(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038521
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】船舶用操縦装置
(51)【国際特許分類】
B63H 21/22 20060101AFI20230310BHJP
H01H 19/06 20060101ALI20230310BHJP
B63H 25/02 20060101ALI20230310BHJP
G05G 1/02 20060101ALI20230310BHJP
G05G 25/04 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
B63H21/22 A
H01H19/06
B63H25/02 A
G05G1/02 D
G05G25/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145293
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(72)【発明者】
【氏名】田高田 誠
【テーマコード(参考)】
3J070
5G219
【Fターム(参考)】
3J070AA05
3J070BA67
3J070CB34
3J070CB38
3J070CB39
3J070CC45
3J070CC53
3J070DA07
5G219GS31
5G219HT06
5G219NS21
(57)【要約】
【課題】外装部内へ異物が浸入することを防止することができる船舶用操縦装置を提供する。
【解決手段】実施形態の船舶用操縦装置1は、船舶用操縦装置1の外装の一面を構成する上面3aに対して略平行な直線上に移動可能な操作部2と、操作部2の移動に対応して形成された開口部15を備える外装部3と、操作部2の移動に連動するとともに、外装部3の内部側から開口部15を覆うカバー部5と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶用操縦装置の外装の一面を構成する平面に対して略平行な直線上に移動可能な操作部と、
前記操作部の移動に対応して形成された開口部を備える外装部と、
前記操作部の前記移動に連動するとともに、前記外装部の内部側から前記開口部を覆うカバー部と、を備える
船舶用操縦装置。
【請求項2】
前記カバー部は、帯形状であり、
前記カバー部の長手方向の長さは、前記開口部の長手方向の長さよりも長い
請求項1に記載の船舶用操縦装置。
【請求項3】
前記カバー部は、弾性体である
請求項1又は2に記載の船舶用操縦装置。
【請求項4】
前記カバー部は、帯形状であるとともに、前記カバー部の長手方向の少なくとも一方が巻き回された巻回部を有する
請求項1から3の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【請求項5】
前記巻回部は、前記カバー部の長手方向の両側にある
請求項4に記載の船舶用操縦装置。
【請求項6】
前記カバー部は、帯形状であるとともに、長手方向において無端状である
請求項1から3の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【請求項7】
前記カバー部は、帯形状であり、
前記カバー部の長手方向に張力をかける第1駆動部と、
前記第1駆動部を制御する第1制御部と、を更に備える
請求項1から6の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【請求項8】
前記操作部の移動に連動するベルトと、
前記ベルトを動かす第2駆動部と、
別の船舶用操縦装置からの制御信号により前記第2駆動部を制御する第2制御部と、を更に備える
請求項1から7の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【請求項9】
前記カバー部を動かす第3駆動部と、
別の船舶用操縦装置からの制御信号により前記第3駆動部を制御する第3制御部と、を更に備える
請求項1から8の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【請求項10】
前記カバー部の厚み方向で前記カバー部を挟み、前記カバー部よりも摩擦係数が低い低摩擦部を更に備える
請求項1から9の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【請求項11】
前記カバー部は、帯形状であるとともに、前記開口部に沿う長手部分を有し、
前記カバー部の厚み方向から見て前記長手部分と重なり、かつ、前記長手部分に接する重なり部を更に備える
請求項1から10の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【請求項12】
前記重なり部は、前記カバー部よりも摩擦係数が低い
請求項11に記載の船舶用操縦装置。
【請求項13】
前記カバー部は、弾性体であり、
前記操作部を前記直線上に移動させるためのラック及びピニオンを更に備え、
前記ラックは、前記直線上に延びる一面を有し、
前記ラックの一面に沿って転がるボールと、前記ボールを前記ラックの一面に対して押し付けるスプリングと、を有するボールプランジャを更に備える
請求項1から12の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【請求項14】
前記ラックの一面には、前記ボールが入り込むことが可能な凹部が形成される
請求項13に記載の船舶用操縦装置。
【請求項15】
前記カバー部は、帯形状であるとともに、水平に延びる水平延在部と、前記水平延在部の長手方向の少なくとも一方から鉛直方向下側に延びる下方延在部と、を備え、
前記下方延在部を収容する収容部を更に備える
請求項1から3の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【請求項16】
前記カバー部は、帯形状であるとともに、前記開口部に沿う長手部分を有し、
前記カバー部の厚み方向から見て前記長手部分と重なり、かつ、前記長手部分に接する重なり部と、
前記重なり部を支持する重なり支持部と、を更に備え、
前記重なり部又は重なり支持部の一方には凸部が形成され、前記重なり部又は前記重なり支持部の他方には前記凸部が嵌まる凹部が形成される
請求項1から15の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【請求項17】
前記カバー部において前記開口部から露出する露出面には、前記操作部の操作位置が表示される
請求項1から16の何れか一項に記載の船舶用操縦装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用操縦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶の船橋及びエンジン制御室等に設けられるテレグラフ等の船舶用操縦装置が知られている。
例えば、特許文献1には、船橋で主機を遠隔操縦するために船橋に設けられた船橋操縦レバーが開示されている。船橋操縦レバーは、板状の表示板と、表示板に沿って一直線方向に移動するレバーと、を備える。表示板は、レバーが貫通されレバーのガイドとなる長孔を有する。
一方、船舶用操縦装置の外装部の内部側に位置するベース部に防塵機構を設けた構造が知られている。防塵機構は、レバーを一対のゴムで挟み込んだ構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、レバーを一対のゴムで挟み込んだ構造の場合、外装部内へ異物が浸入することを防止する上で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、外装部内へ異物が浸入することを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の態様に係る船舶用操縦装置は、船舶用操縦装置の外装の一面を構成する平面に対して略平行な直線上に移動可能な操作部と、前記操作部の移動に対応して形成された開口部を備える外装部と、前記操作部の前記移動に連動するとともに、前記外装部の内部側から前記開口部を覆うカバー部と、を備える。
【0007】
この構成によれば、カバー部が操作部の移動に連動するとともに、外装部の内部側から開口部を覆うことで、外装部内が露出することを防止することができる。したがって、外装部内へ異物が浸入することを防止することができる。
【0008】
(2)上記(1)に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部は、帯形状であり、前記カバー部の長手方向の長さは、前記開口部の長手方向の長さよりも長くてもよい。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部は、弾性体であってもよい。
【0010】
(4)上記(1)から(3)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部は、帯形状であるとともに、前記カバー部の長手方向の少なくとも一方が巻き回された巻回部を有してもよい。
【0011】
(5)上記(4)に記載の船舶用操縦装置では、前記巻回部は、前記カバー部の長手方向の両側にあってもよい。
【0012】
(6)上記(1)から(3)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部は、帯形状であるとともに、長手方向において無端状であってもよい。
【0013】
(7)上記(1)から(6)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部は、帯形状であり、前記カバー部の長手方向に張力をかける第1駆動部と、前記第1駆動部を制御する第1制御部と、を更に備えてもよい。
【0014】
(8)上記(1)から(7)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記操作部の移動に連動するベルトと、前記ベルトを動かす第2駆動部と、別の船舶用操縦装置からの制御信号により前記第2駆動部を制御する第2制御部と、を更に備えてもよい。
【0015】
(9)上記(1)から(8)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部を動かす第3駆動部と、別の船舶用操縦装置からの制御信号により前記第3駆動部を制御する第3制御部と、を更に備えてもよい。
【0016】
(10)上記(1)から(9)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部の厚み方向で前記カバー部を挟み、前記カバー部よりも摩擦係数が低い低摩擦部を更に備えてもよい。
【0017】
(11)上記(1)から(10)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部は、帯形状であるとともに、前記開口部に沿う長手部分を有し、前記カバー部の厚み方向から見て前記長手部分と重なり、かつ、前記長手部分に接する重なり部を更に備えてもよい。
【0018】
(12)上記(11)に記載の船舶用操縦装置では、前記重なり部は、前記カバー部よりも摩擦係数が低くてもよい。
【0019】
(13)上記(1)から(12)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部は、弾性体であり、前記操作部を前記直線上に移動させるためのラック及びピニオンを更に備え、前記ラックは、前記直線上に延びる一面を有し、前記ラックの一面に沿って転がるボールと、前記ボールを前記ラックの一面に対して押し付けるスプリングと、を有するボールプランジャを更に備えてもよい。
【0020】
(14)上記(13)に記載の船舶用操縦装置では、前記ラックの一面には、前記ボールが入り込むことが可能な凹部が形成されてもよい。
【0021】
(15)上記(1)から(3)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部は、帯形状であるとともに、水平に延びる水平延在部と、前記水平延在部の長手方向の少なくとも一方から鉛直方向下側に延びる下方延在部と、を備え、前記下方延在部を収容する収容部を更に備えてもよい。
【0022】
(16)上記(1)から(15)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部は、帯形状であるとともに、前記開口部に沿う長手部分を有し、前記カバー部の厚み方向から見て前記長手部分と重なり、かつ、前記長手部分に接する重なり部と、前記重なり部を支持する重なり支持部と、を更に備え、前記重なり部又は重なり支持部の一方には凸部が形成され、前記重なり部又は前記重なり支持部の他方には前記凸部が嵌まる凹部が形成されてもよい。
【0023】
(17)上記(1)から(16)の何れか一項に記載の船舶用操縦装置では、前記カバー部において前記開口部から露出する露出面には、前記操作部の操作位置が表示されてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、外装部内へ異物が浸入することを防止することができる船舶用操縦装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】実施形態の船舶用操縦装置の外装部を取り外した状態の上面図である。
【
図3】
図2のIII-III断面を含む斜視図である。
【
図5】実施形態のボールプランジャの模式図である。
【
図6】実施形態のカバー部、重なり部及び支持部を含む右側面図である。
【
図7】実施形態のカバー部及び重なり部を支持部に取り付けた状態の斜視図である。
【
図8】実施形態のカバー部及び重なり部の分解斜視図である。
【
図9】実施形態のカバー部及び重なり部を支持部に取り付けた状態の上面図である。
【
図11】実施形態の第1変形例のカバー部を含む右側面図である。
【
図12】実施形態の第2変形例の第1駆動部及び第1制御部を含む右側面図である。
【
図13】実施形態の第3変形例の第2駆動部及び第2制御部を含む上面図である。
【
図14】実施形態の第4変形例の第3駆動部及び第3制御部を含む右側面図である。
【
図15】実施形態の第5変形例のカバー部及び収容部を含む右側面図である。
【
図16】実施形態の第6変形例の船舶用操縦装置の斜視図である。
【
図17】実施形態の第7変形例のカバー部及び支持部を含む右側面図である。
【
図18】実施形態の第8変形例の押付部を含む断面図である。
【
図19】実施形態の第9変形例のボール及びラックの模式図である。
【
図20】実施形態の第10変形例のボールプランジャの模式図である。
【
図21】実施形態の第11変形例のカバー部及び支持部を含む右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、船舶用操縦装置として船舶のエンジン制御室に設けられるエンジンテレグラフを例に挙げて説明する。エンジンテレグラフは、エンジンの起動、停止、回転数の増減などの情報を相互に伝達するためのテレグラフである。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0027】
図1は、実施形態の船舶用操縦装置1の斜視図である。
図2は、第1実施形態の船舶用操縦装置1の外装部3を取り外した状態の上面図である。
図1に示すように、船舶用操縦装置1は、操作部2と、外装部3と、筐体4と、カバー部5と、支持部6と、を備える。
【0028】
操作部2は、ユーザが操作するためのハンドルである。外装部3は、水平に沿う平面状の上面3a(船舶用操縦装置の外装の一面を構成する平面の一例)を有する。操作部2は、外装部3の上面に対して略平行な直線上に移動可能である。ここで、「外装部3の上面3aに対して略平行」とは、外装部3の上面3aの寸法誤差や取付誤差の許容範囲内において、外装部3の上面3aに対して実質的に平行であることを意味する。「実質的に平行」とは、上記の許容範囲内において、外装部3の上面3aに対して斜めに交差する場合が含まれる。なお、「外装部3の上面3aに対して略平行」には、外装部3の上面3aに対して完全に平行な場合が含まれる。
【0029】
以下、操作部2の移動方向を「前後方向」、鉛直方向及び前後方向のそれぞれに対して直交する方向を「左右方向」とする。以下の説明に用いる図中適所には、本実施形態の船舶用操縦装置1の上方を示す矢印UP、前方を示す矢印FR、左方を示す矢印LHが示される。
【0030】
操作部2は、ユーザが把持するためのグリップ10と、グリップ10から下方に延びる操作軸11と、操作位置を指示するための位置指示針12と、を備える。左右方向から見て、グリップ10は、前後方向に長手を有する長円形状である。
【0031】
外装部3の上面3aには、操作位置を表示するための板状の表示板7が設けられている。例えば、表示板7には、船舶のエンジンの起動、停止、回転数の増減などの情報が表示されている。表示板7は、「AHEAD」、「STOP」、「SLOW」等の表示を行う複数のテレグラフゾーン8を有する。
【0032】
位置指示針12は、操作軸11の左側面から表示板7に向けて左方に延びている。位置指示針12は、外装部3の上方に配置されている。位置指示針12は、操作部2と一体に前後方向に移動する。位置指示針12は、操作部2の前後方向の移動により、表示板7の各テレグラフゾーン8のいずれかを指示するようになっている。例えば、表示板7は、操作部2の位置指示針12が指示する位置のテレグラフゾーン8ごとに点灯する。
【0033】
外装部3は、ベルト20等(
図2参照)を上方から覆っている。外装部3は、操作部2の移動に対応して形成された開口部15を備える。開口部15は、前後方向に延びる長孔である。
図2においては、開口部15を二点鎖線で示している。
【0034】
図1に示すように、外装部3は、前後方向に長手を有する矩形状の天板16と、天板16の外周に連結された側板17と、を備える。開口部15は、天板16の右側部を鉛直方向に開口している。開口部15は、天板16の右側の一辺(長辺)に沿って延びている。
【0035】
筐体4は、モータ23等(
図2参照)を収容している。筐体4は、前後方向に長手を有し上方を開放する直方体箱状をなしている。例えば、外装部3は、不図示のボルト等の締結部材によって筐体4の上部に連結されている。
【0036】
カバー部5は、操作部2の移動に連動するとともに、外装部3の内部側から開口部15を覆っている。カバー部5は、前後方向に長手を有する帯形状である。カバー部5の長手方向の長さL5は、開口部15の長手方向の長さL15よりも長い(
図2参照、L5>L15)。カバー部5の長手方向は、カバー部5の前後方向に相当する。開口部15の長手方向は、開口部15の前後方向に相当する。
【0037】
次に、筐体4内の船舶用操縦装置1の構成を説明する。
図2に示すように、船舶用操縦装置1は、無端状のベルト20と、ポテンショメータ21(
図3参照)と、防水部材22と、モータ23と、プーリ24A,24Bと、テンショナ25と、を備える。また、
図3に示すように、船舶用操縦装置1は、レール26と、キャリッジ27と、連結部材28と、ラック29と、ピニオン30と、支持部材31と、接続部材32,33と、を備える。
【0038】
図2に示すように、ベルト20は、鉛直方向に対して開口する環状を有する。ベルト20は、操作部2に連結されている。ベルト20は、外装部3の上面3a(
図1参照)に対して略平行に掛け回されている。ベルト20は、外装部3の上面3aに対して略垂直に開口する空間19に面する内面20aと、内面20aとは反対側の外面20bと、を有する。
【0039】
図3に示すように、ポテンショメータ21は、防水部材22の下方に配置されている。ポテンショメータ21は、操作部2の操作位置を検出するために操作部2の移動と連動したベルト20の移動量を検出可能な検出部である。例えば、ポテンショメータ21は、2つのプーリ24A,24Bの回転軸のそれぞれに取り付けられている。例えば、ポテンショメータ21は、プーリ24A,24Bの回転角度を検出するロータリーポテンショメータである。ポテンショメータ21の検出信号(プーリ24A,24Bの回転角度)は、不図示の制御基板に入力される。
【0040】
防水部材22は、外装部3の上面に対して略平行な板状を有する。
図2に示すように、防水部材22は、前後方向に長手を有する矩形状をなしている。防水部材22は、ベルト20及び操作部2の下方に設けられている。
図3に示すように、防水部材22には、鉛直方向に開口する貫通孔40が形成されている。貫通孔40は、鉛直方向から見て外装部3の開口部15と重なる位置に配置されている。防水部材22の下面には、貫通孔40を塞ぐ閉塞部材41が取り付けられている。
【0041】
図2に示すように、モータ23は、ベルト20に動力を伝える出力軸45を備える。モータ23は、ベルト20を介して操作部2を動かすための駆動部である。出力軸45は、鉛直方向に沿って延びている。
【0042】
プーリ24A,24Bは、2つ設けられている。2つのプーリ24A,24Bは、防水部材22の上方に配置されている。プーリ24A,24Bは、ベルト20が架け渡されベルト20の移動に連動して回転する。
図3に示すように、プーリ24A,24Bは、円板状のプーリ本体50と、プーリ本体50から径方向外側に張り出す上下一対の鍔51,52と、を備える。
【0043】
プーリ本体50は、プーリ24A,24Bの回転軸と同軸の円板状を有する。ベルト20は、プーリ本体50の外周面に掛け渡されている。
上下一対の鍔51,52は、ベルト20の鉛直方向上側に設けられプーリ本体50の上端から径方向外側に張り出す上鍔51と、ベルト20の鉛直方向下側に設けられプーリ本体50の下端から径方向外側に張り出す下鍔52と、を含む。ここで、「鉛直方向上側」は鉛直の上下方向の上側を意味し、「鉛直方向下側」は鉛直の上下方向の下側を意味する。なお、プーリ24A,24Bは、上下一対の鍔51,52を有しなくてもよい。
【0044】
図2に示すように、2つのプーリ24A,24Bは、前後方向に互いに間隔をあけて配置されている。以下、2つのプーリ24A,24Bの一方を「第1プーリ24A」、他方を「第2プーリ24B」とする。第1プーリ24Aは、防水部材22の前後方向中央寄りに配置されている。第2プーリ24Bは、第1プーリ24Aよりも後方に配置されている。第1プーリ24A及び第2プーリ24Bは、互いに同じ形状を有する。例えば、第2プーリ24Bは、第1プーリ24Aと共通のプーリである。
【0045】
ベルト20は、2つのプーリ24A,24Bと、プーリ24A,24Bよりも外径が小さい複数(例えば本実施形態では4つ)の小プーリ55,56,57,58と、によって架け渡されている。4つの小プーリ55,56,57,58は、開口部15に沿って前後方向に延びるベルト20の直線部分の前側部位に架け渡された前プーリ55と、ベルト20の直線部分の後側部位に架け渡された後プーリ56と、モータ23の出力軸45に連結されたモータプーリ57と、テンショナ25のシャフト60に連結されたテンショナプーリ58と、を含む。
【0046】
2つのプーリ24A,24B、前プーリ55、後プーリ56、モータプーリ57及びテンショナプーリ58は、それぞれ鉛直方向に沿って延びる筒状を有する。2つのプーリ24A,24B、前プーリ55、後プーリ56、モータプーリ57及びテンショナプーリ58は、ベルト20の内面20a側に設けられている。
【0047】
上面視で、前プーリ55及び後プーリ56のそれぞれの回転中心は、開口部15の長手方向の長さL15の範囲内に配置されている。開口部15の長手方向の長さL15は、前後方向に直線移動する操作部2の最大移動距離であるハンドルストローク長に相当する。
【0048】
テンショナ25は、ベルト20の張力を調整可能な張力調整機構である。テンショナ25は、ベルト20の外面20b側に設けられている。
テンショナ25は、2つのプーリ24A,24Bの間の場所以外に配置されている。言い換えると、テンショナ25は、2つのプーリ24A,24Bよりもベルト20の回転方向の上流側及び下流側の一方に配置されている。
例えば、操作部2を前方に移動した場合、ベルト20は操作部2の前方移動に連動して
図2の矢印V1方向に移動(回転)する。この場合、テンショナ25は、2つのプーリ24A,24Bよりもベルト20の回転方向の上流側に配置される。
一方、操作部2を後方に移動した場合、ベルト20は操作部2の後方移動に連動して
図2の矢印V2方向に移動(回転)する。この場合、テンショナ25は、2つのプーリ24A,24Bよりもベルト20の回転方向の下流側に配置される。
【0049】
テンショナ25は、テンショナプーリ58と同軸に設けられ鉛直方向に延びるシャフト60と、シャフト60の下端部に連結された不図示の調整部と、を備える。
ベルト20は、テンショナプーリ58の外周面に架け渡されている。
シャフト60は、防水部材22を鉛直方向に貫通している。
【0050】
例えば、調整部は、ユーザがベルト20の張力を調整するための機構である。例えば、ユーザがシャフト60を右側(図の矢印LH方向とは反対側)に移動させることにより、ベルト20の張力を所定値より大きくすることができる。例えば、ユーザがシャフト60を左側(図の矢印LH方向)に移動させることにより、ベルト20の張力を所定値より小さくすることができる。
【0051】
図3に示すように、レール26及びキャリッジ27は、操作部2を直線移動させるためのリニアガイドを構成する。レール26及びキャリッジ27は、操作部2の構成に含まれる。
レール26は、前後方向に沿って延びている。レール26は、防水部材22の貫通孔40内に露出する閉塞部材41の上面に固定されている。
キャリッジ27は、レール26に沿って移動可能である。キャリッジ27は、レール26を上方から左右方向に跨ぐ形状を有する。
図3の断面視で、キャリッジ27は、下方に開放するU字状(逆U字状)である。
【0052】
連結部材28は、操作部2とキャリッジ27とを連結する。連結部材28は、鉛直方向から見て支持部材31と重なる。連結部材28は、キャリッジ27の左側方において支持部材31を避ける凹部70を有する。
【0053】
図4に示すように、連結部材28は、鉛直方向に沿って延びる左側壁71と、左側壁71の右側方に設けられ左側壁71よりも鉛直方向の長さが小さい右側壁72と、右側壁72の下端から左方に延びキャリッジ27の上面に連結される第1連結壁73と、第1連結壁73の左端から下方に延びキャリッジ27の左側面に連結される第2連結壁74と、左右方向に沿って延び第2連結壁74の下端と左側壁71の下端とを連結する底壁75と、を備える。凹部70は、左側壁71の下部、底壁75及び第2連結壁74によって形成されている。
【0054】
ラック29及びピニオン30は、操作部2を直線上に移動させるためのラック・アンド・ピニオンを構成する。
ラック29は、前後方向に沿って延びている。ラック29は、直線上に延びる平面状の上面29a(ラックの一面の一例)を有する。ラック29は、連結部材28の左側壁71と操作軸11との間に配置されている。
図5に示すように、ラック29の上面29aには、各テレグラフゾーン8(
図1参照)に対応する位置に開口する複数(
図5では1つのみ図示)の位置決め穴77(ボールが入り込むことが可能な凹部の一例)が設けられている。
図4に示すように、ピニオン30は、操作軸11の下端部に取り付けられている。ピニオン30は、ラック29に噛み合う歯車である。
【0055】
支持部材31は、ラック29を下方から支持する。支持部材31は、不図示の締結部材によって防水部材22に固定されている。支持部材31は、
図4の断面視でL字状である。支持部材31は、左右方向に沿って延びラック29の下面に連結される第1支持壁81と、第1支持壁81の左端から下方に延びる第2支持壁82と、を備える。第2支持壁82は、連結部材28の左側壁71と第2連結壁74との間に配置されている。第2支持壁82の下端部は、連結部材28の凹部70内に配置されている。
【0056】
接続部材32,33は、操作部2とベルト20とを接続する。接続部材32,33は、2つ設けられている。2つの接続部材32,33は、操作部2と連結部材28とを接続する第1接続部材32と、ベルト20と連結部材28(第1接続部材32)とを接続する第2接続部材33と、を含む。
【0057】
第1接続部材32は、鉛直方向に沿って延びる第1接続壁91と、第1接続壁91の右側方に設けられ第1接続壁91よりも鉛直方向の長さが小さい第2接続壁92と、左右方向に沿って延び第1接続壁91の上端と第2接続壁92の上端とを連結する第3接続壁93と、鉛直方向に沿って延びグリップ10(
図3参照)と第3接続壁93とを連結する第4接続壁94と、を備える。
【0058】
第1接続壁91は、連結部材28の左側壁71とベルト20との間に配置されている。
第2接続壁92は、連結部材28の右側壁72の右側方に配置されている。
第3接続壁93には、操作部2を位置決めするための位置決め機構110が設けられている。例えば、位置決め機構110は、ボールプランジャである。位置決め機構110は、ラック29の上面29aに沿って転がる球状のボール111と、ボール111をラック29の上面29aに対して押し付けるスプリング112と、スプリング112を収容する筒状の筒体113と、を備える。
【0059】
例えば、ボール111は、操作部2の前後方向の移動により、ラック29の上面29aに沿って転がるようになっている。また、ボール111は、スプリング112による下方への押し付け力により、ラック29の上面29aのいずれかの位置決め穴77(
図5参照)に入り込むようになっている。ボール111が各位置決め穴77のいずれかに入り込むことにより、ユーザは手に伝わる感覚によって操作部2の位置指示針12が表示板7の各テレグラフゾーン8のいずれかの中心にきたことを報知されるようになっている(
図1参照)。
【0060】
第2接続部材33は、鉛直方向に沿って延びる矩形板状を有する。第2接続部材33は、第1接続部材32の第1接続壁91の左側方に配置されている。第2接続部材33は、ベルト20を挟んで第1接続部材32の第1接続壁91と対向する。
【0061】
2つの接続部材32,33は、ボルト等の締結部材によって連結部材28に締結されている。
例えば、ワッシャ100を介してボルト101の軸部を第1接続部材32の第2接続壁92の挿通孔103に右方から挿通し、連結部材28の右側壁72の雌ねじ104に螺合する。これにより、第1接続部材32を連結部材28に固定することができる。
【0062】
例えば、2つの接続部材32,33によりベルト20を挟んだ状態で、ワッシャ105を介してボルト106の軸部を第2接続部材33の挿通孔107及び第1接続部材32の第1接続壁91の挿通孔108のそれぞれに左方から挿通し、連結部材28の左側壁71の雌ねじ109に螺合する。これにより、2つの接続部材32,33を連結部材28に固定するとともに、接続部材32,33等を介してベルト20を操作部2に連結することができる。
【0063】
図示はしないが、防水部材22よりも下方には、ポテンショメータ21(
図3参照)からの検出信号に基づいて、モータ23(
図2参照)を制御する制御基板が設けられている。例えば、制御基板は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能する。制御基板は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、及びタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、制御基板の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
【0064】
図1に示すように、カバー部5は、外装部3の内部側から開口部15を覆っている。カバー部5は、弾性体である。例えば、カバー部5は、板バネである。カバー部5は、帯形状の板バネの長手方向両側を円筒状にしたものである。カバー部5は、操作部2の移動に連動する過程で開口部15を常に覆うように構成されている。カバー部5は、開口部15に沿う長手部分131と、カバー部5の長手方向の少なくとも一方が巻き回された巻回部132A,132Bと、を有する。
【0065】
長手部分131は、外装部3の開口部15から露出する露出面131aを有する。露出面131aは、外装部3の上面3aと略平行な平面状である。
図3に示すように、長手部分131には、第1接続部材32に対応して開口された接続孔133が形成されている。
図8に示すように、接続孔133は、長手部分131の長手方向の中央部に配置されている。接続孔133は、上面視で、長手部分131の長手方向に延びる矩形状である。
【0066】
巻回部132A,132Bは、円筒状である。巻回部132A,132Bは、カバー部5の長手方向の両側にある。カバー部5の長手方向の両側の巻回部132A,132Bは、長手部分131の厚み方向(カバー部の厚み方向の一例)において互いに同じ位置にある。長手部分131の厚み方向は、鉛直方向に相当する。カバー部5の長手方向の両側の巻回部132A,132Bは、カバー部5の露出面131aよりも鉛直方向下側に配置されている。
【0067】
図6に示すように、上面視でカバー部5の長手部分131と重なる位置には、重なり部140A,140B(低摩擦部の一例)が設けられている。重なり部140A,140Bは、長手部分131の厚み方向から見て長手部分131と重なり、かつ、長手部分131に接している。重なり部140A,140Bは、カバー部5よりも摩擦係数が低い。例えば、カバー部5が金属製の板バネである場合、重なり部140A,140Bは樹脂製の板部材であることが好ましい。
【0068】
図8に示すように、重なり部140A,140Bは、上面視で、長手部分131の長手方向に延びる矩形枠状である枠状部141と、枠状部141の長手方向の両端部から左右方向両側に突出する凸部142と、を備える。
図9に示すように、枠状部141には、上面視で、接続孔133よりも大きく長手部分131の長手方向に延びる矩形状である矩形開口143が形成されている。
凸部142は、上面視で、長手部分131の幅方向端部よりも左右方向外側に突出している。長手部分131の幅方向は、長手部分131の左右方向に相当する。
【0069】
図6に示すように、重なり部140A,140Bは、長手部分131の厚み方向で長手部分131を挟むように一対設けられている。一対の重なり部140A,140Bは、互いに同じ形状である。以下、一対の重なり部140A,140Bのうち長手部分131の厚み方向の一方側(鉛直方向上側)にある重なり部140Aを「第1重なり部140A」、長手部分131の厚み方向の他方側(鉛直方向下側)にある重なり部140Bを「第2重なり部140B」ともいう。第1重なり部140Aの下面は、長手部分131の上面に接している。第2重なり部140Bの上面は、長手部分131の下面に接している。
【0070】
第2重なり部140Bの下側には、カバー部5及び重なり部140A,140Bを支持する支持部150が設けられている。
支持部150は、カバー部5の長手部分131と重なり部140A,140Bとを支持する重なり支持部151と、カバー部5の巻回部132A,132Bを支持する巻回支持部152と、を備える。
【0071】
重なり支持部151は、長手部分131に沿って延びている。
図8に示すように、重なり支持部151には、重なり部140A,140Bの矩形開口143に対応して開口された長孔153が形成されている。長孔153は、長手部分131の長手方向に延びる矩形状である。長孔153は、上面視で、矩形開口143と同じ矩形状である。
【0072】
図9に示すように、重なり支持部151には、重なり部140A,140Bの凸部142が嵌まる凹部154が形成されている。凹部154は、上面視で、重なり支持部151の長手方向両端部において左右方向両側にある。
【0073】
支持部150は、重なり部140A,140Bの左右方向への移動を制限する起立壁部155を備える。
図8に示すように、起立壁部155は、重なり支持部151の長手方向に沿って延びるとともに、重なり支持部151の左右方向両端から鉛直方向上側に突出している。
図9に示すように、起立壁部155は、重なり部140A,140Bを左右方向両側から挟むように一対設けられている。凹部154は、一対の起立壁部155の長手方向両側にある。
図10に示すように、凹部154に嵌まった凸部142が起立壁部155の長手方向端部に接することにより、重なり部140A,140Bの前後方向への移動が防止される。
【0074】
図6に示すように、巻回支持部152は、重なり支持部151の長手方向の両側にある。
図8に示すように、巻回支持部152は、重なり支持部151の長手方向両端から鉛直方向下側に延びる側壁部156と、側壁部156の下端から前後方向外側に延びる底壁部157と、側壁部156及び側壁部156を連結する連結壁部158と、を備える。
【0075】
図6に示すように、側壁部156は、カバー部5の幅方向から見て、長手部分131の長手方向に対して直角をなすように延びる側壁面156aを有する。カバー部5の幅方向は、左右方向に相当する。
図8に示すように、底壁部157及び連結壁部158には、外装部3等(
図1参照)に対して巻回支持部152を取り付けるための取付孔159が形成されている。
【0076】
次に、カバー部が元に戻ろうとする力とボールプランジャの押付力との関係について説明する。
上述の通り、カバー部5は弾性体であり、帯形状の板バネの長手方向両側を円筒状にしたものである。例えば、カバー部5が操作部2の移動に連動した場合、カバー部5にはスプリングバック(元に戻ろうとする力)が作用する。例えば、カバー部5(例えば長手方向中央部)に対して長手方向一方向に張力がかかると、カバー部5の長手方向一方側には引張方向の力(
図7の矢印F1方向の力)がかかり、カバー部5の長手方向他方側には引張方向とは反対向きの圧縮方向の力(
図7の矢印F2方向の力)がかかる。このとき、カバー部5にかかる引張方向の力と圧縮方向の力との差(以下「張力差」ともいう。)が、カバー部5が元に戻ろうとする力となる。
【0077】
上述の通り、位置決め機構110としてのボールプランジャは、ラック29の上面に沿って転がるボール111と、ボール111をラック29の上面に対して押し付けるスプリング112と、を有する。例えば、ボールプランジャの押付力(ラック29の上面に対してスプリング112がボール111を押し付ける力)を、カバー部5にかかる張力差よりも大きくすることが好ましい。これにより、カバー部5が元に戻ろうとする力を抑え、操作部2が元の位置に戻ることを抑制できる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態に係る船舶用操縦装置1は、船舶用操縦装置1の外装の一面を構成する上面3aに対して略平行な直線上に移動可能な操作部2と、操作部2の移動に対応して形成された開口部15を備える外装部3と、操作部2の移動に連動するとともに、外装部3の内部側から開口部15を覆うカバー部5と、を備える。
【0079】
この構成によれば、カバー部5が操作部2の移動に連動するとともに、外装部3の内部側から開口部15を覆うことで、外装部3内が露出することを防止することができる。したがって、外装部3内へ異物が浸入することを防止することができる。
【0080】
本実施形態に係るカバー部5は、帯形状である。カバー部5の長手方向の長さL5は、開口部15の長手方向の長さL15よりも長い(L5>L15)。
この構成によれば、操作部2の移動方向によって外装部3内が露出することを抑制できる。
【0081】
本実施形態に係るカバー部5は、弾性体である。
この構成によれば、カバー部5の弾性力(復元力)により操作部2を元の位置に戻すことができる。例えば、弾性体が板バネである場合、既存の板バネを流用した板状となるため、省スペースを実現できる。
【0082】
本実施形態に係るカバー部5は、カバー部5の長手方向の少なくとも一方が巻き回された巻回部132A,132Bを有する。
この構成によれば、巻回部132A,132Bにより、カバー部5の長手方向の長さを確保しかつ省スペースを実現できる。例えば、巻回部132A,132Bが円筒状である場合、巻回部132A,132Bが多角形状である場合と比較して、カバー部5の動きをよりスムーズにできる。
【0083】
本実施形態に係る巻回部132A,132Bは、カバー部5の長手方向の両側にある。
この構成によれば、巻回部132A,132Bがカバー部5の長手方向の片側のみにある場合と比較して、操作部2の両方向の移動に対してカバー部5の長さが足りなくなることを抑制できる。
【0084】
本実施形態に係るカバー部5は、開口部15に沿う長手部分131を有する。船舶用操縦装置1は、長手部分131の厚み方向から見て長手部分131と重なり、かつ、長手部分131に接する重なり部140A,140Bを備える。
この構成によれば、重なり部140A,140Bにより、カバー部5の長手部分131のたわみを抑制できる。
【0085】
本実施形態に係る重なり部140A,140Bは、カバー部5よりも摩擦係数が低い。
この構成によれば、カバー部5が動く際の擦れ音の発生抑制、カバー部5の長手部分131のたわみ抑制を兼ねる。例えば、カバー部5が金属製の板バネであり、重なり部140A,140Bが樹脂製の板部材である場合、既存の金属製の板バネ及び樹脂製の板部材を流用して省スペースを実現できる。
【0086】
本実施形態に係る重なり部140A,140Bは、長手部分131の厚み方向で長手部分131を挟むように一対設けられている。
この構成によれば、カバー部5の長手部分131が一対の重なり部140A,140Bで挟まれるため、カバー部5が動く際の擦れ音の発生を抑制できる。
【0087】
本実施形態に係る船舶用操縦装置1は、操作部2を直線上に移動させるためのラック29及びピニオン30を備える。ラック29は、直線上に延びる上面29aを有する。船舶用操縦装置1は、ラック29の上面に沿って転がるボール111と、ボール111をラック29の上面に対して押し付けるスプリング112と、を有する位置決め機構110としてボールプランジャを備える。
この構成によれば、既存のボールプランジャを流用し、ラック29の上面に対してスプリング112がボール111を押し付ける力により、操作部2が元の位置に戻ることを抑制できる。
【0088】
本実施形態に係るラック29の上面29aには、ボール111が入り込むことが可能な位置決め穴77が形成されている。
この構成によれば、ラック29の位置決め穴にボール111が入り込むことにより、操作部2が元の位置に戻ることを抑制できる。
【0089】
本実施形態に係る船舶用操縦装置1は、カバー部5の厚み方向から見て長手部分131と重なり、かつ、長手部分131に接する重なり部140A,140Bと、重なり部140A,140Bを支持する重なり支持部151と、を備える。重なり部140A,140Bには、凸部142が形成されている。重なり支持部151には、凸部142が嵌まる凹部154が形成されている。
この構成によれば、重なり部140A,140Bによりカバー部5のたわみ抑制、凹凸嵌合により重なり部140A,140Bの移動防止を兼ねる。
【0090】
本実施形態に係る船舶用操縦装置1は、カバー部5及び重なり部140A,140Bを支持する支持部6を備え、支持部6は、カバー部5の長手部分131と重なり部140A,140Bとを支持する重なり支持部151と、カバー部5の巻回部132A,132Bを支持する巻回支持部152と、を備える。
この構成によれば、巻回支持部152で巻回部132A,132Bが支持されることにより、巻回部132A,132Bを定位置に維持できる。
【0091】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0092】
上述した実施形態では、カバー部が帯形状である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、カバー部は帯形状でなくてもよい。例えば、カバー部は、ブロック状であってもよいし、矩形板形状であってもよい。例えば、カバー部の形状は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0093】
上述した実施形態では、カバー部が弾性体である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、カバー部は、弾性体でなくてもよい。例えば、カバー部は、ゴム、プラスチック、セラミック等の非金属材料で形成された板バネであってもよい。例えば、カバー部は、板バネ以外の弾性部材であってもよい。例えば、カバー部は、ゴムシートであってもよい。例えば、カバー部の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0094】
上述した実施形態では、カバー部が金属製の板バネであり、重なり部が樹脂製の板部材である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、カバー部が樹脂製の板バネである場合、重なり部は金属製の板部材であってもよい。例えば、カバー部及び重なり部の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0095】
上述した実施形態では、船舶用操縦装置は、カバー部の長手部分の厚み方向から見て長手部分と重なり、かつ、長手部分に接する重なり部を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、船舶用操縦装置は、重なり部を備えていなくてもよい。例えば、支持部は、カバー部の長手部分を直に支持する長手支持部を備えていてもよい。例えば、船舶用操縦装置の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0096】
上述した実施形態では、巻回部がカバー部の長手方向の両側にある例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、巻回部は、カバー部の長手方向の片側のみにあってもよい。例えば、巻回部は、円筒状以外の形状であってもよい。例えば、巻回部は、多角形状であってもよい。例えば、巻回部の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0097】
上述した実施形態では、重なり部には凸部が形成され、重なり支持部には凸部が嵌まる凹部が形成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、重なり部には凹部が形成され、重なり支持部には凹部に嵌まる凸部が形成されていてもよい。例えば、重なり部又は重なり支持部の一方には凸部が形成され、重なり部又は重なり支持部の他方には凸部が嵌まる凹部が形成されていてもよい。例えば、凹部及び凸部の形成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0098】
上述した実施形態では、カバー部が長手方向において有端状である例(長手方向に端部を有する例)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図11に示すように、カバー部205は、長手方向において無端状であってもよい。
図11の例において、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細説明は省略する。例えば、カバー部205は、2つのプーリ260A,260Bの外周面に架け渡されている。
この構成によれば、カバー部205が長手方向において無端状であることで、カバー部が長手方向において有端状である場合と比較して、カバー部205に対して余分な張力をかけずに済む。例えば、カバー部が長手方向において有端状である場合、カバー部(例えば長手方向中央部)に対して長手方向一方向に張力がかかると、カバー部の長手方向一方側には引張方向の力がかかり、カバー部の長手方向他方側には引張方向とは反対向きの圧縮方向の力(余分な張力)がかかる。これに対し、カバー部205が長手方向において無端状である場合は、カバー部205に対して長手方向一方向に張力がかかると、無端状のカバー部205を周回する方向に力が伝わるため、余分な張力をかけずに済む。
【0099】
上述した実施形態では、操作部の移動によりカバー部の長手方向に張力がかかる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図12に示すように、船舶用操縦装置は、カバー部205の長手方向に張力をかける第1駆動部261と、第1駆動部261を制御する第1制御部262と、を備えていてもよい。
図12の例において、上述した
図11の例と同様の構成については同一の符号を付し、詳細説明は省略する。例えば、第1駆動部261は、正逆回転可能なモータであり、モータの出力軸は一方のプーリ260Aに連結されている。例えば、第1制御部262は、モータの回転方向、回転速度を制御する。
この構成によれば、第1駆動部261の制御により、カバー部205に対する張力を調整することができる。
【0100】
上述した実施形態では、制御基板(不図示)は、ポテンショメータからの検出信号に基づいて、モータを制御する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図13に示すように、船舶用操縦装置は、ベルト20を動かす第2駆動部371と、別の船舶用操縦装置301からの制御信号により第2駆動部371を制御する第2制御部372と、を備えていてもよい。
図13の例において、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細説明は省略する。例えば、第2駆動部371は、ベルト20を介して操作部2を動かすためのモータであり、モータの出力軸はモータプーリ57に連結されている。例えば、第2制御部372は、モータの回転方向、回転速度を制御する。例えば、船舶の左舷及び右舷の両方にエンジンテレグラフを設けた場合、本船舶用操縦装置は一方のエンジンテレグラフであり、別の船舶用操縦装置301は他方のエンジンテレグラフである。第2制御部372は、他方のエンジンテレグラフからの制御信号により一方のエンジンテレグラフのモータを制御する。
この構成によれば、別の船舶用操縦装置301からの制御信号によりベルト20を動かし、ベルト20の動きに連動させて操作部2を移動させることができる。したがって、別の船舶用操縦装置301からの制御信号により本船舶用操縦装置を動作できる。
【0101】
上述した
図12の例では、第1駆動部261を制御する第1制御部262を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図14に示すように、船舶用操縦装置は、カバー部205を動かす第3駆動部461と、別の船舶用操縦装置401からの制御信号により第3駆動部461を制御する第3制御部462と、を備えていてもよい。
図14の例において、上述した
図12の例と同様の構成については同一の符号を付し、詳細説明は省略する。例えば、第3駆動部461は、正逆回転可能なモータであり、モータの出力軸は一方のプーリ260Aに連結されている。例えば、第3制御部462は、モータの回転方向、回転速度を制御する。例えば、船舶の左舷及び右舷の両方にエンジンテレグラフを設けた場合、本船舶用操縦装置は一方のエンジンテレグラフであり、別の船舶用操縦装置401は他方のエンジンテレグラフである。第3制御部462は、他方のエンジンテレグラフからの制御信号により一方のエンジンテレグラフのモータを制御する。
この構成によれば、別の船舶用操縦装置401からの制御信号によりカバー部205を動かし、カバー部205の動きに連動させて操作部2を移動させることができる。したがって、別の船舶用操縦装置401からの制御信号により本船舶用操縦装置を動作できる。
【0102】
上述した実施形態では、カバー部が巻回部を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、カバー部は巻回部を有しなくてもよい。例えば、
図15に示すように、カバー部は、水平に延びる水平延在部531と、水平延在部531の長手方向の少なくとも一方から鉛直方向下側に延びる下方延在部532A,532Bと、を備えていてもよい。例えば、船舶用操縦装置は、下方延在部532A,532Bを収容する収容部535A,535Bを備えていてもよい。
図15の例において、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
図15の例では、下方延在部532A,532Bは、水平延在部531の長手方向の両側にある。水平延在部531と下方延在部532A,532Bとの間の部分は、2つのプーリ560A,560Bの外周面に架け渡されている。収容部535A,535Bは、防水部材22から鉛直方向下側に延びている。
この構成によれば、カバー部505に付着した異物を、下方延在部532A,532Bを通じて収容部535A,535B内に排出することができる。
【0103】
上述した実施形態では、外装部は、操作部の操作位置を表示する表示面を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、外装部は、操作部の操作位置を表示する表示面を有しなくてもよい。例えば、
図16に示すように、カバー部605において開口部15から露出する露出面605aには、操作部2の操作位置608(例えばテレグラフゾーン)が表示されていてもよい。
図16の例において、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
図16の例では、外装部3の上面3aには、位置指示部612が表示されている。例えば、操作部2の前後方向の移動にカバー部605が連動することより、カバー部605の露出面605aの各テレグラフゾーンのいずれかが、位置指示部612により指示されるようになっている。
この構成によれば、カバー部605の露出面605aを利用して操作部2の操作位置608を表示できる。
【0104】
上述した実施形態では、カバー部の長手方向の両側の巻回部は、長手部分の厚み方向において互いに同じ位置にある例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図17に示すように、カバー部705の長手方向の一方の巻回部732A及び他方の巻回部732Bは、長手部分731の厚み方向において互いに逆の位置にあってもよい。
図17の例において、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
図17の例では、一方の巻回部732Aは長手部分731の上面よりも鉛直方向下側に配置され、他方の巻回部732Bは長手部分731の上面よりも鉛直方向上側に配置されている。支持部750は、カバー部705の長手部分731を支持する長手支持部751と、カバー部705の巻回部732A,732Bを支持する巻回支持部752A,752Bと、を備える。巻回支持部752A,752Bは、長手支持部751の厚み方向において互いに逆の位置にある。
この構成によれば、カバー部の長手方向の両側の巻回部が長手部分の厚み方向において互いに同じ位置にある場合(
図6の例)と比較して、カバー部705のたわみを抑制できる。
【0105】
上述した実施形態では、船舶用操縦装置は、ラックの上面に沿って転がるボールと、ボールをラックの上面に対して押し付けるスプリングと、を有するボールプランジャを備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図18に示すように、船舶用操縦装置は、ピニオン30をラック29に対して押し付ける押付部870を備えていてもよい。
図18の例において、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細説明は省略する。例えば、押付部870は、圧縮コイルバネである。
図18の例では、押付部870は、操作軸11の上部において上下一対設けられた圧縮コイルバネを含む。例えば、押付部870からの押し付け力により、ピニオン30は
図18の矢印G方向に力を受け、ピニオン30の回転の抵抗となる。
この構成によれば、ピニオン30をラック29に対して押し付ける力により、操作部2が元の位置に戻ることを抑制できる。
【0106】
上述した
図18の例では、ピニオン30をラック29に対して押し付ける押付部870を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図19に示すように、ラック929はS極又はN極の一方の磁極を有し、ボール930はS極又はN極の他方の磁極を有していてもよい。
図19の例では、ラック929はS極の磁極を有し、ボール930はN極の磁極を有する。
この構成によれば、ラック929とボール930との間に作用する磁力により、操作部が元の位置に戻ることを抑制できる。
【0107】
例えば、
図20に示すように、ボールプランジャは、ラック29の上面29aに対してスプリング112がボール111を押し付ける力を調整する押付力調整部1080を備えていてもよい。
図20の例において、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
図20の例では、押付力調整部1080は、筒体113の内周面に設けられた雌ねじ部に噛み合う止めねじである。例えば、止めねじを工具等で回すことにより、筒体113に対する止めねじの組付け高さ(鉛直方向の高さ位置)を調整し、スプリング112がボール111を押し付ける力を調整することができる。
この構成によれば、ラック29の上面29aに対してスプリング112がボール111を押し付ける力を調整することができる。
【0108】
上述した実施形態では、巻回支持部は、カバー部の幅方向から見て、長手部分の長手方向に対して直角をなすように延びる側壁面を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図21に示すように、巻回支持部1152は、カバー部5の幅方向から見て、長手部分131の長手方向に対して鈍角をなすように傾斜する傾斜面1156aを有していてもよい。
図21の例において、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細説明は省略する。例えば、カバー部5の幅方向から見て、重なり支持部151の上面と傾斜面1156aとがなす角度Kは、100度以上140度以下の角度に設定されている。
この構成によれば、巻回支持部が有する壁面がカバー部の幅方向から見て長手部分の長手方向に対して直角又は鋭角をなすように延びる場合(
図6の例)と比較して、カバー部5の移動をよりスムーズにできる。
【0109】
上述した実施形態では、操作部の移動方向が前後方向である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、操作部の移動方向が左右方向であってもよい。例えば、操作部の移動方向は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0110】
上述した実施形態では、ベルトが無端状である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ベルトは、無端状でなくてもよい。例えば、ベルトは、2つの回転体に架け渡される帯形状であってもよい。例えば、ベルトの態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0111】
上述した実施形態では、検出部がポテンショメータである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、検出部は、エンコーダ、リミットスイッチカム等であってもよい。例えば、検出部の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0112】
上述した実施形態では、船舶用操縦装置がモータを備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、船舶用操縦装置は、モータを備えていなくてもよい。すなわち、操作部は、モータにより自動的に操作されず手動のみで操作可能であってもよい。例えば、操作部の操作態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0113】
上述した実施形態では、レール及びキャリッジが操作部を直線移動させるためのリニアガイドを構成する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、船舶用操縦装置は、リニアガイドの代わりに、ボールスプライン等の他の直線運動機構を備えていてもよい。例えば、直線運動機構の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0114】
上述した実施形態では、ラック及びピニオンが操作部を直線移動させるためのラック・アンド・ピニオンを構成する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、船舶用操縦装置は、ラック・アンド・ピニオンを備えていなくてもよい。例えば、船舶用操縦装置は、ラック・アンド・ピニオン以外の他の直線運動機構を備えていてもよい。
【0115】
上述した実施形態では、操作部が連結部材を介してキャリッジに連結されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、操作部は、キャリッジに直に連結されていてもよい。例えば、操作部と直線運動機構との連結態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0116】
上述した実施形態では、ベルトが接続部材等を介して操作部に連結されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ベルトは、操作部に直に連結されていてもよい。例えば、ベルト20と操作部2との連結態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0117】
上述した実施形態では、船舶用操縦装置が船舶のエンジン制御室に設けられるエンジンテレグラフである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、船舶用操縦装置は、船舶の船橋に設けられるテレグラフであってもよい。例えば、船舶用操縦装置の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。例えば、船舶用操縦装置は、船舶用操縦装置の外装の一面を構成する平面に対して略平行な直線上に移動可能な操作部と、前記操作部の移動に対応して形成された開口部を備える外装部と、前記操作部の前記移動に連動するとともに、前記外装部の内部側から前記開口部を覆うカバー部と、を備えていればよい。
【0118】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは可能である。また、上述した各変形例を組み合わせても構わない。
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0119】
1…船舶用操縦装置、2…操作部、3…外装部、3a…上面(外装の一面を構成する平面)、5…カバー部、15…開口部、29…ラック、29a…上面(ラックの一面)、30…ピニオン、77…位置決め穴(ボールが入り込むことが可能な凹部)、110…位置決め機構(ボールプランジャ)、111…ボール、112…スプリング、131…長手部分、132A,132B…巻回部、140A,140B…重なり部、142…凸部、151…重なり支持部、154…凹部、261…第1駆動部、262…第1制御部、301…別の船舶用操縦装置、371…第2駆動部、372…第2制御部、461…第3駆動部、462…第3制御部、531…水平延在部、532A,532B…下方延在部、535A,535B…収容部、605a…露出面、608…操作位置、L5…カバー部の長手方向の長さ、L15…開口部の長手方向の長さ