(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038141
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】外装材、容器、及び容器と外装材の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
B65D 25/36 20060101AFI20230309BHJP
B65D 3/06 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
B65D25/36
B65D3/06 B
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021172038
(22)【出願日】2021-10-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】P 2021144377
(32)【優先日】2021-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】320007734
【氏名又は名称】株式会社KY7
(74)【代理人】
【識別番号】100126413
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 太亮
(72)【発明者】
【氏名】高野 朗
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA10
3E062AB02
3E062AC05
3E062BB02
3E062BB10
3E062DA02
3E062DA09
3E062FA05
3E062FB02
3E062JA01
3E062JA08
3E062JB01
3E062JB04
3E062JC05
3E062JD04
(57)【要約】
【課題】断熱性に優れた外装材、容器及び容器と外装材の組み合わせを提供する。
【解決手段】 容器本体を有する容器の前記容器本体の外周面に取り付けられて用いられる外装材である。外装材は、紙系素材を有するブランク材から形成され、前記外周面との向き合い面側に突出し基端部と先端部を有する複数の凸部を有し、少なくとも一部の前記凸部は、前記紙系素材を構成する繊維の密度が前記基端部における前記密度よりも小さい低密度部を有し、且つ、前記低密度部よりも前記先端部に寄った位置に前記ブランク材の面方向に延び前記外周面の少なくとも一部を隠蔽する隠蔽部を形成している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体を有する容器の前記容器本体の外周面に取り付けられて用いられ、
紙系素材を有するブランク材から形成され、
前記外周面との向き合い面側に突出し基端部と先端部を有する複数の凸部を有し、
少なくとも一部の前記凸部は、前記紙系素材を構成する繊維の密度が前記基端部における前記密度よりも小さい低密度部を有し、且つ、前記低密度部よりも前記先端部に寄った位置に前記ブランク材の厚み方向を横切る方向に延び前記外周面の少なくとも一部を隠蔽する隠蔽部を形成している、
外装材。
【請求項2】
前記低密度部は、前記先端部から前記基端部に向かって前記紙系素材を構成する前記繊維の密度が小さくなる部分を有する、
請求項1に記載の外装材。
【請求項3】
前記低密度部が、前記凸部の前記先端部の周囲を取り巻くように形成されている、
請求項1または2に記載の外装材。
【請求項4】
前記低密度部は、前記基端部から前記先端部に向かって前記紙系素材を構成する前記繊維の密度が小さくなる部分を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項5】
前記低密度部では、前記先端部から前記基端部に向かって前記紙系素材を構成する前記繊維の密度が小さくなる部分と、前記基端部から前記先端部に向かって前記紙系素材を構成する前記繊維の密度が小さくなる部分がつながっている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項6】
前記凸部には、前記先端部と前記基端部の間にスリット部が形成されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項7】
前記先端部は、前記隠蔽部を兼ねている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項8】
前記先端部には、圧縮部が形成されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項9】
前記先端部に平坦面が形成されている、
請求項1から8のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項10】
前記凸部からなる第1の凸部と、
少なくとも異なる2つの前記第1の凸部をつなぐ第2の凸部と、を有し、
前記第2の凸部は、前記外周面との前記向き合い面側に突出しており、
前記第2の凸部の高さが、前記第1の凸部よりも低い、
請求項1から9のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項11】
前記第2の凸部は、隣り合う2つの前記第1の凸部をつないでおり、
前記第1の凸部及び該第1の凸部に繋がる前記第2の凸部の組み合わせで形成される組み合わせ構造部が連続的に形成されている、
請求項10に記載の外装材。
【請求項12】
前記外周面との非向き合い面側に、保護材が積層されている、
請求項1から11のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項13】
前記凸部は、凸状エンボス部である、
請求項1から12のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項14】
前記低密度部は、前記凸部の前記基端部から前記先端部まで間の位置に裂け目状に形成されている、
請求項1から13のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項15】
前記凸部は、前記外周面との非向き合い面側に凹面を形成している、
請求項1から14のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項16】
少なくとも一部の前記凸部は、接着剤を有する、
請求項1から15のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項17】
前記外周面に取り付けられるスリーブとして用いられる、
請求項1から16のいずれか1項に記載の外装材。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の外装材が、前記容器本体の前記外周面に取り付けられている、
容器。
【請求項19】
容器本体を有する容器と、
請求項1から17のいずれか1項に記載の外装材と、を有する、
容器と外装材の組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装材、容器、及び容器と外装材の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
容器に温度の高い内容物が収容された場合に容器の外周面の温度上昇のスピードを緩やかにすることが要請されている。また、容器に温度の低い内容物が収容された場合に容器の外周面の結露を抑制することが要請されている。これらのことから容器には、外周面の断熱性を高めることが要請されている。ここにいう内容物としては、例えば、コーヒーなどの飲料、麺類などの食品、及び氷などを具体的に挙げることができる。
【0003】
上記の要請に対して、特許文献1、2には、容器の外周面を取り巻くように外装材としてスリーブを設け、スリーブにおける外周面との向き合い面側に突出した凸部を設け、スリーブと容器の外周面との間に断熱性を向上させるための空間を形成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭50-031073号公報
【特許文献2】特表2014-513650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2に提案されているようなスリーブや、そのスリーブと同じ構造を有する容器では、内容物として温度の高いものを収容した場合に断熱性を十分に維持できる時間が短く、容器の外周面の温度上昇のスピードを緩やかにする点で改善の余地がある。例えば、容器に温度の高い内容物が収容された場合に容器の外周面の温度上昇のスピードが速ければ、容器の外周面を掴んだ状態を維持しながら容器を持ち運ぶことが難しい。仮に、容器を手に取ってその容器を持ち運ぶ場合には、例えば、容器の下端と上端に指をかけることで、指で容器を上下に挟んだ状態にて容器を持ち運ぶことが行われる。この場合、指が容器の上端にかかるため、容器の内容物が指に触れる可能性があり、指にやけどを生じる虞がある。
【0006】
また、特許文献1及び特許文献2に提示された技術では、内容物として温度の低いものを収容した場合に、容器の外周面に結露が生じるまでの時間が短い点で改善の余地がある。例えば、容器に温度の低い内容物が収容された場合に容器の外周面に結露がすぐに生じてしまうと、手で容器の外周面を掴んだ場合に手から容器がすべりおちてしまう虞がある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、断熱性に優れた外装材、容器及び容器と外装材の組み合わせを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、次の(1)から(19)にかかる発明を要旨とする。
(1)容器本体を有する容器の前記容器本体の外周面に取り付けられて用いられ、
紙系素材を有するブランク材から形成され、
前記外周面との向き合い面側に突出し基端部と先端部を有する複数の凸部を有し、
少なくとも一部の前記凸部は、前記紙系素材を構成する繊維の密度が前記基端部における前記密度よりも小さい低密度部を有し、且つ、前記低密度部よりも前記先端部に寄った位置に前記ブランク材の厚み方向を横切る方向に延び前記外周面の少なくとも一部を隠蔽する隠蔽部を形成している、
外装材、
(2)前記低密度部は、前記先端部から前記基端部に向かって前記紙系素材を構成する前記繊維の密度が小さくなる部分を有する、
上記(1)に記載の外装材、
(3)前記低密度部が、前記凸部の前記先端部の周囲を取り巻くように形成されている、
上記(1)または(2)に記載の外装材、
(4)前記低密度部は、前記基端部から前記先端部に向かって前記紙系素材を構成する前記繊維の密度が小さくなる部分を有する、
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の外装材、
(5)前記低密度部では、前記先端部から前記基端部に向かって前記紙系素材を構成する前記繊維の密度が小さくなる部分と、前記基端部から前記先端部に向かって前記紙系素材を構成する前記繊維の密度が小さくなる部分がつながっている、
上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の外装材、
(6)前記凸部には、前記先端部と前記基端部の間にスリット部が形成されている、
上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の外装材、
(7)前記先端部は、前記隠蔽部を兼ねている、
上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の外装材、
(8)前記先端部には、圧縮部が形成されている、
上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の外装材、
(9)前記先端部に平坦面が形成されている、
上記(1)から(8)のいずれか1つに記載の外装材、
(10)前記凸部からなる第1の凸部と、
少なくとも異なる2つの前記第1の凸部をつなぐ第2の凸部と、を有し、
前記第2の凸部は、前記外周面との前記向き合い面側に突出しており、
前記第2の凸部の高さが、前記第1の凸部よりも低い、
上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の外装材、
(11)前記第2の凸部は、隣り合う2つの前記第1の凸部をつないでおり、
前記第1の凸部及び該第1の凸部に繋がる前記第2の凸部の組み合わせで形成される組み合わせ構造部が連続的に形成されている、
上記(10)に記載の外装材、
(12)前記外周面との非向き合い面側に、保護材が積層されている、
上記(1)から(11)のいずれか1つに記載の外装材、
(13)前記凸部は、凸状エンボス部である、
上記(1)から(12)のいずれか1つに記載の外装材、
(14)前記低密度部は、前記凸部の前記基端部から前記先端部まで間の位置に裂け目状に形成されている、
上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の外装材、
(15)前記凸部は、前記外周面との非向き合い面側に凹面を形成している、
上記(1)から(14)のいずれか1つに記載の外装材、
(16)少なくとも一部の前記凸部は、接着剤を有する、
上記(1)から(15)のいずれか1つに記載の外装材、
(17)前記外周面に取り付けられるスリーブとして用いられる、
上記(1)から(16)のいずれか1つに記載の外装材、
(18)上記(1)から(17)のいずれか1つに記載の外装材が、前記容器本体の前記外周面に取り付けられている、
容器、
(19)容器本体を有する容器と、
上記(1)から(17)のいずれか1つに記載の外装材と、を有する、
容器と外装材の組み合わせ。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、断熱性に優れた外装材、容器及び容器と外装材の組み合わせを提供することができる。具体的に使用者が温度の高い内容物を収容した容器を手に取ってその容器を持ち運ぶ場合においても、例えば、指で容器を上下に挟んだ状態にて容器を持ち運ぶ必要性を低減することができることから、容器の内容物が指に触れる可能性を抑制することができ、高い温度の内容物で指にやけどを生じる虞も抑制することができる。
【0010】
また、本発明によれば、内容物として温度の低いものを収容した場合において、容器の外周面に結露が生じにくくなる。したがって、本発明によれば、例えば、容器に温度の低い内容物が収容された場合に手で容器の外周面を掴んだ場合に結露によって手から容器がすべりおちてしまうという虞を、抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施形態の一実施例を説明するための斜視図である
【
図2】
図2は、第1の実施形態の一実施例を説明するための断面図である
【
図3】
図3Aは、
図2の破線で示す領域XS1の拡大断面図であり、第1の実施形態の凸部の一実施例を説明するための拡大断面図である。
図3Bは、第1の実施形態の凸部の一実施例を説明するための拡大平面図である。
【
図4】
図4A、
図4B、
図4Cは、第1の実施形態の凸部の先端における繊維の交絡状態の一実施例を説明するための模式図である。また、
図4Aは、
図3の破線で示す領域XS2の拡大断面図である。
【
図5】
図5A、
図5Bは、第1の実施形態における外装材用ブランク材の一実施例を説明するための平面図である。
【
図7】
図7A、
図7Bは、第1の実施形態の凸部の一実施例を説明するための拡大断面図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の凸部の一実施例を説明するための拡大断面図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態の一実施例を説明するための斜視図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態の一実施例を説明するための断面図である。
【
図11】
図11Aは、第2の実施形態における外装材用ブランク材の平面図である。
図11Bは、第2の実施形態の第1の凸部と第2の凸部の一実施例を説明するための拡大平面図である。また、
図11Bは、
図11Aの2点鎖線で示す領域XS3の拡大断面図である。
【
図12】
図12Aは、第2の実施形態の第1の凸部と第2の凸部の一実施例を説明するための拡大断面図である。また、
図12Aは、
図11のD-D線縦断面の状態を示す拡大断面図である。
図12Bは、第2の実施形態の第2の凸部の一実施例を説明するための拡大断面図である。また、
図12Bは、
図11AのC-C線縦断面の状態を示す断面図である。
【
図13】
図13は、外装材がスリーブである場合の一実施例を説明するための斜視図である。
【
図14】
図14は、外装材がスリーブである場合の一実施例を説明するための斜視図である。
【
図15】
図15は、第3の実施形態の一実施例を説明するための断面図である。
【
図16】
図16は、外装材がスリーブである場合の一実施例を説明するための斜視図である。
【
図17】
図17は、第2の実施形態の変形例を説明するための平面図である。
【
図20】
図20は、第2の実施形態の変形例2における外装材用ブランク材の一実施例を説明するための平面図である。
【
図21】
図21は、第2の実施形態の変形例2における外装体の一実施例を説明するための斜視図である。
【
図22】
図22は、第1の実施形態の容器における作用及び効果を説明するための断面図である。
【
図24】
図24は、第1の実施形態の凸部の一実施例を説明するための拡大平面図である。
【
図25】
図25は、第1の実施形態の凸部の一実施例を説明するための拡大平面図である。
【
図26】
図26は、第1の実施形態の凸部の一実施例を説明するための拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明にかかる外装材及び容器について説明する。本発明にかかる容器は、外装材を容器本体に取り付けたものである。以下では、本発明にかかる外装材を取り付けられた本発明の容器について説明する。その本発明の容器の説明にあわせて本発明の外装材の詳細を説明する。
【0013】
以下では、本発明にかかる外装材を取り付けられた容器について、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態の順に図面を参照しながら説明する。また、外装材を用いた応用例についてもあわせて説明する。
【0014】
本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
以下の説明は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容は、これらの実施の形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して、前後、左右、上下等の方向及び水平面の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。
図1の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)であるものとし、Z軸方向を法線とする平面上に定められた互いに直交するX軸及びY軸に沿った方向をX軸方向及びY軸方向とし、さらにX軸とY軸で貼られた平面であるXY平面が水平面であるものとし、これらに基づき説明を行う。X軸、Y軸、Z軸については、
図1の他の図面についても同様である。
図1から
図26の各図に示す大きさ等の相対的な大小比率は便宜上の記載であり、実際の大小比率を限定するものではない。
【0016】
また、
図1、
図2において、後述する外装材3の面に沿った上下方向をP方向とし、外装材3の面に沿って上方向を+P方向、外装材3の面に沿った下方向を-P方向、とする。外装材3を形成する後述する紙系シート18の厚み方向をS方向とし、外装材3の厚み方向の中心位置から向き合い面3Aに向かう方向を+S方向とし、外装材3の厚み方向の中心位置から非向き合い面3Bに向かう方向を-S方向とする。P方向、+P方向、-P方向を説明する際に記載した上方向は、後述する容器1の開口部6側に向かう方向となっており、下方向は、容器1の底面部5側に向かう方向となっている。P方向、+P方向、-P方向、S方向、+S方向及び-S方向は、
図3から
図26について同様とする。
【0017】
[1 第1の実施形態]
[1-1 構成]
第1の実施形態にかかる容器1は、
図1、
図2に示すように、容器本体(以下単に、本体と呼ぶことがある)2と外装材3と、を備える。
図1は、第1の実施形態にかかる容器1の一実施例を説明するための斜視図である。
図2は、第1の実施形態にかかる容器1の一実施例について、
図1のA-A線縦断面の状態を説明するための断面図である。なお、
図1と
図2は、説明の便宜上、凸部9のレイアウトを完全には一致させていない。これは、
図9と
図10の関係についても同様である。
図10は、第2の実施形態にかかる容器1の一実施例について、
図9のB-B線縦断面の状態を説明するための断面図であるが、
図9と
図10について、説明の便宜上、凸部9のレイアウトは完全には一致されていない。
【0018】
(本体)
本体2は、その構造を特に限定されるものではないが、
図1、
図2の例では、側壁を形成する胴材4Aで形成された胴部4と、底面を形成する底面材5Aで形成された底面部5とを備える。本体2は、底面材5Aの周囲に胴材4Aを接合させている。本体2は、胴材4Aと底面材5Aとで内部に空間を形成しており、上端側を開口させた開口部6を形成した有底の構造を有する。開口部6は、その上端側の開口6Aと、開口部6の輪郭を形成する開口縁部6Bとを有する。本体2は、開口縁部6Bに対して蓋体(図示せず)を、適宜、装着されていてもよい。
【0019】
底面材5Aは、所定の原反材に対して打ち抜き加工等を施すことにより形成されたブランク材(底面材用ブランク材)を用いて製造することができる。胴材4Aは、底面材5Aと同様に、所定の原反材に対して打ち抜き加工等を施すことにより形成されたブランク材(胴材用ブランク材)を用いて製造することができる。胴材4Aは、環状に形成される。これは、胴材用ブランク材の環状に巻いた状態として胴材用ブランク材の両方の端部を接合することで形成することができる。
【0020】
また、本体2の形状は、特に限定されないが、
図1の例では、本体2のうち胴部4の形状を下方向(-Z方向)に先細りする内テーパー状とした形状に形成されている。なお、胴部4の形状は、上方向に先細りするテーパー状や、非テーパー形状(外径を一定とした筒状)であってもよい。
【0021】
(カール部)
本体2には、
図1の例に示すように、開口縁部6Bにカール部7が設けられていてもよい。カール部7は、胴材4Aの上端側を外向きに巻きまわすことで形成することができる巻回構造を有する部分である。カール部7が形成されていることで、容器1の平面視上、外装材3を胴部4の外周面(本体2の外周面2A)に取り付けた場合に外装材3の端面3Cがカール部で隠蔽された状態とすることができる。また、外装材3と本体2の外周面2Aとの間の空間(隙間27)がカール部で隠れた状態とすることができる。したがって、本体2内に内容物として液体が入れられた場合に、液体が外装材3と本体2の外周面2Aとの間の隙間27に入り込む虞を抑制することができる。
【0022】
ただし、
図1は、一例であり、
図18Aに示すようにカール部7が省略されていてもよい。また、
図18Bに示すように、カール部7に替えて折り返し部8が形成されていてもよい。折り返し部8は、胴材4Aの上端側を外向きに折り返すことで形成することができる。なお、
図18Bの折り返し部8は一例であり、折り返し部8は、胴材4Aの上端側を内向きに折り返すことで形成された構造であってもよい。
【0023】
容器1の材質は、特に限定されず、紙系素材、樹脂素材及び金属素材等を例示することができる。
【0024】
(外装材)
外装材3は、本体2の外周面2Aに取り付けられる。
図1、
図2の例では、本体2の外周面2Aは、容器1の側壁の外側面であり、胴材4Aの外周面となっている。また、この例では、外装材3は、本体2の外周面2Aをとり巻くように本体2の外周面2A上に取り付けられている。
【0025】
外装材3は、後述する紙系シート18の面に沿った上下方向(P方向)の幅を限定されない。したがって、外装材3は、本体2の外周面2Aを被覆する上下方向の範囲を特に限定されない。
図1、
図2の例では、外装材3は、カール部7の下端から、本体2の底面部5の位置まで本体2の外周面2Aを被覆している。ただし、これは一例であり、外装材3は、本体2の外周面2Aの全面を被覆してもよいし、本体2の外周面2Aの一部を被覆してもよい。
【0026】
(外装材の形状)
外装材3の形状は、特に限定されないが、本体2の外周面2Aの形状に対応した形状であることが好ましい。
図1、
図2の例では、外装材3は、環状の筒型に形成されており、且つ、下側に向かって先細りしたテーパー状に形成されている。このような外装材3は、ブランク材30(外装材用ブランク材)を本体2の外周面2Aの形状に対応した形状にすることで形成することができる。また、ブランク材30を本体2の外周面2Aの形状に巻きまわすことで外装材3の形状としてもよい。ブランク材30は、外装材3を形成する紙系材料を用いて形成されたものである。
図1の例では、ブランク材30は、後述するように、
図5Aに示すようなアーチ型に形成されたエンボスシートとなっている。
図5Aは、
図1、
図2の容器1の例に取り付けられている外装材3を形成するブランク材30の例を示す平面図である。
図5Aにおいて、矢印Pは、ブランク材30を形成する扇形の径方向を示し、ブランク材30を外装材3とした場合に外装材3の下から上に向かう方向となる。このことは、
図11A、
図17、
図20においても同様である。
【0027】
(外装材の本体への取り付け状態)
外装材3は、本体2の外周面2Aに取り付けられていれば、着脱自在に取り付けられてもよいし、固定されてもよい。
図1の例では、外装材3は、本体2の外周面2Aに固定されている。この場合、外装材3は、本体2の外周面2Aに対して部分的に接合されている。例えば、
図1の例では、異なる2か所で上下方向にのびる線状の接合部11で、外装材における外周面2Aとの向き合い面3Aと本体2の外周面2Aとが相互に固定されている。なお、接合部11は、この例に限定されず、点状でもよい。接合部11は、本発明の効果を完全に失わせない程度の面積を有する面状に形成されてもよい。
【0028】
外装材3が本体2に対して着脱自在に取り付けられている場合としては、後述するように外装材3がスリーブとして用いられている場合を例示することができる。
【0029】
(外装材の材質)
外装材3は、紙系素材を用いて形成されていることが好適である。紙系素材としては、植物繊維、その他の繊維を膠着させて製造される、いわゆる紙類の他、化学繊維紙、合成紙、耐水紙、コート紙、代替紙、羊皮紙、羊毛紙、ガラス繊維紙、ストーンペーパー、陶紙等が挙げられる。紙系素材は、再生紙であってもよいし、非再生紙であってもよい。なお、外装材3の材質として、繊維素材を有するものが使用されていれば、非紙系素材が用いられることを禁止するものではない。非紙系素材としては、布巾系素材(織布素材や不織布素材)等を挙げることができる。不織布素材としては、例えば、空気流によって積繊した粉砕パルプを結合してシート状に形成したいわゆるエアレイドシート、パルプ系素材、天然繊維素材や合成繊維等の繊維の不織布を挙げることができる。外装材3の材質として、紙系素材と非紙系素材とを組み合わせたものを用いることも可能である。
【0030】
(凸部)
外装材3は、複数の凸部9を有する。凸部9は、外装材3の面のうち外周面2Aとの向き合い面3A側に突出している。凸部9は、基端部9Bと先端部9Aを有している。凸部9のうち少なくとも一部の凸部9の先端部9Aは、外周面2Aに接している。なお、全ての凸部9の先端部9Aが外周面2Aに接していてもよい。
【0031】
(凸部のピッチ)
凸部9のピッチPIは、特に限定されないが、凸部9の基端部9Bの外径(直径)よりも大きいことが好ましい。
図5Aの例に示すように、凸部9のピッチPIは、隣り合う凸部9の中心間距離を示すものとする。凸部9のピッチPIが大きいことで隣り合う凸部9の間がやや離れた状態を形成することができる。また、凸部9の間がやや離れた状態となっている場合、外装材3の製造工程上、後述する低密度部12を形成することが容易となる。また、隣り合う凸部9のピッチは、
図6A、
図6Bに示すように一定であってもよいし、
図5A、
図5B、
図6Cに示すように均一でなくてもよい。
図6A、
図6Bは、凸部9のレイアウトの一実施例を示す図である。
図6Aでは、凸部9がピッチの均一な格子状に配置されており、
図6Bでは、凸部9がピッチの均一な千鳥状に配置されている。
図6Cでは、凸部9のピッチ及び配置が不規則な状態で形成されている。凸部9のピッチは、隣り合う凸部9の中心間の距離を示す。
【0032】
(凸部のレイアウト)
凸部9のレイアウトは、特に限定されるものではないが、
図1や
図2の例に示すように、少なくとも一部の凸部9について、それぞれの凸部9を分散させたレイアウトであることが好ましい。例えば、
図1、
図2の例では、隣り合う凸部9の基端部9Bが離れているように、凸部9が互いに分散した状態で複数の凸部9が配置されている。また、
図1、
図2の例では、凸部9のレイアウトは、外装材3を本体2に取り付けられた状態で、本体2の外周面2Aの周方向に隣り合う凸部9のピッチPIが一定となるように凸部9が並んで凸部横列13が形成され、凸部横列13が、上下方向に複数配置されたレイアウトとなっている。また、上側(+P方向側)に配置された凸部横列13を形成する凸部9のピッチが下側(-P方向側)に配置された凸部横列13を形成する凸部9のピッチよりも大きくなっている。このような凸部9のレイアウトでは、凸部9がらせん状に並ぶ螺旋列14を複数形成するように凸部9が配置されている。また、この凸部9のレイアウトは、外装材3を展開したブランク材30の状態では、
図5Aに示すように、ブランク材30の周方向(矢印T方向)に沿って凸部9が並び、矢印P方向に+P方向におけるT方向に隣り合う凸部9のピッチPIが、-P方向におけるT方向に隣り合う凸部9のピッチPIよりも大きい。
図5Aでは、矢印P方向に凸部9が整列されていないが、
図5Bに示すように、凸部9が、矢印P方向に整列されていてもよい。
【0033】
(凸部の形状)
凸部9の凸面90の形状は、
図1、
図2の例では、
図3A、
図3Bに示すように、略ドーム状に形成された主隆起部9Cの先端側に隆起した部分(副隆起部9Dと呼ぶことがある)を有する形状となっている。ただし、
図3A、
図3Bは、凸部9の一実施例を示す断面図と平面図である。
図3Aは、
図2の破線で囲まれた領域XS1における凸部9の拡大断面図となっている。なお、
図3A、
図3Bに示す凸部9は、一例であり、凸部9の形状を限定するものではない。例えば、凸部9の主隆起部9Cの形状は、三角錐状や四角錐状などの垂形状、円錐台状、柱状等であってもよい。また、副隆起部9Dは、主隆起部9Cの形状が、三角錐状や四角錐状などの垂形状、円錐台状、柱状等である場合も凸部9の先端側に形成されてよい。副隆起部9Dの形状は、
図1の例では円盤状となっているが、これは一例であり、
図3A、
図3Bの形状に限定されるものではない。
【0034】
(基端部)
凸部9の基端部9Bは、凸部9の外側に形成される周辺部15から凸部9が立ち上がる部分で構成されている。周辺部15は、隣り合う凸部9の間に形成される。
【0035】
(先端部)
凸部9の先端部9Aは、凸部9の先端を含む所定の部分として定義することができる。
図3A、
図3Bの例では、凸部9の副隆起部9Dの中心を含む所定の部分(副隆起部9Dの前面部9D1)が凸部9の先端部9Aとなっている。なお、凸部9に副隆起部9Dが形成されていない場合には、凸部9の主隆起部9Cの先端及びその近傍の部分が凸部9の先端部9Aとして定められる。
【0036】
(圧縮部)
凸部9の先端部9Aの構成は、特に限定されるものでないが、先端部9Aには、圧縮部16が形成されていることが好ましい。圧縮部16は、基端部9Bよりもブランク材30を形成するための紙系シート18の圧縮率が高い部分である。
図3A、
図3Bの例では、凸部9の全体のうち基端部9Bと低密度部12を除く部分が圧縮部16となっている。したがって、この例において、圧縮部16が少なくとも先端部9Aには形成されている。少なくとも先端部9Aに圧縮部16が形成されていると、凸部9の少なくとも先端部9Aにコシがある状態が形成され、先端部9Aを本体2の外周面2Aに接触させた状態で凸部9の形状が崩れにくくなり、凸部9の形状が崩れて凸部9と本体2の外周面2Aとの接触面積が必要以上に増加してしまう虞を低減することができる。
【0037】
(圧縮部の厚み)
圧縮部16の厚みは、基端部9Bの厚みよりも薄いことが好ましい。このような構成は、後述する外装材3を形成する紙系シート18にエンボス加工を施す際に、圧縮部16に対応する部分が基端部9Bに対応する部分よりも高い所定の圧力で押圧されることで、実現することができる。
【0038】
(平坦面)
図3A、
図3Bの例に示すように、凸部9の先端部9Aに平坦面17Aが形成されていることが好適である。先端部9Aに平坦面17Aが形成されている場合、外装材3を本体2の外周面2Aに取り付けた場合に、先端部9Aで本体2の外周面2Aに接触した状態を安定的に形成することが容易となる。ただし、このことは、外装材3において凸部9の先端部9Aが平坦面17Aである場合に限定するものではない。外装材3における凸部9の先端部9Aが、
図7Aに示すように凹面17Bを有してもよいし、
図7Bに示すように凸面17Cを有してもよい。
図7A、
図7Bは、凸部9の一実施例を示す断面図である。
【0039】
(スリット状構造部)
先端部9Aには、スリット状構造部35が形成されていてもよい。スリット状構造部35は、紙系シート18に対して該紙系シート18の面方向に引っ張り力を付加された場合に紙系シート18を構成する繊維18Aの一部の切断等で形成される。なお、スリット状構造部35は、紙系シート18に対して該紙系シート18の面方向に引っ張り力を付加された場合にスリット状構造部35の輪郭形状の変化を規制される程度に繊維18が存在する部分、となっている。スリット状構造部35は、
図26に示すように、後述する低密度部12に繋がっていてもよい。なお、
図26では、スリット状構造部35が先端部9Aを横断するように直線状に形成されているが、スリット状構造部35の形状はこれに限定されない。
【0040】
(低密度部)
複数の凸部9のうち少なくとも一部の凸部9は、
図3A、
図3B、
図4A、
図24に示すように、低密度部12を有する。低密度部12は、紙系素材を形成する繊維18Aの密度(繊維密度)が基端部9Bにおける繊維18Aの密度(繊維密度)よりも小さい部分として定めることができる。紙系素材を形成する繊維18Aの密度は、外装材3を形成した状態における紙系シート18を構成する繊維18Aの密度を示す。
図4Aは、低密度部12の構成の一例を説明するための断面図である。
図4Aは、
図3Aの破線で囲まれた領域XS2の拡大断面図となっている。
図24は、凸部9の一実施例を示す。
低密度部12は、凸部9の凸面90に沿って基端部9Bと先端部9Aの間の位置に形成されている。
図3A、
図4Aの例では、低密度部12は、凸部9の凸面90に沿って先端部9Aの外周縁よりも基端部9B側の位置に形成されており、すなわち副隆起部9Dの側面部9D2に形成されている。
【0041】
低密度部12は、先端部9Aにおける繊維18Aの密度(繊維密度)よりも密度が小さい部分であることが好ましい。また、低密度部12は、周辺部15における繊維18Aの密度よりも密度が小さいことが好ましい。ただし、低密度部12は、複数の繊維18Aが存在する部分であるものとする。なお、低密度部12は、スリット状構造部35と同様に、紙系シート18に対して該紙系シート18の面方向に引っ張り力を付加された場合に低密度部12の輪郭形状の変化を規制される程度に繊維18が存在する部分、となっていることが好適である。また、低密度部12は、低密度部12の輪郭位置近傍の繊維18Aを凸部9の凸面90から外側に向かって変位させることを規制する程度に繊維18Aが存在する部分、となっていることが好適である。
【0042】
低密度部12は、凸部9の先端部9Aの周囲を取り巻くように形成されていることが好しい。
図3Bの例では、低密度部12が、外装材3のブランク材30における平面視上、凸部9の先端部9Aの全周囲を取り巻くように形成されている。例えば、
図24に示すように、凸部9において、低密度部12が先端部9Aの周囲に形成されてよい。ただし、このことは、低密度部12が、凸部9の先端部9Aの周囲の一部に形成されていることを禁止するものではない。また、低密度部12は、凸部9の凸面90に沿って互いに異なる位置に形成されてよい。例えば、複数の低密度部12が、
図25に例示するように、凸部9の先端部9Aに近い位置と基端部9Bに近い位置に離れて形成されてもよい。また、低密度部12は、
図4Aの例に限られず、例えば、
図4Cに示すように、隠蔽部21の少なくとも一部にオーバーラップしてもよい。
【0043】
(繊維密度)
繊維密度(繊維18Aの密度)は、緊度を示すものとする。繊維密度は、例えば、凸部9の所定部分を切り出して切り出された部分における坪量と厚みを測定し、坪量を厚みで除してられた値(坪量/厚み)に基づき特定することができる。
【0044】
切り出された部分については、特定しようとする部分に応じて定めることができる。例えば、基端部9Bの繊維18Aの密度は、基端部9Bから任意に選択された複数個所における所定の部分を切り出し、その切り出された部分における繊維18Aの密度の算術平均値として定めることができる。先端部9Aの繊維18Aの密度は、先端部9Aを切り出し、その切り出された部分における繊維18Aの密度として定めることができる。また、周辺部15の繊維18Aの密度は、周辺部15から任意に選択された複数個所における所定の部分を切り出し、その切り出された部分における繊維18Aの密度の算術平均値として定めることができる。ただし、ここに記載する繊維密度の特定方法は、一例であり、他の方法を用いられることを禁止するものではない。上記の他にも、光透過率の測定等を特定方法として繊維密度が小さくなることが特定されてもよい。また、画像解析装置を用いて繊維密度が特定されてもよい。
【0045】
(低密度部の形状)
低密度部12の形状は、特に限定されないが、
図3Bでは、凸部9の基端部9Bから先端部9Aまで間の位置に裂け目状に形成されている。なお、低密度部12が裂け目状に形成されているとは、繊維18Aの切断やほぐれた状態が形成されながらも繊維シート18の目視外観上として繊維シート18が連続しているような状態の部分が線状に延びていることを示す。この場合、線状には、直線状、折れ線状及び曲線状、それらの組み合わせが含まれる。
【0046】
(第1の部分)
低密度部12は、第1の部分19を有することが好ましい。低密度部12における第1の部分19は、先端部9Aから基端部9Bに向かって凸部9を形成する紙系素材を構成する繊維18Aの密度(繊維密度)が小さくなる部分として定義される。
図4Aの例では、第1の部分19は、低密度部12のうち先端部9Aに近い端部12A側の位置に形成されている。
【0047】
繊維密度が小さくなることは、例えば、第1の部分19を複数の区画に均等寸法に分割して各区画における密度を定め、それらの区画のうち、先端部9Aに近い区画における密度と、基端部9Bに近い位置における密度を対比することで特定することができる。
【0048】
(第2の部分)
低密度部12は、第2の部分20を有することが好ましい。低密度部12における第2の部分20は、基端部9Bから先端部9Aに向かって凸部9を形成する紙系素材を構成する繊維18Aの繊維密度が小さくなる部分として定義される。
図4の例では、低密度部12のうち基端部9Bに近い端部12B側の位置に形成されている。
【0049】
第2の部分20について繊維密度が小さくなることは、例えば、第1の部分19と同様にして特定することができる。
【0050】
(第1の部分と第2の部分の位置関係)
低密度部12は、第1の部分19と第2の部分20とがつながるように形成されていることが好ましい。すなわち、低密度部12では、先端部9Aから基端部9Bに向かって紙系素材を構成する繊維18Aの繊維密度が小さくなる部分と、基端部9Bから先端部9Aに向かって紙系素材を構成する繊維18Aの繊維密度が小さくなる部分がつながっていることが好ましい。
【0051】
なお、低密度部12には、第1の部分19と第2の部分20の間に、繊維密度がおおむね一定である部分が介在してもよい。繊維密度がおおむね一定である部分には、繊維密度が均一である場合のほか、第1の部分19と第2の部分20よりも繊維密度のばらつきが小さい部分が含まれる。
【0052】
(非向き合い面)
外装材3において、外周面2Aとの非向き合い面3B側には、
図2、
図3A、
図3Bの例では、凸部9の凸面90に対応した部分(裏面側)に凹面91が形成されている。凹面91は、凸部9の凸面90に対応した形状に形成されてよい。したがって、外装材3において外周面2Aとの非向き合い面3Bには、複数の凹面91の形成領域が形成されている。複数の凹面91の形成領域のレイアウトやピッチは、凸部9のレイアウトやピッチに対応している。ただし、これは非向き合い面3Bの一例であり、非向き合い面3Bに、凸状の構造が形成されてもよい。
【0053】
(隠蔽部)
凸部9には、隠蔽部21が形成されている。隠蔽部21は、外装材3を本体2の外周面2A上に取り付けた状態で外周面2Aの少なくとも一部を隠蔽する。ここに、隠蔽部21には、外周面2Aを外部から完全に隠蔽するように形成されている場合のほか、隠蔽部21を介して外側から外周面2Aの一部又は全部が透けて見えるように形成されている場合も含まれるものとする。隠蔽部21は、外装材3を形成するブランク材30をみた場合においてブランク材30の厚み方向を横切る方向に(
図3AにおいてはS方向に交差する方向)に延びるように形成されている。隠蔽部21について、ブランク材30の面方向に延びる場合には、ブランク材30の面方向に平行に延びる場合のほか、ブランク材30の面方向に平行な平面に対して斜めに交差する方向に延びる場合、これらの場合の組み合わせが含まれる。したがって、隠蔽部21は、所定の位置を基準として湾曲や屈曲しながら全体としてブランク材30の面方向に延びた形状に形成されていてよい。
【0054】
凸部9において、隠蔽部21は、低密度部12よりも先端部9Aに寄った位置に形成されている。隠蔽部21は、凸部9のうち先端部9Aの少なくとも一部を含む部分に形成されてよい。また、先端部9Aが隠蔽部21を兼ねてよい。隠蔽部21が先端部9Aを含む部分に形成されてよい。隠蔽部21が先端部9Aを含む部分として形成されてよい。
図3A、
図3Bの例では、先端部9Aが隠蔽部21を兼ねている。なお、先端部9Aが隠蔽部21を含む場合には、先端部9Aに隙間や孔が形成されることで先端部9Aが隠蔽部21のほかに隙間や孔の構成を有する場合が、含まれる。
【0055】
(凸部の形成)
凸部9は、外装材3を形成するシート材(紙系シート18)にエンボス加工を施すことによって形成することができる。この場合、凸部9は、凸状エンボス部として形成され、向き合い面3A側に凸面90を形成し、凸面90の形成部分に対応する非向き合い面3B側の位置には、凹面91が形成されている。凹面91は、凸面90に対応した形状に形成されてよい。
【0056】
外装材3を形成するシート材は、紙系素材を用いたシート(紙系シート18)であり且つ凸部9を形成することができるものであれば特に限定されず、表面の平坦なシートであってもよいし、表面の非平坦なシートであってもよい。表面の非平坦なシートの例としては、表面に微細な波面(凸部9(後述する第2の実施形態では第1の凸部22と第2の凸部23)よりも小さな高さの波面)を形成したシートを例示することができる。
【0057】
[1-2 製造方法]
次に、第1の実施形態にかかる容器1の製造方法について述べる。
【0058】
(本体の製造工程)
容器本体(本体2)の製造工程は、本体2の材質に応じた材料で形成されたブランク材(本体用ブランク材)を加工する方法や、本体2の材質に応じた材料を含む原料組成物を成形する方法等で形成することができる。本体用ブランク材を加工する方法では、例えば、本体が紙系素材で形成されている場合、胴材4Aの形成用に用いられるアーチ型(扇型)形状の胴材用ブランク材と、底面材5Aの形成用に用いられる円形状の底面材用ブランク材を準備する。アーチ型の胴材用ブランク材を巻いて巻き端を固定することで胴材4Aが形成される。円形状の底面材用ブランク材の外周端からやや内側までの所定部分が下側に折り曲げ加工されることで底面材用ブランク材の外周部に下垂部が形成される。これにより底面材5Aが形成される。底面材5Aの周囲を取り巻くように胴材4Aを配置し、胴材4Aの下端を底面材5Aの下垂部の内面側に織り込み、胴材4Aと底面材5Aを互いに固定する。これにより胴部4と底面部5が形成され、本体2が形成される。なお、必要に応じて本体2の上端側を外側に巻きまわしてカール部7を形成してもよい。
【0059】
(外装材の製造工程)
外装材3を形成する紙系素材のシート(紙系シート18と呼ぶ)を準備する。この紙系シート18にエンボス加工を施すことで紙系シート18に凸部9の構造を形成することができる。このとき凸部9の低密度部12は、エンボス加工の条件や金型の形状などの各種の条件を設定することで形成することができる。低密度部12は、エンボス加工時に、紙系シート18を構成する繊維18Aを凸部9内の所定部分で局所的にほぐれさせることや、凸部9内の所定部分で局所的に繊維18Aの切断を生じさせることで形成することができる。たとえばエンボス加工の工程において、紙系シート18の凸部9の先端部9Aに対応する部分が穿孔される前にエンボス型に挟まれ、さらに紙系シート18がエンボス型で押圧されることで、凸部9に対応する部分における先端部9Aよりも基端部9B側の所定位置で繊維18Aの少なくとも一部でほぐれや破壊を生じさせ、低密度部12を生じさせることが可能である。このとき、エンボス型において凸部9の先端部9Aの近傍に対応する部分が紙系シート18と面接触することで、低密度部12を生じさせる際に先端部9Aを穿孔されることを抑制するとともに隠蔽部21を形成することができる。隠蔽部21は、好ましくは、先端部9Aの少なくとも一部を含む部分に形成される。そして、エンボス加工を施された紙系シート18(エンボスシート)は、外装材3の形状に応じた形状に切断される。これにより、外装材3を形成するためのブランク材30(外装材用ブランク材)が形成される。
図1に示す容器1の例では、ブランク材30は、
図5Aに示すように、アーチ型(扇型)形状に形成される。
【0060】
ブランク材30をそのまま外装材3として用いてもよいし、ブランク材30を筒形にしたものを外装材3として用いてもよい。容器1と外装材3の組み合わせとして使用者に提供されてよい。この場合、容器1の使用時に、使用者が適宜本体2の外周面2A上に外装材3を巻き付けた状態としてもよい。また、次に述べるように、本体2の外周面2Aに外装材3を取り付けた状態で、容器(外装材付き容器)として使用者に提供されてもよい。
【0061】
(外装材の容器への取り付け)
ブランク材30を本体2の外周面2Aに巻き付ける。このとき、ブランク材30の凸部9の凸面90が本体2の外周面2Aに向い合せに配置される。本体2にブランク材30を巻きまわした状態でブランク材30の巻き方向に離間した両端30A、30Bと本体を固定することで接合部11が形成される。さらに、その接合部11に対して本体2の中心を軸とした180℃回転対称位置に、さらにブランク材30と本体2との接合部11が形成される。いずれの接合部11も上下方向に延びる線状に形成されている。こうして容器1が製造される。
【0062】
[1-3 作用及び効果]
第1の実施形態にかかる容器1によれば、外装材3に複数の凸部9が形成されており、凸部9の先端部9Aが本体2の外周面2Aに向かい合っている。凸部9には低密度部12が形成されている。これにより、容器1内に温度の高い内容物が収容された場合に、本体2の胴部4から凸部9の先端部9Aに熱が伝達されたとしても、先端部9Aから凸部9の基端部9Bまでの間に低密度部12が形成されているため、先端部9Aの熱が繊維18Aを介して凸部9の基端部9Bまで繊維シート18を伝って到達しにくくなる。また、本体2に対して先端部9Aが接触するため、外装材3と本体2との接触面積が小さい。これにより、本体2から外装材3に熱が伝達されにくい。また、凸部9は、本体2と外装材3との間に隙間27を形成するためのスペーサとして機能することができる。これにより、本体2と外装材3との隙間27で空気層が形成され、空気層によっても熱伝導の抑制効果を得ることができる。
【0063】
また、第1の実施形態に用いられる外装材3においては、低密度部12が隠蔽部21よりも基端部9B側に形成されるため、低密度部12の少なくとも一部を本体2の外周面2Aに接触させずに、低密度部12の一部を隙間27に向けた状態とすることができる。容器1において隙間27の空気層が温められた場合に、
図22に示すように、低密度部12の部分で、外装材3に低密度部12から外部にむけた方向(矢印AR1方向)に徐々に拡散させることができ、温められた空気層に含まれる空気を徐々に外部に放出させることができる。これによっても、外装材3の温度の上昇を抑制することができると考えられる。なお、
図22は、外装体3の凸部9と容器1の本体2との接触した状態を説明するための断面図である。また、低密度部12の少なくとも一部を本体2の外周面2Aに接触させることを抑制できることで、外装材3の外側から本体2に向かって押圧力がかかっても、低密度部12の繊維18が容器1に広範囲に接触することを抑制することができ、外装体3の厚み方向に見た場合に内側に位置する繊維18と本体2との接触面積を低減することができる。
【0064】
さらに、容器1内に温度の低い内容物(冷たい内容物)が収容された場合に、本体2の胴部4により凸部9の先端部9Aが冷却されたとしても、先端部9Aから凸部9の基端部9Bまでの間に低密度部12が形成されるため、先端部9Aの冷却が繊維18Aを介して凸部9の基端部9Bまで波及にくくなる。また、本体2に対して外装材3の凸部9の先端部9Aが接触するため、外装材3と本体2との接触面積が小さい。これにより、外装材3が冷えにくい。また、本体2と外装材3との隙間27で形成された空気層による断熱効果によっても外装材3が冷えにくくなる。このため、外装材3の表面(本体の外周面との非向き合い面)に結露が生じにくくなる。
【0065】
[1-4 変形例]
次に変形例について詳細に説明する。
【0066】
(変形例1)
第1に実施形態の説明では、凸部9は、副隆起部9Dを有していたが、凸部9においては、
図8に示すように副隆起部9Dは省略されてもよい(変形例1)。
図8は、変形例1にかかる容器1の凸部9の例を示す断面図である。変形例1は、凸部9において副隆起部9Dが省略されている他の構成については、上記した第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0067】
変形例1においては、主隆起部9Cが凸部9を形成する。また、先端部9Aは、主隆起部9Cの突端を含む所定の範囲に形成されている。
図8の例では、先端部9Aを含む部分が隠蔽部21となっており、隠蔽部21の周囲に低密度部12が形成されている。
【0068】
(変形例2)
第1の実施形態にかかる容器1において、外装材3は、凸部9の先端部9Aよりも基端部9B側にスリット部34が形成されてもよい(変形例2)。
【0069】
(スリット部)
第1の実施形態の変形例2において、スリット部34は、凸部9の低密度部12よりも基端部9B側に形成されてもよいし、低密度部12に交差してもよいし、低密度部12よりも先端部9A側に形成されてもよい。また、スリット部34は、低密度部12に合流するように形成されていてもよい。スリット部34が低密度部12の形成領域内にあってもよい。
【0070】
(スリット部の形成方法)
凸部9がエンボス加工で形成される場合に、紙系シート18のうち凸部9に対応する部分で複数の繊維18Aに破断を生じさせるように紙系シート18を押圧し、破断した繊維18Aの少なくとも一部を互いに離間させる。このとき、凸部9に対応する部分において繊維18Aに破断を生じた部分のうち、先端部9Aよりも基端部9B側の紙系シート18の一部を破断させる。紙系シート18の破断に至らない部分は、低密度部12を形成する。これにより、凸部9にスリット部34が形成される。
【0071】
[2 第2の実施形態]
第2の実施形態にかかる容器について説明する。
【0072】
[2-1 構成]
第2の実施形態にかかる容器1は、
図9から
図12に示すように、第1の凸部22として、第1の実施形態における凸部9を有する。また、第2の実施形態においては、外装材は、後述する第2の凸部23を有する。第2の実施形態は、第1の凸部22と第2の凸部23を除く他の構成については、第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
図9は、第2の実施形態にかかる容器1の一実施例を示す斜視図である。
図10は、第2の実施形態にかかる容器1について、
図9のB-B線断面に対応する一実施例を示す断面図が示されている。なお、
図9と
図10は、説明の便宜上、第1の凸部22と第2の凸部23のレイアウトを完全には一致させていない。
図11Aは、外装材3を形成するブランク材31の一例を示す平面図である、
図11Bは、第1の凸部22と第2の凸部23の一例を説明するための平面図である。
図12Aは、第1の凸部22と第2の凸部23の一例を説明するための断面図である。
図12Bは、第2の凸部23の一例を説明するための断面図である。
【0073】
(第1の凸部)
第1の凸部22は、
図9、
図10に示すように、第2の凸部23とつながっている他は、上記したように第1の実施形態における凸部9と同様に構成される。なお、
図9、
図10において、符号92Aは、第1の凸部22の凸面を示し、符号92Bは、第1の凸部22の凹面を示す。符号22Aは、第1の凸部22の先端部、符号22Bは、第1の凸部の基端部を示す。
【0074】
(第2の凸部)
外装材3は、第2の凸部23を複数有する。第2の凸部23は、第1の凸部と同じく、外周面2Aとの向き合い面3A側に突出している。第2の凸部は、
図9、
図11Bに示すように、少なくとも異なる2つの第1の凸部22をつなぐように形成されている。
図9、
図11Bの例では、隣接する2つの異なる第1の凸部22を繋ぐように形成される。なお、
図9、
図10において、符号93Aは、第2の凸部23の凸面を示し、符号93Bは、第2の凸部23の凹面を示す。符号23Aは、第2の凸部23の先端部、符号23Bは、第2の凸部の基端部を示す。
【0075】
ここに、1つの第1の凸部22に対して隣接する第1の凸部22は、
図11Aに示すような外装材3を平面に展開してブランク材31とした状態において、その1つの第1の凸部22に対して直接的に向かい合う第1の凸部22を示す。
図11Aは、ブランク材31の例を示す平面図である。なお、ブランク材31は、第1の実施形態の説明で示すブランク材30と同様にエンボスシートである。ブランク材31は、第1の凸部22と第2の凸部23を形成している他については、ブランク材30と同様でよい。
【0076】
(第2の凸部の形状)
第2の凸部23の形状は、
図9、
図10、
図11A、
図11Bの例では、
図12Bに示すように、断面山形状に形成されている。
図12Bは、
図11AのC-C線縦断面の状態を示しており、第2の凸部23の一実施例を示す断面図である。なお、第2の凸部23の形状は、
図12Bの例に限定されず、その他の形状であってもよい。例えば、第2の凸部23の形状は、断面U字状でもよいし、断面矩形状でも、断面台形状でも、不定形でもよい。ただし、外装材3の形状安定化とエンボス加工の容易性や意匠性の観点からは、第2の凸部23の形状は、断面山形状であることが好ましい。
【0077】
(第2の凸部の高さ)
第2の凸部23の高さ(H2)は、
図12Aに示すように、第1の凸部22の高さ(H1)よりも低くなるように形成される。これにより、外装材3を本体2の外周面2Aに取り付けた場合に、第1の凸部22の先端部9Aが本体2に接した状態とし、且つ、第2の凸部23が本体2の外周面2Aから離間した状態とすることができる。このように第2の凸部23の高さが第1の凸部22よりも低くなるように形成されていることで、外装材3と本体2の外周面2Aとの接触面積が過剰に増える虞を抑制することができ、外装材3の断熱性を保持することができる。
図12Aにおいては、外装材3を本体2の外周面2Aに取り付けた状態を想定した場合における本体2の外周面2Aの位置を破線で示す。
【0078】
(組み合わせ構造部)
上記したように外装材3には、
図9、
図10に示すように、第1の凸部22と第2の凸部23が形成されているため、組み合わせ構造部24が形成される。組み合わせ構造部24は、第1の凸部22及びその第1の凸部22に繋がる第2の凸部23の組み合わせで形成される構造単位を示すものとする。
【0079】
図9、
図10、
図11Aの例では、複数の組み合わせ構造部24が連続的に(連結して)形成されている。特に、
図11の例では、複数の組み合わせ構造部24が連続的に並んだ構造が、ブランク材31を外装材3とした場合に外装材3の上端から下端に向かう方向となる矢印P方向を、斜めに横切るように形成されている。
図11の例は一例であり、組み合わせ構造部24のレイアウトはこの例に限定されない。例えば、複数の組み合わせ構造部24が連続的に並んだ構造が矢印P方向に平行に形成されてもよい。また、組み合わせ構造部24は、不連続に形成されてもよい。
【0080】
(第1の凸部と第2の凸部の形成)
第1の凸部22は、第1の実施形態における凸部9と同様に、エンボス加工によるエンボス部(第1の凸状エンボス部)として形成することができる。第2の凸部23は、エンボス加工によって形成されたエンボス部(第2の凸状エンボス部)として形成することができる。第2の凸部23は、第1の凸部22をエンボス加工で形成する際に、第1の凸部22と一体的に形成されてよい。また、第1の凸部22と第2の凸部23は、個別にエンボス加工されてもよい。
【0081】
[2-2 作用及び効果]
第2の実施形態にかかる容器1によれば、第1の凸部22が形成されていることで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0082】
第2の実施形態にかかる容器1によれば、第2の凸部23が形成されていることで、外装材3の形状を安定化させることができる。第2の実施形態にかかる容器1によれば、外装材3の非向き合い面3B側から向き合い面3A側に向かって力が加えられても、第2の凸部23が形成されていることで、外装材3は向き合い面3A側をさらに突出させるような変形を生じにくくなっており、外装材3の周辺部15が本体2の外周面2Aに接触する虞を抑制することができる。ところで、第2の凸部23は、向き合い面3A側に突出している。したがって第2の凸部23の形成位置では、第2の凸部23を形成していない場合に比べて、外装材3と外周面2Aとの離間距離が小さくなる。しかしながら、第2の実施形態では、第2の凸部23は、2つの異なる第1の凸部22を繋ぐように形成されている。このため、外装材3が変形しにくくなり、周辺部15が外周面2Aに接触する虞が抑制されることとなる。
【0083】
[2-3 変形例]
(変形例1)
第2の実施形態においては、第2の凸部23のレイアウトは、上記したようなレイアウトに限定されず、
図17の例に示すように、複数の第2の凸部23が一つの文字や絵柄を表示するように、第2の凸部23のレイアウトが定められていてもよい(この形態を、第2の実施形態の変形例1と呼ぶ)。
図17は、第2の実施形態の変形例にかかる容器1の外装材3に形成された第2の凸部23のレイアウトの一実施例を示す図である。
図17の例ではアルファベットの大文字でAの文字となるように第2の凸部23のレイアウトが定められている。
【0084】
(変形例2)
第2の実施形態においては、第1の凸部22と第2の凸部23のレイアウトは、上記したようなレイアウトに限定されず、
図20、
図21に示すように、第2の凸部23の上に第1の凸部22が形成されているようなレイアウトとなっていてもよい(変形例2)。
図20は、第2の実施形態にかかる容器1の外装材3を形成するブランク材31の一実施例を説明するための展開平面図を示す。
図21は、ブランク材31を筒状とした外装材3の一実施例を説明するための斜視図である。
【0085】
(第1の凸部)
第1の凸部22は、第2の凸部23の上からさらに第2の凸部の突出方向(
図21において矢印+S方向)と同じ方向に突出した形状に形成されている。したがって第1の凸部22において基端部22Bが第2の凸部23の上に位置しており、第1の凸部22の先端部22Aが第2の凸部23の上からさらに突出した位置に形成されている。
【0086】
(第2の凸部)
第2の凸部23は、
図20に示すように矢印P方向に対して斜めに交差する方向に帯状に伸びる形状に形成され、間隔あけて複数の第2の凸部23が並ぶように形成されている。それぞれの第2の凸部23は、隣り合う第1の凸部22をつなぐとともに、第2の凸部23の上側(凸面93A側)に第2の凸部23の長手方向に沿って複数の第1の凸部22を形成させている。このとき、第2の凸部23の上側で、複数の第1の凸部22が所定の間隔で並んでいる。隣り合う第1の凸部22の間隔は一定でもよいし、異なってもよい。
【0087】
(第2の凸部の形状)
第2の凸部23の形状は、
図20、
図21の例では断面台形状に形成されている。なお、第2の凸部23の形状は、
図20、
図21の例に限定されず、その他の形状であってもよい。
【0088】
(第2の凸部の高さ)
第2の凸部23の高さ(周辺部15から先端部23Aまでの高低差)は、特に限定されない。変形例2においては、第2の凸部23の高さに関わらず、第1の凸部22の高さ(周辺部15から先端部22Aまでの高低差)よりも低くなるように形成される。
【0089】
(変形例3)
第2の実施形態の変形例2において、第2の凸部23の形状は、
図20、
図21に示す例に限定されない。例えば、第2の凸部23の形状が、
図17Bに示すように、文字や絵等を模した形状に形成されていてもよい。
図17Bには、第2の凸部23の形状が、アルファベットの大文字でAを模した形状となっている場合についてのブランク材31の一実施例を説明するための平面図である。
【0090】
[3 第3の実施形態]
第3の実施形態にかかる容器1について説明する。
【0091】
[3-1 構成]
第3の実施形態にかかる容器1は、
図15に示すように、第1の実施形態における外装材3の面のうち外周面2Aとの非向き合い面3B側に保護材25を積層した構成を有する。第3の実施形態は、保護材25を除く他の構成については、第1の実施形態と同じであるので、他の構成についての説明を省略する。
図15は、第3の実施形態にかかる容器の一実施例を説明するための断面図である。
図15では、第1の実施形態にかかる容器の外装材3が最表面に保護材25を積層した場合について示している。
【0092】
第3の実施形態にかかる容器1においては、
図15の例に限定されない。第3の実施形態にかかる容器1は、第2の実施形態における外装材3の非向き合い面3B側に保護材25を積層した構成を有してもよい。この場合において、第3の実施形態は、保護材25を除く他の構成については、第2の実施形態と同じでよいので、他の構成についての説明を省略する。
【0093】
(保護材)
保護材25は、第1の実施形態で説明した外装材用ブランク材を形成するための紙系シート18と同様の紙系シートを採用されてよい。また、保護材25は、非紙系シートであってもよい。非紙系シートとしては、樹脂フィルム等を例示することができる。
【0094】
第3の実施形態にかかる容器1における外装材3は、第1の実施形態又は第2の実施形態で用いられるエンボスシート(ブランク材30やブランク材31が例として挙げられる)における外周面2Aとの非向き合い面3Bとなるほうの面に保護材25を貼り合わせることで製造することができる。貼り合わせ方法としては、接着剤による貼付や、ヒートシールを用いた方法等を適宜使用することができる。
【0095】
[3-2 作用及び効果]
第3の実施形態にかかる容器1によれば、外装材3に凸部9が形成されていることで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0096】
また、第3の実施形態においては、外装材3に保護材25が設けられているため、エンボス加工による凸部9の凸面90に対応した凹面91の露出を抑制することができ、外装材3の外側表面(露出面)に印刷を施すことが容易となり、容器1の意匠性を高めることができる。
【0097】
また、保護材25がエンボスシートに積層されていることで、凸部9の基端部9Bの形状を安定化させることができ、凸部9の形状の変形を抑制することができ、凸部9をより潰れにくくすることが可能となる。
【0098】
容器1が、外装材3に第1の凸部22及び第2の凸部23を形成している場合においても、上記した第3の実施形態の作用及び効果に記載した効果と同様の効果を得ることができる。
【0099】
[4 第4の実施形態]
第4の実施形態にかかる容器1について説明する。
【0100】
[4-1 構成]
第4の実施形態にかかる容器1は、
図23Aに示すように、第1の実施形態における外装材3の面のうち外周面2Aとの非向き合い面3B側に突出した凸部95を少なくとも一つ形成した構成を有する。第4の実施形態は、非向き合い面3B側に突出した凸部95を除く他の構成については、第1の実施形態と同じであるので、他の構成についての説明を省略する。
図23Aは、第4の実施形態にかかる容器1の一実施例を説明するための要部を拡大した断面模式図である。
図23Aでは、第1の実施形態にかかる容器の外装材3が非向き合い面3B側に突出した凸部95を複数形成した場合について示している。
【0101】
(非向き合い面3B側に突出した凸部)
凸部95は、外周面2Aとの非向き合い面3B側に突出し、非向き合い面3B側に凸面96を形成している。凸部95は、
図23Aの例では、複数形成されている。凸部95の形状は、特に限定されない。凸部95は、
図23Aの例に示すように、おおよそドーム状に形成されてよいし、錐体状でも、柱状に形成されてもよい。凸部95の凸面96の形状と凸部9の凸面90の形状は同じでもよいし、異なっていてもよい。また、凸部95は、凸部9と同様に、低密度部12に対応する構造を有していてもよい。外装体3は、その厚み方向(
図23AにおいてS方向)において、その凸部95に対応した向き合い面3A側の位置が陥没しており、その陥没した部分に凹面97が形成されてよい。なお、
図23Aでは、第1の実施形態から第3の実施形態で説明された各実施例と同様に、凸部9に対応した非向き合い面3A側の位置が陥没しており、陥没した部分に凹面91が形成されている。凹面97と凹面91の形状はおおよそ同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
【0102】
凸部95は、
図23Aに示すように、凸部9に重なる位置から外れた位置(凸部9に重ならない位置)に形成されていることが好適である。これは、外装体3を形成するブランク材30を平面に展開した状態で、外装体3の厚み方向に沿った方向を視線方向とした場合に、凸部9の形成される位置と凸部95の形成される位置を異ならせることで実現することができる。
【0103】
[4-2 作用及び効果]
第4の実施形態にかかる容器1によれば、外装材3に凸部9が形成されていることで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0104】
また、第4の実施形態によれば、複数の凸部95が形成されていることで、凸部9から伝えられた熱が凸部95の先端まで伝わる時間を延ばすことができ、凸部95の付近を中心として外装体3の温度変化を抑制することを補助することが期待できる。したがって、使用者が凸部95の基端付近よりもできるだけ凸部95の先端付近のみを触れるように容器を持つことで、使用者が外装体3の温度変化の影響をより長時間受けにくくすることを期待することができる。
【0105】
[4-3 変形例]
第4の実施形態にかかる容器1においては、
図23Aの例に限定されない。第4の実施形態にかかる容器1は、
図23Bに示すように、第4の実施形態における外装材3の非向き合い面3B側に保護材25を積層した構成を有してもよい。この形態を第4の実施形態の変形例と呼ぶ。
図23Bは、第4の実施形態の変形例にかかる容器1の一実施例を説明するための要部を拡大した断面模式図である。第4の実施形態の変形例において、保護材25については、第3の実施形態で説明した保護材25と同様のものが用いられてよい。保護材25とブランク材30との積層方法は、特に限定されない。例えば、ブランク材30の凸部95の先端又は先端付近の部分に対して保護材25が接着剤等で接合されていることで、保護材25とブランク材30と積層された構造が形成されてもよい。
【0106】
第4の実施形態の変形例にかかる容器1によれば、外装材3に凸部9が形成されていることで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0107】
また、第4の実施形態の変形例においては、外装材3に保護材25が設けられているため、凸部95の露出を抑制することができ、外装材3の外側表面(露出面)に印刷を施すことが容易となり、容器1の意匠性を高めることができる。
【0108】
[5 第5の実施形態]
第5の実施形態にかかる容器1について説明する。
【0109】
[5-1 構成]
第5の実施形態にかかる容器1は、第1の実施形態から第4の実施形態のいずれかにおける外装材3の向き合い面3A側の少なくとも一部の凸部9に接着剤を設けた構成を有する。第5の実施形態は、外装材3の向き合い面3A側の少なくとも一部の凸部9が接着剤を有する構成の他の構成については、第1の実施形態から第4の実施形態と同じであるので、他の構成についての説明を省略する。以下の説明では、第1の実施形態にかかる容器の外装材3が向き合い面3A側の凸部9に接着剤を有する場合について説明する。ただし、このことは、第2の実施形態から第4の実施形態にかかる容器1について、凸部9に接着剤を設けることを禁止するものではない。上述したように、第2の実施形態から第4の実施形態にかかる容器について、凸部9に接着剤を設けられてよい。なお、凸部9に接着剤を設けるとは、凸部9を構成する繊維に接着剤が付着している状態を示しており、繊維の周囲のみに接着剤が付着する場合や、繊維の内部に浸透する場合や、接着剤の層が凸部9の一定領域を被覆場合等の場合を含む概念であるものとする。
【0110】
外装材3は、向き合い面3A側において、外装材3の少なくとも一部の凸部9に接着剤が設けられている。すなわち外装材3において、接着剤を設けられる部分は、外装材の向き合い面3Aの凸部9の全てでもよいし、向き合い面3Aの一部の領域に設けられた凸部9でもよい。接着剤を設ける方法は、特に限定されず、例えば、向き合い面3A側に接着剤を噴霧することで外装材3に接着剤を設けることができる。接着剤の種類は、容器1の用途などの条件に応じて選択されていればよく、でんぷん糊等を適宜用いられてよい。
【0111】
外装材3の少なくとも一部の凸部9に接着剤を設ける場合においては、特に、凸部9の先端部9A又は先端部9Aの近傍に接着剤が設けられていること、及び、凸部9の先端部9A及び先端部9Aの近傍に接着剤が設けられていることが好ましい。この場合、外装材3の柔軟性に優れつつ、外装材3の凸部9の形状の安定性を向上させることができる。先端部9Aの近傍には、低密度部12の先端部9A側の一部分が含まれていてもよい。この場合、外装材3の凸部9の形状の安定性をより向上させることが期待できる。また、外装材3の凸部9の先端部9Aに接着剤が設けられる場合、外装材3の向き合い面3Aの全ての凸部9の先端部9Aに接着剤が設けられてよく、また、向き合い面3Aの一部の領域に形成された凸部9の先端部9Aに接着剤が設けられもよい。また、選択された凸部9の先端部9Aに接着剤が設けられてもよい。例えば、一つ又は複数おきに凸部9の先端部9Aに接着剤が設けられてもよい。なお、このことは、凸部9の少なくとも一部について先端部9Aの周囲や基端9Bに接着剤が設けられる場合を禁止するものではない。
【0112】
外装材3の凸部9に接着剤が設けられている場合において、低密度部12に接着剤が設けられていてもよい。ただし、この場合、接着剤は、低密度部12の通気性が失われない程度に設けられていることが好適である。また、この場合においても、外装材3の凸部9の形状の安定性を向上させることが期待できる。
【0113】
外装材3の向き合い面3A側に凸部9に接着剤が設けられていることで、外装材3の凸部9の形状の強度をより強くすることができ、接着剤を設けられた凸部9の形状を安定化させることができる。したがって、強い外力が外装材3に付与されてもその外力で凸部9の形状を変形が生じにくくなる。また、部9の低密度部12に接着剤を設けている場合には、低密度部12の形状の強度をより強化することができる。
【0114】
なお、外装材3の向き合い面3A側に設けられた接着剤は、外装材3の凸部9の形状の安定化に用いられるのみならず、外装材3と本体2の外周面2Aとの接合に用いられてよい。すなわち、接着剤は、外装材3と本体2の外周面2Aとの接合に用いられていなくてもよいし、外装材3と本体2の外周面2Aとの接合に用いられてもよい。また、外装材3の向き合い面3A側に設けられた接着剤が外装材3と本体2の外周面2Aとの接合に用いられる場合においても、さらに、第1の実施形態の説明で示した接合部11が形成されてよい。
【0115】
[4 応用例]
(応用例1)
上記第1の実施形態から第5の実施形態においては、容器1が本体2の外周面2Aに外装材3を接合されている場合を例として説明がなされた。第1の実施形態から第5の実施形態に示す外装材3は、本体2の外周面2Aに着脱自在に取り付けられて用いられるスリーブとして用いられてもよい。この場合、外装材3は、容器1から分離されて、容器1とは別の部材とされてもよい。また、
図13、
図14、
図16に示すように、外装材3を構成するブランク材30やブランク材31が容器1とは別体のスリーブとして用いられてもよい。
図13は、ブランク材30を第1の実施形態における外装材3の形状に対応する形状としたスリーブとした場合の一実施例を示す。
図14は、ブランク材31を第2の実施形態における外装材3の形状に対応する形状としたスリーブとした場合の一実施例を示す。
図16は、ブランク材30と保護材25の積層体を、第3の実施形態における外装材3の形状に対応する形状としたスリーブとした場合の一実施例を示す。また、上記の他にも
図21に示すブランク材31を筒状とした外装材3が、スリーブとして採用されてよい。
【0116】
(応用例2)
応用例1において、外装材3が容器1から分離されて、容器1とは別の部材とされる場合、容器(ここにいう容器は本体2に該当する)と外装材3の組み合わせの状態で本体2と外装材3とが用いられてもよい。
【0117】
(応用例3)
外装材3を構成するブランク材30を形成するエンボスシートは、
図19Aに示すように、断熱用シート28を構成する層として用いることができる。エンボスシートは、第1の実施形態における製造方法の説明で示されたようにエンボス加工で紙系シート18に凸部9を形成したものである。
【0118】
図19Aの例では、断熱用シート28は、上記したブランク材30を形成するエンボスシートを有し、且つ、第3の実施形態に示すように、凹面91の形成面側(非向き合い面3B側に対応する面側)に保護材25を積層したものとなっている。
【0119】
さらに、
図19Bに示すように、断熱用シート28は、凸面90の形成面側(向き合い面3A側に対応する面側)に被覆材26を積層したものであってもよい。被覆材26の材質は、保護材25と同様なものでよい。このことは、ブランク材31を形成するエンボスシートについても同様である。
【0120】
断熱用シート28は、凸部9を有することから、第1の実施形態や第3の実施形態で説明したように断熱性に優れる。
【0121】
また、ブランク材31を形成するエンボスシートについても同様に、断熱用シート28を構成する層として用いることができる(図示しない)。なお、ブランク材31を形成するエンボスシートは、紙系シート18に第2の実施形態に示す第1の凸部22と第2の凸部23を形成したものである。
【0122】
この場合、断熱用シート28は、第1の凸部22を有することから、第2の実施形態で説明したように断熱性に優れる。
【0123】
なお、このような応用例3にかかる断熱シートは、次のような構成を備えるものとして特定することができる。すなわち、断熱シートは、紙系素材を有するブランク材から形成されたエンボスシートを有している。断熱シートは、エンボスシートの一方面側に突出し基端部と先端部を有する複数の凸部を有している。凸部は、紙系素材を構成する繊維の密度が先端部における密度よりも小さい低密度部を有し、且つ、低密度部よりも前記先端部に寄った位置にブランク材の面方向に延び外周面を隠蔽する隠蔽部を形成している。
【0124】
次に、本発明についての実施例の説明を続ける。
【実施例0125】
実施例1
上記第1の実施形態の
図1に対応する本発明の容器を準備し、次のように断熱性試験を行った。なお、本発明の容器として、厚み0.3mmの紙系素材からなる紙系シートをエンボス加工したブランク材が用いられた。このブランク材を内面側に凸部を向けた円筒状にして外装体を形成し、外装体を本体に取り付けた。これにより本発明の容器が調整された。なお、容器は内容積240ccの容量を有するものであった。
【0126】
(断熱性試験)
容器に70℃の湯を180cc注ぎ入れ、湯を注ぎ入れた時を0秒として、注ぎ入れた時点から180秒が経過するまでの間、外装体を取り付けた容器の最外周面(外側表面)(外装体の非向き合い面)の温度を測定し、容器の最外周面の温度上昇の大きさ(℃)が10℃を超えるまでの時間(秒)、20℃を超えるまでの時間(秒)、及び容器の最外周面の温度(℃)が50℃を超えるまでの時間(秒)を測定した。結果を表1に示す。
【0127】
比較例1、2
比較例1、2の容器として市販の容器(従来品)を準備し、これらの容器を用いて断熱性試験を行った。以下では、比較例1、2の容器をそれぞれ、第1の比較用容器A、第2の比較用容器Bと呼ぶ。断熱性試験は、実施例1と同様に実施された。結果を表1に示す。
【0128】
【0129】
表1の欄中において、符号DA、DB、及びDCは次に示す結果であったことを示す。
DA:容器の最外周面の温度は、測定上限として設定した時間(180秒)内に20℃
を超えて上昇しなかった。
DB:測定時間内に、容器の最外周面の温度は50℃を超えなかった。
DC:容器の最外周面の温度は、測定上限として設定した時間内に20℃を超えて上昇しなかった。
【0130】
以上、本発明の実施形態、その変形例、およびその製造方法の例について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態、変形例、製造方法の例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0131】
また、上述の実施形態、その変形例およびその製造方法の例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0132】
上述の実施形態に例示した材料は、特に限定しない限り、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0133】
なお、本明細書中に例示された作用及び効果は、本発明の内容を限定するものではない。
前記低密度部では、前記先端部から前記基端部に向かって前記紙系素材を構成する前記繊維の密度が小さくなる部分と、前記基端部から前記先端部に向かって前記紙系素材を構
成する前記繊維の密度が小さくなる部分がつながっている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の外装材。