(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038040
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】見守りシステム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20230309BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20230309BHJP
G08B 21/24 20060101ALI20230309BHJP
H04M 11/04 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
G08B21/24
H04M11/04
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144930
(22)【出願日】2021-09-06
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートウース
(71)【出願人】
【識別番号】521393177
【氏名又は名称】株式会社ピンプレイジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 賢介
(72)【発明者】
【氏名】朴 勝運
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA01
5C086CA25
5C086CB01
5C086CB07
5C086CB40
5C086DA02
5C086FA02
5C086FA15
5C086FA17
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA16
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5C087AA32
5C087AA44
5C087DD03
5C087DD24
5C087EE06
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5K201BA03
5K201BA19
5K201CB10
5K201CC10
5K201DC03
5K201EC06
5K201ED04
5K201ED09
5K201EF02
5K201EF09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】被見守り者に煩わしい設定や操作を強いることなく、見守りを容易且つ確実に行う安否確認システムを提供する。
【解決手段】サーバ5と、見守り者が利用する安否確認受信機器2又は被見守り者が利用する安否確認送信機器1として動作する複数の安否確認デバイス4と、スマートフォン端末7と、を具備する安否確認システム9であって、安否確認受信機器2及び安否確認送信機器1は、同一構成のデジタルクロックタイプのデバイスである。サーバ5の制御部は、被見守り者のデバイスに固有の識別情報と、見守り者のデバイスに固有の識別情報とを対応付けて記憶した管理テーブルTBLを有し、安否確認デバイスから識別情報を受信し、受信した識別情報を基にテーブルを参照することにより、当該識別情報の発信元の安否確認デバイスが安否確認受信機器2であるかそれとも安否確認送信機器1であるか、を判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、見守り者が利用する安否確認受信機器と、被見守り者が利用する安否確認送信機器とを具備する安否確認システムであって、
前記安否確認受信機器及び前記安否確認送信機器は、同一構成のデジタルクロックタイプのデバイスであり、
前記サーバは、被見守り者のデバイスに固有の識別情報と、見守り者のデバイスに固有の識別情報とを対応付けて記憶したテーブルを有し、
前記サーバは、前記デバイスから識別情報を受信し、受信した識別情報を基に前記テーブルを参照することにより、当該識別情報の発信元のデバイスが前記安否確認受信機器であるかそれとも前記安否確認送信機器であるかを判定する
ことを特徴とする安否確認システム。
【請求項2】
前記デバイスは、正面と、背面と、側面とに囲まれた筐体と、前記筐体に設けられた制御部、表示部、通信部、安否確認ボタン、スピーカ、温湿度センサ、及びモーションセンサとを有し、
前記安否確認送信機器は、
前記モーションセンサによって前記被見守り者の動きが検出された場合、または、前記安否確認ボタンが押下された場合に、前記被見守り者の動きがあったことを示す動き通知メッセージを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記安否確認送信機器から、前記動き通知メッセージを受信する度に、前記被見守り者の動きが無い時間を計時するタイマをリセットする処理を行い、
前記タイマの計時時間が、第1時間長を超えると、前記安否確認受信機器に、第1注意喚起メッセージを送信し、
前記安否確認受信機器は、
前記第1注意喚起メッセージを受信すると、当該安否確認受信機器の前記表示部の表示色を、第1の色にする
ことを特徴とする請求項1に記載の安否確認システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記タイマの計時時間が、前記第1時間長よりも長い第2時間長を超えると、前記安否確認受信機器に、第2注意喚起メッセージを送信し、前記タイマの計時時間が、前記第2時間長よりも長い第3時間長を超えると、前記安否確認受信機器に、第3注意喚起メッセージを送信し、
前記安否確認受信機器は、
前記第2注意喚起メッセージを受信すると、当該安否確認受信機器の前記表示部の表示色を、前記第1の色と異なる第2の色にし、
前記第3注意喚起メッセージを受信すると、当該安否確認受信機器の前記表示部の表示色を、前記第1の色及び前記第2の色と異なる第3の色にすると共に、前記スピーカから報知音を出力させる
ことを特徴とする請求項2に記載の安否確認システム。
【請求項4】
前記表示部は、
各々が、被見守り者側の安否確認の操作と対応する複数のマークを表示し得る第1表示領域
を有し、
前記安否確認送信機器は、
当該安否確認送信機器の前記安否確認ボタンが押下され、その押下時間が第4時間長以下である場合、被見守り者側の安否確認の操作がされたことを示す被見守り者側安否確認操作メッセージを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記被見守り者側安否確認操作メッセージを受信すると、前記安否確認受信機器に、被見守り者側の安否確認の操作があったことを知らせる被見守り者側安否確認操作通知メッセージを送信し、
前記安否確認受信機器は、
前記被見守り者側安否確認操作通知メッセージを受信すると、当該安否確認受信機器の前記第1表示領域に新たなマークを表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の安否確認システム。
【請求項5】
前記表示部は、
各々が、見守り者側の安否確認の操作と対応する複数のマークを表示し得る第2表示領域
を有し、
前記安否確認受信機器は、
当該安否確認受信機器の前記安否確認ボタンが押下され、その押下時間が第4時間長以下である場合、見守り者側の安否確認の操作がされたことを示す見守り者側安否確認操作メッセージを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記見守り者側安否確認操作メッセージを受信すると、前記安否確認送信機器に、見守り者側の安否確認の操作があったことを知らせる見守り者側安否確認操作通知メッセージを送信し、
前記安否確認送信機器は、
前記見守り者側安否確認操作通知メッセージを受信すると、当該安否確認送信機器の前記第2表示領域に新たなマークを表示する
ことを特徴とする請求項4に記載の安否確認システム。
【請求項6】
前記安否確認送信機器は、
当該安否確認送信機器の前記安否確認ボタンが押下され、その押下時間が第4時間長を超えた場合、被見守り者側の緊急操作がされたことを示す緊急操作メッセージを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記緊急操作メッセージを受信すると、前記安否確認送信機器及び前記安否確認受信機器に、被見守り者側の緊急操作があったことを知らせる被見守り者側緊急操作通知メッセージを送信し、
前記安否確認送信機器は、
前記被見守り者側緊急操作通知メッセージを受信すると、当該安否確認送信機器の前記表示部の表示色を、前記第3の色にすると共に、前記スピーカから報知音を出力させ、
前記安否確認受信機器は、
前記被見守り者側緊急操作通知メッセージを受信すると、当該安否確認受信機器の前記表示部の表示色を、前記第3の色にすると共に、前記スピーカから報知音を出力させる
ことを特徴とする請求項5に記載の安否確認システム。
【請求項7】
端末を有し、
前記デバイスの前記筐体には、ペアリングボタンが設けられており、
前記デバイスは、前記ペアリングボタンが押下されると、当該デバイスの識別情報を含む登録要求メッセージを前記サーバに送信し、
前記サーバは、あるデバイスから前記登録要求メッセージを受信すると、その受信タイミングから第5時間長以内に、別のデバイスから前記登録要求メッセージを受信したか否かを判定し、第5時間長以内に、一台のデバイスから前記登録要求メッセージを受信した場合に、それらの複数のデバイスの識別情報を、前記安否確認受信機器及び前記安否確認送信機器の何れにもし得る属性未設定のデバイスの識別情報として、当該サーバのメモリに記憶する
ことを特徴とする請求項6に記載の安否確認システム。
【請求項8】
端末を有し、
前記デバイスの前記筐体には、ペアリングボタンが設けられており、
前記デバイスは、前記ペアリングボタンが押下されると、登録コードの発行を求める登録コード発行要求メッセージを前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記登録コード発行要求メッセージを受信すると、登録コードを生成し、生成した登録コードを含む登録コード通知メッセージを、前記登録コード発行要求メッセージの発信元のデバイスに送信し、
前記デバイスは、
前記登録コード通知メッセージを受信すると、受信した登録コード通知メッセージ内の登録コードを前記表示部に表示させ、
前記サーバは、
前記端末から、前記登録コード通知メッセージ内のものと同じ登録コードを受信すると、その登録コードと対応するデバイスの識別情報を、前記安否確認受信機器及び前記安否確認送信機器の何れにもし得る属性未設定のデバイスの識別情報として、当該サーバのメモリに記憶する
ことを特徴とする請求項6に記載の安否確認システム。
【請求項9】
前記サーバは、
前記端末から、複数のデバイスの識別情報の組と、組となる複数のデバイスの各々を前記安否確認受信機器及び前記安否確認送信機器の何れとするかを少なくとも示す属性情報を受信し、受信した属性情報をデバイスの識別情報と対応付けて前記テーブルに記憶する
ことを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の安否確認システム。
【請求項10】
前記デバイスの前記筐体には、外出ボタンが設けられており、
前記安否確認送信機器は、当該安否確認送信機器の前記外出ボタンを一度押す開始操作が行われてから前記外出ボタンを再度押す解除操作が行われるまでの間は、外出モードになり、当該外出モードの間に、前記モーションセンサによって動きが検出されると、その検出の時点から所定時間以内に前記解除操作が行われたか否かを判定し、前記所定時間以内に前記解除操作が行われない場合、前記スピーカから報知音を出力させる
ことを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の安否確認システム。
【請求項11】
前記サーバは、
所定時間の間に受信したメッセージを、所定の機械学習アルゴリズムに従って解析し、この解析により、前記被見守り者に異常があったことを判定するための学習モデルを生成し、前記学習モデルの生成以降は、前記安否確認受信機器からメッセージを受信する度に、前記学習モデルに基づいて、前記被見守り者に異常があったか否かを判定する
ことを特徴とする請求項7~10のいずれか1項に記載の安否確認システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守りシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
老人等の見守りに関わる技術が各種提案されている。例えば、特許文献1には、見守り者が、被見守り者の安否確認や緊急事態の詳細の確認を容易に把握できるようにしたシステムが開示されている。特許文献1に開示された見守りシステムは、老人等の被観察者の端末と、被観察者の家族、保護者或は主治医といった特定者の端末と、ネットワークを介して各端末と通信可能な見守り用サーバとで構成される。この見守りシステムでは、見守り用サーバで個々の被観察者の要介護度に対応する緊急発報条件を設定し、被観察者端末に接続した種々の観察機器による検知レベルが所定の緊急発報条件に達した際に緊急発報を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術の場合、被見守り者用の端末として、タブレット端末を使用せねばならず、設定や操作が煩わしいという問題があった。
【0005】
本発明は、被見守り者に煩わしい設定や操作を強いることなく、見守りを容易且つ確実に行える技術的手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の好適な態様である見守りシステムは、サーバと、見守り者が利用する安否確認受信機器と、被見守り者が利用する安否確認送信機器とを具備する安否確認システムであって、前記安否確認受信機器及び前記安否確認送信機器は、同一構成のデジタルクロックタイプのデバイスであり、前記サーバは、被見守り者のデバイスに固有の識別情報と、見守り者のデバイスに固有の識別情報とを対応付けて記憶したテーブルを有し、前記サーバは、前記デバイスから識別情報を受信し、受信した識別情報を基に前記テーブルを参照することにより、当該識別情報の発信元のデバイスが前記安否確認受信機器であるかそれとも前記安否確認送信機器であるかを判定することを特徴とする。
【0007】
この態様において、前記デバイスは、正面と、背面と、側面とに囲まれた筐体と、前記筐体に設けられた制御部、表示部、通信部、安否確認ボタン、スピーカ、温湿度センサ、及びモーションセンサとを有し、前記安否確認送信機器は、前記モーションセンサによって前記被見守り者の動きが検出された場合、または、前記安否確認ボタンが押下された場合に、前記被見守り者の動きがあったことを示す動き通知メッセージを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記安否確認送信機器から、前記動き通知メッセージを受信する度に、前記被見守り者の動きが無い時間を計時するタイマをリセットする処理を行い、前記タイマの計時時間が、第1時間長を超えると、前記安否確認受信機器に、第1注意喚起メッセージを送信し、前記安否確認受信機器は、前記第1注意喚起メッセージを受信すると、当該安否確認受信機器の前記表示部の表示色を、第1の色にしてもよい。
【0008】
また、前記サーバは、前記タイマの計時時間が、前記第1時間長よりも長い第2時間長を超えると、前記安否確認受信機器に、第2注意喚起メッセージを送信し、前記タイマの計時時間が、前記第2時間長よりも長い第3時間長を超えると、前記安否確認受信機器に、第3注意喚起メッセージを送信し、前記安否確認受信機器は、前記第2注意喚起メッセージを受信すると、当該安否確認受信機器の前記表示部の表示色を、前記第1の色と異なる第2の色にし、前記第3注意喚起メッセージを受信すると、当該安否確認受信機器の前記表示部の表示色を、前記第1の色及び前記第2の色と異なる第3の色にすると共に、前記スピーカから報知音を出力させてもよい。
【0009】
また、前記表示部は、各々が、被見守り者側の安否確認の操作と対応する複数のマークを表示し得る第1表示領域を有し、前記安否確認送信機器は、当該安否確認送信機器の前記安否確認ボタンが押下され、その押下時間が第4時間長以下である場合、被見守り者側の安否確認の操作がされたことを示す被見守り者側安否確認操作メッセージを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記被見守り者側安否確認操作メッセージを受信すると、前記安否確認受信機器に、被見守り者側の安否確認の操作があったことを知らせる被見守り者側安否確認操作通知メッセージを送信し、前記安否確認受信機器は、前記被見守り者側安否確認操作通知メッセージを受信すると、当該安否確認受信機器の前記第1表示領域に新たなマークを表示してもよい。
【0010】
また、前記表示部は、各々が、見守り者側の安否確認の操作と対応する複数のマークを表示し得る第2表示領域を有し、前記安否確認受信機器は、当該安否確認受信機器の前記安否確認ボタンが押下され、その押下時間が第4時間長以下である場合、見守り者側の安否確認の操作がされたことを示す見守り者側安否確認操作メッセージを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記見守り者側安否確認操作メッセージを受信すると、前記安否確認送信機器に、見守り者側の安否確認の操作があったことを知らせる見守り者側安否確認操作通知メッセージを送信し、前記安否確認送信機器は、前記見守り者側安否確認操作通知メッセージを受信すると、当該安否確認送信機器の前記第2表示領域に新たなマークを表示してもよい。
【0011】
また、前記安否確認送信機器は、当該安否確認送信機器の前記安否確認ボタンが押下され、その押下時間が第4時間長を超えた場合、被見守り者側の緊急操作がされたことを示す緊急操作メッセージを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記緊急操作メッセージを受信すると、前記安否確認送信機器及び前記安否確認受信機器に、被見守り者側の緊急操作があったことを知らせる被見守り者側緊急操作通知メッセージを送信し、前記安否確認送信機器は、前記被見守り者側緊急操作通知メッセージを受信すると、当該安否確認送信機器の前記表示部の表示色を、前記第3の色にすると共に、前記スピーカから報知音を出力させ、前記安否確認受信機器は、前記被見守り者側緊急操作通知メッセージを受信すると、当該安否確認受信機器の前記表示部の表示色を、前記第3の色にすると共に、前記スピーカから報知音を出力させてもよい。
【0012】
また、端末を有し、前記デバイスの前記筐体には、ペアリングボタンが設けられており、前記デバイスは、前記ペアリングボタンが押下されると、当該デバイスの識別情報を含む登録要求メッセージを前記サーバに送信し、前記サーバは、あるデバイスから前記登録要求メッセージを受信すると、その受信タイミングから第5時間長以内に、別のデバイスから前記登録要求メッセージを受信したか否かを判定し、第5時間長以内に、一台のデバイスから前記登録要求メッセージを受信した場合に、それらの複数のデバイスの識別情報を、前記安否確認受信機器及び前記安否確認送信機器の何れにもし得る属性未設定のデバイスの識別情報として、当該サーバのメモリに記憶してもよい。
【0013】
また、端末を有し、前記デバイスの前記筐体には、ペアリングボタンが設けられており、前記デバイスは、前記ペアリングボタンが押下されると、登録コードの発行を求める登録コード発行要求メッセージを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記登録コード発行要求メッセージを受信すると、登録コードを生成し、生成した登録コードを含む登録コード通知メッセージを、前記登録コード発行要求メッセージの発信元のデバイスに送信し、前記デバイスは、前記登録コード通知メッセージを受信すると、受信した登録コード通知メッセージ内の登録コードを前記表示部に表示させ、前記サーバは、前記端末から、前記登録コード通知メッセージ内のものと同じ登録コードを受信すると、その登録コードと対応するデバイスの識別情報を、前記安否確認受信機器及び前記安否確認送信機器の何れにもし得る属性未設定のデバイスの識別情報として、当該サーバのメモリに記憶してもよい。
【0014】
また、前記サーバは、前記端末から、複数のデバイスの識別情報の組と、組となる複数のデバイスの各々を前記安否確認受信機器及び前記安否確認送信機器の何れとするかを少なくとも示す属性情報を受信し、受信した属性情報をデバイスの識別情報と対応付けて前記テーブルに記憶してもよい。
【0015】
また、前記デバイスの前記筐体には、外出ボタンが設けられており、前記安否確認送信機器は、当該安否確認送信機器の前記外出ボタンを一度押す開始操作が行われてから前記外出ボタンを再度押す解除操作が行われるまでの間は、外出モードになり、当該外出モードの間に、前記モーションセンサによって動きが検出されると、その検出の時点から所定時間以内に前記解除操作が行われたか否かを判定し、前記所定時間以内に前記解除操作が行われない場合、前記スピーカから報知音を出力させてもよい。
【0016】
また、前記サーバは、所定時間の間に受信したメッセージを、所定の機械学習アルゴリズムに従って解析し、この解析により、前記被見守り者に異常があったことを判定するための学習モデルを生成し、前記学習モデルの生成以降は、前記安否確認受信機器からメッセージを受信する度に、前記学習モデルに基づいて、前記被見守り者に異常があったか否かを判定してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明である見守りシステムは、サーバと、見守り者が利用する安否確認受信機器と、被見守り者が利用する安否確認送信機器とを具備する安否確認システムであって、前記安否確認受信機器及び前記安否確認送信機器は、同一構成のデジタルクロックタイプのデバイスであり、前記サーバは、被見守り者のデバイスに固有の識別情報と、見守り者のデバイスに固有の識別情報とを対応付けて記憶したテーブルを有し、前記サーバは、前記デバイスから識別情報を受信し、受信した識別情報を基に前記テーブルを参照することにより、当該識別情報の発信元のデバイスが前記安否確認受信機器であるかそれとも前記安否確認送信機器であるかを判定する。よって、被見守り者に煩わしい設定や操作を強いることなく、見守りを容易且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態である安否確認システム9の構成図である。
【
図2】
図2の安否確認デバイスの正面及び裏面を示す図である。
【
図3】
図1の安否確認デバイスのハードウェア構成のブロック図である。
【
図4】
図1の安否確認システム9のペアリング処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図1のサーバ5に記憶された管理テーブルTBLを示す図である。
【
図6】
図1の安否確認システム9の属性設定処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図1の安否確認システム9の見守り処理を示すフローチャートである
【
図8】
図1の安否確認システム9の見守り処理を示すフローチャートである。
【
図9】
図1の安否確認システム9における安否確認送信カウンタマーク表示領域411の表示態様を示す図である。
【
図10】
図1の安否確認システム9における安否確認受信カウンタマーク表示領域412の表示態様を示す図である。
【
図11】
図1の安否確認システム9の見守り処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図1の安否確認システム9の見守り処理を示すフローチャートである。
【
図13】
図1の安否確認システム9の見守り処理を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の第2実施形態である安否確認システム9のペアリング処理を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の第3実施形態である安否確認システム9のペアリング処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態である安否確認システム9を説明する。この安否確認システム9は、老人等の被見守り者の安否を、遠隔に居る見守り者が確認するためのものである。
図1に示すように、安否確認システム9は、スマートフォン端末7と、安否確認デバイス4と、サーバ5とを有する。安否確認デバイス4は、被見守り者と見守り者が、それぞれ1台ずつ自宅において利用する。被見守り者と見守り者の安否確認デバイス4を組としてサーバ5に登録すると、被見守り者の安否確認デバイス4は、安否確認送信機器1として動作し、見守り者の安否確認デバイス4は、安否確認受信機器2として動作する。
【0020】
スマートフォン端末7には、SIM(Subscriber Identity Module)カードが装着されている。スマートフォン端末7は、移動体通信網8を介したパケット通信が可能である。
【0021】
安否確認デバイス4は、デジタルクロックタイプの通信機器である。
図2及び
図3に示すように、安否確認デバイス4は、正面、背面、上側面、下側面、左側面、及び右側面に囲まれた直方体状の筐体400に、制御部40、表示部41、ブルートウース通信モジュール42、移動体通信モジュール43、スピーカ44、モーションセンサ45、温湿度センサ46、安否確認ボタン47、外出ボタン48、及びペアリングボタン49を設けたものである。安否確認デバイス4には、通信モジュール70が装着されている。
【0022】
制御部40は、当該安否確認デバイス4の制御中枢としての役割を果たすものである。表示部41は、液晶ディスプレイである。表示部41は、時刻表示領域408、温湿度表示領域409、安否確認送信カウンタマーク表示領域411、安否確認受信カウンタマーク表示領域412を有する。
【0023】
ブルートウース通信モジュール42は、Bluetooth(登録商標)に従ったデータ通信を行う。移動体通信モジュール43は、移動体通信網8を介したデータ通信を行う。
【0024】
モーションセンサ45のセンシング領域は、筐体400の正面を向いている。スピーカ44の音放部は、筐体400の正面にある。安否確認ボタン47は、筐体400の上側面に露出している。外出ボタン48とペアリングボタン49は、筐体400の裏面に露出している。
【0025】
サーバ5は、CPU、RAM、ROMを含む制御部、ハードディスク、通信インターフェースなどを有する。サーバ5のハードディスクには、被見守り者と見守り者の各組毎の管理テーブルTBLが設けられている。ここで、被見守り者と見守り者の組には、見守り者が1人で被見守り者が1人のもの、見守り者が1人で被見守り者が複数人のもの、見守り者が複数人で被見守り者が1人のもの、見守り者が複数人で被見守り者が複数人のものがある。
【0026】
次に、本実施形態の処理を説明する。本実施形態の処理には、ペアリング処理、機器属性設定処理、及び見守り処理がある。
【0027】
図4は、ペアリング処理を示すフローチャートである。ペアリング処理は、被見守り者の安否確認デバイス4を、安否確認受信機器1及び安否確認送信機器2の何れにもし得る属性未設定の機器として登録するための処理である。
【0028】
安否確認デバイス4の登録を行う者は、10秒(第5時間長)以内に、組として登録する複数の安否確認デバイス4のペアリングボタン49を押下する操作を行う。複数の安否確認デバイス4の各々の制御部40は、安否確認デバイス4のペアリングボタン49が押下されると(S110:Yes、S210:Yes)、登録要求メッセージをサーバ5に送信する(S111、S211)。この登録要求メッセージは、当該安否確認デバイス4の識別情報を含む。安否確認デバイス4の識別情報は、当該安否確認デバイス4に固有の識別情報であればよく、MACアドレスとしてもよいし、製品型番などの情報としてもよい。
【0029】
サーバ5の制御部は、安否確認デバイス4から登録要求メッセージを受信すると、ペアリング待機状態になり(S511)、登録要求メッセージの受信タイミングから30秒(第5時間長)以内に、別の安否確認デバイス4から登録要求メッセージを受信したか否かを判定する。サーバ5の制御部は、最初の安否確認デバイス4からの登録要求メッセージの受信タイミングから30秒(第5時間長)内に、別の一の安否確認デバイス4から登録要求メッセージを受信した場合、それら複数の安否確認デバイス4を一組の登録対象とし、この組と対応する管理テーブルTBLを生成してハードディスクに記憶する(S512)。
【0030】
図5に示すように、管理テーブルTBLは、組をなす複数の安否確認デバイス4の識別情報と、各安否確認デバイス4が安否確認送信機器1であるかそれとも安否確認受信機器2であるかを示す属性情報とを対応付けたものである。ここで、本実施形態では、管理テーブルTBLの作成直後は、相互見守りモードで登録される。相互見守りモードは、組として登録される複数の安否確認デバイス4のそれぞれを、安否確認送信機器1及び安否確認受信機器2の両方として、利用できるモードである。従って、監視テーブルの生成の当初は、組とされる登録される登録確認デバイスは、属性未設定のデバイスとされ、登録確認デバイスの各々の識別情報と対応づけられる属性情報は、安否確認送信機器1及び安否確認受信機器2の両方を示すものとなる。
【0031】
図6は、属性設定処理を示すフローチャートである。属性設定処理は、ペアリング処理において組として登録した複数の安否確認デバイス4の属性情報を設定するための処理である。
【0032】
属性情報の設定を行う者は、組として登録した複数の安否確認デバイス4と、スマートフォン端末7とを、ブルートウースにより接続し、複数の安否確認デバイス4の各々の識別情報をスマートフォン端末7に送信させ、スマートフォン端末7のメモリにそれらの識別情報を記憶させる。その後、スマートフォン端末7の属性設定用アプリを起動し、属性設定の開始を指示する操作を行う。属性設定の開始を指示する操作が行われると(S715:Yes)、スマートフォン端末7は、メモリ内の各安否確認デバイス4の識別情報を含む設定画面要求メッセージをサーバ5に送信する(S716)。
【0033】
サーバ5の制御部は、設定画面要求メッセージを受信すると、当該サーバ5のハードディスク内の作成済みの管理テーブルTBLの中から、属性画面要求メッセージ内のものと同じ識別情報を含む管理テーブルTBLを検索し、該当のテーブルがある場合は、当該識別情報を含む属性設定画面のHTML(Hyper Text Markup Language)データを生成し、このHTMLデータをスマートフォン端末7に送信する(S517)。
【0034】
スマートフォン端末7は、属性設定画面のHTMLデータを受信すると、属性設定画面をディスプレイに表示させる(S717)。属性設定画面は、組として登録されている複数の安否確認デバイス4の識別情報の各々について、安否確認送信機器1及び安否確認受信機器2の何れか一方を選ぶ選択項目を配置した画面である。属性情報の設定を行う者は、属性設定画面において、各安否確認デバイス4を、安否確認送信機器1とするかそれとも安否確認受信機器2とするかを選択する操作を行う。この操作が行われると、スマートフォン端末7は、安否確認デバイス4の識別情報と、選択された方の機器に応じた属性情報とを含む属性設定要求メッセージをサーバ5に送信する(S718)。
【0035】
サーバ5の制御部は、属性設定要求メッセージを受信すると、属性設定要求メッセージ内の識別情報と属性情報の各対に応じて、該当の管理テーブルTBLの内容を書き換える(S519)。
【0036】
図7、
図8、
図11、
図12、
図13、
図14、及び
図15は、見守り処理を示すフローチャートである。見守り処理において、安否確認送信機器1として登録された安否確認デバイス4は、被見守り者の自宅において、モーションセンサ45による動きの検出、温湿度センサ46による温湿度の検出、時刻表示領域408の時刻表示、温湿度表示領域409の温湿度表示などの処理を行う。安否確認受信機器2として登録された安否確認デバイス4は、見守り者の自宅において、モーションセンサ45による動きの検出、温湿度センサ46による温湿度の検出、時刻表示領域408の時刻表示、温湿度表示領域409の温湿度表示などの処理を行う。
【0037】
被見守り者は、自身がいつもと変わらない状態にあることを見守り者に知らせたいときに、安否確認送信機器1の安否確認ボタン47を短く押す操作(以下、適宜「通常操作」という)を行う。緊急の事態が発生したことを見守り者に知らせたいときは、安否確認送信機器1の安否確認ボタン47を長く押す操作(以下、適宜「緊急操作」という)を行う。また、被見守り者は、外出するときに、外出ボタン48を押す操作(以下、適宜「外出開始操作」という)を行い、外出から帰宅したときに、外出ボタン48を再度押す操作(以下、適宜「解除操作」という)を行う。
【0038】
図7のステップS120において、安否確認送信機器1は、モーションセンサ45により動きが検出されたか否かを判定する。動きが検出された場合(S120:Yes)、被見守り者の動きがあったことを示す動き通知メッセージをサーバ5に送信する(S121)。この動き通知メッセージは、当該安否確認送信機器1の識別情報を含む。
【0039】
図8のステップS130において、安否確認送信機器1は、安否確認ボタン47が押下されたか否かを判断する。安否確認ボタン47が押下された場合(S130:Yes)、ステップS131に進む。
【0040】
ステップS131において、安否確認送信機器1は、安否確認ボタン47が押されてから離されるまでの押下継続時間を計り、安否確認ボタン47の押下継続時間が3秒(第4時間長)以下であるか否かを判定する。安否確認ボタン47の押下継続時間が3秒以下である場合(S131:No)、ステップS132に進む。安否確認ボタン47の押下継続時間が3秒以上である場合(S131:Yes)、
図12のステップS180に進む。
【0041】
図8のステップS132において、安否確認送信機器1は、安否確認ボタン47の通常操作が行われたことを示す通常操作メッセージをサーバ5に送信する。この通常操作メッセージは、当該安否確認送信機器1の識別情報を含む。
【0042】
図12のステップS180において、安否確認送信機器1は、安否確認ボタン47の緊急操作が行われたことを示す緊急操作メッセージをサーバ5に送信する。この緊急操作メッセージは、当該安否確認送信機器1の識別情報を含む。
【0043】
図13のステップS190において、安否確認送信機器1は、外出ボタン48が押下されたか否かを判定する。外出ボタン48が押下された場合(S190:Yes)、安否確認送信機器1は、外出ボタン48が押されたことを示す外出ボタン操作メッセージをサーバ5に送信する(S191)。外出ボタン操作メッセージは、当該安否確認送信機器1の識別情報を含む。
【0044】
ここで、サーバ5の制御部は、安否確認送信機器1毎の個別のタイマを有しており、当該サーバ5のクロック回路から供給されるクロック信号を基に、タイマをインクリメントする処理を行っている。タイマは、被見守り者の動きのない時間を計時するためのものである。
【0045】
図7において、サーバ5の制御部は、安否確認送信機器1から動き通知メッセージを受信した場合(S520:Yes)、ステップS521に進み、動き通知メッセージを受信していない場合(S520:No)、
図9のステップS550に進む。
【0046】
図7のステップS521において、サーバ5の制御部は、当該安否確認送信機器1と対応するタイマをリセットする。その後、ステップS522に進んで、被見守り者に異常がないことを示す異常なし通知メッセージを、動き通知メッセージの送信元の安否確認送信機器1と組になっている安否確認受信機器2、及びスマートフォン端末7に送信する。ここで、動き通知メッセージの送信元の安否確認送信機器1と組になっている安否確認受信機器2の特定は、動き通知メッセージ内の識別情報を基に、該当の管理テーブルTBLを参照することによって行う。また、該当の管理テーブルTBLに、スマートフォン端末7のアドレスを予め記憶しておき、管理テーブルTBLを参照することにより、異常なし通知メッセージの送信先のスマートフォン端末7を特定するとよい。
【0047】
安否確認受信機器2は、異常なし通知メッセージを受信すると、表示部41の背景色をデフォルト色である白色にする(S222)。ここで、メッセージの受信前から表示部41の表示色が白色であった場合は、その表示を継続する。
【0048】
スマートフォン端末7は、異常なし通知メッセージを受信すると、そのことをプッシュ通知として表示する(S722)。
【0049】
図8において、サーバ5の制御部は、安否確認送信機器1から通常操作メッセージを受信した場合(S533:Yes)、ステップS534に進み、通常操作メッセージを受信していない場合(S533:No)、
図11のステップS550に進む。ステップS534において、サーバ5の制御部は、当該安否確認送信機器1と対応するタイマをリセットする。その後、ステップS535に進んで、異常なし通知メッセージを、通常操作メッセージの送信元の安否確認送信機器1と組になっている安否確認受信機器2、及びスマートフォン端末7に送信する。ここで、通常操作メッセージの送信元の安否確認送信機器1と組になっている安否確認受信機器2の特定は、通常操作メッセージ内の識別情報を基に、該当の管理テーブルTBLを参照することによって行う。
【0050】
その後、ステップS536に進んで、サーバ5の制御部は、被見守り者側の通常操作がされたことを示す被見守り者側通常操作通知メッセージを、通常操作メッセージの送信元の安否確認送信機器1、その安否確認送信機器1と組になっている安否確認受信機器2、及びスマートフォン端末7に送信する。
【0051】
安否確認受信機器2は、異常なし通知メッセージを受信すると、表示部41の背景色をデフォルト色である白色にする(S235)。ここで、メッセージの受信前から表示部41の表示色が白色であった場合は、その表示を継続する。
【0052】
スマートフォン端末7は、異常なし通知メッセージを受信すると、そのことをプッシュ通知として表示する(S735)。
【0053】
安否確認送信機器1は、被見守り者側通常操作メッセージを受信すると、安否確認送信カウンタマーク表示領域411に新たなマークを表示する(S136)。
【0054】
安否確認受信機器2は、被見守り者側通常操作メッセージを受信すると、安否確認送信カウンタマーク表示領域411に新たなマークを表示する(S236)。
【0055】
ここで、上述したように、被見守り者と見守り者の組には、見守り者が1人で被見守り者が1人のもの、見守り者が1人で被見守り者が複数人のもの、見守り者が複数人で被見守り者が1人のもの、見守り者が複数人で被見守り者が複数人のものがある。
【0056】
見守り者が1人で被見守り者が複数である場合、上記のステップS236では、
図9に示すように、複数の被見守り者(
図9の例では3人)のうちの第1の被見守り者の識別情報(
図9の例ではA1)→別の1人の被見守り者の識別情報(
図9の例ではF2)→第2の被見守り者の識別情報(
図9の例ではH4)→第3の被見守り者の識別情報というように、複数の被見守り者の識別情報を温湿度表示領域409の湿度の7セグによって循環的に表示させ、各被見守り者の識別情報の表示に合わせて、各被見守り者のマークの表示数を切り替える。
【0057】
図8において、スマートフォン端末7は、被見守り者側通常操作メッセージを受信すると、そのことをプッシュ通知として表示する(S736)。
【0058】
見守り者は、安否確認受信機器2の安否確認送信カウンタマーク表示領域411に新たなマークが現れると、これに呼応する操作として、安否確認ボタン47を短く押す操作を行う。
【0059】
安否確認受信機器2は、安否確認ボタン47が押下された場合(S237:Yes)、ステップS238に進み、通常操作メッセージをサーバ5に送信する。この通常操作メッセージは、当該安否確認受信機器2の識別情報を含む。
【0060】
サーバ5の制御部は、通常操作メッセージを受信すると、見守り者側の通常操作がされたことを示す見守り者側通常操作通知メッセージを、通常操作メッセージの送信元の安否確認受信機器2、その安否確認受信機器2と組になっている安否確認送信機器1、及びスマートフォン端末7に送信する。その後、ステップ940に進む。ここで、通常操作メッセージの送信元の安否確認受信機器2と組になっている安否確認送信機器1の特定は、通常操作メッセージ内の識別情報を基に、該当の管理テーブルTBLを参照することによって行う。
【0061】
安否確認受信機器2は、見守り者側通常操作メッセージを受信すると、安否確認受信カウンタマーク表示領域412に新たなマークを表示する(S239)。
【0062】
安否確認送信機器1は、見守り者側通常操作メッセージを受信すると、安否確認受信カウンタマーク表示領域412に新たなマークを表示する(S139)。
【0063】
ここで、見守り者が複数で被見守り者が1人である場合、上記のステップS139では、
図10に示すように、複数の見守り者(
図9の例では3人)のうちの第1の見守り者の識別情報(
図10の例ではL5)→第2の見守り者の識別情報(
図10の例ではG8)→第3の見守り者の識別情報(
図10の例ではP9)→第1の見守り者の識別情報というように、複数の見守り者の識別情報を温湿度表示領域409の温度の7セグによって循環的に表示させ、各見守り者の識別情報の表示に合わせて、各見守り者のマークの表示数を切り替える。
【0064】
図8において、スマートフォン端末7は、見守り者側通常操作メッセージを受信すると、そのことをプッシュ通知として表示する(S739)。
【0065】
図11のステップS550において、サーバ5の制御部は、タイマの計時時間が1時間(第1時間長)を超えたかを判定する。タイマの計時時間が1時間を超えた場合(S550:Yes)、ステップS551に進む。タイマの計時時間が1時間を超えていない場合(S550:No)、ステップS560に進む。
【0066】
ステップS551において、サーバ5の制御部は、当該タイマと対応する安否確認送信機器1と組になっている安否確認受信機器2、及びスマートフォン端末7に、第1段階の注意喚起を促す第1注意喚起メッセージを送信する。
【0067】
安否確認受信機器2は、第1注意喚起メッセージを受信すると、表示部41の背景色を黄色にする(S251)。
【0068】
スマートフォン端末7は、第1注意喚起メッセージを受信すると、第1段階の注意喚起をプッシュ通知として表示する(S751)。
【0069】
ステップS560において、サーバ5の制御部は、タイマの計時時間が8時間(第2時間長)を超えたかを判定する。タイマの計時時間が8時間を超えた場合(S560:Yes)、ステップS561に進む。タイマの計時時間が8時間を超えていない場合(S560:No)、ステップS570に進む。
【0070】
ステップS561において、サーバ5の制御部は、当該タイマと対応する安否確認送信機器1と組になっている安否確認受信機器2、安否確認受信機器2、及びスマートフォン端末7に、第2段階の注意喚起を促す第2注意喚起メッセージを送信する。
【0071】
安否確認受信機器2は、第2注意喚起メッセージを受信すると、表示部41の背景色を赤色にする(S261)。
【0072】
スマートフォン端末7は、第2注意喚起メッセージを受信すると、第2段階の注意喚起をプッシュ通知として表示する(S761)。
【0073】
ステップS570において、サーバ5の制御部は、タイマの計時時間が10時間(第3時間長)を超えたかを判定する。タイマの計時時間が10時間を超えた場合(S570:Yes)、ステップS640に進む。タイマの計時時間が10時間を超えていない場合(S570:No)、メッセージ受信待ち状態となり、新たなメッセージの受信を待つ。
【0074】
ステップS571において、サーバ5の制御部は、当該タイマと対応する安否確認送信機器1、その安否確認送信機器1と組になっている安否確認受信機器2、及びスマートフォン端末7に、第3段階の注意喚起を促す第3注意喚起メッセージを送信する。また、これと併せて、タイマをリセットする。
【0075】
安否確認受信機器2は、第3注意喚起メッセージを受信すると、表示部41の背景色を赤色にすると共に、スピーカ44から報知音を出力する(S271)。
【0076】
安否確認受送信器は、第3注意喚起メッセージを受信すると、表示部41の背景色を赤色にすると共に、スピーカ44から報知音を出力する(S171)。
【0077】
スマートフォン端末7は、第3注意喚起メッセージを受信すると、第3段階の注意喚起をプッシュ通知として表示し、報知音を出力する(S771)。
【0078】
図12において、サーバ5の制御部は、緊急操作メッセージを受信した場合(S581:Yes)、ステップS582に進んで、被見守り者側の緊急操作がされたことを示す被見守り者側緊急操作通知メッセージを、緊急操作メッセージの送信元の安否確認送信機器1、その安否確認送信機器1と組になっている安否確認受信機器2、及びスマートフォン端末7に送信する。ここで、緊急操作メッセージの送信元の安否確認受信機器2と組になっている安否確認受信機器2の特定は、通常操作メッセージ内の識別情報を基に、該当の管理テーブルTBLを参照することによって行う。
【0079】
安否確認送信機器1は、被見守り者側緊急操作通知メッセージを受信すると、表示部41の背景色を赤色にすると共に、スピーカ44から報知音を出力する(S182)。
【0080】
安否確認受信機器2は、被見守り者側緊急操作通知メッセージを受信すると、表示部41の背景色を赤色にすると共に、スピーカ44から報知音を出力する(S282)。
【0081】
スマートフォン端末7は、被見守り者側緊急操作通知メッセージを受信すると、緊急操作が行われたことをプッシュ通知として表示し、報知音を出力する(S782)。
【0082】
図13において、サーバ5の制御部は、外出ボタン操作メッセージを受信した場合(S591:Yes)、外出ボタン操作メッセージの送信元の安否確認送信機器1について、既に外出モードになっているか否かを判定する(S591)。サーバ5の制御部は、外出モードになっていない場合(S591:No)、安否確認送信機器1において外出開始操作が行われたと判定し、外出モードに設定する(S592)。また、外出モードになっている場合(S591:Yes)、安否確認送信機器1において解除操作が行われたと判定し、外出モードの設定を解除する(S593)。
【0083】
サーバ5の制御部は、外出モードの間は、安否確認送信機器1のモーションセンサ45によって動きが検出されると、その検出の時点から所定時間以内に解除操作が行われたか否かを判定し、所定時間以内に解除操作が行われない場合、安否確認送信機器1のスピーカ44から報知音を出力させる。
【0084】
以上が、本実施形態の詳細である。本実施形態では、サーバ5と、見守り者が利用する安否確認受信機器2と、被見守り者が利用する安否確認送信機器1とを具備し、安否確認受信機器2及び安否確認送信機器1は、同一構成のデジタルクロックタイプのデバイス4であり、サーバ5の制御部は、被見守り者のデバイスに固有の識別情報と、見守り者のデバイス4に固有の識別情報とを対応付けて記憶した管理テーブルTBLを有し、サーバ5の制御部は、デバイス4から識別情報を受信し、受信した識別情報を基に管理テーブルTBLを参照することにより、当該識別情報の発信元のデバイス4が安否確認受信機器2であるかそれとも安否確認送信機器1であるかを判定する。よって、被見守り者に煩わしい設定や操作を強いることなく、見守りを容易且つ確実に行うことができる。
【0085】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、ペアリング処理の手順が、上記第1実施形態と異なる。
図14は、本実施形態のペアリング処理を示すフローチャートである。
【0086】
本実施形態では、安否確認デバイス4の登録を行う者は、組として登録する複数の安否確認デバイス4の一方の安否確認デバイス4のペアリングボタン49を押下する操作を行う。安否確認デバイス4の制御部40は、当該安否確認デバイス4のペアリングボタン49が押下されると(S110A:Yes)、登録コードの発行を求める登録コード発行要求メッセージをサーバ5に送信する(S111A)。
【0087】
サーバ5の制御部は、安否確認デバイス4から登録コード発行要求メッセージを受信すると、登録コードを発行し、発行した登録コードを含む発行メッセージを、安否確認デバイス4に返信する(S511A)。
【0088】
安否確認デバイス4は、発行メッセージを受信すると、表示部41に登録コードを表示させる(S112A)。
【0089】
安否確認デバイス4の登録を行う者は、別の安否確認デバイス4のペアリングボタン49を押下する操作を行う。これにより、当該別の安否確認デバイス4について、登録コード発行要求メッセージの送信(S211A)、登録コードの返信(S511A)、登録コードの表示(S512A)が行われる。
【0090】
次に、安否確認デバイス4の登録を行う者は、スマートフォン端末7の属性設定用アプリを起動し、機器登録の開始を指示する操作を行う。機器登録の開始を指示する操作が行われると(S710:Yes)、スマートフォン端末7は、登録コード入力画面をディスプレイに表示させる(S711A)。登録コード入力画面は、複数のコード入力欄を配置した画面である。安否確認デバイス4の登録を行う者は、各安否確認デバイス4に表示された登録コードを、コード入力欄に入力する操作を行う。この操作が行われると、スマートフォン端末7は、コード入力欄に入力された登録コードを含む登録要求メッセージをサーバ5に送信する(S512A)。
【0091】
サーバ5の制御部は、登録要求メッセージを受信すると、登録要求メッセージ内の複数の登録コードと対応する安否確認デバイス4を、属性未設定機器として登録し、それらの安否確認デバイス4の識別情報を含む管理テーブルTBLを生成してハードディスクに記憶する(S513A)。
【0092】
本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0093】
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、この実施形態に以下の変形を加えてもよい。
【0094】
(1)上記第1及び第2実施形態において、サーバ5の制御部は、所定時間の間に安否確認送信機器1から受信したメッセージを、所定の機械学習アルゴリズムに従って解析し、この解析により、被見守り者に異常があったことを判定するための学習モデルを生成し、学習モデルの生成以降は、安否確認受信機器からメッセージを受信する度に、学習モデルに基づいて、被見守り者に異常があったか否かを判定してもよい。
【0095】
(2)上記第1及び第2実施形態のペアリング処理において、登録要求メッセージを送信してきた複数の安否確認デバイス4を組として登録するかの基準となる第5時間長は、30秒より長くてもよいし、短くてもよい。また、見守り処理において、通常操作が行われたかそれとも緊急操作が行われたかの基準となる第4時間長は、3秒より長くてもよいし、短くてもよい。また、第1段階の注意喚起の要否の基準となる第1時間長は、1時間より長くてもよいし、短くてもよい。また、第2段階の注意喚起の要否の基準となる第2時間長は、8時間より長くてもよいし、短くてもよい。また、第3段階の注意喚起の要否の基準となる第2時間長は、10時間より長くてもよいし、短くてもよい。
【0096】
(3)上記第1及び第2実施形態において、スマートフォン端末7を、タブレット端末やパーソナルコンピュータなどの他の種類の端末に置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 安否確認送信機器
2 安否確認受信機器
4 安否確認デバイス
5 サーバ
7 スマートフォン端末
8 移動体通信網
9 安否確認システム
40 制御部
41 表示部
42 ブルートウース通信モジュール
43 移動体通信モジュール
44 スピーカ
45 モーションセンサ
46 温湿度センサ
47 安否確認ボタン
48 外出ボタン
49 ペアリングボタン
70 通信モジュール
400 筐体
408 時刻表示領域
409 温湿度表示領域
411 安否確認送信カウンタマーク表示領域
412 安否確認受信カウンタマーク表示領域