IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フジテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-マンコンベヤ 図1
  • 特開-マンコンベヤ 図2
  • 特開-マンコンベヤ 図3
  • 特開-マンコンベヤ 図4
  • 特開-マンコンベヤ 図5
  • 特開-マンコンベヤ 図6
  • 特開-マンコンベヤ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038564
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】マンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 31/00 20060101AFI20230310BHJP
   F16N 7/38 20060101ALI20230310BHJP
   F16N 29/00 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
B66B31/00 F
F16N7/38 C
F16N7/38 F
F16N7/38 A
F16N29/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145363
(22)【出願日】2021-09-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅昭
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321DA07
3F321DC03
3F321EA14
3F321HA33
(57)【要約】
【課題】 操作する部品を追加することなく、走行するチェーンへの自動給油とステップの自動走行とを行うことができるマンコンベヤを提供する。
【解決手段】 制御装置は、自動走行要件を満たした場合に、ステップの自動走行を開始し、自動給油要件を満たした場合に、チェーンの走行を開始し且つチェーンへの自動給油を開始し、自動走行要件は、電力切替部によって制御装置への電力供給がオンである状態で、始動停止入力部に始動指示情報が入力されることを含み、自動給油要件は、始動停止入力部に始動指示情報が入力された状態で、電力切替部によって制御装置への電力供給がオンに切り替わることを含む。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が乗るステップと、
前記ステップに接続され、前記ステップが走行するために無端回転する環状のチェーンと、
前記チェーンに給油する給油部と、
前記ステップの走行及び前記チェーンへの給油を制御する制御装置と、
前記制御装置への電力供給のオンオフ状態を切り替える電力切替部と、
前記ステップの走行を始動する指示である始動指示情報と、前記ステップの走行を停止する停止指示情報とが入力される始動停止入力部と、を備え、
前記制御装置は、自動走行要件を満たした場合に、前記ステップの自動走行を開始し、自動給油要件を満たした場合に、前記チェーンの走行を開始し且つ前記チェーンへの自動給油を開始し、
前記自動走行要件は、前記電力切替部によって前記制御装置への電力供給がオンである状態で、前記始動停止入力部に始動指示情報が入力されることを含み、
前記自動給油要件は、前記始動停止入力部に始動指示情報が入力された状態で、前記電力切替部によって前記制御装置への電力供給がオンに切り替わることを含む、マンコンベヤ。
【請求項2】
前記ステップを自動走行する指示である自動指示情報と、前記ステップを手動走行する指示である手動指示情報とが入力される自動手動入力部をさらに備え、
前記自動給油要件は、前記始動停止入力部に始動指示情報が入力され且つ前記自動手動入力部に手動指示情報が入力された状態で、前記電力切替部によって前記制御装置への電力供給がオンに切り替わることを含む、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項3】
前記ステップを第1方向に走行する指示である第1方向指示情報と、前記ステップを第2方向に走行する指示である第2方向指示情報とが入力される走行方向入力部をさらに備え、
前記自動走行要件は、
前記電力切替部によって前記制御装置への電力供給がオンである状態で、前記始動停止入力部に始動指示情報が入力されることによって成立する第1走行要件と、
前記第1走行要件の成立後から第1設定時間を経過するまでの間に、前記自動手動入力部に自動指示情報が入力された状態で、前記走行方向入力部に第1方向指示情報又は第2方向指示情報が入力されることによって成立する第2走行要件と、を含み、
前記自動給油要件は、
前記始動停止入力部に始動指示情報が入力され且つ前記自動手動入力部に手動指示情報が入力された状態で、前記電力切替部によって前記制御装置への電力供給がオンに切り替わることによって成立する第1給油要件と、
前記第1給油要件の成立後から第2設定時間を経過するまでの間に、前記自動手動入力部に自動指示情報が入力された状態で、前記走行方向入力部に第1方向指示情報又は第2方向指示情報が入力されることによって成立する第2給油要件と、を含む、請求項2に記載のマンコンベヤ。
【請求項4】
情報を出力する出力部を備え、
前記出力部は、前記第1走行要件の成立後に、第1の出力を行い、
前記出力部は、前記第1給油要件の成立後に、前記第1の出力とは異なる第2の出力を行う、請求項3に記載のマンコンベヤ。
【請求項5】
前記出力部は、前記第1給油要件の成立後から前記第2設定時間を経過するまで、前記第2の出力を継続し、
前記出力部は、前記第2設定時間を経過することなく前記自動給油要件を満たした場合に、前記チェーンへの自動給油が終了するまで、前記第2の出力をさらに継続する、請求項4に記載のマンコンベヤ。
【請求項6】
前記制御装置は、前記チェーンへの自動給油が終了した後に、前記ステップの自動走行を行う、請求項1~5の何れか1項に記載のマンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、人が乗るステップと、ステップに接続され、ステップが走行するために無端回転する環状のチェーンと、チェーンに給油する給油部と、チェーンへの給油を制御する制御装置とを備えている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、マンコンベヤのメンテナンス作業の一つとして、走行するチェーンへの給油を行う必要があり、所定の操作によって、走行するチェーンへの自動給油を行いたいという要望がある。一方で、走行するチェーンへの自動給油を行うために、操作する部品を新たに追加したくないという要望もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-305797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、操作する部品を追加することなく、走行するチェーンへの自動給油とステップの自動走行とを行うことができるマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マンコンベヤは、人が乗るステップと、前記ステップに接続され、前記ステップが走行するために無端回転する環状のチェーンと、前記チェーンに給油する給油部と、前記ステップの走行及び前記チェーンへの給油を制御する制御装置と、前記制御装置への電力供給のオンオフ状態を切り替える電力切替部と、前記ステップの走行を始動する指示である始動指示情報と、前記ステップの走行を停止する停止指示情報とが入力される始動停止入力部と、を備え、前記制御装置は、自動走行要件を満たした場合に、前記ステップの自動走行を開始し、自動給油要件を満たした場合に、前記チェーンの走行を開始し且つ前記チェーンへの自動給油を開始し、前記自動走行要件は、前記電力切替部によって前記制御装置への電力供給がオンである状態で、前記始動停止入力部に始動指示情報が入力されることを含み、前記自動給油要件は、前記始動停止入力部に始動指示情報が入力された状態で、前記電力切替部によって前記制御装置への電力供給がオンに切り替わることを含む。
【0007】
また、マンコンベヤは、前記ステップを自動走行する指示である自動指示情報と、前記ステップを手動走行する指示である手動指示情報とが入力される自動手動入力部をさらに備え、前記自動給油要件は、前記始動停止入力部に始動指示情報が入力され且つ前記自動手動入力部に手動指示情報が入力された状態で、前記電力切替部によって前記制御装置への電力供給がオンに切り替わることを含む、という構成でもよい。
【0008】
また、マンコンベヤは、前記ステップを第1方向に走行する指示である第1方向指示情報と、前記ステップを第2方向に走行する指示である第2方向指示情報とが入力される走行方向入力部をさらに備え、前記自動走行要件は、前記電力切替部によって前記制御装置への電力供給がオンである状態で、前記始動停止入力部に始動指示情報が入力されることによって成立する第1走行要件と、前記第1走行要件の成立後から第1設定時間を経過するまでの間に、前記自動手動入力部に自動指示情報が入力された状態で、前記走行方向入力部に第1方向指示情報又は第2方向指示情報が入力されることによって成立する第2走行要件と、を含み、前記自動給油要件は、前記始動停止入力部に始動指示情報が入力され且つ前記自動手動入力部に手動指示情報が入力された状態で、前記電力切替部によって前記制御装置への電力供給がオンに切り替わることによって成立する第1給油要件と、前記第1給油要件の成立後から第2設定時間を経過するまでの間に、前記自動手動入力部に自動指示情報が入力された状態で、前記走行方向入力部に第1方向指示情報又は第2方向指示情報が入力されることによって成立する第2給油要件と、を含む、という構成でもよい。
【0009】
また、マンコンベヤは、情報を出力する出力部を備え、前記出力部は、前記第1走行要件の成立後に、第1の出力を行い、前記出力部は、前記第1給油要件の成立後に、前記第1の出力とは異なる第2の出力を行う、という構成でもよい。
【0010】
また、マンコンベヤにおいては、前記出力部は、前記第1給油要件の成立後から前記第2設定時間を経過するまで、前記第2の出力を継続し、前記出力部は、前記第2設定時間を経過することなく前記自動給油要件を満たした場合に、前記チェーンへの自動給油が終了するまで、前記第2の出力をさらに継続する、という構成でもよい。
【0011】
また、マンコンベヤにおいては、前記制御装置は、前記チェーンへの自動給油が終了した後に、前記ステップの自動走行を行う、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態に係るマンコンベヤの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係る操作盤の平面図である。
図3図3は、同実施形態に係るマンコンベヤの要部図である。
図4図4は、同実施形態に係るマンコンベヤの制御ブロック図である。
図5図5は、同実施形態に係るマンコンベヤの自動走行・自動給油制御フロー図である。
図6図6は、同実施形態に係るマンコンベヤの自動走行・自動給油制御フロー図である。
図7図7は、同実施形態に係るマンコンベヤの自動走行・自動給油制御中の出力制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、図1図7を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0014】
図1に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1横方向D1で挟むように配置される一対の欄干部4(各図において、一つのみを図示している)と、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5と、給油する給油部6と、制御装置7とを備えていてもよい。
【0015】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0016】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0017】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって無端回転する環状のチェーン3aと、チェーン3aに接続されることによってチェーン3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、チェーン3aは、例えば、複数のローラを備えるローラチェーンとすることができる。
【0018】
また、例えば、チェーン3aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対のチェーン3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれのチェーン3aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0019】
欄干部4は、例えば、本実施形態のように、無端回転する環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持する欄干本体部4bとを備えていてもよい。そして、欄干本体部4bは、例えば、下部に、パネルに覆われることによって内部空間を有するガード部4cを備えていてもよい。
【0020】
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、駆動源(例えば、モータ)5aと、ステップ3bが反転するようにチェーン3aが巻き掛けられ、第1横方向D1を軸にして回転する一対の回転部5b,5bとを備えていてもよい。そして、共通の駆動源5aからの駆動がチェーン3a及び手摺ベルト4aに伝達されることによって、手摺ベルト4aの走行は、ステップ3bの走行と同期していてもよい。
【0021】
給油部6は、チェーン3aに給油する給油状態と当該給油を停止する給油停止状態とに切り替え可能に構成されていてもよい。特に限定されないが、例えば、給油部6は、油を貯めるタンクと、タンク内の油を送るポンプと、給油状態と給油停止状態とを切り替えるために開閉する弁と、チェーン3aに向けて油を吐出する配管とを備えていてもよい。
【0022】
構造体2は、例えば、それぞれの乗降部1aの下に配置される機械室2aを備え、マンコンベヤ1は、例えば、機械室2aを上方から覆うように構造体2に着脱可能な複数の床プレート1bを備えていてもよい。また、マンコンベヤ1は、例えば、それぞれの機械室2aの内部に配置される操作盤8を備えていてもよい。なお、制御装置7は、例えば、本実施形態のように、一方の機械室2aの内部に配置されていてもよい。
【0023】
図2に示すように、操作盤8は、例えば、マンコンベヤ1の運転モードの情報が入力される自動手動入力部9と、遠隔監視の情報が入力される遠隔監視入力部10と、非常停止の情報が入力される非常停止入力部11と、音声で情報を出力する音声出力部12とを備えていてもよい。特に限定されないが、音声出力部12は、例えば、本実施形態のように、ブザーとしてもよい。
【0024】
自動手動入力部9は、例えば、ステップ3bを自動走行する指示である自動指示情報と、ステップ3bを手動走行する指示である手動指示情報とが入力されてもよい。特に限定されないが、自動手動入力部9は、例えば、本実施形態のように、セレクトスイッチとしてもよい。
【0025】
遠隔監視入力部10は、例えば、遠隔監視を行う指示である監視オン指示情報と、遠隔監視を行わない指示である監視オフ指示情報とが入力されてもよい。特に限定されないが、遠隔監視入力部10は、例えば、本実施形態のように、セレクトスイッチとしてもよい。なお、遠隔監視入力部10に、監視オン指示情報が入力されている場合に、制御装置7は、マンコンベヤ1の状態(例えば、正常、異常)の情報を外部(例えば、中央監視室)へ出力してもよい。
【0026】
非常停止入力部11は、例えば、駆動源5aの動作を停止する指示である非常停止指示情報と、駆動源5aの動作を許可する指示である動作許可指示情報とが入力されてもよい。特に限定されないが、非常停止入力部11は、例えば、本実施形態のように、自己保持機構を有する押しボタンスイッチとしてもよい。なお、非常停止入力部11に、非常停止指示情報が入力された場合に、制御装置7は、駆動源5aの動作を停止し、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行を停止してもよい。
【0027】
図3に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、ステップ3bの走行の情報が入力される始動停止入力部13と、ステップ3bの走行方向の情報が入力される走行方向入力部14と、人を検出する人検出部15と、表示で情報を出力する表示出力部16とを備えていてもよい。
【0028】
始動停止入力部13は、例えば、ステップ3bの走行を始動する指示である始動指示情報と、ステップ3bの走行を停止する停止指示情報とが入力されてもよい。特に限定されないが、始動停止入力部13は、例えば、本実施形態のように、欄干部4のガード部4cに配置され、鍵を差すことによって回転操作可能なキーロックスイッチとしてもよい。なお、ステップ3bの自動走行運転中に、始動停止入力部13に、停止指示情報が入力された場合に、制御装置7は、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行を停止してもよい。
【0029】
走行方向入力部14は、ステップ3bを第1方向(上方向)に走行する指示である第1方向指示情報と、ステップ3bを第2方向(下方向)に走行する指示である第2方向指示情報とが入力されてもよい。特に限定されないが、走行方向入力部14は、例えば、本実施形態のように、欄干部4のガード部4cに配置され、鍵を差すことによって回転操作可能なキーロックスイッチとしてもよい。
【0030】
そして、例えば、自動手動入力部9に手動指示情報が入力された状態で、走行方向入力部14に第1方向指示情報が入力されている間だけ、ステップ3bが第1方向に走行してもよい。また、例えば、自動手動入力部9に手動指示情報が入力された状態で、走行方向入力部14に第2方向指示情報が入力されている間だけ、ステップ3bが第2方向に走行してもよい。
【0031】
人検出部15は、マンコンベヤ1に乗る人を検出するために、例えば、乗降部1aに人が存在するか否かを検出してもよい。特に限定されないが、人検出部15は、例えば、本実施形態のように、欄干部4のガード部4cの内部に配置される光電センサとしてもよく、また、例えば、上方及び側方から撮像するカメラとしてもよく、また、例えば、下方から人の荷重を検出するロードセルとしてもよい。
【0032】
表示出力部16は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、欄干部4のガード部4cに配置される液晶表示灯としてもよい。乗降部1aが乗り口である場合に、表示出力部16は、例えば、進入可能を意味する矢印を表示してもよく、また、乗降部1aが降り口である場合に、表示出力部16は、例えば、進入禁止を意味するマークを表示してもよい。
【0033】
図4に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、各種情報が入力される入力部17と、各種情報が出力される出力部18と、制御装置7への電力供給のオンオフ状態を切り替える電力切替部19と、ステップ3bの走行距離を検出する走行距離検出部20とを備えていてもよい。なお、入力部17は、上記入力部9,10,11,13,14に入力される情報以外の情報が入力される別の入力部を備えてもよく、出力部18は、上記出力部12,16で出力される情報以外の情報を出力する別の出力部を備えていてもい。
【0034】
各入力部9,10,11,13,14には、例えば、二つの情報のうち何れかの情報が入力される入力部9,10,11や、三つの情報のうち何れかの情報が入力される入力部13,14が存在する。なお、例えば、当該情報の一つに、「入力情報無し」という情報、即ち、情報が入力されていない状態を含んでいてもよい。そして、制御装置7に入力された情報が認識される構成は、特に限定されない。
【0035】
二つの情報のうち何れかの情報が入力される入力部9,10,11においては、例えば、制御装置7に、第1信号が入力される状態と入力されない状態とによって、二つの情報のうち入力された情報が認識されてもよく、また、例えば、制御装置7に、第1信号が入力される状態と第2信号が入力される状態とによって、二つの情報のうち入力された情報が認識されてもよい。
【0036】
三つの情報のうち何れかの情報が入力される入力部13,14においては、例えば、制御装置7に、第1信号が入力される状態と第2信号が入力される状態と第1及び第2信号が入力されない状態とによって、三つの情報のうち入力された情報が認識されてもよく、また、例えば、制御装置7に第1信号が入力される状態と第2信号が入力される状態と第3信号が入力される状態とによって、三つの情報のうち入力された情報が認識されてもよい。
【0037】
電力切替部19は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、電源21と制御装置7とを電気的に接続するブレーカとしてもよい。これにより、電力切替部19は、制御装置7へ電力を供給する状態と当該電力の供給を停止する状態とを切り替え可能に構成される。
【0038】
走行距離検出部20は、特に限定されないが、例えば、回転部5bの回転量を検出する、という構成でもよい。そして、走行距離検出部20は、例えば、スプロケットである回転部5bの歯が近づいたり離れたりすることによってオンオフ信号を出力するために、回転部5bの外周付近に配置される一対のセンサ(例えば、近接センサ、光電センサ)としてもよく、また、例えば、回転部5bの回転を検出するエンコーダとしてもよい。
【0039】
制御装置7は、例えば、本実施形態のように、各情報(データ)を取得する取得部22と、各情報を記憶する記憶部23と、各情報を演算する演算部24と、各部5,6,18を制御する制御部25とを備えていてもよい。
【0040】
制御装置7は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、制御装置7の各部22,23,24,25は、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。
【0041】
なお、制御装置7は、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部24、制御部25)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部22、記憶部23)、各種インターフェイス(例えば、取得部22)等を備えるコンピュータである。そして、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、制御装置7の各部22,23,24,25が実現されている。
【0042】
演算部24は、例えば、本実施形態のように、マンコンベヤ1に乗る人の有無を判定する有人判定部24aと、ステップ3bの走行及びチェーン3aへの給油を判定する走行・給油判定部24bとを備えていてもよい。
【0043】
制御部25は、例えば、本実施形態のように、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行を制御するために、駆動部5を制御する駆動制御部25aと、チェーン3aへの給油を制御するために、給油部6を制御する給油制御部25bと、出力部18を制御する出力制御部25cとを備えていてもよい。
【0044】
有人判定部24aは、例えば、人検出部15の検出に基づいて、マンコンベヤ1に乗る人の有無を判定してもよい。特に限定されないが、例えば、人検出部15が人を検出した場合に、有人判定部24aは、乗る人が存在する(有人)と判定し、人検出部15が最後に人を検出した後に、所定時間(例えば、ステップ3bが1/2周の距離を走行する時間+30秒)が経過した場合に、有人判定部24aは、乗る人が存在しない(無人)と判定する、という構成でもよい。
【0045】
駆動制御部25aは、例えば、ステップ3bの自動走行運転中において省エネルギーを図る等を目的として、有人判定部24aの判定に基づいて、駆動部5を制御してもよい。これにより、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行速度は、有人判定部24aの判定に基づいて、制御される。
【0046】
例えば、本実施形態においては、有人判定部24aが有人と判定した場合に、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行速度が第1速度(例えば、定格速度)である第1速度状態となり、有人判定部24aが無人と判定した場合に、ステップ3b及び手摺ベルト4aの走行速度が第1速度よりも遅い第2速度(例えば、低速度)である第2速度状態となる。
【0047】
なお、第1速度は、一つの速度に限られない。例えば、第1速度は、複数の速度を有し、マンコンベヤ1に乗る人の多さ等に基づいて、変更されてもよい。また、第2速度は、一つの速度に限られない。例えば、第2速度は、複数の速度を有し、時間等に基づいて、変更されてもよい。なお、第2速度は、例えば、0m/sよりも大きい低速度であってもよく、また、例えば、0m/sである停止速度(ゼロ速度)であってもよい。
【0048】
ところで、制御装置7は、自動走行・自動給油制御によって、ステップ3bの走行及びチェーン3aへの給油を制御している。例えば、走行・給油判定部24bが自動走行要件を満たしたと判定した場合に、駆動制御部25aは、ステップ3bの自動走行を開始する一方で、走行・給油判定部24bが自動給油要件を満たしたと判定した場合に、駆動制御部25aは、チェーン3a(ステップ3b)の走行を開始し、且つ、給油制御部25bは、チェーン3aへの自動給油を開始する。
【0049】
ここで、本実施形態に係るマンコンベヤ1の自動走行・自動給油制御について、図5及び図6を参照しながら説明する。なお、自動走行・自動給油制御は、以下の内容に限定されない。
【0050】
図5に示すように、制御装置7への電力供給が開始したときに(S1)、始動停止入力部13に始動指示情報が入力されていない場合に(S2の「N」)、制御装置7への電力供給がオン状態となる(S3)。その状態で、始動停止入力部13に始動指示情報が入力された場合に(S4の「Y」)、第1走行要件が成立する(S5)。
【0051】
そして、第1走行要件の成立後から第1設定時間T1を経過するまでの間に(S6の「N」)、自動手動入力部9に自動指示情報が入力された状態で(S7の「Y」)、走行方向入力部14に、第1方向指示情報又は第2方向指示情報が入力された場合に(S8の「Y」)、第2走行要件が成立する(S9)。このように、第1走行要件と第2走行要件とが成立することによって、自動走行要件が成立し(S10)、ステップ3bの自動走行が開始される(S11)。
【0052】
なお、第1走行要件の成立後から、第2走行要件が成立することなく、第1設定時間T1が経過した場合には(S6の「Y」)、第2走行要件が成立することはない。斯かる場合には、始動停止入力部13に、始動指示情報が入力されていない場合に(S12の「N」)、リセットされ、制御装置7への電力供給がオン状態に戻る(S3)。
【0053】
一方で、制御装置7への電力供給が開始したときに(S1)、始動停止入力部13に始動指示情報が入力された状態で(S2の「Y」)、且つ、図6に示すように、自動手動入力部9に手動指示情報が入力されていた場合に(S21の「Y」)、第1給油要件が成立する(S22)。即ち、始動停止入力部13に始動指示情報が入力され、且つ、自動手動入力部9に手動指示情報が入力された状態で、電力切替部19によって、制御装置7への電力供給がオフからオンに切り替わることによって、第1給油要件が成立する。
【0054】
これにより、第1走行要件は、制御装置7への電力供給がオンである状態で、始動停止入力部13に始動指示情報が入力されることを含んでいることに対して、第1給油要件は、始動停止入力部13に始動指示情報が入力された状態で、電力切替部19によって制御装置7への電力供給がオンに切り替わることを含んでいる。しかも、第1給油要件は、自動手動入力部9に手動指示情報が入力されることも要件となっている。したがって、第1給油要件を誤って成立させてしまうことを抑制することができる。
【0055】
なお、制御装置7への電力供給が開始したときに(図5のS1)、始動停止入力部13に始動指示情報が入力された状態で(図5のS2の「Y」)、自動手動入力部9に手動指示情報が入力されてなかった場合に(S21の「N」)、第1給油要件は、成立しない。斯かる場合には、始動停止入力部13に始動指示情報が入力されていない場合に(S23の「N」)、リセットされ(S25)、制御装置7への電力供給がオン状態に戻る(図5のS3)。
【0056】
そして、第1給油要件の成立後から第2設定時間T2を経過するまでの間に(S24の「N」)、自動手動入力部9に自動指示情報が入力された状態で(S26の「Y」)、走行方向入力部14に、第1方向指示情報又は第2方向指示情報が入力された場合に(S27の「Y」)、第2給油要件が成立する(S28)。このように、第1給油要件と第2給油要件とが成立することによって、自動給油要件が成立する(S29)。
【0057】
このように、第2給油要件(S24,S26,S27)の操作が、第2走行要件の操作(図5のS6~S8)と同じとなっているため、例えば、操作性を向上することができている。特に限定されないが、第2設定時間T2は、例えば、第1設定時間T1と同じであることが好ましい。これにより、第2給油要件の操作は、第2走行要件の操作と、設定時間T1,T2を含めて、全く同じになる。
【0058】
しかも、自動走行要件を成立させるために操作する部品9,13,14,19は、自動給油要件を成立させるために操作する部品9,13,14,19と、同じである。したがって、操作する部品を追加することなく、ステップ3bの自動走行とチェーン3aへの自動給油を行うことができる。
【0059】
なお、第1給油要件の成立後から、第2給油要件が成立することなく、第2設定時間T2が経過した場合には(S24の「Y」)、第2給油要件が成立することはない。斯かる場合には、始動停止入力部13に始動指示情報が入力されていない場合に(S23の「N」)、リセットされ(S25)、制御装置7への電力供給がオン状態に戻る(図5のS3)。
【0060】
そして、自動給油要件が成立することによって(S29)、チェーン3a及びステップ3bの走行が開始し(S30)、チェーン3aへの自動給油が開始される(S31)。このとき、特に限定されないが、ステップ3b(チェーン3a)の走行速度は、一定であり、且つ、給油部6のチェーン3aへの単位時間当たり給油量は、一定であることが好ましい。
【0061】
これにより、チェーン3aの単位長さ当たりの給油量を一定にすることができるため、チェーン3aに対する給油量にバラツキが発生することを抑制することができる。なお、「一定」とは、完全に同じだけでなく、略同じも含む概念である。
【0062】
その後、走行距離検出部20の検出に基づいて、ステップ3bが設定距離を走行した場合に(S32の「Y」)に、チェーン3aへの自動給油が停止する(S33)。特に限定されないが、設定距離は、ステップ3bが丁度N周(N:自然数)を走行する距離とすることが好ましい。なお、ステップ3bが設定距離を走行した場合(S32の「Y」)ではなく、ステップ3bが設定時間を走行した場合に、チェーン3aへの自動給油が停止する(S33)、という構成でもよい。
【0063】
そして、チェーン3aへの自動給油が終了した後に(S33)、人検出部15の検出に基づく、ステップ3bの自動走行が開始される(S34)。これにより、チェーン3aへの自動給油が終了した後も、マンコンベヤ1をそのまま使用することができる。したがって、例えば、操作性を向上させることができる。
【0064】
なお、自動給油要件が成立した場合に(S29)、人検出部15の検出に基づく、ステップ3bの自動走行が開始され、ステップ3bの自動走行中に、チェーン3aへの自動給油が開始される、という構成でもよい。そして、チェーン3aへの自動給油が終了した後に、ステップ3bの自動走行が継続される、という構成でもよい。
【0065】
また、特に限定されないが、自動手動入力部9及び電力切替部19は、一つの床プレート1b(図1参照)を取り外すことによって、乗降部1aの床の上から操作可能に配置されていることが好ましい。例えば、自動手動入力部9及び電力切替部19は、共通の一つの床プレート1bと、上下方向D3視にて重なっており、乗降部1aの床から下方へ500mm以内、好ましくは300mm以内の位置に配置されている、という構成でもよい。
【0066】
ところで、操作者に対して、第1走行要件が成立した場合と、第1給油要件が成立した場合とを、出力部18によってそれぞれ認識させる必要がある。特に、本実施形態においては、第2給油要件(S24,S26,S27)の操作が第2走行要件の操作(図5のS6~S8)と同じであるため、当該認識が重要となる。
【0067】
そこで、本実施形態に係るマンコンベヤ1の自動走行・自動給油制御中の出力制御について、図7を参照しながら説明する。なお、自動走行・自動給油制御中の出力制御は、以下の内容に限定されない。
【0068】
図7に示すように、第1走行要件が成立した場合に(S41)、出力部18は、第1の出力を開始する(S42)。これにより、第1の出力が開始されることによって、操作者は、第1走行要件が成立したことを認識できる。そして、第3設定時間T3が経過した場合に(S43の「Y」)、出力部18は、第1の出力を停止する(S49)。
【0069】
したがって、出力部18が第1の出力を停止した後に、ステップ3bの自動走行が開始した場合には、操作者は、第2走行要件も成立し、自動走行要件が成立したことを認識できる。一方で、出力部18が第1の出力を停止した後に、ステップ3bが停止したままである場合には、操作者は、第2走行要件が成立しなかったことを認識できる。
【0070】
また、第1走行要件ではなく(S41の「N」)、第1給油要件が成立した場合に(S44)、出力部18は、第1の出力と異なる第2の出力を開始する(S45)。これにより、第2の出力が開始されることによって、操作者は、第1給油要件が成立したことを認識できる。
【0071】
したがって、操作者は、第1走行要件が成立した状態と、第1給油要件が成立した状態とを、区別して認識することができる。特に限定されないが、例えば、第1の出力は、音声出力部12が連続鳴動し、第2の出力は、音声出力部12が断続鳴動する、という構成でもよい。また、例えば、第1の出力は、表示出力部16が第1の表示をし、第2の出力は、表示出力部16が第1の表示と異なる第2の表示をする、という構成でもよい。
【0072】
そして、第2設定時間T2が経過するまでの間に(S46の「N」)、第2給油要件が成立した場合には(S47)、チェーン3aへの自動給油が終了することによって(S48の「Y」)、出力部18は、第2の出力を停止する(S49)。一方で、第2給油要件が成立することなく(S47の「N」)、第2設定時間T2が経過した場合にも(S46の「Y」)、出力部18は、第2の出力を停止する(S49)。
【0073】
これにより、出力部18が第2の出力を開始した後に、ステップ3bの走行が開始することによって、操作者は、チェーン3aへの自動給油が開始されたことを認識でき、その後、出力部18が第2の出力を停止することによって、チェーン3aへの自動給油が終了したことを認識できる。一方で、ステップ3bの走行が開始することなく出力部18が第2の出力を停止した場合に、操作者は、第2給油要件が成立しなかったことを認識できる。
【0074】
なお、特に限定されないが、第3設定時間T3は、第2設定時間T2と異なることが好ましい。例えば、第3設定時間T3は、第2設定時間T2よりも、短くてもよい。これにより、第1の出力と第2の出力とを異ならせるだけでなく、第1の出力を出力する時間(第3設定時間)T3と、第2の出力を出力する時間(第2設定時間)T2とを異ならせることができる。したがって、操作者は、第1走行要件が成立した状態と、第1給油要件が成立した状態とを、明確に区別して認識することができる。
【0075】
以上より、本実施形態のように、マンコンベヤ1は、人が乗るステップ3bと、前記ステップ3bに接続され、前記ステップ3bが走行するために無端回転する環状のチェーン3aと、前記チェーン3aに給油する給油部6と、前記ステップ3bの走行及び前記チェーン3aへの給油を制御する制御装置7と、前記制御装置7への電力供給のオンオフ状態を切り替える電力切替部19と、前記ステップ3bの走行を始動する指示である始動指示情報と、前記ステップ3bの走行を停止する停止指示情報とが入力される始動停止入力部13と、を備え、前記制御装置7は、自動走行要件を満たした場合に、前記ステップ3bの自動走行を開始し、自動給油要件を満たした場合に、前記チェーン3aの走行を開始し且つ前記チェーン3aへの自動給油を開始し、前記自動走行要件は、前記電力切替部19によって前記制御装置7への電力供給がオンである状態で、前記始動停止入力部13に始動指示情報が入力されることを含み、前記自動給油要件は、前記始動停止入力部13に始動指示情報が入力された状態で、前記電力切替部19によって前記制御装置7への電力供給がオンに切り替わることを含む、という構成が好ましい。
【0076】
斯かる構成によれば、自動走行要件は、電力切替部19によって制御装置7への電力供給がオンである状態で、始動停止入力部13に始動指示情報が入力されることを含んでいる。それに対して、自動給油要件は、始動停止入力部13に始動指示情報が入力された状態で、電力切替部19によって制御装置7への電力供給がオンに切り替わることを含んでいる。これにより、操作する部品を追加することなく、走行するチェーン3aへの自動給油とステップ3bの自動走行とを行うことができる。
【0077】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1は、前記ステップ3bを自動走行する指示である自動指示情報と、前記ステップ3bを手動走行する指示である手動指示情報とが入力される自動手動入力部9をさらに備え、前記自動給油要件は、前記始動停止入力部13に始動指示情報が入力され且つ前記自動手動入力部9に手動指示情報が入力された状態で、前記電力切替部19によって前記制御装置7への電力供給がオンに切り替わることを含む、という構成が好ましい。
【0078】
斯かる構成によれば、自動給油要件は、始動停止入力部13への入力情報と、電力切替部19による制御装置7への電力供給のオンオフ状態とだけでなく、さらに、自動手動入力部9への入力情報も要件となっている。これにより、走行するチェーン3aへの自動給油を誤って開始することを抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1は、前記ステップ3bを第1方向に走行する指示である第1方向指示情報と、前記ステップ3bを第2方向に走行する指示である第2方向指示情報とが入力される走行方向入力部14をさらに備え、前記自動走行要件は、前記電力切替部19によって前記制御装置7への電力供給がオンである状態で、前記始動停止入力部13に始動指示情報が入力されることによって成立する第1走行要件と、前記第1走行要件の成立後から第1設定時間T1を経過するまでの間に、前記自動手動入力部9に自動指示情報が入力された状態で、前記走行方向入力部14に第1方向指示情報又は第2方向指示情報が入力されることによって成立する第2走行要件と、を含み、前記自動給油要件は、前記始動停止入力部13に始動指示情報が入力され且つ前記自動手動入力部9に手動指示情報が入力された状態で、前記電力切替部19によって前記制御装置7への電力供給がオンに切り替わることによって成立する第1給油要件と、前記第1給油要件の成立後から第2設定時間T2を経過するまでの間に、前記自動手動入力部9に自動指示情報が入力された状態で、前記走行方向入力部14に第1方向指示情報又は第2方向指示情報が入力されることによって成立する第2給油要件と、を含む、という構成が好ましい。
【0080】
斯かる構成によれば、自動給油要件は、始動停止入力部13への入力情報と、自動手動入力部9への入力情報と、電力切替部19による制御装置7への電力供給のオンオフ状態とだけでなく、さらに、走行方向入力部14への入力情報も要件となっている。これにより、走行するチェーン3aへの自動給油を誤って開始することをさらに抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1は、情報を出力する出力部18を備え、前記出力部18は、前記第1走行要件の成立後に、第1の出力を行い、前記出力部18は、前記第1給油要件の成立後に、前記第1の出力とは異なる第2の出力を行う、という構成が好ましい。
【0082】
斯かる構成によれば、第1走行要件の成立後に、出力部18は、第1の出力を行い、第1給油要件の成立後に、出力部18は、第1の出力とは異なる第2の出力を行っている。これにより、操作者は、第1走行要件が成立した状態と、第1給油要件が成立した状態とを、区別して認識することができる。
【0083】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1においては、前記出力部18は、前記第1給油要件の成立後から前記第2設定時間T2を経過するまで、前記第2の出力を継続し、前記出力部18は、前記第2設定時間T2を経過することなく前記自動給油要件を満たした場合に、前記チェーン3aへの自動給油が終了するまで、前記第2の出力をさらに継続する、という構成が好ましい。
【0084】
斯かる構成によれば、出力部18が第2の出力を開始することによって、第1給油要件の成立が認識され、ステップ3bの走行が開始することによって、自動給油の開始が認識され、出力部18が第2の出力を停止することによって、自動給油の終了が認識される。一方で、ステップ3bの走行が開始することなく出力部18が第2の出力を停止した場合に、自動給油要件(第2給油要件)の不成立が認識される。
【0085】
また、本実施形態のように、マンコンベヤ1においては、前記制御装置7は、前記チェーン3aへの自動給油が終了した後に、前記ステップ3bの自動走行を行う、という構成が好ましい。
【0086】
斯かる構成によれば、チェーン3aへの自動給油が終了した後に、ステップ3bの自動走行が行われるため、チェーン3aへの自動給油が終了した後も、マンコンベヤ1をそのまま使用することができる。
【0087】
なお、マンコンベヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0088】
(1)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、自動給油要件は、第1給油要件と第2給油要件とを含む、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0089】
例えば、自動給油要件は、上記の第1給油要件及び上記の第2給油要件だけでなく、他の要件をさらに含む、という構成でもよい。また、例えば、自動給油要件は、上記の第1給油要件だけを含み、上記の第2給油要件を含まない、という構成でもよい。また、例えば、自動給油要件は、始動停止入力部13に始動指示情報が入力された状態で、電力切替部19によって制御装置7への電力供給がオンに切り替わる、という要件だけを含む、という構成でもよい。
【0090】
(2)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、自動走行要件は、第1走行要件と第2走行要件とを含む、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0091】
例えば、自動走行要件は、上記の第1走行要件及び上記の第2走行要件だけでなく、他の要件をさらに含む、という構成でもよい。また、例えば、自動走行要件は、上記の第1走行要件だけを含み、上記の第2走行要件を含まない、という構成でもよい。また、例えば、自動走行要件は、前記電力切替部19によって前記制御装置7への電力供給がオンである状態で、前記始動停止入力部13に始動指示情報が入力される、という要件だけを含む、という構成でもよい。
【0092】
(3)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、出力部18は、第1走行要件の成立後に、第1の出力を行い、第1給油要件の成立後に、第1の出力とは異なる第2の出力を行う、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0093】
例えば、出力部18は、第1走行要件の成立後に、第1の出力を第1の時間だけ行い、第1給油要件の成立後に、第1の出力を、第1の時間とは異なる時間だけ行う、という構成でもよい。また、例えば、出力部18は、第1走行要件の成立後や、第1給油要件の成立後に、出力しない、という構成でもよい。
【0094】
(4)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、出力部18は、第1給油要件の成立後から第2設定時間T2を経過するまで、第2の出力を継続し、出力部18は、第2設定時間T2を経過することなく自動給油要件を満たした場合に、チェーン3aへの自動給油が終了するまで、第2の出力をさらに継続する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0095】
例えば、出力部18は、第1給油要件の成立後から第2給油要件の成立に関わらず所定時間(第2設定時間T2よりも短い時間)を経過することによって、第2の出力を停止する、という構成でもよい。また、例えば、出力部18は、第2給油要件の成立後に、即ち、チェーン3aへの自動給油が開始した場合に、第2の出力を停止する、という構成でもよい。
【0096】
(5)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、制御装置7は、チェーン3aへの自動給油が終了した後に、ステップ3bの自動走行を行う、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、制御装置7は、チェーン3aへの自動給油が終了した後に、ステップ3bの走行を停止する、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0097】
1…マンコンベヤ、1a…乗降部、1b…床プレート、2…構造体、2a…機械室、3…搬送部、3a…チェーン、3b…ステップ、4…欄干部、4a…手摺ベルト、4b…欄干本体部、4c…ガード部、5…駆動部、5a…駆動源、5b…回転部、6…給油部、7…制御装置、8…操作盤、9…自動手動入力部、10…遠隔監視入力部、11…非常停止入力部、12…音声出力部、13…始動停止入力部、14…走行方向入力部、15…人検出部、16…表示出力部、17…入力部、18…出力部、19…電力切替部、20…走行距離検出部、21…電源、22…取得部、23…記憶部、24…演算部、24a…有人判定部、24b…走行・給油判定部、25…制御部、25a…駆動制御部、25b…給油制御部、25c…出力制御部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7