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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038493
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】喫煙具用カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20230310BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20230310BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20230310BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/42
A24F40/465
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145256
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】721008039
【氏名又は名称】Future Technology株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 龍志
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA50
4B045AB11
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB23
4B162AC14
4B162AC50
4B162AD06
4B162AD22
4B162AD23
(57)【要約】
【課題】喫煙具用カートリッジの製造効率の低下を抑える。
【解決手段】本開示にかかる喫煙具用カートリッジ10は、長手方向の一側から他側へ延びる内部空間16を区画する筒状の骨格材11と、骨格材11の内部空間16の上記一側の領域に配置される被加熱基材12と、を備え、骨格材11は、所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部22を有する。喫煙具用カートリッジ10を、喫煙具が生成する誘導磁場に挿入すると、骨格材11の発熱部22が発熱し、被加熱基材12を加熱する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向の一側から他側へ延びる内部空間を区画する筒状の骨格材と、
前記骨格材の前記内部空間の前記一側の領域に配置される被加熱基材と、を備え、
前記骨格材は、所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部を有する
ことを特徴とする喫煙具用カートリッジ。
【請求項2】
前記骨格材は、前記長手方向に互いに異なる領域である第1領域と第2領域とを有し、
前記第1領域と前記第2領域とは、互いに性質が異なり、
前記発熱部は、前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも一方に設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項3】
前記骨格材の前記第1領域と前記第2領域とは、通気性が互いに異なる
ことを特徴とする請求項2に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項4】
前記骨格材の前記第1領域と前記第2領域とは、外径側への発熱性が互いに異なり、
前記第1領域は、少なくとも前記被加熱基材に対して径方向に重なる位置に配置されて前記発熱部を有し、
前記第2領域は、前記第1領域よりも外径側への発熱性が低い
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項5】
前記発熱部は、前記第1領域に設けられて第1サセプタ材料を含む第1発熱部と、前記第2領域に設けられて第2サセプタ材料を含む第2発熱部と、を有し、
前記第2サセプタ材料のキュリー温度は、前記第1サセプタ材料のキュリー温度よりも低い
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項6】
前記骨格材は、前記第1領域を形成する第1シートと、前記第2領域を形成する第2シートとを含む複数のシートを巻回して筒状に形成され、
前記複数のシートの互いに重なるオーバーラップ部では、前記一側のシートの方が前記他側のシートよりも外径側に位置する
ことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項7】
前記骨格材は、前記複数のシートを前記長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状に形成される
ことを特徴とする請求項6に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項8】
前記骨格材の前記発熱部は、層状に形成され、内径側の層に前記サセプタ材料を含み、外径側の層が紙である
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の喫煙具用カートリッジ。
【請求項9】
前記骨格材の外径側を覆う紙製の包装材を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の喫煙具用カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙具用カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加熱時に吸入可能なエアロゾルを発生させるためのエアロゾル形成基質を含むエアロゾル発生物品が記載されている。エアロゾル発生物品は、同軸に整列して配列される4つの要素:エアロゾル形成基質、支持要素、エアロゾル冷却要素およびマウスピースを含む。これら4つの要素のそれぞれは実質的に円筒形の要素であり、それぞれが実質的に同一の直径を持つ。これらの4つの要素は連続して配列され、外側ラッパーによって取り囲まれ、円柱状のロッドを形成する。細長い二層サセプタは、エアロゾル形成基質内に位置し、エアロゾル形成基質と接触している。サセプタは、第二のサセプタ材料と密着して結合されている第一のサセプタ材料から形成される。第一のサセプタ材料は、ステンレス鋼の細片の形態であり、第二のサセプタ材料は、ニッケルのパッチである。サセプタは、エアロゾル形成基質の長さとほぼ等しい長さを持ち、エアロゾル形成基質の半径方向の中心軸に沿って位置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6077145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のエアロゾル発生物品(喫煙具用カートリッジ)では、サセプタを、エアロゾル形成基質(被加熱基材)内の半径方向の中心軸に沿って配置するので、喫煙具用カートリッジの製造時に、サセプタを被加熱基材の中心からズレないように保持しておく必要がある。また、被加熱基材は比較的柔らかい素材であり、一方、サセプタに含まれるサセプタ材料はステンレス鋼やニッケル等の金属であるので、長尺の被加熱基材の中心位置に長尺のサセプタを配置したものを、所望の長さに切断して製造する場合、比較的柔らかい被加熱基材の端面が潰れないようにしつつ、比較的硬いサセプタを切断する必要がある。このように、特許文献1に記載の喫煙具用カートリッジでは、製造作業が煩雑になり、製造効率が低下してしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本開示は、製造効率の低下を抑えることが可能な喫煙具用カートリッジの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様の喫煙具用カートリッジは、長手方向の一側から他側へ延びる内部空間を区画する筒状の骨格材と、前記骨格材の前記内部空間の前記一側の領域に配置される被加熱基材と、を備え、前記骨格材は、所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部を有する。
【0007】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記骨格材は、前記長手方向に互いに異なる領域である第1領域と第2領域とを有し、前記第1領域と前記第2領域とは、互いに性質が異なり、前記発熱部は、前記第1領域及び前記第2領域の少なくとも一方に設けられる。
【0008】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記骨格材の前記第1領域と前記第2領域とは、通気性が互いに異なる。
【0009】
本発明の第4の態様は、上記第2の態様又は上記第3の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記骨格材の前記第1領域と前記第2領域とは、外径側への発熱性が互いに異なり、前記第1領域は、少なくとも前記被加熱基材に対して径方向に重なる位置に配置されて前記発熱部を有し、前記第2領域は、前記第1領域よりも外径側への発熱性が低い。
【0010】
本発明の第5の態様は、上記第2の態様から上記第4の態様のいずれかの喫煙具用カートリッジであって、前記発熱部は、前記第1領域に設けられて第1サセプタ材料を含む第1発熱部と、前記第2領域に設けられて第2サセプタ材料を含む第2発熱部と、を有し、前記第2サセプタ材料のキュリー温度は、前記第1サセプタ材料のキュリー温度よりも低い。
【0011】
本発明の第6の態様は、上記第2の態様から上記第5の態様のいずれかの喫煙具用カートリッジであって、前記骨格材は、前記第1領域を形成する第1シートと、前記第2領域を形成する第2シートとを含む複数のシートを巻回して筒状に形成され、前記複数のシートの互いに重なるオーバーラップ部では、前記一側のシートの方が前記他側のシートよりも外径側に位置する。
【0012】
本発明の第7の態様は、上記第6の態様の喫煙具用カートリッジであって、前記骨格材は、前記複数のシートを前記長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状に形成される。
【0013】
本発明の第8の態様は、上記第1の態様から上記第7の態様のいずれかの喫煙具用カートリッジであって、前記骨格材の前記発熱部は、層状に形成され、内径側の層に前記サセプタ材料を含み、外径側の層が紙である。
【0014】
本発明の第9の態様は、上記第1の態様から上記第8の態様のいずれかの喫煙具用カートリッジであって、前記骨格材の外径側を覆う紙製の包装材を備える。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、喫煙具用カートリッジの製造効率の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示に係る喫煙具用カートリッジの使用態様の一例を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る喫煙具用カートリッジの外観図である。
図3図2のIII-III矢視断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る喫煙具用カートリッジの断面図である。
図5】本発明の第3実施形態に係る喫煙具用カートリッジの断面図である。
図6】本発明の第4実施形態に係る喫煙具用カートリッジの外観図である。
図7】本発明の第5実施形態に係る喫煙具用カートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではない。さらに、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。また、各図における左側を長手方向の一側とし、右側を長手方向の他側として説明する。
【0018】
また、本明細書において、「喫煙」とは、一般的に、ナス科タバコ属のタバコの葉又はタバコ成分を含む素材を燃焼又は加熱して生成するニコチンやタール等を含む煙を吸うことを意味することが多いが、ここでは、単に、「煙を楽しむ」、「煙を味わう」、「煙を堪能する」の意味であり、煙の元になる芳香成分は、タバコ材に限定されず、非タバコ材を使用するものにも適用される。
【0019】
図1は、本開示に係る喫煙具用カートリッジ1の使用態様の一例を示す図である。
【0020】
図1に示すように、本開示に係る喫煙具用カートリッジ1は、喫煙具100を使用して喫煙可能である。喫煙具100は、誘導磁場(電磁誘導によって発生する磁場)を利用して喫煙具用カートリッジ1を誘導加熱する喫煙具100である。喫煙具100は、喫煙具用カートリッジ1を挿入するための挿入部101と、挿入部101の内に配置される誘導加熱コイル102と誘導加熱コイル102の制御装置(図示省略)やバッテリ(図示省略)等を含む制御部103とを備える。誘導加熱コイル102は、挿入部101に挿入された喫煙具用カートリッジ1の周囲を囲むように配置され、電流が流れることによって誘導磁場を生成する。
【0021】
図2は、本発明の第1実施形態に係る喫煙具用カートリッジ10の外観図である。図3は、図2のIII-III矢視断面図である。なお、図3の白抜き矢印は、吸引時の空気の入る方向を概略的に示している。
【0022】
図2及び図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る喫煙具用カートリッジ10は、筒状の骨格材11と、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12とを備え、柱状に形成される。本実施形態では、喫煙具用カートリッジ10は、更にフィルタ13とシール部材20とを備える。
【0023】
骨格材11は、喫煙具用カートリッジ10の外骨格を構成する部材であって、長手方向の一側(図3における右側)から他側(図3における左側)へ延びる内部空間16を区画する筒状に形成される。骨格材11は、複数(本実施形態では2枚)のシート14,15を巻回して筒状に形成される。本実施形態では、骨格材11は、2枚のシート14,15を長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状に形成される。骨格材11の内部空間16の上記一側の領域(長手方向の中央よりも上記一側の領域)には、被加熱基材12が配置される。骨格材11の内部空間16の上記一側の端部には、シール部材20が配置される。骨格材11の内部空間16の上記他側の端部には、フィルタ13が配置される。骨格材11の長さは、30mm以上80mm以下が好ましい。骨格材11の直径は、4.0mm以上9.0mm以下が好ましく、ユーザの持ちやすさの観点から、5.0mm以上8.0mm以下が更に好ましい。
【0024】
骨格材11は、2枚のシート14,15のうちの第1シート14によって形成される第1領域17と、第2シート15によって形成される第2領域18とを有する。第1領域17及び第2領域18は、互いに隣接した状態で、長手方向に対して傾斜する螺旋状に設けられる。すなわち、骨格材11は、長手方向に互いに異なる領域である第1領域17と第2領域18とを有する。各シート14,15の幅方向の両端部は、互いに重なった(オーバーラップした)状態で互いに接着されている。各シート14,15の幅方向の両端部の互いに重なったオーバーラップ部21の幅(長手方向の長さ)は、各シート14,15のオーバーラップしていない部分の幅よりも狭い。オーバーラップ部21では、上記一側のシートの方が上記他側のシートよりも外径側(径方向の外側)に位置している。例えば、図3の拡大部分のオーバーラップ部21では、上記一側の第2シート15の方が上記他側の第1シート14よりも外径側に位置している。
【0025】
2枚のシート14,15は、互いに異なる性質のシートであり、これにより、骨格材11の第1領域17と第2領域18とは、互いに性質が異なる。2枚のシート14,15は、骨格材11を形成した状態で喫煙具用カートリッジ10の外骨格を構成するように、比較的高い強度を有する。
【0026】
第1シート14は、層状(本実施形態では、2層状)に形成されるシートであって、内径側(径方向の内側)の第1層14aと、外径側の第2層14bとを有する。第1シート14の第1層14aには、誘導磁場によって発熱するサセプタ材料が含まれる。すなわち、骨格材11は、所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部22を有し、係る発熱部22は、本実施形態では、第1シート14によって形成される第1領域17に設けられる。第1シート14の第2層14bは、紙である。第1シート14は、例えば、紙の一面側(内径側になる方)に薄膜状のサセプタ材料を張り合わせることによって形成されてもよい。このように、本実施形態では、骨格材11の第1領域17の全域が、誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部22として機能する。その点で、発熱部22をサセプタと称してもよい。本実施形態では、第1領域17及び第2領域18は、互いに隣接した状態で、長手方向に対して傾斜する螺旋状に設けられるので、第1シート14が形成する第1領域17は、骨格材11の上記一側から上記他側まで連続して螺旋状に設けられる。すなわち、被加熱基材12に対して径方向に外側から重なる位置には、発熱部22として機能する骨格材11の第1領域17が存在する。
【0027】
サセプタ材料としては、鉄、ステンレス鋼、ニッケル、真鍮、チタン、アルミニウム、銅、Co、クロム、FeOFe2O3、NiOFe2O3、CuOFe2O3、MgOFe2O3、MnBi、MnSb、MnOFe2O3、Y3Fe5O12、CrO2、MnAs、Gd、Dy、炭素素材(例えば、カーボン、グラファイト)等が挙げられ、磁性を有する鉄、フェライト鉄、フェライト粉末,フェライト粒子、フェライト系ステンレス、強磁性鋼、ステンレス鋼、ニッケル、コバルト、またはこれらを組み合わせた金属材料などが好ましい。特に、強磁性体である鉄、常磁性体であるアルミニウム、強反磁性体であるクロムの合金またはそれら材料を複数層にしたものがより好ましい。
【0028】
第2シート15は、サセプタ材料を含まない紙製のシートであって、第1シート14よりも通気性が高い。第2シート15の通気性は、例えば、微小の孔を設けることによって確保されてもよい。このように、骨格材11の第1領域17と第2領域18とは、互いに通気性が異なる。本実施形態では、第1領域17は、所定の誘導磁場によって発熱する発熱性を有し、第2領域18は、発熱性を有しない。また、第2領域18の方が第1領域17よりも高い通気性を有する。
【0029】
骨格材11の内周面に、芳香材を塗布したり含侵したりしてもよい。芳香材としては、一般に喫煙具用カートリッジ10で使用されるものであれば特に限定はなく、例えば、タバコ抽出物、バニリン、チョコレート、ココア、メンソール等が挙げられる。
【0030】
骨格材11の製造方法は、例えば、円柱状の仮芯部材(図示省略)に対し、2枚のシート14,15が長手方向に交互に配置されるように、2枚のシート14,15を長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状に形成する。次に、筒状に形成された2枚のシート14,15を、仮芯部材から取り外して、所望の長さに切断し、骨格材11を製造する。なお、2枚のシート14,15は、仮芯部材に巻回する前に、互いの幅方向の端部同士を予め接着して、1枚のシート状にしておいてもよい。あるいは、2枚のシート14,15を仮芯部材に巻回しながら、2枚のシート14,15の幅方向の端部同士を接着してもよい。
【0031】
被加熱基材12は、加熱によりエアロゾルを発生させる部材であって、骨格材11の内部空間16の長手方向の他側の端部に充填され、骨格材11に支持される。被加熱基材12は、ペースト状のものを乾燥させたペースト体(以下、単に「ペースト体」という。)の形態、長手方向に延びる短冊状の形態、シート状の形態、チップ状の形態、木屑状の形態、又は粉体状(粉末状、微粒状、細粒状及び顆粒状を含む)の形態を有するものであってもよい。
【0032】
被加熱基材12が短冊状の形態の場合の幅は、0.1mm以上1.0mm以下が好ましく、0.2mm以上0.8mm以下であることがより好ましい。また、被加熱基材12がシート状の形態の場合の厚さは、0.1mm以上1.0mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。さらに、被加熱基材12が粒状の形態の場合、平均直径は0.1mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.4mm以上0.8mm以下であることがより好ましい。
【0033】
被加熱基材12は、タバコ材及び/又は非タバコ材に、エアロゾルを発生させるエアロゾルフォーマや、微結晶セルロース、風味を追加する添加剤、保存料、粘着剤、増粘剤等を混合し、加圧によりオリフィスやノズルを通過させ棒状に成形する方法、被加熱基材12用組成物を薄いシートに成形してから切断により成形する方法、又は被加熱基材12用組成物を乾燥させ粉砕等をして粒状にする方法等が例示できる。
【0034】
エアロゾルフォーマは、加熱によって気化又は霧化してエアロゾルを発生させる化合物又は化合物の混合物である。エアロゾルフォーマとしては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、植物性グリセリン、プロピレングリコールが好ましく用いられる。これらエアロゾルフォーマは、単独でも又は2種以上混合しても用いることができる。
【0035】
なお、被加熱基材12を形成する非タバコ材(加熱の際に芳香を生じる芳香成分)としては、以下の物が挙げられるが、これらに限られない。
【0036】
本実施形態でも使用できる非タバコ材は、タバコ以外の植物であれば特に制限はなく使用できる。植物の使用部位としては、例えば、根(鱗根(鱗茎)、塊根(イモ類)、球根、等を含む)、茎(球茎、根茎、キクイモ担根体)、塊茎、皮(茎皮、樹皮等を含む)、葉、花(花弁、雌蕊、雄蕊等を含む)、樹木の幹や枝等、様々な部位を使用できる。
【0037】
鱗茎としては、タマネギ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウ、ユリ、球茎としては、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイモ、コンニャク、塊茎としては、コンニャク、シクラメン、アネモネ、ベゴニア、チョロギ、ジャガイモ、アピオス(ほど芋)、根茎としては、カンナ、ハス(レンコン)、ショウガ、塊根としては、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、キクイモ担根体としては、ヤマノイモ属(ヤマノイモ、自然薯、ナガイモなどのヤムイモ類)、その他として、カブ、ゴボウ、ニンジン、ダイコン、クズが挙げられる。茎としては、アスパラガス、タケノコ、ウド、ダイコン、ヤーコンが挙げられる。
【0038】
上記イモ類又は以下に挙げる植物には、炭水化物が含有され、被加熱基材12の少なくとも一部の材料として好ましく用いられる。例えば、澱粉としては、コーンスターチ(とうもろこし)、ばれいしょ澱粉(じゃがいも)、かんしょ澱粉(サツマイモ)、タピオカ澱粉(タピオカ)等があり、増粘剤、安定剤等として使用の例がある。これらの澱粉は、架橋により耐酸性向上、耐熱性向上、耐シェア性向上等、エステル化、エーテル化により保存安定性向上、糊化促進等、酸化により透明性向上、フィルム性向上、保存安定性向上等を図ることで可能である。
【0039】
植物種子からはタマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム、樹液からはアラビアガム、カラヤガム、果実からはペクチン、その他の植物からは、セルロース、アガロースを主成分とするコンニャクマンナン、大豆多糖類を得ることができる。さらに、カチオン化グアーガム、のように変性して使用できる。
【0040】
海藻からは、カッパカラギナン、イオタカラギナン、ラムダカラギナンの3タイプに分類されるカラギナン、寒天、アルギン酸を得ることができ、カラギナン金属塩、アルギン酸Naなどの塩としても用いられる。
【0041】
ハーブやスパイスとして使用されている植物としては、例えば、くちなしの実、こぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレンジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャットニップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシード、クローブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スターアニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシード、ターメリック(ウコン)、タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィーユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパクチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、ブラウンマスタード、ブラックカルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、ベチバー、ペニーロイヤル、ペパーミント(ハッカ)、ホースラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マルバフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペタル、ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、柚子などを使用できる。また、ミックススパイス(例えば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス)や、ポプリなどとして使用されている様々な植物の混合物を使用できる。
【0042】
また、例えば、モモ、ブルーベリー、レモン、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、葡萄、キンカン、メロン、梅、アーモンド、カカオ、コーヒー豆、ピーナッツ、ひまわり、オリーブ、クルミ、その他ナッツ類などの食用果実(果肉部分)や種子を使用できる。
【0043】
また、茶類を使用できる。茶類は茶になる植物が異なるだけでなく、同じ植物であっても加工方法によって異なるお茶になる。具体的には、例えば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、昆布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶などが挙げられる。これらお茶については飲用後の茶殻を使用してもよい。茶殻などを使用すれば高価なお茶などを再利用して有効活用できる。
【0044】
上記に、使用できる植物の具体例として、昆布(茶)を挙げたが、他にも植物として、アオサ、アオノリ、アカモク、アサクサノリ、アラメ、イワノリ(岩海苔)、エゴノリ、オゴノリ、ガゴメコンブ、カジメ、ガニアシ、クビレズタ、クロメ、コンブ、スサビノリ、ダルス、チシマクロノリ、ツルアラメ、テングサ、トロロコンブ、ネコアシコンブ属、ノリ(海苔)、ハバノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、ヒロメ、フノリ、ボウアオノリ、マコンブ、メカブ、モズク、ワカメも当然に使用することができる。
【0045】
上記に、使用できる植物の具体例として、玄米(茶)を挙げたが、米の他の品種として、インディカ種(インド型、大陸型、長粒種)、グラベリマ種(アフリカイネ)、サティバ種(アジアイネ)、ジャバニカ種(ジャワ型、熱帯島嶼形、大粒種)、ジャポニカ種(日本型、温帯島嶼型、短粒種)、ネリカ(アジアイネとアフリカイネの種間雑種)も当然に使用することができ、粉又は糠としても使用することができる。
【0046】
さらに、使用できる植物の具体例として、麦(茶)を挙げたが、麦類の他の例として、アワ、エンバク(カラス麦の栽培品種、オーツ麦ともいう)、オオムギ(大麦)、カラスムギ、キビ、コドラ(コードンビエ)、コムギ(小麦)、シコクビエ、テフ、トウジンビエ、ハダカムギ(オオムギの変種)、ハトムギ(種子ではなく果実である)、ヒエ、フォニオ、マコモ、モチムギ(オオムギのモチ種)、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、トウモロコシ、ライムギ(ライ麦)も当然に使用できる。
【0047】
さらに、使用できる植物の具体例として、黒豆(茶)を挙げたが、菽穀類(マメ科)としての他の例は、アズキ、イナゴマメ、インゲンマメ、エンドウキマメクラスタマメグラスピー(英:Lathyrus sativus)ケツルアズキ、ササゲ、シカクマメ、ゼオカルパマメ、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、タチナタマメ、タマリンド、テパリービーン、ナタマメ、ハッショウマメ(英:Mucuna pruriens)、バンバラマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、ベニバナインゲン、ホースグラム(英:Macrotyloma uniflorum)、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、リョクトウ、ルピナス、レンズマメ、レンズマメ(ヘントウ)も当然に使用できる。
【0048】
さらに、使用できる植物の具体例として、ソバ(茶)を挙げたが、その他の植物の例として、アマランス(アマランサス、センニンコク)、キヌア、ダッタンソバも当然に利用することができる。
【0049】
さらに、使用できる植物の具体例として、シイタケ(茶)を挙げたが、キノコ類としては、マツタケ、シイタケ、ハツタケ、シメジ、ショウロ、マッシュルーム、ハラタケが挙げられる。
【0050】
また、さとうきび(糖蜜の搾りかすでもよい)、てんさい(ビート)、ヒノキ、松、杉、ヒバ、椿、白檀など芳香を有する樹木の幹や枝、これらの樹皮や葉、根なども使用できる。シダ類、コケ類等も非タバコ植物として使用することが可能である。植物としてまた、例えば、日本酒、ワインなどの発酵酒を製造する際の副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸などからなる))なども使用できる。さらには、上述したさまざまな植物を混合して使用してもよい。もちろん、ここに挙げた以外の植物を使用することもできる。
【0051】
さらに、漢方薬として知られているものも好ましく用いられる。例えば、以下である。藍草(アイソウ)、茜根(アカネコン)、赤目柏(アカメガシワ)、阿仙薬(アセンヤク)、安息香(アンソクコウ)、威霊仙(イレイセン)、茵陳蒿(インチンコウ)、茴香(ウイキョウ)、ウコン(ターメリック)、烏梅(ウバイ)、烏薬(ウヤク)、裏白柏(ウラジロガシ)、ウワウルシ、営実(エイジツ)、延胡索(エンゴサク)、延命草(エンメイソウ)、黄耆(オウギ)、黄今(オウゴン)、黄精(オウセイ)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桜皮(オウヒ)、弟切草(オトギリソウ)、遠志(オンジ)、槐花(カイカ)、薤白(ガイハク)、夏枯草(カゴソウ)、訶子(カシ)、何首烏(カシュウ)、莪朮(ガジュツ)、霍香(カッコウ)、葛根(カッコン)、カミツレ、瓜呂根(カロコン)、瓜呂仁(カロニン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、款冬花(カントウカ)、艾葉(ガイヨウ)、桔梗(キキョウ)、枳具子(キグシ)、枳殻(キコク)、枳実(キジツ)、菊花(キクカ)、橘皮(キッピ)、羌活(キョウカツ)、杏仁(キョウニン)、金柑(キンカン)、金銀花(キンギンカ)、金銭草(キンセンソウ)、枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、苦参(クジン)、胡桃(クルミ)、苦楝皮(クレンピ)、黒文字(クロモジ)、瞿麦(クバク)、荊芥(ケイガイ)、桂皮(ケイヒ)、決明子(ケツメイシ)、牽牛子(ケンゴシ)、玄参(ゲンジン)、膠飴(コウイ)、紅花(コウカ)、合歓皮(ゴウカンピ)、降香(コウコウ)、香鼓(コウシ)、香需(コウジュ)、紅参(コウジン)、香附子(コウブシ)、粳米(コウベイ)、厚朴(コウボク)、藁本(コウホン)、五加皮(ゴカヒ)、牛膝(ゴシツ)、呉茱萸(ゴシュユ)、虎杖根(ゴジョウコン)、牛蒡子(ゴボウシ)、五味子(ゴミシ)、柴胡(サイコ)、細辛(サイシン)、サフラン、山帰来(サンキライ)、山査子(サンザシ)、山梔子(サンシシ)、山茱萸(サンシュユ)、山豆根(サンズコン)、酸棗仁(サンソウニン)、山椒(サンショウ)、三稜(サンリョウ)、山薬(サンヤク)、地黄(ジオウ)、紫苑(シオン)、地骨皮(ジコッピ)、紫根(シコン)、紫蘇子(シソシ)、紫蘇葉(シソヨウ)、疾藜子(シツリシ)、柿蒂(シテイ)、地膚子(ジフシ)、芍薬(シャクヤク)、蛇床子(ジャショウシ)、沙参(シャジン)、車前子(シャゼンシ)、車前草(シャゼンソウ)、縮砂(シュクシャ)、十薬(ジュウヤク)、生姜(ショウキョウ)、棕櫚実(シュロジツ)、棕櫚葉(シュロヨウ)、升麻(ショウマ)、小麦(ショウバク)、菖蒲根(ショウブコン)、辛夷(シンイ)、女貞子(ジョテイシ)、秦皮(シンピ)、神麹(シンキク)、秦ぎょう(ジンギョウ)、充蔚子(ジュウイシ)、椒目(ショクモク)、青皮(セイヒ)、石菖根(セキショウコン)、石榴実皮(セキリュウジツヒ)、石斛(セッコク)、川弓(センキュウ)、前胡(ゼンコ)、川骨(センコツ)、旋覆花(センプクカ)、接骨木(セッコツボク)、草果(ソウカ)、ソウ角子(ソウカクシ)、桑寄生(ソウキセイ)、蒼耳子(ソウジシ)、蒼朮(ソウジュツ)、側柏葉(ソクハクヨウ)、続断(ゾクダン)、桑白皮(ソウハクヒ)、蘇木(ソボク)、蘇葉(ソヨウ)、ソウ莢(ソウキョウ)、大黄(ダイオウ)、大棗(タイソウ)、大腹皮(ダイフクヒ)、沢瀉(タクシャ)、丹参(タンジン)、竹如(チクジョ)、竹節人参(チクセツニンジン)、竹葉(チクヨウ)、知母(チモ)、地楡(チユ)、丁子(チョウッジ)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、天南星(テンナンショウ)、天麻(テンマ)、天門冬(テンモントウ)、冬瓜子(トウガシ)、当帰(トウキ)、唐胡麻(トウゴマ)、党参(トウジン)、灯芯草(トウシンソウ)、桃仁(トウニン)、橙皮(トウヒ)、兎絲子(トシシ)、栃実(トチノミ)、杜仲(トチュウ)、独活(ドッカツ)、土瓜根(ドカコン)、肉従容(ニクジュヨウ)、ニクズク、忍冬(ニンドウ)、人参(ニンジン)、貝母(バイモ)、麦芽(バクガ)、柏子仁(ハクシニン)、白扁豆(ハクヘンズ)、麦門冬(バクモントウ)、破胡紙(ハコシ)、薄荷(ハッカ)、蕃果(バンカ)、半夏(ハンゲ)、反鼻(ハンビ)、板藍根(バンランコン)、半枝連(ハンシレン)、百合根(ユリネ)、白止(ビャクシ)、白花蛇舌草(ビャクカジャゼツソウ)、百部根(ヒャクブコン)、白朮(ビャクジュツ)、檳榔子(ビンロウジ)、防已(ボウイ)、茅根(ボウコン)、防風(ボウフウ)、蒲黄(ホウオウ)、蒲公英根(ホウエイコン)、牡丹皮(ボタンピ)、麻黄(マオウ)、麻子仁(マシニン)、蔓荊子(マンケイシ)、松脂(マツヤニ)、木通(モクツウ)、木瓜(モッカ)、木香(モッコウ)、没薬(モツヤク)、木賊(モクゾク)、射干(ヤカン)、益智(ヤクチ)、夜交藤(ヤコウトウ)、羅漢果(ラカンカ)、蘭草(ランソウ)、竜眼肉(リュウガンニク)、竜胆(リュウタン)、良姜(リョウキョウ)、霊芝(レイシ)、連翹(レンギョウ)、連銭草(レンセンソウ)、蓮肉(レンニク)、芦根(ロコン)。
【0052】
さらに、上記に例示した非タバコ植物の抽出物、いわゆるエキスも使用することができる。抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液等が挙げられる。
【0053】
フィルタ13は、加熱された被加熱基材12からのエアロゾルの流通を許容しつつ、被加熱基材12からの脱落物や粉塵の流通を規制して脱落物等の吸引を防止するための部材であって、骨格材11の内部空間16の上記他側の端部に配置され、骨格材11に嵌装される。すなわち、被加熱基材12は、骨格材11の内部空間16のうちフィルタ13よりも上記一側に配置される。フィルタ13は、例えば、セルロースアセテートフィルタ等を使用して形成することができる。フィルタ13は、被加熱基材12から上記他側へ離間して配置される。本実施形態では、骨格材11の内部空間16のうち、被加熱基材12とフィルタ13との間の中間領域19には、何も配置されていない。フィルタ13により、エアロゾルの煙や芳香成分は吸引され、ユーザは、より快適な喫煙を楽しむことができる。なお、フィルタ13には、ユーザがエアロゾルを一層吸引しやすくなるよう、周方向に沿って等間隔に複数の孔(図示せず)が形成されていてもよい。また、本実施形態では、被加熱基材12とフィルタ13との間の中間領域19に何も配置しないが、これに限定されるものではなく、例えば、被加熱基材12やフィルタ13や骨格材11を支持する支持部材等を中間領域19に配置してもよい。
【0054】
フィルタ13の長さは、喫煙具用カートリッジ10の全長の3%以上60%以下であることが好ましく、5%以上30%以下であることがより好ましい。このように、フィルタ13の長さを喫煙具用カートリッジ10の全長の3%以上60%以下にすることで、フィルタ13は、通気性を保ちつつ芳香成分を充分に発生させることができる。また、フィルタ13の長さを喫煙具用カートリッジ10の全長の5%以上30%以下にすることで、骨格材11は、フィルタ13を良好に支持することができる。なお、フィルタ13の長さを喫煙具用カートリッジ10の全長の3%~10%にする場合は、フィルタ13を骨格材11の上記一側の端部に接着することが好ましい。
【0055】
シール部材20は、被加熱基材12よりも上記一側に配置されて、内部空間16から上記一側への被加熱基材12の欠片の落下を防止する。
【0056】
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ10では、骨格材11が所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部22を有するので、サセプタを被加熱基材12内に配置する場合とは異なり、サセプタを被加熱基材12の所望の位置(例えば中心の位置)に位置決めする必要がない。また、骨格材11は、喫煙具用カートリッジ10の外骨格を構成する部材であって、比較的高い強度を有するので、サセプタ材料を含む発熱部22を有していても、長尺に形成された状態(複数の骨格材11が連続している状態)の骨格材11を所望の長さの骨格材11に切断する際に、骨格材11の潰れを気にすることなく、容易に切断することができる。
【0057】
このように、本実施形態によれば、喫煙具用カートリッジ10の製造効率の低下を抑えることができる。
【0058】
また、骨格材11の第1領域17と第2領域18とは、性質が互いに異なるので、一方の領域を構成するシート(本実施形態では、第1領域17を構成する第1シート14)によって、被加熱基材12を加熱するための発熱性を確保しつつ、他方の領域を構成するシート(本実施形態では、第2領域18を構成する第2シート15)によって、通気性を確保することができる。
【0059】
また、骨格材11の第2領域18は、第1領域17よりも通気性が高い性質を有する。このため、骨格材11の第2領域18で通気性を確保することができるので、ユーザが喫煙具用カートリッジ10を吸引する際に必要な吸引力を軽減させることができる。
【0060】
また、第1領域17は、所定の誘導磁場によって発熱する発熱性を有する発熱部22であるので、喫煙具100を使用して喫煙具用カートリッジ10を喫煙する際に、喫煙具100の誘導加熱コイル102が生成する誘導磁場によって発熱部22が発熱して被加熱基材12を加熱することができる。
【0061】
また、骨格材11は、喫煙具用カートリッジ10の外骨格を構成する部材であって、比較的高い強度を有するので、潰れ難い。このため、1枚の薄いシート(例えば、1枚の薄い紙など)によって形成される筒状の外装材とは異なり、骨格材11の管理(保管、移動等)が容易である。
【0062】
また、骨格材11は、2枚のシート14,15を長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状に形成される。各シート14,15の幅方向の両端部は、互いに重なった(オーバーラップした)状態で互いに接着されている。すなわち、2枚のシート14,15のオーバーラップ部21は、喫煙具用カートリッジ10の長手方向に対して傾斜する方向に延在している。このように、互いに接着された2枚のシート14,15のオーバーラップ部21が、喫煙具用カートリッジ10の周方向に設けられるので、ユーザが喫煙具用カートリッジ10を捩る力又は押し曲げる力を分散させることができ、喫煙具用カートリッジ10全体の強度を向上させることができる。
【0063】
また、2枚のシート14,15のオーバーラップ部21が、螺旋状に設けられるので、骨格材11の内周面に螺旋状の段差を設けることができる。このため、この段差によって、エアロゾルの滑らかな気流を生み出すことができ、喫味や、香味の向上や呼気の効率を高めることができる。
【0064】
また、2枚のシート14,15のオーバーラップ部21では、上記一側のシートの方が上記他側のシートよりも外径側に位置している。このため、喫煙具用カートリッジ10を喫煙具100の挿入部101に挿入する際に、2枚のシート14,15のオーバーラップ部21の喫煙具100への引っ掛かりを抑えることができ、上記他側のシートが剥がれてしまうことを防止することができる。
【0065】
また、第1領域17を形成する第1シート14は、層状(本実施形態では、2層状)に形成されるシートであって、内径側の第1層14aと、外径側の第2層14bとを有する。第1層14aは、サセプタ材料を含み、第2層14bは、サセプタ材料を含まない紙である。このため、誘導磁場によって第1層14aが発熱した際の外径側への発熱を第2層14bによって抑えることができる。
【0066】
なお、本実施形態では、2枚のシート14,15を長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状の骨格材11を形成したが、複数のシートを巻回する方向は、長手方向に対して傾斜する方向に限定されない。例えば、シート14とシート15とを長手方向に互い違いに複数配置し、各シート14,15が環状となるように、各シート14,15を周方向に巻回(平巻き)してもよい。この場合、骨格材11の第1領域17と第2領域18とは、長手方向に互い違いに複数配置され、少なくとも1つの第1領域17は、被加熱基材12を加熱可能に、被加熱基材12に対して径方向に外側から重なる位置に設けられる。
【0067】
また、本実施形態では、喫煙具用カートリッジ10にフィルタ13を設けたが、フィルタ13を設けなくてもよい。また、本実施形態では、喫煙具用カートリッジ10にシール部材20を設けたが、シール部材20を設けなくてもよい。
【0068】
また、本実施形態では、2枚のシート14,15のオーバーラップ部21において、上記一側のシートの方を、上記他側のシートよりも外径側に配置したが、これに限定されるものではない。
【0069】
また、本実施形態では、第1シート14を層状に形成し、第1層14aにサセプタ材料を含め、第2層14bにサセプタ材料を含めない構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、第1層14a及び第2層14bの双方に、互いに異なるサセプタ材料を含める構成としてもよい。
【0070】
また、本実施形態では、第1シート14を層状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば、サセプタ材料を練り込んで形成した単層の第1シート14であってもよい。
【0071】
また、本実施形態では、骨格材11の第1領域17と第2領域18との通気性を異なるものとしたが、これに限定されるものではなく、第1領域17と第2領域18とは略同じ通気性であってもよい。この場合でも、一方の第1領域17は、誘導加熱による発熱性を有するが、他方の第2領域18は、発熱性を有しないので、互いに性質が異なる。
【0072】
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の喫煙具用カートリッジ30は、骨格材11の第1領域17及び第2領域18の双方が、発熱部である点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0073】
図4は、本発明の第2実施形態に係る喫煙具用カートリッジ30の断面図である。
【0074】
図4に示すように、本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ30は、筒状の骨格材11と、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12とを備え、柱状に形成される。
【0075】
骨格材11は、複数(本実施形態では2枚)のシート31,32を巻回して筒状に形成され、内側に長手方向に延びる内部空間16を区画する。本実施形態では、骨格材11は、2枚のシート31,32を長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状に形成される。
【0076】
骨格材11は、2枚のシート31,32のうちの第1シート31によって形成される第1領域17と、第2シート32によって形成される第2領域18とを有する。各シート31,32の幅方向の両端部は、互いに重なった(オーバーラップした)状態で互いに接着されている。各シート31,32の幅方向の両端部の互いに重なったオーバーラップ部21の幅(長手方向の長さ)は、各シート31,32のオーバーラップしていない部分の幅よりも狭い。オーバーラップ部21では、上記一側のシートの方が上記他側のシートよりも外径側(径方向の外側)に位置している。例えば、図4の拡大部分のオーバーラップ部21では、上記一側の第2シート32の方が上記他側の第1シート31よりも外径側に位置している。
【0077】
第1シート31には、誘導磁場によって発熱する第1サセプタ材料が含まれる。また、第2シート32には、誘導磁場によって発熱する第2サセプタ材料が含まれる。すなわち、第1領域17には、所定の誘導磁場によって発熱する第1サセプタ材料を含む第1発熱部33aが設けられ、第2領域18には、所定の誘導磁場によって発熱する第2サセプタ材料を含む第2発熱部33bが設けられる。このように、本実施形態では、骨格材11の第1領域17及び第2領域18の双方に、誘導磁場によって発熱するサセプタ材料(第1サセプタ材料及び第2サセプタ材料)を含む発熱部33a,33bが設けられる。その点で、発熱部33a,33bをサセプタと称してもよい。被加熱基材12に対して径方向に外側から重なる位置には、発熱部33a,33bとして機能する骨格材11の第1領域17及び第2領域18が存在する。なお、第1シート31及び第2シート32の双方は、サセプタ材料を練り込んで形成した単層のシートであってもよいし、あるいは、上記第1実施形態の第1シート14と同様にサセプタ材料を含む層を有する層状に形成してもよい。
【0078】
第1サセプタ材料としては、鉄、ステンレス鋼、フェライト鉄、フェライト粉末,フェライト粒子、フェライト系ステンレス、強磁性鋼等が挙げられ、強磁性を有する鉄、ステンレス鋼などが好ましい。第2サセプタ材料としては、ニッケル、真鍮、チタン、アルミニウム、クロム等が挙げられ、強磁性を有するニッケルや反磁性を有するクロムなどが好ましい。
【0079】
第2サセプタ材料のキュリー温度は、第1サセプタ材料のキュリー温度よりも低い。例えば、第1サセプタ材料のキュリー温度は、500度~1200度が好ましく、第2サセプタ材料のキュリー温度は、180度~390度が好ましい。なお、第2サセプタ材料は、第1サセプタ材料のキュリー温度よりも低いネール温度となるようにしてもよい。具体的には、第1サセプタ材料のキュリー温度は、500度~1200度が好ましく、第2サセプタ材料のネール温度は、180度~390度が好ましい。
【0080】
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ30では、骨格材11の第1領域17及び第2領域18の双方に、誘導磁場によって発熱するサセプタ材料(第1サセプタ材料及び第2サセプタ材料)を含む発熱部33a,33bが設けられ、第2サセプタ材料のキュリー温度が、第1サセプタ材料のキュリー温度よりも低い。このため、喫煙具用カートリッジ30の発熱部33a,33bの発熱温度を、キュリー温度によって管理することができる。例えば、喫煙具100の誘導加熱コイル102に電流を流して誘導磁場を発生させ、第1領域17及び第2領域18の発熱部33a,33bから熱を発生させた際に、第2領域18の第2発熱部33bが第2サセプタ材料のキュリー温度に達して第2発熱部33bの強磁性が失われると、誘導加熱コイル102への電流の流れを停止させる制御を、制御部103で行うことによって、それ以上の第1領域17の第1発熱部33aの温度上昇を止めることができる。
【0081】
また、喫煙具用カートリッジ30では、骨格材11が所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部33a,33bを有するので、上記第1実施形態と同様に、喫煙具用カートリッジ30の製造効率の低下を抑えることができる。
【0082】
また、本実施形態では、2枚のシート31,32を長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状の骨格材11を形成したが、複数のシートを巻回する方向は、長手方向に対して傾斜する方向に限定されない。例えば、第1シート31と第2シート32とを長手方向に互い違いに複数配置し、各シート31,32が環状となるように、各シート31,32を周方向に巻回(平巻き)してもよい。この場合、骨格材11の第1領域17と第2領域18とは、長手方向に互い違いに複数配置され、少なくとも第1領域17は、被加熱基材12を加熱可能に、被加熱基材12に対して径方向に外側から重なる位置に設けられる。
【0083】
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の喫煙具用カートリッジ40は、骨格材11が3つの領域を有する点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0084】
図5は、本発明の第4実施形態に係る喫煙具用カートリッジ40の外観図である。なお、本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ40の断面は、骨格材11を除き、第1実施形態(図3参照)と略同様である。
【0085】
本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ40は、筒状の骨格材11と、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12とを備え、柱状に形成される。
【0086】
図5に示すように、骨格材11は、複数(本実施形態では3枚)のシート14,15,41を巻回して筒状に形成される。本実施形態では、骨格材11は、3枚のシート14,15,41を長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状に形成される。
【0087】
骨格材11は、3枚のシート14,15,41のうちの第1シート14によって構成される第1領域17と、第2シート15によって構成される第2領域18と、第3シート41によって構成される第3領域42とを有する。本実施形態では、第1領域17、第2領域18、及び第3領域42は、互いに隣接した状態で、長手方向に対して傾斜する螺旋状に設けられる。各シート14,15,41の幅方向の両端部は、互いに重なった(オーバーラップした)状態で互いに接着されている。各シート14,15,41の幅方向の両側のオーバーラップ部21の幅は、各シート14,15,41のオーバーラップしていない部分の幅よりも狭い。オーバーラップ部21では、上記一側のシートの方が上記他側のシートよりも外径側(径方向の外側)に位置している。
【0088】
骨格材11は、所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部22を有し、係る発熱部22は、第1シート14によって形成される第1領域17に設けられる。第2シート15は、サセプタ材料を含まない紙製のシートであって、第1シート14よりも通気性が高い。第3シート41は、第2シート15とは異なる紙製のシートであって、第2シート15よりも更に通気性が高い。すなわち、骨格材11の第1領域17と第2領域18と第3領域42とは、互いに性質が異なる。なお、本実施形態では、骨格材11の第3領域42を、第2領域18よりも通気性が更に高い領域としたが、これに限定されるものではなく、第3領域42は、第1領域17及び第2領域18の双方と異る性質を有していればよい。
【0089】
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ40では、第1領域17及び第2領域18の双方と異なる性質を有する第3領域42を有するので、第3領域42の性質を所望の性質に設定することによって、骨格材11に様々な性能を持たせることができる。
【0090】
また、喫煙具用カートリッジ40では、骨格材11が所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部22を有するので、上記第1実施形態と同様に、喫煙具用カートリッジ40の製造効率の低下を抑えることができる。
【0091】
なお、本実施形態では、3枚のシート14,15,41を長手方向に対して傾斜する方向に螺旋状に巻回して筒状の骨格材11を形成したが、複数のシートを巻回する方向は、長手方向に対して傾斜する方向に限定されない。例えば、各シート14,15,41を長手方向に互い違いに複数配置し、各シート14,15,41が環状となるように、各シート14,15,41を周方向に巻回(平巻き)してもよい。この場合、骨格材11の第1領域17と第2領域18と第3領域42とは、長手方向に互い違いに配置され、少なくとも第1領域17は、被加熱基材12を加熱可能に、被加熱基材12に対して径方向に外側から重なる位置に設けられる。
【0092】
また、本実施形態では、第1領域17及び第2領域18に加え、第3領域42を骨格材11に設けたが、これに限定されるものではなく、骨格材11は、少なくとも第1領域17及び第2領域18を有していればよい。例えば、骨格材11は、第1領域17及び第2領域18を含む4つ以上の領域(互いに性質が異なる領域)を有していてもよい。
【0093】
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の喫煙具用カートリッジ50は、骨格材11を1枚のシート51によって形成している点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0094】
図6は、本発明の第4実施形態に係る喫煙具用カートリッジ50の断面図である。
【0095】
図6に示すように、本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ50は、筒状の骨格材11と、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12とを備え、柱状に形成される。
【0096】
骨格材11は、1枚のシート51を平巻きすることによって、筒状に形成される。骨格材11は、所定の位置よりも上記一側の発熱部52と、上記所定の位置よりも上記他側の発熱抑制部53とを有する。すなわち、骨格材11は、長手方向に互いに異なる領域である第1領域54(発熱部52)と第2領域55(発熱抑制部53)とを有し、第1領域54と第2領域55とは互いに性質が異なる。本実施形態では、第1領域54の発熱部52は、外径側への発熱性は抑えられておらず、第2領域55の発熱抑制部53は、外径側への発熱性が第1領域54よりも低く抑えられている。このように、本実施形態では、骨格材11の第1領域54と第2領域55とは、外径側への発熱性が互いに異なる。
【0097】
第1領域54の発熱部52は、シート51のうち、所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む領域であり、被加熱基材12に対して径方向に外側から重なる位置に配置される。サセプタ材料については、上記第1実施形態と同様のサセプタ材料を使用することができる。
【0098】
第2領域55の発熱抑制部53は、所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含まない領域であって、骨格材11の上記所定の位置よりも上記他側の全域である。本実施形態では、発熱抑制部53は、サセプタ材料を含まないことによって、外径側への発熱性を第1領域54よりも低く抑えている。
【0099】
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ50では、骨格材11が所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部52を有するので、上記第1実施形態と同様に、喫煙具用カートリッジ50の製造効率の低下を抑えることができる。
【0100】
また、骨格材11の第1領域54の発熱部52は、サセプタ材料を含み、被加熱基材12に対して径方向に外側から重なる位置に配置されるので、誘導磁場によって発熱して、被加熱基材12を加熱することができる。
【0101】
また、骨格材11の第2領域55の発熱抑制部53は、骨格材11の上記所定の位置よりも上記他側の全域であり、外径側への発熱性が第1領域54よりも低く抑えられている。このため、喫煙具用カートリッジ50を吸引する際に唇への熱の伝わりを抑えることができる。
【0102】
なお、本実施形態では、骨格材11の第1領域54に発熱部52を設け、第2領域55を、サセプタ材料を含まない領域としたが、これに限定されるものではなく、第2領域55にも所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部を設けてもよい。この場合、例えば、外径側への発熱性を抑えることが可能なシート(紙等)を第2領域55の外径側に巻くことによって、第2領域55を発熱抑制部53として機能させてもよい。この場合、第2領域55は、内径側への発熱性は抑えられていないので、発熱部として機能するとともに、外径側への発熱性が抑えられた発熱抑制部53としても機能する。また、この場合、第2領域55に含まれるサセプタ材料(第2サセプタ材料)のキュリー温度を、第1領域54に含まれるサセプタ材料(第1サセプタ材料)のキュリー温度よりも低くしてもよい。
【0103】
また、本実施形態では、骨格材11の第1領域54と第2領域55との外径側への発熱性を、互いに異なる性質としたが、これに限定されるものではなく、例えば、第1領域54と第2領域55との通気性を互いに異なる性質としてもよい。あるいは、第1領域54と第2領域55との外径側への発熱性及び通気性の双方を、互いに異なる性質としてもよい。
【0104】
次に、本発明の第5実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の喫煙具用カートリッジ60は、骨格材11の外周を覆う包装材61を備える点で第1実施形態と相違する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0105】
図7は、本発明の第5実施形態に係る喫煙具用カートリッジ60の断面図である。
【0106】
図7に示すように、本実施形態に係る喫煙具用カートリッジ60は、筒状の骨格材11と、加熱によりエアロゾルを発生させる被加熱基材12と、骨格材11の外周を覆う包装材61とを備え、柱状に形成される。
【0107】
骨格材11は、所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部22を有し、係る発熱部22は、第1シート14によって形成される第1領域17に設けられる。第2シート15は、サセプタ材料を含まない紙製のシートである。
【0108】
包装材61は、喫煙具用カートリッジ50の意匠性や強度の向上を図るための紙製の化粧シートであって、骨格材11の外周面に接着される。
【0109】
上記のように構成された喫煙具用カートリッジ60では、骨格材11が所定の誘導磁場によって発熱するサセプタ材料を含む発熱部22を有するので、上記第1実施形態と同様に、喫煙具用カートリッジ60の製造効率の低下を抑えることができる。
【0110】
また、骨格材11の外周を覆う包装材61を備えるので、包装材61によって、喫煙具用カートリッジ60の意匠性や強度の向上を図ることができる。さらに、第5実施形態の別実施例について説明する。別実施例では、第1シート14が強磁性体である鉄を、第2シート15が強反磁性体であるクロムを、包装材61が常磁性体であるアルミニウムを、それぞれ含んでいる。これにより、喫煙具用カートリッジ60は、アルミニウムにより、鉄の熱を良好にクロムに伝達させることができ、喫煙具100は、鉄により被加熱基材12を加熱し、アルミニウムを介して伝達する鉄の熱を受けたクロムにより被加熱基材12の温度を検知して加熱を制御することができる。
【0111】
なお、本実施形態では、包装材61によって覆う骨格材11を、第1シート14及び第2シート15によって形成される骨格材11としたが、これに限定されるものではない。例えば、上記第4実施形態に係る喫煙具用カートリッジ50のように、1枚のシート51を平巻きすることによって、筒状に形成される骨格材11を、包装材61によって覆ってもよい。
【0112】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0113】
1,10,30,40,50,60:喫煙具用カートリッジ
11:骨格材
12:被加熱基材
14,31:第1シート
15,32:第2シート
16:内部空間
17,54:第1領域
18,55:第2領域
21:オーバーラップ部
22,52:発熱部
33a:第1発熱部
33b:第2発熱部
61:包装材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7