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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038318
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】車載器
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20230309BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008981
(22)【出願日】2023-01-24
(62)【分割の表示】P 2018247108の分割
【原出願日】2018-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】391019681
【氏名又は名称】株式会社コムテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸行
(57)【要約】
【課題】車載バッテリの電圧を正確に検出しつつ、車載バッテリから車載器への電力供給が遮断されることによる不具合が発生することを抑制する。
【解決手段】車両に搭載される車載器であって、制御部と、電力供給部と、切替え部と、検出部と、を備える。制御部は、電力の供給を受けて動作する。電力供給部は、電力を供給する。切替え部は、車両に搭載された車載バッテリから制御部へ電力を供給する第1供給路と、電力供給部から制御部へ電力を供給する第2供給路と、の間で、制御部への電力の供給路を切り替える。検出部は、切替え部によって制御部への電力の供給路が第2供給路に切り替えられた後の第1供給路に印加された電圧を検出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載器であって、
電力の供給を受けて動作する制御部と、
電力を供給する電力供給部と、
前記車両に搭載された車載バッテリから前記制御部へ電力を供給する第1供給路と、前記電力供給部から前記制御部へ電力を供給する第2供給路と、の間で、前記制御部への電力の供給路を切り替える切替え部と、
前記切替え部によって前記制御部への電力の供給路が前記第2供給路に切り替えられた後の前記第1供給路に印加された電圧を検出する検出部と、
を備える車載器。
【請求項2】
請求項1に記載の車載器であって、
前記電力供給部はコンデンサである車載器。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車載器であって、
前記制御部及び前記検出部は、一のICに組み込まれている車載器。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の車載器であって、
前記制御部に制御されて作動する制御対象を備え、
前記制御部は、電力の供給を受けて前記制御対象に対する制御を行うように構成されている、車載器。
【請求項5】
請求項4に記載の車載器であって、
前記制御部は、前記検出部により検出された電圧が所定値未満である場合、前記制御対象に対する制御を停止する、車載器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載器に関する。
【背景技術】
【0002】
車両事故の後処理において、事故原因に対する当事者の主張が大きく食い違い、事故の解決が円滑に進行しないという問題を解消するため、当事者及び第三者が事故の状況を画像で確認できるドライブレコーダが普及している。しかしながら、駐車中のセキュリティ機能を兼備したドライブレコーダでは、車両の駐車中にドライブレコーダを長時間作動させると、車載バッテリが上がるおそれがある。
【0003】
そこで、特許文献1に記載のドライブレコーダは、車載バッテリの電圧を検出し、検出された電圧が所定値未満である場合、車載バッテリからドライブレコーダに供給される電力を遮断する。また、特許文献1に記載のドライブレコーダは、車載バッテリの電圧を正確に検出するために、車載バッテリに流れる電流値がゼロになった場合の車載バッテリの電圧(つまり開放電圧)を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-102918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車載バッテリの電圧を正確に検出するために、車載バッテリからドライブレコーダ等の車載器への電力供給を遮断した場合、車載器において不具合が生じる場合がある。例えば、車載器がドライブレコーダである場合、ドライブレコーダにより撮像された画像が記録されるSDカード(登録商標)などの記録媒体に記録されたデータが化けたり破損したりする。
【0006】
本開示の一局面は、車載バッテリの電圧を正確に検出しつつ、車載バッテリから車載器への電力供給を遮断することによる不具合が発生することを抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、車両に搭載される車載器であって、制御部と、電力供給部と、切替え部と、検出部と、を備える。制御部は、電力の供給を受けて動作する。電力供給部は、電力を供給する。切替え部は、車両に搭載された車載バッテリから制御部へ電力を供給する第1供給路と、電力供給部から制御部へ電力を供給する第2供給路と、の間で、制御部への電力の供給路を切り替える。検出部は、切替え部によって制御部への電力の供給路が第2供給路に切り替えられた後の第1供給路に印加された電圧を検出する。
【0008】
このような構成によれば、第1供給路での電圧降下が抑制された状態で第1供給路に印加された電圧を検出できる。よって、第1供給路を介した電力供給が行われている状態で第1供給路に印加された電圧を検出する構成と比較して、より正確に車載バッテリの電圧を検出できる。また、検出部が電圧を検出する場合、電力の供給路が第2供給路に切り替えられるため、第2供給路を介して制御部への電力供給は継続される。よって、車載バッテリからの制御部への電力供給を遮断することによる不具合が発生することを抑制できる。したがって、車載バッテリの電圧を正確に検出しつつ、車載バッテリから車載器への電
力供給を遮断することによる不具合が発生することを抑制できる。
【0009】
本開示の一態様では、電力供給部はコンデンサであってもよい。このような構成によれば、電力供給部を充電することで電力供給部を繰り返し使用できる。ひいては、電力供給部が充電できない構成と比較して、車載器を長期間使用できる。
【0010】
本開示の一態様では、制御部及び検出部は、一のICに組み込まれていてもよい。このような構成によれば、制御部及び検出部のそれぞれが別々のICに組み込まれている構成と比較して、車載器を小型化できる。
【0011】
本開示の一態様では、車載器は、制御部に制御されて作動する制御対象を備え、制御部は、電力の供給を受けて制御対象に対する制御を行うように構成されていてもよい。このような構成によれば、車載器を車両に搭載する場合において、車載バッテリの電圧を正確に検出しつつ、車載バッテリから車載器への電力供給を遮断することによる不具合が発生することを抑制できる。
【0012】
本開示の一態様では、制御部は、検出部により検出された電圧が所定値未満である場合、制御対象に対する制御を停止してもよい。このような構成によれば、前記電圧が所定値未満であるにもかかわらず制御対象に対する制御が継続されることにより車載バッテリが上がることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】レコーダシステムの構成を示すブロック図である。
図2】制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】電圧検出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本開示を実施するための形態を説明する。
[1.構成]
図1に示すレコーダシステム1は、車両に搭載される。レコーダシステム1は、ドライブレコーダ2、車載バッテリ3、第1供給路41及び第2供給路51を備える。
【0015】
ドライブレコーダ2は、カメラ21、電力供給部22、メモリドライブ23、切替えスイッチ24及び制御装置25を備え、これらの構成部品21~25が一つの小型の筐体20に全て収容されている。
【0016】
本実施形態のドライブレコーダ2は、車両走行時において主として車両の前方を撮像するために、例えば室内のルームミラーの裏面にブラケットや接着剤を用いて装着することができる。又はこれに代えて、筐体20をフロントウィンドガラスの内面にブラケットや接着剤を用いて装着してもよい。さらに室内のインストルメントパネルの上面、リヤウィンドガラス、リヤパーセルの上面などの適宜箇所にテープなどの固定手段を用いて装着することもできる。
【0017】
カメラ21は、CCDカメラなどで構成され、車両の周囲の少なくとも一部(本実施形態では車両前方)を撮像する。カメラ21は、撮像された画像データを制御装置25に出力する。
【0018】
電力供給部22は、ドライブレコーダ2内の各部品に電力を供給する。本実施形態では、電力供給部22はコンデンサである。なお、電力供給部22は、イグニッションスイッ
チIGNがオンである間は充電される。
【0019】
メモリドライブ23は、撮像された画像データをSDカード23aなどの汎用携帯型記録媒体に記録する。SDカード23aの記録容量が一杯になってから最新の画像データが記録される場合、時間的に最古の画像データは消去され、エンドレスに絶えず最新の画像データが記録されるようにメモリドライブ23により制御される。駐車中のドライブレコーダ2による録画(以下、駐車監視録画)が行われている間は絶えずSDカード23aに画像データが記録される。
【0020】
切替えスイッチ24は、制御装置25への電力の供給路を後述する第1供給路41と第2供給路51との間で切り替えるスイッチである。
制御装置25は、CPU25aと、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ25b)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御装置25は、ドライブレコーダ2に内蔵される各部品の動作を統括及び制御する。制御装置25の各種機能は、CPU25aが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ25bが、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。
【0021】
制御装置25は、機能的な見地から見て、図2に示すように制御部251と検出部252とを備える。本実施形態では、制御部251及び検出部252は、論理回路やアナログ回路等を組み合わせたハードウェアを用いて実現される。しかし、制御部251及び検出部252を実現する手法はハードウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素を、ソフトウェアを用いて実現してもよい。本実施形態では、制御部251及び検出部252は一のICにより実現される。換言すれば、制御部251及び検出部252は一のICに組み込まれている。
【0022】
制御部251は、電力の供給を受けてカメラ21の画像の撮像制御及び記録制御を行うように構成されている。制御部251が撮像制御を行うことでカメラ21による画像の撮像の開始及び終了等が制御される。また、制御部251が記録制御を行うことでカメラ21の画像のSDカード23aへの記憶の開始及び終了等が制御される。さらに、制御部251は、切替えスイッチ24を制御し、制御装置25への電力の供給路を第1供給路41と第2供給路51との間で切り替える。なお、制御装置25と切替えスイッチ24とは制御線26によって接続されており、制御線26を介して切替えスイッチ24に制御信号を送ることで制御部251は切替えスイッチ24を制御する。
【0023】
検出部252は、第1供給路41に印加された電圧を検出するように構成されている。
また、制御装置25は、CPU25aがメモリ25bに格納されたプログラムを実行することで、後述する図3に示す電圧検出処理を実行する。なお、制御装置25を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
【0024】
一方、車載バッテリ3は、ドライブレコーダ2を含む車内の各種機器に電力を供給する。
第1供給路41は、車載バッテリ3からドライブレコーダ2内の制御部251へ電力を供給するための供給路である。
【0025】
第2供給路51は、ドライブレコーダ2内の電力供給部22から制御部251へ電力を供給するための供給路である。第2供給路51は、ドライブレコーダ2に内蔵されている。
第1供給路41は、2つの第1電力線41a,41bと、2つの第2電力線41c,4
1dと、を備える。2つの第1電力線41a,41bは、車載バッテリ3に直に配線されている。2つの第1電力線41a,41bは、車載バッテリ3のプラス端子3aとマイナス端子3bとにそれぞれ接続されている。
【0026】
2つの第2電力線41c,41dは、車内に設置された図示省略するナビゲーション装置の裏辺りで2つの第1電力線41a,41bにそれぞれ接続される。また、2つの第2電力線41c,41dは、ドライブレコーダ2の制御装置25に接続されている。
【0027】
第2電力線41c,41dは、第1電力線41a,41bよりも細くて電圧降下が起こりやすい。第1供給路41を介して車載バッテリ3からドライブレコーダ2へ電力が供給されている状態では、第2電力線41c,41dに300mA程度の電流が流れる。このため、第2電力線41c,41dにおいて比較的大きな電圧降下が発生する。よって、第1供給路41を介して電力供給が行われている間に第1供給路41に印加された電圧を検出しても、車載バッテリ3の電圧を正確に検出することはできない。
【0028】
なお、イグニッションスイッチIGNがオンかオフかに関わらず第1供給路41を介して常時車載バッテリ3から制御装置25へ電力供給が行われる。駐車時は第1供給路41を介して車載バッテリ3から供給される電力を使用して駐車監視録画が実行される。
【0029】
一方、第2供給路51は、2つの第3電力線51a,51bを備える。2つの第3電力線51a,51bは、電力供給部22に接続されている。また、2つの第3電力線51a,51bは、ドライブレコーダ2の制御装置25に接続されている。
【0030】
第1供給路41と第2供給路51とは一部回路を共有している。具体的には、第1供給路41の第2電力線41cと第2供給路51の第3電力線51aとは互いに合流した後、制御装置25に接続されている。また、第1供給路41の第2電力線41dと第2供給路51の第3電力線51bとは互いに合流した後、制御装置25に接続されている。
【0031】
前述した切替えスイッチ24は、制御装置25に供給される電力の供給路を第1供給路41と第2供給路51との間で切り替えるように設けられる。具体的には、切替えスイッチ24は、第1供給路41の第2電力線41c及び第2供給路51の第3電力線51a上に設けられている。切替えスイッチ24が第1供給路41の第2電力線41c側に切り替えられている状態(図1の実線L1で示す切替えスイッチ24の状態)では、第1供給路41を介して車載バッテリ3から制御装置25に電力が供給される。他方、切替えスイッチ24が第2供給路51の第3電力線51a側に切り替えられている状態(図1の破線L2で示す切替えスイッチ24の状態)では、第2供給路51を介して電力供給部22から制御装置25に電力が供給される。
【0032】
ここで、エンジンが停止するとオルタネータ(発電機)も停止するので、駐車監視録画を長時間継続した場合などには車載バッテリ3が上がることがある。車載バッテリ3が上がるとエンジンスタータモータを作動することができない。このため、本実施形態では、制御装置25の検出部252によって、第1供給路41に印加された電圧Vを検出し、電圧Vが所定値以上の場合のみ、駐車監視録画を実行する。後述するとおり、検出部252は、切替えスイッチ24によって制御装置25への電力の供給路が第1供給路41から第2供給路51に切り替えられた後の第1供給路41に印加された電圧Vを検出する。
【0033】
具体的には、制御装置25の検出部252は、制御装置25と第1供給路41とを接続する検出線28を介して第1供給路41に印加された電圧Vを検出する。検出線28は、第1供給路41の第2電力線41c上の箇所であって切替えスイッチ24よりも車載バッテリ3側の箇所に接続されている。
【0034】
なお、本実施形態のドライブレコーダ2の電源端子27は、イグニッションスイッチIGNを介して接続回路61により車載バッテリ3に接続される。制御装置25は、接続回路61を介してイグニッションスイッチIGNがオンかオフかを監視する。
【0035】
[2.処理]
次に、制御装置25が実行する電圧検出処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。電圧検出処理は、ドライブレコーダ2の電源がオンであり、イグニッションスイッチIGNがオフされている間(すなわち、駐車監視録画の実行中)において適宜のタイミングで実行される。なお、電圧検出処理の開始時は切替えスイッチ24が第1供給路41の第2電力線41c側に切り替えられている。
【0036】
まず、S101で、制御部251は、制御線26を介して切替えスイッチ24を制御し、制御装置25への電力の供給路を第1供給路41から第2供給路51に切り替える。
続いて、S102で、検出部252は、検出線28を介して第1供給路41に印加された電圧を検出する。
【0037】
ここで、S102の実行時は、制御装置25への電力の供給路が第2供給路51に切り替えられており、第1供給路41を介した制御装置25への電力供給が遮断されている。このため、第1供給路41での電圧降下が抑制された状態で第1供給路41に印加された電圧Vが検出される。
【0038】
続いて、S103で、制御部251は、S102で検出された電圧Vが所定値Th以上であるか否かを判断する。
制御部251は、電圧Vが所定値Th以上であると判断した場合には、S104へ移行し、駐車監視録画を継続する。S104を実行すると図3の電圧検出処理は終了する。
【0039】
一方、制御部251は、前述したS103で電圧Vが所定値Th以上でない(所定値Th未満である)と判断した場合には、S105へ移行し、駐車監視録画を停止する。S105を実行すると図3の電圧検出処理は終了する。
【0040】
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)本実施形態では、制御装置25の検出部252は、切替えスイッチ24によって制御部251への電力の供給路が第2供給路51に切り替えられた後の第1供給路41に印加された電圧を検出する。
【0041】
車載バッテリ3からドライブレコーダ2に電力供給が行われている状態では、第1供給路41に印加された電圧を検出しても車載バッテリ3の電圧を正確に検出することは難しい。特に、ドライブレコーダ2が車内における車載バッテリ3から比較的離れた位置に設置される場合、車内の図示省略するナビゲーション装置の裏辺りから配線される第2電力線41c,41dとドライブレコーダ2とを接続することで、車載バッテリ3からドライブレコーダ2に電力供給が行われる。しかしながら、この第2電力線41c,41dは車載バッテリ3に直に配線された第1電力線41a,41bよりも細くて電圧降下が起こりやすい。このため、車載バッテリ3からドライブレコーダ2に電力供給が行われている状態で第1供給路41に印加された電圧Vを検出しても車載バッテリ3の電圧を正確に検出することができない。
【0042】
この点、本実施形態の構成によれば、第1供給路41によるドライブレコーダ2への電力供給が遮断された状態、つまり第1供給路41での電圧降下が抑制された状態で第1供
給路41に印加された電圧Vを検出する。このため、車載バッテリ3の電圧を正確に検出できる。
【0043】
また、検出部252が第1供給路41に印加された電圧Vを検出する場合、制御部251への電力の供給路が第1供給路41から第2供給路51に切り替えられるため、第2供給路51を介して制御部251への電力供給は継続される。よって、SDカード23aに記録されるデータが化けたり破損したりするなど、車載バッテリ3からの電力供給を遮断することによる不具合が発生することを抑制できる。したがって、車載バッテリ3の電圧Vを正確に検出しつつ、車載バッテリ3からの電力供給を遮断することによる不具合が発生することを抑制できる。
【0044】
(2)本実施形態では、電力供給部22はコンデンサである。したがって、電力供給部22を充電することで、電力供給部22を繰り返し使用できる。ひいては、電力供給部22が充電できない構成と比較して、ドライブレコーダ2を長期間使用できる。
【0045】
(3)本実施形態では、制御部251及び検出部252は、一のICに組み込まれていている。したがって、制御部251及び検出部252のそれぞれが別々のICに組み込まれている構成と比較して、ドライブレコーダ2を小型化できる。
【0046】
(4)本実施形態では、車載器はドライブレコーダ2であり、制御部251は、電力の供給を受けて、カメラ21により撮像された画像の撮像制御及び記録制御を行うように構成されている。すなわち、本実施形態において、車載器は、制御部251に制御されて作動する制御対象としてカメラ21及びメモリドライブ23等を備え、制御部251は、電力の供給を受けて、カメラ21に対する撮像制御及びメモリドライブ23に対する記録制御を行うように構成されている。
したがって、ドライブレコーダ2を車両に搭載する場合において、車載バッテリ3の電圧を正確に検出しつつ、車載バッテリ3からドライブレコーダ2への電力供給を遮断することによる不具合が発生することを抑制できる。
【0047】
(5)本実施形態では、制御部251は、検出部252により検出された電圧Vが所定値Th未満である場合、前記撮像制御及び記録制御を停止する(S105)。すなわち、本実施形態において、制御部251は、検出部252により検出された電圧Vが所定値Th未満である場合、制御対象に該当するカメラ21及びメモリドライブ23に対する制御を停止する。したがって、電圧Vが所定値Th未満であるにもかかわらず撮像制御及び記録制御が継続されることにより車載バッテリ3が上がることを抑制できる。
【0048】
なお、本実施形態では、ドライブレコーダ2が車載器の一例に相当し、切替えスイッチ24が切替え部の一例に相当する。
[4.他の実施形態]
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は前述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0049】
(1)上記実施形態では、車載器としてドライブレコーダ2を例示したが、車載器はドライブレコーダ以外の機器であってもよい。具体的には例えば、車載器は、ドライブレコーダ以外の車両のアクセサリ電源を使用して動作する機器であってもよい。換言すれば、車載器は、ドライブレコーダ以外の車両のエンジンの停止中に使用できる機器であってもよい。このような車載器としては、例えば、盗難発生が検出された場合に警報などの出力処理を行う盗難防止装置等が挙げられる。この場合は、警報などを出力するように構成される出力部が、制御部に制御されて作動する制御対象に相当する。
【0050】
(2)上記実施形態では、電力供給部22としてコンデンサを例示したが、電力供給部はこれに限られず、電力供給部は、例えば、電池等であってもよい。
(3)上記実施形態では、制御部251及び検出部252は一のICに組み込まれているが、制御部及び検出部の実装の仕方はこれに限られるものではない。例えば、制御部及び検出部のそれぞれは、別々のICに組み込まれていてもよい。
【0051】
(4)上記実施形態において、制御装置25は、イグニッションスイッチIGNがオフ
にされてから所定時間経過したか否かを判断し、所定時間経過したと判断した場合に、切替えスイッチ24によって制御装置25への電力の供給路が第2供給路51に切り替えられた後の第1供給路41に印加された電圧Vを検出する構成としてもよい。
【0052】
車載バッテリ3には各種車載アクセサリ機器等も接続されている。イグニッションスイッチIGNをオフにすると、時間の経過に伴い車載バッテリ3から各種車載アクセサリ機器等に流れる電流が徐々に少なくなる。このため、第1供給路41に印加された電圧VをイグニッションスイッチIGNがオフにされてから所定時間経過後に検出することで、イグニッションスイッチIGNをオフにしてから直ぐに電圧Vを検出する構成と比較して、より正確に車載バッテリ3の電圧を検出できる。
【0053】
(5)上記実施形態で、制御装置25が実行する機能の一部又は全部を、1つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。
(6)前述した制御装置25の他、当該制御装置25を構成要素とするシステム、当該制御装置25としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、上記実施形態に係る第1供給路41に印加された電圧Vを検出する方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【0054】
(7)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0055】
1…レコーダシステム、2…ドライブレコーダ、3…車載バッテリ、
22…電力供給部、24…切替えスイッチ、25…制御装置、41…第1供給路、
51…第2供給路、251…制御部、252…検出部。
図1
図2
図3