(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038498
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】不要電話対策システム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
H04M11/00 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145263
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】505428558
【氏名又は名称】株式会社COCO・WA・DOCO
(74)【代理人】
【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男
(74)【代理人】
【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正
(72)【発明者】
【氏名】半田 正浩
(72)【発明者】
【氏名】赤井 麻子
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201AA07
5K201BC19
5K201BC23
5K201BC27
5K201CB05
5K201CB12
5K201DC04
5K201EC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】不要電話に対して適切な対応を行うことのできる不要電話対策システムを提供する。
【解決手段】不要電話対策システムでは、相手方電話機10から利用者電話機40に対して呼び出しがあると、中継装置20はこの呼び出しに含まれる相手方電話機の電話番号を取得し、電話番号送信手段22は、取得した電話番号を、対策サーバ装置30に送信する。対策サーバ装置の通話確立手段32は、相手方電話機の電話番号がブラックリスト36に記録されていれば、中継装置に対して、相手方電話機と予め登録されている代替人電話機50の間での通話を可能とするように指示し、中継装置の通話確立手段40は、相手方電話機と代替人電話機を通話可能にする。さらに、利用者情報送信手段34は、代替人電話機を使用する代替通話人が通話中に閲覧可能な代替人表示装置60に対し、利用者の情報を送信し、代替人表示装置は、その利用者情報を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、
前記利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、
当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていなければ、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にし、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を予め設定されている代替人電話機との間で通話可能にする通話確立手段と、
前記代替人電話機において通話を行う代替通話人が通話中に画面を閲覧することのできる代替人表示装置に対し、当該代替通話人が前記利用者電話機の利用者になりすまして通話を行うために必要な当該利用者の情報を送信する利用者情報送信手段と、
を備えた不要電話対策中継装置。
【請求項2】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置をコンピュータによって実現するための、不要電話対策プログラムであって、コンピュータを、
前記利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、
当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていなければ、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にし、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を予め設定されている代替人電話機との間で通話可能にする通話確立手段と、
前記代替人電話機において通話を行う代替通話人が通話中に画面を閲覧することのできる代替人表示装置に対し、当該代替通話人が前記利用者電話機の利用者になりすまして通話を行うために必要な当該利用者の情報を送信する利用者情報送信手段として機能させるための不要電話対策プログラム。
【請求項3】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な中継装置に接続された対策サーバ装置であって、
前記中継装置から前記相手方電話機の電話番号を受けて、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていなければ、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にするよう前記中継装置に指示し、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を予め設定されている代替人電話機との間で通話可能にするよう前記中継装置に指示する通話確立指示手段と、
前記代替人電話機において通話を行う代替通話人が通話中に画面を閲覧することのできる代替人表示装置に対し、当該代替通話人が前記利用者電話機の利用者になりすまして通話を行うために必要な当該利用者の情報を送信する利用者情報送信手段と、
を備えた対策サーバ装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記代替通話人は、警官、代替処理会社の担当者または利用者の親族であることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項5】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、
前記利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、
当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていなければ、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にし、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を予め設定されている代替人電話機との間で通話可能にする通話確立手段と、
前記相手方電話機と前記代替人電話機との間の通話データを取得し、前記通話データ中に不要識別データが出現したかに基づいて、不要電話であるか否かを判断する不要電話判断手段と、
を備え、
前記通話確立手段は、不要電話であると判断されると、前記代替人電話機を指導人電話機との間で通話可能にするとともに、当該指導電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないようにする不要電話対策中継装置。
【請求項6】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置をコンピュータによって実現するための、不要電話対策プログラムであって、コンピュータを、
前記利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、
当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていなければ、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にし、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を予め設定されている代替人電話機との間で通話可能にする通話確立手段と、
前記相手方電話機と前記代替人電話機との間の通話データを取得し、前記通話データ中に不要識別データが出現したかに基づいて、不要電話であるか否かを判断する不要電話判断手段として機能させるための不要電話対策プログラムであって、
前記通話確立手段は、不要電話であると判断されると、前記代替人電話機を指導人電話機との間で通話可能にするとともに、当該指導電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないようにする不要電話対策プログラム。
【請求項7】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な中継装置に接続された対策サーバ装置であって、
前記中継装置から前記相手方電話機の電話番号を受けて、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていなければ、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にするよう前記中継装置に指示し、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を予め設定されている代替人電話機との間で通話可能にするよう前記中継装置に指示する通話確立指示手段と、
前記中継装置から前記相手方電話機と前記代替人電話機との間の通話データを取得し、前記通話データ中に不要識別データが出現したかに基づいて、不要電話であるか否かを判断する不要電話判断手段と、
を備え、
前記通話確立指示手段は、不要電話であると判断されると、前記代替人電話機を指導人電話機との間で通話可能にするよう前記中継装置に指示するとともに、当該指導電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないよう前記中継装置に指示する対策サーバ装置。
【請求項8】
請求項5~7のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記不要識別データは、前記代替人電話機において押下された所定のボタンの押下音データ、または前記代替人電話機において代替通話人が発した所定の言葉であることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項9】
請求項5~8のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記指導人電話機は、警官が使用する警察電話機であることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項10】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、
前記利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、
当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にするとともに、前記利用者電話機と指導人電話機との間で通話可能とし、前記指導人電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないようにする通話確立手段と、
を備えた不要対策電話中継装置。
【請求項11】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置をコンピュータによって実現するための、不要電話対策プログラムであって、コンピュータを、
前記利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、
当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にするとともに、前記利用者電話機と指導人電話機との間で通話可能とし、前記指導人電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないようにする通話確立手段として機能させるための不要電話対策プログラム。
【請求項12】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な中継装置に接続された対策サーバ装置であって、
前記中継装置から前記相手方電話機の電話番号を受けて、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にするよう前記中継装置に指示するとともに、前記利用者電話機と指導人電話機との間で通話可能とするよう前記中継装置に指示し、前記指導人電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないように前記中継装置に指示する通話確立制御手段を備えていることを特徴とする対策サーバ装置。
【請求項13】
請求項10~12のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記指導人は、警官、代替処理会社の担当者または利用者の親族であることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項14】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、
前記利用者電話機と通話が確立された相手方電話機との間の通話データに基づいて、不要電話であるかどうかを判断する不要電話判断手段と、
不要電話であると判断されると、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にするとともに、前記利用者電話機と指導人電話機との間で通話可能とし、前記指導人電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないようにする通話確立手段と、
を備えた不要電話対策中継装置。
【請求項15】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置をコンピュータによって実現するための、不要電話対策プログラムであって、コンピュータを、
前記利用者電話機と通話が確立された相手方電話機との間の通話データに基づいて、不要電話であるかどうかを判断する不要電話判断手段と、
不要電話であると判断されると、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にするとともに、前記利用者電話機と指導人電話機との間で通話可能とし、前記指導人電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないようにする通話確立手段として機能させるための不要電話対策プログラム。
【請求項16】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な中継装置に接続された対策サーバ装置であって、
前記中継装置から送信されてきた前記利用者電話機と相手方電話機との間の通話データに基づいて、不要電話であるかどうかを判断する不要電話判断手段と、
不要電話であると判断されると、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にするよう前記中継装置に指示するとともに、前記利用者電話機と指導人電話機との間で通話可能とするよう前記中継装置に指示し、前記指導人電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないよう前記中継装置に指示する通話確立制御手段を備えていることを特徴とする対策サーバ装置。
【請求項17】
請求項14~16のいずれかの装置またはプログラムにおいて、
前記不要電話判断手段は、通話データ内容に基づいて不要電話であるかどうかを判断するもの、通話データ中の相手方の音声的特徴に基づいて不要電話であるかどうかを判断するもの、または通話データ中に含まれる利用者電話機または代替人電話機からの不要識別データに基づいて不要電話であるかどうかを判断するものであることを特徴とする装置またはプログラム。
【請求項18】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、
前記利用者電話機に対する相手方電話機の電話番号または相手方の音声データに基づいて不要電話であると判断すると、不要電話対策処理を実行する不要電話対策実行手段と、
前記不要電話対策処理が実行されると、前記不要電話対策中継装置に記録されている各利用者電話機の電話番号、住所に基づいて、前記利用者電話機の住所と所定の同一地域内の住所を有する他の利用者電話機の利用者に対し、警報を送信する警報送信手段と、
を備えた不要電話対策中継装置。
【請求項19】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置をコンピュータによって実現するための不要電話対策プログラムであって、コンピュータを、
前記利用者電話機に対する相手方電話機の電話番号または相手方の音声データに基づいて不要電話であると判断すると、不要電話対策処理を実行する不要電話対策実行手段と、
前記不要電話対策処理が実行されると、前記不要電話対策中継装置に記録されている各利用者電話機の電話番号、住所に基づいて、前記利用者電話機の住所と所定の同一地域内の住所を有する他の利用者電話機の利用者に対し、警報を送信する警報送信手段として機能させるための不要電話対策プログラム。
【請求項20】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な中継装置に接続された対策サーバ装置であって、
前記中継装置から送信されてきた前記利用者電話機に対する相手方電話機の電話番号または相手方の音声データに基づいて不要電話であると判断すると、不要電話対策処理を実行するよう前記中継装置に指示する不要電話対策実行制御手段と、
前記不要電話対策処理の実行指示を行うと、前記不要電話対策中継装置に記録されている各利用者電話機の電話番号、住所に基づいて、前記利用者電話機の住所と所定の同一地域内の住所を有する他の利用者電話機の利用者に対し、警報を送信する警報送信手段と、
を備えた対策サーバ装置。
【請求項21】
利用者の使用する複数の利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、
前記各利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、
取得した相手方電話機の電話番号を時期とともに記録部に記録することで、前記複数の利用者電話機に対して呼び出しを行った相手方電話機の電話番号の履歴を蓄積する電話番号蓄積手段と、
前記電話番号取得手段によって取得した相手方電話機の電話番号が、前記記録部に所定期間内に所定数以上蓄積されていれば、当該相手方電話機との通話を確立しない通話阻止手段と、
を備えた不要電話対策中継装置。
【請求項22】
利用者の使用する複数の利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置をコンピュータによって実現するための不要電話対策プログラムであって、コンピュータを、
前記各利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、
取得した相手方電話機の電話番号を時期とともに記録部に記録することで、前記複数の利用者電話機に対して呼び出しを行った相手方電話機の電話番号の履歴を蓄積する電話番号蓄積手段と、
前記電話番号取得手段によって取得した相手方電話機の電話番号が、前記記録部に所定期間内に所定数以上蓄積されていれば、当該相手方電話機との通話を確立しない通話阻止手段として機能させるための不要電話対策プログラム。
【請求項23】
利用者の使用する利用者電話機と通信可能な中継装置に接続された対策サーバ装置であって、
前記中継装置から送信されてくる前記相手方電話機の電話番号を時期とともに記録部に記録することで、前記複数の利用者電話機に対して呼び出しを行った相手方電話機の電話番号の履歴を蓄積する電話番号蓄積手段と、
前記電話番号取得手段によって取得した相手方電話機の電話番号が、前記記録部に所定期間内に所定数以上蓄積されていれば、当該相手方電話機との通話を確立しないよう前記中継器に指示する通話阻止制御手段と、
を備えた対策サーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特殊詐欺電話などの不要電話に対して対策を取ることのできるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特殊詐欺電話や迷惑電話など、受信者にとって不要な電話について電話機やサーバ装置による対策が提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、予め定められた電話番号について、通話の内容をサーバ装置が取得し、その通話に含まれる語句に基づいて特殊詐欺であるかどうかを判断するシステムが開示されている。特殊詐欺であると判断すると、特殊詐欺電話がかかっていることを家族にメールで知らせたり、通話を切断することで、特殊詐欺を未然に防止するようにしたものである。
【0004】
このシステムによれば、特別な電話機を用いなくとも、詐欺電話に対する対策を有効に実施することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、詐欺電話であると判断すると通話を切断するようにしているので、その詐欺電話による被害を防ぐことはできるが、詐欺電話をかけてきた犯人を特定して検挙することはできなかった。
【0007】
また、現実に迫っている詐欺電話の危機を察知して、利用者に注意を促すことはできなかった。
【0008】
さらに、特許文献1に開示されたシステムでは、通話中の語句に基づいて詐欺電話であるか否かを判断しているので、通話が開始されないと判断を行うことができず、リスクがあるという問題があった。
【0009】
また、上記の各問題は、詐欺電話だけでなく執拗な売り込みなどの不要電話一般においても生じていた。
【0010】
この発明は、上記の問題の少なくとも一つを解決し、不要電話に対して適切な対応を行うことのできる不要電話対策システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)(2)(3)この発明に係る不要電話対策中継装置は、利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、前記利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていなければ、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にし、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を予め設定されている代替人電話機との間で通話可能にする通話確立手段と、前記代替人電話機において通話を行う代替通話人が通話中に画面を閲覧することのできる代替人表示装置に対し、当該代替通話人が前記利用者電話機の利用者になりすまして通話を行うために必要な当該利用者の情報を送信する利用者情報送信手段とを備えている。
【0012】
したがって、ブラックリストに掲載された不審な相手方からの電話に、代替人が利用者に代わって応対することができる。また、その際、利用者の情報を速やかに代替人に伝えることができるので、利用者に成りかわることが容易であり、不審な相手方の情報を収集して検挙の確率を高めることができる。
【0013】
(4)この発明に係る不要電話対策中継装置は、代替通話人が、警官、代替処理会社の担当者または利用者の親族であることを特徴としている。
【0014】
したがって、警官、代替処理会社の担当者または利用者の親族が代替人となることができる。
【0015】
(5)(6)(7)この発明に係る不要電話対策中継装置は、利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、前記利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていなければ、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にし、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を予め設定されている代替人電話機との間で通話可能にする通話確立手段と、前記相手方電話機と前記代替人電話機との間の通話データを取得し、前記通話データ中に不要識別データが出現したかに基づいて、不要電話であるか否かを判断する不要電話判断手段とを備え、前記通話確立手段は、不要電話であると判断されると、前記代替人電話機を指導人電話機との間で通話可能にするとともに、当該指導電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないようにする。
【0016】
したがって、代替人が利用者に代わって通話を行っている際に、不要電話であると判断すると、指導人が相手方と代替人との通話をモニタすることができる。さらに、指導人は相手方に聞こえないように、代替人に対して指示を出すことができる。
【0017】
(8)この発明に係る不要電話対策中継装置は、不要識別データが、前記代替人電話機において押下された所定のボタンの押下音データ、または前記代替人電話機において代替通話人が発した所定の言葉であることを特徴としている。
【0018】
したがって、代替人は所定のボタンを押下してあるいは所定の言葉を発することで、不要識別データを出して指導人のモニタを求めることができる。
【0019】
(9)この発明に係る不要電話対策中継装置は、指導人電話機が、警官が使用する警察電話機であることを特徴としている。
【0020】
したがって、警官が指導人としてモニタを行って対応の指導をすることができる。
【0021】
(10)(11)(12)この発明に係る不要電話対策中継装置は、利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、前記利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、当該相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されていれば、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にするとともに、前記利用者電話機と指導人電話機との間で通話可能とし、前記指導人電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないようにする通話確立手段とを備えている。
【0022】
したがって、不審な相手方に対し、利用者と相手方との通話を指導人がモニタすることができる。さらに、相手方には聞こえないように、指導人が利用者に応対の指導を行うことができる。
【0023】
(13)この発明に係る不要電話対策中継装置は、指導人が、警官、代替処理会社の担当者または利用者の親族であることを特徴としている。
【0024】
したがって、警官、代替処理会社の担当者または利用者の親族が利用者の指導人となることができる。
【0025】
(14)(15)(16)この発明に係る不要電話対策中継装置は、利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、前記利用者電話機と通話が確立された相手方電話機との間の通話データに基づいて、不要電話であるかどうかを判断する不要電話判断手段と、不要電話であると判断されると、前記相手方電話機を前記利用者電話機との間で通話可能にするとともに、前記利用者電話機と指導人電話機との間で通話可能とし、前記指導人電話機からの音声を前記相手方電話機に伝達しないようにする通話確立手段とを備えている。
【0026】
したがって、不審な相手方に対し、利用者と相手方との通話を指導人がモニタすることができる。さらに、相手方には聞こえないように、指導人が利用者に応対の指導を行うことができる。
【0027】
(17)この発明に係る不要電話対策中継装置は、不要電話判断手段が、通話データ内容に基づいて不要電話であるかどうかを判断するもの、通話データ中の相手方の音声的特徴に基づいて不要電話であるかどうかを判断するもの、または通話データ中に含まれる利用者電話機または代替人電話機からの不要識別データに基づいて不要電話であるかどうかを判断するものであることを特徴とする。
【0028】
したがって、通話データ内容、通話データ中の相手方の音声的特徴または不要識別データに基づいて不要電話と判断し、指導人によるモニタを実施することができる。
【0029】
(18)(19)(20)この発明に係る不要電話対策中継装置は、利用者の使用する利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、前記利用者電話機に対する相手方電話機の電話番号または相手方の音声データに基づいて不要電話であると判断すると、不要電話対策処理を実行する不要電話対策実行手段と、前記不要電話対策処理が実行されると、前記不要電話対策中継装置に記録されている各利用者電話機の電話番号、住所に基づいて、前記利用者電話機の住所と所定の同一地域内の住所を有する他の利用者電話機の利用者に対し、警報を送信する警報送信手段とを備えている。
【0030】
したがって、不審な相手方から利用者に対する電話があれば、同一地域内の利用者に対して警告を発することができる。
【0031】
(21)(22)(23)この発明に係る不要電話対策中継装置は、利用者の使用する複数の利用者電話機と通信可能な不要電話対策中継装置であって、前記各利用者電話機に対する相手方電話機からの呼び出しに基づいて当該相手方電話機の電話番号を取得する電話番号取得手段と、取得した相手方電話機の電話番号を時期とともに記録部に記録することで、前記複数の利用者電話機に対して呼び出しを行った相手方電話機の電話番号の履歴を蓄積する電話番号蓄積手段と、前記電話番号取得手段によって取得した相手方電話機の電話番号が、前記記録部に所定期間内に所定数以上蓄積されていれば、当該相手方電話機との通話を確立しない通話阻止手段とを備えている。
【0032】
したがって、同じ電話番号による呼び出しが多数ある場合には、同電話番号からの呼び出しに応じないようにすることができる。
【0033】
「通話確立制御手段」は、実施形態においては、ステップS22、S24、S26がこれに対応する。
【0034】
「通話確立手段」は、実施形態においては、ステップS12、S15、S18がこれに対応する。
【0035】
「利用者情報送信手段」は、実施形態においては、ステップS23がこれに対応する。
【0036】
「電話番号取得手段」は、実施形態においては、ステップS11がこれに対応する。
【0037】
「不要電話判断手段」は、実施形態においては、ステップS25がこれに対応する。
【0038】
「不要電話対策実行手段」は、実施形態においては、ステップS23、S24がこれに対応する。
【0039】
「不要電話対策実行制御手段」は、実施形態おいては、ステップS24がこれに対応する。
【0040】
「警報送信手段」は、実施形態においては、ステップS19がこれに対応する。
【0041】
「警報送信制御手段」は、実施形態にいては、ステップS29がこれに対応する。
【0042】
「電話番号蓄積手段」は、実施形態においては、ステップS201がこれに対応する。
【0043】
「通話阻止手段」は、実施形態おいては、ステップS19がこれに対応する。
【0044】
「装置」とは、1台のコンピュータによって構成されるものだけでなく、ネットワークなどを介して接続された複数のコンピュータによって構成されるものも含む概念である。したがって、本発明の手段(あるいは手段の一部でもよい)が複数のコンピュータに分散されている場合、これら複数のコンピュータが装置に該当する。
【0045】
「プログラム」とは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソース形式のプログラム、圧縮処理がされたプログラム、暗号化されたプログラム、オペレーティングシステムと協働してその機能を発揮するプログラム等を含む概念である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】第1の実施形態による不要電話対策システムの機能構成である。
【
図2】不要電話対策システムのシステム構成である。
【
図3】中継装置(対策サーバ装置)のハードウエア構成である。
【
図10】第2の実施形態による不要電話対策システムの機能構成である。
【
図11】不要電話対策システムのシステム構成である。
【
図12】不要電話対策処理のフローチャートである。
【
図13】不要電話対策処理のフローチャートである。
【
図14】不要電話対策処理のフローチャートである。
【
図15】不要電話対策処理のフローチャートである。
【
図16】第3の実施形態による不要電話対策システムの機能構成である。
【
図17】不要電話対策システムのシステム構成である。
【
図18】不要電話対策処理のフローチャートである。
【
図19】不要電話対策処理のフローチャートである。
【
図20】第4の実施形態による不要電話対策システムの機能構成である。
【
図21】不要電話対策システムのシステム構成である。
【
図22】不要電話対策処理のフローチャートである。
【
図23】不要電話対策処理のフローチャートである。
【
図25】不要電話対策処理のフローチャートである。
【
図26】不要電話対策処理のフローチャートである。
【
図27】第5の実施形態による不要電話対策システムの機能構成である。
【
図28】不要電話対策処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
1.第1の実施形態
1.1機能構成
図1に、この発明の一実施形態による不要電話対策システムの機能ブロック図を示す。相手方電話機10から利用者電話機40に対して呼び出しがあると、中継装置20はこの呼び出しに含まれる相手方電話機10の電話番号を取得する。中継装置20の電話番号送信手段22は、取得した相手方電話機10の電話番号を、対策サーバ装置30に送信する。
【0048】
対策サーバ装置30の通話確立手段32は、当該相手方電話機10の電話番号が、ブラックリスト36に記録されているか否かを判断する。ブラックリスト36には、詐欺電話などの不要電話をかけたことのある相手方電話機10の電話番号が記録されている。通話確立指示手段32は、相手方電話機10の電話番号がブラックリスト36に記録されていなければ、中継装置20に対して、相手方電話機10と利用者電話機40の間での通話を可能とするように指示する。これを受けて、中継装置20の通話確立手段24は、相手方電話機10と利用者電話機40を通話可能にする。
【0049】
一方、相手方電話機10の電話番号がブラックリスト36に記録されていれば、中継装置20に対して、相手方電話機10と予め登録されている代替人電話機50の間での通話を可能とするように指示する。これを受けて、中継装置20の通話確立手段24は、相手方電話機10と代替人電話機50を通話可能にする。
【0050】
さらに、相手方電話機10がブラックリスト36に記録されていれば、利用者情報送信手段34は、代替人電話機50を使用する代替通話人が通話中に閲覧可能な代替人表示装置60に対し、前記利用者の情報を送信する。これを受けて、代替人表示装置は、利用者情報を表示する。
【0051】
上記のように、ブラックリストに登録された相手からの電話であれば、代替人が利用者になりすまして相手方と話をし、相手方の情報を得ることができる。また、この際、代替人が利用者になりすますのが容易になるように、代替人表示装置60に利用者情報を表示して代替人が通話中に見ることができるようにしている。
【0052】
1.2システム構成およびハードウエア構成
図2に、不要電話対策システムのシステム構成を示す。利用者電話機40は、電話回線を介して相手方電話機10に接続される。なお、利用者電話機40には接続装置70が設けられ、接続装置70を介して電話回線に接続されている。接続装置70は、インターネットに接続するための機器である。利用者電話機40がインターネットに接続する機能を有している場合には不要である。
【0053】
接続装置70は、インターネットを介して中継装置20に接続されている。中継装置20には、インターネットを介して、対策サーバ装置30、代替人電話機50、代替人表示装置60が接続されている。
【0054】
図3に、中継装置20および対策サーバ装置30のハードウエア構成を示す。中継装置20の符号を示し、括弧内に対策サーバ装置30の符号を示している。
【0055】
中継装置20のCPU21には、メモリ23、SSD25、DVD-ROMドライブ27、通信回路29が接続されている。通信回路29は、インターネットに接続するための回路である。
【0056】
SSD25には、オペレーティングシステム201、中継プログラム203が記録されている。中継プログラム203は、オペレーティングシステム201と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM205に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ27を介して、SSD25にインストールしたものである。
【0057】
対策サーバ装置30のCPU31には、メモリ33、SSD35、DVD-ROMドライブ37、通信回路39が接続されている。通信回路39は、インターネットに接続するための回路である。
【0058】
SSD35には、オペレーティングシステム301、対策サーバプログラム303が記録されている。対策サーバプログラム303は、オペレーティングシステム301と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM305に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ37を介して、SSD35にインストールしたものである。
【0059】
図4に、代替人電話機50の近くに配置される代替人表示装置60のハードウエア構成を示す。CPU61には、メモリ63、SSD65、DVD-ROMドライブ67、通信回路69、ディスプレイ62、キーボード/マウス64が接続されている。通信回路69は、インターネットに接続するための回路である。
【0060】
SSD65には、オペレーティングシステム601、表示プログラム603が記録されている。表示プログラム603は、オペレーティングシステム601と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM605に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ67を介して、SSD65にインストールしたものである。
【0061】
図5に、利用者電話機74をインターネット上の中継装置20に接続するための接続装置70のハードウエア構成を示す。CPU71には、メモリ73、SSD75、DVD-ROMドライブ77、インターネット通信回路79、電話通信回路72、利用者電話機74が接続されている。インターネット通信回路79は、インターネットに接続するための回路である。電話通信回路72は、電話回線に接続するための回路である。
【0062】
SSD75には、オペレーティングシステム701、接続プログラム703が記録されている。接続プログラム703は、オペレーティングシステム701と協働してその機能を発揮するものである。これらプログラムは、DVD-ROM705に記録されていたものを、DVD-ROMドライブ77を介して、SSD75にインストールしたものである。
【0063】
1.3不要電話対策処理
図6に、不要電話対策処理のフローチャートを示す。
図2に示す接続装置70のCPU71(以下、接続装置70と省略することがある)は、相手方電話機10から利用者電話機40への呼び出しを受けると(ステップS1)、相手方電話機および利用者電話機の電話番号を中継装置20に送信する(ステップS2)。
【0064】
中継装置20のCPU21(以下、中継装置20と省略することがある)は、受信した相手方電話機および利用者電話機の電話番号を、対策サーバ装置30に送信する(ステップS11)。
【0065】
対策サーバ装置30のCPU31(以下、対策サーバ装置30と省略することがある)は、受信した相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されているかどうかを判断する(ステップS21)。
図7に、対策サーバ装置30のSSD35に記録されたブラックリストを示す。ブラックリストには、過去に犯罪などを犯した電話番号が、その犯罪種別とともに記録されている。
【0066】
対策サーバ装置30は、相手方電話機の電話番号がこのブラックリストに記録されていなければ、通常の処理として、相手方電話機10を利用者電話機40に接続するよう中継装置20に指示する(ステップS22)。
【0067】
これを受けて、中継装置20は、相手方電話機10を接続装置70を介して利用者電話機40に接続する(ステップS12)。このようにして、利用者電話機40を呼び出して、利用者電話機40を相手方電話機10に接続することができる。
【0068】
一方、ステップS21において、相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されている場合、対策サーバ装置30は、利用者電話番号に基づいて利用者情報テーブルから、利用者の情報を取得する。
【0069】
図8に、対策サーバ装置30のSSD35に記録された利用者情報テーブルを示す。この利用者情報テーブルは、利用者がこのシステムの利用を申し込んだ際に取得した利用者情報を記録したものである。利用者の氏名、住所、年齢、性別など、代替人が利用者になりすますために必要な情報が記録されている。
【0070】
対策サーバ装置30は、利用者電話番号に対応する利用者情報を取得し、インターネットを介して代替人表示装置60に送信する(ステップS23)。
【0071】
代替人表示装置60のCPU61(以下、代替人表示装置60と省略することがある)は、受信した利用者情報を、ディスプレイ62に表示する(ステップS31)。
【0072】
対策サーバ装置30は、利用者電話機40への呼び出しではなく、代替人電話機50を呼び出して、相手方電話機10を代替人電話機50に接続するよう中継装置20に指示を送信する(ステップS24)。これを受けて、中継装置20は、相手方電話機10を代替人電話機50に接続する(ステップS12)。このようにして、代替人電話機50を呼び出して、代替人電話機50を相手方電話機10に接続することができる。
【0073】
なお、代替人電話機50が呼び出された際に、代替人表示装置60に利用者情報が表示されるので、利用者と同じ性別、近い年齢の警察官が代替人として通話を開始することができる。
【0074】
代替人である警察官は、利用者になりかわって相手方と通話を行う。これにより、犯人である相手方の情報を取得し、犯人検挙につなげることができる。なお、この際、代替人表示装置60に利用者情報が表示されるので、利用者であるように振る舞うことが容易となる。
【0075】
以下、フローチャートでは省略しているが、相手先電話機または代替人電話機が通話を切断すると、処理を終了する。
【0076】
1.4その他
(1)上記実施形態では、代替人として警察官を例としてあげた。しかし、代替人を引き受ける会社の社員、警備会社の社員、利用者の身内などを代替人としてもよい。
【0077】
(2)上記実施形態では、接続装置70を利用者電話機40に接続し、インターネットを介して中継装置20に接続できるようにしている。しかし、利用者電話機40がインターネットに接続できる機能を有していれば、接続装置70は設けなくともよい。
【0078】
(3)上記実施形態では、中継装置20と対策サーバ装置30を別個に設けているが、これを一体として構成してもよい。この場合のフローチャートを
図9に示す。
【0079】
(4)上記実施形態では、代替人電話機を固定電話として説明した。しかし、スマートフォンなどを代替人電話機としても良い。
【0080】
(5)上記実施形態では、相手方電話機10の電話番号がブラックリストに記録されていれば対策処理(代替人電話機に接続する)を行うようにしている。しかし、ステップS21に代えて、相手方電話機10からの呼び出しがあると、一旦、対策サーバ装置30が自動音声にて応答して、相手方に対して質問を発するようにしてもよい。
【0081】
たとえば、「○○さんへの電話で間違いありませんか?間違っていなければハイと言ってください」などの質問を自動音声にて相手方電話機10に送信する。これに応じて、相手方が「ハイ」と返事すると、対策サーバ装置30がその音声波形の特徴(声紋など)を解析する。対策サーバ装置30には、予め犯罪者の音声波形の特徴がブラックリストとして記録されている。相手方の音声波形の特徴がブラックリストに登録されていれば、対策処理を実行する。
【0082】
このように音声波形の特徴を用いれば、電話番号を変えて詐欺電話などかけようとしても判定することができる。
【0083】
(5)上記実施形態では、電話番号をブラックリストに登録して詐欺電話などであるかどうかを判断している。しかし、電話番号に代えて、IPアドレス等を用いてもよい。以下の各実施形態においても同様である。
【0084】
(6)上記実施形態において、代替人が相手方を詐欺であると判定すると、代替人電話機50の所定のボタン(たとえば#99)を押下することで、これが中継装置20を経て対策サーバ装置30に伝わるようにしてもよい。対策サーバ装置30は、所定のボタンが押されたことを受けて、利用者の銀行口座からの出金を停止するよう要請する指示を、金融機関の管理サーバ装置などに送信する。このようにすれば、利用者が既に詐欺などを受けていても、金銭の支払いを停止させることができる。以下の各実施形態における代替人電話機50、指導人電話機80についても同様の機能を用いることができる。
【0085】
(7)上記実施形態では、不要電話として詐欺電話を例として説明した。しかし、強引なセールスや売り込みの電話なども不要電話として対象とすることができる。
【0086】
(8)上記実施形態では、代替人電話機50を着信音によって呼び出すようにしている。しかしながら、ランプなどを点灯させて呼び出すようにしてもよい。以下の実施形態における指導人電話機80においても同様である。
【0087】
(9)上記実施形態では、ブラックリストに記録された種別に拘わらず同じ対策をとるようにしている。しかし、特殊詐欺であるか売り込みであるか等の種別に応じて以下の実施形態などに示すような対策内容を採用し、対策内容を変えるようにしてもよい。
【0088】
(10)上記変形例は、その本質に反しない限り他の実施形態においても適用可能である。
【0089】
2.第2の実施形態
2.1機能構成
図10に、第2の実施形態による不要電話対策システムの機能ブロック図を示す。相手方電話機10から利用者電話機40に対して呼び出しがあると、中継装置20はこの呼び出しに含まれる相手方電話機10の電話番号を取得する。中継装置20の電話番号送信手段22は、取得した相手方電話機10の電話番号を、対策サーバ装置30に送信する。
【0090】
対策サーバ装置30の通話確立手段32は、当該相手方電話機10の電話番号が、ブラックリスト36に記録されているか否かを判断する。ブラックリスト36には、詐欺電話などの不要電話をかけたことのある相手方電話機10の電話番号が記録されている。通話確立指示手段32は、相手方電話機10の電話番号がブラックリスト36に記録されていなければ、中継装置20に対して、相手方電話機10と利用者電話機40の間での通話を可能とするように指示する。これを受けて、中継装置20の通話確立手段24は、相手方電話機10と利用者電話機40を通話可能にする。
【0091】
一方、相手方電話機10の電話番号がブラックリスト36に記録されていれば、中継装置20に対して、相手方電話機10と予め登録されている代替人電話機50の間での通話を可能とするように指示する。これを受けて、中継装置20の通話確立手段40は、相手方電話機10と代替人電話機50を通話可能にする。
【0092】
対策サーバ装置30は、中継装置20を介して、相手方電話機10と代替人電話機50との間の通話を取得し、当該通話中に代替人電話機50によって入力された特定ボタン(たとえば♯11)の押下音が現れるか否かを判断する。当該押下音が現れると、通信確立指示手段32は、代替人電話機50を相手方電話機10に接続したまま、指導人電話機80にも接続するよう中継装置20に指示する。この際、指導人電話機80と代替人電話機50との間の通話は、相手方電話機10には聞こえないように接続を確立するよう指示する。
【0093】
指示を受けた中継装置20の通話確立手段24は、代替人電話機50と相手方電話機10の接続を維持したまま、相手方電話機10、代替人電話機50を指導人電話機80に接続する。また、代替人電話機50と指導人電話機80との間の通話は、相手方電話機10には聞こえないようにする。
【0094】
上記のようにして、代替人が相手方との通話中に指導人の指導が必要であると判断し、所定のボタンを押下すれば、相手方にはわからないように指導人による指導を受けることができる。
【0095】
警官などの指導人のアドバイスを受けて、相手方に対する対応をスムースに行って、相手方の情報を取得することができる。
【0096】
2.2システム構成およびハードウエア構成
図11に、第2の実施形態による不要電話対策システムのシステム構成を示す。この実施形態においては、代替人を業務として行う代替人会社の社員が代替人電話機50にて通話を行い、代替人の依頼により、警察官が指導人電話機80を使用して会話をウオッチするようにしている。
【0097】
接続装置70、中継装置20、対策サーバ装置30のハードウエア構成は第1の実施形態と同様である。
【0098】
2.3不要電話対策処理
図12、
図13に、不要電話対策処理のフローチャートを示す。
図12に示す処理は、相手方電話機10の電話番号がブラックリストに載っていれば、相手方電話機10を代替人電話機50に接続するものであり、第1の実施形態と同様である。
【0099】
図13のステップS3、S13に示すように、相手方電話機10と代替人電話機50の通話データは、中継装置20を経て対策サーバ装置30に送信される。したがって、対策サーバ装置30では、通話データをウオッチすることができる。
【0100】
代替人(代替人引き受け会社の社員)は相手方と話を行い、相手方が詐欺などを行おうとしているかどうかを判断する。詐欺を行おうとしていると判断すると、代替人は、代替人電話機50の予め定められたボタン(ここでは♯11)を押下する。この押下音は、通話データに重畳される。
【0101】
対策サーバ装置30は、#11が押されたことを検知すると(ステップS25)、指導人電話機80を呼び出して、相手方電話機10、代替人電話機50と指導人電話機80を接続するとともに、指導人電話機80の声は相手方電話機10には届かないように、中継装置20に指示を与える(ステップS26)。これを受けて、中継装置20は、指示通り、相手方電話機10、代替人電話機50と指導人電話機80を接続する。また、指導人電話機80の声は相手方電話機10には届かないようにする(サイレントモニタ)(ステップS14)。
【0102】
したがって、指導人電話機80の指導人(警官)は、相手方と代替人の通話内容をモニタしながら、相手方にはわからないように、代替人に応対の指示を出すことができる。したがって、代替人は適切に相手方に対応して、効率的に相手方の情報を得ることができる。
【0103】
なお、通話の最後まで#11が押下されなければ、ステップS26は実行されず処理は終了する。
【0104】
2.4その他
(1)上記実施形態では、代替人として代替人を引き受ける会社の社員、指導人として警察官を例としてあげた。しかし、警備会社の社員、利用者の身内などを代替人としてもよい。
【0105】
(2)上記実施形態では、#11の押下音を不要識別データとしている。しかし、それ以外のボタンの押下音を不要識別データとしてもよい。また、特定の言葉「クリーニングと宅配が同時にきた」などの予め定められた言葉を不要識別データとしても良い。この場合、対策サーバ装置30は、音声データをテキストデータに変換して上記の言葉が発せられたかどうかを判断するとよい。
【0106】
また、代替人電話機50としてスマートフォンを用いる場合には、本システムのためのアプリケーションをインストールすることで、所定の不要識別ボタンを画面に表示し、これを押下すれば、不要識別データが送信されるようにしてもよい。この場合、不要識別データとしては、相手方に判別できないように、生活音(洗濯機の音、電子レンジの終了音など)としてもよい。また、可聴周波数帯を外れた領域の音としても良い。
【0107】
さらに、上記のような人間による判定に代えて、対策サーバ装置30が取得しテキスト化した会話内容に基づいて、指導人電話機80に接続するか否かを決定するようにしてもよい。この場合、詐欺電話などの不要電話における会話テキストと、通常の電話における会話テキストによって学習した機械学習モデルに、会話テキストを与えることで、不要電話であるかどうかを判定するようにしてもよい。その場合、会話テキストの開始から所定時間(3分間など)は、不要電話においても通常の会話と同じとなること多い。したがって、上記所定時間の会話テキストは学習においても、判定においても用いないようにすることが好ましい。
【0108】
また、機械学習を用いずに会話テキストに含まれる特定の単語の数によって判定するようにしてもよい。
【0109】
さらに、予め犯罪者の音声波形の特徴(声紋など)を対策サーバ装置30にブラックリストとして記録しておき、相手方の音声波形の特徴(声紋など)がブラックリストに記録されていれば、指導人電話機80に接続するようにしてもよい。
【0110】
(3)上記実施形態では、中継装置20と対策サーバ装置30を別個に設けているが、これを一体として構成してもよい。この場合のフローチャートを
図14、
図15に示す。
【0111】
(4)上記実施形態では、代替人表示装置60を設けて利用者情報を表示するようにしている。しかし、代替人表示装置60は設けなくともよい。
【0112】
また、指導人表示装置80を設けて利用者情報を表示するようにしてもよい。さらに、指導人の操作するコンピュータから、対策サーバ装置30を介して代替人表示装置60に指示内容を送信するようにしてもよい。
【0113】
(5)上記変形例は、その本質に反しない限り他の実施形態においても適用可能である。
【0114】
3.第3の実施形態
3.1機能構成
図16に、第3の実施形態による不要電話対策システムの機能ブロック図を示す。相手方電話機10から利用者電話機40に対して呼び出しがあると、中継装置20はこの呼び出しに含まれる相手方電話機10の電話番号を取得する。中継装置20の電話番号送信手段22は、取得した相手方電話機10の電話番号を、対策サーバ装置30に送信する。
【0115】
対策サーバ装置30の通話確立手段32は、当該相手方電話機10の電話番号が、ブラックリスト36に記録されているか否かを判断する。ブラックリスト36には、詐欺電話などの不要電話をかけたことのある相手方電話機10の電話番号が記録されている。通話確立指示手段32は、相手方電話機10の電話番号がブラックリスト36に記録されていなければ、中継装置20に対して、相手方電話機10と利用者電話機40の間での通話を可能とするように指示する。これを受けて、中継装置20の通話確立手段24は、相手方電話機10と利用者電話機40を通話可能にする。
【0116】
一方、相手方電話機10の電話番号がブラックリスト36に記録されていれば、中継装置20に対して、相手方電話機10と利用者電話機40の間での通話を可能とするように指示するだけでなく、相手方電話機10、利用者電話機40を指導人電話機80に接続するよう中継装置20に指示する。この実施形態では、相手方電話機10と利用者電話機40の間の通話を指導人電話機80にてモニタすることができ、指導人電話機80と利用者電話機40の間で通話を行うことができ、さらに、指導人電話機80の声は相手方電話機40には届かないように指示する。
【0117】
指示を受けた中継装置20の通話確立手段24は、利用者電話機40と相手方電話機10の接続を維持したまま、相手方電話機10、利用者電話機40を指導人電話機80に接続する。指導人電話機80の声は、相手方電話機10には伝わらないようにする(サイレントモニタ)。
【0118】
上記のようにして、ブラックリストに記録された電話番号からの電話であれば、相手方にはわからないように指導人による指導を受けながら対応することができる。
【0119】
利用者の身内などの指導人のアドバイスを受けて、詐欺などに騙されるのを防止できるとともに、相手方に対する対応をスムースに行って、相手方の情報を取得することができる。
【0120】
3.2システム構成およびハードウエア構成
図17に、第3の実施形態による不要電話対策システムのシステム構成を示す。この実施形態においては、利用者の身内が指導人電話機80を使用して会話をウオッチし、利用者に対して応対の指導を行うようにしている。
【0121】
接続装置70、中継装置20、対策サーバ装置30のハードウエア構成は第1の実施形態と同様である。
【0122】
3.3不要電話対策処理
図18に、不要電話対策処理のフローチャートを示す。接続装置70は、相手方電話機10から利用者電話機40への呼び出しを受けると(ステップS1)、相手方電話機および利用者電話機の電話番号を中継装置20に送信する(ステップS2)。
【0123】
中継装置20は、受信した相手方電話機および利用者電話機の電話番号を、対策サーバ装置30に送信する(ステップS11)。また、利用者電話機40を呼び出して、相手方電話機10を利用者電話機40に接続する(ステップS15)。これにより、相手方と利用者との通話を行うことができる。
【0124】
対策サーバ装置30は、受信した相手方電話機の電話番号が
図7に示すブラックリストに記録されているかどうかを判断する(ステップS21)。
【0125】
対策サーバ装置30は、相手方電話機の電話番号がこのブラックリストに記録されていなければ特段の処理は行わない。
【0126】
一方、ステップS21において、相手方電話機の電話番号がブラックリストに記録されている場合、対策サーバ装置30は、相手方電話機10と利用者電話機40の接続を維持したまま、これらに予め記録されている指導人電話機80を呼び出して接続するよう中継装置20に指示する(ステップS27)。また、指導人電話機80の声が相手方電話機10には聞こえないようにするよう指示する。
【0127】
中継装置20は、この指示があると、相手方電話機10、利用者電話機40と指導人電話機80を接続する(ステップS16)。また、指導人電話機80の声は、相手方電話機10に聞こえないようにする。
【0128】
このようにして、ブラックリストに記録された電話番号からの電話に対しては、利用者の身内(息子など)が、相手方と利用者の通話をモニタすることができる。また、指導人の声は相手方には伝わらないので、相手方にはわからないように利用者に対して対応の指導をすることができる。
【0129】
3.4その他
(1)上記実施形態では、指導人として利用者の身内を例としてあげた。しかし、警備会社の社員、指導人を引き受ける会社の社員、警官などを指導人としてもよい。
【0130】
(2)上記実施形態では、指導人電話機を固定電話として説明した。しかし、スマートフォンなどの携帯電話を指導人電話機としてもよい。
【0131】
(3)上記実施形態では、指導人が指導人電話機80にて受話器を取って接続が確立された場合について説明した。しかし、指導人が指導人電話機80をとらなかった場合には、指導人によるサイレントモニタを行うことができない。
【0132】
この場合、接続が確立されるまで複数人の指導人電話機80を順次呼び出すようにしてもよい。あるいは、一斉に複数の指導人電話機80を呼び出して、最初に接続が確立された指導人電話機80を接続先としてもよい。
【0133】
また、指導人電話機80との接続ができなかった場合、対策サーバ装置80において通話内容を録音しておき、通話終了後、予め定められた先(利用者の身内など)にメールなどで送信するようにしてもよい。この際、通話音声ではなく、通話音声をテキスト化したデータを送信するようにしてもよい。
【0134】
(4)上記実施形態では、対策サーバ装置30は、相手方電話機10の電話番号がブラックリストに記録されていれば、指導人電話機80によるサイレントモニタを行うようにしている。しかし、これに代えてあるいは加えて、通話中に利用者が#11を押下するなどして、対策サーバ装置30が不要識別データを検出すれば、指導人電話機80によるサイレントモニタを開始するようにしてもよい。
【0135】
また、前述のように、対策サーバ装置80において通話データが詐欺電話等であるかどうかを機械学習済のモデルによって判断し、詐欺電話などの不要電話であると判断すれば、指導人電話機80によるサイレントモニタを開始するようにしてもよい。
【0136】
(5)上記実施形態では、中継装置20と対策サーバ装置30を別個に設けているが、これを一体として構成してもよい。この場合のフローチャートを
図19に示す。
【0137】
(6)上記実施形態では、指導人電話機80の声は相手方電話機10には伝わらないようにしている。しかし、指導人電話機80から所定のボタンを押下(たとえば#22)することで、この信号を中継装置20が取得し、指導人電話機80の声が相手方電話機10に伝わるようにしてもよい。たとえば、指導人が利用者に応対の指導を行っても上手に進行せずこちらの個人情報を示すなどの危機が迫ったと判断した時に、指導人が相手方に対して保護者や警官である旨を伝えて電話を切らせるようにすることができる。
【0138】
(7)上記実施形態では、指導人電話機80は1つであるとして説明している。しかし、複数台の指導人電話機80を設けるようにしてもよい。たとえば、最初に接続した指導人が、さらなる指導人を求める場合に、#11の押下などによって不要識別データを発信し、これを受けて対策サーバ装置30が中継装置20に、新たな指導人電話機80を接続するようにしてもよい。この場合、新たな指導人電話機80の声は、相手方には伝わらないようにする(相手方以外の電話機には伝わる)。
【0139】
(8)上記変形例は、その本質に反しない限り他の実施形態においても適用可能である。
【0140】
4.第4の実施形態
4.1機能構成
図20に、この発明の第4の実施形態による不要電話対策中継システムの機能構成を示す。中継装置20には、多数の利用者電話機40a・・・40nが接続されている。
【0141】
相手方電話機10からの呼び出しは、中継装置20を介して利用者電話機40aに与えられる。利用者電話機40aにおいて、この呼びに応答すると、相手方電話機10と利用者電話機40aとの間で通話が確立する。
【0142】
対策サーバ装置30の不要電話対策実行手段310は、相手方電話機10の電話番号や不要識別データや通話内容に基づいて、詐欺電話などの不要電話であると判断すると、不要電話対策処理を実行する。たとえば、上記の第1~第3の実施形態にて示した対策処理を実行したり、あるいは、相手方電話機10を切断して利用者電話機40aとの通話ができないようにする。
【0143】
ここで、利用者電話機40aを呼び出した(あるいは通話を行った)相手方電話機10が、詐欺電話などをかけたとして対策サーバ装置30によって、不要電話対策処理の対象になったとする。
【0144】
警報送信手段312は、利用者電話機40aの電話番号を取得する。当該電話番号に基づいて、利用者リスト314を参照し、利用者の住所を特定(たとえば、市町村まで特定)する。
【0145】
続いて、警報送信手段312は、利用者リスト314を参照して、当該利用者と同じ地域の利用者をピックアップする。ピックアップした利用者の利用者電話機40b~40nを呼び出して接続し、当該地域において不要電話が発生したことを警告する自動音声を流す。
【0146】
このようにして、同地域における詐欺電話などの被害を予防することができる。
【0147】
4.2システム構成およびハードウエア構成
図21に、第4の実施形態による不要電話対策システムのシステム構成を示す。この実施形態においては、インターネットを介して多数の利用者電話機40a、40b・・・40nが接続されている。なお、利用者電話機が直接的にインターネットへの接続機能を有しない場合には、接続装置70を介してインターネットに接続される。
【0148】
接続装置70、中継装置20、対策サーバ装置30のハードウエア構成は第1の実施形態と同様である。
【0149】
4.3不要電話発生警告処理
図22、
図23に、不要電話発生警告処理のフローチャートを示す。なお、この実施形態では、不要電話対策処理として第1の実施形態におけるものを用いて説明しているが、第2、第3の実施形態やその他の不要電話対策処理を行うようにしてもよい。
【0150】
図22に示す処理は、第1の実施形態の
図12と同じである。対策サーバ装置30は、相手方電話機10の電話番号がブラックリストに記録されていれば、不要電話対策処理としてステップS23、S24を実行する。
【0151】
相手方電話機10の電話番号がブラックリストに記録されていれば、対策サーバ装置30は、SSD35に記録された利用者リスト314を参照して、利用者の住所(地域)を特定する(ステップS27)。利用者リストの例を
図24に示す。この利用者リストは、利用者が本システムの利用を申し込んだときに取得した情報に基づいて作成し、SSD35に記録したものである。図に示すように、少なくとも利用者の電話番号と利用者の住所が記録されている。
【0152】
対策サーバ装置30はこのリストに基づいて、上記利用者の住所(地域)を特定する。たとえば、大都市であれば区、それ以外のところであれば市町村までの地域を特定する。
【0153】
続いて、利用者リストを参照し、特定した地域と同じ地域の利用者の電話番号を選択する(ステップS28)。続いて、対策サーバ装置30は、予め記録している警告音声(「この地域にて詐欺電話が発生しました。注意してください。」のような音声)を中継装置20に送信し、ピックアップした利用者の電話番号に対し呼び出しを行って、この警告音声を流すように指示する(ステップS29)。
【0154】
上記指示を受けると、中継装置20は、受信した電話番号に対して順次発信を行って、接続が確立すれば、警告音声を発信する(ステップS16)。
【0155】
したがって、詐欺電話などの不要電話が発生すれば、同地域の利用者に対して警告を行うことができる。詐欺電話などは、同一地域内において連続して発生する傾向にあるので、予防措置として効果的である。
【0156】
4.4その他
(1)上記実施形態では、他の利用者の電話機に対して警告音声を送るようにしている。しかし、他の利用者の電話機が対応可能であれば、ショートメッセージなどを送信するようにしてもよい。
【0157】
また、利用者リストに利用者のメールアドレスなどを記録しておけば、メールにて警告を送信することもできる。この場合、対策サーバ装置30は、中継装置20に依頼せず、自らがメールを送信することもできる。
【0158】
(2)上記実施形態では、中継装置20と対策サーバ装置30を別個に設けているが、これを一体として構成してもよい。この場合のフローチャートを
図25、
図26に示す。
【0159】
(3)上記変形例は、その本質に反しない限り他の実施形態においても適用可能である。
【0160】
5.第5の実施形態
5.1機能構成
図27に、この発明の第5の実施形態による不要電話対策システムの機能構成を示す。この実施形態では、詐欺電話などが同一の電話番号から短期間に多数発信されることに着目し、対策を講じようとするものである。
【0161】
中継装置20には、多数の利用者電話機40a、40b・・・40nが接続されている。相手方電話機10から利用者電話機40a、40b・・・40nのいずれかに対する呼びがあると、中継装置20の電話番号取得手段210は、相手方電話機10の電話番号を取得する。電話番号取得手段210は、取得した相手方電話機10の電話番号を、対策サーバ装置30に送信する。
【0162】
対策サーバ装置30の電話番号蓄積手段320は、受信した日時とともに電話番号を記録部322に記録する。このようにして、いずれかの利用者電話機40a、40b・・・40nに対して少なくとも呼び出しを行った相手方電話機10の電話番号が、記録部322に日時とともに蓄積される。
【0163】
ここで、多数の呼びを行っている相手方電話機10から利用者電話機40aに対して新たな呼びが行われたとする。中継装置20の電話番号取得手段210は、相手方電話機10の電話番号を取得し対策サーバ装置30に送信する。対策サーバ装置30の電話番号蓄積手段320は、この電話番号を記録部322に蓄積する。
【0164】
通話阻止制御手段324は、記録部322に記録された履歴を参照し、今回の呼びを行った相手方電話機10の電話番号が、所定期間(たとえば今日)内に、所定回数以上(たとえば30回以上)の呼びを行った電話番号と合致するかどうかを判断する。合致すれば、詐欺電話などである可能性が高いので、通話阻止制御手段324は、中継装置20に対し、今回の呼びを利用者電話機40aには伝えず切断するように指示する。
【0165】
中継装置20の通話阻止制御手段212は、今回の相手方電話機10からの呼びを切断し、利用者電話機40aには接続しない。
【0166】
以上のようにして、同一電話番号による多数発信元からの電話を切断して、詐欺電話などによる被害を未然に防止することができる。
【0167】
5.2システム構成およびハードウエア構成
第5の実施形態による不要電話対策システムのシステム構成は、
図21と同様である。この実施形態においては、インターネットを介して多数の利用者電話機40a、40b・・・40nが接続されている。なお、利用者電話機が直接的にインターネットへの接続機能を有しない場合には、接続装置70を介してインターネットに接続される。
【0168】
接続装置70、中継装置20、対策サーバ装置30のハードウエア構成は第1の実施形態と同様である。
【0169】
5.3不要電話対策処理
図28に、不要電話対策処理のフローチャートを示す。中継装置20は、相手方電話機10から利用者電話機40に対する呼びがあると、相手方電話番号、発信日時などを対策サーバ装置30に転送する。対策サーバ装置30は、これを受けて、相手方電話番号を発信日時とともにSSD35に記録する(ステップS201)。このようにして、相手方電話機10から、多数ある利用者電話機40のいずれかに対する着信があると、その電話番号がSSD35に記録されることになる。
【0170】
図29に、対策サーバ装置30のSSD35に記録された履歴データの例を示す。対策サーバ装置30は、この履歴データから所定期間内(たとえば24時間以内)に、所定の回数以上(たとえば30回以上)発信している電話番号を危険な電話番号として抽出する。対策サーバ装置30は、今回着信した相手方電話番号が、この危険な電話番号でないかどうかを判断する(ステップS202)。
【0171】
危険な電話番号でなければ、中継装置20に対して接続の指示を与える(ステップS204)。中継装置20は、これを受けて、相手方電話機10の呼びを利用者電話機40に与える。利用者が電話を取れば接続される(ステップS19)。
【0172】
危険な電話番号であれば、対策サーバ装置30は、中継装置20に対して切断指示を与える(ステップS203)。中継装置20は、これを受けて、相手方電話機10の呼びを利用者電話機40には与えず切断する(ステップS19)。したがって、利用者電話機40からは呼び出し音が出されず、相手方電話機10は利用者電話機40に接続されない。
【0173】
このようにして、危険な番号からの電話は利用者電話機40に接続されず、詐欺電話などの被害を未然に防止することができる。
【0174】
5.4その他
(1)上記実施形態では、対策サーバ装置30は、危険な電話番号からの電話を切断するように中継装置20に指示している。しかし、対策サーバ装置30は、切断せずに、話し中の信号を相手方電話機10に送信するよう中継装置20に指示するようにしてもよい。これにより、不自然な切断ではなく、自然な話し中とすることができる。
【0175】
(2)上記変形例は、その本質に反しない限り他の実施形態においても適用可能である。