(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038567
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】鋼床版の溶接部補修方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B23K 31/00 20060101AFI20230310BHJP
B23K 37/08 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
B23K31/00 K
B23K37/08 E
B23K31/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145368
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】509338994
【氏名又は名称】株式会社IHIインフラシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 眞司
(57)【要約】 (修正有)
【課題】トラフリブ内に人が侵入することなくトラフリブ内の溶接部の裏抜けを検査及び補修することのできる鋼床版の溶接部補修方法及び補修装置を提供する。
【解決手段】カメラ26を搭載した自走型の検査装置をトラフリブ3の長手方向に沿ってトラフリブ3内を走行させるとともに、検査装置のカメラ26によって撮像されるトラフリブ3内の溶接部の映像を外部のモニタに出力し、モニタによって確認された溶接部の裏抜けの位置を測定するとともに、裏抜けの位置に自走型の削り取り装置20を移動させ、裏抜けした溶接ビード4aを削り取り装置20によって削り取るようにした。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼床版のデッキプレートに溶接されるトラフリブ内の溶接部の裏抜けを検査及び補修する鋼床版の溶接部補修方法において、
カメラを搭載した自走型の検査装置をトラフリブの長手方向に沿ってトラフリブ内を走行させるとともに、
前記カメラによって撮像されるトラフリブ内の溶接部の映像を外部のモニタに出力し、
モニタによって確認された溶接部の裏抜け部分の位置を測定するとともに、
裏抜け部分の位置に自走型の削り取り装置を移動させて裏抜けした溶接ビードを削り取り装置によって削り取る
ことを特徴とする鋼床版の溶接部補修方法。
【請求項2】
一端を前記検査装置に接続された測定具を用い、トラフリブの長手方向所定位置から検査装置までの距離を測定具によって測定することにより溶接部の裏抜け部分の位置を測定する
ことを特徴とする請求項1記載の鋼床版の溶接部補修方法。
【請求項3】
前記トラフリブの内面に当接する保持装置により削り取り装置をトラフリブ内に保持しながら前記溶接ビードを削り取り装置によって削り取る
ことを特徴とする請求項1または2記載の鋼床版の溶接部補修方法。
【請求項4】
前記トラフリブの内面とデッキプレートとのなす角度と同等の刃先角度を有する回転刃を用いて前記溶接ビードを削り取る
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の鋼床版の溶接部補修方法。
【請求項5】
鋼床版のデッキプレートに溶接されるトラフリブ内の溶接部の裏抜けを検査及び補修する鋼床版の溶接部補修装置において、
カメラを搭載し、トラフリブの長手方向に沿ってトラフリブ内を走行する自走型の検査装置と、
トラフリブの外部に配置され、前記カメラによって撮像されるトラフリブ内の溶接部の映像を出力するモニタと、
モニタによって確認された溶接部の裏抜け部分の位置を測定する位置測定手段と、
位置測定手段によって測定された裏抜け部分の位置に移動して裏抜けした溶接ビードを削り取る自走型の削り取り装置とを備えた
ことを特徴とする鋼床版の溶接部補修装置。
【請求項6】
前記位置測定手段は、一端を検査装置に接続された測定具からなり、トラフリブの長手方向所定位置から検査装置までの距離を測定具によって測定することにより溶接部の裏抜け部分の位置を測定する
ことを特徴とする請求項5記載の鋼床版の溶接部補修装置。
【請求項7】
前記トラフリブの内面に当接することにより削り取り装置をトラフリブ内に保持する保持装置を備えた
ことを特徴とする請求項5または6記載の鋼床版の溶接部補修装置。
【請求項8】
前記削り取り装置は、トラフリブの内面とデッキプレートとのなす角度と同等の刃先角度を有する回転刃を有する
ことを特徴とする請求項5、6または7記載の鋼床版の溶接部補修装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁の鋼床版に溶接されるトラフリブにおいて、トラフリブ内における溶接部の裏抜けを補修する鋼床版の溶接部補修方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、橋梁に用いられる床版として、鋼板からなる平板状のデッキプレートの下面に補強用の鋼製のトラフリブを溶接してなる鋼床版が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
トラフリブは略U字状に形成され、デッキプレートの鋼板に隅肉溶接により接合される。溶接に際しては、トラフリブの接合端面にレ型開先を形成し、トラフリブの外側からトラフリブの長手方向に沿って溶接するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トラフリブの外側から隅肉溶接を行う際、溶接部に裏抜け(メルトスルー)を生ずる場合がある。このような場合、裏抜けした溶接ビードがトラフリブの内側に残存するが、トラフリブ内には長手方向複数箇所に隔壁が設けられていて密閉構造となっているため、裏抜けした溶接ビードを溶接時または溶接後に外部から目視で確認することができなかった。
【0006】
一方、近年では、トラフリブ内に隔壁を設けず、空気乾燥システムによってトラフリブ内を換気するようにした鋼床版が普及し始めている。このような鋼床版のトラフリブでは内部が隔壁で密閉されていないので、長手方向一端の開口部からトラフリブ内の全体を検査することも可能と考えられる。しかしながら、トラフリブの開口部は人が侵入できる大きさではなく、その全長も長いため(例えば25m)、トラフリブ内の溶接部を人手によって検査及び補修することは困難であるという問題点があった。
【0007】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、トラフリブ内に人が侵入することなくトラフリブ内の溶接部の裏抜けを検査及び補修することのできる鋼床版の溶接部補修方法及び補修装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するために、鋼床版のデッキプレートに溶接されるトラフリブ内の溶接部の裏抜けを検査及び補修する鋼床版の溶接部補修方法において、カメラを搭載した自走型の検査装置をトラフリブの長手方向に沿ってトラフリブ内を走行させるとともに、前記カメラによって撮像されるトラフリブ内の溶接部の映像を外部のモニタに出力し、モニタによって確認された溶接部の裏抜け部分の位置を測定するとともに、裏抜け部分の位置に自走型の削り取り装置を移動させて裏抜けした溶接ビードを削り取り装置によって削り取るようにしている。
【0009】
また、本発明は前記目的を達成するために、鋼床版のデッキプレートに溶接されるトラフリブ内の溶接部の裏抜けを検査及び補修する鋼床版の溶接部補修装置において、カメラを搭載し、トラフリブの長手方向に沿ってトラフリブ内を走行する自走型の検査装置と、トラフリブの外部に配置され、前記カメラによって撮像されるトラフリブ内の溶接部の映像を出力するモニタと、モニタによって確認された溶接部の裏抜け部分の位置を測定する位置測定手段と、位置測定手段によって測定された裏抜け部分の位置に移動して裏抜けした溶接ビードを削り取る自走型の削り取り装置とを備えている。
【0010】
これにより、検査装置によってトラフリブ内に裏抜けした溶接ビードの有無が検査され、裏抜けした溶接ビードが削り取り装置によって削り取られることから、トラフリブ内に人が侵入することなくトラフリブ内の溶接部の裏抜けを検査及び補修することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、トラフリブ内に人が侵入することなくトラフリブ内の溶接部の裏抜けを検査及び補修することができるので、内部に隔壁を有しないトラフリブ3内における溶接部の裏抜けの検査及び補修を工場または既設橋梁において効率よく行うことができ、鋼床版の品質及び耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態を示す鋼床版の部分斜視図
【
図14】溶接ビードの切削工程を示す要部正面断面図
【
図15】溶接ビードの切削工程を示す要部正面断面図
【
図16】溶接ビードの切削工程を示す要部正面断面図
【
図17】削り取り装置の他の実施形態を示す要部正面断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1乃至
図1は本発明の一実施形態を示すもので、鋼床版のトラフリブ内における溶接部の裏抜けを検査及び補修する溶接部補修方法及びこれに用いる装置を示すものである。
【0014】
同図に示す鋼床版1は、鋼板からなる平板状のデッキプレート2を有し、デッキプレート2の下面には補強用の複数のトラフリブ3が溶接されている。トラフリブ3は略U字状に形成された鋼材からなり、
図2及び
図3に示すように工場等において鋼床版1を上下反対向きにした状態でデッキプレート2に溶接される。その際、トラフリブ3の接合端面にレ型開先を形成し、トラフリブ3の外側から長手方向に沿って溶接される。
【0015】
トラフリブ3の外側から隅肉溶接を行う際、溶接部4がトラフリブ3の内側に裏抜け(メルトスルー)を生ずる場合がある。このような場合、
図4に示すように裏抜けした溶接ビード4aがトラフリブ3の内側に残存する。
【0016】
本実施形態の補修装置は、トラフリブ3内に裏抜けした溶接ビード4aの有無を検査するための自走型の検査装置10と、トラフリブ3内の溶接ビード4aを削り取る自走型の削り取り装置20とから構成されている。
【0017】
検査装置10は、トラフリブ3内に侵入可能な装置本体11と、装置本体11を走行させる走行装置12と、走行装置12を遠隔操作する操作部13と、装置本体11に搭載されたカメラ14と、カメラ14の映像を出力するモニタ15と、装置本体11の位置を測定する位置測定手段としての測定具16とを備えている。
【0018】
走行装置12は、図示しない駆動機構、操舵機構、バッテリ等からなり、装置本体11に取り付けられた車輪11aを駆動して装置本体11を走行させるようになっている。
【0019】
操作部13は走行装置12に無線または有線によって接続され、装置本体11の前進、後退、操舵等の走行装置12の操作をオペレータが行うようになっている。
【0020】
カメラ14は装置本体11の前方の映像を撮像する周知の高画質カメラからなり、撮像した映像を録画する機能を備えたものが用いられる。
【0021】
モニタ15はカメラ14に無線または有線によって接続され、操作部13とともにオペレータ側に配置されている。
【0022】
測定具16は、周知の巻き尺に用いられる帯状のメジャーからなり、その一端を装置本体11の後端に接続され、その他端側はトラフリブ3の外部に配置される。
【0023】
削り取り装置20は、トラフリブ3内に侵入可能な装置本体21と、装置本体21を走行させる走行装置22と、装置本体21をトラフリブ3内に保持可能な保持装置23と、トラフリブ3内に裏抜けした溶接ビード4aを削り取る切削機24と、走行装置22、保持装置23及び切削機24を遠隔操作する操作部25と、切削機24に搭載されたカメラ26と、カメラ26の映像を出力するモニタ27とを備えている。
【0024】
走行装置22は、図示しない駆動機構、操舵機構、バッテリ等からなり、装置本体21に取り付けられた車輪21aを駆動して装置本体21を走行させるようになっている。
【0025】
保持装置23は、装置本体21の両側面にそれぞれ設けられた一対の保持部23aを有し、各保持部23aは図示しないシリンダ等の駆動機構によって装置本体21の幅方向に移動可能に設けられている。また、各保持部23aにはトラフリブ3の内面に当接するガイドローラ23bが設けられている。
【0026】
切削機24は、装置本体21に回動可能に設けられたアーム24aと、アーム24aの先端に設けられた切削ヘッド24bと、切削ヘッド24bに取り付けられた回転刃24cとを備え、アーム24aによって切削ヘッド24bを切削位置に移動し、回転刃24cによって切削対象物を削り取るようになっている。回転刃24cは、
図8に示すように回転軸24dを中心に周方向4箇所に等間隔で設けられ、図示しないモータ等の駆動機構によって回転軸24dを中心に水平方向に回転するようになっている。また、回転刃24cは、
図9に示すように刃先角度θがトラフリブ3の内面とデッキプレート2とのなす角度と同等の角度を有するように形成されている。回転刃24cの上方にはトラフリブ3の内面に当接するガイド部24eが設けられ、ガイド部24eの当接面と回転刃24cがトラフリブ3の内面に対して互いに面一になるように形成されている。
【0027】
操作部25は走行装置22、保持装置23及び切削機24に無線または有線によって接続され、装置本体21の前進、後退、操舵等の走行装置12の操作と、各保持部23aの移動等の保持装置23と、アーム24aの回動、回転刃24cの回転等の切削機24の操作とをオペレータが行うようになっている。
【0028】
カメラ26は周知の高画質カメラからなり、切削機24の切削位置の映像を撮像するようになっている。
【0029】
モニタ27はカメラ26に無線または有線によって接続され、操作部25とともにオペレータ側に配置されている。
【0030】
以下、本実施形態における溶接部の補修方法について、検査装置10による検査工程と、削り取り装置20による削り取り工程とを説明する。
【0031】
まず、検査工程では、検査装置10の装置本体11をトラフリブ3内の一端側に配置し、
図11に示すようにトラフリブ3内の他端側に向かって走行させる。その際、カメラ14によって装置本体11の前方を撮像しながら走行させ、その映像がモニタ15に出力されるとともに、図示しない記憶装置に動画として録画される。モニタ15には、
図12に示すように画面15aにデッキプレート2とトラフリブ3の内面が映し出され、オペレータがモニタ15の映像を見ながら装置本体11を走行させる。また、走行する装置本体11とともに測定具16がトラフリブ3内に繰り出される。
【0032】
ここで、モニタ15の映像から、デッキプレート2とトラフリブ3の境界部分にトラフリブ3内に裏抜けした溶接ビード4aが発生していることをオペレータが確認すると、溶接ビード4aの位置で装置本体11を停止させ、測定具16によって溶接ビード4aの位置を測定する。この場合、
図11に示すように、装置本体11からトラフリブ3の一端までの距離Lを測定具16の目盛りを読み取ることによって測定し、溶接ビード4aの位置として測定距離を記録しておく。
【0033】
次に、削り取り工程では、トラフリブ3内の一端側に削り取り装置20の装置本体21を配置し、装置本体21をトラフリブ3内の他端側に向かって走行させて溶接ビード4aの位置まで移動する。その際、前記検査工程では、トラフリブ3の一端から溶接ビード4aまでの測定距離Lが記録されているので、その距離Lに基づいて装置本体21を溶接ビード4aの位置まで移動する。また、カメラ14によって録画された映像により、溶接ビード4aの位置や状態の確認を行う。
図13に示すように装置本体21を切削作業位置まで移動させた後は、保持装置23の各保持部23aを幅方向外側に向かって移動してトラフリブ3の内側面に当接させ、装置本体21を幅方向に動かないように保持する。その際、装置本体21の各保持部23aはガイドローラ23bを介してトラフリブ3の内側面に当接しているので、装置本体21は前後方向(トラフリブ3の長手方向)への移動が可能な状態で保持される。
【0034】
続いて、削り取り装置20の切削機24により溶接ビード4aを削り取る。即ち、
図14に示すようにアーム24aによって切削ヘッド24bを切削位置に移動し、
図15に示すように回転刃24cを溶接ビード4aに押し当てながら回転させることにより溶接ビード4aを切削する。その際、走行装置22によって装置本体21を前後方向に移動させながらデッキプレート2とトラフリブ3の境界部分に沿って溶接ビード4aを切削する。また、回転刃24cの刃先角度θがトラフリブ3の内面とデッキプレート2とのなす角度と同等の角度を有することから、溶接ビード4aがトラフリブ3の内面と面一になるように切削されるとともに、切削時にガイド部24eがトラフリブ3の内面に当接することにより、回転刃24cの刃先の移動がトラフリブ3の内面位置で規制される。このような切削作業においては、切削箇所がカメラ26によってモニタ27に映し出され、その映像を見ながらオペレータが切削機24及び走行装置22を操作して切削作業が行われる。このようにして溶接ビード4aを削り取ることにより、
図16に示すようにトラフリブ3の内面における裏抜け部分が他の部分と面一になるように補修される。
【0035】
このように、本実施形態によれば、カメラ14を搭載した自走型の検査装置10をトラフリブ3の長手方向に沿ってトラフリブ3内を走行させるとともに、検査装置10のカメラによって撮像されるトラフリブ3内の溶接部の映像を外部のモニタ15に出力し、モニタ15によって確認された溶接部の裏抜けの位置を測定するとともに、裏抜けの位置に自走型の削り取り装置20を移動させ、裏抜けした溶接ビード4aを削り取り装置20によって削り取るようにしたので、トラフリブ3内に人が侵入することなくトラフリブ3内の溶接部の裏抜けを検査及び補修することができる。これにより、内部に隔壁を有しないトラフリブ3内における溶接部の裏抜けの検査及び補修を工場または既設橋梁において効率よく行うことができ、鋼床版の品質及び耐久性の向上を図ることができる。
【0036】
また、一端を検査装置10の装置本体11に接続された測定具16を用い、トラフリブ3の長手方向所定位置(一端)から装置本体11までの距離Lを測定具16によって測定することにより溶接部の裏抜け部分の位置を測定するようにしたので、複雑な構造を用いることなく容易に裏抜け部分の位置を測定することができる。
【0037】
更に、トラフリブ3の内面に当接することにより削り取り装置20の装置本体21をトラフリブ3内に保持する保持装置23を備えているので、切削時に装置本体21をトラフリブ3内に保持することにより、切削作業を安定して行うことができる。
【0038】
また、削り取り装置20は、トラフリブ3の内面とデッキプレート2とのなす角度と同等の刃先角度θを有する回転刃24cを有しているので、溶接ビード4aをトラフリブ3の内面と面一になるように切削することができ、裏抜けした溶接ビード4aをほぼ完全に除去ずることができる。
【0039】
更に、回転刃24cの近傍にトラフリブ3の内面に当接するガイド部24eを設け、切削時にガイド部24eをトラフリブ3の内面に当接させることにより、回転刃24cの刃先の移動をトラフリブ3の内面位置で規制するようにしたので、回転刃24cによる過剰な切削を防止することができ、裏抜けした溶接ビード4aの切削を正確に行うことができる。
【0040】
尚、前記実施形態では、裏抜けした溶接ビード4aを回転刃24cにより切削することにより削り取るようにしたものを示したが、前記削り取り装置20の切削機24に代えて、
図17に示す他の実施形態のようにグラインダー28を用い、グラインダー28の先端に設けられた球状の砥石28aを回転させながら溶接ビード4aに押し当てることにより、裏抜けした溶接ビード4aを研削して削り取るようにしてもよい。
【0041】
また、前記実施形態は本発明の一実施例であり、検査装置10及び削り取り装置20の構成は前記実施形態に記載されたものに限定されない。
【符号の説明】
【0042】
1…鋼床版、2…デッキプレート、3…トラフリブ、4…溶接部、4a…溶接ビード、10…検査装置、11…装置本体、12…走行装置、13…操作部、14…カメラ、15…モニタ、20…削り取り装置、21…装置本体、22…走行装置、23…保持装置、24…切削機、25…操作部、26…カメラ、27…モニタ、28…グラインダー。