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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037912
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】配達支援装置および無人配達装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230309BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144745
(22)【出願日】2021-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】神野 祐人
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】 通信環境に影響されることなく受取人の確認ができる配達支援装置および無人配達装置を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、配達支援装置は、インターフェースと生体情報取得部と制御部とを有する。インターフェースは、荷物を受け取る受取人が提示する個人識別カードに記録されている情報を取得する。生体情報取得部は、受取人の生体情報を含む情報を取得する。制御部は、生体情報取得部により取得する生体情報と個人識別カードに記録されている生体情報との生体照合を実行し、生体照合が成功した場合に荷物を受取人へ引き渡すことを許可する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を受け取る受取人が提示する個人識別カードに記録されている情報を取得するインターフェースと、
前記受取人の生体情報を含む情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部により取得する生体情報と前記個人識別カードに記録されている生体情報との生体照合を実行し、前記生体照合が成功した場合に前記荷物を前記受取人へ引き渡すことを許可する制御部と、
を有する配達支援装置。
【請求項2】
さらに、位置を検出する位置検出部を有し、
前記制御部は、さらに、前記位置検出部が検出する前記荷物の引き渡しを行う現在位置と前記個人識別カードに記録されている住所との位置照合を実行し、前記生体照合と前記位置照合とが成功した場合に前記荷物を前記受取人へ引き渡すことを許可する、
請求項1に記載の配達支援装置。
【請求項3】
前記生体情報取得部は、カメラであり、
前記制御部は、前記生体照合として、前記カメラにより取得する顔画像と前記個人識別カードに記録されている顔画像との顔照合を実行する、
請求項1又は2の何れか1項に記載の配達支援装置。
【請求項4】
荷物を受け取る受取人が提示する認証デバイスと接続するインターフェースと、
前記インターフェースに接続した前記認証デバイスの所持者の生体情報と前記受取人の生体情報との生体照合を前記認証デバイスに要求し、前記認証デバイスによる前記生体照合の成功の通知を受けた場合に前記荷物を前記受取人へ引き渡すことを許可する制御部と、
を有する配達支援装置。
【請求項5】
さらに、位置を検出する位置検出部を有し、
前記制御部は、さらに、前記位置検出部が検出する現在位置と前記認証デバイスに記録されている前記所持者の住所との位置照合を実行し、前記認証デバイスによる前記生体照合が成功し、かつ、前記位置照合が成功した場合に前記荷物を前記受取人へ引き渡すことを許可する、
請求項4に記載の配達支援装置。
【請求項6】
さらに、位置を検出する位置検出部を有し、
前記インターフェースは、さらに、前記受取人が提示する前記認証デバイスとは異なる個人識別カードに記録されている所持者の住所を示す住所情報を取得し、
前記制御部は、前記位置検出部が検出する現在位置と前記個人識別カードに記録されている住所との位置照合を実行し、前記認証デバイスによる前記生体照合が成功し、かつ、前記位置照合が成功した場合に前記荷物を前記受取人へ引き渡すことを許可する、
請求項4に記載の配達支援装置。
【請求項7】
前記インターフェースは、個人識別カードに記録されている所持者の住所を示す住所情報を取得する第1インターフェースと前記認証デバイスと通信接続する第2インターフェースとを有する、
請求項6に記載の配達支援装置。
【請求項8】
前記認証デバイスは、前記所持者の指紋情報を記憶するメモリと指紋センサとを備える指紋認証カードであり、
前記制御部は、前記生体照合の結果として前記指紋認証カードによる指紋照合の結果を取得する、
請求項4乃至7の何れか1項に記載の配達支援装置。
【請求項9】
荷物を保管する保管庫と、
前記保管庫に格納した前記荷物の配達先へ移動する移動機構と、
前記移動機構により前記荷物の配達先に到着した場合、前記荷物を受け取る受取人が提示する個人識別カードに記録されている情報を取得するインターフェースと、
前記受取人の生体情報を含む情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部により取得する生体情報と前記個人識別カードに記録されている生体情報との生体照合を実行し、前記生体照合が成功した場合に前記荷物を前記受取人へ引き渡すことを許可する制御部と、
前記制御部が前記荷物を前記受取人へ引き渡すことを許可した場合、前記保管庫に格納した荷物を取出し可能とする開閉機構と、
を有する無人配達装置。
【請求項10】
荷物を保管する保管庫と、
前記保管庫に格納した前記荷物の配達先へ移動する移動機構と、
前記移動機構により前記荷物の配達先に到着した場合、前記荷物を受け取る受取人が提示する認証デバイスと接続するインターフェースと、
前記インターフェースに接続した前記認証デバイスの所持者の生体情報と前記受取人の生体情報との生体照合を前記認証デバイスに要求し、前記認証デバイスによる前記生体照合の成功の通知を受けた場合に前記荷物を前記受取人へ引き渡すことを許可する制御部と、
前記制御部が前記荷物を前記受取人へ引き渡すことを許可した場合、前記保管庫に格納した荷物を取出し可能とする開閉機構と、
を有する無人配達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、配達支援装置および無人配達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、荷物の配達業務を無人化するため、ドローンや自動走行車などの自動配達ロボットからなる無人配達装置が開発されている。無人配達装置は、荷物を受け渡す際に受取人の確認を厳格に行うことが難しい。従来の技術としては、無人配達装置で配送される荷物を受け取る場合に、受取人が所持する携帯端末を用いてオンラインで本人確認を行うシステムが提案されている。
【0003】
しかしながら、上述したような従来の本人確認を行うシステムでは、荷物を受け取る際に受取人がオンライン通信可能な状態の携帯端末を所持している必要がある。このため、受取人が携帯端末を所持していない場合、荷物を受け取る場所が携帯端末による通信が不可となるオフライン環境である場合、受取人の本人確認ができないという問題がある。さらに、上述した従来のシステムでは、受取人の携帯端末に専用のアプリケーションプログラムをインストールしておき、かつ、受取人自身が本人確認を行うための操作を携帯端末で実施しなければならない。このため、受取人が携帯端末の操作に不慣れな人物である場合、本人確認が困難となることがあるという問題点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-219181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した課題を解決するために、通信環境などに影響されることなく受取人の確認ができる配達支援装置および無人配達装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、配達支援装置は、インターフェースと生体情報取得部と制御部とを有する。インターフェースは、荷物を受け取る受取人が提示する個人識別カードに記録されている情報を取得する。生体情報取得部は、受取人の生体情報を含む情報を取得する。制御部は、生体情報取得部により取得する生体情報と個人識別カードに記録されている生体情報との生体照合を実行し、生体照合が成功した場合に荷物を受取人へ引き渡すことを許可する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る無人配達装置における制御系の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態に係る無人配達装置による荷物の受取人を確認する確認処理を説明するためのフローチャートである。
図3図3は、第2実施形態に係る無人配達装置における制御系の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第2実施形態に係る無人配達装置による荷物の受取人を確認する確認処理を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、第3実施形態に係る無人配達装置における制御系の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、第3実施形態に係る無人配達装置による荷物の受取人を確認する確認処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、第1、第2および第3実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る配達支援装置を含む無人配達装置11の構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る配達支援装置を含む無人配達装置11における制御系の構成例を示すブロック図である。
第1実施形態に係る無人配達装置11は、制御部21、記憶部22、位置検出部23、移動機構24、保管庫25、表示部26、操作部27、カメラ28、および、インターフェース29などを備える。
【0009】
図1に示す無人配達装置11は、荷物の配達先へ移動する自動配達装置(自動配達ロボット)と配達先で荷物を引き渡す受取人を確認する確認処理を行う配達支援装置とを含む。言い換えると、無人配達装置11は、配達支援装置を搭載した自動配達装置である。無人配達装置11に含まれる配達支援装置は、有人が荷物を配達する場合に本人確認を行う装置として実施しても良い。
【0010】
第1実施形態に係る無人配達装置11は、配達先で受取人が提示する個人識別カード12に基づいて確認処理を行う。個人識別カード12は、国などの公的機関が発行する個人を識別するために使用する個人識別媒体である。個人識別カード12は、所持者に関する氏名および住所などの個人情報が記録されている記録媒体である。第1実施形態において、個人識別カード12は、少なくとも所持者の住所を含む個人情報と共に顔画像が記録されているものとする。個人識別カード12は、例えば、マイナンバーカード(個人番号カード)、運転免許証、あるいは、パスポートなどが想定される。
【0011】
無人配達装置11は、制御部21によって統括的に制御される。制御部21は、無人配達装置11の制御および演算処理などを行う。制御部21は、プロセッサ、メモリ、および、各種インターフェースなどを有する制御装置である。制御部21は、プロセッサがメモリ又は記憶部22に記憶したプログラムを実行することにより種々の制御および演算処理などの処理機能を実現する。また、制御部21は、通信インターフェースを備え、外部装置とデータ通信するようにしても良い。
【0012】
第1実施形態において、制御部21は、顔照合を実行する機能としての顔照合部21aと位置照合を実行する機能としての位置照合部21bとを有する。制御部21は、顔照合部21aとして、個人識別カード12に記録された所持者の生体情報と実際に荷物を受け取る受取人から取得する生体情報との生体照合の一例として顔照合を行う。また、制御部21は、位置照合部21bとして、個人識別カード12に記録された所持者の住所と現在位置とが一致するかを判定する位置照合を行う。
【0013】
記憶部22は、データを記憶する。記憶部22は、書き換えが可能な不揮発性のメモリで構成する。例えば、記憶部22は、SSD(Solid State Drive)などの半導体素子メモリ、HDD(Hard Disc Drive)などの磁気ディスクドライブなどが用いられる。
【0014】
位置検出部23は、当該無人配達装置11の現在位置を検出する。位置検出部23は、例えば、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)を利用して現在の位置を示す位置座標(GPS座標)を検出する。
【0015】
移動機構24は、無人配達装置11としての筐体を移動させる。移動機構24は、制御部21から指定される荷物の配達先へ当該無人配達装置11を移動させる。移動機構24は、当該無人配達装置11を配達先へ移動させる構成を有するものであれば良い。例えば、移動機構24は、ドローンなどの飛行装置の構成を有するものであっても良いし、路上を走行(自走)するための自走装置の構成を有するものであっても良い。
【0016】
移動機構24は、制御部21からの移動指示に応じて当該無人配達装置11を移動させるように駆動するものであっても良い。また、移動機構24は、制御部21が指定する配達先に基づいて移動経路を算出し、算出した移動経路に沿って当該無人配達装置11を自律移動させるものであっても良い。
【0017】
保管庫25は、配達する荷物(物品、配達物)を格納する。保管庫25は、荷物を出し入れするための扉を開閉する開閉機構25aを備える。開閉機構25aは、荷物の出し入れを許可する場合に保管庫25の扉を開放し、荷物の出し入れを不可する場合に保管庫25の扉が開放できないようにする。
【0018】
開閉機構25aは、制御部21からの指示に応じて保管庫25の扉を開閉する。例えば、開閉機構25aは、制御部21から扉の開放が指示された場合に扉を開放可能とし、制御部21から扉の開放が指示されていない場合(又は、制御部21から施錠が指示された場合)に扉を開放不可の状態(施錠した状態)とする。
【0019】
なお、保管庫25は、開閉機構25aとして、制御部21からの指示に応じて庫内に格納している荷物を放出する構成を備えるようにしても良い。例えば、制御部21は、受取人の本人確認が成功した場合に当該受取人宛の荷物を保管庫25外に放出するようにしても良い。
【0020】
表示部26は、情報を表示する表示装置である。例えば、表示部26は、液晶パネルあるいは有機ELなどで構成する表示デバイスである。
操作部27は、無人配達装置11に対して操作指示を入力する操作デバイスである。操作部27は、例えば、タッチパネルで構成とする。この場合、表示部26と操作部27とは、タッチパネル付き表示装置で構成するようにしても良い。また、操作部27は、ボタンスイッチで構成する操作キー、静電容量の変化に基づいて操作者の手指が触れたことを検出するタッチキーなどを含むものであっても良い。
【0021】
カメラ28は、画像を撮影する。カメラ28は、無人配達装置11が配達する荷物を受け取る受取人の顔を撮影するように設けられる。例えば、カメラ28は、表示部26の表示画面が設けられている面(以下、前面とする)に設けられ、表示画面を見る人物(受取人)の顔を撮影するように設置される。また、カメラ28は、受取人らしい人物を検出し、検出した人物の顔を撮影するように駆動する駆動機構を含むものであっても良い。
【0022】
インターフェース29は、個人識別カード12から情報を取得する。無人配達装置11のインターフェース29は、個人識別カード12に記録されている所持者の住所と顔画像とを取得できるものであれば良い。例えば、個人識別カード12がICカードで構成される場合、インターフェース29は、個人識別カード12としてのICカードの通信方式(接触式、非接触式)に対応した構成を備える。また、インターフェース29は、個人識別カード12としての記録媒体の表面に印刷(記録)されている顔画像および住所などを光学的に読み取るスキャンなどを含む構成としても良い。
【0023】
次に、第1実施形態に係わる無人配達装置11による荷物の受取人を確認する確認処理について説明する。
図2は、第1実施形態に係わる無人配達装置11による確認処理の例を説明するためのプローチャートである。
無人配達装置11は、保管庫25に格納した荷物の配達先へ移動する。例えば、記憶部22には、保管庫25に格納した荷物の配達先を示す配達情報(配達先の住所、受取人の氏名などの情報)を記憶する。制御部21は、配達情報に従って移動機構24により当該無人配達装置11を荷物の配達先に移動させる。
【0024】
無人配達装置11が保管庫25に格納した荷物の配達先に到着すると、制御部21は、インターフェース29により個人識別カード12との通信接続を開始する。例えば、制御部21は、表示部26に個人識別カード12の提示を案内する案内画面を表示し、インターフェース29による個人識別カード12との接続を受け付ける。これに応じて、受取人は、自身が所持する個人識別カード12をインターフェース29に提示する。
【0025】
受取人が個人識別カード12を提示すると、制御部21は、インターフェース29により受取人が提示した個人識別カード12との通信接続を確立させる(ST11)。個人識別カード12との通信接続が確立すると、制御部21は、個人識別カード12が正当な個人識別カード12であるか否かを判断する(ST12)。
【0026】
例えば、制御部21は、インターフェース29に提示されたカード(デバイス、記録媒体)が個人識別カードとして使用可能なカードであるかを判断する。また、制御部21は、荷物の配達先情報として設定されている受取人の氏名と個人識別カード12の所持者の氏名とが一致するか否かにより正当な個人識別カード12であるか否かを判断するようにしても良い。
【0027】
正当な個人識別カードがインターフェース29に提示されない場合(ST12、NO)、制御部21は、個人識別カード12を使用した荷物の引き渡しができないものとする。荷物の引き渡しができない場合、制御部21は、当該荷物を引き渡すことなく当該無人配達装置11を次の行先へ移動させる。
【0028】
なお、引き渡しできなかった荷物は、後日再配達しても良いし、別の受取方法や配達方法で再配達するようにしても良いし、差出人に返送するようにしても良い。また、制御部21は、個人識別カード12を使用した荷物の引き渡しができない場合、別の受取方法で荷物の引き渡しを行うようにしても良い。
【0029】
正当な個人識別カードがインターフェース29に接続された場合(ST12、YES)、制御部21は、インターフェース29を介して個人識別カード12から生体情報としての顔画像(顔情報)を取得する(ST13)。例えば、制御部21は、個人識別カード12内のメモリに記憶されている顔画像データを顔情報としてインターフェース29により取得する。また、制御部21は、個人識別カード12の券面に印刷されている顔画像をスキャンした顔画像データをインターフェース29から取得するようにしても良い。
【0030】
さらに、制御部21は、カメラ28により当該無人配達装置11から荷物を受け取ろうとする受取人の顔を含む画像を撮影する(ST14)。制御部21は、カメラ28によって撮影された画像から受取人となる人物の顔を検出し、検出した顔の領域を含む顔画像を取得する。
【0031】
個人識別カード12に記録されている顔画像とカメラ28が撮影した顔画像とを取得すると、制御部21は、個人識別カード12に記録されている顔画像とカメラ28が撮影した顔画像とが同一人物の顔であるか否かを判定する顔照合を実行する(ST15)。
【0032】
個人識別カード12に記録されている顔画像とカメラ28が撮影した顔画像とが同一人物の顔であると判定できなかった場合(ST16、NO)、制御部21は、顔照合の失敗によって荷物の引き渡しができないものとする。顔照合が失敗した場合、制御部21は、所定の条件(例えば所定回数)においてカメラ28のよる顔画像の取得および顔照合をリトライするようにしても良い。
【0033】
個人識別カード12に記録されている顔画像とカメラ28が撮影した顔画像とが同一人物の顔であると判定した場合(ST16、YES)、制御部21は、さらに、インターフェース29を介して個人識別カード12から所持者の個人情報に含まれる住所を示す住所情報を取得する(ST17)。例えば、制御部21は、個人識別カード12内のメモリに記憶されている所持者の住所情報をインターフェース29により取得する。個人識別カード12に記録されている住所を取得すると、制御部21は、取得した住所を位置座標(位置検出部23が検出する位置座標に対応する座標値)に変換する(ST18)。
【0034】
また、制御部21は、位置検出部23が検出する当該無人配達装置11の現在位置を示す位置座標を取得する(ST19)。例えば、位置検出部23は、GPSによって地球上における当該無人配達装置11の位置を示す位置座標としてのGPS座標を検出する。この場合、制御部21は、当該無人配達装置11の現在位置を示すGPS座標を位置検出部23から取得することとなる。
【0035】
個人識別カード12に記録されている住所の位置座標と位置検出部23が検出した現在位置の位置座標とを取得すると、制御部21は、個人識別カード12に記録されている住所と現在位置とが一致するか否かを判断する(ST20)。例えば、制御部21は、GPSなどの位置検出部23による現在位置の検出精度に応じて、位置検出部23が検出した現在位置が個人識別カード12から取得した住所と一致するか否かを判断する。
【0036】
なお、制御部21は、ST18の処理において、位置検出部23が検出する現在位置の位置座標を住所に変換するようにしても良い。この場合、制御部21は、位置検出部23が検出した現在位置の位置座標から特定した住所と個人識別カード12から取得した住所とが一致するか否かを判断するようにしても良い。
【0037】
個人識別カード12に記録されている住所と位置検出部23が検出した現在位置とが一致しない場合(ST21、NO)、制御部21は、個人識別カード12の住所と現在位置とが一致しないために荷物の引き渡しができないものとする。
【0038】
個人識別カード12に記録されている住所と位置検出部23が検出した現在位置とが一致する場合(ST21、YES)、制御部21は、当該荷物を格納している保管庫25を開放する(ST22)。制御部21は、開放した保管庫25から荷物が受け取られと、荷物の受取人への引き渡しが完了したものとする。荷物の引き渡しが完了した後、制御部21は、移動機構24によって当該無人配達装置11を次の行先へ移動させる。
【0039】
以上のように、第1実施形態に係る無人配達装置は、カメラ(生体情報取得部)が撮影する受取人の顔画像(生体情報)と受取人が提示する個人識別カードに記録されている顔画像(生体情報)との顔照合(生体照合)を実行し、顔照合が成功した場合に荷物を受取人へ引き渡す。これにより、無人配達装置は、オフライン環境であっても、受取人が提示する個人識別カードに記録されている顔画像に基づいて受取人の本人確認ができる。この結果、受取人は、自身が所持する個人識別カードを提示することで自分宛の荷物を確実に受け取ることができる。
【0040】
また、第1実施形態に係る無人配達装置は、さらに、位置を検出する位置検出部を有し、位置検出部が検出する現在位置と個人識別カードに記録されている住所との位置照合を実行し、位置照合とカメラが撮影する顔画像と個人識別カードの顔画像との顔照合との両方が成功した場合に荷物を受取人へ引き渡す。これにより、無人配達装置は、オフライン環境であっても、受取人の本人確認と住所確認とを行うことができる。この結果、受取人は、自身が所持する個人識別カードを提示することで自分宛の荷物を確実に受け取ることができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る配達支援装置を含む無人配達装置211の構成について説明する。
図3は、第2実施形態に係る配達支援装置を含む無人配達装置211における制御系の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、第2実施形態に係る無人配達装置211は、図1に示す第1実施形態に係る無人配達装置11と同様に、制御部21、記憶部22、位置検出部23、移動機構24、保管庫25、表示部26、操作部27、カメラ28、インターフェース29などを備える。
【0042】
図3に示す無人配達装置211における各構成は、第1実施形態で説明した無人配達装置11と同様なもので実現できる。このため、図3に示す無人配達装置211の各構成については詳細な説明を省略する。ただし、第2実施形態において、制御部21は、位置照合部21bを備えるものであれば良い。また、第2実施形態に係る無人配達装置211の構成としては、カメラ28を省略しても良い。
【0043】
第2実施形態では、無人配達装置211のインターフェース29に接続される個人識別カード12´が、第1実施形態で説明した個人識別カード12とは構成が異なるものとする。個人識別カード12´は、生体情報取得部としての指紋センサと登録者(所持者)の生体情報としての指紋情報を記憶するメモリとを備える。個人識別カード12´は、指紋センサが取得する指紋情報と予め登録されている所持者の指紋情報との指紋照合を実行する機能(生体照合機能)を有する。
【0044】
すなわち、個人識別カード12´は、第1実施形態で説明した個人識別カード12と同様に、国などの公的機関が発行する個人を識別するために使用する個人識別媒体であり、かつ、生体認証機能を備えるものである。例えば、個人識別カード12´は、指紋認証機能付きのICカードで構成される。指紋認証機能付きのICカードで構成される個人識別カード12´は、所持者に関する名前、住所などの個人情報に加えて、所持者の指紋情報(生体情報)がメモリに記録され、無人配達装置211のインターフェース29に接続された状態で指紋照合を実行する。
【0045】
次に、第2実施形態に係わる無人配達装置211による荷物の受取人を確認する確認処理について説明する。
図4は、第2実施形態に係わる無人配達装置211による確認処理の例を説明するためのプローチャートである。
無人配達装置211は、保管庫25に格納した荷物の配達先へ移動する。無人配達装置211が保管庫25に格納した荷物の配達先に到着すると、制御部21は、インターフェース29による個人識別カード12´との通信接続を開始する。例えば、制御部21は、表示部26に個人識別カード12´の提示を案内する案内画面を表示し、インターフェース29による個人識別カード12´との通信接続を受け付ける。これに応じて、受取人は、自身が所持する個人識別カード12´をインターフェース29に提示する。
【0046】
受取人が個人識別カード12´を提示すると、制御部21は、インターフェース29により受取人が提示した個人識別カード12´との通信接続を確立させる(ST31)。個人識別カード12´との通信接続が確立すると、制御部21は、インターフェース29に接続したデバイスが確認処理に使用可能な正当な個人識別カード12´であるか否かを判断する(ST32)。
【0047】
例えば、制御部21は、インターフェース29に接続されたデバイスが指紋認証機能を備えるICカードからなる個人識別カード12´であるか否かを判断する。また、制御部21は、荷物の配達先として設定されている受取人氏名と個人識別カード12の所持者の氏名とが一致するか否かにより正当な個人識別カード12であるか否かを判断するようにしても良い。
【0048】
インターフェース29に接続されたデバイスが正当な個人識別カードでない場合(ST32、NO)、制御部21は、個人識別カードを使用した確認処理による荷物の引き渡しができないものとする。荷物の引き渡しができない場合、制御部21は、当該荷物を引き渡すことなく当該無人配達装置211を次の行先へ移動させる。
【0049】
なお、引き渡しできなかった荷物は、後日再配達しても良いし、別の受取方法や配達方法で再配達するようにしても良いし、差出人に返送するようにしても良い。また、制御部21は、個人識別カード12を使用した荷物の引き渡しができない場合、別の受取方法で荷物の引き渡しを行うようにしても良い。
【0050】
インターフェース29に接続されたデバイスが確認処理に使用可能な正当な個人識別カード12´である場合(ST32、YES)、制御部21は、インターフェース29を介して個人識別カード12´に指紋照合を要求する(ST33)。この場合、制御部21は、インターフェース29を介して個人識別カード12´に接続した状態で個人識別カード12´における指紋照合の結果を待つ(ST34)。
【0051】
個人識別カード12´は、無人配達装置211からの指紋照合の要求に応じて指紋照合を実行する。例えば、個人識別カード12´は、インターフェース29を介して供給される電力によって動作し、指紋センサが検出する指紋情報と内部メモリに記憶されている所持者の指紋情報とを照合する。
【0052】
個人識別カード12´は、指紋照合の結果を無人配達装置211へ通知する。例えば、指紋センサが検出した指紋が所持者の指紋であると判定した場合、個人識別カード12´は、無人配達装置211へ指紋照合が成功した旨を通知する。また、指紋センサが検出した指紋が所持者の指紋であると特定できない場合、個人識別カード12´は、無人配達装置211へ指紋照合が失敗した旨を通知する。
【0053】
無人配達装置211の制御部21は、個人識別カード12´における指紋照合が失敗した場合(ST35、NO)、個人識別カード12´による指紋照合の失敗によって荷物の引き渡しができないものとする。指紋照合が失敗した場合、制御部21は、所定の条件(例えば所定回数)において個人識別カード12´に対して指紋照合をリトライさせるようにしても良い。
【0054】
個人識別カード12´における指紋照合が成功した場合(ST35、YES)、制御部21は、さらに、インターフェース29を介して個人識別カード12´から所持者の個人情報に含まれる住所を示す住所情報を取得する(ST36)。例えば、制御部21は、個人識別カード12´内のメモリに記憶されている所持者の住所情報をインターフェース29により取得する。個人識別カード12´から住所情報を取得すると、制御部21は、取得した住所情報が示す住所を位置座標に変換する(ST37)。
【0055】
また、制御部21は、位置検出部23が検出する当該無人配達装置211の現在位置を示す位置座標を取得する(ST38)。
個人識別カード12に記録されている住所の位置座標と位置検出部23が検出した現在位置の位置座標とを取得すると、制御部21は、個人識別カード12´に記録されている住所と現在位置とが一致するか否かを判断する(ST39)。例えば、制御部21は、GPSなどの位置検出部23による現在位置の検出精度に応じた許容範囲内において位置検出部23が検出した現在位置が個人識別カード12´から取得した住所と一致するか否かを判断する。
【0056】
なお、制御部21は、ST37の処理において、位置検出部23が検出する現在位置の位置座標を住所に変換するようにしても良い。この場合、制御部21は、位置検出部23が検出した現在位置の位置座標から特定した住所と個人識別カード12´から取得した住所とが一致するか否かを判断するようにしても良い。
【0057】
個人識別カード12´に記録されている住所と位置検出部23が検出した現在位置とが一致しない場合(ST40、NO)、制御部21は、個人識別カード12´の住所と現在位置とが一致しないために荷物の引き渡しができないものとする。
【0058】
個人識別カード12´に記録されている住所と位置検出部23が検出した現在位置とが一致する場合(ST40、YES)、制御部21は、当該荷物を格納している保管庫25を開放する(ST41)。制御部21は、開放した保管庫25から荷物が受け取られと、荷物の受取人への引き渡しが完了したものとする。荷物の引き渡しが完了した後、制御部21は、移動機構24によって当該無人配達装置211を次の行先へ移動させる。
【0059】
以上のように、第2実施形態に係る無人配達装置は、受取人が提示する生体(指紋)認証機能付きの個人識別カードをインターフェースに接続し、インターフェースに接続した個人識別カードに指紋照合などの生体照合を要求し、個人識別カードによる生体照合が成功した場合に荷物を受取人へ引き渡す。これにより、無人配達装置は、オフライン環境であっても、受取人が提示する個人識別カードによる生体照合によって受取人の本人確認ができる。この結果、受取人は、自身が所持する個人識別カードを提示することで自分宛の荷物を確実に受け取ることができる。
【0060】
また、第2実施形態に係る無人配達装置は、さらに、位置を検出する位置検出部を有し、位置検出部が検出する現在位置と個人識別カードに記録されている住所との位置照合を実行し、位置照合と受取人が提示する個人識別カードによる生体照合との両方が成功した場合に荷物を受取人へ引き渡す。これにより、無人配達装置は、オフライン環境であっても、受取人の本人確認と住所確認とを行うことができる。この結果、受取人は、自身が所持する個人識別カードを提示することで自分宛の荷物を確実に受け取ることができる。
【0061】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る配達支援装置を含む無人配達装置311の構成について説明する。
図5は、第3実施形態に係る配達支援装置を含む無人配達装置311における制御系の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、第3実施形態に係る無人配達装置311は、図1に示す第1実施形態に係る無人配達装置11と同様に、制御部21、記憶部22、位置検出部23、移動機構24、保管庫25、表示部26、操作部27、カメラ28、インターフェース29などを備え、さらに、インターフェース31を備える。
【0062】
図5に示す無人配達装置311における各構成21~29は、第1実施形態で説明した無人配達装置11と同様なもので実現できる。これらの構成21~29については、詳細な説明を省略する。ただし、第3実施形態において、制御部21は、位置照合部21bを有するものであれば良い。また、第3実施形態に係る無人配達装置311の構成としては、カメラ28を省略しても良い。
【0063】
第3実施形態において、無人配達装置311のインターフェース29は、個人識別カード12が接続される。個人識別カード12は、第1実施形態で説明したもので良い。ただし、第3実施形態において、個人識別カード12は、所持者の顔画像(生体情報)が記録されていないものであっても良い。
【0064】
インターフェース31は、個人識別カード12とは別の指紋認証カード13が接続される。指紋認証カード13は、生体認証を実行する機能を有する認証デバイスの一例である。指紋認証カード13は、生体情報取得部としての指紋センサと登録者(所持者)の生体情報としての指紋情報を記憶するメモリとを備える。指紋認証カード13は、指紋センサが取得する指紋情報と予め登録されている所持者の指紋情報との指紋照合を実行する機能(生体照合機能)を有する。
【0065】
指紋認証カード13は、例えば、クレジットカード、キャッシュカードなどとして運用される指紋認証機能付きのICカードで構成される。指紋認証機能付きのICカードで構成される指紋認証カード13は、無人配達装置311のインターフェース31に接続された状態で指紋照合を実行する。
【0066】
なお、インターフェース29とインターフェース31とは、個人識別カード12と指紋認証カード13との通信可能なものであれば、1つのハードウエア(インターフェース)で構成しても良い。例えば、個人識別カード12と指紋認証カード13とが無線通信デバイスである場合、インターフェース29とインターフェース31とは、個人識別カード12および指紋認証カード13の無線通信方式に対応するものであれば、1つの無線通信用のインターフェースによって実現できる。具体例として、個人識別カード12と指紋認証カード13とが非接触式のICカードであれば、インターフェース29とインターフェース31とは、非接触式のICカードに対応する1つのインターフェースで実現できる。
【0067】
次に、第3実施形態に係わる無人配達装置311による荷物の受取人を確認する確認処理について説明する。
図6は、第3実施形態に係わる無人配達装置311による確認処理の例を説明するためのプローチャートである。
無人配達装置311は、保管庫25に格納した荷物の配達先へ移動する。無人配達装置311が保管庫25に格納した荷物の配達先に到着すると、制御部21は、インターフェース29による個人識別カード12との通信接続を開始する。例えば、制御部21は、表示部26に個人識別カード12の提示を案内する案内画面を表示し、インターフェース29による個人識別カード12との通信接続を受け付ける。これに応じて、受取人は、自身が所持する個人識別カード12をインターフェース29に提示する。
【0068】
受取人が個人識別カード12を提示すると、制御部21は、インターフェース29により受取人が提示した個人識別カード12との通信接続を確立させる(ST51)。個人識別カード12との通信接続が確立すると、制御部21は、インターフェース29に接続したデバイスが確認処理に使用可能な正当な個人識別カード12であるか否かを判断する(ST52)。例えば、制御部21は、インターフェース29に接続されたデバイスとの認証処理によって正当な個人識別カード12であるか否かを判断する。また、制御部21は、荷物の配達先として設定されている受取人氏名とインターフェース29に接続した個人識別カード12の所持者の氏名とが一致するか否かにより正当な個人識別カードであるか否かを判断するようにしても良い。
【0069】
インターフェース29に接続されたデバイスが正当な個人識別カードでない場合(ST52、NO)、制御部21は、個人識別カードを使用した確認処理による荷物の引き渡しができないものとする。荷物の引き渡しができない場合、制御部21は、当該荷物を引き渡すことなく次の行先へ移動する。なお、引き渡しできなかった荷物は、後日再配達しても良いし、別の受取方法や配達方法で再配達するようにしても良いし、差出人に返送するようにしても良い。また、制御部21は、個人識別カードを使用した荷物の引き渡しができない場合、別の受取方法で荷物の引き渡しを行うようにしても良い。
【0070】
インターフェース29に接続されたデバイスが確認処理に使用可能な正当な個人識別カード12である場合(ST52、YES)、制御部21は、インターフェース(第2インターフェース)31による指紋認証カード(生体認証デバイス)13との通信接続を開始する。例えば、制御部21は、表示部26に指紋認証カード13の提示を案内する案内画面を表示し、インターフェース31による指紋認証カード13との通信接続を受け付ける。これに応じて、受取人は、自身が所持する指紋認証カード13をインターフェース31に提示する。
【0071】
受取人が指紋認証カード13を提示すると、制御部21は、インターフェース31により受取人が提示した指紋認証カード13との通信接続を確立させる(ST53)。指紋認証カード13との通信接続が確立すると、制御部21は、インターフェース31に接続したデバイスが確認処理における生体認証を行える正当な指紋認証カード13であるか否かを判断する(ST54)。
【0072】
例えば、制御部21は、インターフェース31に接続されたデバイスに対する認証処理によって正当な指紋認証カード13であるか否かを判断する。また、制御部21は、インターフェース29に接続した個人識別カード12の所持者の個人情報(例えば氏名)とインターフェース31に接続した指紋認証カード13の所持者の個人情報とが一致するか否かにより正当な指紋認証カードであるか否かを判断するようにしても良い。
【0073】
インターフェース31に接続されたデバイスが正当な指紋認証カードでない場合(ST54、NO)、制御部21は、個人識別カードを使用した確認処理による荷物の引き渡しができないものとする。
【0074】
インターフェース31に接続されたデバイスが確認処理に使用可能な正当な指紋認証カード13である場合(ST54、YES)、制御部21は、インターフェース31を介して指紋認証カード13に指紋照合を要求する(ST55)。この場合、制御部21は、インターフェース31を介して指紋認証カード13に接続した状態で当該指紋認証カード13における指紋照合の結果を待つ(ST56)。
【0075】
指紋認証カード13は、無人配達装置311からの指紋照合の要求に応じて指紋照合を実行する。例えば、指紋認証カード13は、インターフェース31を介して供給される電力によって動作し、指紋センサが検出する指紋情報と内部メモリに記憶されている所持者の指紋情報とを照合する。
【0076】
指紋認証カード13は、指紋照合の結果を無人配達装置311へ通知する。例えば、指紋センサが検出した指紋が所持者の指紋であると判定した場合、指紋認証カード13は、無人配達装置311へ指紋照合が成功した旨を通知する。また、指紋センサが検出した指紋が所持者の指紋であると特定できない場合、指紋認証カード13は、無人配達装置311へ指紋照合が失敗した旨を通知する。
【0077】
無人配達装置311の制御部21は、指紋認証カード13における指紋照合が失敗した場合(ST57、NO)、指紋認証カード13による指紋照合の失敗によって荷物の引き渡しができないものとする。指紋照合が失敗した場合、制御部21は、所定の条件(例えば所定回数)において指紋認証カード13に対して指紋照合をリトライさせるようにして良い。
【0078】
指紋認証カード13における指紋照合が成功した場合(ST57、YES)、制御部21は、さらに、インターフェース29を介して個人識別カード12から所持者の個人情報に含まれる住所を示す住所情報を取得する(ST58)。例えば、制御部21は、個人識別カード12に記録されている所持者の住所情報をインターフェース29により取得する。個人識別カード12から住所情報を取得すると、制御部21は、取得した住所情報が示す住所を位置座標に変換する(ST59)。
【0079】
また、制御部21は、位置検出部23が検出する当該無人配達装置311の現在位置を示す位置座標を取得する(ST60)。
個人識別カード12に記録されている住所の位置座標と位置検出部23が検出した現在位置の位置座標とを取得すると、制御部21は、個人識別カード12に記録されている住所と現在位置とが一致するか否かを判断する(ST61)。例えば、制御部21は、GPSなどの位置検出部23による現在位置の検出精度に応じた許容範囲内において位置検出部23が検出した現在位置が個人識別カード12に記録されている住所と一致するか否かを判断する。
【0080】
なお、制御部21は、ST59の処理において、位置検出部23が検出する現在位置の位置座標を住所に変換するようにしても良い。この場合、制御部21は、位置検出部23が検出した現在位置の位置座標から特定した住所と個人識別カード12に記録されている住所とが一致するか否かを判断するようにすれば良い。
【0081】
個人識別カード12に記録されている住所と位置検出部23が検出した現在位置とが一致しない場合(ST62、NO)、制御部21は、個人識別カード12の住所と現在位置とが一致しないために荷物の引き渡しができないものとする。
【0082】
個人識別カード12に記録されている住所と位置検出部23が検出した現在位置とが一致する場合(ST62、YES)、制御部21は、当該荷物を格納している保管庫25を開放する(ST63)。制御部21は、開放した保管庫25から荷物が受け取られると、荷物の受取人への引き渡しが完了したものとする。荷物の引き渡しが完了した後、制御部21は、移動機構24によって当該無人配達装置311を次の行先へ移動させる。
【0083】
以上のように、第3実施形態に係る無人配達装置は、受取人が提示する認証デバイスをインターフェースに接続し、インターフェースに接続した認証デバイスに指紋照合などの生体照合を要求し、認証デバイスによる生体照合が成功した場合に荷物を受取人へ引き渡す。これにより、無人配達装置は、オフライン環境であっても、受取人が提示する認証デバイスによる生体照合によって受取人の本人確認ができる。この結果、受取人は、自身が所持する認証デバイスを提示することで自分宛の荷物を確実に受け取ることができる。
【0084】
また、第3実施形態に係る無人配達装置は、さらに、位置を検出する位置検出部を有し、位置検出部が検出する現在位置と認証デバイスとは別の個人識別カードに記録されている住所との位置照合を実行し、位置照合と認証デバイスによる生体照合との両方が成功した場合に荷物を受取人へ引き渡す。これにより、無人配達装置は、オフライン環境であっても、受取人の本人確認と住所確認とを行うことができる。この結果、受取人は、自身が所持する認証デバイスと個人識別カードとを提示することで自分宛の荷物を確実に受け取ることができる。
【0085】
なお、第3実施形態において、指紋認証カードは、運用として公的機関が発行することを想定した個人識別カードとは別のものであっても良い。このため、第3実施形態に係る指紋認証カードは料金の決済機能を有するクレジットカードなどの認証デバイスとして運用することが容易に実現できる。指紋認証カードが決済機能を持つ場合、当該指紋認証カードを用いて引き渡しに料金(例えば、着払いの料金や手数料など)の決済を行うことも可能となる。また、オンラインショッピングなどで荷物を購入する際に使用したクレジットカードを受取人が提示する指紋認証カードとすることで、受取人が荷物を購入した本人であることを確認することも可能となる。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
11、211、311…無人配達装置(配達支援装置)、12…個人識別カード、12´…個人識別カード、13…指紋認証カード、21…制御部、22…記憶部、23…位置検出部、24…移動機構、25…保管庫、25a…開閉機構、26…表示部、27…操作部、28…カメラ(生体情報取得部)、29…インターフェース(第1インターフェース)、31…インターフェース(第2インターフェース)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6