(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038390
(43)【公開日】2023-03-16
(54)【発明の名称】手押し車
(51)【国際特許分類】
B62B 3/02 20060101AFI20230309BHJP
B62B 3/00 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
B62B3/02 F
B62B3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023012379
(22)【出願日】2023-01-30
(71)【出願人】
【識別番号】523033833
【氏名又は名称】株式会社リーヴルウエスト
(74)【代理人】
【識別番号】100160990
【弁理士】
【氏名又は名称】亀崎 伸宏
(72)【発明者】
【氏名】西谷 久史
(57)【要約】
【課題】作業の負担を軽減できる手押し車を提供する。
【解決手段】手押し車1は、左右一対の車輪22が取り付けられた車軸を有している車台と、車台に設けられた左右一対の支柱4,5と、左右一対の支柱のうち一方の支柱5の上部に設けられ、電動ドライバーESが脱着可能に装着される装着部8と、電動ドライバーESの回転動力を車軸に伝達する動力伝達機構9と、を備え、動力伝達機構9として、上下一対の小スプロケット921及び大スプロケット922、並びに上下一対の小スプロケット921及び大スプロケット922にかけ渡されたチェーン923を有している減速機構92を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の車輪が取り付けられた車軸を有している車台と、
前記車台に設けられた左右一対の支柱と、
前記左右一対の支柱のうち一方の支柱の上部に設けられ、電動ドライバーが脱着可能に装着される装着部と、
前記電動ドライバーの回転動力を前記車軸に伝達する動力伝達機構と、を備え、
前記動力伝達機構として、上下一対の回転体、及び前記上下一対の回転体に架け渡された無端環状部材を有している第1減速機構を備えていることを特徴とする
手押し車。
【請求項2】
前記第1減速機構は、前記一方の支柱に収容されていることを特徴とする
請求項1に記載の手押し車。
【請求項3】
前記動力伝達機構として、前記電動ドライバーのチャックに接続される第1回転軸に固定されている小歯車、及び前記小歯車に噛み合い、前記第1回転軸と直交する第2回転軸を中心に、前記上下一対の回転体のうち上の回転体と一体に回転する大歯車からなる交差軸歯車を有している第2減速機構を備えていることを特徴とする
請求項1又は2に記載の手押し車。
【請求項4】
前記第2減速機構を収容する筐体を備え、
前記筐体は、前記一方の支柱の側面に対して、前記第2回転軸を中心に回転させた所定の姿勢で固定可能であることで、前記第1回転軸の傾角が可変であることを特徴とする
請求項3に記載の手押し車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手押し車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動アシスト台車が開示されている。この電動アシスト台車は、人力で駆動される人力駆動輪と、人力を補うためのアシストモータにより駆動されるモータ駆動輪と、モータ駆動輪が設けられる台車部と、台車部に接続され、人力駆動輪を駆動するペダルとペダルを漕ぐ人のためのサドルが設けられる一輪部であって、サドルに人が乗らないときに台車部の後部および左右の側部のうちのいずれか1に対して折り畳むことができる一輪車部と、を備えている。このような電動アシスト台車は、電動アシスト自転車として扱われることができ、また、一輪車部を折り畳んで手押しし又は手で引っ張る台車として用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した電動アシスト台車は、手押しし又は手で引っ張る場合には、通常の台車と同様、人力で対応する必要があり、作業の負担が大きい。
【0005】
このような問題は、電動アシスト機能を有している場合には、台車の場合に限定されず、手押し式の除雪機など、種々の手押し車に共通して存在し得る。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、作業の負担を軽減できる手押し車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、左右一対の車輪が取り付けられた車軸を有している車台(例えば、後述する車台2)と、前記車台に設けられた左右一対の支柱(例えば、後述する左右一対の支柱4,5)と、前記左右一対の支柱のうち一方の支柱(例えば、後述する一方の支柱5)の上部に設けられ、電動ドライバー(例えば、後述する電動ドライバーES)が脱着可能に装着される装着部(例えば、後述する装着部8)と、前記電動ドライバーの回転動力を前記車軸に伝達する動力伝達機構(例えば、後述する動力伝達機構9)と、を備え、前記動力伝達機構として、上下一対の回転体(例えば、後述する上下一対の小スプロケット921及び大スプロケット922)、及び前記上下一対の回転体に架け渡された無端環状部材(例えば、後述するチェーン923)を有している第1減速機構(例えば、後述する減速機構92)を備えていることを特徴とする手押し車である。
【0008】
本発明の手押し車によれば、脱着可能に装着される電動ドライバーの回転動力を車軸に伝達する動力伝達機構として、第1減速機構を備えているので、減速比に比例したトルクを得つつ電動ドライバーの回転動力を車軸に伝達することができる。このように、本発明の手押し車によれば、電動ドライバーの回転動力によって手押し車を移動させることができるので、人力で対応する必要がなく、作業の負担を軽減できる。
【0009】
(2)本発明はまた、前記第1減速機構は、前記一方の支柱に収容されていることを特徴とする上記(1)に記載の手押し車である。
【0010】
本発明の手押し車によれば、第1減速機構が一方の支柱に収容されているので、手押し車の大型化を防止できる。
【0011】
(3)本発明はまた、前記動力伝達機構として、前記電動ドライバーのチャックに接続される第1回転軸(例えば、後述する回転軸9111)に固定されている小歯車(例えば、後述する小歯車9121)、及び前記小歯車に噛み合い、前記第1回転軸と直交する第2回転軸(例えば、後述する回転軸9112)を中心に、前記上下一対の回転体のうち上の回転体(例えば、後述する小スプロケット921)と一体に回転する大歯車(例えば、後述する大歯車9122)からなる交差軸歯車(例えば、後述する交差軸歯車912)を有している第2減速機構(例えば、後述する減速機構91)を備えていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の手押し車である。
【0012】
本発明の手押し車によれば、脱着可能に装着される電動ドライバーの回転動力を車軸に伝達する動力伝達機構として、第1減速機構に加えて第2減速機構を備えているので、トルクを更に得つつ電動ドライバーの回転動力を車軸に伝達することができる。
【0013】
(4)本発明はまた、前記第2減速機構を収容する筐体(例えば、後述する筐体7)を備え、前記筐体は、前記一方の支柱の側面に対して、前記第2回転軸を中心に回転させた所定の姿勢で固定可能であることで、前記第1回転軸の傾角が可変であることを特徴とする上記(3)に記載の手押し車である。
【0014】
本発明の手押し車によれば、電動ドライバーのチャックに接続される第1回転軸の傾角が可変であるので、作業者の身長や腕の長さ等の体格に応じて第1回転軸の傾角を設定することができる。このため、本発明の手押し車によれば、作業者の体格に応じて第1回転軸の傾角を設定した上で、電動ドライバーを装着することで、電動ドライバーの操作が容易となるので、作業の負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上記(1)~(4)に記載の手押し車によれば、作業の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る手押し車の側面図である。
【
図2】手押し車の側面図であり、支柱の内部を破線で示す。
【
図4】
図1の矢印IV-IV方向に視た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る手押し車について詳細に説明する。
【0018】
まず、
図1~
図4を用いて、手押し車1の構成について説明する。
図1は、手押し車1の側面図である。
図2は、手押し車1の側面図であり、支柱5の内部を破線で示す。
図3は、手押し車1の背面図である。
図4は、
図1の矢印IV-IV方向に視た断面図である。
【0019】
図1~
図4に示す手押し車1は、物を運ぶための台車であり、人力による移動の他、電動ドライバーESの回転動力による移動を可能にしたものである。具体的に、手押し車1は、車台2と、荷台3と、左右一対の支柱4,5と、ハンドル6と、筐体7と、装着部8と、動力伝達機構9と、等を備えている。
【0020】
車台2は、左右一対の車輪21,22が取り付けられた車軸23を有している。車軸23は、差動装置(ディファレンシャルギア、図示省略)を有しており、左右一対の車輪21,22の速度差を吸収する。この車台2には、左右一対の支柱4,5が設けられている。
【0021】
荷台本体31の前方寄りの下部に、左右一対のキャスター32が取り付けられている。この荷台3は、左右一対の支柱4,5の前面の下端部分に取外し可能にボルトB1で固定されていることで、当該左右一対の支柱4,5を介して車台2に固定されている。
【0022】
左右一対の支柱4,5は、互いに間隔を空けて車台2の左右の両脇に設けられている。これら左右一対の支柱4,5の背面の上方寄りの部分には、ハンドル6が架け渡されている。これら左右一対の支柱4,5のうち、一方の支柱である右側の支柱5の上方寄りの外側には、筐体7を介して装着部8が設けられている。また、これら左右一対の支柱4,5のうち、一方の支柱である右側の支柱5には、減速機構92が収容されている。
【0023】
さらに、左右一対の支柱4,5のうち、一方の支柱である右側の支柱5の上方寄りの外側には、筐体7をボルトB2で固定するための複数のボルト孔Hが形成されている。複数のボルト孔Hは、それぞれ、支柱5の外側における回転軸9112を中心とする仮想円の円周(図示省略)上に、互いに所定の間隔を空けて形成されており、筐体7を、回転軸9112を中心に回転させた所定の姿勢で固定可能とする。
【0024】
ハンドル6は、左右一対の支柱4,5の背面の上方寄りの部分に架け渡されている。
【0025】
筐体7は、ボルト孔(図示省略)が形成されており、左右一対の支柱4,5のうち、一方の支柱である右側の支柱5の側面の上方寄りの部分にボルトB2で固定されている。この筐体7は、支柱5の側面の上方寄りの部分に対して、回転軸9112を中心に回転させた所定の姿勢で固定可能であることで、電動ドライバーESのチャックCに接続される回転軸9111の傾角が可変である(特に、
図1及び
図2参照)。電動ドライバーESのチャックCに接続される回転軸9111の傾角が可変であることについての詳細は、後述する。また、筐体7には、減速機構91が収容されている。さらに、筐体7には、電動ドライバーESのチャックCが回転軸9111に対応するように、装着部8が設けられている。
【0026】
装着部8は、左右一対の支柱4,5のうち、一方の支柱である右側の支柱5の上方寄り(上部)の外側に、筐体7を介して設けられている。この装着部8には、チャックCが回転軸9111に対応するように、電動ドライバーESが脱着可能に装着される。具体的に、装着部8は、基礎板81と、左右一対の挟持板82,83と、を有している。
【0027】
基礎板81は、筐体7における回転軸9111の下方に固定され、装着部8に装着された電動ドライバーESに対向する。この基礎板81には、下方寄りの部分に、左右一対の挟持板82,83が互いに間隔を空けて互いに平行となるように固定されている。
【0028】
左右一対の挟持板82,83は、基礎板81の下方寄りの部分に、互いに間隔を空けて互いに平行となるように固定されている。これら左右一対の挟持板82,83は、装着部8に装着された電動ドライバーESを左右から挟持することで、当該電動ドライバーESが回転軸9111を回転させる際に、当該電動ドライバーES自体が回転することを防止する。
【0029】
動力伝達機構9は、チャックCが回転軸9111に接続された電動ドライバーESの回転動力を車軸23に伝達する。具体的に、動力伝達機構9は、二つの減速機構91,92によって構成されている。
【0030】
減速機構(第2減速機構)は、筐体7に収容されている。この減速機構91は、交差軸911と、交差軸歯車912と、を有している。交差軸911は、回転軸9111と、回転軸9112と、を有している。交差軸歯車912は、小歯車9121と、大歯車9122と、を有している。
【0031】
回転軸9111は、
図1に示す姿勢では、筐体7の内部から後方に向けて突出するように前後方向に沿って配置されており、装着部8に装着された電動ドライバーESのチャックCに接続される。この回転軸9111は、筐体7の内部で小歯車9121が固定されており、小歯車9121と一体に回転する。
【0032】
回転軸9112は、筐体7の内部から支柱5の内部に向けて突出するように左右方向に沿って、また、回転軸9111と直交するように配置されている。この回転軸9112は、筐体7の内部で大歯車9122が固定されており、大歯車9122と一体に回転する。また、回転軸9112は、支柱5の内部で小スプロケット921が固定されており、小スプロケット921と一体に回転する。
【0033】
小歯車9121は、筐体7の内部で回転軸9111に固定されており、回転軸9111を中心に当該回転軸9111と一体に回転する。この小歯車9121は、大歯車9122と噛み合っており、当該小歯車9121が回転することで大歯車9122を連動させ、回転させる。
【0034】
大歯車9122は、筐体7の内部で回転軸9112に固定されており、回転軸9112を中心に当該回転軸9112と一体に回転する。この大歯車9121は、小歯車9121と噛み合っており、当該小歯車9121が回転することで連動し、回転する。
【0035】
減速機構(第1減速機構)92は、左右一対の支柱4,5のうち、一方の支柱である右側の支柱5に収容されている。この減速機構92は、上下一対の小スプロケット(回転体)921及び大スプロケット(回転体)922と、チェーン(無端環状部材)923と、を有している。
【0036】
小スプロケット921は、支柱5の内部の上方寄りの部分で回転軸9112に固定されており、回転軸9112を中心に当該回転軸9112と一体に回転する。この小スプロケット921には、チェーン923が架け渡されており、当該小スプロケット921が回転することでチェーン923を連動させ、走行させる。
【0037】
大スプロケット922は、支柱5の内部の下方寄りの部分で車軸23に固定されており、車軸23を中心に当該車軸23と一体に回転する。この大スプロケット922には、チェーン923が架け渡されており、当該チェーン923が走行することで連動し、回転する。
【0038】
チェーン923は、支柱5の内部等で上下一対の小スプロケット921及び大スプロケット922に架け渡されている。このチェーン923は、小スプロケット921が回転することで連動し、走行する。また、チェーン923は、当該チェーン923が走行することで大スプロケット922を連動させ、回転させる。
【0039】
電動ドライバーESは、充電式のドリルドライバーである。具体的に、電動ドライバーESは、チャックCと、速度切換スイッチ(図示省略)と、方向切換スイッチ(図示省略)と、トリガーTと、等を備えている。
【0040】
チャックCは、本来ビット(図示省略)を保持し回転する機構であり、本実施形態においては、回転軸9111を保持し回転する。このチャックCは、速度切換スイッチ(図示省略)によって回転速度が高速及び低速で切り替えられ、方向切換スイッチ(図示省略)によって回転方向が切り替えられ、また、トリガーTの引き量に応じた回転速度で回転する。速度切換スイッチ(図示省略)は、チャックCの回転速度を高速及び低速で切り替えるスイッチである。方向切換スイッチ(図示省略)は、チャックCの回転方向の右回り及び左回りで切り替えるスイッチである。トリガーTは、作業者が指で引くことでチャックCを回転させる引き金である。
【0041】
次に、
図2及び
図4を用いて、手押し車1における動力の伝達について説明する。
【0042】
まず、
図2に示すように、チャックCが回転軸9111に接続されるように電動ドライバーESが装着部8に装着される。作業者が電動ドライバーESのトリガーTを引くことで、電動ドライバーESのチャックCが回転する。チャックCが回転することで、当該チャックCに接続されている回転軸9111が回転する。
【0043】
図4に示すように、回転軸9111が回転することで、当該回転軸9111に固定されている小歯車9121が回転する。小歯車9121が回転することで、当該小歯車9121に噛み合っている大歯車9122が回転する。大歯車9122が回転することで、当該大歯車9122が固定されている回転軸9112が回転する。回転軸9112が回転することで、当該回転軸9112に固定されている小スプロケット921が回転する。
【0044】
図2及び
図4に示すように、小スプロケット921が回転することで、当該小スプロケット921に架け渡されているチェーン923が走行する。
【0045】
図2に示すように、チェーン923が走行することで、当該チェーン923が架け渡されている大スプロケット922が回転する。大スプロケット922が回転することで、当該大スプロケット922が固定されている車軸23が回転する。車軸23が回転することで、当該車軸23に取り付けられている左右一対の車輪21,22が回転する。左右一対の車輪21,22が回転することで、手押し車1が移動(走行)する。
【0046】
次に、
図1及び
図2を用いて、電動ドライバーESのチャックCに接続される回転軸9111の傾角の設定について説明する。
【0047】
図1及び
図2に示すように、左右一対の支柱4,5のうち、一方の支柱である右側の支柱5の上方寄りの外側には、回転軸9112(
図4参照)を中心とする仮想円の円周(図示省略)上に、互いに所定の間隔を空けた複数のボルト孔Hが形成されている。具体的に、支柱5の当該仮想円の円周(図示省略)における上側の範囲に4つのボルト孔Hが形成されていて、また、支柱5の当該仮想円の円周(図示省略)における下側の範囲に4つのボルト孔Hが形成されている。また、筐体7には、
図1に示す姿勢における左上及び右下にボルト孔(図示省略)が形成されている。
【0048】
図1に示すように、筐体7に形成されている(
図1に示す姿勢においての左上の)ボルト孔(図示省略)を、支柱5における回転軸9112(
図4参照)を中心とする仮想円の円周(図示省略)における上側の左から一番目のボルト孔H(
図2参照)に対応させて、筐体7を支柱5にボルトB2で固定すると共に、筐体7に形成されている(
図1に示す姿勢においての右下の)ボルト孔(図示省略)を、支柱5における回転軸9112(
図4参照)を中心とする仮想円の円周(図示省略)における下側の右から一番目のボルト孔H(
図2参照)に対応させて、筐体7を支柱5にボルトB2で固定する。これにより、電動ドライバーESのチャックCに接続される回転軸9111の傾角は、0度に設定される。
【0049】
図2に示すように、筐体7に形成されている(
図1に示す姿勢においての左上の)ボルト孔(図示省略)を、支柱5における回転軸9112(
図4参照)を中心とする仮想円の円周(図示省略)における上側の左から二番目のボルト孔H(
図1参照)に対応させて、筐体7を支柱5にボルトB2で固定すると共に、筐体7に形成されている(
図1に示す姿勢においての右下の)ボルト孔(図示省略)を、支柱5における回転軸9112(
図4参照)を中心とする仮想円の円周(図示省略)における下側の右から二番目のボルト孔H(
図1参照)に対応させて、筐体7を支柱5にボルトB2で固定する。これにより、電動ドライバーESのチャックCに接続される回転軸9111の傾角は、30度に設定される。
【0050】
図示を省略するが、筐体7(
図1及び
図2参照)に形成されている(
図1に示す姿勢においての左上の)ボルト孔(図示省略)を、支柱5(
図1及び
図2参照)における回転軸9112(
図4参照)を中心とする仮想円の円周(図示省略)における上側の左から三番目のボルト孔(
図1及び
図2参照)に対応させて、筐体7(
図1及び
図2参照)を支柱5(
図1及び
図2参照)にボルトB2(
図1及び
図2参照)で固定すると共に、筐体7(
図1及び
図2参照)に形成されている(
図1に示す姿勢においての右下の)ボルト孔(図示省略)を、支柱5(
図1及び
図2参照)における回転軸9112(
図4参照)を中心とする仮想円の円周(図示省略)における下側の右から三番目のボルト孔H(
図1及び
図2参照)に対応させて、筐体7(
図1及び
図2参照)を支柱5(
図1及び
図2参照)にボルトB2(
図1及び
図2参照)で固定する。これにより、電動ドライバーES(
図1及び
図2参照)のチャックC(
図1及び
図2参照)に接続される回転軸9111(
図1及び
図2参照)の傾角は、60度に設定される。
【0051】
図示を省略するが、筐体7(
図1及び
図2参照)に形成されている(
図1に示す姿勢においての左上の)ボルト孔(図示省略)を、支柱5(
図1及び
図2参照)における回転軸9112(
図4参照)を中心とする仮想円の円周(図示省略)における上側の左から四番目のボルト孔(
図1及び
図2参照)に対応させて、筐体7(
図1及び
図2参照)を支柱5(
図1及び
図2参照)にボルトB2(
図1及び
図2参照)で固定すると共に、筐体7(
図1及び
図2参照)に形成されている(
図1に示す姿勢においての右下の)ボルト孔(図示省略)を、支柱5(
図1及び
図2参照)における回転軸9112(
図4参照)を中心とする仮想円の円周(図示省略)における下側の右から四番目のボルト孔H(
図1及び
図2参照)に対応させて、筐体7(
図1及び
図2参照)を支柱5(
図1及び
図2参照)にボルトB2(
図1及び
図2参照)で固定する。これにより、電動ドライバーES(
図1及び
図2参照)のチャックC(
図1及び
図2参照)に接続される回転軸9111(
図1及び
図2参照)の傾角は、90度に設定される。
【0052】
このように、本発明の実施形態に係る手押し車1は、左右一対の車輪21,22が取り付けられた車軸23を有している車台2と、車台2に設けられた左右一対の支柱4,5と、左右一対の支柱4,5のうち一方の支柱5の上部に設けられ、電動ドライバーESが着脱可能に装着される装着部8と、電動ドライバーESの回転動力を車軸23に伝達する動力伝達機構9と、を備え、動力伝達機構9として、上下一対の小スプロケット921及び大スプロケット922、並びに上下一対の小スプロケット921及び大スプロケット922に架け渡されたチェーン923を有している減速機構92を備えている。
【0053】
このような本発明の実施形態に係る手押し車1によれば、脱着可能に装着される電動ドライバーESの回転動力を車軸23に伝達する動力伝達機構9として、減速機構92を備えているので、電動ドライバーESの回転動力を、減速比に比例したトルクを得つつ電動ドライバーESの回転動力を車軸23に伝達することができる。このように、本発明の実施形態に係る手押し車1によれば、電動ドライバーESの回転動力によって手押し車1を移動させることができるので、人力で対応する必要がなく、作業の負担を軽減できる。
【0054】
また、本発明の実施形態に係る手押し車1において、減速機構92は、一方の支柱5に収容されている。
【0055】
このような本発明の実施形態に係る手押し車1によれば、減速機構92が一方の支柱5に収容されているので、手押し車1の大型化を防止できる。
【0056】
また、本発明の実施形態に係る手押し車1は、動力伝達機構9として、電動ドライバーESのチャックCに接続される回転軸9111に固定されている小歯車9121、並びに小歯車9121に噛み合い、回転軸9111と直交する回転軸9112を中心に、上下一対の小スプロケット921及び大スプロケット922のうち上の小スプロケット921と一体に回転する大歯車9122からなる交差軸歯車912を有している減速機構91を備えている。
【0057】
このような本発明の実施形態に係る手押し車1によれば、脱着可能に装着される電動ドライバーESの回転動力を車軸23に伝達する動力伝達機構9として、減速機構92に加えて減速機構91を備えているので、トルクを更に得つつ電動ドライバーESの回転動力を車軸23に伝達することができる。
【0058】
また、本発明の実施形態に係る手押し車1は、減速機構91を収容する筐体7を備え、筐体7は、一方の支柱5の側面に対して、回転軸9112を中心に回転させた所定の姿勢で固定可能であることで、回転軸9111の傾角が可変である。
【0059】
このような本発明の実施形態に係る手押し車1によれば、電動ドライバーESのチャックCに接続される回転軸9111の傾角が可変であるので、作業者の身長や腕の長さ等の体格に応じて回転軸9111の傾角を設定することができる。このため、本発明の実施形態に係る手押し車1によれば、作業者の体格に応じて回転軸9111の傾角を設定した上で、電動ドライバーESを装着することで、電動ドライバーESの操作が容易となるので、作業者の負担を軽減できる。
【0060】
本発明は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。すなわち、各構成の位置・大きさ・長さ・数量・形状・材質、動作の順番などは適宜変更できる。
【0061】
まず、上記実施形態では、手押し車1として、物を運ぶための台車を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、手押し式の除雪機など、種々の手押し車であってもよい。例えば、荷台3に代えて除雪具を採用することで手押し式の除雪機を構成することができる。
【0062】
また、上記実施形態では、左右一対の車輪21,22が地面を転動する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、左右一対の車輪がクローラーを走行させるものであってもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、右利き用の手押し車1を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、左利き用の手押し車であってもよい。左利き用の手押し車については、右利き用の手押し車1の左右を反転させた構造にすればよい。
【符号の説明】
【0064】
1 手押し車
2 車台
21,22 左右一対の車輪
23 車軸
3 荷台
31 荷台本体
32 キャスター
4,5 左右一対の支柱
6 ハンドル
7 筐体
8 装着部
81 基礎板
82,83 左右一対の挟持板
9 動力伝達機構
91 減速機構(第2減速機構)
911 交差軸
9111 回転軸(第1回転軸)
9112 回転軸(第2回転軸)
912 交差軸歯車
9121 小歯車
9122 大歯車
92 減速機構(第1減速機構)
921 小スプロケット(回転体)
922 大スプロケット(回転体)
923 チェーン(無端環状部材)
ES 電動ドライバー
C チャック
T トリガー
B1,B2 ボルト
H ボルト孔