(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038503
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】段取り換え時間推定システム、段取り換え時間推定方法及び段取り換え時間推定装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20230310BHJP
B23Q 41/08 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B23Q41/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145269
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 尚登
【テーマコード(参考)】
3C042
3C100
【Fターム(参考)】
3C042RE00
3C100AA23
3C100AA29
3C100AA38
3C100AA57
3C100AA68
3C100BB14
3C100BB33
(57)【要約】
【課題】産業機械における段取り換え時間を簡便に推定可能な段取り換え時間推定システム及び段取り換え時間推定方法を提供する。
【解決手段】段取り換え時間推定システム1は、産業機械10と、取得部21と、推定部23とを備える。産業機械10は、パレット12を用いて、第1工程情報によって特定される第1工程と、第2工程情報によって特定される第2工程とをこの順で実行する。取得部21は、第1工程情報と第2工程情報とを産業機械10から取得する。推定部23は、第1工程情報と第2工程情報とが異なる場合、第1工程の稼働終了時刻と第2工程の稼働開始時刻とに基づいて第1工程及び第2工程の間の段取り換え時間を推定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1工程情報によって特定される第1工程と、第2工程情報によって特定される第2工程とをこの順で実行する産業機械と、
前記第1工程情報と前記第2工程情報とを取得する取得部と、
前記第1工程情報と前記第2工程情報とが異なる場合、前記第1工程の稼働終了時刻と前記第2工程の稼働開始時刻とに基づいて前記第1工程及び前記第2工程の間の段取り換え時間を推定する推定部と、
を備える段取り換え時間推定システム。
【請求項2】
前記第1工程情報は、前記第1工程の第1工程名を時系列順で含み、
前記第2工程情報は、前記第2工程の第2工程名を時系列順で含み、
前記推定部は、前記第1工程名と前記第2工程名とが異なる場合、前記第1工程情報と前記第2工程情報とが異なると判断する、
請求項1に記載の段取り換え時間推定システム。
【請求項3】
前記第1工程情報は、前記第1工程において処理される第1ワークの第1品番を時系列順で含み、
前記第2工程情報は、前記第2工程において処理される第2ワークの第2品番を時系列順で含み、
前記推定部は、前記第1品番と前記第2品番とが異なる場合、前記第1工程情報と前記第2工程情報とが異なると判断する、
請求項1に記載の段取り換え時間推定システム。
【請求項4】
前記第1工程情報は、前記第1工程に用いられる第1プログラム番号を含み、
前記第2工程情報は、前記第2工程に用いられる第2プログラム番号を含み、
前記推定部は、前記第1プログラム番号と前記第2プログラム番号とが異なる場合、前記第1工程情報と前記第2工程情報とが異なると判断する、
請求項1に記載の段取り換え時間推定システム。
【請求項5】
ディスプレイと、
前記ディスプレイを制御する表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記第1工程及び前記第2工程の間の段取り換え時間が所定時間以上である場合に、当該段取り換え時間を前記ディスプレイに表示させる、
請求項1乃至4のいずれかに記載の段取り換え時間推定システム。
【請求項6】
ディスプレイと、
前記ディスプレイを制御する表示部と、
を備え、
前記産業機械は、第3工程情報によって特定される第3工程を前記第2工程の後に実行し、
前記取得部は、前記第3工程情報を取得し、
前記推定部は、前記第2工程情報と前記第3工程情報とが異なる場合、前記第2工程の稼働終了時刻と前記第3工程の稼働開始時刻とに基づいて前記第2工程及び前記第3工程の間の段取り換え時間を推定し、
前記表示部は、前記第1工程及び前記第2工程の間の段取り換え時間と前記第2工程及び前記第3工程の間の段取り換え時間とを時間の長い順で前記ディスプレイに表示させる、
請求項1乃至4のいずれかに記載の段取り換え時間推定システム。
【請求項7】
前記推定部は、前記第1稼働終了時刻と前記第2稼働開始時刻との差分時間を複数回算出した場合、複数の前記差分時間の平均値、中央値、最大値及び最小値のうちいずれか1つを前記段取り換え時間として推定する、
請求項1乃至6のいずれかに記載の段取り換え時間推定システム。
【請求項8】
第1工程情報によって特定される第1工程と、第2工程情報によって特定される第2工程とをこの順で産業機械において実行する工程と、
前記第1工程情報と前記第2工程情報とを取得する工程と、
前記第1工程情報と前記第2工程情報とが異なる場合、前記第1工程の稼働終了時刻と前記第2工程の稼働開始時刻とに基づいて前記第1工程及び前記第2工程の間の段取り換え時間を推定する工程と、
を備える段取り換え時間推定方法。
【請求項9】
産業機械と通信可能な段取り換え時間推定装置であって、
前記産業機械における第1工程を特定する第1工程情報と、前記第1工程に続く工程である第2工程を特定する第2工程情報とを通信を介して前記産業機械から取得する取得部と、
取得した前記第1工程情報と前記第2工程情報とを時系列順で工程実行の日時と結び付けて記憶する記憶部と、
記憶された前記第1工程情報と前記第2工程情報とが異なる場合、前記第1工程の稼働終了時刻と前記第2工程の稼働開始時刻とに基づいて前記第1工程及び前記第2工程の間の段取り換え時間を推定する推定部と、
を備える段取り換え時間推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、段取り換え時間推定システム、段取り換え時間推定方法及び段取り換え時間推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、産業機械を用いて小ロット生産する場合には、段取り換え回数が多くなるため、段取り換え時間を把握して改善することが提案されている。
【0003】
段取り換えは、ワークが変更される場合、又は、ワークに対する処理が変更される場合に発生する。段取り換えは、産業機械を止めて行う段取り作業であり、具体的には、治工具や金型の取り付け及び取り外し、産業機械の調整などの作業である。段取り換え時間とは、現時点におけるワークの処理の終了時刻から次のワークの処理の開始時刻との差分時間である。
【0004】
非特許文献1では、ストップウォッチを用いてオペレータが段取り換え時間を測定することとされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】コンサルソーシング株式会社、“トヨタ生産方式:小ロット生産とは~導入の進め方と事例”、[online]、[令和3年8月23日検索]、インターネット<URL: https://www.consultsourcing.jp/4194>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ストップウォッチを用いてオペレータが段取り換え時間を測定することは煩雑である。
【0007】
本開示は、産業機械における段取り換え時間を簡便に推定可能な段取り換え時間推定システム、段取り換え時間推定方法及び段取り換え時間推定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る段取り換え時間推定システムは、産業機械と、取得部と、推定部とを備える。産業機械は、第1工程情報によって特定される第1工程と、第2工程情報によって特定される第2工程とをこの順で実行する。取得部は、第1工程情報と第2工程情報とを取得する。推定部は、第1工程情報と第2工程情報とが異なる場合、第1工程の稼働終了時刻と第2工程の稼働開始時刻とに基づいて第1工程及び第2工程の間の段取り換え時間を推定する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、産業機械における段取り換え時間を簡便に推定可能な段取り換え時間推定システム、段取り換え時間推定方法及び段取り換え時間推定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る段取り換え時間推定システムの構成を示すブロック図
【
図2】実施形態に係る記憶部が記憶しているテーブルの一例
【
図3】実施形態に係る段取り換え時間推定方法を示すフローチャート図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(段取り換え時間推定システム1の構成)
本実施形態に係る段取り換え時間推定システム1の構成について図面を参照しながら説明する。
図1は、段取り換え時間推定システム1の構成を示すブロック図である。
【0012】
段取り換え時間推定システム1は、産業機械10、管理部20及びディスプレイ30を備える。管理部20は、本開示に係る段取り換え時間推定装置である。
【0013】
(産業機械10)
図1では、産業機械10が旋盤である場合が図示されている。ただし、産業機械10としては、例えば、旋盤以外の工作機械、スポット溶接機、溶接ロボット、半導体関連装置、露光装置、化学処理装置、ワイヤボンダ、プローバ、電子部品挿入機、プリント基盤孔あけ機、組立装置、搬送装置、鍛圧機械、ワイヤソー及びシャーリングマシン等の鈑金機械などが挙げられる。旋盤以外の工作機械としては、例えば、フライス盤、中ぐり盤、マシニングセンタ、ジグポーラ、ボール盤、研削盤、放電加工機、ワイヤレスカット放電加工機、パンチングプレス、レーザ加工機などが挙げられる。
【0014】
図1では、産業機械10が1つだけ図示されているが、産業機械10の数は1以上であればよい。
【0015】
産業機械10は、コントローラ11を有する。コントローラ11は、NC(Numerical Control)プログラムに従ってワークに対する処理を制御する。コントローラ11は通信機能を備える。コントローラ11は、通信機能によりネットワーク(例えば、インターネット)を介して管理部20に接続される。
【0016】
産業機械10では、1つのパレット12が用いられる。パレット12は、第1ワークW1、第2ワークW2及び第3ワークW3をこの順で産業機械10に搬入する。
【0017】
本実施形態において、産業機械10は、第1ワークW1、第2ワークW2及び第3ワークW3をこの順で処理する。まず、産業機械10は、第1ワークW1に対して第1工程を実行する。第1工程では、第1プログラムに従って第1処理が実行される。次に、産業機械10は、第2ワークW2に対して第2工程を実行する。第2工程では、第2プログラムに従って、第2処理が実行される。次に、産業機械10は、第3ワークW3に対して第3工程を実行する。第3工程では、第3プログラムに従って第3処理が実行される。
【0018】
コントローラ11は、第1ワークW1に対する第1工程を特定する第1工程情報と、第2ワークW2に対する第2工程を特定する第2工程情報と、第3ワークW3に対する第3工程を特定する第3工程情報とを管理部20に送信する。
【0019】
第1工程情報には、第1工程の第1工程名“Nx”と、第1工程において処理される第1ワークW1の第1品番“Mx”と、第1工程に用いられる第1プログラム番号“Px”と時刻とが含まれる。品番とは部品番号の意で、1つの品番に対し1つの設計図面が対応する。品番は設計図面に描かれた部品の識別子で、一般的に数字、記号(ハイフンなど)、文字(アルファベットなど)で構成される。
【0020】
第2工程情報には、第2工程の第2工程名“Ny”と、第2工程において処理される第2ワークW1の第2品番“Mx”と、第2工程に用いられる第2プログラム番号“Py”と時刻とが含まれる。
【0021】
第3工程情報には、第3工程の第3工程名“Nz”と、第3工程において処理される第3ワークW1の第3品番“Mz”と、第3工程に用いられる第3プログラム番号“Pz”と時刻とが含まれる。
【0022】
このように、本実施形態では説明の都合上、第1乃至第3工程名は互いに異なり、第1及び第2ワークW1,W2の品番は同じであり、第3ワークW1の品番は第1及び第2ワークW1,W2の品番と異なり、第1乃至第3プログラム番号は互いに異なるものとする。品番が同じワークは同じ設計図面に対応し、品番が異なるワークは対応する設計図面が異なる。
【0023】
コントローラ11は、各ワークに対する処理が終了するたびに各工程情報を管理部20に送信してもよい。或いは、コントローラ11は、複数のワークに対する処理が終了した後に複数の工程情報をまとめて管理部20に送信してもよい。
【0024】
(管理部20)
管理部20は、取得部21、記憶部22、推定部23及び表示部24を有する。管理部20の機能は、サーバーにより達成される。サーバーは、クラウドサーバーであってよい。管理部20は、ネットワークを介してコントローラ11及びディスプレイ30と接続される。管理部20は、段取り換え時間推定装置である。
【0025】
取得部21は、第1工程情報、第2工程情報及び第3工程情報をコントローラ11から取得する。取得部21は、ネットワークを経由してコントローラ11と通信できる通信機能を備え、
通信によりコントローラ11から各工程情報を受信する。
【0026】
取得部21は、取得した第1工程情報、第2工程情報及び第3工程情報を時系列順で記憶部22に記憶させる。
【0027】
図2は、記憶部22が記憶しているテーブルの一例である。
【0028】
記憶部22は、各工程の実行日時と各工程情報とを結び付けて記憶する。
図2に示す例では、2021年6月1日の0時00分から0時10分の間に第1工程が実行され、2021年6月1日の0時17分から0時23分の間に第2工程が実行され、2021年6月1日の0時27分から0時29分の間に第3工程が実行されている。
【0029】
従って、第1工程の稼働開始時刻は0時00分であり、第1工程の稼働終了時刻は0時10分であり、第2工程の稼働開始時刻は0時17分であり、第2工程の稼働終了時刻は0時23分であり、第3工程の稼働開始時刻は0時27分であり、第3工程の稼働終了時刻は0時29分である。
【0030】
推定部23は、第1工程情報と第2工程情報とが異なる場合、第1工程の稼働終了時刻と第2工程の稼働開始時刻とに基づいて、第1工程及び第2工程の間の段取り換え時間を推定する。
【0031】
第1工程情報と第2工程情報とが異なることは、産業機械10において段取り換えが行われたことを意味する。本実施形態において、推定部23は、第1工程名と第2工程名とが異なる場合、及び、第1品番と第2品番とが異なる場合に、第1工程情報と第2工程情報とが異なると判断する。
【0032】
本実施形態では、第1品番“Mx”と第2品番“Mx”とは同じであるが、第1工程名“Nx”と第2工程名“Ny”とは異なる。そのため、推定部23は、第1工程情報と第2工程情報とは異なると判断する。そして、推定部23は、第1工程の稼働終了時刻である0時10分と第2工程の稼働開始時刻である0時17分とに基づいて、第1工程及び第2工程の間の段取り換え時間を推定する。推定部23は、第1工程の稼働終了時刻と第2工程の稼働開始時刻との差分時間である「7分」を段取り換え時間として推定する。
【0033】
同様に、推定部23は、第2工程情報と第3工程情報とが異なる場合、第2工程の稼働終了時刻と第3工程の稼働開始時刻とに基づいて、第2工程及び第3工程の間の段取り換え時間を推定する。
【0034】
本実施形態では、第2品番“My”と第3品番“Mz”とは異なり、また、第2工程名“Ny”と第3工程名“Nz”とは異なる。そのため、推定部23は、第2工程情報と第3工程情報とは異なると判断する。そして、推定部23は、第2工程の稼働終了時刻である0時23分と第3工程の稼働開始時刻である0時27分とに基づいて、第2工程及び第3工程の間の段取り換え時間を推定する。推定部23は、第2工程の稼働終了時刻と第3工程の稼働開始時刻との差分時間である「4分」を段取り換え時間として推定する。
【0035】
このように推定部23は、工程情報とそれに続く工程情報の品番と工程名のどちらか一方、或いは品番と工程名の両方が異なる場合に、2つの工程情報は異なると判断し、段取り換え時間を推定する。よって、段取り換えが必要とされた連続する2つの工程を自動的に検出することによって、段取り換え時間を簡便に推定することができる。
【0036】
表示部24は、ディスプレイ30を制御する。表示部24は、推定部23が推定した段取り換え時間をディスプレイ30に表示させる。表示部24は、推定部23が2以上の段取り換え時間を推定した場合には、2以上の段取り換え時間に優先順位を付与して表示させることが好ましい。
【0037】
例えば、表示部24は、段取り換え時間が所定時間以上である場合に、当該段取り換え時間をディスプレイ30に表示させることができる。所定時間は任意に設定された閾値であってよい。例えば、所定時間が5分に設定されている場合、第1工程及び第2工程の間の段取り換え時間である「7分」のみを表示させる。これによって、段取り換えの改善が必要な工程だけを特定することができる。或いは、所定時間は、段取り換え作業に要する標準時間STとして設定された時間であってよい。標準時間STとは、標準的な熟練度の作業者が標準の作業方法や条件のもと段取り換え作業を行った場合の時間である。作業の標準時間STは、生産計画・原価管理などに用いられる。
【0038】
或いは、表示部24は、段取り換え時間を時間の長い順でディスプレイ30に表示させることができる。この場合、表示部24は、第1工程及び第2工程の間の段取り換え時間である「7分」を第2工程及び第3工程の間の段取り換え時間である「4分」より上位に表示させる。これによって、段取り換えの改善が必要な工程を強調することができる。
【0039】
(段取り換え時間推定方法)
本実施形態に係る段取り換え時間推定方法について、
図3を参照しながら説明する。
図3は、段取り換え時間推定方法の流れを示すフローチャートを示す。第1工程及び第2工程の間の段取り換え時間の推定方法と第2工程及び第3工程の間の段取り換え時間の推定方法とは同じであるため、以下においては、第1工程及び第2工程の間の段取り換え時間の推定方法について説明する。
【0040】
ステップS1において、産業機械10は、パレット12を用いて、第1工程と第2工程とをこの順で実行する。
【0041】
ステップS2において、取得部21は、第1工程情報と第2工程情報とを産業機械10から取得する。
【0042】
ステップS3において、推定部23は、第1品番と第2品番とが異なるか否かを判定する。第1品番と第2品番とが異ならない場合、処理はステップS4に進む。第1品番と第2品番とが異なる場合、処理はステップS5に進む。
【0043】
ステップS4において、推定部23は、第1工程名と第2工程名とが異なるか否かを判定する。第1工程名と第2工程名とが異ならない場合、処理は終了する。第1工程名と第2工程名とが異なる場合、処理はステップS5に進む。
【0044】
ステップS5において、推定部23は、第1工程の稼働終了時刻と第2工程の稼働開始時刻とに基づいて第1工程及び第2工程の間の段取り換え時間を推定する。
【0045】
ステップS6において、表示部24は、第1工程及び第2工程の間の段取り換え時間をディスプレイ30に表示させる。
【0046】
(実施形態の変形例)
【0047】
[変形例1]
上記実施形態において、推定部23は、第1工程の稼働終了時刻と第2工程の稼働開始時刻との差分時間をそのまま第1工程と第2工程との段取り換え時間として推定することとした。しかしながら、推定部23が第1工程と第2工程との差分時間を複数回算出した場合には、複数の差分時間の平均値、中央値、最大値及び最小値のうちいずれか1つを第1及び第2工程間の段取り換え時間として推定してもよい。
【0048】
同様に、推定部23が第2工程と第3工程との差分時間を複数回算出した場合には、複数の差分時間の平均値、中央値、最大値及び最小値のうちいずれか1つを第2及び第3工程間の段取り換え時間として推定してもよい。
【0049】
[変形例2]
上記実施形態において、推定部23は、第1工程名と第2工程名とが異なる場合、及び、第1品番と第2品番とが異なる場合に、第1工程情報と第2工程情報とが異なると判断することとした。しかしながら、推定部23は、第1工程に用いられる第1プログラム番号と第2工程に用いられる第2プログラム番号とが異なる場合に、第1工程情報と第2工程情報とが異なると判断してもよい。
【0050】
同様に、推定部23は、第2プログラム番号と第3プログラム番号とが異なる場合に、第2工程情報と第3工程情報とが異なると判断してもよい。
【0051】
なお、プログラム番号に基づいて第1工程情報と第2工程情報とが異なるか否か判断する場合、工程情報に工程名及び品番は含まれていなくてもよい。
【0052】
[変形例3]
上記実施形態において、工程情報にはプログラム番号が含まれることとしたが、工程名及び品番に基づいて第1工程情報と第2工程情報とが異なるか否か判断する限り、工程情報にプログラム番号は含まれていなくてもよい。
【0053】
[変形例4]
上記実施形態において、産業機械10では1つのパレット12が用いられることとしたが、2以上のパレットが用いられてもよい。例えば、パレット12a、12b、12c夫々が、第1ワークW1、第2ワークW2及び第3ワークW3をこの順で産業機械10に搬入してもよい。2以上のパレットが用いられる場合であっても、段取り換えはパレットごとに行われるので、段取り換え時間の推定方法は上記実施形態にて説明したとおりである。
【0054】
[変形例5]
上記実施形態において、管理部20は産業機械10とネットワークを介して通信するサーバーとしたが、産業機械10或いは産業機械10のコントローラ11に備わるものであってよい。段取り換え時間推定システム1は、産業機械10に内包されるものであってよい。
【符号の説明】
【0055】
1 段取り換え時間推定システム
10 産業機械
11 コントローラ
12 パレット
20 管理部(段取り換え時間推定装置)
21 取得部
22 記憶部
23 推定部
24 表示部