(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038100
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】コンピュータ実装方法及びコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/62 20130101AFI20230309BHJP
G06F 21/10 20130101ALI20230309BHJP
【FI】
G06F21/62 318
G06F21/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145021
(22)【出願日】2021-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】518003096
【氏名又は名称】Bacoor dApps株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】320003367
【氏名又は名称】株式会社AI商事
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】春名 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】竹内 仁
(57)【要約】
【課題】FT化されたコンテンツデータの唯一性をより高める。
【解決手段】開示の方法は、ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためにコンピュータが実行するコンピュータ実装方法であって、前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンテンツデータは、編集権限者による編集が可能であって、非編集権限者による編集が不可であり、前記コンピュータ実装方法は、前記編集権限者であるユーザによる編集内容を示す編集データを受け付け、前記ノンファンジブルトークンに対応付けられた前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新する、ことを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためにコンピュータが実行するコンピュータ実装方法であって、
前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンテンツデータは、編集権限者による編集が可能であって、非編集権限者による編集が不可であり、
前記コンピュータ実装方法は、
前記編集権限者であるユーザによる編集内容を示す編集データを受け付け、
前記ノンファンジブルトークンに対応付けられた前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新する、
ことを備える、
コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記ユーザが前記編集権限者であるかどうかを判定することを更に備える
請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記編集権限者は、前記ノンファンジブルトークンの所有者として前記ブロックチェーンに記録された者を含む
請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記編集権限者は、前記ノンファンジブルトークンの所有者として前記ブロックチェーンに記録された者によって指定された者を含む
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記編集権限者は、前記編集権限者として予め設定された者を含む
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記編集権限者は、前記ブロックチェーンに記録されている
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
編集された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータの印刷のための処理を実行する外部コンピュータへ送信することを更に備える
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためにコンピュータが実行するコンピュータ実装方法であって、
前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、
前記コンピュータ実装方法は、
ユーザによる編集内容を示す編集データと、編集対象である前記コンテンツデータを識別するための識別子とを受信し、
前記識別子によって識別される前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新する、
ことを備える、
コンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記識別子は、編集対象である前記コンテンツデータに対応付けられたノンファンジブルトークンを識別するためのデータを含む
請求項8に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためにコンピュータが実行するコンピュータ実装方法であって、
前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンテンツデータは、編集不可モードにおいては編集が不可であるが編集モードに切り替わると編集可能になり、
前記コンピュータ実装方法は、
前記コンテンツデータを前記編集不可モードから前記編集モードへ切り替え、
前記編集モードにおいて、編集内容を示す編集データを受け付け、
前記ノンファンジブルトークンに対応付けられた前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新し、
前記コンテンツデータの更新後に、前記コンテンツデータを前記編集モードから前記編集不可モードに切り替える、
ことを備える、
コンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記編集不可モードから前記編集モードへ切り替えることは、切り替えのためのユーザ操作がされた場合に実行される
請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
編集された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータの印刷のための処理を実行する外部コンピュータへ送信することを更に備える
請求項8又は請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためのコンピュータシステムであって、
前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンテンツデータは、編集権限者による編集が可能であって、非編集権限者による編集が不可であり、
前記コンピュータシステムは、
前記編集権限者であるユーザによる編集内容を示す編集データを受け付け、
前記ノンファンジブルトークンに対応付けられた前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新する、
ことを実行するよう構成されている、
コンピュータシステム。
【請求項14】
ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためのコンピュータシステムであって、
前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンテンツデータは、編集不可モードにおいては編集が不可であるが編集モードに切り替わると編集可能になり、
前記コンピュータシステムは、
前記コンテンツデータを前記編集不可モードから前記編集モードへ切り替え、
前記編集モードにおいて、編集内容を示す編集データを受け付け、
前記ノンファンジブルトークンに対応付けられた前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新し、
前記コンテンツデータの更新後に、前記コンテンツデータを前記編集モードから前記編集不可モードに切り替える、
ことを実行するよう構成されている、
コンピュータシステム。
【請求項15】
ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためのコンピュータシステムであって、
前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、
前記コンピュータシステムは、
ユーザによる編集内容を示す編集データと、編集対象である前記コンテンツデータを識別するための識別子とを受信し、
前記識別子によって識別される前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新する、
ことを実行するよう構成されている
コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ノンファンジブルトークンのためのコンピュータ実装方法及びコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Toke
n:NFT)は、ブロックチェーンに記録されるトークンの一種である。NFTは、例えば、デジタルアートなどのコンテンツデータの所有権を証明するために利用される。NFTは、例えば、Ethereum Request for Comments(ERC)721規格に従って発行される。特許文献1は、Ethereum(イーサリアム)を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
NFT化されたコンテンツデータの唯一性が高いと、価値が増大しやすい。例えば、著名人の画像データがNFT化されている場合、その著名人のサインが画像データに付与されていると、画像データ単体に比べて、ユニーク性が高まり、価値が高くなる。また、特定のユーザ宛のサインが画像データに付与されていると、そのユーザにとっての価値はさらに高くなる。
【0005】
したがって、NFT化されたコンテンツデータの唯一性をより高めるための技術が望まれる。
【0006】
上記の課題は、NFT化されたコンテンツデータの編集データを受け付け、前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新することによって解決される。
【0007】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係るコンピュータシステムの構成図である。
【
図2】
図2は、NFT化されたコンテンツデータの表示方法の概略図である。
【
図3】
図3は、NFT管理処理のフローチャートである。
【
図7】
図7は、NFT管理処理のフローチャートである。
【
図9】
図9は、NFT管理処理のフローチャートである。
【
図11】
図11は、コンテンツプリントシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.コンピュータ実装方法及びコンピュータシステムの概要>
【0010】
(1)実施形態に係るコンピュータ実装方法は、ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためにコンピュータが実行する方法であって、前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンテンツデータは、編集権限者による編集が可能であって、非編集権限者による編集が不可であり、前記コンピュータ実装方法は、前記編集権限者であるユーザによる編集内容を示す編集データを受け付け、前記ノンファンジブルトークンに対応付けられた前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新する、ことを備える、コンピュータ実装方法である。
【0011】
(2)前記コンピュータ実装方法は、前記ユーザが前記編集権限者であるかどうかを判定することを更に備えるのが好ましい。
【0012】
(3)前記編集権限者は、前記ノンファンジブルトークンの所有者として前記ブロックチェーンに記録された者を含むのが好ましい。
【0013】
(4)前記編集権限者は、前記ノンファンジブルトークンの所有者として前記ブロックチェーンに記録された者によって指定された者を含むのが好ましい。
【0014】
(5)前記編集権限者は、前記編集権限者として予め設定された者を含むのが好ましい。
【0015】
(6)前記編集権限者は、前記ブロックチェーンに記録されているのが好ましい。
【0016】
(7)前記コンピュータ実装方法は、編集された前記コンテンツデータを、前記コンテンツデータの印刷のための処理を実行する外部コンピュータへ送信することを更に備えるのが好ましい。
【0017】
(8)実施形態に係るコンピュータ実装方法は、ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためにコンピュータが実行する方法であって、前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンピュータ実装方法は、ユーザによる編集内容を示す編集データと、編集対象である前記コンテンツデータを識別するための識別子とを受信し、前記識別子によって識別される前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新することを備え得る。
【0018】
(9)前記識別子は、編集対象である前記コンテンツデータに対応付けられたノンファンジブルトークンを識別するためのデータを含むのが好ましい。
【0019】
(10)実施形態に係るコンピュータ実装方法は、ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためにコンピュータが実行する方法であって、前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンテンツデータは、編集不可モードにおいては編集が不可であるが編集モードに切り替わると編集可能になり、前記コンピュータ実装方法は、前記コンテンツデータを前記編集不可モードから前記編集モードへ切り替え、前記編集モードにおいて、編集内容を示す編集データを受け付け、前記ノンファンジブルトークンに対応付けられた前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新し、前記コンテンツデータの更新後に、前記コンテンツデータを前記編集モードから前記編集不可モードに切り替える、ことを備える、コンピュータ実装方法である。
【0020】
(11)前記編集不可モードから前記編集モードへ切り替えることは、切り替えのためのユーザ操作がされた場合に実行されるのが好ましい。
【0021】
(12)前記コンピュータ実装方法は、編集された前記コンテンツデータを、前記編集可能データの印刷のための処理を実行する外部コンピュータへ送信することを更に備えるのが好ましい。
【0022】
(13)実施形態に係るコンピュータシステムは、ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためのコンピュータシステムであって、前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンテンツデータは、編集権限者による編集が可能であって、非編集権限者による編集が不可であり、前記コンピュータシステムは、前記編集権限者であるユーザによる編集内容を示す編集データを受け付け、前記ノンファンジブルトークンに対応付けられた前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新する、ことを実行するよう構成されている、コンピュータシステムである。
【0023】
(14)実施形態に係るコンピュータシステムは、ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためのコンピュータシステムであって、前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンテンツデータは、編集不可モードにおいては編集が不可であるが編集モードに切り替わると編集可能になり、前記コンピュータシステムは、前記コンテンツデータを前記編集不可モードから前記編集モードへ切り替え、前記編集モードにおいて、編集内容を示す編集データを受け付け、前記ノンファンジブルトークンに対応付けられた前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新し、前記コンテンツデータの更新後に、前記コンテンツデータを前記編集モードから前記編集不可モードに切り替える、ことを実行するよう構成されている、コンピュータシステムである。
【0024】
(15)実施形態に係るコンピュータシステムは、ブロックチェーンに記録されたノンファンジブルトークンのためのコンピュータシステムであって、前記ノンファンジブルトークンは、コンテンツデータが対応付けられており、前記コンピュータシステムは、ユーザによる編集内容を示す編集データと、編集対象である前記コンテンツデータを識別するための識別子とを受信し、前記識別子によって識別される前記コンテンツデータを、前記編集データに応じて、更新する、ことを実行するよう構成されているコンピュータシステムである。
【0025】
<2.NFTのためのコンピュータ実装方法及びコンピュータシステムの例>
【0026】
図1は、実施形態に係るコンピュータシステム10(以下、「システム10」という)の一例を示している。システム10は、NFT化されたコンテンツデータ13A、13B等の管理を行う。システム10は、NFT化された第1コンテンツデータ13Aの編集のための処理を実行する。従来、NFT化されたコンテンツデータは、NFT化された後に、編集されることは想定されていなかった。これに対して、実施形態に係るシステム10では、NFT化された後においても、第1コンテンツデータ13Aは、編集可能である。NFT化された第1コンテンツデータ13Aが編集されることで、NFT化された後においても、第1コンテンツデータ13Aの唯一性を高めることができ、価値の増大が期待される。
【0027】
実施形態においては、NFT化された第2コンテンツデータ13Bも存在する。第2コンテンツデータ13Bは、NFT化された後においては、編集不可であり、編集可能になることはない。実施形態のシステム10においては、編集可能な第1コンテンツデータ13Aと編集不可である第2コンテンツデータ13Bとが存在し得る。
【0028】
NFT化されたコンテンツデータ13A,13Bとは、NFT101,102に対応付けられたコンテンツデータ13A、13Bをいう。NFT101,102に対応付けられたコンテンツデータ13A,13Bとは、ブロックチェーン11外のコンピュータ13において、NFT101、102に関連付けて保存されたコンテンツデータ13A,13Bであってもよいし、NFT101,102を構成するデータの一部としてブロックチェーン11に記録されたデータであってもよい。つまり、NFT101、102とコンテンツデータ13A,13Bとの対応付けは、ブロックチェーン11外で行われてもよいし、ブロックチェーン11内で行われてもよい。
【0029】
コンテンツデータ13A,13Bが対応付けられたNFT101,102は、ブロックチェーン11において記録される。NFT101,102は、ブロックチェーン11において、売買・交換などの取引が可能であり、取引記録は、ブロックチェーン11に記録される。ブロックチェーン11には、NFT101,102の所有者が記録される。NFT101,102の所有者であることは、ブロックチェーン11の記録によって証明可能である。NFT101,102の所有者であることの証明は、コンテンツデータ13A,13Bの所有者であることの証明になる。
【0030】
なお、編集可能な第1コンテンツデータ13Aが対応付けられたNFT101を、第1NFT101ともいう。また、編集不可な第2コンテンツデータ13Bが対応付けられたNFT102を、第2NFT102ともいう。
【0031】
実施形態の第1NFT101は、第1コンテンツデータ13Aの編集権が付属しているNFT(編集権付NFT)といえる。NFTが記録されるブロックチェーン11においては、編集不可のNFT102と同様に、編集権が付属しているNFT101を、売買・交換などの取引の対象とすることができる。編集権は、NFT101の所有者が自ら編集する権利(自編集権)であってもよいし、NFT101の所有者以外の者に編集してもらう権利(編集期待権)であってもよいし、両方の権利(自編集権及び編集期待権)を含んでもよい。なお、実施形態の第2NFT102は、編集権無しNFT(ノーマルNFT)といえる。
【0032】
NFT化後において編集が可能であることは、NFT101の売買又は交換などの取引がなされてNFT101が任意のユーザによって所有されている状態において、NFT101の所有者等のユーザによって編集が可能であることを意味する。これにより、NFT101の所有者であるユーザにとっては、NFT化された第1コンテンツデータ13Aを編集する楽しみ、又は第1コンテンツデータ13Aが他のユーザによって編集される楽しみが得られる。
【0033】
編集は、限られた数の編集権限者が可能であり、非編集権限者は不可であるのが好ましい。非編集権限者は、編集権限者以外の者である。編集権限者が限られていることで、第三者による意図しないデータ編集が防止される。編集は、第1コンテンツデータ13Aの全体について可能であってもよいし、第1コンテンツデータ13Aの一部についてだけ可能であってもよい。
【0034】
コンテンツデータ13A、13Bは、デジタルデータであり、例えば、画像データ、テキストデータ、音声データ、その他のデータ、又はそれらのデータの2以上の組み合わせである。コンテンツデータ13A,13Bは、NFT101,102をユーザ端末30,31,33,34のディスプレイに表示させたときに、画面に現れるデータ(表示データ)を含む。編集可能なコンテンツデータ13A及び編集されたコンテンツデータ13Aは、表示データであるのが好ましい。編集前のコンテンツデータ13Aは、無地の画像データなど、実質的なコンテンツを有しないデータであってもよい。また、編集前のコンテンツデータ13Aは、NULLを示す値であってもよい。
【0035】
コンテンツデータ13A,13Bとなる画像データの素材は、特に限定されないが、芸能人、歌手、スポーツ選手、その他著名人、漫画・ゲーム・アニメーションなどのキャラクタ、ゲームのアイテム、乗物、機械、器具、動物、植物などである。
【0036】
コンテンツデータ13A,13Bは、NFT101をディスプレイに表示させたときに、画面に現れないデータを含んでも良い。画面に現れないデータは、例えば、コンテンツデータ13Aの管理用のデータ(管理データ)である。管理データは、例えば、編集権限者を示すデータである。
【0037】
編集は、例えば、コンテンツデータに対するデータの追加及びデータ加工の少なくともいずれか一方であるのが好ましいが、データの削除を含んでもよい。また、編集では、データの削除が不可であってもよい。編集のために、コンテンツデータに追加されるデータは、例えば、画像データ、文字データ、及び音データから選択される一つ以上のデータである。データ加工は、例えば、画像データに対する画像処理である。
【0038】
編集は、例えば、編集可能なコンテンツデータ13Aとしての画像データに対するデコレーションである。デコレーションは、例えば、編集可能コンテンツデータ13Aに対する手書き図形又は手書き文字の追加、デコレーション用画像の追加、文字データの追加である。デコレーション等の編集は、オートグラフ(autograph)若しくは署名(signature)、メッセージ、又は宛先等の手書き文字を書くことを含み得る。また、デコレーション等の編集は、手書き図形を描くことを含み得る。
【0039】
編集は、音声データの追加、音声付き動画の追加、音声無し動画の追加であってもよい。
【0040】
実施形態に係るシステム10は、NFT化されたコンテンツデータ13Aの編集後に、そのコンテンツデータを編集不可にできる。編集不可にされることで、編集権限者であっても編集ができなくなり、コンテンツデータに対する不要な変更が防止される。編集不可にされた後は、さらに再編集可能に切り替え可能であってもよいし、再編集不可であってもよい。再編集不可であることで、コンテンツデータの内容を確定させることができる。
【0041】
なお、実施形態に係るシステム10は、コンテンツデータ13AのNFT化のための処理を実行することもできる。コンテンツデータ13AのNFT化とは、NFT101にコンテンツデータ13Aを対応付けることをいう。NFT101にコンテンツデータ13Aを対応付けるには、NFT101を構成するデータの一部として、コンテンツデータ13Aを、ブロックチェーン11に記録させてもよいし、ブロックチェーン11外のコンピュータ13において、NFT101に関連付けてコンテンツデータ13Aを保存させてもよい。
【0042】
図1において、コンテンツデータ13A,13Bは、ブロックチェーン11外のデータベース13に格納されている。データベース13は、一例として、インターネットなどのネットワーク15に接続されたファイルシステムによって構成されている。ファイルシステムは、ネットワーク15に接続された1つのコンピュータ又は複数のコンピュータを備える。データベース13は、一例として、IPFS(InterPlanetary File System)によって構成されている。IPFSは、P2P(Peer to Peer)分散ファイルシステムの一例である。
【0043】
データベース13に保存されたコンテンツデータ13Aは、通常、編集不可モードにあり、参照権限者からのアクセスがあれば参照は可能であるが、編集は行えない。データベース13に保存されたコンテンツデータ13Aは、編集権限者からのアクセスがあれば、編集モードに切り替わり、編集可能となる。編集完了操作がなされると、コンテンツデータ13Aは、編集不可モードに戻る。
【0044】
編集モードへの切り替えは、編集権限者からのアクセス時に限られず、所定のタイミングでなされてもよいし、その他の切替条件が満たされたときになされてもよい。
【0045】
ファイルシステムを構成するデータベース13は、予め設定されたアクセス権限に応じて、格納されたデータへの外部からのアクセスをコントロールする。例えば、編集可能データである第1コンテンツデータ13Aに対して編集権限者からのアクセスがあった場合、データベース13は、第1コンテンツデータ13Aの編集のためのアクセスを許可し、第1コンテンツデータを編集モードにする。第1コンテンツデータ13Aに対して非編集権限者からのアクセスがあった場合、データベース13は、第1コンテンツデータ13Aの編集のためのアクセスを拒否する。
【0046】
また、第1コンテンツデータ13Aに対して参照権限者からのアクセスがあった場合、データベース13は、第1コンテンツデータ13Aの参照のためのアクセスを許可する。第1コンテンツデータ13Aに対して非参照権限者からのアクセスがあった場合、データベース13は、第1コンテンツデータ13Aの参照のためのアクセスを拒否する。
【0047】
編集不可データである第2コンテンツデータ13Bの編集のためのアクセスがあった場合、データベース13は、当該アクセスを拒否する。また、第2コンテンツデータ13Bに対して参照権限者からのアクセスがあった場合、データベース13は、第2コンテンツデータ13Bの参照のためのアクセスを許可する。第2コンテンツデータ13Bに対して非参照権限者からのアクセスがあった場合、データベース13は、第2コンテンツデータ13Bの参照のためのアクセスを拒否する。
【0048】
編集権限者は、例えば、コンテンツデータ13Aが対応付けられたNFT101の所有者であるユーザ、NFT101の所有者であるユーザから指定されたユーザ、及び編集権限者として予め設定された者のうちの少なくとも1以上である。非編集権限者は、編集権限者以外の者である。編集権限者は、例えば、ブロックチェーンアドレスによって示される。NFTごとの編集権限者は、ブロックチェーン11に記録されていてもよいし、データベース13に記録されていてもよい。
【0049】
参照権限者は、例えば、コンテンツデータ13A、13Bが対応付けられたNFT101,102の所有者であるユーザ、NTT101,102の所有者であるユーザから指定されたユーザ、及び参照権限者として予め設定された者のうちの少なくとも1以上である。参照権限者は、全ユーザであってもよい。非参照権限者は、参照権限者以外の者である。NFTごとの参照権限者は、ブロックチェーン11に記録されていてもよいし、データベース13に記録されていてもよい。
【0050】
編集権限者又は参照権限者がブロックチェーン11に記録される場合、編集権限者又は参照権限者は、NFT101,102を構成するデータの一部として記録されてもよい。編集権限者又は参照権限者がデータベース13に記録される場合、編集権限者又は参照権限者は、コンテンツデータ13A,13Bを構成するデータの一部として記録されてもよい。
【0051】
実施形態において、データベース13に保存されたコンテンツデータ13A,13Bは、編集権限者又は参照権限者であるユーザの端末30,31,33,34において表示され得る。編集可能なコンテンツデータ13Aが端末30,31,33,34に表示される場合、端末30,31,33,34には、編集可能である旨の表示がなされる。また、編集可能なコンテンツデータ13Aが表示された端末30,31,33,34は、編集のための操作を受け付けることができる。
【0052】
実施形態においては、コンテンツデータ13A,13Bの管理のため、ブロックチェーン11が利用される。ブロックチェーン11は、複数のコンピュータが相互に接続されたP2P(Peer to Peer)のコンピュータネットワークシステムによって構成されている。
【0053】
ブロックチェーン11においては、ブロックチェーンアドレス間で、トークンの取引が可能であり、トークンの取引記録が、ブロックチェーン11の分散台帳に記録される。ブロックチェーンアドレスは、例えば、ブロックチェーン11のユーザアカウントを示す。例えば、あるユーザが、ブロックチェーン11にアカウントを有している場合、そのアカウントは、所定のブロックチェーンアドレスを有する。
【0054】
ブロックチェーン11において取引可能なトークンとしては、ファンジブルトークン(代替性トークン;Fungible Token:FT)と、ノンファンジブルトークン(非代替性トークン;Non-Fungible Token:NFT)と、がある。ファンジブルトークンは、例えば、イーサ(Ether)である。
【0055】
NFT101,102は、そのようなファンジブルトークンとは異なり、代替性を有さないトークンである。非代替性の確保のため、NFT101,102は、それぞれ、ブロックチェーン11において、他のNFTとの区別を可能にするための固有の識別子を有する。以下では、この識別子をNFT識別子という。NFT識別子は、ブロックチェーン11に記録される識別子そのものである必要はなく、システム10において、NFTを識別し得るデータであれば足りる。NFT識別子は、「NFT_ID」と表記されることもある。
【0056】
以下では、コンテンツデータ13AとNFT101との対応付けは、一例として、コンテンツデータ13Aを、NFT101のNFT_IDと対応付けて、データベース13に保存することによって実現されている。一つのコンテンツデータ13Aが、一つの対応するNFT101のNFT_IDにだけ対応付けられている場合、NFT101とコンテンツデータ13Aとの1対1対応が実現される。NFT101自体が、コンテンツデータ13Aを有していない場合、ブロックチェーン11に記録されるNFT101のデータ量を少なくできる。この結果、ブロックチェーン11を利用するコストを低減できる。なお、コンテンツデータ13BとNFT102との対応付けも、上記と同様に行われる。
【0057】
なお、一つのコンテンツデータ13Aが、複数のNFTのNFT_IDに対応付けられていてもよい。この場合、複数のNFTそれぞれに対応付けられたコンテンツデータ13Aが同一である状態で、複数のNFTが発行される。しかし、NFT発行後における編集によって、各NFTに対応付けられたコンテンツデータの唯一性を確保することができる。例えば、複数のNFTに対応付けられたコンテンツデータが、ある著名人の同じ画像であったとする。この場合、複数のNFTに対応付けられたコンテンツデータは、すべて同じ画像である。しかし、各NFTの所有者が、独自に、その画像に対してデコレーションなどの編集をし、コンテンツデータをNFT毎に更新させることで、複数のNFTに対応付けられた複数のコンテンツデータそれぞれに唯一性を生じさせることができる。
【0058】
実施形態においては、ブロックチェーン11は、スマートコントラクト130を備える。スマートコントラクト130は、ブロックチェーンにおいて実行可能に実装されたソフトウェア(コンピュータプログラム)であり、所定のプロトコルを自動的に実行する。スマートコントラクト130は、ブロックチェーンアドレスであるコントラクトアドレスを有する。スマートコントラクト130は、コントラクトアドレスに格納されている。
【0059】
ブロックチェーン11には、ユーザ毎にユーザアカウントA1,A2,A3,A4が設けられる。ユーザアカウントA1,A2,A3,A4は、ブロックチェーンアドレスを有する。ブロックチェーン11においては、ユーザが所有するNFT又はファンジブルトークンは、ユーザアカウントに対応付けて記録される。
【0060】
トークンがユーザアカウント(ブロックチェーンアドレス)に対応付けて記録されていることを、「トークンがユーザアカウント(ブロックチェーンアドレス)に格納されている」ということもできる。また、あるアカウント(ブロックチェーンアドレス)にトークンが格納されていることを、「アカウント(ブロックチェーンアドレス)がトークンを所有している」ということもできる。なお、コントラクトアドレスは、ブロックチェーンアドレスの1種である。
【0061】
図1においては、ユーザG1のアカウントA1には、コンテンツデータ13Aが対応付けられたNFT101が格納されている。つまり、
図1に示すNFT101の所有者は、ユーザアカウントA1を持つユーザG1である。したがって、NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aの所有者は、ユーザアカウントA1を持つユーザG1である。
【0062】
同様に、
図1においては、ユーザG2のアカウントA2には、コンテンツデータ13Bが対応付けられたNFT102が格納されている。つまり、
図1に示すNFT102の所有者は、ユーザアカウントA2を持つユーザG2である。したがって、NFT102に対応付けられたコンテンツデータ13Bの所有者は、ユーザアカウントA2を持つユーザG2である。
【0063】
実施形態に係るシステム10は、ブロックチェーン11外にある処理サーバ12を備え得る。処理サーバ12は、前述のスマートコントラクト130とともに、実施形態のシステム10を構成し得る。処理サーバ12は、インターネット等のネットワーク15に接続されている。処理サーバ12は、例えば、システム10の管理者によって運用される。
【0064】
処理サーバ12は、プロセッサ12A及びメモリ12Bを備えるコンピュータによって構成されている。処理サーバ12は、1つのコンピュータによって構成されてもよいし、ネットワーク15を介して接続された複数のコンピュータによって構成されてもよい。メモリ12Bは、プロセッサ12Aに接続されている。メモリ12Bは、例えば、一次記憶装置及び二次記憶装置を備える。一次記憶装置は、例えば、RAMである。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)である。メモリ12Bは、プロセッサ12Aによって実行されるコンピュータプログラム12Cを備える。プロセッサ12Aは、メモリ12Bに格納されたコンピュータプログラム12Cを読み出して実行する。コンピュータプログラム12Cは、処理サーバ12として機能するコンピュータによって実行される命令を示すプログラムコードを有する。処理サーバ12は、コンテンツデータ13Aの編集に関する処理を実行することができる。
【0065】
ユーザG1は、ユーザ端末30を有する。ユーザ端末30は、例えば、スマートフォン又はタブレットなどのモバイルデバイスである。ユーザ端末30は、ネットワーク15に接続可能である。ユーザ端末30は、プロセッサ30A及びメモリ30Bを備えるコンピュータによって構成されている。メモリ30Bは、プロセッサ30Aに接続されている。メモリ30Bは、例えば、一次記憶装置及び二次記憶装置を備える。一次記憶装置は、例えば、RAMである。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)である。メモリ30Bは、プロセッサ30Aによって実行されるコンピュータプログラム30Cを備える。プロセッサ30Aは、メモリ30Bに格納されたコンピュータプログラム30Cを読み出して実行する。コンピュータプログラム30Cは、ユーザ端末30として機能するコンピュータによって実行される命令を示すプログラムコードを有する。
【0066】
コンピュータプログラム30Cは、例えば、ブロックチェーン11のユーザアカウントA1に格納されたトークンをユーザ端末30に表示させるためのウォレットアプリケーションプログラムである。ウォレットアプリケーションプログラムは、トークンの保管、トークンの送信、及びトークンの受信のためのユーザ操作を可能とする機能を提供する。
【0067】
コンピュータプログラム30Cは、ブロックチェーン11におけるユーザアカウントA1に対応付けられたトークン(NFT又はファンジブルトークン)をユーザ端末30のディスプレイに表示させるためのプログラムコードを有する。コンピュータプログラム30Cは、NFT101を表示させる際には、NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを表示させる。
【0068】
コンピュータプログラム30Cは、編集可能なコンテンツデータ13Aの編集要求の操作、編集操作、編集完了操作をユーザから受け付けるためのプログラムコードを有する。
【0069】
他のユーザG2,T1,T2も、それぞれ、ユーザ端末31,33,34を有する。ユーザ端末31,33,34の構成及び機能は、ユーザ端末30と同様でよい。
【0070】
実施形態において、ユーザには、一般ユーザG1,G2と、一般ユーザG1,G2のためにコンテンツデータ13Aを編集する編集ユーザT1,T2と、が存在し得る。編集ユーザT1,T2は、例えば、スポーツ選手・歌手・俳優などの著名人であり、コンテンツデータ13A,13Bとなる画像データの被写体になり得る者である。なお、編集ユーザT1,T2は、一般ユーザにもなり得る。一般ユーザは、編集ユーザにもなり得る。
【0071】
ユーザの端末30,31,33,34には、そのユーザが所有者であるNFT101,102に対応付けられたコンテンツデータ13A,13Bが表示される。つまり、NFT101,102の所有者は、コンテンツデータ13A,13Bの参照権限者である。
【0072】
図2は、NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを、NTF101の所有者(参照権限者又は編集権限者)であるユーザG1の端末30に表示させる方法の一例を示している。ユーザG1は、端末30を介して、処理サーバ12におけるユーザのアカウントへサインインする(ステップS201)。サインインは、例えば、端末30にインストールされたアプリケーションプログラムによって行われる。このサインインの際に、処理サーバ12は、ユーザ端末30から、ユーザのブロックチェーンアドレス(ブロックチェーンにおけるユーザアカウント)を取得することができる。
【0073】
ユーザG1のブロックチェーンアドレスを有している処理サーバ12は、ブロックチェーン11にアクセスする(ステップS202)。処理サーバ12は、ブロックチェーン11において、ユーザG1が参照権限者又は編集権限者である1又は複数のNFTの記録11Bを参照し、1又は複数のNFTの情報120A(例えば、NFT_ID)を取得することができる(ステップS203)。
【0074】
処理サーバ12は、ユーザG1が参照権限者又は編集権限者であるNFTを、そのユーザG1の端末30に表示させる場合、データベース13に格納されたコンテンツデータ13Aの参照のため、データベース13へアクセスする。すなわち、処理サーバ12は、ユーザG1によるコンテンツデータ13Aの参照のため、データベース13を呼び出す(ステップS204)。
【0075】
処理サーバ12は、ユーザG1が参照権限者又は編集権限者であるNFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを参照するため、ユーザG1のブロックチェーンアドレスをデータベース13へ送信する。ユーザG1のブロックチェーンアドレスを受信したデータベース13は、そのブロックチェーンアドレスで示されるユーザG1が参照権限者又は編集権限者であるNFTを参照するため、ブロックチェーン11にアクセスする(ステップS205)。このアクセスにより、データベース13は、ユーザG1が参照権限者又は編集権限者であるNFTのNFT_IDを取得する(ステップS206)。
【0076】
データベース13は、ユーザG1のブロックチェーンアドレスを用いた呼び出しを受けた場合、その呼び出しに対する応答として、そのユーザG1が参照権限者又は編集権限者であるNFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aへのアクセスを許可する。すなわち、データベース13は、ブロックチェーン11において、そのユーザG1が参照権限者又は編集権限者であるNFTのNFT_IDを参照し(ステップS205)、データベース13に格納されているコンテンツデータのうち、そのユーザG1が参照権限者又は編集権限者であるNFT101のNFT_IDに対応付けられたコンテンツデータ13Aへのアクセスを許可する。
【0077】
以上の処理によって、処理サーバ12は、ユーザG1が参照権限者又は編集権限者であるNFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを参照することができる。このコンテンツデータ13Aは、ユーザ端末30における表示のため、ユーザ端末30へ送信され、ユーザ端末30のディスプレイに表示される(ステップS207)。
【0078】
なお、NFT101とコンテンツデータ13Aとの対応付けは、例えば、NFT101が、コンテンツデータ13Aを示すURI(Uniform Resource Identifier)を有することで実現されてもよい。
【0079】
図3は、システム10によって実行されるNFT管理処理を示している。NFT管理処理は、処理サーバ12が実行してもよいし、スマートコントラクト130が実行してもよいし、処理サーバ12及びスマートコントラクト130が協調して実行してもよい。NFT管理処理においては、必要に応じてデータベース13が利用され、また、データベース13がアクセスコントロールのための処理を実行する。
【0080】
まず、編集権付NFT101の発行処理が行われる(ステップS301)。NFT101の発行処理においては、NFTが、編集権付であるか、それとも編集権無しであるかが、ランダム又は所定のルールに基づいて決定されてもよい。発行される編集権付NFT101の数を少なくすることで、編集権付NFT101の希少性が高まり、価値が増大する。ステップS301の発行処理は、例えば、スマートコントラクト130が実行し得る。
【0081】
発行処理は、例えば、発行リクエストを受信することによって実行される。発行リクエストは、例えば、ユーザ端末30,31,33,34におけるユーザ操作に基づいて、送信される。発行リクエストのためのユーザ操作は、例えば、NFT101を購入する操作、又は、他のNFTをNFT101と交換するための操作である。発行リクエストを受信することは、ユーザから送信されたファンジブルトークンを受信することであってもよいし、ユーザから送信された他のNFTを受信することであってもよい。
【0082】
ステップS301の発行処理では、NFT101にコンテンツデータ13Aが対応付けられる。また、発行処理では、発行されるNFTが編集権付である場合、編集権限の設定が行われる。編集権限の設定では、例えば、編集権限者が設定される。編集権限者は、例えば、コンテンツデータ13Aが対応付けられたNFT101の所有者であるユーザ、又は、その他、編集権限者として設定された者である。編集権限者として設定された者は、例えば、コンテンツデータ13Aである画像データの被写体となった者である。編集権限者は、例えば、NFT101に対応付けてブロックチェーン11に記録される。編集権限者は、例えば、ブロックチェーンアドレスによって示される。
【0083】
編集権限者は、特定の者として予め設定されている必要はなく、NFT101の所有者などの指定権限者(編集権限者)から指定された者であってもよい。システム10は、指定権限者によって指定された者を、編集権限者として扱うよう設定されていればよい。
【0084】
編集権限の設定では、NFT101ごとに編集可能回数が設定されてもよい。編集可能回数は、例えば、1回又はそれより多い回数である。編集可能回数が設定されていることで、ユーザによる編集回数を制限できる。また、ユーザの編集回数が、編集可能回数に達すると、それ以上の編集が行えなくなり、コンテンツデータ13Aの内容を確定することができる。なお、編集回数は、例えば、編集モードに切り替えられた回数である。
【0085】
発行された編集権付NFT101は、ユーザへ送信される(ステップS302)。NFT101が送信されるユーザは、例えば、発行リクエストを送信したユーザである。編集権付NFT101を受信したユーザは、編集権付NFT101の所有者として、ブロックチェーン11に記録される。編集権付NFT101は、ブロックチェーン11において、交換又は売買などの取引が可能であり、所有者が変動し得る。所有者の変動は、ブロックチェーン11に記録される。なお、ステップS302の送信処理は、スマートコントラクト130が実行し得る。
【0086】
そのあと、システム10は、その編集権付NFT101を所有しているユーザ端末30から編集要求を受信する(ステップS303)。編集要求の受信及びそれ以降の処理は、処理サーバ12が実行し得る。
【0087】
システム10は、そのユーザが編集権限者であるかどうかを判定する(ステップS304)。仮に、編集要求の送信元ユーザが、編集権限者でない場合、システム10は、編集要求を拒絶する。編集要求の送信元ユーザが、編集権限者である場合、システム10は、その編集要求を受け入れ、NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを編集モードに切り替える(ステップS305)。システム10は、編集権限者であるユーザの編集操作を受け付ける(ステップS306)。すなわち、システム10は、編集権限者であるユーザの端末30においてなされた編集操作を示す編集データを受信する。編集操作は、例えば、手書き文字を書く操作である。編集操作は、音声の録音、及び/又は、動画の録画であってもよい。
【0088】
システム10は、ユーザの端末30から編集完了通知を受信すると(ステップS307)、編集操作による編集内容を、データベース13に保存されたコンテンツデータ13Aに反映させて上書き保存し、コンテンツデータ13Aを更新する(ステップS308)。そして、システム10は、コンテンツデータ13Aを編集不可モードに切り替える(ステップS309)。NFT101の編集可能回数が1回である場合、編集不可モードに切り替えられると、再編集不可となり、コンテンツデータ13Aの内容が確定する。この確定を、ファイナライズともいう。なお、NFT101の編集可能回数が2回以上であれば、編集可能回数に達するまで、再編集可能である。
【0089】
図4は、
図3に示すNFT管理処理によるNFT編集のシナリオの第1例を示す。第1例では、編集権限者は、NFT101の所有者である。第1例では、編集権付NFT101を所有している一般ユーザG1自身が、NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを編集する。
【0090】
編集権付NFT101を所有している一般ユーザG1は、コンテンツデータ13Aを編集するため、端末30を操作し、編集不可モードから、編集モードへ切り替える(ステップS403)。モードの切り替え操作は、編集要求として、端末30から、システム10へ送信される。これにより、コンテンツデータ13Aは編集可能になる。なお、編集権限者であるユーザG1の端末30のディスプレイには、コンテンツデータ13Aが表示される。
【0091】
ユーザG1は、端末30のディスプレイを指で操作したり、タッチペンで操作することで、端末30のディスプレイに表示されたコンテンツデータ13Aを編集する(ステップS406)。編集は、例えば、コンテンツデータ13A上に、図形13Eを描画するなどのデコレーションである。ユーザG1による編集内容を示す編集データ(図形13Eのデータ)は、システム10へ送信される。
【0092】
ユーザG1は、編集を完了する場合、編集完了操作を端末30に対して行う(ステップS407)。端末30は、編集完了通知を、システム10へ送信する。これにより、コンテンツデータ13Aは、編集データに応じて更新され、編集不可モードに戻る。
【0093】
以上の操作によって、ユーザG1は、自身が編集したコンテンツデータ13Aを得ることができる。
【0094】
図5は、
図3に示すNFT管理処理によるNFT編集のシナリオの第2例を示す。第2例でも、編集権限者は、NFT101の所有者である。第2例では、編集権付NFT101を所有している一般ユーザG1が、NFT101を編集ユーザT1へ送信し、NFT101を受信した編集ユーザT1が、NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを編集する。なお、編集ユーザT1は、例えば、コンテンツデータ13Aである画像の被写体となった著名人である。ここでの編集は、例えば、編集者が、オートグラフ(autograph)等の手書き文字を書くことである。
【0095】
NFT101の送信先である編集ユーザは、NFT毎にシステム10に予め設定されているのが好ましい。NFT101の送信先である編集ユーザは、NFT101に対応付けてブロックチェーン11に記録されていてもよいし、データベース13に記録されていてもよい。
【0096】
編集ユーザT1に編集をしてもらいたい一般ユーザG1は、自身が所有するNFT101を、編集してもらうために、編集ユーザT1へ送信する(ステップS501)。これにより、NFT101の所有者は、一時的に編集ユーザT1になる。なお、一般ユーザG1へのNFT101の返却の確実化のため、NFT101は、所定期間経過後において自動的に元の一般ユーザG1に返送されるよう設定されているのが好ましい。
【0097】
なお、NFT101の送信の際には、一般ユーザG1が、編集ユーザT1に編集してほしい内容を示すデータ(メッセージ、宛先など)が併せて、編集ユーザT1へ送信されてもよい。編集ユーザT1は、そのデータの内容をみて、一般ユーザG1の希望に応じた内容の編集をすることができる。
【0098】
編集ユーザT1は、NFT101の所有者になることで編集権限者になり、コンテンツデータ13Aの編集が可能である。NFT101が編集ユーザT1へ送信されると、コンテンツデータ13Aは、編集不可モードから、編集モードへ切り替えられる。編集権限者である編集ユーザT1の端末33のディスプレイには、コンテンツデータ13Aが表示される。
【0099】
編集ユーザT1は、端末33のディスプレイを指で操作したり、タッチペンで操作することで、端末33のディスプレイに表示されたコンテンツデータ13Aを編集する(ステップS502)。編集は、例えば、コンテンツデータ13A上に、オートグラフ(autograph)等の手書き文字を書くことである。編集は、メッセージを発声した編集ユーザT1の音声を録音又は動画を録画することでもよい。メッセージは、一般ユーザG1が希望する内容であってもよい。ユーザT1による編集内容を示す編集データは、システム10へ送信される。
【0100】
ユーザT1は、編集を完了する場合、編集完了操作を端末33に対して行う。端末33は、編集完了通知を、システム10へ送信する。これにより、コンテンツデータ13Aは、編集データに応じて更新され、編集不可モードに戻る。また、NFT101は、一般ユーザG1へ返信される(ステップS503)。
【0101】
以上の操作によって、ユーザG1は、編集ユーザT1が編集したコンテンツデータ13A(例えば、著名人の自筆サイン入り画像又は著名人の音声付き画像)を得ることができる。
【0102】
図6は、
図3に示すNFT管理処理によるNFT編集のシナリオの第3例を示す。第3例では、編集権限者は、NFT101に予め設定された編集ユーザT1である。第3例では、編集権付NFT101を所有している一般ユーザG1は、NFT101を所有したまま、NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを編集してもらうことができる。編集権限者である編集ユーザT1は、一般ユーザG1によって指定された者であってもよい。なお、編集ユーザT1は、例えば、コンテンツデータ13Aである画像の被写体となった著名人である。ここでの編集は、例えば、編集者が、オートグラフ(autograph)等の手書き文字を書くことである。
【0103】
編集ユーザT1は、一般ユーザG1が所有するNFT101を編集するため、端末33を操作し、編集不可モードから、編集モードへ切り替える(ステップS603)。モードの切り替え操作は、編集要求として、端末33から、システム10へ送信される。これにより、コンテンツデータ13Aは編集可能になる。なお、編集権限者である編集ユーザT1の端末33のディスプレイには、コンテンツデータ13Aが表示される。
【0104】
なお、一般ユーザG1が編集ユーザT1に編集してほしい内容を示すデータ(メッセージ、宛先など)が、予め、一般ユーザG1から編集ユーザT1へ送信されてもよい。編集ユーザT1は、そのデータの内容をみて、一般ユーザG1の希望に応じた内容の編集をすることができる。
【0105】
編集ユーザT1は、端末33のディスプレイを指で操作したり、タッチペンで操作することで、端末33のディスプレイに表示されたコンテンツデータ13Aを編集する(ステップS606)。編集は、例えば、コンテンツデータ13A上に、オートグラフ(autograph)等の手書き文字を書くことである。編集は、メッセージを発声した編集ユーザT1の音声を録音又は動画を録画することでもよい。メッセージは、一般ユーザG1が希望する内容であってもよい。編集ユーザT1による編集内容を示す編集データは、システム10へ送信される。
【0106】
編集ユーザT1は、編集を完了する場合、編集完了操作を端末33に対して行う(ステップS607)。端末33は、編集完了通知を、システム10へ送信する。これにより、コンテンツデータ13Aは、編集データに応じて更新され、編集不可モードに戻る。
【0107】
以上の操作によって、一般ユーザG1は、編集ユーザT1が編集したコンテンツデータ13A(例えば、著名人の自筆サイン入り画像又は著名人の音声付き画像)を得ることができる。
【0108】
図7は、システム10によって実行されるNFT管理処理の他の例を示している。
図7の例において、特に説明しない点については、
図3の例と同様である。
【0109】
図7の例においても、編集権付NFT101の発行処理がなされ(ステップS701)、発行された編集権付NFT101は、ユーザへ送信される(ステップS702)。
【0110】
図7の例では、システム10は、編集権付NFT101を所有している一般ユーザの端末30から編集要求を受信する(ステップS703)。システム10は、編集権付NFT101を所有している一般ユーザから編集要求を受信した場合、そのNFT101に予め設定された編集権限者(編集ユーザ)へ、編集要求を送信する(ステップS704)。そして、システム10は、NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを編集モードに切り替える(ステップS705)。システム10は、編集権限者である編集ユーザの編集操作を受け付ける(ステップS706)。すなわち、システム10は、編集権限者であるユーザの端末33においてなされた編集内容を示す編集データを受信する。
【0111】
システム10は、ユーザの端末33から編集完了通知を受信すると(ステップS707)、編集操作による編集内容を、データベース13に保存されたコンテンツデータ13Aに反映させて上書き保存し、コンテンツデータ13Aを更新する(ステップS708)。そして、システム10は、コンテンツデータ13Aを編集不可モードに切り替える(ステップS709)。
【0112】
図8は、
図7に示すNFT管理処理によるNFT編集のシナリオの第4例を示す。第4例では、編集権限者は、NFT101に予め設定された編集ユーザT1である。第4例では、編集権付NFT101を所有している一般ユーザG1は、NFT101を所有したまま、NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを編集してもらうことができる。編集権限者である編集ユーザT1は、一般ユーザG1によって指定された者であってもよい。なお、編集ユーザT1は、例えば、コンテンツデータ13Aである画像の被写体となった著名人である。ここでの編集は、例えば、編集者が、オートグラフ(autograph)等の手書き文字を書くことである。
【0113】
一般ユーザG1は、自身が所有するNFT101を編集するため、端末30を操作し、編集要求をシステム10へ送信する(ステップS703)。この編集要求には、編集対象のコンテンツデータ13Aを示す識別子が含まれてもよい。識別子は、編集対象であるコンテンツデータ13Aを直接的に示すデータであってもよいし、コンテンツデータ13Aに対応付けられたNFT101を示すNFT識別子(NFT_ID)であってもよい。また、編集要求には、一般ユーザG1が編集権限者として指定する者を示す情報が含まれてもよい。編集要求には、一般ユーザG1が、編集権限者である編集ユーザT1に編集してほしい内容を示すデータ(メッセージ、宛先など)が含まれてもよい。このデータは、編集要求とともに、編集ユーザT1へ送信される。編集ユーザT1は、そのデータの内容をみて、一般ユーザG1の希望に応じた内容の編集をすることができる。
【0114】
システム10は、NFT101編集権限者である編集ユーザT1へ、NFT101の編集要求を送信する(ステップS704)。NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aは、編集モードに切り替えられる。編集権限者である編集ユーザT1の端末33のディスプレイには、コンテンツデータ13Aが表示される。
【0115】
編集ユーザT1は、端末33のディスプレイを指で操作したり、タッチペンで操作することで、端末33のディスプレイに表示されたコンテンツデータ13Aを編集する(ステップS706)。編集は、例えば、コンテンツデータ13A上に、オートグラフ(autograph)等の手書き文字を書くことである。編集は、メッセージを発声した編集ユーザT1の音声を録音又は動画を録画することでもよい。メッセージは、一般ユーザG1が希望する内容であってもよい。編集ユーザT1による編集内容を示す編集データは、システム10へ送信される。
【0116】
編集ユーザT1は、編集を完了する場合、編集完了操作を端末33に対して行う(ステップS707)。端末33は、編集完了通知を、システム10へ送信する。これにより、コンテンツデータ13Aは、編集データに応じて更新され、編集不可モードに戻る。更新されたコンテンツデータ13Aは、一般ユーザの端末30に表示される(ステップS708)。
【0117】
編集ユーザT1の端末33においては、編集対象であるコンテンツデータ13Aを選択するための操作が編集ユーザT1によってなされてもよい。編集ユーザが編集すべきコンテンツデータが複数あっても、編集対象であるコンテンツデータ13Aを選択するための操作がなされることで、編集内容が反映されるコンテンツデータ13Aが特定される。編集対象であるコンテンツデータ13Aを選択するための操作は、例えば、編集ユーザT1が編集可能である1又は複数のコンテンツデータ(又はコンテンツデータに対応付けられたNFT)の一覧が端末33において表示され、その一覧の中から編集ユーザT1が、編集対象を選択することによって行われる。編集データは、選択された編集対象を示す識別子とともに、システム10へ送信され得る。システム10は、識別子によって示されるコンテンツデータを編集データに応じて更新し得る。
【0118】
以上の操作によって、一般ユーザG1は、編集ユーザT1が編集したコンテンツデータ13A(例えば、著名人の自筆サイン入り画像又は著名人の音声付き画像)を得ることができる。
【0119】
図9は、システム10によって実行されるNFT管理処理の他の例を示している。
図9の例において、特に説明しない点については、
図3又は
図7の例と同様である。
【0120】
図9の例においては、編集権付NFT101が一般ユーザによって既に所有していることを前提とする。
図9の例では、編集権限者として、編集ユーザT1が予め設定されている。編集権限者である編集ユーザT1は、編集権付NFT101の所有者である一般ユーザによって指定されてもよい。
【0121】
システム10は、NFT101の編集権限者である編集ユーザT1へ、編集要求を送信する(ステップS904)。システム10は、NFT101の編集権限者として設定された編集ユーザT1へ、編集要求を送信するよう構成されている。システム10が編集ユーザT1へ送信する編集要求は、NFT101の所有者からの編集要求に基づいてもよいし、NFT101の所有者からの編集要求に基づかなくてもよい。NFT101の所有者からの編集要求に基づかない場合、システム10は、例えば、NFT101について予め設定された編集権限者としての編集ユーザT1を示すデータを参照し、そのデータに基づいて、編集ユーザT1へ編集要求を送信することができる。
【0122】
システム10から送信された編集要求は、編集ユーザT1の端末33において受信される。編集ユーザT1は、複数のNFT101のための複数の編集要求を受信し得る。
【0123】
編集ユーザT1は、任意のタイミング又はシステム10によって指定された期限までに、端末33において編集のための操作をする。システム10は、編集権限者である編集ユーザの編集操作を受け付ける。すなわち、システム10は、編集権限者である編集ユーザの端末33においてなされた編集内容を示す編集データを受信する(ステップS906)。システム10は、編集データを、編集操作がすべて完了してから一括して受信してもよいし、編集操作中に逐次更新される編集データを、逐次受信してもよい。
【0124】
編集ユーザT1の端末33においては、編集対象であるコンテンツデータ13Aを選択するための操作が編集ユーザT1によってなされてもよい。編集ユーザが編集すべきコンテンツデータが複数あっても、編集対象であるコンテンツデータ13Aを選択するための操作がなされることで、編集内容が反映されるコンテンツデータ13Aが特定される。編集対象であるコンテンツデータ13Aを選択するための操作は、例えば、編集ユーザT1が編集可能である1又は複数のコンテンツデータ(又はコンテンツデータに対応付けられたNFT)の一覧が端末33において表示され、その一覧の中から編集ユーザが、編集対象を選択することによって行われる。編集データは、選択された編集対象を示す識別子とともに、システム10へ送信され得る。システム10は、送信された識別子を受信し(ステップS906)、受信した識別子によって示されるコンテンツデータ13Aを編集データに応じて更新し得る(ステップS908)。
【0125】
図10は、
図9に示すNFT管理処理によるNFT編集のシナリオの第5例を示す。第5例では、編集権限者は、編集ユーザT1である。第5例では、編集権付NFT101を所有している一般ユーザG1は、NFT101を所有したまま、NFT101に対応付けられたコンテンツデータ13Aを編集してもらうことができる。なお、編集ユーザT1は、例えば、コンテンツデータ13Aである画像の被写体となった著名人である。ここでの編集は、例えば、編集者が、オートグラフ(autograph)等の手書き文字を書くことである。
【0126】
まず、システム10は、NFT101編集権限者である編集ユーザT1へ、NFT101の編集要求を送信する(ステップS904)。編集要求には、編集対象であるコンテンツデータ13Aを示す識別子としてNFT101の識別子(NFT_ID)が含まれる。編集権限者である編集ユーザT1の端末33のディスプレイには、コンテンツデータ13Aが表示される必要はないが、表示されてもよい。
【0127】
編集ユーザT1は、端末33のディスプレイ中の編集領域33Aを指で操作したり、タッチペンで操作することで、編集操作を行う。編集操作を行うことで、コンテンツデータ13Aを更新するための編集データが生成される。編集は、例えば、オートグラフ(autograph)等の手書き文字を端末33上で書くことである。編集は、メッセージを発声した編集ユーザT1の音声を録音又は動画を録画することでもよい。メッセージは、一般ユーザG1が希望する内容であってもよい。編集ユーザT1による編集内容を示す編集データは、システム10へ送信される。
【0128】
編集ユーザT1は、編集の開始前又は編集の完了後において、編集データによってコンテンツデータ13Aが更新されるNFT101を選択する操作を行う。NFT101を選択する操作は、例えば、端末33のディスプレイに表示された選択ボタン33Bを選択することで、編集ユーザT1が編集することができるNFTの一覧を表示させ、その一覧の中から編集ユーザT1が、編集対象となるNFT101を選択することによって行われる。
【0129】
編集データは、選択された編集対象を示すNFTの識別子とともに、システム10へ送信される。システム10は、識別子によって示されるNFT101のコンテンツデータ13を編集データに応じて更新する。更新されたコンテンツデータ13Aは、一般ユーザの端末30に表示される(ステップS908)。
【0130】
以上の操作によって、一般ユーザG1は、編集ユーザT1が編集したコンテンツデータ13A(例えば、著名人の自筆サイン入り画像又は著名人の音声付き画像)を得ることができる。
【0131】
図11は、コンテンツデータ13A,13Bを紙などの印刷媒体に印刷するためのコンテンツプリントシステム100を示している。このコンテンツプリントシステム100は、発行装置200及び発行サーバ300を備える。コンテンツプリントシステム100は、
図1に示すシステム10を利用して、コンテンツプリントサービスを提供するためのものであり、印刷物であるコンテンツ1の発行に用いられる。
【0132】
ブロックチェーン11を利用したシステム10は、端末30におけるユーザの印刷操作を受け付けると、印刷操作において印刷の対象として指定されたコンテンツデータ13A,13Bを、発行サーバ300へ送信する。発行サーバ300は、コンテンツデータの印刷のための処理を実行する外部コンピュータである。発行サーバ300は、ユーザが操作する発行装置200へ、コンテンツデータ13A,13Bを送信する。発行装置200は、受信したコンテンツデータ13A,13Bを印刷することで、印刷物であるコンテンツ1を発行する。
【0133】
ユーザは、コンテンツプリントサービスを利用することで、例えば、編集されたコンテンツデータ13Aを印刷することができる。
【0134】
印刷されたコンテンツ1は、例えば、コンテンツ用の印刷用紙にコンテンツデータ13A,13Bが印刷されて構成される。
【0135】
このコンテンツプリントサービスを利用することで、ユーザは、デジタルデータであるコンテンツデータ13Aを所有するだけでなく、印刷されたコンテンツ1も所有することができる。
【0136】
発行装置200は、例えば、小売店の店舗内に設置される。発行装置200は、印刷用紙にコンテンツデータ13A,13Bを印刷して、印刷されたコンテンツ1を発行するよう構成されている。発行装置200は、例えば、店舗内に設置されたコンテンツプリントサービス等を行う複合機である。複合機は、コンテンツプリントサービスのほか、その他のプリントサービス、コピーサービス、ファクシミリサービスを提供するために用いられる。複合機は、一般に、来店客が直接操作できるが、店舗スタッフによって操作されてもよい。
【0137】
発行装置200は、客(ユーザ)等の操作者の操作を受け付けると、発行サーバ300から、必要なコンテンツデータを取得し、そのコンテンツデータを印刷することで、コンテンツ1を発行する。発行装置200は、印刷すべきコンテンツデータを示すコードの入力を受け付けるように構成されている。コードは、機械読み取り可能なものであってもよいし、人間も容易に読み取れる文字又は数字であってもよい。コード入力は、例えば、キー操作、又はコードを複合機が有する読取機によって読み取ることによって行われる。
【0138】
発行装置200は、コンテンツ1の発行に先立って、コンテンツ1の印刷代金の支払操作を受け付けて代金決済をする支払処理を実行するよう構成されている。コンテンツ1は、支払処理が完了した後に発行される。コンテンツ1を印刷しようとする者(ユーザ)は、コンビニエンスストア等の店舗で、コンテンツ1の印刷代金を支払ことができる。
【0139】
発行サーバ300は、ネットワーク15を介して、発行装置200及びシステム10に接続される。発行サーバ300は、例えば、システム10の処理サーバ12又はデータベース13に接続される。発行サーバ300は、複数の発行装置200が接続可能となるように、発行装置200とは別に場所に設置された外部装置である。発行サーバ300は、発行装置200によって発行されるコンテンツ1のためのコンテンツデータ13A,13Bをシステム10から取得し、発行装置200からの要求に応じて、コンテンツデータ13A,13Bを発行装置200へ送信するよう構成されている。
【0140】
発行サーバ300は、プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータによって構成されている。発行サーバ300は、コンピュータプログラムを有する。このコンピュータプログラムは、コンピュータを発行サーバ300として機能させるためのプログラムコードを有する。
【0141】
コンテンツデータ13A,13Bを印刷したいユーザは、コンビニエンスストア等の店舗を訪れ、コンテンツ1を発行してもらう。コンテンツ1の発行のため、ユーザは、端末30において印刷操作を行い、印刷のためのコードを取得する。コードは、ユーザの印刷操作を受け付けたシステム10によって生成される。システム10は、コードと印刷対象となるコンテンツデータ13Aとを、発行サーバ300へ送信する。発行サーバ300は、受信したコンテンツデータ13Aをコードと対応付けて保存する。
【0142】
ユーザは、印刷操作により取得したコードを、発行装置200に入力する。入力は、ユーザによるコードの手動入力でもよいし、発行装置200が有する読取装置によるコード読み取りでもよい。発行装置200は、入力されたコードを、発行サーバ300に送信する。コードを受信した発行サーバ300は、コードに対応するコンテンツデータ13Aを発行装置200へ送信する。発行装置200は、コンテンツデータ13Aを取得する。発行装置200は、コンテンツデータ13Aを、印刷用紙に印刷し、コンテンツ1を発行する。
【0143】
なお、コンテンツデータ13Aの印刷に先立って、印刷代金の支払いの処理が行われるのが好ましい。
【0144】
<3.付記>
【0145】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0146】
1 :コンテンツ
10 :コンピュータシステム
11 :ブロックチェーン
11B :記録
12 :処理サーバ
12A :プロセッサ
12B :メモリ
12C :コンピュータプログラム
13 :データベース
13A :第1コンテンツデータ
13B :第2コンテンツデータ
13E :図形
15 :ネットワーク
30 :ユーザ端末
30A :プロセッサ
30B :メモリ
30C :コンピュータプログラム
31 :ユーザ端末
33 :ユーザ端末
34 :ユーザ端末
100 :コンテンツプリントシステム
120A :情報
130 :スマートコントラクト
200 :発行装置
300 :発行サーバ
A1 :ユーザアカウント
A2 :ユーザアカウント
A3 :ユーザアカウント
A4 :ユーザアカウント
G1 :一般ユーザ
G2 :一般ユーザ
T1 :編集ユーザ
T2 :編集ユーザ