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  • 特開-携帯用LEDライト 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038512
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】携帯用LEDライト
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20230310BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20230310BHJP
   F21V 21/088 20060101ALI20230310BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230310BHJP
【FI】
F21L4/00 530
F21V23/04 130
F21V21/088 100
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145280
(22)【出願日】2021-09-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】513175859
【氏名又は名称】出澤 收
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】出澤 收
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA00
(57)【要約】
【課題】 円柱状の乾電池を使用した長時間駆動を可能とし、固定箇所を挟み込むクリップ機構にて帽子などに着脱自在に取り付け可能であって、コンパクト且つ操作性に優れる携帯用小型LEDライトの提供。
【解決手段】 固定箇所を挟み込むクリップ機構にて着脱自在に取り付け可能な携帯用LEDライトである。主面の一方をクリップ機構に固定又は一体化され他方の上には垂直に延びる軸体を植設された板状の基台と、軸線を有し軸体に軸線を垂直となるように軸支させ主面と平行な面内で回転自在とされた本体部と、軸線の周囲で回転自在となるように本体部に組み合わせられたLED発光部と、を含み、LED発光部は基台に対して軸体及び軸線により2軸回転支持されるとともに、LED発光部に電力を供給する円柱状の乾電池を軸線に沿って配置させたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定箇所を挟み込むクリップ機構にて着脱自在に取り付け可能な携帯用LEDライトであって、
主面の一方をクリップ機構に固定又は一体化され他方の上には垂直に延びる軸体を植設された板状の基台と、
軸線を有し前記軸体に前記軸線を垂直となるように軸支させ前記主面と平行な面内で回転自在とされた本体部と、
前記軸線の周囲で回転自在となるように前記本体部に組み合わせられたLED発光部と、を含み、
前記LED発光部は前記基台に対して前記軸体及び前記軸線により2軸回転支持されるとともに、前記LED発光部に電力を供給する円柱状の乾電池を前記軸線に沿って配置させたことを特徴とする携帯用LEDライト。
【請求項2】
前記LED発光部の点灯を制御するスイッチ部は、先記軸線に沿って押下するボタンスイッチであることを特徴とする請求項1記載のLEDライト。
【請求項3】
前記LED発光部は前記軸線の周囲で回転しつつ前記乾電池の長手端部に摺動接触する電極を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のLEDライト。
ト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定箇所を挟み込むクリップ機構にて着脱自在に取り付け可能な携帯用LEDライトに関し、特に、円柱状の乾電池を使用した長時間駆動可能な携帯用LEDライトに関する。
【背景技術】
【0002】
収納や保管が容易で簡便に使用できる携帯用LEDライトのうち、固定箇所を挟み込むクリップ機構にて帽子や衣服、カバンや傘などの携帯具に着脱自在に取り付け可能なものが知られている。かかる携帯用LEDライトは、日常的な活動における定期的な使用から、災害時などの緊急時の使用まで広く用いられ得る。
【0003】
例えば、特許文献1では、衣服の胸ポケットや帽子のつば等にクリップ機構にて着脱自在に取り付け可能な携帯用LEDライトにおいて、軸を中心に回転する円柱状のLED発光部を回転させ、該LED発光部に設けた接点電極と、電池電源を有する本体ケースに設置された接点電極とが接触し該LED発光部を点灯させるクリップ型携帯用LEDライトを開示している。ここでは、クリップ型携帯用LEDライトにおいて、小型化及び軽量化が求められるところ、照射方向の変更をするための構造や、操作のためのスイッチ構造の影響で、全体の構造が複雑になって重量化し、バランスも悪くなることから、クリップ機構で固定箇所に取り付けた後に、LEDライトの照射方向を所望とする照射位置に合わせられず、構造の複雑さから操作性も煩雑となるといったことを述べている。その上で、上記構成であれば、LED発光部の点灯(電源スイッチのON、OFF)及び照射方向の変更を1動作で行い得るとしている。
【0004】
また、特許文献2では、本体部に止着具を保持する止着具取付部を備えるとともに複数の止着具を備える携帯用LEDライトを開示している。複数の止着具によって各種器物に装着可能な汎用性のある携帯用LEDライトとし得て、止着具の1つとして樹脂又は金属製のクリップやワンプッシュ型クリップを用いることを述べている。他方、LEDライトの照射方向については言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-185755号公報
【特許文献2】実用新案登録第3184905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高輝度で省電力の小型LED素子の普及に伴い、その駆動源としてボタン電池の如き小型電池も実用的に耐えて用いられるようになった。一方、災害時や緊急時にあっては、長時間の使用、そして入手の容易さを考慮すると、一般的に、単3型、単4型、単5型と称される円柱状の乾電池の使用が望まれる。そして、このような乾電池であっても、小型LEDライトをよりコンパクトにすることが求められる。また、小型化に当たって、操作性を犠牲にしないことも求められる。
【0007】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、円柱状の乾電池を使用した長時間駆動を可能とし、固定箇所を挟み込むクリップ機構にて帽子などに着脱自在に取り付け可能であって、コンパクト且つ操作性に優れる携帯用小型LEDライトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による携帯用LEDライトは、固定箇所を挟み込むクリップ機構にて着脱自在に取り付け可能な携帯用LEDライトであって、主面の一方をクリップ機構に固定又は一体化され他方の上には垂直に延びる軸体を植設された板状の基台と、軸線を有し前記軸体に前記軸線を垂直となるように軸支させ前記主面と平行な面内で回転自在とされた本体部と、前記軸線の周囲で回転自在となるように前記本体部に組み合わせられたLED発光部と、を含み、前記LED発光部は前記基台に対して前記軸体及び前記軸線により2軸回転支持されるとともに、前記LED発光部に電力を供給する円柱状の乾電池を前記軸線に沿って配置させたことを特徴とする。
【0009】
かかる特徴によれば、円柱状の乾電池を用いて、コンパクト且つ操作性に優れる携帯用小型LEDライトとし得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による1実施例におけるLEDライトの側面図である。
図2】本発明による1実施例におけるLEDライトの背面図である。
図3】他の実施例におけるLEDライトの要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の代表的な一例としての携帯用LEDライトについて、図1及び図2を用いて説明する。
【0012】
図1及び図2に示すように、LEDライト10は、固定箇所を挟み込んでLEDライト10を固定するためのクリップ機構1と、クリップ機構1に回転自在に取り付けられた本体部2と、本体部2に対してさらに回転自在に取り付けられたLED発光部3とを含む。
【0013】
より詳細には、クリップ機構1は、一対の板状の掴み部11のうちの一方を基台として、かかる基台の外側の主面に対して垂直に延びる軸体12を植設されている。軸体12は本体部2を軸支して回動自在とする。つまり、本体部2は、掴み部11の主面と平行な面内で回転する。本体部2はさらに軸体12の延びる方向に対して垂直な軸線Aを有する。軸線Aに沿った本体部2の両端部には一対の軸受部21が備えられ、本体部2に組み合わせられるLED発光部3の両端に備えられる一対の軸部31をそれぞれ軸支し、本体部2に対してLED発光部3を回転自在としている。つまり、LED発光部3は、基台である掴み部11に対して軸体12及び軸線Aにより2軸回転支持されている。なお、各回転支持部は、自重で回転しない程度に回転を抑制するような負荷をかけられており、任意の回転角度で停止させることができる。これによりLED発光部3の向きを任意に調整し得る。
【0014】
クリップ機構1は、一対の掴み部11の主面を互いに間隔を開けて向き合わせるように備える。一対の掴み部11は、長手方向の略中央において互いに向けて延びるアーム13とアーム13同士を回動可能に軸支する回動軸体14とを介して支持され、長手方向の両端を互いに近接又は離間させるようシーソーの如く回動することができる。また、掴み部11は、長手方向の一方の端部である後方端部11bを互いに離間させる方向にバネ15で付勢されている。バネ15は、掴み部11の内側の面に設けられたストッパー17によって端部を固定されたねじりコイルばねである。
【0015】
これにより、掴み部11の前方端部11aは互いに近接する方向に付勢され、前方端部11a近傍の内側に設けられた挟み部16でLEDライト10を取り付ける部材等の固定部を挟み込むことができる。挟み部16の表面にはゴム等の軟質の樹脂を貼りつけて固定部に対して滑りづらくするようにすることも好ましい。なお、上記した通り、一方の掴み部11を基台としているが、掴み部11に固定した別体を基台とするようにしてもよい。すなわち、掴み部11に固定した他の板状体に軸体12を設けてもよい。
【0016】
本体部2は、軸線Aに沿って延びる本体支持部22と、本体支持部22の長手方向両端部から掴み部11の反対側に向けて延びるように形成された一対の軸受部21とを含む。本体支持部22は、長手方向の略中央にて軸体12を挿通されるようにして支持される。軸受部21は、上記したようにLED発光部3の一対の軸部31をそれぞれ軸支し、軸線Aの周りにLED発光部3を回転可能とさせる。
【0017】
LED発光部3は、軸線Aに垂直な方向の光軸を有するLED33及びその周囲に配置された反射板32を備え、LED33を発光させる電力を供給するための乾電池34を内蔵する。乾電池34は円柱状のものであり、典型的には単3型、単4型、単5型と称される円柱状の乾電池を用い得る。乾電池34は、その長手方向を軸線Aに沿って配置されるとともに、両端を軸部31のそれぞれの内部に位置させる。つまり、軸部31による回転軸体の一部として乾電池34を含み、コンパクトな配置とするのである。また、軸部31の内周面は乾電池34の外周面と接するような寸法とされることも好ましい。この場合、軸部31による回転軸体の剛性の一部を乾電池34で担うことができ、軸部31の肉厚を薄くし得て、コンパクトな配置に寄与し得る。
【0018】
LED発光部3は、乾電池34を内部から取り出して交換可能とするよう、蓋体35を軸部31の端面に備える。蓋体35の裏面には乾電池34に接触する電極が設けられ、LED33を点灯させる回路(不図示)に電気的に接続される。
【0019】
また、LED33の点灯を制御するスイッチ部36は、軸線Aに沿って押下するボタンスイッチであることが好ましい。この場合、スイッチ部36の操作によってクリップ機構1に対してLED発光部3の姿勢を変化させてしまう可能性が低く、LED発光部3の向きを任意に調整したまま安定して使用し得る。
【0020】
以上のように、LEDライト10によれば、LED発光部3は、基台である掴み部11に対して軸体12及び軸線Aにより2軸回転支持されて任意の向きに光軸を調整し得る。つまり、操作性に優れるとともに、ボタン電池に比べて長時間の駆動を可能とする円柱状の乾電池34を用いてコンパクトな携帯用小型LEDライトとし得る。
【0021】
特に、クリップ機構1を用いたことで、帽子やかばんなどの持ち物やその他の固定物に汎用的に取り付けを可能とする。ここで、クリップ機構1による固定においては、固定部の形状によってクリップ機構1の向きがある程度限定されてしまう。これに対し、LEDライト10によれば、2軸回転支持とすることでLED33の光軸の向きを任意に調整可能となる。これにより、LEDライト10の使用者は、照らしたい方向に自由に光を照射するよう容易に調整できる。
【0022】
図3に示すように、蓋体35を本体部2の軸受部21に取り付けるようにすることもできる。上記した例では、蓋体35をLED発光部3の軸体に取り付けたが、ここでは本体部2に取り付ける。そのため、LED発光部3を本体部2に対して回転させたときに蓋体35の裏面に設けた電極が軸部31や乾電池34に対して回転することになる。
【0023】
そこで、例えば、蓋体35の裏面中央には圧縮コイルバネによる負電極41を設けて乾電池34の負極に接触させる。他方、乾電池34の正極に接触させる正電極42は、軸体31の内周面に沿って負極側に延長されて、軸体31の端部で外側に折り曲げるようにされる。そして、正電極42の折り曲げた部分に蓋体35の裏面に設けたスライド接点43を接触させる。スライド接点43は、蓋体35の裏面において、円環状に配置され、軸体31の回転に伴って回転する正電極42に常に接触するようにされる。これにより、軸体31とともに乾電池34が軸線Aの周りに回転しても、負電極41及び正電極42へのLEDを点灯させる回路の接触を保つことができる。
【0024】
ここまで本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれらの例に限定されるものではない。また、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0025】
1 クリップ機構
2 本体部
3 LED発光部
10 LEDライト
11 掴み部
12 軸体
31 軸部
33 LED
34 乾電池
A 軸線

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定箇所を挟み込むクリップ機構にて着脱自在に取り付け可能な携帯用LEDライトであって、
主面の一方をクリップ機構に固定又は一体化され他方の上には垂直に延びる軸体を植設された板状の基台と、
軸線を有し前記軸体に前記軸線を垂直となるように軸支されて前記主面と平行な面内で回転自在とされた本体部と、
前記軸線に沿って離間して配置させた前記本体部の一対の軸受部の間で、両端に備えられた一対の軸部を一対の前記軸受部の軸受孔の内部にそれぞれ配置させて軸支させ、光軸を前記軸線に垂直な方向に向けつつ前記軸線の周囲で回転自在となるように前記本体部に組み合わせられたLED発光部と、を含み、
前記LED発光部は前記基台に対して前記軸体及び前記軸線により2軸回転支持されるとともに、前記LED発光部に電力を供給する円柱状の乾電池を前記軸線に沿って配置させその両端部を一対の前記軸部の内部にそれぞれ与えるように乾電池収容部が設けられ、前記軸部での前記乾電池収容部の内周面が前記乾電池の外周面に接する寸法であることを特徴とする携帯用LEDライト。
【請求項2】
前記LED発光部の点灯を制御するスイッチ部は、先記軸線に沿って押下するボタンスイッチであることを特徴とする請求項1記載のLEDライト。
【請求項3】
前記LED発光部は前記軸線の周囲で回転しつつLEDを点灯させる回路となる接触を保つスライド接点を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のLEDライト。