(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038199
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】カスタム矯正具、および個人向けの履物
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20230309BHJP
A43D 1/02 20060101ALI20230309BHJP
A43B 17/00 20060101ALI20230309BHJP
A43B 7/14 20220101ALI20230309BHJP
【FI】
A61F5/01 N
A43D1/02
A43B17/00 E
A43B7/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022205061
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2020502615の分割
【原出願日】2017-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ブレイチャー,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ルースキー,タミール
(57)【要約】
【課題】従来技術の問題を解決する。
【解決手段】スキャンされた情報を、実質的に生産の準備が完了しているデバイスの3Dモデルに調整することに適合するコンピュータ化された設計ソフトウェアに基づいて、整形外科デバイス、カスタム矯正具、または個人向けの履物を設計および/または製造するシステム、プロセス、製造技術、およびプラットフォームがここに提供され、該システムは、該矯正具の設計を可能にするため該足の異なる解剖学的部分を同定するように画像認識を使用する撮像モジュールと、該足が該設計されたカスタム矯正具にフィットして、それにより支持される方式の視覚化を可能にするために、該足のオリジナルスキャンを不透明または半透明に表示することを可能にするヒューマンインターフェースと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタマイズされた矯正具を作成する方法であって、
足の三次元(3D)ファイルを受信することと、
中足骨領域、アーチ領域、およびヒール領域に対応する前記3Dファイル中の位置データを検出し且つ割り当てることと、
前記3Dファイル中の位置データに基づいてベース矯正具モデルを生成することと、
前記ベース矯正具モデルからカスタム矯正具モデルを形成することと、を含み、
前記カスタム矯正具モデルを形成することは、前記ベース矯正具モデルの負の圧痕を生成することと、該負の圧痕を前記カスタム矯正具モデルに変換することと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記足の3D画像データをキャプチャすることを更に含み、前記3Dファイルは、前記キャプチャされる3D画像データから生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
3D画像データをキャプチャするための一定した足位置を容易にするように構成される足位置決めデバイスを提供することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記足の3D画像データをキャプチャするように構成される奥行きカメラとカラーカメラとを含む3Dスキャナを提供することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
マーキングデバイスを提供することと、前記中足骨領域、前記アーチ領域、および前記ヒール領域をマーキングすることと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記マーキングデバイスは、マーカーペン、ペイント、または少なくとも1つのラベルのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記足にある少なくとも1つの創傷に対応する前記3Dファイル中の位置データを検出し且つ割り当てることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記3Dファイル中のホットスポット検出およびカラー差別化のうちの1つ以上を用いることを含む前記足にある少なくとも1つの創傷に対応する位置データを検出することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ベース矯正具モデルの位置を修正して前記少なくとも1つの創傷の位置に対応する凹部を提供することと、
前記凹部内の基材として治癒剤を塗布することと、
前記凹部および遠隔リザーバーと流体連通する出口チャネルを提供することと、を更に含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ベース矯正具モデルの操作または検証のためのインターフェースを提示することを更に含み、該インターフェースは、膨張または収縮動作、平滑化動作、伸長または圧縮動作、および回転動作を含む、前記ベース矯正具モデルに対する1つ以上の機能性を可能にするように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ベース矯正具モデルを生成することは、対応するマッピングされる足底面に適合するように前記ベース矯正具モデルの表面を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記3Dファイル中で位置データを検出し且つ割り当てることは、画像認識を用いて、前記中足骨領域、前記アーチ領域、および前記ヒール領域を識別することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記足の3D画像上に前記ベース矯正具モデルを不透明または半透明に示すように構成されるヒューマンインターフェースを提供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ヒューマンインターフェースを提供することは、前記ベース矯正具モデルにフィットし且つ前記ベース矯正具モデルによって支持される前記足の視覚化を提供することを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矯正具の分野に関し、より具体的にはカスタム矯正具のシステムおよびプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
足矯正具は、緩衝作用、安定性、または支持を提供し、時に足の動きを調整または安定化しようとすることで、足またはアーチの痛みを治療するように設計されている。およそ1950年以前には、足の痛みを治療するために使用される方法の標準化が存在していなかった。足矯正具の設計への標準化されたアプローチは、1954年に導入され、その時、Merton L.Root,DPMは、距骨下ニュートラル位置(Subtalar Neutral Position;STNP)理論を用いて該分野に革命をもたらした。
【0003】
距骨下関節は、距骨と踵骨との間にある関節である。距骨下ニュートラルは、距骨下関節が回内も回外もない位置であり、その重要性は、Rootが主観的に「正常な」足であると考えたものの観察に基づく。ROOTの理論によれば、足を「正常」位置に矯正することは、距骨下関節のみを「ニュートラル」位置、いわゆる距骨下ニュートラル位置またはSTNPに置くステップを含む。
【0004】
カスタム矯正具には、以下の2種類の基本型がある:足を緩衝し、かつ痛みを除去するように作られた調節性矯正具と、足の位置を特定の位置に再配置することで患者を治療するために使用される機能性矯正具。調節性矯正具は、一般に足の任意の奇形を「受け入れる」柔らかい材料または可撓性の材料から作られる。また、この緩衝性矯正具は、通常であれば運動連鎖に伝達されるであろう効率的歩行に必要な力をいくらか減勢する結果になる。機能性矯正具は、足位置および関節の動きを制御するために作られている矯正具である。一般にこのような矯正具は、剛性の材料から作られ、かつ臨床医によって治療的と思われる位置に足を保持するために使用される。これは、足が絶えず地面に適合し、かつ効率的に動作することを許さないがゆえに、問題となり得る。
【0005】
両種類の矯正具を製作するために、患者の足の足底面がキャプチャされ、それの鏡像が患者の足に接触する矯正具デバイスの表面に作り出される。機能性矯正具は、歩行のあいだ足のアーチを非正常に維持し、矯正具は、身体全体の重量を支持し、かつ骨と矯正具の剛性表面との間の軟組織を圧縮する。
【0006】
米国において糖尿病を患っている人口は、2,600万人、つまり全人口の8%である。糖尿病の合併症には、周辺臓器における神経損傷および血行不良が含まれる。このような問題によって、足は、感染が急速に悪化し得、かつ治療しにくい皮膚潰瘍(損傷)および創傷にとりわけかかりやすくする。
【0007】
糖尿病性足病変の合併症(Diabetic foot complication)は、非外傷性の下肢切断の最も一般な原因である。大多数の糖尿病性足病変の合併症は、足底面に皮膚潰瘍が形成されることから始まる。
【0008】
糖尿病性潰瘍化の主原因の1つは、足底表面の特定のエリアにおける足底圧の増加である。糖尿病患者に一般的な足の奇形は、焦点エリアを高圧力ゾーンにする。感覚の喪失を伴う場合、足潰瘍が進行し得る。足の下表面全体に重量を適切に平準化することのみならず、潰瘍形成点(ulceration point)と創傷とで足底圧の負荷を取り除くことは、糖尿病性足病変の治療にとって重要な要素であり、かつこのような患者の足の健康の保全において非常に重要なファクターである。糖尿病性足病変患者は、一般的、緩衝性の調節性矯正具によって治療される。これは、ある程度効果的ではあるが、そのような矯正具は、患者の姿勢を再調整するしっかりした構造を提供しないため、患者の足上で負荷平準化を再編成せず、患者の足底面の圧力が集中した個所から圧力を軽減しない。既に潰瘍化および足創傷をある程度患っている患者のために、伸縮自在部品の配列で構成され、かつ正しい位置で除去された場合に患者の創傷を受け入れるように調整されたインソールが存在する。このソリューションは、部品を取り除く正確な位置のみならず、こわばりレベルおよびその周辺の3D幾何学形状に関して、そのような患者に限定的な制御レベルを提供する。加えて、これらは、正しい重量配分を可能にし、かつ新しい創傷の発生を防止し得るような、足の姿勢および歩行の矯正を提供しない。
【0009】
患者の靴底に挿入されるカスタムメイドの矯正具の使用は、様々な用途が当業者には周知である。それの一部は、特定の足、足首、膝、または背中の障害または痛みに役立つように設計され、別の一部は、特定の足の姿勢と歩行による変形とを制限するように設計されている。
【0010】
歴史的にいって、シューズの中で処方の矯正具デバイスを使用する患者は、サンダル、スリッパ、クロッグ、またはフリップフロップの装着を希望する場合、矯正的矯正具または安定化矯正具を一時的に放棄するように強制される。
【0011】
フリップフロップまたはサンダルなどの、つま先の開いたシューズでの矯正具の使用は、開いた形態形状というこのようなアパレルの性質のために不可能である。にもかかわらず、このような矯正具に頼っている多くの患者は、湿気の多い環境または夏の暑い天候でサンダルを使用する場合、整形外科的支持部に関して妥協することになる。
【0012】
サンダル、フリップフロップ、およびサンダルの製造に使用される製造技術は、何年も改良を重ねて、素晴らしい材料、形状、およびカラーを可能にする。このようなもののすべては、大量生産の工具および技術に依存しているので、特に各患者のニーズおよび特定の足形状にフィットし得ない。つま先の開いたエレガントなシューズなどの利点を保ち、夏に快適であり、水分を吸収することなく湿気を帯び得ながら、各々の患者のニーズに従って特別に作られた、サンダル、クロッグ、およびフリップフロップを個人向けに製造することを可能にする製造プロセスは、現在まで存在しない。
【0013】
両足が全く同じというものはないため、すべての人がその人自身の足に個人向けに設計された履物を使用することが合理的である。現在、指定された長さのサイズに従って製造され、かつ時に幅サイズにも従って製造された、様々な履物が存在する。にもかかわらず、消費者のサイズおよび足の形態形状に合わせて特別に成形された履物と、挿入型の矯正具を追加する必要なく、体重負荷の間および歩行の間に消費者の足の正しい姿勢を保証する履物とは、存在しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、糖尿病性足病変のみならず身体の下肢に関連する他の臨床症状を患っている患者に取り組むために、個人向けの矯正具およびカスタマイズされた履物に関するのみならず、それらの生成および製造のためのシステムおよびプロセスに関する。より具体的には、該発明の実施形態は、患者の足に選択的に負荷および応力点を再配分し、かつ潰瘍および創傷の下に歪み緩和エリアを配置するソールの設計を可能にして、血行を阻害し、かつそれらを容易に治癒させる、カスタム矯正具および個人向けの履物のための新しい製造システムおよび方法について記載する。システムおよびプロセスの実施形態は、3Dマッピングユニットを含み、このユニットは、患者の足から形態学的データのみならずスペクトルデータをキャプチャし、インターネットを介して出来上がりの画像データを送信する。例示的なプロセスでは、画像データキャプチャは、足が矯正されたニュートラル位置に保持され、かつ位置決めデバイスを使用してこの姿勢を保ち続けながら、実施される。システムは、足の最良の重量配分と、正しい姿勢とを可能にする正しい位置に足を調整するために、受信した画像データを自動的に修正するか、または送信された情報に従って足形状の手動の修正入力を受信する。受信され、かつオプションとして修正された形状のネガ形態は、自動ルーティングマシンまたは3D付加製造機械に伝送され、この機械は、画像キャプチャデータから導出された患者の矯正具の正確な形状を有する1つ以上のモールドインサートを作成する。所望の重量、密度、硬度、カラー、および他の材料特性に好適な組成物の発泡材料を使用してモールドに注入される。注入された矯正具は、既存シューズ内の個人向けのインソールとして使用されてもよく、または個人向けのサンダル、クロッグ、フリップフロップ、および追加用途に一体化されてもよい。
【0015】
該発明のこのようなおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明、特許請求の範囲、および添付図面を参照することでよりよく理解されるであろう。
【0016】
ここでは、スキャンされた情報を、実質的に生産の準備が完了しているデバイスの3Dモデルに調整することに適合するコンピュータ化された設計ソフトウェアに基づいて、整形外科デバイス、カスタム矯正具、または個人向けの履物を設計するシステムが提供され、システムは、矯正具の設計を可能にするため足の異なる解剖学的部分を同定するように画像認識を使用する撮像モジュールを含む。
【0017】
説明されたシステムは、手動でまたは自動的に、任意の創傷、潰瘍化、または足表面または足内部の他の不具合を認識するために、スキャンされたデータからスペクトル情報を使用し得、この情報を使用して足に負荷を再配分し、かつそのような部分から応力を解放する。
【0018】
いくつかの実施形態では、スペクトル情報は、フィルターされ、かつIRとNIRのスペクトル範囲であり、この範囲は、「ホットスポット」と、足の足底面についての通常のスペクトル解析では明白でない歪み点と、を決定するために使用される。
【0019】
いくつかの実施形態では、システムは、足の上のマーカーを認識して、足の部分のみならず、非限定的に矯正された姿勢、角度、および位置を同定する。
【0020】
いくつかの実施形態では、システムは、マーカーからのデータを使用して、特定の解剖学的マーカーまたは部分の位置を記録し、この情報を使用して矯正具の上部または個人向けのシューズ/サンダルの内側にある足の正しい位置を計算する。
【0021】
いくつかの実施形態では、システムは、追加されたマーカーの代わりに足に沿って自動的に認識された解剖学的マーカーを使用して位置を追跡する。
【0022】
いくつかの実施形態では、システムによって、モデル上の特定のエリアに対して以下の手動による彫刻動作が可能である:利用者によって説明された動作の強度とエリアに基づく膨張/収縮動作、平滑化動作、段階的に引き/押し動作。
【0023】
いくつかの実施形態では、システムは、年齢、身長、体重、臨床症状、スポーツの取り組み、職業、着用したシューズの種類、または任意の追加関連情報に関する、医師または介護士によって挿入されたデータを統合して、作られる矯正具デバイスの設計および形態に関して自動的に判断する。
【0024】
いくつかの実施形態では、システムは、介護士から収集された情報に従って技術者の動作範囲を制限する。
【0025】
いくつかの実施形態では、システムは、スキャンされた患者の足に加えて、患者の目指すシューズ、または使用している既存のインソールのスキャンを利用する。システムは、指定された患者のシューズ内に矯正具を正確にフィットするように、システムによって、矯正具の裁断形状およびサイズを決定するために、このような情報を使用する。
【0026】
いくつかの実施形態では、システムは、既存のインソール、シューズのサイズに従って、個人向けのクロッグのインナー部品、一体型インナークロッグ、フリップフロップ、サンダル、または個人向けのシューズなど、前述の関連する用途に特にフィットするように、保存された裁断形状を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、システムは、ヒューマンインターフェースを含み、このインターフェースは、足が該設計されたカスタム矯正具にフィットして、それにより支持される方式の視覚化を可能にするために、足のオリジナルスキャンを不透明または半透明に表示することを可能にする。
【0028】
いくつかの実施形態では、システムは、ヒューマンインターフェースを含み、このインターフェースは、設計を評価し、かつインソール/シューズの異なるセクションでフィトするために、足底面、設計されたインソール、オリジナルスキャン、または上記のものの任意の組み合わせの断面図を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、システムは、設計されたインソールの正の体積が、デバイスを形成するために材料を注入することを目的として刻まれた負のモデル「モールド」に変わることを可能にする機能を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、システムは、射出成形プロセスにおいて平らな表面に対してモールドが閉じて密閉されるように、形成されたモールドの空洞の周囲を回るリップ(rip)表面を追加する。
【0031】
いくつかの実施形態では、システムは、3D自動化ミリングマシン、3Dプリンター、または代替の3D自動化製造技術を使用してこのようなものを容易に大量生産するために、2つ以上のモールドブロックが幾何学的にリンクすることを可能にする。
【0032】
いくつかの実施形態では、システムは、自動的または手動で、1つのブロックまたは複数ブロックの2つの側面上にモールドの配列または行列を作って、大量生産を可能にする。
【0033】
いくつかの実施形態では、システムは、ブロックの2つ側面上でモールドの突出レベルを検査して、互いの体積中に突出しないことを保証する。
【0034】
いくつかの実施形態では、システムは、患者、矯正具、またはモールドに関連する情報を直接モデルに追加した後、CNCに追加する。この情報は、患者の名前、日付、モールドの体積、または測定値を含み得、これは射出成形プロセスに関連してもよく、関連しなくてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、システムは、デバイス表面の制御を可能にする機能と、平らで滑らかなデバイスのみならずストライプ、突出球体、ピラミッド形状、または他の任意の形状などの追加の幾何学的形状を可能にする機能と、を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、システムは、均等スプレッドまたは指定されたスプレッドに従って自動的に表面形状をデバイスの表面に配分する。このスプレッドは、特定の矯正具の形状にフィットするように自動的に調整される。
【0037】
いくつかの実施形態では、システムは、「ブリッジ」などの矯正具の表面上に特定の追加の幾何学的突出部を配置することを可能にし、このような矯正具は、指の下に配置されてより良いグリップまたは突出形状もしくは体積を支持しかつ可能にすることで、重量配分の変更と、指定されたエリアからの応力の減少と、を意図する。
【0038】
いくつかの実施形態では、システムは、特定の穴または凹部エリアを矯正具表面上に配置し得る。これは、特定のエリアからの圧力を減少させるのみならず、創傷または潰瘍などの足の特定のセクションをインソールの底面と接触しないように、使用され得る。
【0039】
ここで患者の皮膚にセグメントをマーキングするために使用されるマーカーシステムが提供され、このセグメントは、システムを使用して認識され、かつ特定の臓器部分のみならず必要とされる姿勢を同定するために使用され、マーカーシステムは、カラー情報、指定された幾何学形状、および/または光吸収特性に従って3Dスキャナーを使用して容易に認識されるステッカーを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、マーカーシステムは、患者の皮膚上にペインティングされ、カラー情報、指定された幾何学形状、光吸収特性、または上記のものの任意の組み合わせに従って、3Dスキャナーを使用して容易に認識されるマーカーを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、システムは、人体の特定の部分にフィットするよう特別に調整され、足/矯正具以外の臨床応用に関する、3Dモデルまたは物体の設計を可能にする。システムは、用途に関連するすべての特徴および詳細を含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、システムは、患者の頭部を支持する頭部固定デバイスとして特別に使用される。
【0043】
いくつかの実施形態では、システムは、四肢の骨折した骨の支持デバイスとして使用される。
【0044】
いくつかの実施形態では、システムは、患者の骨折または怪我した脚を支持するように作られる。
【0045】
いくつかの実施形態では、システムは、患者の骨折または怪我した手を支持するように作られる。
【0046】
いくつかの実施形態では、システムは、手術室、病院、ベッド、または椅子で患者を特定の位置に保持するために使用される。
【0047】
いくつかの実施形態では、システムは、足、足首、膝、背中、首、または肘用に、このような能力に基づいて作られた整形外科的剛性ブレース、半剛性ブレース、または完全に動くブレースとして使用される。
【0048】
いくつかの実施形態では、システムは、椅子またはマットレスなどの、身体に直接接触する設計の個人向けの装置を保持するために使用される。
【0049】
いくつかの実施形態では、システムは、四肢の骨折した骨の支持デバイスとして使用される。
【0050】
ここでは、発泡材料または軟質材料をモールドに注入することを使用して、カスタム矯正インソールまたは個人向けのサンダルまたは履物のソールを作るための製造技術が提供される。
【0051】
いくつかの実施形態では、製造プロセスは、「モールドハウス」で構成されるモールドを含み、このモールドハウスは、加熱サークル、必要に応じて冷却チューブおよび固定平側面のみならず、特定の矯正具の幾何学形状に従ってインサートを受容するように作られた空洞を含むツールである。
【0052】
いくつかの実施形態では、各インサートがブロックの各側面に特定の患者の1つの脚を持ち、2つの面を持つブロックが患者のデバイスをすべて含む製造プロセスが記述される。
【0053】
いくつかの実施形態では、ブロックが垂直方向に注入されて、材料の流れおよび空洞全体の充填が可能となる、製造プロセスが記述される。
【0054】
いくつかの実施形態では、ブロックが、垂直注入の間にブロックの最上部側である矯正具の背面に「エアポケット」を含む、製造プロセスが記述される。ポケットは、矯正具の空洞と連結されて、矯正具からすべての気泡を放出でき、デバイス上に気泡のない表面を達成し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、製造プロセスは、垂直注入の間にブロックの最上部側にある、矯正具の背面に「エアポケット」を含む。ポケットは、矯正具の空洞と連結されて、矯正具からすべての気泡を放出でき、デバイス上に気泡のない表面を達成し得る。
【0056】
製造プロセスのいくつかの実施形態では、ブロックは、体積、硬度レベル、注入時間のみならず、患者名、シリアル番号、またはバーコード情報などを含むがそれに限定されない個人情報など、手動でまたは自動的に注入システムに挿入された情報を含む。
【0057】
製造プロセスのいくつかの実施形態では、ブロックは、請求項1で記述されたシステムを使用して設計されたモデルに従って、3D印刷などの付加製造技術を使用して作られる。
【0058】
製造プロセスのいくつかの実施形態では、注入された材料は、発泡ポリウレタン、ポリエチレン、EVA、発泡PVCまたはシリコーンである。
【0059】
製造プロセスのいくつかの実施形態では、注入された材料は、単一成分の材料である。
【0060】
製造プロセスのいくつかの実施形態では、注入された材料は、材料を硬化させ、かつモールドの内側で発泡成形を起こす化学反応を有する2つ以上の成分の組成物から作られる。
【0061】
製造プロセスのいくつかの実施形態では、異なる材料の成分間の比率が制御され得、注入された製品の密度、重量、硬度、または上記のものの任意の組み合わせの制御を可能にする。
【0062】
製造プロセスのいくつかの実施形態では、挿入された要素は、注入に先立ってモールド空洞の内側に配置され、モールド製作において制御されない体積の形状を形成する。
【0063】
製造プロセスのいくつかの実施形態では、挿入された要素は、モールドの内側に配置され、モールドに材料が注入されると成形品の一部になる。
【0064】
ここで複合材料の矯正具の製作が記述されるが、ここでインサートは、発泡ポリウレタン、ポリエチレン、EVA、発泡PVCまたは発泡シリコン、または上記の材料の任意の組み合わせから作られる。
【0065】
いくつかの実施形態では、製造プロセスは、類似する材料または異なる材料を注入する2つ以上のステップを含み、単一成分デバイス中において互いに接着される、特性が変化する多層複合材料を作成する。
【0066】
ここでカスタム矯正インソールが記述されるが、このインソールは、患者の重量を足の足底面に沿って正しく配分することで、および矯正具中に歪み解放の凹部エリア/穴を含めることで、足の創傷および潰瘍化を治療するように設計される。
【0067】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正インソールは、異なる硬度レベルの複数の材料を含む。軟質材料は、創傷の下に配置され、該個所からの負荷の減少を可能にする。
【0068】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正インソールは、一連の矯正インソールを使用して、糖尿病性足潰瘍、または足創傷、または創傷感染症、または上記のものの任意の組み合わせの治療を可能にする。創傷が治癒し始めると、潰瘍性創傷の中心エリアの下に位置する凹部および穴は、トーラス(torus)状のインサートで満たされ、このインサートは、凹部および穴の直径を減少させる。このような支持追加物は、創傷が完全に治癒するまで2~4ステップに分けて追加される。
【0069】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正インソールは、一連の矯正インソールを使用して、糖尿病性足潰瘍、または足創傷、または創傷感染症、または上記のものの任意の組み合わせの治療を可能にする。一対の矯正具は、凹部のサイズが互いに異なる。創傷が治癒し始めると、創傷が治癒して凹部が必要なくなるまで、患者は矯正具を変更するであろう。
【0070】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正インソールはを、 創傷の治癒を加速する薬剤によってコーティングされた凹部エリアを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正インソールの薬剤層は、1週間~6か月の期間にわたって徐放させるためにカプセル化される。
【0072】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正インソールの薬剤層は、抗菌層または抗真菌層を完全に、または選択的にコーティングされる。
【0073】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正インソールの薬剤層は、患者の足の創傷および潰瘍部分の下に位置する凹部エリアに配置されたコーティングを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正インソールの薬剤層は、銀粒子ベースの抗菌コーティングを全体に、または選択的にコーティングされる。
【0075】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正インソールの薬剤層は、複数のコピーで提供され、患者が感染因子を制御し、かつ創傷の治癒プロセスを改善するために、頻繁に交換することを可能にする。
【0076】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正インソールの薬剤層は、凹部穴を通って創傷から遠位面に位置するリザーバーにいたる排液路を含み、こうして創傷を滲出液のない状態にし、治癒を改善する。
【0077】
ここでカスタム矯正フリップフロップが提供されるが、このフリップフロップは、足底面にフィットしかつ、アーチ支持部を供給するために、本人の足の幾何学形状の特定のマッピングに従って作られる。
【0078】
いくつかの実施形態では、カスタムフリップフロップは、患者の足上で姿勢を矯正するために、距骨下関節のニュートラル位置で患者の足をスキャンすることを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、カスタムフリップフロップは、球状突出部などの表面幾何学形状を含んで、患者の足をマッサージするのみならず、発汗を減少させ、患者の下表面を空気に当てることを可能にする。
【0080】
いくつかの実施形態では、カスタムフリップフロップは、特定の構成に従って伸びる幾何学形状を含み、この構成によって、患者のリフレクソロジーマップ(reflexology map)または他の任意の考慮に従って特定の位置に突起エリアが配置される。
【0081】
いくつかの実施形態では、カスタムフリップフロップは、患者の幾何学的形態に従って特別に設計された単一成形部品を使用して作られる。
【0082】
いくつかの実施形態では、カスタムフリップフロップは、患者の設計に固有の矯正インサートを受容するように設計された空洞を含む1つ以上の部品から作られる。
【0083】
いくつかの実施形態では、カスタムフリップフロップは、フリップフロップと足が連結される方式を改善するため、足のヒール部分に1つ以上の固定要素を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、カスタムフリップフロップは、フリップフロップから取り外し可能かつ再取り付け可能な固定要素を含む。
【0085】
ここでカスタム矯正クロッグが提供されるが、このクロッグは、足底面にフィットし、かつアーチ支持部を提供するために、本人の足の幾何学形状の特定マッピングに従って作られる。
【0086】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正クロッグは、患者の足上で姿勢を矯正するために、距骨下関節のニュートラル位置で実施された患者の足のスキャンから得たデータを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正クロッグは、球状突出部などの表面幾何学形状を含んで、患者の足をマッサージするのみならず、発汗を減少させ、患者の下表面を空気に当てることを可能にする。
【0088】
いくつかの実施形態では、各カスタム矯正クロッグは、患者の幾何学的形態に従って特別に設計された単一成形部品を使用して作られる。
【0089】
ここでカスタム矯正クロッグを作るためにモールドが提供されるが、このモールドは、固定した空洞を含み、他方、モールドコアの一部または全体は、各患者の足にフィットするように作られたインサートに従って交換可能である。
【0090】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正クロッグは、患者の設計に固有の矯正インサートを受容するように設計された空洞を含む1つ以上の部品から作られる。
【0091】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正クロッグは、水封式状態に置いて単一部分のクロッグを作成するために、接着、または化学的接合、または熱成形されたインサートを含む。インサートは、クロッグ本体と同一のカラーおよび材料から、または異なる材料およびカラーから作られるであろう。
【0092】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正クロッグは、所定の位置に物理的に連結されていないインサートを含む。インサートは、異なる硬度レベル、カラーなどに応じて定期的に交換され得る。インサートは、クロッグ本体と同一のカラーおよび材料から、または異なる材料およびカラーから作られるであろう。
【0093】
ここでカスタム矯正サンダルが提供されるが、このサンダルは、足底面にフィットさせかつ、アーチ支持部を供給するために、本人の足の幾何学形状の特定のマッピングに従って作られる。
【0094】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正サンダルは、患者の足上で姿勢を矯正するために、距骨下関節のニュートラル位置で実施された患者の足のスキャンを組み込む。
【0095】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正サンダルは、球状突出部などの表面幾何学形状を含んで、患者の足をマッサージするのみならず、発汗を減少させ、患者の下表面を空気に当てることを可能にする。
【0096】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正サンダルの各々は、患者の設計に固有の矯正インサートを受容するように設計された空洞を含む1つ以上の部品を含み、周知の外側輪郭面を有する。
【0097】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正サンダルは、水封式状態に置くために、接着、または化学的接合、または熱成形されたインサートを含む。インサートは、クロッグ本体と同一のカラーおよび材料から、または異なる材料およびカラーから作られるであろう。
【0098】
いくつかの実施形態では、カスタム矯正サンダルは、所定の位置に物理的に連結されていないインサートを含む。インサートは、異なる硬度レベル、カラーなどに応じて定期的に交換され得る。インサートは、本体と同一のカラーおよび材料から、または異なる材料およびカラーから作られるであろう。
【0099】
ここでカジュアル履物、または登山靴、スキーブーツなどの特殊用途のシューズを含むカスタムスポーツシューズが提供されるが、このようなシューズは、顧客の足の幾何学形状のみならず、身長、体重、臨床症状、または他の任意の関連ファクターなどの追加パラメータに従って特別に設計および製造されている。
【0100】
いくつかの実施形態では、カスタム履物は、ソールのインナー部を含み、このインナー部は、請求項4に記載の製造プロセスを使用して患者のニーズに従って特別に製造される。
【0101】
いくつかの実施形態では、カスタム履物は、患者の幾何学形状に固有のインサートモールドを使用して単一部分成形プロセスから作られるソールを含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、カスタム履物は、患者の幾何学形状に固有のインサートモールドを使用して多相オーバー成形プロセスから作られるソールを含む。そして、それをソールモールドと組み合わせることで、複数のカラー、材料特性、および幾何学的ファクターが可能となる。
【0103】
いくつかの実施形態では、カスタム履物は、複数部品から作られるソールを含み、その部品のいくつかは、患者のニーズに従って特別に作られ、化学結合、熱接着、または接着材料を使用して一緒に組み立てられる。
【0104】
ここで、カスタマイズされた矯正具を作成するプロセスが提供され、プロセスは、以下を含む:足の3Dファイルを受信するステップであって、上記の3Dファイルは、中足骨領域、アーチ領域、およびヒール領域を含む、ステップ;中足骨領域、アーチ領域、およびヒール領域に関する3Dファイル中の位置データを検出し、かつ割り当てるステップ;ベース矯正具モデルを生成するステップであって、矯正具ベースモデルは、対応するマップされた足底面とかみ合わせる表面を表し、ベース矯正具モデルは、マップされた足底面に整合する、ステップ。
【0105】
いくつかの実施形態では、プロセスは、3D画像データキャプチャの間に定常の足位置を容易にするよう動作可能な体位デバイスを提供するステップをさらに含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、プロセスは、マーカーペンを提供するステップと、中足骨領域、アーチ領域、およびヒール領域をマークするステップと、をさらに含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、プロセスは、ペイントを提供するステップと、中足骨領域、アーチ領域、およびヒール領域をマークするステップと、をさらに含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、プロセスは、中足骨領域、アーチ領域、およびヒール領域をラベル付けし、かつマークするステップをさらに含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、プロセスは、深度およびカラーカメラを含む3Dスキャナーを提供するステップをさらに含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、プロセスは、Kinectカメラを使用するステップをさらに含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、プロセスは、PrimeSenseカメラを使用するステップをさらに含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、プロセスは、Davis Laserカメラを使用するステップをさらに含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、プロセスは、足の創傷に関する3Dファイル中の位置データを検出し、かつ割り当てるステップをさらに含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、プロセスは、ホットスポット検出を使用することを検出するステップをさらに含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、プロセスは、カラー差別化によって検出を可能にするステップをさらに含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、プロセスは、ベース矯正位置を修正して創傷の位置に対応する凹部を提供するステップをさらに含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、プロセスは、凹部内の基材として治癒剤を塗布するステップをさらに含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、プロセスは、凹部および遠隔リザーバーと流体連絡する出口チャネルを提供するステップをさらに含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、プロセスは、凹部に挿入するため同心円状に配置された、次第に寸法が小さくなる複数のプラグをさらに含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、ベース矯正具モデルは、第3方向の第3セクションに接合された第2方向の移行セクションに連続的に接合された第1角度方向の第1セクションを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、プロセスは、ベース矯正具モデルを操作または検証するためインターフェースを提示するステップをさらに含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、プロセスは、以下のうち1つのインターフェースを提示するステップをさらに含む:膨張または収縮動作、平滑化動作、伸長または圧縮動作、および回転動作。
【0123】
いくつかの実施形態では、プロセスは、矯正具モデルの負の圧痕を生成ステップと、モールド用モデルに変換するステップと、をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【
図1】本発明によるプロセスの実施形態のフローチャートを図示する。
【
図2】本発明によるプロセスの実施形態の絵図を図示する。
【
図3A】創傷および解剖学的マーカーのある足を図示する。
【
図3B】創傷および解剖学的マーカーのある足を図示する。
【
図5A】本発明のサブプロセスの例示的な矯正的修正を図示する。
【
図5B】本発明のサブプロセスの例示的な矯正的修正を図示する。
【
図6A】本発明のサブプロセスの例示的な代替の矯正的修正を図示する。
【
図6B】本発明のサブプロセスの例示的な代替の矯正的修正を図示する。
【
図7A】本発明のサブプロセスの別の例示的な足モデル修正を図示する。
【
図7B】使用可能なインソールのリポジトリの例示的なサブセットを図示する。
【
図8A】本発明の矯正具の代替状態にある実施形態を図示する。
【
図8B】本発明の矯正具の代替状態にある実施形態を図示する。
【
図10】本発明の凹部のある矯正具の実施形態を図示する。
【
図11】本発明の凹部のある矯正具の実施形態を図示する。
【
図12A】本発明の凹部のある矯正具の実施形態を図示する。
【
図15A】本発明のモールドの代替実施形態を図示する。
【
図15B】本発明のモールドの別の代替実施形態を図示する。
【
図16A】本発明の矯正具を備えるつま先の開いた履物の実施形態を図示する。
【
図16B】本発明の矯正具を備えるつま先の開いた履物の実施形態を図示する。
【
図16C】本発明の矯正具を備えるつま先の開いた履物の実施形態を図示する。
【
図17A】本発明の矯正具を備えるつま先の開いた履物の代替実施形態を図示する。
【
図17B】本発明の矯正具を備えるつま先の開いた履物の代替実施形態を図示する。
【
図17C】本発明の矯正具を備えるつま先の開いた履物の代替実施形態を図示する。
【
図18】本発明の例示的な3Dスキャナーサブシステムを図示する。
【
図19】動作中であり得る、本発明の例示的な3Dスキャナーサブシステムを図示する。
【
図20】本発明の成型プロセスのブロック図、およびフロー図の組み合わせを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0125】
ここで、該発明は、例示としてのみ添付図面を参照して説明される。さて、特に図面の詳細に関連して、図示した詳細は例であり、本発明の好適な実施形態の例示的考察のために示すだけであって、本発明の原理および概念上の態様についての有用かつ理解し易い説明であると考えられるものを提供するために提示することを強調しておく。図面を用いての説明は、本発明のいくつかの形態が如何に実際に実施され得るかを当業者に明らかにする。
【0126】
図22は、本発明の特定の実施形態の概要を図示する。ステップ200で、システムは、身体部分の3D画像データを受信する。ステップ300で、システムは、解剖学的マッピングのために、受信した3D画像の身体を処理する。ステップ400で、解剖学的にマップされた画像データは、修正および最適化される。ステップ500で、修正および最適化された、解剖学的にマップされた画像データに基づいて、矯正具が製造される。ステップ600で、個人向けに製造された矯正具が、履物に装着される。詳細な考慮は、以下のこのようなステップ中の各々で与えられるであろう。
【0127】
図1は、本発明のシステムおよびプロセスの実施形態のフローチャートを示し、他方
図2は、本発明のシステムおよびプロセスの絵画図を図示する。
【0128】
ステップ200で、システムは、身体部分の3D画像データを受信する。本発明のシステムおよびプロセスを足以外の身体部分に適用することが、本発明の適用範囲内ではあるが、本説明において画像データキャプチャのために選択された身体部分は、足である。一実施形態では、システムは、3D画像データを受信する。他の実施形態では、システムは、3Dマッピングシステムを含み、このシステムは、画像データキャプチャのための3Dスキャナー191を含む。
【0129】
図19は、画像データキャプチャのため、身体部分、すなわち、ここでは足の準備の態様を図示する。いくつかの患者の姿勢を矯正するために、指定された足保持装置は、足をニュートラル位置、または歩行の間に足があるべきと介護士が見なす他の任意の位置に、配置および固定するために使用される。例示的なプロセスでは、足は、画像データキャプチャの間にその位置に維持され、より具体的には3Dスキャナー191から一定の高さyおよび距離xで維持される。システムの一実施形態は、身体部分が一定の位置を取ることを容易にする身体位置決めデバイス193を提供する。例示的な身体位置決めデバイス193は、台または収容面を提供し、身体部分の完全な視野を提供する。図示された身体位置決めデバイス193は、踏み台であり、ここで足192は、その上面に置かれる。
【0130】
いくつかの実施形態では、プロセスおよびシステムは、もっぱら身体の画像データの既存の幾何学形状およびカラー情報を使用して、つま先領域、中足骨領域、アーチ領域、およびヒール領域などの、足の異なる領域を同定する。
図3Aは、スキャンされた足33のモデル上の中足骨関節31およびヒール32の底面部について、同定された解剖学的標識の付いた足を示す。システムおよびプロセスの他の構成では、解剖学的標識の検出は、足に置かれたマーカー35の使用によって容易になる。そのような構成を
図3Bに示す。一連の解剖学的マーカー35が配置され、これは、画像データ処理サブシステムによって識別可能になる。例示的な解剖学的マーカーは、片面には接着剤が付きかつ他の面にはカラーの付いたラベル、カラーインク付きのマーカーペン、またはペイントを含む。顔料のカラーは、身体部分の皮膚と対比される必要がある。解剖学的マーカー35は、以下の1つ以上に取り付けられる:足指の左/右/上/下、中足骨領域の左/右/上/下、アーチの左/右/上/下、ヒール領域の左/右/上/下、または他の標識。
図3Bは、ヒール部分の最底面部分を表すため、患者の足34の足底面に置かれた解剖学的マーカー35を使用したヒールのマークを示す。
【0131】
画像データは、3Dスキャナー191を用いてキャプチャされる。好適な3Dスキャナーは、1つ以上の深度感知および赤緑青(RGB)カメラである。例えば、カメラは、Microsoft Kinect、Primesense、David Laserまたは他の深度感知カメラであってもよい。一般的な深度センサーカメラは、レーザーまたはIRエミッター/レシーバーのペアなどの技術を含む。画像データは、例示的な構成では、足のまわりを回転する3Dスキャナーを用いてキャプチャされる。代表的画像データの出力フォーマットは、標準テッセレーション言語(STL)、オープジオメトリ定義フォーマット(OBJ)、またはポリゴンファイルフォーマット(PLY)を含む。
【0132】
システムが画像データファイル200を受信した後、システムは、標識の解剖学的特徴のみならず、足の他のマップされた特徴300をマップする。解剖学的特徴に関して、解剖学的マーカー35は、画像データの個所、一般に頂点に関連する。このステップの代表的サブシステムは、Blender3Dエンジンベースのツールである。
【0133】
前述のように、システムは、また足300の他の特徴をマップする。糖尿病患者の足、足潰瘍化、創傷、感染症、骨壊死、その他などの足の臨床症状は、対象体の足に存在し得る。病変を治療するため、システムは、患者の足上の問題となるゾーンおよびエリアを同定する必要がある。すべての情報は、患者の足を表すドットの3Dマップに収集される。前述のように3Dスキャナー191は、投影構造光、投射IRもしくはNIRスペックル、レーザースキャニング、三角測量ベースの画像分析、または他の3Dマッピング技術を含む技術のうち1つ以上を使用してもよい。負荷の放出を必要とする中心点およびエリアを分析するため、幾何学的マップ、スペクトル画像、ならびに「ホットスポット」を判定するためのIRおよびNIRのフィルターされたデータ、または上記のものの組み合わせを使用して、データが分析される。加えて、カラーのろ過および差別化は、そのような条件の検出を補助するために採用されてもよい。同定された臨床症状を有するゾーンは、画像データ中でマークされる。このステップの代表的サブシステムは、Blender3Dエンジンベースのツールである。
【0134】
矯正具ベースモデルが生成され、ここで矯正具ベースモデルは、対応するマップされた足底面とかみ合わせるための表面を表し、生成された対応するマップされた足底面と整合する。
【0135】
ステップ400で、矯正具ベースモデルは、修正および最適化される。必要な姿勢および位置に最適にフィットするため、システムは、一連の自動化された修正を実行するのみならず、手動による修正を受容する。一構成において、矯正具ベースモデルは、
図4に示すように複数セクションに分割され、ここで第1角度方向の一セクション41は、第2方向の移行セクション42に連続的に接合され、この移行セクションは、次いで第3方向の第3セクション43に接合されるが、他方組み合されたセクション41、42、43は、固く接合されたままである。中間セクション42の傾斜的移行率は、第1セクション41および第3セクション43の方向に比例する。
【0136】
システムは、いくつかの修正を自動的に実行し、利用者による矯正具ベースモデルの操作を容易にする。代表的動作として、膨張/収縮動作、平滑化動作、段階的に引き/押し動作、代表的矯正具ベースモデルまたはそのセクション41、42、43を伸長、圧縮、回転する動作が含まれる。
図5Aおよび
図5Bは、矯正具ベースモデルに適用されてもよいいくつかの修正または変換を図示する。
図5Aは、スキャンされた表面51の一部に実施される長手方向伸長52動作を示す。
図5Bは、一般に患者における姿勢に関連する角度変形を固定するために使用されるねじり操作を示す。該ねじりは、ヒール端53で、つま先端54で、または両者の組み合わせで実施され得る。変形のみならず伸長は、距骨下ニュートラル位置を有効にするために、技術者、臨床医、またはオペレータによって手動で、またはシステムによって自動的に実施されてもよい。このようなオペレータに加えて、システムは、足の特定部分を平坦化することを可能にし、システムの標準シューズへの快適なフィットを可能にする。
【0137】
画像6Aでは、スキャンされた物体61は、Z軸方向63に平坦化されて、矯正具の遠位部分で平坦な表面を可能にする。またこの処置は、
図4に示す傾斜プリンシパルに従って実施され得る。
【0138】
システムに含まれるいくつかの追加的特徴は、一般に手動による彫刻様の操作のデジタル化を可能にする。
図7Aは、そのような活動の例を示し、ここでスキャンされた身体71の表面72上の特定エリアが膨張する。追加的オペレータには、引き/押し、平滑化、平坦化、および彫刻オペレータが含まれる。オペレータにこのようなデジタル彫刻ツールを許容することで、現実の物理的彫刻ツールを使用してオペレータがキャストまたはインソールに対して行う時と同様に、スキャンされた物体を操作し得る。
【0139】
所望の矯正具の3D幾何学形状が決定されると、インソール輪郭は、与えられたシューズ向けに矯正具を正しい形状で切り出すために使用される。その一構成は、つま先領域に関連する幅と高さ、中足骨領域に関連する幅と高さ、アーチ領域に関連する幅と高さ、ヒール領域の幅と高さ、によって変更されたシューズ用インソールのリポジトリを含む。
図7Bは、ここに含まれ、かつ異なる種類の足、長さ、および幅にフィットする、多くの輪郭形状のサブセットを示す。システムは、画像73a、73b、および73cに示される輪郭などの既存の輪郭を使用し得、このような輪郭を特定の患者の正確なシューズサイズに拡大縮小することを介して修正し得る。加えて、システムスキャナーは、また、患者の既存のインソールの特定の輪郭をスキャンし、用途に明確にフィットする新しい輪郭を作成し得る。
【0140】
表面のみならず輪郭が定義されると、
図8Aに示すように矯正具は、体積および厚さの値を受容するであろう。材料の厚さのみならず硬度レベルは、手動によって入力され得るか、またはシステムに入力されている患者の詳細および病状に従って自動的に計算され得る。
【0141】
システムは、比較のため、エラーを制限し、かつ矯正具のフィットをさらに最適化する、追加的なオーバーレイインターフェースを含む。例示的な表示では、オーバーレイは、不透明または半透明に提示される。
図6Bは、そのようなツールの例を示し、ここでオリジナルの足のスキャン65のコピーは、矯正具64の修正された表面の上部に投影される。このツールは、オリジナルの表面に対して行われた修正と、修正が患者のオリジナルスキャンへのフィットに影響を及ぼす方式との比較および評価を可能にする。システムに含まれる追加的オーバーレイインターフェースは、断面図を含む。
図8Bのように、断面図は、設計された矯正具82を通るのみならず、オリジナルスキャンコピー83を通る主軸のうち1つに沿って切り取る。このため、設計のみならず、足底面にフィットした設計の局所的評価が可能となる。
【0142】
ステップ400で、矯正具ベースモデルは、最適化される。最適化は、罹患した部位から負荷をオフセットすることと、罹患した部位に薬剤を送り届けることと、を含む。
図9は、位置91A、91B、および91Cでの潰瘍および創傷を含む、患者の糖尿病性足病変の例を図示する。以前に開示されたステップを採用するこのようなデータ分析によって、潰瘍化および創傷の位置がマップされる。この構成では、対応する穴102は、
図10の例で示すように矯正具本体中に配置される。穴102は、インソール101の本体中に完全にまたは部分的に突出して、創傷および潰瘍のセグメントを負荷なしにし、治癒を促進し得る。また、穴102は、
図11中の切断面でも示され得る。
【0143】
本発明のいくつかの実施形態では、矯正具の表面は、完全にまたは部分的に抗菌コーティング、抗真菌コーティング、または制御された薬剤放出コーティングで被覆されてもよい。この実施形態の実施例は、
図13Aで示され得る。凹部132は、創傷部位91a、91b、91cに対応する矯正具131の本体中に配置される。基材133は、薬剤コーティング層、抗菌コーティング層、または創傷を治療し、かつ治癒プロセスを改善するため局所的に配置され得る他のコーティング層を表す。
図13Bに示す本実施形態の追加的構成は、遠隔リザーバー134と流体連絡する複数の出口チャネル135を含み、創傷部位からリザーバーへの流体の出口を提示し、治療表面の乾燥を維持することによって、治癒を促進し得る。
【0144】
創傷部位が治癒し始めると、創傷部位91a、91b、91cの幅は、減少する。
図12Aは、システムを用いて作られた矯正具の例を図示し、この矯正具は、潰瘍および創傷を受け入れる寸法を持つ2つの凹部102を含む。複数の同心円状に配置された、次第に小さくなるプラグ121が、凹部102に挿入される。各プラグ121は、近接プラグ(または外側プラグ121の場合は、凹部102)にフィットするようにサイジングされた外幅を有する。各プラグ121は、次第により小さくなるプラグ121を受け入れるサイズのインナー開口部を持つ。示されたプラグ121は、
図12Bのプラグ122b,および123に別個に示され得る連続的外幅e、f、および連続的内幅f、gを有する環状である。使用時には、プラグ122b、123は、相互におよび凹ゾーンに挿入され、かつ凹部直径の段階的収縮を可能にし、創傷が治癒して収縮するときに創傷を支持する。このような要素は、矯正具と同一材料から形成され得るか、またはシリコンもしくはエチレン酢酸ビニール(EVA)などの様々な硬度レベルを有する異なる材料から形成され得る。
【0145】
システムが特定の矯正具の設計を仕上げると、矯正具の負の圧痕は、モールドモデルに変化される。そのようなモールドの例は、
図14で示され得る。モールドは、空洞の境界線周辺に形成されたリップ141を含んでもよく、このリップは、モールド表面から高さ0.1~5mmだけ突出する。このリップは、射出成形の間にモールド平面に接触し、注入のための密閉性が達成されることを保証するであろう。モールドは、
図15Aに示すように単一ブロックの2つ側面上でミリングされて、材料と体積を節約し得る。この場合では、一患者の2つの矯正具がミリングされ、単一ブロックに保存され得る。モールドブロックに含まれてもよい追加的詳細は、
図15Aに示すように矯正具のヒール後部に配置された「エアボックス」空洞152を含む。この「エアボックス」は、注入プロセスにおいて材料流入口に位置合わせされることによって、注入の間、材料注入口に関連する変形および変色が、矯正具表面に存在しないようにする。
図15Bの詳細151は、患者の詳細を記載し、この詳細もまたモールド表面にミリングされてもよい。このような詳細は、以下のいくつかを含み得るがそれだけに限定されない:患者名、イニシャル、足の左右、注入のための空洞の体積、要求される硬度レベル、体重、または矯正具もしくは注入プロセスに関連する任意の追加情報。
【0146】
つま先の開いた履物は、つま先が密閉された履物に比較して、追加の製造上および使用上の問題をもたらす。
図16A、
図16B、および
図16Cは、本発明の実施形態の例を図示し、この図は個人向けのカスタムフリップフロップの設計および製作を記述する。本実施形態では、矯正具は、
図1に記載されるフローチャートに従って設計される。表面を正しい輪郭に切り取るために使用されるカーブは、
図16Bに図示された形状に従って設計されるが、この形状だけに限定されない。この形状は、
図16Cのディテール163中のフリップフロップ本体に配置される同一形状の空洞に正確にフィットする。矯正具を形作るカットは、挿入され、かつ個人向けの矯正表面を有するフリップフロップを形成する空洞に接着されるか、または空洞に化学的にもしくは加熱して接合される。フリップフロップは、ストラップを含んでもよく、このストラップは、フリップフロップのヒール部分に接続または切り離し可能であり、利用者に優れた支持および歩行を作り出す。
【0147】
図17A、
図17B、および
図17Cは、本発明の別の部分に関し、特にCrocsなどの、様々な構成の個人向けのクロッグおよびスリッパに関する。
図17Aは、例示的なクロッグ設計を示し、この設計は、
図1に記載されたフローチャートに従って設計された矯正具を含むように特別に形成された空洞を含む。その矯正具の例を
図17Bの詳細172で見ることができるが、矯正具は、クロッグ171の輪郭にフィットし、かつその位置に接着され得るか、または化学的にもしくは加熱して接合され得る。あるいは、クロッグ171は、1つ以上の矯正ソール172をホストし得、このソールは、異なるカラー、材料、フォームファクタに応じて、または代替の矯正具を必要とし得る他の任意の考慮に応じて、交換され得る。本発明の追加の実施形態は、
図17Cのように単一成形プロセスを使用して個人向けのクロッグを形成するステップを含む。ワンパーツクロッグ注入部173は、患者の足に正確にフィットすることを可能するために、注入モールドの1片のコア部分を交換してことで形成され得る。
図16A~
図16Cのみならず
図17A~
図17Cに記載された実施形態は、個人向けの異なる履物を作成する本発明のプロセスを記述する。これらは、ここで説明されたフリップフロップまたはクロッグを含むがそれに限定されず、またカスタマイズされたサンダル、スリッパ、および各消費者向けに個人向けのつま先が密閉されたシューズ用のソールにも関連する。
【0148】
開示された3Dスキャニングプロセス、修正プロセス、および製造プロセスは、個人向けの耳内イヤホンと、オフロード用ブレースと、可動性/半可動式ブレース、または十分に安定的なブレースを含む、膝、足首、肘、背中、首、または他の任意の身体靭帯、向けの整形外科支持ブレースと、イヤホンピースなど、とを含むがそれに限定されない他の製品にも適用され得ることが、認識されるべきである。
【0149】
図2は、典型的ではあるが制限的ではない本発明のフローチャートを表す。プロセスは、3Dマッピングユニット21を使用して患者の足のスキャニングから開始される。データは、インターネットを介して研究室にアップロードされるか、あるいはマッピングファクターのみならず顧客からの個人的詳細に考慮してローカルに処理される。次に、設計矯正具の負の圧痕は、ブロックに刻まれるか、または付加製造技術24を使用してモールド25に作られ、このモールドは、個人向けの矯正具26、フリップフロップ27、クロッグ28、またはシューズソール、スリッパ、または頭部、手、脚、または身体の他の部分のための固定補助物のみならず、椅子、ハンドル等用のカスタム装置、などの足に関連しない用途、を含む最終製品の1つを射出成形するのに使用される。
【0150】
該発明の別の部分は、矯正インソール、ソール、または個人向けのシューズの射出成形の制御プロセスに関連した。
図20には、射出成形プロセスで生産される最終製品に影響を及ぼし得るすべての制御パラメータのフローチャートを記述する。いくつかの好ましい実施形態では、注入の間に2つの以上の成分が一緒に混合されるが、利用者は、注入量、製品のカラーに影響する顔料のみならず、製品の硬度レベルを制御する混合比を制御し得る。このようなパラメータは、技術者またはオペレータによって手動で選定されてもよく、またはシステム入力に従って自動的に計算されてもよい。パラメータは、モールドブロックの表面上でミリングされて、最終利用者による注入システムへの挿入を容易にしてもよい。
図21は、本発明の一実施形態に従って例示的な射出成形ツールを記述する。このセットアップでは、モールドハウジングは、ベースブロック212を含み、このブロックは、ブロックの外形寸法に従って空洞を含む。このようなブロック211は、各顧客の特定のモールドに従って交換可能である。ハウジングブロック212は、電気式または加温流体を使用し得る加熱システム213のみならず、冷却システム214を含む。成形システムの第2部分は、空圧的または機械的に移動するプレート215を含む。このプレートは、材料流入口のみならず、機械的または空圧的に制御された密封システム215を含む。
【0151】
該発明は、その特定の実施形態に関連して説明されたが、多くのサブシステム、サブプロセス、代替物、修正、および変更が当業者に明白であろうことは明らかである。従って、該特許請求の範囲の主旨および広い範囲に入る、そのようなサブシステム、サブプロセス、代替物、修正および変更すべてを包含することが意図される。
【0152】
(実施例)
本教示の態様は、以下の実施例に照らしてさらに理解され得るが、この例は、本教示の範囲を制限するものと決して解釈されてはならない。
【0153】
(実施例1:ここで説明されているシステムを使用してカスタム矯正具を生産する)
健康な患者、年齢34歳、身長190cm、体重85kg。週に1~3回、ランニングおよびバスケットボールを含むスポーツを行う。患者は、不快症状を訴え、かつ不快症状にあるように見える。足底筋膜炎、機能性制限母趾と診断。
【0154】
身体所見の後、患者を椅子に座らせて、足を距骨下ニュートラル位置に置いた。足の位置を、
図19に記載の指定されたホルダーを使用して固定した。足を配置すると、3Dマッピングを実施し、その結果、距骨下関節ニュートラル(STJN)位置での足の足底面の3Dスキャンを得た。これを、第2足でも繰り返した。個人的、臨床的情報、および診断を含む患者のすべての情報は、システムのポータルを通じて患者のスキャンと共にアップロードした。加えて、患者が通常使用しているスポーツシューズからの既存のインサートも、マップし、かつポータルにアップロードした。システムによって3d方向および修正が実施し、スポーツシューズにベストフィットするために、矯正具の輪郭をスキャンされたインソールに従って切り出した。この患者について挿入されたパラメータは、システムによって「B」と呼ばれる中程度の硬度レベルをこの患者に提案していた。矯正3Dモデルを作成して体積を計算した後、
図15Bの詳細151に示すように、モールドの上に書き込まれたパラメータを含むモールドモデルを作製した。自動化CNCミリングマシンにこのファイルを送信し、このマシンが患者の幾何学形状に固有の2面を持つモールドブロックを作製した。ブロックを、
図21に記載されたものと類似したモールドハウジング内に挿入し、ここで各側面に、2つの成分を含む発泡ポリウレタン材料を注入した。各成分の質量のみならず比率は、モールドの各側面の本体上で計算され、かつ書き込まれるパラメータに従って決定されたが、本実施例では、成分Aは80g、成分Bは50gとした。射出成形プロセスの完了後、矯正具の正しい硬度レベルを試験し、この場合では、ショアA硬度15であり、これは、ショアA硬度14~16の「B」硬度レベル限度に入る。
【0155】
(実施例2:ここで説明されているシステムを使用して糖尿病性足病変のためにカスタム矯正具を生産する)
糖尿病患者、年齢37歳、身長185cm、体重105kg。両足とも重度の糖尿病関連の神経障害を患い、足のそれぞれに複数の創傷および潰瘍がある。シャルコー足を患う。創傷感染症の病歴があり、これにより足は、切断の危険性がある。糖尿病患者用の履物を使用。
【0156】
患者の診断後、患者の足を足ホールドユニットに置いて、STJN位置でスキャンした。スキャンは、患者の足の表面の各頂点について、スペクトル情報のみならず三軸幾何学的情報を含む。スキャンと患者情報は、インターネットを介して診断用のシステムポータルに送信された。スキャンされた表面を分析する間、
図9の詳細91A、91B、および91Cのように、患者の足の足底面にある3つの潰瘍の位置を診断した。足の創傷および潰瘍領域での体重負荷をゼロにしながら、創傷の周囲で足を支持するインソールの設計を作った。患者は、月に一度通院して、創傷病状をフォローアップするために治療を受けた。受診するたびに治療は、創傷の病状を改善させ、かつ創傷のサイズを減少させたので、患者は、新しい一対の矯正具を受けたが、
図12Aと
図12Bの例のように、その幾何学形状は同じで、ただ歪み解放部分の直径が小さくなった。この患者のインソールの硬度レベルがシステムに従って決定することによって、射出成形パラメータは、ショアA硬度10~12のA範囲内であるショアA硬度11にセットされた。
【0157】
(実施例3:ここで説明されているシステムを使用してカスタムクロッグを生産する)
健康な患者、男性、年齢55歳、身長175cm、体重75kg。病院の外科医として働いていて、毎日最大で12時間の立ち仕事をする必要がある。患者は、スポーツを行っているあいだ矯正インソールを使用するが、手術室では、クロッグを着用する。概して健康体で、凹足病状、足底筋膜炎の病歴がある。
【0158】
上記の実施例1に記載の機器および設定を使用して、STJN位置でシステムを用いて患者をスキャンした。スキャンは、ポータルにアップロードされた後、システムソフトウェアを使用して位置合わせされ、かつ操作された。境界線をトリミングするために使用された輪郭は、特定の等高線であり、この線は、画像17Bの詳細172に記載したような、カスタムクロッグの設計の空洞にフィットする。上記の実施例に記載のプロセスを使用して製造した後、矯正具を、一対のサイズ11の矯正クロッグに接着し、水密で一体様クロッグを形成した。矯正クロッグを、2つの成分のポリウレタン発泡材料を用いて注入した。その発泡材には、クロッグ使用時に感染症の可能性を減少させるために銀粒子が含まれていた。加えて、ソフトウェアを使用して同じ矯正具も再度トリミングしたが、今度は、
図16Bの詳細162に記載されたような、フリップフロップ矯正具にベストフィットする輪郭に従ってトリミングした。この矯正具を同じ方式で製造し、かつカスタムフリップフロップペアに一体化して、それもまた、患者に提供した。
【0159】
該発明は、その特定の実施形態に関連して説明されたが、多くの代替物、修正、および変更が当業者に明白であろうことは明らかである。従って、該特許請求の範囲の主旨および広い範囲に入る、そのような代替物、修正および変更すべてを包含することが意図される。本明細書で言及されたすべての出版物、特許、および特許出願は、それぞれの出版物、特許、または特許出願が特別かつ個別に参照によってここに組み込むことを指示された場合と同様に、その全体を参照によって本明細書に組み込む。加えて、本出願での任意の参照の引用または識別は、そのような参照が本発明の先行技術として使用可能であることを承認したと解釈してはならない。
【外国語明細書】