(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038464
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】製造現場の無線性能を推定するシステム及びその方法
(51)【国際特許分類】
H04W 16/18 20090101AFI20230310BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20230310BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20230310BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20230310BHJP
H04B 17/391 20150101ALI20230310BHJP
【FI】
H04W16/18
G05B19/418 Z
G06Q10/04
G06Q50/04
H04B17/391
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145205
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小野 豪
(72)【発明者】
【氏名】神崎 元
(72)【発明者】
【氏名】武田 栄里子
【テーマコード(参考)】
3C100
5K067
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA42
3C100AA57
3C100BB12
3C100BB29
3C100BB33
3C100CC02
3C100CC14
5K067AA21
5K067BB21
5K067DD17
5K067EE10
5K067EE12
5K067EE16
5K067EE53
5K067FF02
5K067HH22
5L049AA04
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】現場の管理者が各生産工程における無線性能推定をするのを支援する。
【解決手段】システムは、製造現場で開始前の1以上の工程の情報を含む工程情報と、複数アプリケーションそれぞれに使用可能な1以上の無線性能推定方式、及び、1以上の無線性能推定方式それぞれの処理時間を決定するための情報、を管理する、管理情報と、を格納する。工程情報は、1以上の工程の各工程で使用される1以上のアプリケーションの情報と、各工程に関連付けられている時刻の情報と、を含む。システムは、工程情報及び管理情報を参照して、各工程で使用可能な1以上の無線性能推定方式を決定し、工程情報及び管理情報を参照して、無線性能推定処理が各工程に関連付けられている時間までに完了する無線通信方式を、各工程で使用可能な1以上の無線性能推定方式から選択する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造現場の無線性能を推定するシステムであって、
1以上の記憶装置と、
1以上の演算装置と、を含み、
前記1以上の記憶装置は、
前記製造現場で開始前の1以上の工程の情報を含む、工程情報と、
複数アプリケーションそれぞれに使用可能な1以上の無線性能推定方式、及び、前記1以上の無線性能推定方式それぞれの処理時間を決定するための情報、を管理する、管理情報と、を格納し、
前記工程情報は、前記1以上の工程の各工程で使用される1以上のアプリケーションの情報と、各工程に関連付けられている時刻の情報と、を含み、
前記1以上の演算装置は、
前記工程情報及び前記管理情報を参照して、各工程で使用可能な1以上の無線性能推定方式を決定し、
前記工程情報及び前記管理情報を参照して、無線性能推定処理が各工程に関連付けられている時間までに完了する無線通信方式を、各工程で使用可能な前記1以上の無線性能推定方式から選択する、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記工程情報は、各工程における無線通信装置を含む設置物の位置情報を含み、
前記1以上の工程で使用される無線性能推定方式は、無線電波の第1伝搬シミュレーション、前記第1伝搬シミュレーションより低い精度及び多い計算処理の第2伝搬シミュレーションを含み、
前記第1伝搬シミュレーション及び前記第2伝搬シミュレーションは、前記設置物の位置情報に基づきシミュレーションを実行する、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記1以上の工程で使用される無線性能推定方式は、過去の無線性能推定結果からの無線性能推定値の引用を含む、システム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムであって、
前記1以上の演算装置は、前記無線性能推定値の引用は、対象工程と同一製品の工程の無線性能推定値を引用する、システム。
【請求項5】
請求項2に記載のシステムであって、
前記処理時間を決定するための情報は、前記第1伝搬シミュレーション及び前記第2伝搬シミュレーションの処理時間と設置物数との関係を示す、システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、
前記1以上の演算装置は、
選択された工程の設置物から一部の設置物を抽出し、
前記一部の設置物の数及び前記処理時間を決定するための情報に基づいて、前記選択された工程に対する前記第2伝搬シミュレーションの所要時間を決定する、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、
前記1以上の演算装置は、前記選択された工程の無線通信装置と他の設置物との間の位置関係に基づき、前記一部の設置物を抽出する、システム。
【請求項8】
請求項6に記載のシステムであって、
前記1以上の演算装置は、前記選択された工程の全ての設置物が存在する条件で、前記処理時間を決定するための情報に基づいて、前記選択された工程に対する前記第1伝搬シミュレーションの所要時間を決定する、システム。
【請求項9】
請求項6に記載のシステムであって、
前記1以上の演算装置は、アプリケーション毎又は無線通信方式毎に設定された抽出条件に基づいて、一部の設置物を抽出する、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、
前記工程情報は、前記製造現場で実行予定の複数の工程の情報を含み、
前記1以上の演算装置は、前記複数の工程の各工程の無線性能推定処理が各工程に関連付けられている時間までに完了する条件において、前記複数の工程の無線性能推定に要する総計算時間が一番長い、前記複数の工程の無線性能推定方式の組み合わせを選択する、システム。
【請求項11】
システムが、製造現場の無線性能を推定する方法であって、
前記システムは、
前記製造現場で開始前の1以上の工程の情報を含む、工程情報と、
複数アプリケーションそれぞれに使用可能な1以上の無線性能推定方式、及び、前記1以上の無線性能推定方式それぞれの処理時間を決定するための情報、を管理する、管理情報と、を格納し、
前記工程情報は、前記1以上の工程の各工程で使用される1以上のアプリケーションの情報と、各工程に関連付けられている時刻の情報と、を含み、
前記方法は、前記システムが、
前記工程情報及び前記管理情報を参照して、各工程で使用可能な1以上の無線性能推定方式を決定し、
前記工程情報及び前記管理情報を参照して、無線性能推定処理が各工程に関連付けられている時間までに完了する無線通信方式を、各工程で使用可能な前記1以上の無線性能推定方式から選択する、ことを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造現場における無線性能の推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信技術や解析技術の発達により、工場などの製造現場において、工程の進行に無線通信が必要な現場や、或は無線通信による補助を用いる現場が増えてきている。無線通信を利用した様々な種類のアプリケーションプログラム(以下単にアプリケーションとも呼ぶ)が検討されている。一例は、工場などの製造現場において、各所に設置されたセンサなどから工程の進捗情報やトラブル有無などのログ情報を無線で収集する。他の例は、カメラで製造現場の動画をリアルタイム配信する事で、遠隔地から生産管理者や熟練労働者が工程の進捗を目視確認する、又は、現場担当者への指示をすることを可能とする。他の例は、ロボットアームなどの機械を遠隔制御する。
【0003】
これらのアプリケーションは、有線による通信で処理を行うことも可能ではある。しかし、今後センサなどのデバイス数が増加していく見込みであり、多品種少量生産の製造現場では、工程の変更に伴う機器の追加設置や設置場所の移動が頻繁に起こり得る。その場合、有線では工程変更ごとに配線の引き直し作業が発生し対処が困難である。従って、今後は、製造現場において無線通信が主流となる見込みである。
【0004】
無線通信により工程変更(例えば、何らかの製品の生産が完了し、次の製品の生産が始まる)に伴う配線の引き直し作業は回避できる。しかし、工程変更に伴い設置される機器が追加される又は機器の位置が変更されると、無線の通信性能にも変化が生じる。
【0005】
具体的には、無線通信で用いる電波は、送信器と受信器の間に機器がおかれると、遮蔽により電波が減衰する、または、送信器又は受信器の近辺に設置された機器により、電波が反射、散乱する。従って、機器の追加、撤去、位置変更で製造現場内の電波状況が変わり、無線性能にも変化が生じる。
【0006】
製造現場に限らず、無線通信を使う事業所(工場、オフィスなど)における無線性能を推定する様々な伝搬シミュレーション技術が既に開発されており、既に製品化されている。また、特許文献1では鉱山における採掘計画とネットワーク計画を融合させた方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
製造現場において工程の変更が生じた場合、機器の設置、撤去、位置変更に伴う製造現場内の電波状況が変化し無線性能に変化が生じる。この時、現在の工程では各種アプリケーションが問題なく無線通信によって動作していても、次の工程では、無線性能の変化により、無線通信によってアプリケーションが期待通りに動作しなくなることもありうる。その結果、次の工程を開始したものの、その工程で必要なアプリケーションが動作せず工程がストップしてしまい、生産現場の稼働率が低下してしまうかもしれない。
【0009】
これを回避するために、何らかの手段で今後の計画に合わせて無線性能を推定することが有用である。無線性能を推定する様々な伝搬シミュレータは既に知られている。無線電波の伝搬シミュレーションは、無線性能を推定する技術であるが、製造現場では依然として以下の問題が残っている。例えば、小規模な製造現場がたくさんあり、必ずしも伝搬シミュレーションを使いこなせるような熟練した無線技術者が各現場に割り当てられているとは限らない。無線の見識を持たない現場の担当者では、伝搬シミュレーションが使いこなせるわけではなく、正しい無線性能推定ができない、又は、伝搬シミュレーションの設定に長時間を要するかもしれない。
【0010】
本発明は上述の課題を考慮してなされたものであり、製造現場において無線見識が十分でない現場の管理者や担当者が、各生産工程における無線性能推定をするのを支援するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、製造現場の無線性能を推定するシステムであって、1以上の記憶装置と、1以上の演算装置と、を含み、前記1以上の記憶装置は、前記製造現場で開始前の1以上の工程の情報を含む、工程情報と、複数アプリケーションそれぞれに使用可能な1以上の無線性能推定方式、及び、前記1以上の無線性能推定方式それぞれの処理時間を決定するための情報、を管理する、管理情報と、を格納し、前記工程情報は、前記1以上の工程の各工程で使用される1以上のアプリケーションの情報と、各工程に関連付けられている時刻の情報と、を含み、前記1以上の演算装置は、前記工程情報及び前記管理情報を参照して、各工程で使用可能な1以上の無線性能推定方式を決定し、前記工程情報及び前記管理情報を参照して、無線性能推定処理が各工程に関連付けられている時間までに完了する無線通信方式を、各工程で使用可能な前記1以上の無線性能推定方式から選択する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によると、現場の管理者や担当者が、各生産工程における無線性能推定をするのを支援することができる。
【0013】
なお、前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本第1実施形態で想定する製造現場の概念図である。
【
図2A】工程Aにおける、製造現場の配置図である。
【
図2B】工程Bにおける、製造現場の配置図である。
【
図2C】工程Cにおける、製造現場の配置図である。
【
図3】無線性能推定システムの機能ブロック図である。
【
図5C】伝搬シミュレーション時間テーブルの図である。
【
図6】本明細書の一実施形態の全体動作のライフサイクルを示したフローチャートである。
【
図7】無線性能計算を行うステップのフローチャートを示した図である。
【
図8A】無線性能計算部の
図7のフローチャートにおける中間結果の図である。
【
図8B】無線性能計算部の
図7のフローチャートにおける中間結果の図である。
【
図9A】無線性能推定システムが出力する工程及び無線性能推定のスケジュールの図である。
【
図9B】無線性能推定システムが出力する無線性能推定結果の図である。
【
図9C】無線性能推定システムが出力するヒートマップの図である。
【
図10】第2の実施形態における抽出条件テーブルの図である。
【
図11】第3の実施形態における抽出条件テーブルの図である。
【
図12A】第4の実施形態における無線性能計算用情報の図である。
【
図12B】第4の実施形態におけるアプリケーション可否判定テーブルの図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明のいくつかの実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクション又は実施形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互い無関係なものではなく、一方は他方の一部又は全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。各実施形態は、個別に実施しても良いが、組合せて実施しても良い。
【0016】
また、以下の実施形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0017】
さらに、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップなどを含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合などを除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0018】
同様に、以下の実施形態において、構成要素などの形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合や原理的に明らかにそうでないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似又は類似するものなどを含むものとする。このことは数値及び範囲についても同様である。
【0019】
また、以下の説明では、「xxxテーブル」といった表現で説明することがあるが、当該情報は、どのような構造のデータでも良い。また、以下の説明において、各表の構成は一例であり、1つの表は、2以上の表に分割されても良いし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであっても良い。また、以下の説明では、「xxx部」の表現にて機能を説明することがあるが、当該機能は、1以上のコンピュータプログラムが実行されることで実現されても良い。
【0020】
以下において、製造現場における無線性能推定システムが説明される。無線性能推定システムは、製品、部品などの生産工程にて無線通信を用いたアプリケーションプログラムを用いる製造現場において、事前の無線性能推定を容易にする。
【0021】
多くの小規模な製造現場が存在し、必ずしも伝搬シミュレーションを使いこなせるような熟練した無線技術者が各現場に割り当てられているとは限らない。無線の見識を持たない現場の担当者では、伝搬シミュレーションが使いこなせるわけではなく、正しい無線性能推定ができない、又は、伝搬シミュレーションの設定に長時間を要するかもしれない。また、伝搬シミュレーションには長時間を要することがあり、その結果必要な時までに結果が得られないことがある。
【0022】
本明細書の一実施形態の無線性能推定システムは、無線性能推定の推定精度を工程計画やアプリケーション情報に応じて調整する。これにより、工程間で無線性能推定時間を融通しあえるようになる。この結果、工程に応じた無線推定方式を選択することができる。また、本明細書の一実施形態において、無線性能推定システムは、工程開始前に無線性能推定が完了していない事態の発生頻度を低く抑える事が可能となる。
【0023】
本明細書の一実施形態に係る本無線性能推定システムにおいて、利用者が入力する情報は、設置機器の情報や工程計画に関する情報のみあり、無線の見識は不要である。そのため、全生産現場への無線技術者の配備が不要になる。結果として、工程開始前の事前検証や必要に応じた無線設定修正が可能となり、現場の稼働率を向上させることができる。
【0024】
<第1の実施形態>
本実施形態では、1つの製造現場において開始前の3つの生産工程のための無線性能を推定する例を説明する。この製造現場は、多品種少量生産の製造現場であり、生産品(製品、部品)ごとに、それぞれ別の工程として生産作業を行う。
【0025】
異なる工程においては、生産ライン周りに、それぞれ異なる装置、機器類などの設置物が必要であるとする。本明細書ではこれらを設置物と呼ぶ。設置物は、ラインの傍らの決められた位置で作業をする作業員であってもよい。また、各工程においては製品生産を遂行、あるいはサポートするため、無線通信を使用するアプリケーションプログラムを用いる事とする。以下において、アプリケーションプログラムを単にアプリケーションとも呼ぶ。
【0026】
異なる工程に対しては、異なるアプリケーションが使用され得る。ある工程に対しては1つのアプリケーションだけを利用することもあれば、一方、他の工程に対しては複数のアプリケーションを利用することもある。利用されるアプリケーションの例は、製造現場に応じて多様であると考えられるが、本実施形態では、以下3通りのアプリケーションを想定する。
【0027】
1つ目は、ログ収集アプリケーションである。ログ収集アプリケーションは、各装置の稼働状況や生産進捗状況などのログファイルを、センサなどから収集する。ログファイルの例は、テキストファイルである。
【0028】
2つ目は、動画ストリーミングで製造現場の状況をカメラで写しそれを遠隔地のモニタにリアルタイムにストリーミング表示するアプリケーションである。3つ目は、遠隔制御で製造現場に設置されたロボットアームなどの製造機器を、遠隔地から操作するアプリケーションである。
【0029】
図1は上記構成を前提とする製造現場の概念図である。製造現場1内に、生産作業がなされる生産ライン10が存在し、その周りに前述のアプリケーションを実現する機器が配置されてる。具体的には、ログ収集の端末であるセンサ12、リアルタイム動画ストリーミング用のカメラ13、遠隔制御されるロボットアーム14が設置されている。
【0030】
これらの機器12、13、14は、無線通信端末としての機能も備え、無線通信用の基地局11と無線通信を行い、ネットワーク2を介して、管理室3内に設置された遠隔サーバ15とデータ交換を行う。これら無線通信を行う装置は、無線通信装置である。管理室3には、管理システムが設置され、管理システムは、サーバ15及び無線性能推定システム100を含む。
【0031】
例えば、センサ12が集めたログは、遠隔サーバ15内のストレージに蓄積される。カメラ13が撮った映像は、遠隔サーバ15のモニタにリアルタイムで映される。ロボットアーム14は、遠隔サーバ15からの指示に従い、生産ライン10上で作業を行う。尚、これらの生産ライン10、機器12、13、14や基地局11は複数あってもよいものとする。また管理室3は、製造現場と同じ敷地内(例えば同一の工場)又は異なる敷地内にあってよく、クラウド上に必要な機能が実装されていてもよい。
【0032】
図2A、2B及び2Cは、製造現場1において、開始前の3つの工程における機器の配置図をそれぞれ示す。3つの工程、工程A、工程B、工程Cが、この製造現場1で、この順に実行されるものとする。
【0033】
図2Aは、工程Aにおける、製造現場1の機器の配置図を示している。工程Aでは、ログ収集と遠隔制御のアプリケーションは利用しない。センサとロボットアームは配置されておらず、カメラ13のみが基地局11と無線通信を行う。また、工程Aに必要な、無線通信を行わない装置や部品などである設置物19A1~19A5も、製造現場1A内に設置されている。
【0034】
図2Bは、工程Bにおける、製造現場1の機器の配置図を示している。工程Bでは、動画のリアルタイムストリーミングと遠隔制御のアプリケーションは利用しない。カメラとロボットアームは配置されておらず、センサ12のみが基地局11と無線通信を行う。また、工程Bに必要な、無線通信を行わない装置や部品などである設置物19B1~19B3も製造現場1B内に設置されている。
【0035】
図2Cは、工程Cにおける、製造現場1の機器の配置図を示している。工程Cでは、ログ収集、動画のリアルタイムストリーミングと遠隔制御のアプリケーションの3種全てを利用する。センサ12、カメラ13、ロボットアーム14が全て基地局11と無線通信を行う。また、工程Cに必要な、無線通信を行わない装置や部品などである設置物19C1~19C5も、製造現場1C内に設置されている。
【0036】
製造現場1のため、無線性能推定システム100は、各工程の開始前に事前に無線性能の推定を行う。無線性能を事前に推定することで、工程開始前に、無線設定変更、設置物の配置変更又は工程の日程変更などの対策がとれる。これにより、工程を開始後の無線性能が想定より悪く、前述のアプリケーションが希望通りに動かないことを回避する事ができる。この結果、製造現場全体の稼働率を向上する事ができる。
【0037】
図3は、無線性能推定システム100の構成例を模式的に示したブロック図である。無線性能推定システム100は、演算性能を有する演算装置101と、演算装置101が実行するプログラム及び処理対象データを格納する記憶領域を与える主記憶装置102と、を含む。演算装置101は、例えば、1又は複数のコアを含むCPUであり、主記憶装置102は、例えば、揮発性記憶領域を含むRAMである。
【0038】
無線性能推定システム100は、さらに、遠隔サーバ15を含む他の計算機装置や外部記憶装置とデータ通信をおこなう通信インターフェース106と、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどを利用した不揮発記憶領域を与える補助記憶装置103と、を含む。また、無線性能推定システム100は、ユーザからの操作を受け付ける入力装置104と、各プロセスでの出力結果をユーザに提示する出力装置105と、を含む。入力装置104は、例えば、キーボードやマウスを含み、出力装置105は、例えばモニタやプリンタを含む。無線性能推定システム100のこれら構成要素は、内部バス107を介して通信可能である。
【0039】
図3において、主記憶装置102は、無線性能計算部121及び伝搬シミュレータ122等のプログラムを格納する。演算装置101が実行するプログラム及び処理対象のデータは、例えば、補助記憶装置103から主記憶装置102にロードされる。補助記憶装置103は、工程情報データベース(DB)131及び無線性能計算用情報データベース132を格納している。
【0040】
無線性能推定システム100は、物理的な計算機システム(一つ以上の物理的な計算機)でもよいし、クラウド基盤のような計算リソース群(複数の計算リソース)上に構築されたシステムでもよい。無線性能推定システム100は、スマートフォンやタブレットなどの携帯機器でもよい。計算機システムあるいは計算リソース群は、1以上のインターフェース装置、1以上の記憶装置(例えば、主記憶装置及び補助記憶装置を含む)、及び、1以上の演算装置を含む。
【0041】
プログラムが演算装置によって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶装置及び/またはインターフェース装置等を用いながら行われるため、機能は演算装置の少なくとも一部とされてもよい。機能を主語として説明された処理は、演算装置あるいはそのプロセッサを有するシステムが行う処理としてもよい。
【0042】
プログラムは、プログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布計算機または計算機が読み取り可能な記憶媒体(例えば計算機読み取り可能な非一過性記憶媒体)であってもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
【0043】
図3に示すソフトウェア構成要素の概要を以下に説明する。工程情報データベース131は、通信インターフェース106又は入力装置104経由で受け取った工程計画の情報を保持する。工程情報の詳細は後述する。無線性能計算部121は、各工程における無線性能を、工程情報データベース131が保持する工程情報に基づき、伝搬シミュレータ122と、無線性能計算用情報データベース132内にある無線性能計算情報と、を使って計算する。
【0044】
伝搬シミュレータ122は、レイトレース法などの既存の任意の技術を使用することができる。伝搬シミュレータ122は、無線性能計算部121の指示に従い各工程における製造現場1内の無線電波の伝搬シミュレーションを行い、無線性能を計算する。無線性能計算用情報データベース132は、伝搬シミュレータ122が用いる無線に関するパラメタなどの無線性能計算用情報を保持する管理情報である。無線性能計算用情報の詳細は後述する。
【0045】
図4は工程情報データベース131で保持される工程計画200の例を示す図である。工程計画200は、
図4に示すように、将来実行される開始前の各工程に関する情報をテーブルの形態で保持することができる。生産工程欄201は、全ての工程に共通な情報と、特定の工程それぞれに固有の情報とを示す。
図4では例として、前述の工程Aに関する情報211A、工程Bに関する情報211B、工程Cに関する情報211Cが示されている。また、全ての工程に共通の情報210が示されている。
【0046】
各工程に関する情報は、その工程の生産計画情報と、その工程に必要なアプリケーション情報から構成されている。生産計画情報は、製品欄202、設置物欄203、位置欄204、サイズ欄205、材質欄206、開始時刻欄207及び終了時刻欄208を含む。アプリケーション情報は、必要アプリ欄209を含む。
【0047】
製品欄202は、工程による製造物を示す。設置物欄203は、工程で必要な機器及び部品などの設置物(個体)それぞれの名称(種類)を示す。設置物欄203は、さらに、無線通信を行う端末を示す。例えば、工程Aにおいて、カメラが無線端末であり、工程Bにおいてセンサが無線端末であり、工程Cにおいてカメラ、センタ及びロボットアームが無線端末である。無線端末及び基地局は無線装置である。
【0048】
位置欄204は、設置物の位置を示す。サイズ欄205は設置物のサイズを示す。材質欄206は、設置物の材質を示す。開始時刻欄207は、工程の開始予定時刻を示す。終了時刻欄208は、工程の終了予定時刻を示す。
【0049】
各工程に関する情報は、前述のアプリケーションに必要なセンサ12、カメラ13、ロボットアーム14などの位置、サイズ、材質の情報も含む。例えば、工程Aにおいて、基地局の他、カメラ、部品A1、部品A2、部品A3、装置A4、装置A5の、7つの設置物が存在する。
【0050】
共通情報210は、設置物の情報、つまり、設置物欄203、位置欄204、サイズ欄205及び材質欄206のみを示す。共通情報210が示す設置物は、全ての工程で使用される。
図4の例において、基地局11の位置、サイズ、材質が共通情報210に含まれる。
【0051】
必要アプリ欄209は、各工程で必要な無線通信を行うアプリケーションのリストが保持されている。
図4の例において、工程Aに対して動画アプリケーションが示されている。工程Bに対して、ログ収集アプリケーションが示されている。工程Cに対して、ログ収集、動画及び遠隔制御の3つのアプリケーションが示されている。
【0052】
なお、本明細書を通して工程情報で示した例は、実施形態をするための例であって、必ずしも現実の製造現場の工程と一致するものではない。工程計画200に示される情報の一部のみが含まれていてもよく、他の情報が含まれていてもよい。例えば、設置物のサイズや材料の情報や終了時刻の情報が省略されていてもよい。
【0053】
図5Aは、無線性能計算用情報データベース132で保持される無線性能計算用情報500の例を示す。無線性能計算用情報500は、複数種類のデータを含む。具体的には、無線性能計算用情報500は、性能推定方式テーブル510、伝搬シミュレーション時間テーブル520、抽出条件テーブル530、材質テーブル540、及び過去性能評価データベース550を含む。
【0054】
図5Bは、性能推定方式テーブル510の構成例を示す。性能推定方式テーブル510は、アプリケーションごとに、どの性能推定方式が適用可能かを示す。性能推定方式テーブル510は、アプリケーション欄511及び性能推定方式欄512を含む。本例では、無線性能計算部121が無線性能を計算する方法として、伝搬シミュレータ122を用いたシミュレーションと、過去の同一工程での評価結果を引用するデータベース引用が登録されている。
【0055】
本例において、データベース引用は、過去に同一工程が実行されている場合に使用可能である。同一工程は、同一物を製造する工程である。工程計画200における製品欄202が示す製品が同一である工程の間で、データベース引用を使用することができる。なお、類似製品分類情報が用意され、同一製品の過去の解析結果が存在しない場合に、類似製品の解析結果を使用可能であってもよい。
【0056】
本例において、複数種類のシミュレーションが登録されてる。一つは高精度シミュレーションであり、もう一つは簡易シミュレーションである。高精度シミュレーションは、簡易シミュレーションよりも高精度な伝搬シミュレーションが可能であり、より多くの計算処理を必要とする。つまり、高精度シミュレーションの計算機システムによる必要処理時間は、同一の計算機システムによる簡易シミュレーションの必要処理時間より長い。
【0057】
本明細書の一実施形態において、高精度シミュレーションは、工程計画200に記載された全ての設置物を取り込んで、伝搬シミュレーションを実行する、簡易シミュレーションは、工程計画200に記載された全ての設置物から抽出された一部の設置物を取り込んで、伝搬シミュレーションを実行する。簡易シミュレーションの精度は低いものの、計算時間短縮が図れる。設置物の数に基づき異なる精度のシミュレーション方法を用意することで、工程の条件に応じて、処理時間とシミュレーション性能の両立をより適切に図ることができる。
【0058】
なお、3種類以上のシミュレーション方法が設定登録されていてもよい。また、シミュレーションで参照する設置物の数ではなく、異なるアルゴリズムによる異なる精度のシミュレーション方法を用意してもよい。
【0059】
図5Bの例において、ログ収集アプリケーションに対して、データベース引用、簡易シミュレーション、高精度シミュレーションの全てが設定登録されている。ログ収集のデータ量が少なく、ネットワークに厳しい遅延などの要求も存在しない。そのため、精度の高い無線性能推定は不要だと考えられ、いずれの方法を用いてもよいと設定されている。
【0060】
動画に対しては、簡易シミュレーション及び高精度シミュレーションが設定登録されている。データベース引用では精度に問題があると考えられ、簡易シミュレーション、高精度シミュレーションのいずれかが必要であるとされている。遠隔制御に対しては、高精度シミュレーションのみが割り当てられている。遠隔制御のために遅延要求が極めて厳しく正確な無線性能推定が必要だと考えられ、高精度シミュレーションが必須であるとされている。これらの無線性能推定方法については後述する。
【0061】
図5Cは、伝搬シミュレーション時間テーブル520の構成例を示す。伝搬シミュレーション時間テーブル520は、無線性能推定方式それぞれの処理時間を決定するための情報である。伝搬シミュレーション時間テーブル520は、前述の伝搬シミュレーションを行う際に、取り込む設置物の数とその計算時間の対応を示す。
【0062】
伝搬シミュレーション時間テーブル520は、設置物数欄521及び伝搬シミュレーション時間欄522を含む。伝搬シミュレーション時間テーブル520内の値は、無線技術者が経験則から決定してよい。過去の実績を基に、システムが伝搬シミュレーション時間テーブル520を作成してもよい。ここでは、無線技術者が作ったものとする。設置物数との関係で推定所要時間を定義することで、より正確な処理時間の推定が可能となる。
【0063】
なお、データベース引用方式の所要時間は、予め設定された定数でよい。一例において、データベース引用方式の所要時間は、いずれの伝搬シミュレーションより短い。処理制度及び処理時間が異なるアルゴリズムの伝搬シミュレータが用意されている構成においては、それぞれの、処理時間についての情報が用意され、その情報は設置物の数と無関係でもよい。
【0064】
図5Dは、抽出条件テーブル530の構成例を示す。抽出条件テーブル530は、前述の簡易シミュレーションにてシミュレーションに取り込む設置物を抽出する際に、どの設置物を抽出するかの判定に用いる条件を示す。無線性能に与える影響が大きいものを抽出するのが望ましい。抽出条件テーブル530は、遮蔽欄531、パラメタ欄532、及び計算除外可否条件欄533を含む。
【0065】
遮蔽欄531は、対象設置物が基地局11と無線端末(センサ12、カメラ13、ロボットアーム14などの無線通信を行う機器)との間の電波を遮蔽する位置にあるか否かの条件を示す。例えば、工程計画200が示す無線端末と基地局11の位置を結ぶ仮想線が、設置物を通過する場合、その設置物は基地局11と無線端末との間の電波を遮蔽すると判定される。
【0066】
パラメタ欄532は、計算除外判定の条件の含まれるパラメタを示す。
図5Dの例において、設置物のサイズ及び設置物と基地局又は無線端末との間の距離が、条件パラメタとして設定されている。計算除外可否条件欄533は、シミュレーションからの除外が否定される条件、つまり、シミュレーションのために抽出される条件を示す。
【0067】
図5Dが示す抽出ルールの例において、遮蔽、サイズ及び距離について、次の条件が満たされる場合、対象設置物はシミュレーションのために抽出される。対象設置物は、基地局と無線端末との間の電波を遮蔽する位置にない(遮蔽欄531における「無し」)。
【0068】
さらに、対象設置物のサイズは、閾値ThrSize以上である。サイズは、例えば、縦横高さの合計値、又はそれらの内の最大値でよい。加えて、対象設置物と、基地局又は無線端末からの距離が閾値ThrDist以下である。距離は、例えば、基地局及び無線端末から対象設置物までの距離の最小値でもよい。距離の条件は、基地局と無線端末の座標を焦点とした楕円内に対象接地物が存在するか否かであってもよい。
【0069】
対象設置物が、基地局と無線端末の間の電波を遮蔽する位置にある場合は、他の条件に関わりなく、対象設置物はシミュレーションのために抽出される。
【0070】
抽出条件テーブルは、上記全ての条件を含んでいなくてもよい。例えば、サイズ条件は省略され、設置物の位置に基づく条件のみが規定されていてもよく、距離の条件が省略されていてもよい。距離やサイズの条件と異なる条件、例えば、材料の条件が加えられていてもよい。工程計画が設置物のサイズの情報を含まない場合、位置の情報のみから遮蔽や距離の条件が判定されてよい。
【0071】
図5Eは、材質テーブル540の構成例を示す。材質テーブル540は、伝搬シミュレーションで用いる設置物の反射率や誘電率の情報を示す。この情報は既知の情報であり、事前に設定登録されているものとする。
【0072】
過去性能評価データベース550は、既に何らかの手法で無線性能推定が実行された工程に対して、その推定結果を蓄積している。別システムで計算した結果を無線技術者が過去性能評価データベース550に登録してもよいし、無線性能計算部121が出力した結果をそのまま登録してもよい。過去性能評価データベース550の形式は、無線性能計算部121の出力と同じでよい。
【0073】
図6は、本明細書の一実施形態の全体動作のサイクルを示したフローチャートである。管理システムが導入されると、以降定期的に無線技術者によるメンテナンスのサイクル(602から609)が開始される。メンテナンスにおいて、前述の無線性能計算用情報500の各種テーブルの追加や修正等が実行される(603)。無線技術者によるメンテナンスは、現場の運用サイクル(604から608)よりは長く、例えば、数か月のオーダである。
【0074】
その後、現場の運用サイクル(604から608)が始まる。現場管理者が生産計画や作業手順書などに従い、工程計画200の追加・修正を行う(605)。無線性能計算部121は、無線性能計算用情報500及び工程計画200に基づき、無線性能推定を行う(606)。遠隔サーバ15によって、推定結果を用いて工程が運用される(607)。現場の運用サイクル(604から608)は比較的短く、例えば1日のオーダが考えられる。
【0075】
図7は、
図6に示した、工程計画200の追加・修正のステップ605に続き、無線性能計算部121が無線性能推定を行うステップ606の、内部フローチャートを示す。以降、
図4で示した工程計画200の例を参照しながら、本フローチャートを説明していく。
【0076】
工程計画200の追加・修正のステップ605の後、無線性能計算部121は、工程計画200に登録された全て又は直近の開始予定の一部の工程に対して、以下の処理を実行する。
【0077】
まず、無線性能計算部121は、ステップ701から708が示すサイクルを、各工程について実行する。具体的には、無線性能計算部121は、性能推定方式テーブル510に基づき、その工程に適用可能な無線性能推定方式の候補を選択する(702)。工程において複数のアプリケーションが実行される場合、全てアプリケーションに共通の無線性能推定方式を候補として選択することができる。
【0078】
この候補の中に高精度シミュレーションが含まれる場合(703:YES)、無線性能計算部121は、工程計画200に記載された全ての設置物数と伝搬シミュレーション時間テーブル520から、高精度シミュレーションのシミュレーション時間を決定する(704)。
【0079】
適用可能な無線性能推定方式の候補に簡易シミュレーションが含まれる場合(705:YES)、無線性能計算部121は、抽出条件テーブル530に基づき、簡易シミュレーションで必要な設置物を抽出する(706)。無線性能計算部121は、抽出された設置物の数と伝搬シミュレーション時間テーブル520から、簡易シミュレーションのシミュレーション時間を決定する(707)。
【0080】
図8Aの第1中間結果テーブル350は、ここまでのステップを工程計画200に記載された各工程に適用した中間結果を示す。具体的には、第1中間結果テーブル350は、工程欄351及び無線性能推定方式欄352を含む。工程欄351は、推定対象の工程それぞれを示す。無線性能推定方式欄352は、各工程の無線性能推定方式候補を示す。無線性能推定方式欄352において、括弧内の数字は、各シミュレーションに要する時間を表す。本例では、1時間単位で切り上げた値で所要時間が表されている。シミュレーション所要時間は、ステップ703~ステップ707の結果、伝搬シミュレーション時間テーブル520から取得されている。
【0081】
例えば、工程Aでは動画アプリケーションを用いるので、性能推定方式テーブル510に基づき、簡易シミュレーションと高精度シミュレーションが性能推定方式の候補に選出されており、データベース引用は適用不可である。工程Aの簡易シミュレーションには4時間、高精度シミュレーションには7時間要する。
【0082】
一方、工程Bはログ収集のアプリケーションだけを用いるのでデータベース引用も適用可能である。データベース引用にかかる時間は1時間である。工程計画200に示した通り、工程Bでは設置物が工程Aより少ない。そのため、同じ高精度シミュレーションでも工程Bの方が要する時間が短い。工程Cは遠隔制御アプリケーションが必要なため、データベース引用と簡易シミュレーションは適用不可である。必ず高精度シミュレーションが適用される。
【0083】
次に、無線性能計算部121は、工程それぞれで利用可能な性能推定方式の全ての組み合わせに対して、組み合わせ内の全ての性能推定方式が対応する工程の開始時刻までに完了するかを検証し、各工程に適用する性能推定方式を決定する(709)。上述の通り、工程A、B、Cに対してそれぞれ、2つ、3つ、1つの無線性能推定方式の候補が存在する。全組合せ数は6通りとなる。無線性能計算部121は、各組合せに対して、工程A、工程B、工程C用の無線性能推定が、いつまでに完了するかを計算する。
【0084】
本明細書の一実施形態において、無線性能計算部121による工程それぞれの推定処理は、順次実行される。例えば、無線性能計算部121は、開始時刻が早い工程から順次推定処理を実行するものとして、工程それぞれの、推定処理完了時刻を決定する。本明細書の他の実施形態において、複数の工程の無線性能推定処理が、異なる計算機や演算コアによって、同時に実行可能であってもよい。無線性能計算部121は、同時実行可能な推定処理の数や、各推定処理の所要時間の情報を参照して、各工程の推定処理完了時刻を決定することができる。
【0085】
複数同時に実行する動作の一例として、後述の「第1中間結果テーブル350に対して、ステップ709の処理を施して第2中間結果テーブル360を得る」処理において、工程Aと工程Bを同一の計算機で順次処理し、工程Cのみ別の計算機で同時に処理した場合の第2中間結果テーブル360も追加で得る。さらに、工程Aのみを1つの計算機で、工程Bと工程Cを他の計算機で順次処理した場合など他の組合せに関しても第2中間結果テーブルを得て、最終的な無線性能推定方式を決定する際の選択肢を増やす動作が考えられる。以下においては、工程が順次選択されて、無線性能推定処理が順次実行されるものとする。
【0086】
図8Bの第2中間結果テーブル360は、第1中間結果テーブル350に対して、ステップ709の処理を施して得られた結果を示す。ここでは、無線性能推定処理を6時に開始するものとし、第1中間結果テーブル350のそれぞれの工程のそれぞれの無線性能推定方式に要する時間を基に、無線性能推定方式の組合せ毎に、各工程の無線性能計算がいつ終わるかを示している。
【0087】
具体的には、第2中間結果テーブル360は、無線性能推定方式欄361及び無線性能推定完了時刻欄362を含む。無線性能推定方式欄361は、工程それぞれの無線性能推定方式の組み合わせを示す。無線性能推定完了時刻欄362は、無線性能推定方式の各組み合わせにおいて、各工程の無線性能推定処理が完了する予想時刻を示す。
【0088】
この中で、工程計画200で示した工程A、B、Cの開始時刻までに無線性能推定が完了するのは、レコード365のみである。レコード365は、工程Aに簡易シミュレーション(図では「簡易」と表記)、工程Bにデータベース引用(「DB」)、工程Cに高精度シミュレーション(「高精度」)を適用する。無線性能計算部121は、レコード365が示す組み合わせを、実際に適用する無線性能推定方式の組み合わせと決定する。
【0089】
開始時刻までに完了するレコード(推定方式の組み合わせ)が2つ以上ある時は、予め設定された判定基準に基づき、いずれか一つの組み合わせが選択される。例えば、以下の3つの判定基準がある。
(1)無線性能推定に要する総計算時間が一番短い組み合わせを選択
(2)無線性能推定に要する総計算時間が一番長い組み合わせを選択(結果として、許容時間内で最も精度が高い推定方式の組み合わせを選択することとなる)
(3)ランダムに選択
【0090】
本明細書の一実施形態において、無線性能計算部121は、判定基準(2)に従って、無線性能推定方式の一つの組み合わせを選択する。つまり、無線性能推定に要する総計算時間が一番長い組み合わせが選択される。これにより、許容時間内で最も精度が高い推定方式の組み合わせを選択することができる。
【0091】
なお、開始時刻までに完了する組み合わせが存在しない場合、無線性能計算部121は、簡易シミュレーションで抽出された設置物から一部の設置物を省略することで、簡易シミュレーション時間を短縮してもよい。例えば、特定条件により抽出された設置物を削除する、又は、抽出条件をより厳しいものに変更する等が可能である。
【0092】
図7のステップ709より後の処理に進む前に、無線性能計算部121は、この決定された無線推定方式を、出力装置105の画面に出力してもよい。前述の例では、
図8のレコード365が選択されている。無線性能計算部121は、例えばモニタに、
図9に示すタイムライン(スケジュール)370を出力してもよい。
【0093】
図9Aは、無線性能推定処理の対象である工程A、工程B及び工程C、並びに、それらのための無線性能推定処理のスケジュール370を示す。工程Aのための無線性能推定処理は、6:00に開始し、10:00に終了の予定である。推定方式は、簡易シミュレーションである。工程Aは、10:00に開始される予定である。
【0094】
工程Bのための無線性能推定処理は、10:00に開始し、11:00に終了の予定である。推定方式は、データベース引用方式である。工程Bは、14:00に開始される予定である。工程Cのための無線性能推定処理は、11:00に開始し、18:00に終了の予定である。推定方式は、高精度シミュレーションである。工程Cは、19:00に開始される予定である。ユーザは、表示されたスケジュール370を参照して、全工程それぞれに必要な無線性能推定処理が、対応する工程開始時刻までに完了できる見込みでることを確認することができる。
【0095】
図7に戻って、次に、無線性能計算部121は、各工程に対して、ステップ710から713のサイクルを逐次実行する。具体的には、無線性能計算部121は、ステップ709で決定した性能推定方式により、該当工程の性能推定を行う(711)。無線性能推定方式として簡易シミュレーション又は高精度シミュレーションを適用する場合、無線性能計算部121は、伝搬シミュレータ122を使用する。伝搬シミュレーションは、必要に応じて無線性能計算用情報500内の材質テーブル504に記載された誘電率や反射率を利用してもよい。
【0096】
一方、データベース引用を無線性能推定方式として用いる場合、無線性能計算部121は、無線性能計算用情報500内の過去性能評価データベース550から同一工程の推定結果を引用する。無線性能計算部121は、一つの工程の無線性能推定が終わり次第、その結果を出力する(712)。
【0097】
図9Bは、ユーザに提示される、対象工程の無線性能推定結果の例を示す。無線性能推定結果380は、表形式であり、工程欄381、無性性能方式欄382、及び無線性能推定結果欄383を含む。工程欄381は、推定対象の工程を示す。無性性能方式欄382は、無線性能の推定に使用された方式を示す。無線性能推定結果欄383は、無線性能の推定結果を示す。
図9Bの例において、無線性能推定結果欄383は、推定結果を示す添付ファイル又は推定結果を示すファイルへのリンクを示す。
【0098】
無線性能推定結果欄383は、従来の伝搬シミュレーションの出力結果と同様である。例えば無線性能推定結果は、製造現場1における受信電力の強度を示したヒートマップで表される。ヒートマップは、CSVファイルや画像ファイルとして添付される、又は、このファイルへのリンクが掲載される。
【0099】
図9Cは、製造現場1における工程Aでの無線性能計算結果のヒートマップの例を示す。ヒートマップ390は、製造現場1の設置物と共に、電波強度を示すパターンを表示する。パターンの色が濃い(黒に近い)程、受信電波強度が強く、パターンの色が薄い(白に近い)程、受信電波強度が弱いことを示す。なお、ヒートマップの表示態様は任意であって、
図9Cの例に限定されない。
【0100】
さらに、無線性能計算部121は、この推定結果を、無線性能計算用情報500内の過去性能評価データベース550に追加し、将来の計算時間削減に活用する。無線性能推定方式として簡易シミュレーションが使用されている場合、無線性能計算部121は、どの設置物を抽出して伝搬シミュレーションをしたかなどの情報を、オプションで出力装置105に出力する、又は、無線性能計算用情報500に格納してもよい。
【0101】
本実施形態では、製造現場で行われる今後の工程計画に応じて、事前の無線性能推定が可能となり、もし無線性能不足が生じる場合には、無線設定変更や日程の見直しなどの事前対策が可能となる。また、本システムにあたり現場管理者が入力する項目は、生産計画や作業手順書に記載されている内容で無線の専門知識が必ずしも必要ではない。
【0102】
また、無線性能計算に伝搬シミュレーションに時間がかかり工程開始までの無線性能推定が完了できない場合は、工程のアプリケーションの特性などに応じて、設置物の一部を抽出した簡易シミュレーションや過去性能データベースを引用することで無線性能推定に要する時間を軽減する。これにより、工程開始時刻までに性能推定を完了できる。なお、上記例は、複数の工程の無線通信性能の推定を行うが、一つの工程のみの無線通信性能を推定することも同様に可能である。この点は他の実施形態において同様である。
【0103】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、第1の実施形態で述べた設置物の一部を抽出した簡易シミュレーションを行う際に、設置物を抽出するか否かの判定基準を、アプリケーションごとに設定する。本実施形態の動作は第1の実施形態に準ずるものであり主に差分を以下に述べる。
【0104】
第1の実施形態では、全てのアプリケーションに共通の条件を示す抽出条件テーブル530を用いる。一方、本実施形態の抽出条件テーブルは、アプリケーション毎に設定登録された条件を示す。
図10は、第2の実施形態の抽出条件テーブル810の構成例を示す。
【0105】
抽出条件テーブル810は、アプリケーション欄811、遮蔽欄812、パラメタ欄813、及び計算除外可否条件欄814を含む。アプリケーション欄811は、抽出条件を適用するアプリケーションの種類の識別子を示す。遮蔽欄812、パラメタ欄813、及び計算除外可否条件欄814は、
図5Dに示す抽出条件テーブルの遮蔽欄531、パラメタ欄532、及び計算除外可否条件欄533と同様である。
【0106】
無線性能計算部121は、抽出条件テーブル810からアプリケーションに応じた抽出条件を用いて、簡易シミュレーションにおける抽出対象となる設置物を決定する。例えば、高い無線性能推定精度を要求するアプリケーションに対しては、より多くの設置物が抽出される条件が設定される。例えば、設置物のサイズの閾値を小さくする、及び/又は、距離の閾値を大きくすることで、抽出物の数を増やすことができる。抽出物の増加により伝搬シミュレーション時間が増える代わりに、推定精度が向上する。
【0107】
第2の実施形態によると、アプリケーションの種類に応じて簡易シミュレーション精度を可変にする事が可能になり、無線伝搬性能推定精度と計算時間を調整することができる。
【0108】
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、第1の実施形態で述べた設置物の一部を抽出した簡易シミュレーションを行う際に、設置物を抽出するか否かの判定基準を無線通信方式(無線システム)(例えば、Wi-Fi5、Wi-Fi6、Private-LTE、ミリ波のLocal5G)ごとに設定する。本実施形態の動作は第1の実施形態に準ずるものであり主に差分を以下に述べる。
【0109】
第1の実施形態では、全てのアプリケーションに共通の条件を示す抽出条件テーブル530を用いる。一方、本実施形態の抽出条件テーブルは、例えば無線システム毎に設定登録された条件を示す。
図11は、第3の実施形態の抽出条件テーブル820の構成例を示す。
【0110】
抽出条件テーブル820は、無線システム欄821、遮蔽欄822、パラメタ欄823、及び計算除外可否条件欄824を含む。無線システム欄821は、抽出条件を適用する無線システムの種類の識別子を示す。遮蔽欄822、パラメタ欄823、及び計算除外可否条件欄824は、
図5Dに示す抽出条件テーブルの遮蔽欄531、パラメタ欄532、及び計算除外可否条件欄533と同様である。
【0111】
例えば、波長が比較的長いWifiなどではサイズの閾値を大きめに設定することで抽出される設置物数を減らすことができる。または、ミリ波を使う5Gでは直進性が高いことを考慮し、距離の閾値を小さめに設定することで抽出される設置物数を減らすことができる。
【0112】
第3の実施形態によると、無線システムの種別に応じて簡易シミュレーション精度を可変にすることが可能になり、無線伝搬性能推定精度と計算時間を調整することができる。
【0113】
<第4の実施形態>
第4の実施形態では、無線性能推定システムが出力する出力結果に、
図9Cで示したヒートマップ390に加えて又は代えて、推定される受信電力条件下で各アプリケーションが動作可能かを出力する。本実施形態では、無線性能計算用情報に、アプリケーション可否判定の情報を含める。
【0114】
図12Aは、第4の実施形態に係る無線性能計算用情報590の構成例を示す。無線性能計算用情報590は、性能推定方式テーブル510、伝搬シミュレーション時間テーブル520、抽出条件テーブル530、材質テーブル540、及び過去性能評価データベース550、アプリケーション可否判定テーブル560を含む。アプリケーション可否判定テーブル560以外の構成要素は、第1の実施形態において説明した通りである。
【0115】
図12Bは、アプリケーション可否判定テーブル560の構成例を示す。アプリケーション可否判定テーブル560は、例えば、無線技術者によって、
図6に示すステップ603において入力されることができる。
【0116】
アプリケーション可否判定テーブル560は、アプリケーション欄561、必要電力(基地局)562欄562、及び必要電力(端末)欄563を含む。アプリケーション欄561は、アプリケーションの種類の識別子を示す。
【0117】
必要電力(基地局)欄562は、アプリケーションが使用する無線通信の基地局に要求される電波受信電力(閾値)を示す。必要電力(端末)欄563は、アプリケーションが使用する無線通信の端末に要求される電波受信電力(閾値)を示す。欄562及び562における必要電力はdBmで表されている。基地局及び無線端末の双方の必要電力が設定されている場合、双方の条件が満たされてることが要求される。
【0118】
無線性能計算部121は、
図7に示すステップ711において、無線性能の推定が終わった後、推定された無線性能が、各アプリケーションが要求する条件を満たしているか判定する。
【0119】
具体的には、無線性能計算部121は、
図4に示す工程計画を参照し、各工程で使用される無線基地局及び無線端末の位置並びに使用されるアプリケーションの情報を取得する。無線性能計算部121は、電波受信電力の分布を示すヒートマップ390を参照し、無線基地局及び各無線端末の電波受信電力強度を取得する。
【0120】
無線性能計算部121は、基地局及び各無線端末の電波受信電力が、アプリケーション可否判定テーブル560が示す閾値を超えているか判定する。無線性能計算部121は、ユーザに対して提示される無線性能推定結果に、推定された無線性能が、各アプリケーションが要求する条件を満たしているかの判定結果を含める。
【0121】
ヒートマップ390が示す電波受信電力が、アプリケーション可否判定テーブル560が示す当該アプリケーションの各閾値以上である場合、当該アプリケーションが動作可能の判定結果が示される。ヒートマップ390が示す電波受信電力が、アプリケーション可否判定テーブル560が示す当該アプリケーションのいずれかの閾値未満である場合、当該アプリケーションが動作不可の判定結果が示される。
【0122】
第4の実施形態によると、無線性能推定システムの出力結果を得た現場管理者は、より直接的に工程稼働の可否を知ることが可能となる。
【0123】
<他の実施形態>
本明細書の一実施形態において、伝搬シミュレータ122と他のシミュレータを合わせて活用する。例えば、伝搬シミュレータ122に加えて、ネットワークシミュレータを用いることができる。公知のネットワークシミュレータを利用することができる。ネットワークシミュレータは、伝搬シミュレータ122による無線性能推定結果を使用して、シミュレーションンを実行する。ネットワークシミュレータにより、受信電力情報に加え、無線通信のスループットやパケットロス、遅延などを推定することも可能となる。
【0124】
本明細書の一実施形態において、工程計画200において現場管理者が入力する項目を追加し、現場の状況に合わせたカスタマイズを可能としてもよい。例えば、以下の運用を行ってもよい。
【0125】
第1の運用例において、現場管理者は、無線性能推定計算を工程開始時刻から所定時間前までに終わらせる必要があるかを設定することができる。無線性能計算部121は、各工程に対して設定された時刻までに無線性能推定処理が完了するようにスケジュールを決定する。この結果、無線性能推定結果取得後に工程開始までの時間に何かしらの対策を講じることを可能となる。
【0126】
第2の運用例において、現場管理者は、工程に優先度を割り当ててもよい。無線性能計算部121は、優先度が高い工程から順次選択して、無線性能推定方式を決定する。同一の優先度の工程が存在する場合、指定時刻が早い工程が選択されてよい。優先度により、例えば納期が迫っていて確実な遂行が必要となる工程には、高精度な推定方式が適用され得る。
【0127】
上記実施形態において、各工程の無線性能推定方式は、対応する工程の開始前であって対応する工程に対して設定されている時刻までに終了するように決定される。例えば、工程に対して時刻が設定されていない場合、無線通信推定方式は、要求完了時刻がない条件で、決定されてよい。
【0128】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0129】
また、上記の各構成・機能・処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード等の記録媒体に置くことができる。
【0130】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆どすべての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0131】
1 製造現場
2 ネットワーク
11 基地局
12 センサ
13 カメラ
14 ロボットアーム
15 遠隔サーバ
100 無線性能推定システム
101 演算装置
102 主記憶装置
103 補助記憶装置
104 入力装置
105 出力装置
106 通信インターフェース
107 内部バス
121 無線性能計算部
122 伝搬シミュレータ
131 工程情報データベース
132 無線性能計算用情報データベース
200 工程計画
500 無線性能計算用情報