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特開2023-38353配送ネットワークを管理および最適化するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038353
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】配送ネットワークを管理および最適化するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230309BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023010324
(22)【出願日】2023-01-26
(62)【分割の表示】P 2020201201の分割
【原出願日】2016-01-19
(31)【優先権主張番号】62/105,074
(32)【優先日】2015-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】321008011
【氏名又は名称】クリア デスティネーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ラフランス
(57)【要約】
【課題】配送ネットワークを管理および最適化するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】この方法は、消費者と複数の運送業者との間における仲介を提供するステップであって、それぞれの運送業者は、物品が、それらの物品に関するピックアップロケーションから、消費者に関連付けられている配送ロケーションへ輸送されることを可能にする、ステップを含む。この方法はまた、仲介に関するユーザインターフェースを介して、消費者が、1または複数の物品を含む注文の、配送ロケーションへの配送を要求することを可能にするステップを含む。この方法はまた、複数の運送業者と通信して、運送業者の利用可能性に従って少なくとも1つの利用可能な配送時間枠を、および要求された配送に関する輸送時間を決定するステップであって、輸送時間は、在庫データおよび配送ロケーションによって影響される、ステップを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送を実行するための方法であって、
仲介サーバデバイスが、通信ネットワークを介して消費者デバイスおよび運送業者デバイスと通信するステップであって、前記仲介サーバデバイスは、前記消費者デバイスおよび前記通信ネットワークを介して購入ユーザインターフェースにアクセスする消費者と接続可能であり、および、前記通信ネットワークを介してそれぞれが各々の運送業者デバイスを有する複数の運送業者と接続可能であり、それぞれの運送業者は、物品が、前記物品に関するピックアップロケーションから、前記消費者に関連付けられている配送ロケーションへ輸送されることを可能にし、前記購入ユーザインターフェースは、小売業者、製造業者、または卸売業者によって前記通信ネットワークを介して前記仲介サーバデバイスと統合されている、ステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記消費者または消費者デバイスによってアクセスされた前記購入ユーザインターフェースを介して、前記消費者が、前記配送ロケーションへの1つまたは複数の物品を含む注文の配送を要求することを可能にするステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して受信された前記要求から、少なくとも前記1つまたは複数の物品の出所、前記1つまたは複数の物品の利用可能性、および配送先に基づいて、配送計画を決定するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して、前記配送計画に関連付けられた地理的領域についてのローカル属性に関連付けられたリアルタイムデータ、および時間変化する運送業者キャパシティを受信するステップであって、前記ローカル属性が、気象、交通状況、および工事のうちの1つまたは複数を含む、ステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記配送計画のために最適化された配達ルートを決定するステップであって、
複数の大規模な物理的な障害物に基づいて前記配送計画と関連付けられた前記地理的領域を定義するステップ、
前記ローカル属性を使用して前記地理的領域を分割することにより複数のサブセクタを定義するステップ、
対応するサブセクタに影響を与える前記ローカル属性に関連付けられた前記リアルタイムデータに基づいて、リアルタイムで交通量を示す複数の交通ゾーンを識別するために前記サブセクタを絞り込むステップ、および
前記絞り込まれたサブセクタを使用して交通量の少ない前記識別された1つまたは複数の交通ゾーンを通る前記最適化された配達ルートを決定するステップ
により、前記配送計画のために最適化された配達ルートを決定するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記最適化された配達ルートを前記配送計画に組み入れるステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して前記配送計画を前記複数の運送業者に通信して、応答して、前記配送計画における前記最適化された配達ルート、それぞれの運送業者の利用可能性、およびそれぞれの運送業者のキャパシティによって決定付けられた輸送時間に少なくとも従って、複数の運送業者によって提供される複数の利用可能な配送時間枠を決定するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して前記購入ユーザインターフェースへ前記複数の利用可能な配送時間枠を通信するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して前記購入ユーザインターフェースから、特定の利用可能な時間枠の選択を受信するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記選択に対応する前記複数の運送業者のうちの選択された運送業者と前記通信ネットワークを介して通信することによって、前記小売業者、製造業者、または卸売業者の代わりに、前記配送計画に基づいて前記配送を開始させるステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して前記選択された運送業者に対応する前記運送業者デバイスからリアルタイムロケーションデータを受信するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記リアルタイムロケーションデータにしたがって前記選択された運送業者を前記交通ゾーンの1つまたは複数を通過するかまたは通過しないように再経路指定することにより、前記リアルタイムロケーションデータを使用して前記最適化された配達ルートを絞り込むステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して、絞り込まれた最適化された配達ルートを、前記選択された運送業者に対応する前記運送業者デバイスへ送信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記仲介サーバデバイスが、電子配送アポイントメントを生成し、前記通信ネットワークを介して、前記電子配送アポイントメントを前記選択された運送業者および前記消費者デバイスのうちの少なくとも1つに通信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仲介サーバデバイスが、小売業者からの需要と運送業者ネットワーク内の予備の配送キャパシティとをマッチングするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記選択は、小売りロケーションにおいて、またはパーソナルデバイスを使用して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記仲介サーバデバイスは、カスタマイズされたフロントエンドインターフェースを使用して、前記購入ユーザインターフェースと統合される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記輸送時間は、1つまたは複数のベンダにおいて利用可能な在庫、および前記配送ロケーションに関連付けられた前記地理的領域に従って前記仲介サーバデバイスによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記仲介サーバデバイスが、前記配送計画に関する配送データを生成するステップであって、前記配送データは前記消費者からの注文の配送についての前記受信した要求に少なくとも基づいている、ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記配送データは標準化されたフォーマットである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記標準化された配送データは、GS1フォーマットを使用する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記配送データは、一意のID、インボイス番号、名前、住所、電話番号、物品の記述またはタスクの記述、および前記配送時間枠のうちの1つまたは複数を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記仲介サーバデバイスが、前記選択された運送業者から配送ステータスデータを受信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記配送ステータスデータは、ピックアップステータス、配送ステータス、ルート変更、損傷通知、および署名のうちの任意の1つまたは複数を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記配送ステータスデータは、少なくとも1つの画像を含み、前記少なくとも1つの画像は、前記配送ロケーションまたは損傷のどちらかを前記1つまたは複数の物品に取り込む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記仲介サーバデバイスが、1つまたは複数の通知を、前記消費者デバイス、前記選択された運送業者、および在庫関連エンティティのうちの任意の1つに送信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記仲介サーバデバイスが、倉庫データ、課金データ、および監査データのうちの少なくとも1つを更新するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記仲介サーバデバイスが、少なくとも1つの子サブセクタを生成すること、ならびに
前記仲介サーバデバイスが、前記少なくとも1つの子サブセクタ内において、前記複数の交通ゾーンについて高速ゾーン、通常ゾーン、および低速ゾーンのうちの少なくとも1つと識別すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記仲介サーバデバイスが、前記地理的領域の視覚的なマッピングを生成するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記仲介サーバデバイスが、受け取り、ステージングおよびピッキング、ならびに、返品された物品に関するリバースロジスティクスのうちの任意の1つまたは複数に関する物品管理プロセスを開始するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
受け取りに関する前記物品管理プロセスは、前記仲介サーバデバイスが、前記配送に含まれるそれぞれの物品に関する識別子の生成を開始するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
リバースロジスティクスに関する前記物品管理プロセスは、前記仲介サーバデバイスが、その後の処理のために前記返品された物品について一意の識別子を識別するまたは加えるステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記運送業者の利用可能性は、乗り物内の利用可能なキャパシティ、既存のルートに沿った利用可能性、乗り物または乗り物オペレータの利用可能性、および利用可能な営業時間のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
配送を実行するためのコンピュータ実行可能命令を備えた非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、
通信ネットワークを介して仲介サーバデバイスへのアクセスを提供するステップであって、前記仲介サーバデバイスは、消費者デバイスおよび前記通信ネットワークを介して購入ユーザインターフェースにアクセスする消費者と接続可能であり、および、前記通信ネットワークを介してそれぞれが運送業者デバイスを有する複数の運送業者と接続可能であり、それぞれの運送業者は、物品が、前記物品に関するピックアップロケーションから、前記消費者に関連付けられている配送ロケーションへ輸送されることを可能にし、前記購入ユーザインターフェースは、小売業者、製造業者、または卸売業者によって前記通信ネットワークを介して前記仲介サーバデバイスと統合されている、ステップと、
前記消費者または消費者デバイスによってアクセスされた前記購入ユーザインターフェースを介して、前記仲介サーバデバイスと通信することにより、前記消費者が、前記配送ロケーションへの1つまたは複数の物品を含む注文の配送を要求することを可能にするステップと、
前記仲介サーバデバイスにおいて、前記通信ネットワークを介して受信された前記要求から、少なくとも前記1つまたは複数の物品の出所、前記1つまたは複数の物品の利用可能性、および配送先に基づいて、配送計画を決定するステップと、
前記仲介サーバデバイスにおいて、前記通信ネットワークを介して、前記配送計画に関連付けられた地理的領域についてのローカル属性に関連付けられたリアルタイムデータ、および時間変化する運送業者キャパシティを受信するステップであって、前記ローカル属性が、気象、交通状況、および工事のうちの1つまたは複数を含む、ステップと、
前記仲介サーバデバイスにおいて、前記配送計画のために最適化された配達ルートを決定するステップであって、
複数の大規模な物理的な障害物に基づいて前記配送計画と関連付けられた前記地理的領域を定義するステップ、
前記ローカル属性を使用して前記地理的領域を分割することにより複数のサブセクタを定義するステップ、
対応するサブセクタに影響を与える前記ローカル属性に関連付けられた前記リアルタイムデータに基づいて、リアルタイムで交通量を示す複数の交通ゾーンを識別するために前記サブセクタを絞り込むステップ、および
前記絞り込まれたサブセクタを使用して交通量の少ない前記識別された1つまたは複数の交通ゾーンを通る前記最適化された配達ルートを決定するステップ
により、前記配送計画のために最適化された配達ルートを決定するステップと、
前記最適化された配達ルートを前記配送計画に組み入れるステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して前記配送計画を前記複数の運送業者に通信して、応答して、前記配送計画における前記最適化された配達ルート、それぞれの運送業者の利用可能性、およびそれぞれの運送業者のキャパシティによって決定付けられた輸送時間に少なくとも従って、複数の運送業者によって提供される複数の利用可能な配送時間枠を決定するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して前記購入ユーザインターフェースへ前記複数の利用可能な配送時間枠を通信するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して前記購入ユーザインターフェースから、特定の利用可能な時間枠の選択を受信するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記選択に対応する前記複数の運送業者のうちの選択された運送業者と前記通信ネットワークを介して通信することによって、前記小売業者、製造業者、または卸売業者の代わりに、前記配送計画に基づいて前記配送を開始させるステップと、
前記仲介サーバデバイスにおいて、前記選択された運送業者に対応する前記運送業者デバイスからリアルタイムロケーションデータを受信するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記リアルタイムロケーションデータにしたがって前記選択された運送業者を前記交通ゾーンの1つまたは複数を通過するかまたは通過しないように再経路指定することにより、前記リアルタイムロケーションデータを使用して前記最適化された配達ルートを絞り込むステップと、
前記仲介サーバデバイスが、新たな最適化された配達ルートを、前記選択された運送業者に対応する前記運送業者デバイスへ送信するステップと
を含むステップのための命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項23】
配送を実行するための仲介システムであって、前記仲介システムはプロセッサおよびメモリを備え、前記メモリは、
通信ネットワークを介して仲介サーバデバイスへのアクセスを提供するステップであって、前記仲介サーバデバイスは、消費者デバイスおよび前記通信ネットワークを介して購入ユーザインターフェースにアクセスする消費者と接続可能であり、および、前記通信ネットワークを介してそれぞれが運送業者デバイスを有する複数の運送業者と接続可能であり、それぞれの運送業者は、物品が、前記物品に関するピックアップロケーションから、前記消費者に関連付けられている配送ロケーションへ輸送されることを可能にし、前記購入ユーザインターフェースは、小売業者、製造業者、または卸売業者によって前記通信ネットワークを介して前記仲介サーバデバイスと統合されている、ステップと、
前記消費者または消費者デバイスによってアクセスされた前記購入ユーザインターフェースを介して、前記仲介サーバデバイスと通信することにより、前記消費者が、前記配送ロケーションへの1つまたは複数の物品を含む注文の配送を要求することを可能にするステップと、
前記仲介サーバデバイスにおいて、前記通信ネットワークを介して受信された前記要求から、少なくとも前記1つまたは複数の物品の出所、前記1つまたは複数の物品の利用可能性、および配送先に基づいて、配送計画を決定するステップと、
前記仲介サーバデバイスにおいて、前記通信ネットワークを介して、前記配送計画に関連付けられた地理的領域についてのローカル属性に関連付けられたリアルタイムデータ、および時間変化する運送業者キャパシティを受信するステップであって、前記ローカル属性が、気象、交通状況、および工事のうちの1つまたは複数を含む、ステップと、
前記仲介サーバデバイスにおいて、前記配送計画のために最適化された配達ルートを決定するステップであって、
複数の大規模な物理的な障害物に基づいて前記配送計画と関連付けられた前記地理的領域を定義するステップ、
前記ローカル属性を使用して前記地理的領域を分割することにより複数のサブセクタを定義するステップ、
対応するサブセクタに影響を与える前記ローカル属性に関連付けられた前記リアルタイムデータに基づいて、リアルタイムで交通量を示す複数の交通ゾーンを識別するために前記サブセクタを絞り込むステップ、および
前記絞り込まれたサブセクタを使用して交通量の少ない前記識別された1つまたは複数の交通ゾーンを通る前記最適化された配達ルートを決定するステップ
により、前記配送計画のために最適化された配達ルートを決定するステップと、
前記最適化された配達ルートを前記配送計画に組み入れるステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して前記配送計画を前記複数の運送業者に通信して、応答して、前記配送計画における前記最適化された配達ルート、それぞれの運送業者の利用可能性、およびそれぞれの運送業者のキャパシティによって決定付けられた輸送時間に少なくとも従って、複数の運送業者によって提供される複数の利用可能な配送時間枠を決定するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して前記購入ユーザインターフェースへ前記複数の利用可能な配送時間枠を通信するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記通信ネットワークを介して前記購入ユーザインターフェースから、特定の利用可能な時間枠の選択を受信するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記選択に対応する前記複数の運送業者のうちの選択された運送業者と前記通信ネットワークを介して通信することによって、前記小売業者、製造業者、または卸売業者の代わりに、前記配送計画に基づいて前記配送を開始させるステップと、
前記仲介サーバデバイスにおいて、前記選択された運送業者に対応する前記運送業者デバイスからリアルタイムロケーションデータを受信するステップと、
前記仲介サーバデバイスが、前記リアルタイムロケーションデータにしたがって前記選択された運送業者を前記交通ゾーンの1つまたは複数を通過するかまたは通過しないように再経路指定することにより、前記リアルタイムロケーションデータを使用して前記最適化された配達ルートを絞り込むステップと、
前記仲介サーバデバイスが、新たな最適化された配達ルートを、前記選択された運送業者に対応する前記運送業者デバイスへ送信するステップと
を含むステップのためのコンピュータ実行可能命令を記憶するように構成されている、仲介システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記は、配送ネットワークを管理および最適化するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2015年1月19日に出願された米国特許仮出願第62/105,074号明細書に対する優先権を主張するものであり、その米国特許仮出願第62/105,074号明細書の内容は、参照によって本明細書に組み込まれている。
【0003】
電子商取引は、小売業界にとって、さらに広い顧客基盤に達して、競争の激しい市場において顧客にさらに多くのさらによいオプションを提供する上で、ますます重要になっている。電子商取引に伴う問題は、顧客がオンライン環境において小売業者に関与するためには、それらの顧客は、特に、写真、その他の顧客からのレビュー、ならびにウェブベースの比較およびその他のデータを介する以外に製品の見た目および感じがわかるための機会が限られている大きな物品に関しては、購入に伴って快適さを感じる必要があるということである可能性がある。大規模な金銭的投資を必要としないさらに小さな物品に関しては、これは典型的には、ほとんどの消費者にとって大きな障害ではない。しかしながら、多額の値札を伴う大型物品(たとえば、ストーブ、冷蔵庫、産業機器など)が家庭または会社へ配送されることになる場合には、オンラインでショッピングして家庭またはオフィスへ配送してもらう便利さにもかかわらず、顧客の側にためらいがあることがある。このためらいは、信頼できる配送を取り巻く不確実性、および配送日付/時間枠における変動性(たとえば、所与の日の午前9時と午後6時の間などの比較的大きな時間枠を提供された場合)が原因とされることがある。
【0004】
ピックアップおよび配送スキームは、典型的には、静的なタイムフレームを伴って策定され、それは、1つのロケーションにおいて単一の物品(すなわち、複数の物品ではなく)がピックアップされる場合にリソースが非効率的に使用されることをもたらすことがある。配送ネットワークと顧客との間における通信は、物品をピックアップまたは配送するためのタイムフレームを調整することをしばしば必要とされ、これはまた、非効率的であることがあり、物品を受け取る人が存在していることを確実にするために両方の当事者による合意を必要とし、スケジュールは典型的には、配送日の前に固定されており、柔軟性は、たとえあったとしても、わずかである。
【0005】
大きな物品は、多くの顧客へ配送するのが困難であることがある。なぜなら、顧客が配送に応対可能であることを確実にするために顧客との連絡が行われることが必要であるからである。購入された製品の物理的なサイズおよび価値は、典型的には、顧客応対可能性と、配送エージェントが、所望の配送時間枠、および運転手に課されたロケーションベースの制約(たとえば、配送ゾーン、ロケーションどうしの間における距離など)に対応する配送ルートを有することとを必要とする。
【0006】
出荷/配送ネットワークの断片化は、効率の低下および実行される作業の重複をもたらす。責任の断片化は、製品の効率的な配送を阻害する高度に複雑なロジスティクスネットワークにつながる。たとえば、個々の会社が、自分自身のシステムを管理することを課されており、これは、互いに互換性のないシステムどうしの場当たり的な開発につながることがあるということがわかっている。その上、多くのロジスティクスネットワークは、多層構成を有しており、その多層構成は、重要な通信が実行されることを妨げる。
【0007】
顧客満足度は、小売業者にとって、特にリピート客を促すために重要な要素である。たとえば、顧客が最初の購入に満足している場合には、彼らは、その小売業者をその他の連絡先に推奨する可能性があり、および/または同じ小売業者を再び使用する可能性がある。小売業者についての顧客の満足度は、その特定の小売業者によって使用されている「最後のマイル」または「最終マイル」の配送メカニズムによって影響されることがある。しかしながら、多くのケースにおいては、最後のマイルの配送ステップは、小売業者自身ではなく、サードパーティロジスティクスプロバイダによって取り扱われている。したがって小売業者は、配送プロセスの重要な要素に対してわずかからゼロのコントロールしか有することができない。
【0008】
ロジスティクスの最適化は、配送ネットワークの効率を高める際の重要なファクタである。出荷車両どうしが、それらの間におけるわずかからゼロの通信しか有していない場合には、作業の重複がしばしば行われることがある。たとえば、小売業者から倉庫へ、次いで顧客へと物品を出荷することが、その他の任意の数の仲介ステップを含んで、非効率をもたらすことがある。
【発明の概要】
【0009】
一態様においては、配送ネットワークを管理および最適化するための方法が提供され、この方法は、消費者と複数の運送業者との間における仲介を提供するステップであって、それぞれの運送業者は、物品が、物品に関するピックアップロケーションから、消費者に関連付けられている配送ロケーションへ輸送されることを可能にする、ステップと、仲介に関するユーザインターフェースを介して、消費者が、1または複数の物品を含む注文の、配送ロケーションへの配送を要求することを可能にするステップと、複数の運送業者と通信して、運送業者の利用可能性に従って少なくとも1つの利用可能な配送時間枠を、および要求された配送に関する輸送時間を決定するステップであって、輸送時間は、在庫データおよび配送ロケーションによって影響される、ステップと、複数の運送業者のうちの選択された運送業者によって配送を開始するステップとを含む。
【0010】
実施態様においては、この方法は、配送アポイントメントをスケジュールし、その配送アポイントメントを運送業者のうちの少なくとも1つおよび消費者に通信するステップをさらに含む。別の実施態様においては、配送は、消費者による特定の応対可能な配送時間枠の選択を検知して、対応する運送業者と通信することによって開始されることが可能である。選択は、小売りロケーションにおいて、またはパーソナルデバイスを使用して行われることが可能である。この方法の別の実施態様においては、仲介は、小売業者インターフェースを介して利用されることが可能である。
【0011】
別の態様においては、配送ネットワークを管理および最適化するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読メディアが提供され、それらのコンピュータ実行可能命令は、消費者と複数の運送業者との間における仲介を提供するための命令であって、それぞれの運送業者は、物品が、物品に関するピックアップロケーションから、消費者に関連付けられている配送ロケーションへ輸送されることを可能にする、命令と、仲介に関するユーザインターフェースを介して、消費者が、1または複数の物品を含む注文の、配送ロケーションへの配送を要求することを可能にするための命令と、複数の運送業者と通信して、運送業者の利用可能性に従って少なくとも1つの利用可能な配送時間枠を、および要求された配送に関する輸送時間を決定するための命令であって、輸送時間は、在庫データおよび配送ロケーションによって影響される、命令と、複数の運送業者のうちの選択された運送業者によって配送を開始するための命令とを含む。
【0012】
さらに別の態様においては、配送ネットワークを管理および最適化するための仲介システムが提供され、このシステムは、プロセスおよびメモリを含み、そのメモリは、消費者と複数の運送業者との間における仲介を提供するためのコンピュータ実行可能命令であって、それぞれの運送業者は、物品が、物品に関するピックアップロケーションから、消費者に関連付けられている配送ロケーションへ輸送されることを可能にする、コンピュータ実行可能命令と、仲介に関するユーザインターフェースを介して、消費者が、1または複数の物品を含む注文の、配送ロケーションへの配送を要求することを可能にするためのコンピュータ実行可能命令と、複数の運送業者と通信して、運送業者の利用可能性に従って少なくとも1つの利用可能な配送時間枠を、および要求された配送に関する輸送時間を決定するためのコンピュータ実行可能命令であって、輸送時間は、在庫データおよび配送ロケーションによって影響される、コンピュータ実行可能命令と、複数の運送業者のうちの選択された運送業者によって配送を開始するためのコンピュータ実行可能命令とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】このシステムのハイレベルな概観を提供する概略図である。
図2】このシステムを通じた情報およびデータの流れを示す図である。
図3】配送最適化/ロジスティクスシステムのための構成の例を示す図である。
図4】運転手デバイスのための構成の例を示す図である。
図5】顧客デバイスのための構成の例を示す図である。
図6】顧客によって対話される小売業者インフラストラクチャのための構成の例を示す図である。
図7】出荷から家庭までの管理のシステムのための構成の例を示す図である。
図8】配送最適化/ロジスティクスシステムが配送ネットワークを最適化することを可能にするように構成されている通信ネットワークの例を示す図である。
図9】ロジスティクスネットワークの例を示す図である。
図10】最終マイル配送システムを可能にするためのプロセスを実行する際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図11A】顧客注文を処理する際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図11B】配送時間枠をアレンジするために運送業者と通信する際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図12】アポイントメントをスケジュールする際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図13】アポイントメントを自動的にスケジュールする際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図14】データ正規化モジュールによって行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図15】属性を物理的なセクタに関連付ける際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図16】地理的領域の二次分割の例示的なイラストである。
図17】地理的エリアをサブセクタへと分ける際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図18】道筋作成/最適化モジュールのための構成の例を示す図である。
図19】道筋の作成および最適化において行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図20】ルート最適化プロセスにおいて行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図21】通知プロセスにおいて行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図22】配送プロセスにおいて行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図23】宛先ロケーションにおいて物品を処理する際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図24】物品を処理する際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図25】物品を処理する際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図26】物品を処理する際に行われるコンピュータ実行可能オペレーションを示す図である。
図27】ファーストパーティロジスティクス(1PL)、2PL、3PL、および4PLを実施するための例示的な構成を示す図である。
図28】通話ステータスの報告のための例示的なインターフェースを示す図である。
図29】毎日の影響の報告のための例示的なインターフェースを示す図である。
図30】損傷の報告のための例示的なインターフェースを示す図である。
図31】車両メトリックの報告のための例示的なインターフェースを示す図である。
図32】統計の報告のための例示的なインターフェースを示す図である。
図33】立ち寄りメトリックの報告のための例示的なインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
既存のシステムにおいて物品の輸送および配送のために必要とされる時間を概算することは、しばしば不正確であるということが認識されている。配送のためのエリアどうしは、経路設定システムの観点からは同じであるとみなされ、これは、特別なケースが見落とされることをもたらし、広い配送時間枠が顧客に提供されることを必要とする場合がある。配送エンティティによって必要とされるルートを決定する既存の手順は、実施するのに面倒で時間がかかることがあり、移動および配達のために必要とされる経路設定および時間における高い度合いの概算は、既存の配送ネットワークにおける低い度合いの正確さをもたらす。
【0015】
輸送のために必要とされる時間を計算するための既存の方法は、表面的であることがあり、したがって不確実性をもたらすということも認識されている。たとえば、さまざまなファクタに基づいて取るべき正しいルートを決定することは、複雑な問題である。ルートのために必要とされる時間は、必要な距離に乗り物の平均スピードを乗算することによって決定される。不確実性および予期せぬ事態を補うために、予測された配送時間に大きなタイムフレーム(たとえば3時間)が付加される。現在まで、基本的なアルゴリズムは、典型的には、1つのポイントから別のポイントへの最も短いルートを見つけ出すために使用されている。しかしながら、これらの基本的なアルゴリズムは、それぞれのルートに沿ったスピード調整に関するいかなるパラメータも考慮に入れることができない。
【0016】
大量のデータの取り込みおよび分析は、配送ネットワークを確立する際の重要な要素であることがある。データを取り込む従来の方法は、標準的でないデータを拒絶するための決定行列、決定木、または状態マシンの使用を含む場合がある。拒絶されたデータは、そのデータを訂正および/または修正するために人間の介入をしばしば必要とする。ロードレベルがしきい値を超えた場合には、さらなるサーバが取り込みシステムに加えられる。値の処理は、入ってくるデータに依存しているすべてのシステムを遅くすることがある。
【0017】
以降では、電子商取引市場内の配送需要を、最後のマイルを担当する複数の配送会社(少数の車両を、または1台の乗り物ですら運営している小企業および単一オーナー企業を含む)内の供給とさらに効率よくマッチさせるためにロジスティクスネットワークのメンバーどうしの間におけるインターフェースを確立するためのシステムを提供する。
【0018】
一態様においては、本明細書において記述されているシステムは、配送サービスを求める電子商取引によって生成される需要を、複数の個別の配送会社によって提供される供給とマッチさせる目的で、ロジスティクスネットワークに含まれているさまざまな当事者を統合するために1または複数の通信ネットワークと相互運用可能な通信レイヤを提供するウェブベースのプラットフォームを提供する。
【0019】
ロジスティクスネットワークに含まれている上述の当事者たちは、製品または商品の製造、輸送、販売、受け取り、または格納に関与している任意のエンティティを含むことができる。本明細書において言及される際には、配送の最後のまたは最終のマイルとは、注文された/購入された物品を、受取人である消費者に、所望の配達ロケーション(購入側の消費者のロケーションと同じである場合もあり、または同じでない場合もある)において最終的に提供する配送プロセスの最終の部分、セグメント、または「区間」である。
【0020】
その上、本明細書において記述されている顧客または消費者とは、物品を、報酬と引き換えにその物品を提供している小売業者、製造業者、卸売業者、清算人、またはその他のエンティティなどの売り手との間で注文する、購入する、発注する、またはその他の形で取得しようとする任意の個人またはエンティティ(たとえば、人、企業、組織、コミュニティ、製造業者など)を指す。そのような顧客または消費者は、企業、工事現場、製造工場、住宅などを含むことができる。顧客が小売業者から物品を購入した場合には、顧客情報が生成される。提供される情報は、物品識別情報、顧客応対可能性、購入確認、または顧客ロケーションを含むことができる。顧客データは、単一の顧客に関連付けられている、または単一の顧客に帰属されるデータであり、注文履歴、顧客ロケーション、顧客応対可能性(すなわち、顧客が配達を自由に受け取ることができる時間帯)、住所、電話番号、Eメールなどを含むが、それらには限定されない。
【0021】
本明細書においては、ウェブアプリケーションは、ロジスティクスプロセスのコンポーネントどうしの間における集中化された通信リンクを提供するように構成されている。ウェブアプリケーションの接続されている性質に起因して、透明性が確立される。集中化された性質は、以降でさらに詳細に記述されているようにシステム内の供給および需要に基づいて小売りオペレーションを配送オペレーションと調和させることによるロジスティクスの容易にされた最適化につながる。通信は、統合されたウェブツールの使用を通じて容易にされる。ロジスティクスエンティティのネットワークは、電話、SMS(すなわち、ショートメッセージサービス)、Eメール、およびインスタントメッセージを含むがそれらには限定されない通信チャネルを通じてウェブアプリケーションを通じて通信する。
【0022】
次いで図を参照すると、図1は、配送最適化/ロジスティクスシステム10(以降では、「システム10」と呼ばれている)の例を示している。システム10は、最終マイル配送モジュール11、アポイントメントスケジューリングモジュール12、データ正規化モジュール13、およびネットワークインターフェース14を含む。ネットワークインターフェース14(以降でさらに示されている)は、1または複数のネットワーク(以降では、簡単にするために全体として「ネットワーク15」と呼ばれている)から情報を送信および受信する。ネットワークインターフェース14は、ネットワーク15からデータを受信し、データをデータ正規化モジュール13へ送信する。ネットワーク15の例示的な実施形態が、以降で論じられている。データ正規化モジュール13は、図14によって示されているように、受信されたデータを処理し、情報を、さらなる処理のために、標準化されたフォーマットへと構成する。データ正規化モジュール13は、標準化されたデータの要素を最終マイル配送モジュール11およびアポイントメントスケジューリングモジュール12へ送信する。最終マイル配送モジュール11は、最適化されたルートのデータを生成し、そのデータをネットワークインターフェース14へ送信する。アポイントメントスケジューリングモジュール12は、アポイントメントスケジュールを生成し、そのデータをネットワークインターフェース14へ送信する。データ正規化モジュール13によって構成されたデータから、新たなデータが生成される。ネットワークインターフェース14は、最終マイル配送モジュール11およびアポイントメントスケジューリングモジュール12によって生成されたデータを、ネットワークインターフェース14を通じてネットワーク15へ送信する。
【0023】
図1によって示されている例示的なネットワーク15は、エンティティどうしを互いにリンクさせるために使用される通信/データ転送システムである。ネットワーク15は、WLAN、TCP/IP、ブルートゥース(登録商標)、WiFi、GSM、CDMA、または、ワイヤレス通信プロトコルもしくは有線通信プロトコルの組合せを使用して実施されることが可能であるということが理解され得る。ネットワーク15に接続されている有効なネットワークインターフェース14を有するエンティティどうしの間においてデータが送信および受信されることが可能である。たとえばネットワーク15は、データ転送および情報共有、ならびに、データを単一のシステム(たとえばシステム10)へ転送することによってさまざまなソースからのデータを組み合わせて最適化する能力を可能にする。ネットワーク15の目的は、システム10と、ネットワーク15の接続されているメンバーとの間における通信を可能にすることである。ネットワークインターフェース14は、2つのコンポーネント(すなわち、システム10およびネットワーク15)の間において接続すること、接続を解除すること、または情報を渡すことが可能であるコンポーネントまたはモジュールである。ネットワークインターフェース14は、サブシステムによって生成されたデータがネットワーク15を介してその他のサブシステムへ転送されることを可能にする。ネットワークインターフェース14は、たとえば、前述のようなさまざまなネットワーク15のタイプとインターフェース接続することができる。
【0024】
図1はさらに、ネットワーク15との間でデータを転送する例示的なエンティティを示している。小売業者21は、図6によって示されているように、ネットワーク15を通じて注文情報およびストックレベルをシステム10へ送信し、システム10からアポイントメントスケジューリングデータを受信する。小売業者21は、製品を販売する任意の人またはエンティティである。アポイントメントスケジュールデータは、特定のルートに関する開始時刻、および推定された終了時刻を含むことができる。顧客デバイス18は、図5によって示されているネットワーク15を通じてシステム10から通知を受信する。運転手デバイス16は、ロケーション情報(たとえば、GPS座標)から得られたリアルタイムロケーションを、ネットワーク15を通じてシステム10へ送信し、図4によって示されているネットワーク15を通じてシステム10から、辿るべき最適化されたルートを受信する。
【0025】
最適化されたルートは、システム10のすべての要件を満たすように選択される。運送業者22は、運転手デバイス16と同じ情報を受信することに加えてスケジューリング情報を受信する。図9によって示されている製造業者25、倉庫24、および流通センタ23は、注文情報およびスケジュールデータをシステム10から受信し、ネットワーク15を通じてシステム10へキャパシティ情報および制限を送信する。キャパシティは、製造業者25の生産能力、倉庫24において利用可能なスペース、または運送業者22において利用可能なトラックおよび運転手の数、識別されたキャパシティによって課される制限を含むことができる。
【0026】
図1はまた、物理的な輸送プロセスの例を示している。製造業者25は、物品を生産し、その物品は、その後に倉庫24において格納される。流通センタ23は、製造業者25、流通業者26、および倉庫24から物品を経路設定することを容易にする輸送ハブである。流通業者26は、注文に関するデータを運送業者22に提供すること、およびそれらの運送業者22が物品を時間どおりに配達することを確実にすることを担当する。流通業者26は、製造業者25、小売業者21、運送業者22(またはそれらの任意の組合せ)であることが可能であるということが理解され得る。本明細書において記述されているシステムは、流通業者26に対して、彼らの注文に関するデータを、それらの注文が単一の運送業者22によって完遂されたか、または多数の運送業者22によって完遂されたかにかかわらずに受信および入手するためのツールを提供する。運送業者22は、流通センタ23、倉庫24、流通業者26、および製造業者25の間において物品を輸送する。運送業者22は、典型的には、複数の運転手17に関連付けられている(単一の運転手を擁するエンティティも、本明細書において記述されているシステムから恩恵を享受することができるが)。運転手17は、顧客19によって注文された物品を開始ロケーションから顧客ロケーション20へ輸送する。開始ロケーションは、倉庫24、製造業者25、流通センタ23、顧客ロケーション20、または小売業者21を含むことができる。顧客ロケーション20は、物品を注文した顧客19に対応する地理的な位置である。輸送プロセスは、図9によって示されている。
【0027】
図2は、システム10を通じた情報の流れの例を示している。システム10は、図1によって示されているネットワーク15を通じてさまざまな入力20を受信する。システム10への入力20は、注文情報に関するデータ、配送先、運送業者キャパシティ、倉庫キャパシティ、および前述のような顧客データを含むことができる。システム10は、入力20を処理し、少なくとも1つの配送ネットワークを最適化するために使用される情報およびデータ出力21を生成する。システム10からの出力21は、最適化されたルート、アポイントメントスケジュール、および顧客通知を含むことができる。出力21は、システム10から、図1によって示されているネットワーク15内のエンティティへ送信される。
【0028】
図3は、システム10のための例示的な構成を示している。ネットワークインターフェース14によってネットワーク15からデータが受信される。データは、図2によって示されているように、システム10からのデータ入力および出力を含むことができる。ネットワークインターフェース14は、受信されたデータをデータ正規化モジュール13へ送信する。データ正規化モジュール13は、図14によって示されているように、データを標準化する。データ正規化モジュール13は、正規化されたデータを、アポイントメントスケジューリングモジュール12内に含まれている注文分析システム33へ送信する。
【0029】
注文分析システム33は、新たな顧客データを顧客データベース34へ、および顧客応対可能性をアポイントメントカレンダ生成モジュール35へ転送する。顧客データベース34は、以前の注文、顧客ロケーション、およびその他の顧客データを含むデータ収集ユニットである。顧客データベース34は、要求に応じて、または所定のインターバルでアポイントメントカレンダ生成モジュール35にデータを提供する。アポイントメントカレンダ生成モジュール35は、図12および図13によって示されているように、配送のための利用可能な時間枠を決定し、その時間枠をルート最適化システム31、ネットワークインターフェース14、および通知システム36へ送信する。
【0030】
通知システム36は、図21によって示されているように、指定された時刻に通知を生成し、その通知をネットワークインターフェース14へ送信する。最終マイル配送モジュール11は、ルート最適化システム31、および最適化されたルートモジュール32を含む。ルート作成システム30は、開始ロケーション、終了ロケーション、および時間枠をデータ正規化モジュール13およびアポイントメントカレンダシステム35から受信することができる。たとえば開始ロケーションは、倉庫、流通センタ、または別の顧客ロケーションであることが可能であり、その一方で終了ロケーションは、顧客ロケーション、流通センタ、または小売業者を含むことができる。ルート作成システム30は、図15によって示されているように、ルートのマップを生成し、生成されたルートをルート最適化システム31へ送信する。ルート最適化システム31は、図18によって示されているように、ルートを最適化し、運転手によって辿られることになる最終の最適化されたルート32を生成する。最適化されたルート32は、ネットワークインターフェース14へ送信されて、スケジュールされた時刻に運転手へ送信される。
【0031】
図4は、運転手デバイス16のための構成の例を示している。運転手デバイス16は、任意の適切な電子デバイス、いくつか例を挙げれば、たとえばハンドヘルドコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、専用の配送デバイス、ポータブルコンピュータ、またはタブレットコンピュータを含むことができる。運転手デバイス16は、ネットワークインターフェース14を通じてネットワーク15からデータを送信および受信する。
【0032】
ソフトウェアアプリケーション40が、ネットワーク15との間でデータを送信および受信するためにネットワークインターフェース14と、GPS座標などのロケーションデータを決定するためにナビゲーションシステム41と、グラフィカルユーザインターフェースをレンダリングするためにディスプレイ43と、およびユーザが運転手デバイス16と対話することを可能にするために入力メカニズム44と通信する。ソフトウェアアプリケーション40は、特定のアプリケーションにおいてオペレーションを実行するように設計されている任意の適切なプログラムまたはプログラムのセットまたはその他のコンピュータ実行可能命令として構成されることが可能である。ソフトウェアアプリケーション40は、デバイス16上に直接にインストールされること、ウェブポータルを通じてアクセスされること、またはウェブプラグインとして実施されることなどが可能である。
【0033】
ソフトウェアアプリケーション40は、最適化されたルート32をネットワークインターフェース14から受信し、それらの最適化されたルートを、運転手デバイス16内に含まれているナビゲーションシステム41へ送信する。ナビゲーションシステム41は、GPSモジュール42の使用を通じて、運転手デバイス16の現在の地理的なロケーションをソフトウェアアプリケーション40に提供する。ソフトウェアアプリケーション40は、運転手デバイス16のディスプレイ43と通信して、運転手17に情報を提供する。運転手17は、データを入力メカニズム44へと入力することができる。入力メカニズム44は、たとえば、運転手デバイス16とインターフェース接続するキーボード、タッチスクリーン、トラックパッド、マウス、音声入力、タッチジェスチャーなどを通じてデータを取得することができる。運転手デバイス16によって検知されるデータは、入力コンポーネント44によってソフトウェアアプリケーション40に提供される。運転手17によるデータ入力は、図22および図23によってさらに示されているように、運転手のコメント、写真、または物品データを含むことができる。
【0034】
図5は、顧客デバイス18のための構成の例を示している。顧客デバイス18は、たとえばラップトップ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、キオスクなどであることが可能である。図3によって示されている顧客デバイス18は、ネットワークインターフェース14を通じてネットワーク15からデータを送信および受信する。ソフトウェアアプリケーション40は、ネットワークインターフェース14、ディスプレイ43、および入力メカニズム44と通信する。ソフトウェアアプリケーション40は、デバイス16上に直接にインストールされること、ウェブポータルを通じてアクセスされること、またはウェブプラグインとして実施されることが可能である。ソフトウェアアプリケーション40、ディスプレイ43、および入力メカニズム44の組合せは、図6および図11によって示されているように、電子小売業者に物品を注文する能力を顧客19に提供する。顧客19は、所望の物品を小売業者から購入するための注文情報を入力メカニズム44へと入力することができる。注文情報は、入力メカニズム44によってソフトウェアアプリケーション40に提供される。注文情報は、ネットワークインターフェース14およびネットワーク15を通じて、ソフトウェアアプリケーション40からシステム10へ送信される。ソフトウェアアプリケーション40は、ネットワークインターフェース14を通じてネットワーク15から通知を受信し、顧客19に通知を行うために通知をディスプレイ43へ送信する。
【0035】
図6は、小売業者デバイスおよび/またはインフラストラクチャ21(以降では、言及しやすくするために「小売業者21」と呼ばれている)のための構成の例を示している。小売業者21は、この例においては、ポイントオブセールスシステム60(本明細書においては、「POS60」と呼ばれている)、ストック管理システム61、ウェブサイト62、および少なくとも1つの物理的な店または「ショップ」63を有している。POS60は、顧客によって行われる購入を管理するために、およびその他のシステムへの問合せを生成するために小売業者21によって使用されるシステムである。ストック管理システム61は、小売業者21が自分で所有しているまたはその他の形でアクセスを有している物品の数をモニタするために使用される。ネットワークインターフェース14は、既存のPOS60と通信して、顧客データおよび注文情報を受信する。ネットワークインターフェース14は、ネットワーク15を通じて注文情報および顧客情報をシステム10へ送信する。POS60は、ウェブサイト62を通じて、またはショップ63を通じて注文情報を受信する。ウェブサイト62は、顧客デバイス18を通じて注文情報および顧客データを受信する。ショップ63は、顧客19によって提供された入力を介して注文情報および顧客データを受信する。POS60は、顧客の支払いを確認し、利用可能なストック61をチェックして、外部注文が必要とされるかどうかを決定する。ストック61の管理は、物品が小売業者へ配送されることを自動的に要求することもできる(すなわち、ストックレベルが低い場合には、小売業者の代わりにシステム10へ注文を出す)。
【0036】
小売業者21は、システム10によって提供された汎用ポータルを通じて、または、たとえばソフトウェア開発キット(SDK)を使用して開発されたカスタマイズされたフロントエンドインターフェースを介してなど、さまざまな方法でシステム10と統合することができる。そのようなインターフェースは、ウェブサイト62、物理的なショップ63内の端末、ポイントオブセールデバイス60、またはネットワークインターフェース14のうちの任意の1つまたは複数を介してエンドユーザに提供されることが可能である。これは、小売業者が、配送要求および関連付けられているトランザクションを完遂するためにリアルタイムのまたは実質的にリアルタイムの配送供給情報を提供することを可能にする。同様に、運送業者22および顧客デバイス18のためにユーザインターフェースが作成されることが可能である。小売業者21によって利用されるインターフェースは、上述のように、配送をアレンジおよび実行する目的で運送業者と通信するために、正規化されたまたは標準化されたデータを使用することができる。たとえば、システム10およびデータ正規化モジュール13は、なじみのあるデータフォーマットを使用して、本明細書において記述されているさまざまなエンティティの間において通信を行うためにGS1データ標準を利用するように構成されることが可能である。GS1は、需給連鎖のための標準を開発および保持すること、たとえば製品に関するバーコード番号を発行することを行う組織である。GS1データはまた、i)物品、ロケーション、出荷、資産などの識別、および関連付けられているデータに関連していること、ii)バーコードまたはRFIDタグなどの物理的なデータ記憶媒体内にデータをエンコードすることおよび取り込むことに関連していること、ならびにiii)当事者どうしの間においてデータを共有することに関連していることが可能である。そのような標準化された(たとえばGS1)データを利用するプロセスの例が、以降で記述されており、図11Bにおいて示されている。
【0037】
図7は、物品の配送をアレンジするために顧客19によって開始されるプロセスの流れの例を示している。この例においては、顧客19は、ウェブ注文62を通じて、または小売業者21を通じて直接に購入を開始し、それは図11Aおよび図11Bによって示されている。顧客19はしたがって、小売業者21との電子的なもしくは物理的なインターフェースを介して、たとえば、スマートフォンアプリ、ウェブサイトブラウザ、キオスクなどを介して、または物理的な小売業者の店頭においてポイントオブセールで、たとえばショップ63を介して、このプロセスを開始することができる。小売業者21は、物品を求める顧客の注文を、既存のPOSシステムを通じて受信し、たとえば、図6によって示されている顧客19によって購入される物品に関連付けられているストックをチェックするために、在庫の問合せを開始する。小売業者21は、ネットワーク15を通じてシステム10とインターフェース接続し、システム10は、小売業者のネットワークインターフェース14を通じて注文情報を受信する。システム10は、物品の購入中に小売業者21に提供された顧客応対可能性に対応する配送の日付および時間枠を生成し、アポイントメントスケジューリングモジュールのさらなる例示が、図12において提供されている。アポイントメントスケジュールおよび最適化されたルートが、システム10によって運転手17および/または運送業者22へ送信される。情報は、運送業者22へ送信されて、運転手17へと回送される。運転手17は、システム10からルート情報を受信し、必要とされている物品を開始ロケーションからピックアップすることへ進む。開始ロケーションは、図9によって示されているように、製造業者25、倉庫24、小売業者21、流通業者26、および流通センタ23を含むことができる。運転手17は、システム10によって提供された最適化されたルートおよびスケジュールに従って、顧客ロケーションに到着し、このプロセスは、図23によって示されているように、顧客19によって購入された物品の配送を続ける。
【0038】
図8は、製造業者25、運送業者倉庫24a、小売業者倉庫24b、スーパー流通センタ(すなわち全国的な)23a、流通センタ(すなわち地域の)23b、運送業者22、運転手17、流通業者26、小売業者21、および顧客19を含むことができるエンティティへのネットワークインターフェース14を通じたデータ転送を可能にするシステム10および通信インターフェースの例を示している。システム10に関連しているそれぞれのエンティティの役割は、図9において例として示されている。図8において示されていないその他のエンティティが、有効な適用可能なネットワークインターフェースを介してシステム10のコンポーネントからデータを送信および受信することができるということが理解され得る。
【0039】
図9は、ロジスティクスネットワークの例を示している。流通センタ23は、スーパー流通センタ23aおよびローカル流通センタ23bを含むことができる。スーパー流通センタ23aは、全国的な流通センタ(すなわち、大きな地理的領域を包含した)であり、その領域内での物品の流通を可能にする。スーパー流通センタ23aの役割は、プライマリ層流通ネットワークを提供することである。スーパー流通センタ23aは、たとえばローカル流通センタ23bおよび外部のスーパー流通センタ23bを含むロケーションへの入力および出力を受信する。入力および出力データの流れは、任意の物理的な商品または製品を含む。小売業者21から注文されてストックにない物品は、必要とされる場合には、顧客19へのローカル流通センタ23bの近接度に基づいてスーパー流通センタ23aへ回送される。物品は、スーパー流通センタ23aからローカル流通センタ23bへ、そしてその後に倉庫24へ輸送される。倉庫24は、製造業者25、小売業者21、および運送業者22、および流通業者26とインターフェース接続されて、それらのエンティティの間において物品を輸送または格納する。製造業者25は、小売業者21によって販売される物品を生産する。運送業者22は、物品を直接に顧客19へ輸送する運転手17の車両を管理する。顧客は、物品を購入するために小売業者と対話する。
【0040】
図1によって示されているシステム10は、在庫管理、キャパシティ管理、ジャストインタイム、物品損傷報告、注文管理、需要予測などを含むサービスを伴う典型的なロジスティクスネットワークのコンポーネントへのインターフェースを提供する。システム10はしたがって、電子商取引システムを複数の最終のまたは最後のマイルの配送ネットワークとシームレスに統合するレイヤまたはプラットフォームを提供する。この方法においては、小さな配送会社および単一の運転手の配送会社でさえにおける予備の配送キャパシティが、電子商取引システム内で生み出された需要に対して最適化およびマッチされることが可能である。電子商取引システムのリアルタイムに近い性質を前提にして、システム10は、効率を高めることおよび別々のシステムの間におけるインターフェースを提供することによって顧客および配送ネットワークにさらによくサービス提供するために需要に対する供給のオンデマンドのマッチングを容易にする。
【0041】
図10は、最終マイル配送管理システム11によって実施されることが可能であるプロセスの例示的な実施形態を示している。運送業者22、小売業者21、流通業者26、および製造業者25からのデータは、ネットワークインターフェース14によって受信される。ネットワークインターフェース14は、システム10内に含まれている。受信されるデータは、前述のように、顧客データ、注文情報、倉庫キャパシティ、および製造キャパシティを含むことができる。受信されたデータは、データ正規化13コンポーネントへ送信される。データ正規化13コンポーネントは、顧客ロケーションを処理して、データ列を、正規化された(すなわち標準の)フォーマットへと構成する。正規化されたアドレスは、GPS座標を使用して109でジオコード化され、したがって、配送のためのロケーションをマップ化する。ジオコード化109は、ルート作成30モジュール内で実行される。ジオコード化システム109は、正規化されたアドレスをデータ正規化モジュール13から受信し、顧客ロケーション20の公の住所のGPS座標を算出する。
【0042】
それらのGPS座標は、ルート作成システム30へ送信される。ルート作成システム30は、マップを生成し、ルート最適化31システムは、それぞれの配送に関して、辿るべき最適なルートを動的なパラメータに基づいて決定し、それは図18によって示されている。顧客は、アポイントメントカレンダが確立された後に通知36を受信する。
【0043】
35で生成されたスケジュールに従って、トラックへの積み込み100が生じ、配送プロセスの最終マイルが開始される。配送中に、(以降で記述されている)図21においてさらに詳細に示されている通知システムは、通知101を顧客へ送信するための適切な時刻を、GPS座標に従って検知する。顧客によって購入された物品は、顧客ロケーションへ102で配送される。成功または不成功の配送に応じて第1のレポートが103で生成される。103で生成されたレポートは、配送のステータス、運転手のコメント、および写真を含むがそれらには限定されない最新のデータを含み、それらは、(以降で記述されている)図22においてさらに詳細に示されている。ステータスレポート103は、配送トラックのステータス、立ち寄りのステータス、物品の配送ステータス、運転手のスケジューリング、および倉庫管理のためのデータを含むデータを要求元(たとえば小売業者、運送業者、ベンダ、製造業者)に提供する。実施態様においては、要求元の要件のタイプに基づいてデータが分けられる、または要求元に部分的に提供される。
【0044】
配送プロセスの報告103は、できるだけ最新の情報を要求元に提供するように更新される。物品の配送後から短時間(すなわち10分から20分)のうちに104で顧客調査が生成される。顧客調査は、ロジスティクスネットワークに関する貴重なフィードバックを提供する。物品の配送と調査との間における短時間の遅延は、顧客の経験に関する正確なフィードバックを生み出す。運転手は、最終ロケーションへ戻って、配送できなかったまたは返品された物品を106で降ろす。最終ロケーションは、たとえば、倉庫、顧客、流通センタ、または小売業者を含むことができる。配送されなかった物品は、(以降で記述されている)図23においてさらに詳細に示されているように107で処理される。既存のシステムによって生成されたデータがシステム10へ送信されるのに伴って、最終宛先によって準拠される既存の課金および監査手順が108で実行される。既存の課金および監査システム108は、完遂された配送、完遂されなかった配送、および運転手の行動に関連した課金情報を生成する。最終レポートが105で生成され、これは、以降で記述されている図28図33において示されているようにさまざまな情報を含むことができる。
【0045】
図11Aは、顧客19によって注文された物品が小売業者21によって受け取られた場合に取られるステップを示している。例示的な一実施形態においては、顧客19が、110で小売業者ウェブサイトにアクセスし、111で物品をオンラインで購入する。別の例示的な実施形態においては、顧客19が、112で小売りロケーションに入り、113で製品を購入する。小売業者が、オンライン注文111および店内注文113から114で注文情報を受け取る。注文は、小売業者によって、利用可能なストックを115でチェックすることによって開始され、例示的なプロセスが、(上述の)図6によって示されている。物品がストック内にない場合には、物品を求める外部要求が生成されて、システム10へ116で送信され、物品がストック内にある場合には、顧客19は、購入時にその物品をピックアップするオプションを提供されることが可能である。顧客が配送オプションを選択するか、または選択された物品がストック内にない場合には、顧客データは、アポイントメントスケジューリングモジュール12へ117で送信される。小売業者および顧客は次いで、配送の日付および時間枠をシステム10から受信することができる。
【0046】
上述のように、小売業者21は、標準化されたデータ(たとえば、GS1データ)を運送業者との間でやり取りして、現在利用可能な多くのオプションから好ましい配送時間枠を顧客が選択することを可能にすることによってリアルタイムのまたはリアルタイムに近い配送時間枠の選択を可能にするインターフェースを含むことができる。これはまた、オプションが複数の運送業者から選択されることを可能にし、したがって顧客のための配送経験を高める、本明細書において記述されているシステム10と小売業者のインターフェースとの統合によって容易にされる。次いで図11Bを参照すると、小売業者21を通じて実施されるそのようなプロセスの例が示されている。
【0047】
300において小売業者21は、顧客注文を受け取るか、またはその他の形で処理する。たとえば、上で例示されているように、顧客は、店内でまたはオンラインで小売業者に関わり、1または複数の物品の配送を要求することができる。配送先に基づいて、配送ゾーンが302において定義され、そのゾーンに関するZIP/郵便番号が304において定義される。これは、小売業者が、306でベンダの倉庫における商品の利用可能性(すなわち、その商品がどこにあるか、およびそれらが現在利用可能であるかどうか)に基づいて、推定された到着時間(ETA)を決定することを可能にする。商品が出荷されるロケーション、および宛先に関するZIP/郵便番号は、308で輸送時間が設定されること、および310で配送時間枠が設定されることを可能にする。これらのパラメータは、小売業者が312でシステム10を通じて配送プランを運送業者に発行することを可能にする。小売業者21はまた、314で運送業者と接続し、316で運送業者から標準化された(たとえば、GS1)供給データを受信する。この方法においては、小売業者21は、システム10を使用して、潜在的に多くの利用可能な運送業者から、顧客に提示されることが可能であるさまざまな時間枠および配送オプションを決定する。312で配送プランを提供することはまた、システム10に接続されているその他の運送業者が潜在的な配送ジョブに気づくことを可能にする。小売業者21は次いで、顧客が、たとえば、物理的な店において、またはeコマーストランザクションを介して、318で配送のための時間枠を選択することを可能にすることができる。選択される時間枠は、さまざまな方法で決定されることが可能であるということが理解され得る。たとえば、消費者19は、適切な時間枠を提案することができ、その時間枠をシステム10が使用して、適切な運送業者22を見つけ出す。あるいは、消費者19は、複数の適切な時間を有すること、および/またはできるだけ早い時間枠を見つけ出すことが可能である。システム10が仲介として機能できることは、このシナリオがまた、最良の時間枠および/または消費者が選択できる元となる多くのオプションを見つけ出すために複数の運送業者の間で検索を行うことができることによって対処されることを可能にする。
【0048】
配送データが、GS1などの標準化されたフォーマットで、320で作成される。たとえば、配送データは、一意のID、インボイス番号、名前、住所、電話番号、物品、タスク、時間枠を含むことができる。この標準化されたデータは次いで、322で運送業者へ転送される。運送業者によって受信されたデータは次いで、物品の実際の配送を実行するために、または実行されるよう指示するために使用される。運送業者はまた、たとえば、注文に関する一意のID、配送のために使用されている乗り物の一意のID、ルートおよび/または立ち寄りの順序、GPSロケーション、配送の日付および時刻、顧客の署名、配送のステータス、写真、受け取りの日付および時刻、受け取り時のコンディション、倉庫内のロケーション、物品が乗り物にいつ積み込まれるかなど、標準化されたデータを、配送を実施する過程で小売業者21に返す。この標準化されたデータは、ネットワーク接続に従って、それが利用可能であるときに、バッチで、またはその他の形で小売業者21へ送信されることが可能である。小売業者21および運送業者22は、システム10へのポータルなど、システム固有の統合をこれらのエンティティが使用しているか否かに応じてさまざまな方法で実際の配送そのものを調整することができる。この方法においては、小売業者21および/または運送業者22は、(たとえば、本明細書において記述されているように)ルートをスケジュールおよび最適化するためにシステム10に依存することができ、またはシステム10によって容易にされた、彼らの供給にマッチされた需要を満たすためにその他の最適化/スケジューリングシステムを使用することができる。
【0049】
図12は、配送アポイントメントをスケジュールするための例示的なプロセスを示している。配送を求める要求116が、アポイントメントスケジューリングプロセスを開始する。要求116は、その顧客が新規であるか、または配送を求める要求を以前に行ったことがあるかを決定するために120で分析される。配送要求の分析120は、マッチする顧客を探して既存の顧客データベース34をチェックすることによって進む。顧客が新規である場合には、その顧客のデータは、顧客データベース34へと121で入力される。配送を求める最初の要求116は、正確な配送を確実にするために122で確認される。
【0050】
配送のための利用可能な時間枠が、配送カレンダ生成サブシステム35を通じて123で決定される。配送カレンダ生成サブシステム35は、顧客によって提供された時間枠を、既存のスケジュールされているアポイントメントに照らしてチェックして、実行可能な配送時間枠を見つけ出す。アポイントメントが、利用可能な時間枠において124でスケジュールされ、配送カレンダが、生成されているアポイントメントにその時間枠が割り当てられるように更新される。アポイントメントスケジュールは、通知モジュール36によって生成された通知125を介して顧客へ送信される。顧客データベース34、配送カレンダ生成35、および通知モジュール36は、アポイントメントスケジューリングモジュール12内に含まれており、それは図3において示されている。
【0051】
図13は、配送要求を生成するように構成されている自動スケジューリングシステムを示している。アポイントメントを更新したいという要求130が、所定のタイムインターバル(すなわち、毎時、毎日など)で、または新たなアポイントメントが配送アポイントメントスケジュールデータベース34へと入力された場合に生成される。更新要求130が生成された後に、顧客データが、たとえば次のように確認され、最後の配送が行われて以降の時間が131でチェックされ、配達の頻度が132でチェックされ、顧客応対可能性が133でチェックされる。前述のプロセスのそれぞれのステージに対してそれぞれ、最後の完遂された配送以降の時間が131で長すぎ、132で配達の頻度が、必要とされている配送に相当し、顧客が133で応対可能である場合には、配送アポイントメントが、134で自動的にスケジュールされる。
【0052】
アポイントメントスケジューリングモジュール12は、配送を求める要求を受信し、図12によって示されているスケジューリングオペレーションを実行する。アポイントメントに関する要件のうちのいずれかが満たされていない場合、たとえば、最後の配送以降の時間が131で短すぎるか、132で顧客が頻繁に配送を受け取っていないか、または顧客が133で応対不可能である場合には、アポイントメントはスケジュールされず、更新は135で終了する。
【0053】
図14は、ネットワークインターフェース14からデータを受信して正規化するための例示的なプロセス13を示している。システム10によって必要とされるデータは、無数のさまざまなシステムタイプおよびインターフェースから生じる。ネットワークインターフェース14において受信されたデータは、正規化されておらず、システム10の要件に対応しない場合がある。最終マイル配送モジュール11およびアポイントメントスケジューリングモジュール12には、高度に正確なデータが必要とされる。したがって、システム10へ送信されたデータは、限られた拒絶からゼロの拒絶を伴って受信されなければならない。受信されたデータにおけるエラーは、ルート作成30およびルート最適化31の正確さを特に阻害し、それは図1において示されている。データは、並列パイプラインプロセスを通じて140で受信される。データは、第1の正規化システム141および第2の正規化システム142という2つの正規化システムを通じて正規化される。システム1およびシステム2それぞれからの正規化されたデータ141および142は、143で同期化され、標準化されたデータ144が、出力145へ送信される。同期化144を伴う並列パイプラインは、出力145へのデータのスループットを大幅に増大させる。出力145は、システム10内に含まれているサブシステムに関する一般的な用語である。
【0054】
図15は、ルート作成30のために使用されるコンポーネントの例を示している。主要な地理的領域150が、大規模な物理的な障害物(たとえば、山、川、湖、領土境界)に基づいて定義される。地理的領域150は、気象158、交通157、および工事156を含むがそれらには限定されないデータ属性を使用してサブセクタ151へと分けられる。サブセクタ151は、パラメータの一意のセットによって定義される地理的エリアである。サブセクタ151のパラメータとして使用するためにその他のパラメータが生成されることが可能であるということを理解されたい。サブセクタ151は、子サブセクタ152を作成するために詳細に分析される。サブセクタ151の分析は、元のサブセクタ151に関連付けられているパラメータのさらなる絞り込み159によって進む。子サブセクタ152は、それぞれの親サブセクタ151の絞り込まれた属性159を使用することによって定義される。例示的な一実施形態においては、サブセクタ151は、「混雑」と指定されている交通属性157を有しており、子サブセクタ152は、非常に混雑という交通属性157を有することができ、その一方で、別の子サブセクタ152は、やや混雑という交通属性157を有することができる。指定されたパラメータのますますの絞り込みは、ルート最適化31の正確さを高める。子サブセクタ152は、その領域を通る予想された交通の流れの速度に応じてゾーンへと分けられる。例示的な一実施形態においては、それらのゾーンは、それぞれ高速、中速、および低速と指定されている交通の速度を伴う高速ゾーン153、通常ゾーン154、および低速ゾーン155という3つの部分へと分類される。
【0055】
図16は、サブセクタ151および子サブセクタ153,154,155を伴うマップ150の例示的な表示を示している。サブセクタ151は、複数の子サブセクタ153、154、155を含む。それぞれのサブセクタ151の絞り込まれた属性が、定義されるそれぞれの領域の詳細度を高める。例示的な一実施形態においては、最も小さいゾーン155は、最も低速の交通を表しており、中ぐらいのゾーン154は、平均的な交通レベルを表しており、最も大きいゾーン153は、幹線道路などの最も高速の交通ルートを表している。別の例示的な実施形態においては、最も低速のエリア155をすべて回避することによって1つのポイントから別のポイントへのルートが計算される。さらなる例示的な実施形態においては、トラックが、スケジュールよりも進んでおり、したがって、燃料を節約しつつ、スケジュールされたアポイントメント時間を守るために、より低速のエリア155を通るように経路設定されることが可能である。交通レベルは、リアルタイム(またはほぼリアルタイム)でモニタされ、ゾーン153、154、155は、交通パターンにおける変化(すなわち、ある方向では朝のラッシュアワー、反対方向では夕方のラッシュアワー)を考慮に入れるように更新されるということを理解されたい。
【0056】
図17は、領域マッピングを決定するための例示的なプロセスを示している。第1のステップは、地理的エリア150を定義する。エリア150は、配送プロセスに関与しているロジスティクスネットワーク全体を包含している。例示的な一実施形態においては、このエリアは、図4によって示されているような、ローカル流通センタに関連付けられているすべてのエンティティを含む。サブセクタが、地理的エリア150の領域どうしの特定の属性を関連付けることによって170で定義される。たとえばサブセクタは、ダウンタウン中心部、または郊外として170で定義されることが可能である。サブセクタ属性は、子サブセクタ172をより正確に表すために、交通156、気象157、および工事158を含むがそれらには限定されないローカル属性を使用することによって171で絞り込まれる。属性を絞り込むプロセスは、利用可能なデータの正確さに従って繰り返し適用される。すべての所望の繰り返しが完遂された後に、上記のプロセスによって生成される対応する属性に従って173でマップが生成される。
【0057】
図18は、ルート最適化システム31に関するコンポーネントの例を示している。一実施形態においては、ルート最適化システム31には3つのマップが必要とされ、それらのマップは、高速ゾーン153、通常ゾーン154、および低速ゾーン155を統合し、そのようなマップの生成は、図15において示されている。それらの3つのマップは、選択領域のすべての要素を包含する完全なマップ180へと統合される。高速ゾーンマップ153は、たとえば幹線道路、有料ルート、および高速道路を含む多額の通し運賃を含むマップである。通常ゾーンマップ154は、平均的な交通パターンを伴う移動に利用可能である既存のルートの典型的なマップである。低速ゾーンマップ155は、すべての最も低速のエリア(たとえば、ラッシュアワーの交通の最中のダウンタウン)を含む。完全なマップ180は、ルート最適化プロセス181へ送信するためのマップの組合せ(153、154、155)を提供する。最適化システム181は、完全なマップ180からの入力および配送アポイントメントスケジュール35を受信する。最適化システム181は、(たとえば、図20において示されて以降で記述されているように)最適化を実行し、最適化されたルート32をネットワークインターフェース14へ出力する。最適化されたルート32は、あらゆる道路状況およびアポイントメントスケジュールに基づく、運転手が辿るための最良のルートである。
【0058】
図19は、ルート最適化システム31によって準拠される例示的なプロセスを示している。開始ロケーション190および終了ロケーション20が、ルート情報を通じて決定される。それらの開始ロケーションおよび終了ロケーションは、オペレーションの関連する領域に関連付けられている使用するためのマップを決定するために使用される。使用されるマップの例示的な実施形態が、図16によって示されている。図18によって示されているように、最適化されたルートが生成され、図22によって示されているように、配送は通常どおり進む。遅延192が直面された場合には、その遅延に関するデータが、アポイントメントスケジューリングモジュール35へ送信され、矛盾が見つかった場合には、新たに最適化されたルートが発行されることが可能である。矛盾は、たとえば、スケジュールよりも先に、またはスケジュールの後に到着することを含む。遅延が直面されていない場合には、運転手は、最初に最適化されたルート193を進み続けて、20で顧客ロケーションに到着する。上記のプロセスは、運転手によって訪問されることを必要とされているそれぞれの宛先に関して繰り返す。
【0059】
図20は、ルート最適化モジュール181の例を示している。現在のロケーション200が、ネットワークインターフェース14から受信されたデータを通じて決定される。現在のロケーションは、たとえば、運転手のデバイスのロケーション、開始ロケーション、または終了ロケーションを含む。201で複数のルートを介した宛先への時間を計算するために、図18によって示されている完全なマップ180、および現在のロケーション200が使用される。アポイントメントスケジューリングモジュール12は、特定の運転手が従うことができるスケジュールされた到着時間を送信するように構成されている。スケジュールされた時間12と、201で計算された可能な時間とが比較されて、202で最も近いマッチを決定する。202で最も近いマッチを決定する際に、燃費、および営業領域などのその他のファクタが考慮に入れられることが可能であるということを理解されたい。最も近くマッチしたルート202は、最適化されたルート32としてネットワークインターフェース14へ送信される。
【0060】
図21は、通知を顧客へ送信するための例示的な方法を示している。アポイントメントスケジュール35を継続的に更新するために、最適化されたルート32が使用される。結果として生じる通知36は、それらの通知36が顧客デバイス18に対していつ発行されるかという点で高度に正確である。アポイントメントスケジュール35における修正は、通知36の発行時に自動的に反映される。例示的な一実施形態においては、通知36は、最初の受け付け時210に、配送まで48時間の時点211で、配送まで24時間の時点212で、および配送まで1時間の時点213で発行される。1時間前の配送通知213は、輸送における遅延があればそれらの遅延を含めて物品の配送が1時間以内に予想される時点で顧客19に通知するためにスケジュールデータ35からのリアルタイムデータを使用することができる。好ましい実施形態においては、顧客通知システム36は、配送の少なくとも48時間前211に、配送スケジュールに関連しているデータを伴うメッセージを顧客19へ送信する。通知36は、任意の利用可能な通信チャネル、たとえば、電話、SMS、Eメール、またはインスタントメッセージを通じて生じることが可能である。
【0061】
図22は、物品の配送またはピックアップに含まれているプロセスの例示的な実施形態を示している。運転手による物品の配送が、20で顧客ロケーションにおいて生じる。顧客が220で応対可能である場合には、購入された物品が221で配送される。顧客が220で応対可能でない場合には、顧客ロケーションの写真が、運転手デバイスによって227で取り込まれる。物品が配送プロセス中に222で損傷を受けた場合には、写真が、その後の参照のために228で取り込まれる。財産が配送プロセス中に223で損傷を受けた場合には、写真が、その後の参照のために228で取り込まれる。配送プロセスは、224で運転手コメントがあればそれらを含めて顧客19の署名が運転手デバイスによって224で取り込まれた時点で完遂される。配送プロセスのステータス、および生じた可能性のある問題があればそれらの問題についてシステム10を更新するために、ステータスレポートが225で生成される。それぞれの配送が完遂された後に、それらの配送は、すべてのスケジュールされた配送が完遂されるまで226で続く。写真およびコメントが、運転手デバイス16によって取り込まれ、システム10へ送信され、現場のデータを取り込むことは、参照を提供することによって将来の矛盾を取り除く際に役立つことができる。現場のデータは、写真、コメント、および署名を含むが、それらには限定されない。
【0062】
図23は、スケジュールされたアポイントメント、またはスケジュールされたアポイントメントのグループから輸送が戻ってきた後に実行されることが可能である例示的なプロセスを示している。一実施形態においては、輸送へと最初に積み込まれたすべての物品が配送された場合、または物品を配送する試みが行われた場合には、トラックが、230で配送から戻ってくる。すべての物品を考慮するために、配送されなかった物品のチェックが231で実行される。輸送において配送されなかった物品または返品された物品は、232でスキャンされ、233で格納ロケーションへ戻される。アポイントメントスケジュールデータが更新され、利用可能な輸送が、配送のために234で更新される。物品をスキャンすることは、運転手デバイス16または格納ロケーションに配置されている同等のデバイスのどちらかによって実行される。物品をスキャンすることは、バーコードを読み取ること、写真を撮ること、またはシリアルナンバーをチェックすることを含むが、それらには限定されない。
【0063】
次いで図24図26を参照すると、物品管理処理が示されている。図24は、受け取りステージ中に実施されるプロセスを示している。標準的な電子ファイルまたは手動指示が、管理者によって受け取られる。電子ファイルは、事前出荷明細通知(ASN)として受け取られ、手動指示は、倉庫24における物品の受け取りに相当する。物品が倉庫において受け取られた場合には、システムに資産が追加され、たとえば、インボイス番号、名前などが追加される。電子注文か、または手動指示かにかかわらず、クライアントの製品に関する検索がデータベースにおいて行われ、バーコードが、物品に関連付けられて、追跡把握および物品管理を可能にする。生成されたバーコードは次いで、倉庫24へ電子的に送信され、そこでそれは、たとえばワイヤレスプリンタを使用して、ラベル上に印刷され、そのラベルは、物品に貼付され、その物品の受け取りを確認するためにスキャンされる。次いで、その物品が許容可能なコンディションにあるか否かが決定される。その物品が許容可能なコンディションにない場合には、画像が撮影され、損傷があればその損傷が記述され、その損傷を受けた物品を返品したいという要求が管理者へ送信される。その物品は次いで、倉庫24内の特定のロケーションへ移動され、その物品は、その物品のいかなる移動も確認するためにそのロケーションにおいてスキャンされる。次いで、その物品が再び移動される必要があるかどうかが決定される。その物品が再び移動される必要がない場合には、その物品は、その後の出荷および配送のために倉庫において格納される。その物品が再び移動される必要がある場合には、その物品は、再び移動されてスキャンされることが可能である。
【0064】
図25は、ステージング/ピッキングステージ中に実施されることが可能であるプロセスを示している。この例においては、管理者は、それぞれのトラックに関して、特定の日に配送されることになる物品のリストを生成し、このリストを印刷し、それを倉庫24へ送る。図25において示されているように、それらの物品は、先入れ後出し式に順序付けられて、理にかなった順序で降ろすことを容易にすることができる。倉庫24において、リスト上の第1の物品が決定され、その物品は、積み込みのために適切なトラックへ移動される。次いで、クロスドックするための別の物品があるかどうかが決定される。クロスドックするための別の物品がない場合には、最終的なトラックの積み荷が確認される。クロスドックするための別の物品がある場合には、次の物品が見つけられ、スキャンされ、積み込みのためにトラックの前に置かれる。トラックは次いで、積み込みが行われ、配送の用意が整う。
【0065】
図26は、リバースロジスティクスステージ中に、すなわち、物品がトラック上に戻ってきた場合に実施されることが可能であるプロセスを示している。この例においては、トラックが倉庫24に到着し、物品上にバーコードラベルがあるかどうかが決定される。物品上にバーコードラベルがある場合には、運転手は、物品をスキャンする。物品上にバーコードラベルがない場合には、倉庫システムが使用されて、そのシステム内にその物品に関する既存のバーコードがあるかどうかを決定する。そのシステム内にその物品に関する既存のバーコードがない場合には、新たなバーコードが作成される。そのシステム内にその物品に関する既存のバーコードがある場合には、バーコードラベルのコピーが印刷され、たとえば運転手によって、その物品に貼付されることが可能である。運転手がその物品をスキャンした後に、倉庫は、スキャンを行ってその物品を受け取り、その物品の画像を撮影し、その物品について記述する。倉庫システムは次いで、その物品を返品したいという要求を送信する。レポートが管理者によって受信され、その物品は、その後のスキャンおよび格納のために特定のロケーションへ移動される。
【0066】
図27は、本明細書において記述されているシステムがどのようにして1PLサービス、2PLサービス、3PLサービス、および4PLサービスをともにもたらすかを示している。図27において示されているように、配送最適化/ロジスティクスシステム10は、さまざまな管轄区域または地理的エリア(たとえば、図27において例として示されているように、カナダ、米国、英国、およびオーストラリア)において1または複数の3PL管理エージェントに4PLサービスを提供する共有サービスセンタとみなされることが可能である。3PL管理エージェントはそれぞれ、データ処理コンタクトセンタ、受け取り、倉庫、およびルートモニタリングを、1または複数の2PL運送業者22、たとえば、図27において示されている運送業者A、B、およびCに提供する。それぞれの運送業者22は、車両、運転手、ルート、および物品管理能力、ならびに運転手の給与、輸送、およびコンプライアンスを提供する。それぞれの運送業者22は、1または複数の1PL輸送会社、たとえば、図27において示されている会社1、2、および3と対話する。この方法においては、4PL共有サービスセンタが、単一のトラックのオペレーションに関してさえ、4PLサービスから1PLサービスまでをともにリンクさせる。1PL企業は、トラックへの積み込み、物品のピックアップおよび配送、ならびに、本明細書において記述されているようなその他の「最終マイル」サービスを、1または複数のクライアント、すなわち消費者19に提供する。
【0067】
図27における共有サービスセンタに関する例示的な構成は、システム10の中および外へのデータ転送のための、データインポート、ならびに外部CRMおよびコンタクトセンタ能力のための1または複数のインターフェースを含む。4PLビューがまた、リアルタイムの車両モニタリングおよびモバイルサービス、報告、およびエクスポーティング能力とともに、管理者に提供される。この例においては、データは、報告または課金のために、および倉庫24内のすべての物品をリアルタイムで追跡把握するためにエクスポートされることが可能である。
【0068】
図28から図33は、このシステムによって生成されることが可能であるさまざまなレポートのスクリーンショットを示している。図28は、行われたさまざまな通話のステータスおよびそれらの通話の結果を概説するための通話ステータスレポートを示している。図29は、物品配送のステータスを概説するための、たとえば、出荷が完遂されたか、キャンセルされたかなどを明示するための日次影響レポートを示している。図30は、損傷の原因を決定すること、ならびに撮られた写真および損傷の記述を追跡把握することを目的として、損傷を受けた物品を箇条書きにするために使用されることが可能である損傷レポートを示している。図31は、さまざまなトラック、および対応する統計、たとえば、計画された立ち寄り、完遂された立ち寄り、バックオーダーなどを箇条書きにする車両メトリックレポートを示している。図32は、この例においては特定の従業員の詳細を提供する統計レポートを示している。図33は、特定の店に関する統計を概説するための立ち寄りメトリックレポートを示している。
【0069】
例示の簡潔さおよび明確さのために、適切とみなされる場合には、対応するまたは類似した要素どうしを示すために図どうしの間において参照番号が繰り返されることが可能であるということが理解されるであろう。加えて、本明細書において記述されている例の徹底的な理解を提供するために多くの具体的な詳細が示されている。しかしながら、本明細書において記述されている例は、これらの具体的な詳細を伴わずに実施されることが可能であるということが当技術分野における標準的な技術者によって理解されるであろう。その他の場合においては、本明細書において記述されている例をわかりにくくしないために、よく知られている方法、手順、およびコンポーネントは、詳細に記述されていない。また、記述は、本明細書において記述されている例の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【0070】
本明細書において使用されている例および対応する図は、例示的な目的のためのものにすぎない。本明細書において示されている原理から逸脱することなく、異なる構成および用語が使用されることが可能である。たとえば、これらの原理から逸脱することなく、コンポーネントおよびモジュールが追加されること、削除されること、修正されること、または異なる接続を伴ってアレンジされることが可能である。
【0071】
命令を実行する、本明細書において例示されているいかなるモジュールまたはコンポーネントも、コンピュータ可読メディア、たとえば、ストレージメディア、コンピュータストレージメディア、またはデータストレージデバイス(取り外し可能な、および/または取り外し不能な)、たとえば、磁気ディスク、光ディスク、またはテープなどを含むこと、またはその他の形でそれらへのアクセスを有することが可能である。コンピュータストレージメディアは、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータなどの情報の格納のための任意の方法または技術において実装される揮発性のメディアおよび不揮発性のメディア、取り外し可能なメディアおよび取り外し不能なメディアを含むことができる。コンピュータストレージメディアの例は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、もしくはその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくはその他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、もしくはその他の磁気ストレージデバイス、または、所望の情報を格納するために使用されることが可能である、かつアプリケーション、モジュール、もしくはそれらの両方によってアクセスされることが可能であるその他の任意のメディアを含む。そのようなコンピュータストレージメディアはいずれも、システム10の一部であること、システム10のいずれかのコンポーネントであることもしくはシステム10に関連していることなど、またはシステム10にアクセス可能もしくは接続可能であることが可能である。本明細書において記述されているいずれのアプリケーションまたはモジュールも、そのようなコンピュータ可読メディアによって格納されることまたはその他の形で保持されることが可能であるコンピュータ可読/実行可能命令を使用して実施されることが可能である。
【0072】
本明細書において記述されているフローチャートおよび図におけるステップまたはオペレーションは、例のためのものにすぎない。上述の原理から逸脱することなく、これらのステップまたはオペレーションに対する多くのバリエーションが存在することが可能である。たとえば、ステップどうしが、異なる順序で実行されることが可能であり、またはステップが追加、削除、もしくは修正されることが可能である。
【0073】
上述の原理は、特定の具体的な例を参照しながら記述されているが、それらのさまざまな修正は、添付の特許請求の範囲において概説されているように、当業者にとって明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
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