(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038513
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】木製部材と構造部材との接続構造、木製部材と構造部材との接続方法、及び、構造物の設計方法
(51)【国際特許分類】
E04B 1/26 20060101AFI20230310BHJP
E04B 1/58 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
E04B1/26 G
E04B1/58 508T
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145283
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 章弘
(72)【発明者】
【氏名】辻 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】榎本 浩之
(72)【発明者】
【氏名】貞弘 雅晴
(72)【発明者】
【氏名】溝呂木 健
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA04
2E125AA14
2E125AB01
2E125AC15
2E125AC23
2E125BB02
2E125CA05
(57)【要約】
【課題】梁端部における降伏耐力をより適切に評価することができる木製部材と構造部材との接続構造、木製部材と構造部材との接続方法、及び、構造物の設計方法を提供する。
【解決手段】木製部材と構造部材とを、鋼製仕口部材を介して接続する木製部材と構造部材との接続構造であって、前記木製部材に取り付けられる鋼製接続部材を有しており、前記鋼製接続部材は、前記鋼製仕口部材と接続し、前記木製部材の耐力に基づいて降伏するする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木製部材と構造部材とを、鋼製仕口部材を介して接続する木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記木製部材に取り付けられ、前記鋼製仕口部材と接続し、前記木製部材の耐力に基づいて降伏する鋼製接続部材を有することを特徴とする木製部材と構造部材との接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載の木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記鋼製接続部材は、前記鋼製仕口部材に接続する鋼製跳ね出し部と、
前記木製部材に取り付けられて前記鋼製跳ね出し部と接合する端部鋼製部と、
を有することを特徴とする木製部材と構造部材との接続構造。
【請求項3】
請求項2に記載の木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記鋼製跳ね出し部と前記端部鋼製部とは、剛接合されていることを特徴とする木製部材と構造部材との接続構造。
【請求項4】
請求項3に記載の木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記鋼製跳ね出し部と前記端部鋼製部とは、ボルトにより接続されていることを特徴とする木製部材と構造部材との接続構造。
【請求項5】
請求項3に記載の木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記鋼製跳ね出し部と前記端部鋼製部とは、溶接により接続されていることを特徴とする木製部材と構造部材との接続構造。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記鋼製跳ね出し部は、第1フランジ及び第1ウェブを有し前記木製部材と共に梁を構成し、
前記第1フランジは、当該第1フランジの幅が一定となる一般部分と、前記梁の長手方向における当該梁の梁端から中央側に所定距離寄った位置で前記第1フランジの幅が削減する縮幅部分と、を有していることを特徴とする木製部材と構造部材との接続構造。
【請求項7】
請求項6に記載の木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記縮幅部分は、前記鋼製跳ね出し部において、前記鋼製仕口部材に接続される側に偏った位置に設けられていることを特徴とする木製部材と構造部材との接続構造。
【請求項8】
請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記端部鋼製部は、第2フランジ及び第2ウェブを有し、前記木製部材と共に梁を構成し、
前記第2ウェブは、前記木製部材側に配置される端に、前記鋼製跳ね出し部と接合される側に窪む切り欠き部を有し、前記木製部材に設けられ前記梁の長手方向に沿って形成されたスリットに挿入され、
前記第2フランジは、前記木製部材の上面及び下面と各々対向しており、
前記第2フランジ及び前記第2ウェブは、前記木製部材と接着されていることを特徴とする木製部材と構造部材との接続構造。
【請求項9】
木製部材と構造部材とを、鋼製仕口部材を介して接続する木製部材と構造部材との接続方法であって、
前記木製部材の耐力に基づいて降伏する鋼製接続部材を前記木製部材に取り付ける鋼製接続部材取付工程と、
前記鋼製接続部材を介して前記木製部材を前記鋼製仕口部材と接続する接続工程と、
を有することを特徴とする木製部材と構造部材との接続方法。
【請求項10】
請求項9に記載の木製部材と構造部材との接続方法であって、
前記鋼製接続部材は、前記木製部材に予め生産設備で取り付けられることを特徴とする木製部材と構造部材との接続方法。
【請求項11】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の木製部材と構造部材との接続構造を有する構造物の設計方法であって、
前記木製部材の耐力を算出する算出工程と、
前記算出工程により算出された耐力に基づいて所定の降伏耐力を備える前記鋼製接続部材を設計する鋼製接続部材設計工程と、
を有することを特徴とする構造物の設計方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木製部材と構造部材との接続構造、木製部材と構造部材との接続方法、及び、構造物の設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1のように、柱が有する鋼製仕口部と、木質梁の端部に接合された鋼製ブラケットとを接合部材を介して離間可能に圧着接合する柱梁の接続構造や、特許文献2のように、木質梁の材軸方向の端部に設けられた鋼製の梁側接合部材の上端部を、柱の仕口部に設けられた鋼製の柱側接合部材に接合する接合手段と、梁側接合部材に作用する鉛直方向下向きのせん断力を柱側接合部材に伝達する伝達手段と、を備えた柱梁の接続構造は知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-133356号公報
【特許文献2】特開2021-98952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の接続構造では、木質梁の端部における降伏耐力の評価が困難であり、木質梁の端部における降伏耐力に十分に安全率を見込んで、設定しなければならないという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、木製部材を有して接合される部材の端部における降伏耐力を評価することができる木製部材と構造部材との接続構造、木製部材と構造部材との接続方法、及び、当該接続構造を有する構造物の設計方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明の木製部材と構造部材との接続構造は、
木製部材と構造部材とを、鋼製仕口部材を介して接続する木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記木製部材に取り付けられ、前記鋼製仕口部材と接続し、前記木製部材の耐力に基づいて降伏する鋼製接続部材を有することを特徴とする木製部材と構造部材との接続構造である。
【0007】
このような木製部材と構造部材との接続構造によれば、木製部材に取り付けられて、鋼製仕口部材と接続する鋼製接続部材は、木製部材の耐力に基づいて降伏するので、鋼製接続部材の降伏耐力により、木製部材と鋼製接続部材でなる部材の端部における降伏耐力を評価することが可能となる。
【0008】
かかる木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記鋼製接続部材は、前記鋼製仕口部材に接続する鋼製跳ね出し部と、
前記木製部材に取り付けられて前記鋼製跳ね出し部と接合する端部鋼製部と、
を有することを特徴とする。
【0009】
このような木製部材と構造部材との接続構造によれば、鋼製接続部材が、鋼製仕口部材に接続する鋼製跳ね出し部と、木製部材に取り付けられて鋼製跳ね出し部と接合する端部鋼製部とを有しているので、例えば、鋼製跳ね出し部を予め鋼製仕口部材に接合しておき、端部鋼製部を予め木製部材に取り付けておき、鋼製跳ね出し部と端部鋼製部とを接合して木製部材と構造部材とを接続することができる。また、木製部材の耐力に基づいて降伏する部材は、鋼製跳ね出し部と端部鋼製部とのいずれにすることもできるので、設計の自由度が向上する。
【0010】
かかる木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記鋼製跳ね出し部と前記端部鋼製部とは、剛接合されていることを特徴とする。
【0011】
このような木製部材と構造部材との接続構造によれば、鋼製跳ね出し部と端部鋼製部とが剛接合されているので、鋼製接続部材が鋼製跳ね出し部と端部鋼製部との2つの部材で構成されていたとしても、鋼製接続部材を1つの鋼製の部材として降伏耐力を評価することが可能である。
【0012】
かかる木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記鋼製跳ね出し部と前記端部鋼製部とは、ボルトにより接続されていることを特徴とする。
【0013】
このような木製部材と構造部材との接続構造によれば、鋼製跳ね出し部と端部鋼製部とが、ボルト接合により接続されているので、鋼製跳ね出し部と端部鋼製部を確実に剛接合することができる。
【0014】
かかる木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記鋼製跳ね出し部と前記端部鋼製部とは、溶接により接続されていることを特徴とする。
【0015】
このような木製部材と構造部材との接続構造によれば、鋼製跳ね出し部と端部鋼製部とが、溶接接合により接続されているので、鋼製跳ね出し部と端部鋼製部を確実に剛接合することができる。
【0016】
かかる木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記鋼製跳ね出し部は、第1フランジ及び第1ウェブを有し前記木製部材と共に梁を構成し、
前記第1フランジは、当該第1フランジの幅が一定となる一般部分と、前記梁の長手方向における当該梁の梁端から中央側に所定距離寄った位置で前記第1フランジの幅が削減する縮幅部分と、を有していることを特徴とする。
【0017】
このような木製部材と構造部材との接続構造によれば、第1フランジおよび第1ウェブからなり木製部材と共に梁を構成する鋼製跳ね出し部において、第1フランジ幅が一定となる一般部分と、梁端から中央側に所定距離寄った位置で第1フランジ幅が削減する縮幅部分とを有する、いわゆるドッグボーン形状の部位を備える構成としたので、梁の端から中央側に寄った縮幅部分を先行して降伏させることができる。このため、縮幅部分が木製部材より先行して降伏すべく設定しておくことにより、縮幅部分においては第1ウェブ耐力を含めて梁端耐力を決定することが可能となる。すなわち、梁の構造設計において、第1ウェブの耐力を評価できることとなって、木製部材の断面サイズを小さくすること及び必要とする鋼製材料の量を低減することができる。
【0018】
かかる木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記縮幅部分は、前記鋼製跳ね出し部において、前記鋼製仕口部材に接続される側に偏った位置に設けられていることを特徴とする。
【0019】
このような木製部材と構造部材との接続構造によれば、縮幅部分が、鋼製跳ね出し部において、鋼製仕口部材に接続される側となる梁端部側、すなわち柱により近い側に配置されるので、より早く降伏させることができる。
【0020】
かかる木製部材と構造部材との接続構造であって、
前記端部鋼製部は、第2フランジ及び第2ウェブを有し、前記木製部材と共に梁を構成し、
前記第2ウェブは、前記木製部材側に配置される端に、前記鋼製跳ね出し部と接合される側に窪む切り欠き部を有し、前記木製部材に設けられ前記梁の長手方向に沿って形成されたスリットに挿入され、
前記第2フランジは、前記木製部材の上面及び下面と各々対向しており、
前記第2フランジ及び前記第2ウェブは、前記木製部材と接着されていることを特徴とする。
【0021】
このような木製部材と構造部材との接続構造によれば、木製部材の端に接合され、第2フランジ及び第2ウェブを有する端部鋼製部は、木製部材の上下の面と対向する第2フランジが接着されているので、木製部材に入力される水平力により生じるモーメントに、木製部材の上面と上側の第2フランジとの接着部、及び、木製部材の下面と下側の第2フランジとの接着部により対抗することができる。このとき、第2フランジが接着されているのは、木製部材の上面及び下面なので、梁において上下方向の間隔が最も広い位置で応力が伝達される。このため、第2フランジと木製部材とが対向して接着される面積をより小さくすることができるので、端部鋼製部をより小さくすることができる。また、第2ウェブには切り欠き部が設けられているので、スリットに挿入された第2ウェブが木製部材と対向する面積を狭くすることができる。このため、接着剤の使用量を低減することができる。
【0022】
また、木製部材と構造部材とを、鋼製仕口部材を介して接続する木製部材と構造部材との接続方法であって、
前記木製部材の耐力に基づいて降伏する鋼製接続部材を前記木製部材に取り付ける鋼製接続部材取付工程と、
前記鋼製接続部材を介して前記木製部材を前記鋼製仕口部材と接続する接続工程と、
を有することを特徴とする木製部材と構造部材との接続方法である。
【0023】
このような木製部材と構造部材との接続方法によれば、木製部材に取り付けられた、木製部材の耐力に基づいて降伏する鋼製接続部材を介して木製部材を、容易に、かつ、確実に鋼製仕口部材と接続することが可能となる。
【0024】
かかる木製部材と構造部材との接続方法であって、
前記鋼製接続部材は、前記木製部材に予め生産設備で取り付けられることを特徴とする。
【0025】
このような木製部材と構造部材との接続方法によれば、鋼製接続部材は、木製部材に予め生産設備で取り付けられているので、例えば工場などに設置されている生産設備を用いてより容易に、かつ、より正確に鋼製接続部材を木製部材に取り付けておくことができる。また、木製部材に予め鋼製接続部材が取り付けられているので、現場での接合が、溶接接合又はボルト接合で可能となり、木製部材と構造部材との接続作業が簡略化されて、作業員の少数化、工期短縮が可能となる。
【0026】
また、木製部材と構造部材との接続構造を有する構造物の設計方法であって、
前記木製部材の耐力を算出する算出工程と、
前記算出工程により算出された耐力に基づいて所定の降伏耐力を備える前記鋼製接続部材を設計する鋼製接続部材設計工程と、
を有することを特徴とする構造物の設計方法である。
【0027】
このような構造物の設計方法によれば、木製部材に取り付けられて鋼製仕口部材と接続され、木製部材の耐力に基づいて降伏する鋼製接続部材を容易に設計することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、木製部材を有して接合される部材の端部における降伏耐力を評価することができる木製部材と構造部材との接続構造、木製部材と構造部材との接続方法、及び、当該接続構造を有する構造物の設計方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる梁と柱との接合部を示す斜視図である。
【
図2】梁と柱との接合部の構成を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4(a)は、
図3におけるA-A断面図であり、
図4(b)は、
図3におけるB-B断面図であり、
図4(c)は、
図3におけるC-C断面図である。
【
図5】
図5(a)は、
図3におけるD-D断面図であり、
図5(b)は、
図3におけるE-E断面図であり、
図5(c)は、
図3におけるF-F断面図である。
【
図7】木製部材と構造部材との接続構造を有する構造物の設計方法を示す図である。
【
図8】木製部材と構造部材との接続方法を示す図である。
【
図9】梁と柱との接合部の変形例の構成を示す分解斜視図である。
【
図10】Y方向に延びる梁が設けられている梁と柱との接合部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態に係る木製部材と構造部材との接続構造、木製部材と構造部材との接続方法、及び、当該接続構造を有する構造物の設計方法について図面を参照して説明する。
【0031】
本実施形態に係る木製部材と構造部材との接続構造を、
図1に示すように、柱1と梁2とが接合されている柱梁接合部を例に挙げて説明する。以下の説明においては、梁2の長手方向をX方向、梁2の幅方向をY方向、柱1の長手方向(鉛直方向)をZ方向として示す。また、木製部材と構造部材との接続構造を構成する各部位であっても、また、木製部材と構造部材との接続構造を構成する各部材については単体の状態であっても、柱1と梁2とが接合された状態でX方向、Y方向、Z方向等となる方向にて方向を特定して説明する。
【0032】
本実施形態に係る木製部材と構造部材との接続構造が適用された柱梁接合部は、
図1、
図2に示すように、柱1は、構造部材としての木製の上側柱部材10及び木製の下側柱部材11と、上側柱部材10と下側柱部材11との間に介在され、上側柱部材10と下側柱部材11とを上下に繋ぐ鋼製仕口部材3と、を有している。
【0033】
梁2は、木製部材としての梁本体20と、梁本体20の両端にそれぞれ取り付けられる鋼製接続部材4と、を有しており、鋼製接続部材4は、梁本体20と接合される端部鋼製部5と、端部鋼製部5及び鋼製仕口部材3と接合される鋼製跳ね出し部6と、を有している。
【0034】
上側柱部材10及び下側柱部材11は、水平断面が略矩形状をなし、例えば、板状をなす3枚の木質板材が積層され、積層されている積層方向に綴り材が貫入されて一体化された木製の部材である。
【0035】
鋼製仕口部材3は、
図2、
図3に示すように、X方向に間隔を空けて対向する2枚の側板部3aと、2枚の側板部3aの間に配置され、Z方向に間隔を空けて対向する上水平板部3b及び下水平板部3cと、上水平板部3bと下水平板部3cとを上下に繋ぐ鉛直壁部3dと、を有している。本実施形態では、2枚の側板部3aの間に、H型鋼が設けられており、鉛直壁部3dをなすウェブをX方向に沿わせて配置され、H型鋼の上下のフランジが上水平板部3b及び下水平板部3cをなしている。そして、上水平板部3b、下水平板部3c及び鉛直壁部3dは、X方向の両端部が、2枚の側板部3aに溶接されて一体化され、鋼製仕口部材3が形成されている。
【0036】
図3、
図4に示すように、2枚の側板部3a、上水平板部3b及び下水平板部3cのY方向の幅は、上側柱部材10及び下側柱部材11のY方向の幅とほぼ等しく形成されており、鋼製仕口部材3のX方向の幅は、上側柱部材10及び下側柱部材11のX方向の幅とほぼ等しく形成されている。
【0037】
図2、
図4(b)に示すように、2枚の側板部3aにおいて、互いに対向する側の面には、互いに対向する側に突出させて、板状のリブ3eが設けられている。リブ3eは、各側板部3aの上水平板部3bよりも上側及び下水平板部3cよりも下側にZ方向に沿って設けられている。
【0038】
各側板部3aには、上水平板部3bの上側及び下水平板部3cの下側にそれぞれ2つずつ設けられており、側板部3aのX方向の幅をほぼ三等分する位置に各リブ3eが設けられている。
【0039】
上側柱部材10は、下面が上水平板部3bの上面に当接し、下側柱部材11は、上面が下水平板部3cの下面に当接する状態で、鋼製仕口部材3と接合されている。このため、上側柱部材10のX方向の両側面には、側板部3aの上水平板部3bよりも上側の部位が配置される柱上凹部10aと、リブ3eが挿入される柱上スリット10bとが設けられている。また、下側柱部材11のX方向の両側面には、側板部3aの上水平板部3bよりも下側の部位が配置される柱下凹部11aと、リブ3eが挿入される柱下スリット11bとが設けられている。
【0040】
上側柱部材10は、鋼製仕口部材3の上方から、2枚の側板部3aの間に挿入されて、下面が上水平板部3bの上面に当接するように配置される。このとき、鋼製仕口部材3の上水平板部3bよりも上に設けられている各リブ3eが、柱上スリット10bに挿入される。上側柱部材10と、鋼製仕口部材3とは、上側柱部材10の側面と2枚の側板部3aが対向している部位との間、及び、柱上スリット10bとリブ3eとの間が接着剤により接着されて一体化されている。
【0041】
下側柱部材11は、鋼製仕口部材3の下方から、2枚の側板部3aの間に挿入されて、上面が下水平板部3cの下面に当接するように配置される。このとき、鋼製仕口部材3の下水平板部3cよりも下に設けられている各リブ3eが、柱下スリット11bに挿入される。下側柱部材11と、鋼製仕口部材3とは、下側柱部材11の側面と2枚の側板部3aが対向している部位との間、及び、柱下スリット11bとリブ3eとの間が接着剤により接着されて一体化されている。
【0042】
梁本体20とともに梁2を構成する端部鋼製部5及び鋼製跳ね出し部6は、
図2に示すように、同一の断面形状をし、上下に位置する各々のフランジ5a、6aと各々のフランジ5a、6aを上下に繋ぐ各々のウェブ5b、6bでなるH型鋼により形成されている。端部鋼製部5及び鋼製跳ね出し部6は、各々のウェブ5b、6bが、梁2の長手方向(X方向)に沿わされて配置される。
【0043】
梁本体20は、鉛直断面が略矩形状をなし、例えば、上側柱部材10及び下側柱部材11と同様に、板状をなす3枚の木質板材がY方向に積層され、積層されている積層方向に綴り材が貫入されて一体化された木製の部材である。梁本体20は、
図5(a)~
図5(c)に示すように、例えばY方向の幅W1が360mm、Z方向の幅(梁せい)H1が720mmであり、端部鋼製部5及び鋼製跳ね出し部6をなすH型鋼の、各フランジ5a、6aのY方向の幅W2は360mmであり、H型鋼の高さH2は720mmに揃えられている。
【0044】
端部鋼製部5は、梁本体20の端部の上下の面が、各第2フランジ5aの、柱1とは反対側の部位と対向するように配置されて接合されている。このため、梁本体20の上面及び下面には、第2フランジ5aの柱1とは反対側の部位が配置される梁凹部20aと、第2ウェブ5bが挿入される梁スリット20bとが設けられている。
【0045】
端部鋼製部5は、
図2に示すように、上下の第2フランジ5a間に配置された梁本体20の端が当接、または近接して対向する壁部5cが上下の第2フランジ5a及び第2ウェブ5bと繋がるように設けられている。壁部5cよりも梁本体20側となる第2ウェブ5bには、梁本体20側の端に柱1側に凹む切り欠き部5dが設けられている。このため、壁部5cよりも梁本体20側となる第2ウェブ5bは、上の第2フランジ5aから垂設されている部位5eと、下の第2フランジ5aから立設されている部位5fとが上下に間隔が空けられており、壁部5c側で繋がった部位5gを有するコ字状をなしている。このため、梁本体20は、梁スリット20bに第2ウェブ5bが挿入された際に、切り欠き部5dに配置される部位を有しており、梁スリット20bは、切り欠き部5dに配置される部位の上下では繋がっていない。また、壁部5cよりも梁本体20側となる第2ウェブ5bの、壁部5c側で繋がった部位5gには、ドリフトピン(不図示)が打ち込まれる位置に貫通孔5hが設けられている。
【0046】
図1、
図2に示すように、壁部5cよりも柱1側となる第2フランジ5a及び第2ウェブ5bには、端部鋼製部5と鋼製跳ね出し部6とに掛け渡して配置されるスプライスプレート7と共に貫通するボルト8が挿通される挿通孔5iが、複数設けられている。挿通孔5iは、第2フランジ5aにはX方向に沿って並べて設けられており、第2ウェブ5bには、柱1側にZ方向に沿って並べて設けられている。尚、
図2においては、下側の第2フランジ5aと第1第1フランジ6aとに掛け渡されるスプライスプレート7を一部省略している。
【0047】
梁本体20は、端部鋼製部5の上下の第2フランジ5aの間に挿入されて、端面が壁部5cに当接、または近接して対向するように配置される。このとき、端部鋼製部5の第2ウェブ5b(5e、5f、5g)が、梁スリット20bに挿入される。梁本体20と、端部鋼製部5とは、梁本体20の上下の面と上下の第2フランジ5aが対向している部位との間、及び、梁スリット20bと端部鋼製部5の第2ウェブ5b(5e、5f、5g)との間が接着剤により接着されて一体化されている。このため、梁2は、梁本体20と端部鋼製部5との接着面にて梁本体20からの応力を端部鋼製部5に伝達させている。ここで、梁本体20の上下の面と上下の第2フランジ5aが対向している部位の、X方向の長さL1は、例えば300mmであり、梁スリット20bに挿入される端部鋼製部5の第2ウェブ5bにおいて、上の第2フランジ5aから垂設されている部位5e及び下側の第2フランジ5aから立設されている部位5fの高さH3は、
図5(b)に示すように、例えば60mmに設定されている。
【0048】
鋼製跳ね出し部6は、X方向における一方の端部が、鋼製仕口部材3の一方の側板部3aに当接されて溶接により剛接合されている。鋼製跳ね出し部6は、上下の第1第1フランジ6aが鋼製仕口部材3の上水平板部3b及び下水平板部3cとほぼ同じ高さに溶接されている。
【0049】
鋼製跳ね出し部6の他方側の端部側には、第1フランジ6a及び第1第1ウェブ6bに、端部鋼製部5と鋼製跳ね出し部6とに掛け渡して配置されるスプライスプレート7と共に貫通するボルト8が挿通される挿通孔6cが、複数設けられている。挿通孔6cは、第1フランジ6aにはX方向に沿って並べて設けられており、第1ウェブ6bには、端部鋼製部5側にZ方向に沿って並べて設けられている。
【0050】
端部鋼製部5と鋼製跳ね出し部6とは、互いにX方向の端部が突き合わされて配置され、互いに有する上下の各フランジ5a、6a同士、及び、各ウェブ5b、6b同士が、各々の両面に設けられるスプライスプレート7により挟まれた状態で貫通するボルト8にナットが締め込まれて剛接合される。
【0051】
鋼製跳ね出し部6の上下の第1フランジ6aには、
図2、
図6に示すように、木製の梁本体20よりも先行して鋼製跳ね出し部6を降伏させること、換言すると、梁本体20が曲げ降伏するまえに鋼製跳ね出し部6で降伏させることを目的として、それぞれ、第1フランジ6aのY方向の幅W2が、一定となる第1フランジ6aの他の部位(一般部分)6dよりも狭くなる縮幅部分6eが設けられている。すなわち、第1フランジ6aは、Y方向の幅W2が一定となる一般部分6dと、梁端2aから中央側(図中右側)に所定距離L2だけ寄った位置でフランジ6aに凹設される曲線をもって滑らかに削減する縮幅部分6eと、が形成され、所謂ドッグボーン形状をなす部位を有している。
【0052】
具体的には、ドッグボーン形状をなす部位は、第1フランジ6aの一般部分6dとなる例えばX方向における端のY方向の幅W2が360mmの場合に、縮幅部分6eのY方向の幅W3は200mmに設定され、縮幅部分6eは、梁2の長手方向において当該梁2の柱1側の端2aからの距離L2が350mmの位置に設けられている。
【0053】
そして、縮幅部分6eを有する鋼製跳ね出し部6の降伏耐力は、梁本体20のせん断耐力に基づいて設定される。例えば、縮幅部分6eを有する鋼製跳ね出し部6の設計方法は
図7に示すように、まず、梁本体20のせん断耐力を算出し(S1 算出工程)、算出した梁本体20のせん断耐力以下のせん断力で鋼製跳ね出し部6が縮幅部分6eにて降伏するように鋼製跳ね出し部6を設計する(S2 鋼製接続部材設計工程)。より具体的には、鋼製跳ね出し部6における一般部の幅、縮幅部の幅、縮幅部のX方向の長さ、第1フランジ6aの厚みなどを設計する。
【0054】
本実施形態の梁部材20と上側柱部材10及び下側柱部材11との接続方法は、例えば、
図8に示すように、まず、製造工場などの生産設備において、梁本体20の端部を、端部鋼製部5の上下の第2フランジ5aの間に挿入し接着剤で接着しておく(S11 鋼製接続部材取付工程)。また、製造工場などの生産設備において、鋼製仕口部材3には鋼製跳ね出し部6を溶接しておく。
【0055】
次に、鋼製跳ね出し部6が接合された鋼製仕口部材3、及び、端部鋼製部5が接合された梁本体20を、施工現場に搬入する。
【0056】
次に、施工現場において、立設されている下側柱部材11の上方から鋼製仕口部材3を載置して、2つの側板部3a間に下側柱部材11の上端部を挿入して接着し、下側柱部材11上に取り付けられた鋼製仕口部材3の上方から上側柱部材10の下端部を2つの側板部3a間に挿入して接着し、柱1を構築する。
【0057】
次に、構築した柱1から突出している鋼製跳ね出し部6の先端に、梁本体20に取り付けられている端部鋼製部5の端部を突き合わせて配置し、端部鋼製部5と鋼製跳ね出し部6との上下の各フランジ5a、6a及び各ウェブ5b、6bにスプライスプレート7を掛け渡してボルト8で接合することにより、鋼製接続部材4を介して梁本体20と鋼製仕口部材3と接続する(S12 接続工程)。
【0058】
本実施形態の木製部材と構造部材との接続構造、すなわち、梁本体20と上側柱部材10及び下側柱部材11との接続構造によれば、木製の梁本体20に取り付けられて、上側柱部材10及び下側柱部材11と接合されている鋼製仕口部材3と接続する鋼製接続部材4は、梁本体20のせん断耐力に基づいて降伏するように設定されているので、鋼製接続部材4の降伏耐力により、梁端部における降伏耐力を評価することが可能となる。
【0059】
また、鋼製接続部材4が、鋼製仕口部材3に接続する鋼製跳ね出し部6と、鋼製跳ね出し部6と接合する端部鋼製部5とを有しているので、例えば、鋼製跳ね出し部6を予め鋼製仕口部材3に接合しておき、端部鋼製部5を予め梁本体20に接合しておき、鋼製跳ね出し部6と端部鋼製部5とを接合して梁本体20と上側柱部材10及び下側柱部材11とを接続することができる。また、梁本体20のせん断耐力に基づいて降伏する梁2は、鋼製跳ね出し部6及び端部鋼製部5のいずれにすることも可能なので、設計の自由度が向上する。
【0060】
また、鋼製跳ね出し部6と端部鋼製部5とが剛接合されているので、鋼製接続部材4が鋼製跳ね出し部6と端部鋼製部5との2つの部材で構成されていたとしても、鋼製接続部材4を1つの鋼製の部材として降伏耐力を評価することが可能である。
【0061】
また、鋼製跳ね出し部6と端部鋼製部5とが、両者に掛け渡されたスプライスプレートを介してボルト8により接続されているので、鋼製跳ね出し部6と端部鋼製部5とを確実に剛接合することができる。尚、鋼製跳ね出し部6と端部鋼製部5とはボルト8により接合に限らず、例えば、溶接接合により接続しても、鋼製跳ね出し部6と端部鋼製部5とを確実に剛接合することができる。
【0062】
また、第1フランジ6aおよび第1ウェブ6bからなり梁本体20と共に梁2を構成する鋼製跳ね出し部6において、第1フランジ6aの幅W2が一定となる一般部分6dと、梁2の端から中央側に所定距離L2寄った位置で第1フランジ6aの幅が削減する縮幅部分6eとを有する、いわゆるドッグボーン形状の部位を備える構成したので、梁2の端から中央側に寄った縮幅部分6eを先行して降伏させることができる。このため、縮幅部分6eが梁本体20より先行して降伏すべく設定しておくことにより、縮幅部分6eにおいては第1ウェブ6bの耐力を含めて梁端耐力を決定することが可能となる。すなわち、梁2の構造設計において、第1ウェブ6bの耐力を評価できることとなって、梁本体20の断面サイズをより小さくすること及び必要とする鋼製材料の量を低減することができる。
【0063】
また、縮幅部分6eが、鋼製跳ね出し部6において、鋼製仕口部材3に接続される側となる梁端部側、すなわち柱1により近い側に配置されるので、より早く降伏させることができる。
【0064】
また、梁本体20の端に接合され、第2フランジ5a及び第2ウェブ5bを有する端部鋼製部5は、梁本体20の上下の面と対向する第2フランジ5aが接着されているので、梁本体20に入力される水平力により生じるモーメントに、梁本体20の上面と上側の第2フランジ5aとの接着部、及び、梁本体20の下面と下側の第2フランジ5aとの接着部により対抗することができる。このとき、第2フランジ5aは梁本体20の上面及び下面と接着されているので、梁2において上下方向の間隔が最も広い位置で応力が伝達される。このため、第2フランジ5aが梁本体20と対向して接着する面積をより小さくすることができるので、端部鋼製部5をより小さくすることができる。また、第2ウェブ5bには切り欠き部5dが設けられているので、梁スリット20bに挿入された第2ウェブ5bが梁本体20と対向する面積を狭くすることができる。このため、接着剤の使用量を低減することができる。
【0065】
また、本実施形態の木製部材と構造部材との接続方法によれば、梁本体20のせん断耐力に基づいて降伏する鋼製接続部材4が取り付けられた梁本体20を、容易に、かつ、確実に鋼製仕口部材3と接続することが可能となる。
【0066】
また、端部鋼製部5は、梁本体20に予め生産設備で取り付けられているので、生産設備を用いてより容易に、かつ、より正確に端部鋼製部5を梁本体20に取り付けておくことができる。また、梁本体20に予め端部鋼製部5が取り付けられているので、現場での鋼製跳ね出し部6との接合が、溶接接合又はボルト接合で可能となり、梁本体20と柱1との接続作業が簡略化されて、作業員の少数化、工期短縮が可能となる。
【0067】
また、本実施形態の構造物の設計方法によれば、梁本体20に取り付けられて、鋼製仕口部材3と接続されて、梁本体20のせん断耐力に基づいて降伏する鋼製接続部材4を容易に設計することが可能となる。
【0068】
上記実施形態においては、端部鋼製部5が備え梁本体20に挿入される第2ウェブ5bが1枚設けられている例について説明したが、例えば
図9に示すように、第2ウェブ5bが2枚設けられていてもよい。この場合には、2枚の第2ウェブ5bが梁本体20の梁スリット20bに挿入されて接着されるので、上の第2フランジ5aから垂設されている部位5e及び下側の第2フランジ5aから立設されている部位5fの高さを、第2ウェブ5bが1枚の場合よりも低くすることができ、梁本体20への加工が容易になる。
【0069】
上記実施形態においては、鋼製仕口部材3にX方向に沿う梁2が接続されている例について説明したが、
図10に示すように、Y方向に沿う梁が設けられていても構わない。
【0070】
上記実施形態においては、木製の梁本体20よりも先行して鋼製接続部材4を降伏させることを目的として、鋼製跳ね出し部6の第1フランジ6aに幅方向に凹設され、曲線をもって滑らかに削減する縮幅部分6eを設ける例について説明したが、これに限らず、例えば、端部鋼製部5の第2フランジ5aに縮幅部を設けても構わない。
【0071】
また、上記実施形態においては、木製の梁本体20よりも先行して鋼製跳ね出し部6を降伏させることを目的として、第1フランジ6aに幅方向に凹設され、曲線をもって滑らかに削減する縮幅部分6eを設ける例について説明したが、これに限るものではない。例えば、第1フランジ6aの幅方向の端から矩形状にへこむ凹部を形成する、或いは、スリットを形成するなどして降伏耐力を低下させてもよい。また、第1フランジ6aに、Y方向の幅W2が狭くなる縮幅部分6eを設ける例について説明したが、これに限るものではない。例えば、第1フランジ6a及び第1ウェブ6bの厚みを薄くする、或いは、鋼製跳ね出し部6の材料を変更するなどして、鋼製跳ね出し部6の降伏耐力を低下させても構わない。
【0072】
上記実施形態においては、本体20の端部に取り付けられた端部鋼製部5を、鋼製仕口部材3に取り付けられた鋼製跳ね出し部6に接合することにより、鋼製接続部材4を介して梁本体20と鋼製仕口部材3とを接続する例について説明したが、本体20の端部に鋼製接続部材4を取り付けて、鋼製接続部材4と鋼製仕口部材3とを接合することにより、鋼製接続部材4を介して梁本体20と鋼製仕口部材3とを接続しても構わない。
【0073】
また、梁本体20の端部に端部鋼製部5を製造工場などの生産設備において取り付け、施工現場において端部鋼製部5と鋼製跳ね出し部6とを接合することにより、鋼製接続部材4を介して梁本体20と鋼製仕口部材3とを接続する例について説明したが、これに限らず、端部鋼製部5または鋼製接続部材4と梁本体20との接合は、施工現場で行っても構わない。
【0074】
上記実施形態においては、柱1を構成する構造部材として、木製の上側柱部材10及び木製の下側柱部材11を例に挙げて説明したが、鋼製仕口が設けられる構造部材としては、例えば鉄骨部材や基礎などのRC部材であっても構わない。
【0075】
以上、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0076】
2 梁、2a 梁の端、3 鋼製仕口部材、4 鋼製接続部材、
5 端部鋼製部、5a 第2フランジ、5b 第2ウェブ、5d 切り欠き部、
6 鋼製跳ね出し部、6a 第1フランジ、6b 第1ウェブ、
6d 一般部分、6e 縮幅部分、8 ボルト、
10 上側柱部材(構造部材)11 下側柱部材(構造部材)、
20 梁本体(木製部材)、20b 梁スリット、
L 梁端からの距離(所定距離)、W2 フランジの幅、