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▶ 株式会社Habeasの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038135
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】毛髪処理方法および毛髪処理添加剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/365 20060101AFI20230309BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20230309BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20230309BHJP
   A61Q 5/08 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
A61K8/365
A61Q5/04
A61Q5/06
A61Q5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021165781
(22)【出願日】2021-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】521437275
【氏名又は名称】株式会社Habeas
(72)【発明者】
【氏名】只野 顕児
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC301
4C083AC302
4C083BB44
4C083CC34
4C083CC35
4C083CC36
4C083DD16
4C083EE28
4C083EE29
(57)【要約】
【課題】本発明は、毛髪処理方法に関し、より詳しくは、パーマネントウェーブ剤(デジタルパーマ剤を含む)、縮毛矯正剤、ブリーチ剤の使用にあたって、リンゴ酸を使用することにより、毛髪へのダメージを軽減する毛髪処理方法に関する。
【解決手段】毛髪に、パーマネントウェーブ剤、ヘアカラー剤、縮毛矯正剤およびブリーチ剤の何れかから選択される薬剤を塗布する工程において、前記薬剤を塗布する前に、前記薬剤にリンゴ酸を混合する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪に、パーマネントウェーブ剤、ヘアカラー剤、縮毛矯正剤およびブリーチ剤の何れかから選択される薬剤を塗布する工程において、
前記薬剤を塗布する前に、前記薬剤にリンゴ酸を混合することを特徴とする毛髪処理方法。
【請求項2】
前記リンゴ酸は、粉末顆粒状であることを特徴とする請求項1記載の毛髪処理方法。
【請求項3】
請求項1記載の毛髪処理方法は、美容室において美容師が、被処理者の毛髪のダメージ度に応じて薬剤に適量のリンゴ酸を混合してpHを調整することを特徴とする毛髪処理方法。
【請求項4】
毛髪処理用のパーマネントウェーブ剤、ヘアカラー剤、縮毛矯正剤およびブリーチ剤の何れかから選択される薬剤であって、
前記薬剤を毛髪に塗布する前に、前記薬剤に混合するための粉末顆粒状のリンゴ酸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪処理方法に関し、より詳しくは、パーマネントウェーブ剤(デジタルパーマ剤を含む)、ヘアカラー剤、縮毛矯正剤、ブリーチ剤の使用にあたって、毛髪へのダメージを軽減する毛髪処理方法及びこれに使用する添加剤に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪に半永久的又は永久的な変形を施すには、毛髪還元剤を含むパーマ剤やアルカリ性の毛髪処理剤による処理が行われる。また、毛髪を種々の色に染めるには、酸化染料や直接染料を含む染毛剤による処理が行われる。しかし、これらのパーマ等による処理と染毛剤による処理とを行うことは、毛髪に与える損傷の増大につながるという問題がある。
そこで、毛髪に与える損傷を軽減するために毛髪のpHを調整することが知られている(特許文献1)。また、塩結合閉鎖促進成分としてリンゴ酸を含む毛髪化粧料(特許文献2)やリンゴ酸が配合されたpH調整剤(特許文献3)が開示されている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6524334号
【特許文献2】特開2013-147476
【特許文献3】特開2016-204282
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
美容室におけるパーマネントウェーブ剤(デジタルパーマ剤を含む)、ヘアカラー剤、縮毛矯正剤、ブリーチ剤等の毛髪処理工程において、リンゴ酸をpH調整剤として配合した薬剤を使用しても、毛髪へのダメージを容易に軽減することが困難であった。その原因は、ダメージを受けた毛髪は様々であり、様々な毛髪の性質に対応できるpH調整が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
毛髪に、パーマネントウェーブ剤、ヘアカラー剤、縮毛矯正剤およびブリーチ剤の何れかから選択される薬剤を塗布する工程において、前記薬剤を塗布する前に、前記薬剤にリンゴ酸を混合することを特徴とする毛髪処理方法である。
【0007】
前記リンゴ酸は、粉末顆粒状であることを特徴とする毛髪処理方法である。
【0008】
毛髪処理方法は、美容室において美容師が、被処理者の毛髪のダメージ度に応じて薬剤に適量のリンゴ酸を混合してpHを調整することを特徴とする毛髪処理方法。
【0009】
また、毛髪処理用のパーマネントウェーブ剤、ヘアカラー剤、縮毛矯正剤およびブリーチ剤の何れかから選択される薬剤であって、前記薬剤を毛髪に塗布する前に、前記薬剤に混合するための粉末顆粒状のリンゴ酸。
【発明の効果】
【0010】
美容室店内において美容師の判断で、被処理者の様々な髪質のダメージ度に応じて薬剤にリンゴ酸を混合しpHを調整し、塗布することが可能となり、毛髪のダメージを軽減することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の用途は、美容室内での毛髪処理方法に関し、パーマネントウェーブ剤(デジタルパーマ剤を含む)、ヘアカラー剤、縮毛矯正剤、ブリーチ剤から選択する薬剤の使用にあたって、これらに使用する薬剤を毛髪へ塗布する直前に、毛髪のダメージ度に応じて、リンゴ酸を適量配合混合して薬剤のpHを調整して塗布するものであり、毛髪ダメージを軽減する毛髪処理方法に関する。
【実施例
【実施例0012】
パーマネントウェーブ剤(デジタルパーマ剤を含む)
被処理者の毛髪のダメージ度に応じて、パーマネントウェーブ剤の総量に対して粉末顆粒状リンゴ酸を0.5~7%混合して薬剤のpHを4~6に調整し、毛髪に塗布する。
なお、毛髪のダメージ度の判断は、毛髪の根本、中間、毛先の部位の状態や明度レベル(Lv)などを観察して総合的に判断する。また、毛髪の根本、中間、毛先部位にはダメージ状態に応じてリンゴ酸混合パーセントの異なる薬剤を塗布して行うこともできる。以下実施例2~5も同様である。
【実施例0013】
ヘアカラー剤
被処理者の毛髪のダメージ度に応じて、ヘアカラー剤の総量に対して粉末顆粒状リンゴ酸を0.5~7%混合してpHを4~7に調整し、毛髪に塗布する。
【実施例0014】
縮毛矯正剤
被処理者の毛髪のダメージ度に応じて、縮毛矯正剤の総量に対して粉末顆粒状リンゴ酸を0.5~7%混合してpHを4~7に調整し、毛髪に塗布する。
【実施例0015】
ブリーチ剤
被処理者の毛髪のダメージ度に応じて、ブリーチ剤の総量に対して粉末顆粒状リンゴ酸を0.5~7%混合してpHを6~10に調整し、毛髪に塗布する。
【0016】
表1はpH早見表テキストを示し、被処理者の毛髪ダメージ度に応じてリンゴ酸の配合量を変えてpHを調整する。
【実施例5】
縮毛矯正を行う場合、縮毛矯正剤のpHが11、毛髪ダメージを4と判断した場合には、表1を参照して縮毛矯正剤にリンゴ酸を配合してpHを5に調整する。その時のリンゴ酸の配合量は、縮毛矯正剤の総量に対して3~6%配合することとなる。つまり、リンゴ酸は薬剤総重量%で0.5~1%配合することで、pHを1下げることができるので、pH11からpH5に下げるには、0.5~1%配合を6段階行って6ポイント下げることとする。
【0017】
【表1】
【0018】
本実施例においてのリンゴ酸は粉末顆粒状のものを使用した。上記した実施例のとおり、薬剤はその目的に応じて性状が液体やクリーム状であったりすることから、粉末顆粒状のリンゴ酸を添加することで、薬剤の性状が変更されることがなく、美容室においての美容師による毛髪への塗布処理が適切に行なうことが可能となった。