となる基準画像データの文字同士の特徴となるエッジ間の距離とを比較し、検査画像の基準画像に対する変形量を算出し、補正することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-13341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ラインセンサを用いた画像検査装置が傾いて搬送方向に対して斜向する、もしくは逆に印刷物が画像検査装置に対して斜交すると、検査画像データ全体が変形するので、特許文献1に記載の技術では補正することが困難であった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、ラインセンサを用いた画像検査装置と印刷物が直交しなくとも適切な画像検査を行うことが可能となる画像検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像検査装置の特徴は、
用紙に画像を印刷する印刷部と
前記印刷部が印刷した印刷物を搬送する搬送部と、
前記搬送部に対する前記印刷部の傾きである第1の傾き量を検出する傾き検出部と、
前記搬送部の搬送方向と直交する方向に搬送部を横断して配置され、前記印刷物を読取った検査画像データと前記印刷物のデータである基準画像データを比較照合する画像検査部と、
前記検査画像データを補正する補正量を算出する補正量算出部と、を備え、
前記印刷物は四隅にマークが印字されており、
前記補正量算出部は前記検査画像データの四隅のマークを結んだ平行四辺形の画像の傾きである第2の傾き量と、前記第1の傾き量とに基づき前記補正量を算出する
ことにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る画像検査装置の特徴によれば、ラインセンサを用いた画像検査装置と印刷物が直交しなくとも適切な画像検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る画像検査装置を含む画像形成システムの概略構成図である。
図2図1に示す画像形成システムの画像検査装置の概略構成図である。
図3】(a)は、第1の傾き量の説明図であり、(b)は、第1の傾き量の検出の説明図である。
図4】本発明の実施の形態に係る画像検査装置が備える制御部による補正量の算出を説明した図である。(a)は、検査部の傾きを示した図であり、(b)は、(a)の検査部で読み取られた画像に基づいて第2の傾き量の算出を説明した図である。
図5】(a)は、検査部の傾きを示した図であり、(b)は、(a)の検査部で読み取られた画像に基づいて第2の傾き量の算出を説明した図である。
図6】本発明の実施の形態に係る画像検査装置の処理内容を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一若しくは同等の部位や構成要素には、同一若しくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0012】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像検査装置を含む画像形成システムの概略構成図である。図2は、図1に示す画像形成システムの画像検査装置の概略構成図である。以下の説明において、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。図1において左から右へ向かう方向が、シート状の被搬送物である用紙P(図2参照)の搬送方向である。以下の説明における上流、下流は、用紙Pの搬送方向における上流、下流を意味する。紙面手前方向を前、紙面後ろ方向を後とする。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成システム1は、画像形成装置2と、画像検査装置3と、後処理装置4とを備える。
【0015】
画像形成装置2は、それぞれ異なる色のインクを吐出する複数のインクジェットヘッド11と、用紙Pを搬送する搬送経路12と、インクジェットヘッド11の直下に搬送経路12と接続して設けられた搬送部13とを備える。用紙Pの供給手段等、その他の構成の図示は省略している。
【0016】
画像形成装置2は、搬送部13で搬送しつつインクジェットヘッド11により一方の面に印刷した用紙Pを搬送経路12で表裏反転して搬送部13に再給紙し、搬送部13で搬送しつつインクジェットヘッド11により他方の面に印刷することで両面印刷可能である。
【0017】
画像検査装置3は、画像形成装置2で印刷された用紙Pを搬送しつつ、用紙Pに形成された画像を検査する。画像検査装置3の詳細は後述する。
【0018】
後処理装置4は、画像形成装置2で画像が印刷され、画像検査装置3で当該画像が検査された用紙Pに対し、種々の後処理を加えて排出する装置である。後処理の内容としては、ソート・スタック等の仕分け作業、ステープル、合紙の挿入、各種態様の紙折り、封筒への挿入等がある。画像形成システム1には、目的に応じて必要な機能を備えた後処理装置4を設けることができる。
【0019】
次に、画像検査装置3の詳細について説明する。
【0020】
図1図2に示すように、画像検査装置3は、搬送部21A,21Bと、押さえローラ22A,22Bと、検査部23A,23Bと、制御部29とを備える。なお、画像検査装置3の検査部23A,23Bを除く各部により搬送装置が構成される。
【0021】
搬送部21Aは、画像形成装置2から搬送されてきた用紙Pをエア吸引により吸着保持して搬送する。搬送部21Aは、後述の搬送面31aが上面側(上向き)となるように配置されている。搬送部21Aは、搬送ベルト31と、駆動ローラ32と、従動ローラ33~35と、プラテン部36と、チャンバ37と、ファン38とを備える。
【0022】
搬送ベルト31は、用紙Pを吸着保持して搬送する。搬送ベルト31は、駆動ローラ32および従動ローラ33~35に掛け渡された環状のベルトである。搬送ベルト31には、多数のベルト穴(図示せず)が形成されている。搬送ベルト31は、ファン38の駆動によりベルト穴に発生する吸着力により、搬送面31aに用紙Pを吸着保持する。搬送部21Aの搬送ベルト31は、図2における時計回り方向に回転することで、搬送面31aに吸着保持された用紙Pを右方向に搬送する。
【0023】
搬送面31aは、駆動ローラ32と従動ローラ33との間における搬送ベルト31の水平部分の上面である。
【0024】
駆動ローラ32は、搬送ベルト31を回転させる。駆動ローラ32は、モータ(図示せず)により回転駆動させられる。
【0025】
従動ローラ33~35は、駆動ローラ32とともに搬送ベルト31を支持する。従動ローラ33~35は、回転する搬送ベルト31に従動回転する。
【0026】
プラテン部36は、駆動ローラ32と従動ローラ33との間において搬送ベルト31の下側に配置され、搬送ベルト31の下面を摺動可能に支持する。プラテン部36は、搬送ベルト31のベルト穴が通過する箇所に形成された多数の吸引穴(図示せず)を有する。
【0027】
チャンバ37は、プラテン部36の吸引穴を介して搬送ベルト31のベルト穴に吸着力を発生させるための負圧室を形成するものである。チャンバ37は、駆動ローラ32と従動ローラ33との間において、プラテン部36の下面側に設けられている。
【0028】
ファン38は、チャンバ37から排気する。これにより、ファン38は、チャンバ37内に負圧を発生させ、プラテン部36の吸引穴および搬送ベルト31のベルト穴を介して空気を吸引する。これにより、ファン38は、ベルト穴に負圧を発生させ、用紙Pを搬送面31aに吸着させる。
【0029】
搬送部21Bは、搬送部21Aから搬送されてきた用紙Pをエア吸引により吸着保持して搬送し、後処理装置4へ排出する。搬送部21Bは、搬送部21Aと同じ構成であるが、搬送部21Aを上下反転して配置されている。これにより、搬送部21Bは、搬送面31aが下面側(下向き)となるように配置されている。搬送部21Bの搬送面31aは、第2搬送面に相当する。
【0030】
また、搬送部21Bは、その搬送面31aの高さ位置が搬送部21Aの搬送面31aの高さ位置と同じになるように、搬送部21Aの下流側(右側)に隣接して配置されている。
【0031】
搬送部21Bでは、搬送ベルト31は、図2における反時計回り方向に回転することで、搬送面31aに吸着保持された用紙Pを右方向に搬送する。
【0032】
押さえローラ22A,22Bは、それぞれ搬送部21A,21Bの搬送ベルト31に用紙Pを押さえるためのローラである。
【0033】
検査部23Aは、搬送部21Aにより搬送される用紙Pの上向きの面に形成された画像を検査のために読み取る。検査部23Aは、搬送部21Aの上方に配置されている。検査部23Aは、用紙Pの上面を読取った検査画像データと、内部メモリに記憶した用紙Pの
元画像の印字データである基準画像データとを比較照合する。
【0034】
検査部23Bは、搬送部21Bにより搬送される用紙Pの下向きの面に形成された画像を検査のために読み取る。検査部23Bは、搬送部21Bの下方に配置されている。検査部23Bは、用紙Pの下面を読取った検査画像データと、内部メモリに記憶した用紙Pの元画像の印字データである基準画像データとを比較照合する。
【0035】
検査部23A,23Bは、ラインセンサであるCIS(Contact Image Sensor)からなる。なお、検査部23A,23Bは、CISに限らず、その他の原理又は構造のセンサでもよいし、カメラでもよい。
【0036】
制御部29は、傾き検出部29aと、補正量算出部29bとを備えている。
【0037】
傾き検出部29aは、搬送部13に対するインクジェットヘッド11の傾きである第1の傾き量を検出する。
【0038】
図3(a)は、第1の傾き量の説明図であり、図3(b)は、第1の傾き量の検出の説明図である。
【0039】
図3(a)に示すように、インクジェットヘッド11の前側が左方向に傾いて設置されているとする。
【0040】
このように、インクジェットヘッド11が傾いて設置されている場合、元画像である基準画像データに基づいて印刷された印字画像G1は、歪みが生じている。
【0041】
そこで、傾き検出部29aは、インクジェットヘッド11の設置に起因して生じる第1の傾き量を検出する。
【0042】
具体的には、図3(b)に示すように、傾き検出部29aは、縦線と横線をそれぞれ複数本描いたテストパターン画像を印字した印字画像G2に基づいて、縦線と横線のなす角度θ1~θ12を検出する。
【0043】
そして、傾き検出部29aは、角度θ1~θ12の平均値を第1の傾き量として検出する。
【0044】
補正量算出部29bは、検査部23A,23Bにより読み取られた検査画像データを補正する補正量を算出する。具体的には、補正量算出部29bは、検査画像データの四隅のマークを結んだ平行四辺形の画像の傾きである第2の傾き量と、前記第1の傾き量とに基づき補正量を算出する。
【0045】
図4図5は、本発明の実施の形態に係る画像検査装置が備える制御部29による補正量の算出を説明した図である。図4(a)は、検査部23Aの傾きを示した図であり、図4(b)は、図4(a)の検査部23Aで読み取られた画像に基づいて第2の傾き量の算出を説明した図である。図5(a)は、検査部23Aの傾きを示した図であり、図5(b)は、図5(a)の検査部23Aで読み取られた画像に基づいて第2の傾き量の算出を説明した図である。
【0046】
印字する画像の例えば印字領域外の四隅にイエロードットマークを印字された場合、インクジェットヘッド11が傾いていると、図4(a)に示すように、印字画像G3の四隅に印字されたイエロードットマークD1~D4は、用紙Pに対して第1の傾き角で傾いた状態で印刷されている。
【0047】
また、検査部23Aは、前側が右方向に傾いて設置されている。
【0048】
図4(a)に示すイエロードットマークD1~D4を含む印字画像G3が、傾いて設置された検査部23Aにより読み取られると、さらに読み取りに起因して画像の傾きが生じる。
【0049】
そこで、補正量算出部29bは、検査部23Aの設置に起因して生じる第2の傾き量を検出する。
【0050】
具体的には、図4(b)に示すように、補正量算出部29bは、印字されたイエロードットマークD1~D4の中心を結ぶことで平行四辺形S1ができる。この平行四辺形S1の対向する角θ21および角θ22の平均値を算出し、算出した平均値から第1の傾き量を減算することにより、第2の傾き量を算出する。
【0051】
そして、補正量算出部29bは、第2の傾き量と、第1の傾き量とに基づき補正量を算出する。
【0052】
具体的には、補正量算出部29bは、第2の傾き量と、第1の傾き量とから下記の(数式1)の補正量である一次変換の行列式
を算出する。ここで、(x,y)は、補正前の画素の座標であり、(X,Y)は、補正後の画素の座標を示している。
【0053】
これにより、検査部23Aは、例えば、基準画像データの全ての画像について、(数式1)を用いて補正した後、検査部23Aにより検出された検出画像データと比較照合する。なお、検査部23Aにより検出された検査画像データの全ての画像について、一次変換の逆行列式を用いて補正した後、基準画像データと比較照合するようにしてもよい。
【0054】
また、図5(a)に示すように、印字画像G1の四隅に印字されたイエロードットマークD1~D4は、用紙Pに対して第1の傾き角で傾いた状態で印刷されており、検査部23Aは、前側が右方向に第1の傾き量と同じ角度で傾いて設置されているとする。
【0055】
この場合、図5(a)に示すイエロードットマークD1~D4を含む印字画像G3が検査部23Aにより読み取られると、図5(b)に示すように、第1の傾き角と第2の傾き角が相殺されて直角となり、傾きがないと判定される。
【0056】
なお、ここでは、検査部23Aを例に挙げて説明したが、検査部23Bについても同様である。
【0057】
図6は、本発明の実施の形態に係る画像検査装置の処理内容を示したフローチャートである。
【0058】
図6に示すように、ステップS101において、画像形成装置2は、検査画像データ(印字領域内のユーザ指定の画像および印字領域外の四隅に設けられたイエロードットマークの画像)に基づいて、インクジェットヘッド11からインクを吐出することにより、用紙Pに印字する。
【0059】
ステップS103において、検査部23Aは、印字された用紙Pを読み取る。
【0060】
ステップS105において、補正量算出部29bは、四隅のイエロードットマークの各中心座標に基づいて、第2の傾き量を検出する。
【0061】
ステップS107において、補正量算出部29bは、ユーザ操作に基づいて基準画像データを補正するか否かを判定する。
【0062】
基準画像データを補正すると判定された場合(ステップS107;YES)、ステップS109において、補正量算出部29bは、第1の傾き量と第2の傾き量から一次変換の行列式を補正量として算出し、基準画像データに行列演算を行い歪のある画像に補正する。
【0063】
一方、基準画像データを補正しないと判定された場合(ステップS107;NO)、ステップS111において、補正量算出部29bは、第1の傾き量と第2の傾き量から一次変換の逆行列式を算出し、検査画像データに行列演算を行い歪のない画像に補正する。
【0064】
ステップS113において、検査部23Aは、基準画像データと、検査画像データの比較照合検査を行う。
【0065】
印刷終了するまで(ステップS119;YES)、比較照合不一致があるか否かを判定し、比較照合不一致がある場合(ステップS115;YES)、ステップS117において、検査部23Aは、検査エラーを出力する。
【0066】
なお、本実施例では、第1の傾き量と第2の傾き量をそれぞれ算出し、補正量を求めたが、第1の傾き量と第2の傾き量とを合わせて最終的な補正量を求めるようにしてもよい。
【0067】
また、補正量に基づき検査画像データ、基準画像データのどちらか一方、または双方を補正してもよい。
【0068】
また、検査画像データの代わりにイエロードットマークが含まれたテストパターンを印字し、第1の傾き量と第2の傾き量をそれぞれ算出し、補正量を求めてもよい。
【0069】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0070】
(付記1)
用紙に画像を印刷する印刷部と
前記印刷部が印刷した印刷物を搬送する搬送部と、
前記搬送部に対する前記印刷部の傾きである第1の傾き量を検出する傾き検出部と、
前記搬送部の搬送方向と直交する方向に搬送部を横断して配置され、前記印刷物を読取った検査画像データと前記印刷物のデータである基準画像データを比較照合する画像検査部と、
前記検査画像データを補正する補正量を算出する補正量算出部と、を備え、
前記印刷物は四隅にマークが印字されており、
前記補正量算出部は前記検査画像データの四隅のマークを結んだ平行四辺形の画像の傾きである第2の傾き量と、前記第1の傾き量とに基づき前記補正量を算出する
ことを特徴とする画像検査装置。
【0071】
これにより、印刷部の個体差に起因して生じる第1の傾き量と、画像検査部の傾きに起因して生じる第2の傾き量とに基づいて、補正量を算出するので、ラインセンサを用いた画像検査部が傾いて搬送方向に対して斜向する、もしくは逆に印刷物が画像検査部に対して斜交した場合でも、補正することが可能となるので、ラインセンサを用いた画像検査部と印刷物が直交しなくとも適切な画像検査を行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
1 画像形成システム
2 画像形成装置
3 画像検査装置
4 後処理装置
11 インクジェットヘッド
13 搬送部
21A,21B 搬送部
23A,23B 検査部(画像検査部)
29 制御部
29a 検出部
29b 補正量算出部
31 搬送ベルト
31a 搬送面
32 駆動ローラ
33~35 従動ローラ
36 プラテン部
37 チャンバ
38 ファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6