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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003858
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/53 20060101AFI20230110BHJP
   A61F 13/532 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
A61F13/53 200
A61F13/532 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105184
(22)【出願日】2021-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 嶺
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】武田 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】立堀 渉
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA01
3B200BB04
3B200BB05
3B200CA08
3B200DB05
3B200DB11
(57)【要約】
【課題】吸収性コアの吸収能を有効に活用することができ、尿等の吸収性に優れた吸収性物品を提供する。
【解決手段】トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収性コア4とを有する吸収性物品であって、吸収性コア4は、前側部4Fと後側部4Rが中央部4Cよりも幅広に形成され、前側中間部4FMと後側中間部4RMがそれぞれ前側部4Fまたは後側部4Rから中央部4Cに向かって幅が漸減するように形成され、吸収性コア4には、幅方向の中心線CX上に前後方向に延びる開口部または凹部5が設けられ、吸収性コア4の前後方向の中心CYは後側中間部4RMに位置し、吸収性コア4の後側中間部4RMの外縁は、後側から前側に向かって幅方向の外方から内方に延びる傾斜線部を有し、当該傾斜線部を延長した仮想線11は、吸収性コア4の幅方向の中心線CXと開口部または凹部5の前側端5FEよりも前側で交差する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向と幅方向を有し、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収性コアとを有する吸収性物品であって、
前記吸収性コアは、前後方向の前側から、前側部と前側中間部と中央部と後側中間部と後側部とを有し、前側部と後側部は中央部よりも幅広に形成され、前側中間部と後側中間部はそれぞれ前側部または後側部から中央部に向かって幅が漸減するように形成され、
前記吸収性コアには、幅方向の中心線上に前後方向に延びる開口部または凹部が設けられ、
前記吸収性コアの前後方向の相対位置として前側端を0%とし後側端を100%としたとき、前記開口部または凹部の前側端は15%~30%の範囲に位置し、前記開口部または凹部の後側端は60%~85%の範囲に位置し、
前記吸収性コアの前後方向の中心は、前記後側中間部に位置し、
前記吸収性コアの後側中間部の外縁は、後側から前側に向かって幅方向の外方から内方に延びる傾斜線部を有し、当該傾斜線部を延長した仮想線は、前記吸収性コアの幅方向の中心線と前記開口部または凹部の前側端よりも前側で交差することを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記開口部または凹部の前側端は、前記前側中間部に位置する請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性コアの前側中間部の外縁は、前側から後側に向かって幅方向の外方から内方に延びる傾斜線部を有し、当該傾斜線部を延長した仮想線は、前記吸収性コアの幅方向の中心線と前記吸収性コアの前後方向の中心よりも後側で交差する請求項1または2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性コアの後側部の外縁は前後方向に延びる直線部を有し、当該直線部は、前記吸収性コアの前後方向の長さの20%以上45%以下の長さを有し、
前記開口部または凹部の後側端は、前記直線部と前後方向に重なる位置にある請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収性コアには、前記開口部または凹部として、凹部が設けられている請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性コアは、前記前側部と前記後側部が略同幅である請求項1~5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性コアは、前記前側部の幅と前記後側部の幅が前記中央部の幅の1.2倍以上1.4倍以下である請求項1~6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿パッド、使い捨ておむつ、軽失禁パッド、生理用ナプキン等の吸収性物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収性コアとを有する吸収性物品であって、吸収性コアに開口部や凹部が設けられた吸収性物品が知られている(例えば、特許文献1~5)。吸収性コアに開口部や凹部が設けられることにより、吸収性コアにおける尿等の拡散性が高まり、吸収性コアの吸収能が広範囲にわたって活用されやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-202576号公報
【特許文献2】特開2008-284190号公報
【特許文献3】特開2017-047100号公報
【特許文献4】特開2019-041875号公報
【特許文献5】特開2021-013676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸収性物品では、より多くの尿等を吸収できるように、吸収性コアの吸収能ができるだけ有効に活用されることが望ましく、さらなる改善が求められている。本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸収性コアの吸収能を有効に活用することができ、尿等の吸収性に優れた吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決することができた本発明の吸収性物品とは、前後方向と幅方向を有し、トップシートとバックシートとこれらの間に配された吸収性コアとを有する吸収性物品であって;吸収性コアは、前後方向の前側から、前側部と前側中間部と中央部と後側中間部と後側部とを有し、前側部と後側部は中央部よりも幅広に形成され、前側中間部と後側中間部はそれぞれ前側部または後側部から中央部に向かって幅が漸減するように形成され;吸収性コアには、幅方向の中心線上に前後方向に延びる開口部または凹部が設けられ;吸収性コアの前後方向の相対位置として前側端を0%とし後側端を100%としたとき、開口部または凹部の前側端は15%~30%の範囲に位置し、開口部または凹部の後側端は60%~85%の範囲に位置し;吸収性コアの前後方向の中心は、後側中間部に位置し;吸収性コアの後側中間部の外縁は、後側から前側に向かって幅方向の外方から内方に延びる傾斜線部を有し、当該傾斜線部を延長した仮想線は、吸収性コアの幅方向の中心線と開口部または凹部の前側端よりも前側で交差するところに特徴を有する。
【0006】
本発明の吸収性物品は、着用者から尿等が排泄されると、尿等が吸収性コアの開口部または凹部を通って前後方向に拡散され、尿等が吸収性コアの前後方向の広い範囲にわたって効率的に吸収されやすくなる。この際、吸収性コアの前後方向の中心が吸収性コアの後側中間部に位置することにより、吸収性コアの後側部が前後方向に長く形成され、吸収性コアの吸収容量を確保することができる。また吸収性コアは、後側中間部の外縁の傾斜線部を延長した仮想線が、吸収性コアの幅方向の中心線と開口部または凹部の前側端よりも前側で交差するように形成されているため、尿等が排尿部から後方に向かって幅方向に広がるように拡散すると、後側中間部と後側部の境界付近の吸収性コアの外縁近傍にも尿等が移行しやすく、当該部分の吸収能を有効に活用することができる。そのため、本発明の吸収性物品によれば、吸収性コアの吸収能が広範囲にわたって有効に活用され、尿等の吸収性に優れるものとなる。
【0007】
吸収性コアにおいて、開口部または凹部の前側端は、前側中間部に位置することが好ましい。このように開口部または凹部が形成されていれば、着用者が腹臥位の状態で、尿等が開口部または凹部の前側端まで移行し、そこから幅方向の外方に広がるように拡散したり、あるいは前方に向かって幅方向の外方に広がるように拡散した際に、幅広に形成された前側部で尿等が好適に吸収されやすくなる。
【0008】
吸収性コアの前側中間部の外縁は、前側から後側に向かって幅方向の外方から内方に延びる傾斜線部を有し、当該傾斜線部を延長した仮想線は、吸収性コアの幅方向の中心線と吸収性コアの前後方向の中心よりも後側で交差することが好ましい。このように吸収性コアが形成されていれば、着用者が起立した状態または座った状態で、尿等が開口部または凹部を通って吸収性コアの前後方向の中心付近まで移行し、その後、着用者が伏臥位の状態になるなどして、尿等がそこから前方に幅方向の外方に広がるように拡散した際に、前側部と前側中間部の境界付近の吸収性コアの外縁近傍の吸収能が好適に活用されやすくなる。
【0009】
吸収性コアの後側部の外縁は前後方向に延びる直線部を有し、当該直線部は、吸収性コアの前後方向の長さの20%以上45%以下の長さを有し、開口部または凹部の後側端は、前記直線部と前後方向に重なる位置にあることが好ましい。このように吸収性コアが形成されていれば、吸収性コアの後側部における吸収容量が確保されやすくなるとともに、開口部または凹部の後側端まで尿等が移行し、そこから吸収性コアに尿等が吸収された際に、幅広に形成された後側部によって尿等が効率的に吸収されやすくなる。
【0010】
吸収性コアには、開口部ではなく凹部が設けられることが好ましい。すなわち、上記の開口部または凹部として、凹部が設けられることが好ましい。これにより、吸収性コアにおいて尿等の幅方向への拡散性が確保されやすくなり、吸収性コアの吸収能をより有効に活用することができる。
【0011】
吸収性コアは、前側部と後側部が略同幅であることが好ましい。これにより後側部が幅方向にスリムに形成され、吸収性物品を着用した際に、着用者の臀部において吸収性コアが嵩張りにくくなる。
【0012】
吸収性コアは、前側部の幅と後側部の幅が中央部の幅の1.2倍以上1.4倍以下であることが好ましい。前側部の幅と後側部の幅を中央部の幅の1.2倍以上とすることにより、中央部を幅狭に形成することができ、吸収性物品を着用した際に、着用者が脚を動かしやすくなる。一方、前側部の幅と後側部の幅を中央部の幅の1.4倍以下とすることにより、前側部と後側部が幅方向にスリムに形成され、吸収性物品の着用感を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の吸収性物品は、着用者から尿等が排泄されると、尿等が吸収性コアの開口部または凹部を通って前後方向に拡散され、尿等が吸収性コアの前後方向の広い範囲にわたって効率的に吸収されやすくなる。この際、吸収性コアの前後方向の中心が吸収性コアの後側中間部に位置することにより、吸収性コアの後側部が前後方向に長く形成され、吸収性コアの吸収容量を確保することができる。また吸収性コアは、後側中間部の外縁の傾斜線部を延長した仮想線が、吸収性コアの幅方向の中心線と開口部または凹部の前側端よりも前側で交差するように形成されているため、尿等が排尿部から後方に向かって幅方向に広がるように拡散すると、後側中間部と後側部の境界付近の吸収性コアの外縁近傍にも尿等が移行しやすく、当該部分の吸収能を有効に活用することができる。そのため、本発明の吸収性物品によれば、吸収性コアの吸収能が広範囲にわたって有効に活用され、尿等の吸収性に優れるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の吸収性物品の一例を表し、吸収性物品を肌面側から見た平面図を表す。
図2図1に示した吸収性物品のII-II断面図を表す。
図3図1に示した吸収性物品に備えられた吸収性コアの平面図を表す。
図4】吸収性コアの平面図を表し、図4(a)は本発明に係る吸収性コアを表し、図4(b)は比較の吸収性コアを表す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の吸収性物品について、図面を参照して説明する。なお本発明は、図面に示された実施態様に限定されるものではない。図1図3には、本発明の吸収性物品の一例として、尿パッドの構成例を示した。図1は、吸収性物品(尿パッド)を肌面側から見た平面図を表し、図2は、図1に示した吸収性物品のII-II断面図を表し、図3は、図1に示した吸収性物品に備えられた吸収性コアの平面図を表す。本願の図では、矢印xが幅方向、矢印yが前後方向を表し、矢印x,yにより形成される面に対して垂直方向が厚み方向zを表す。図1および図3では、図面の上側が吸収性物品の前側に相当し、図面の下側が吸収性物品の後側に相当する。
【0016】
吸収性物品1は、トップシート2とバックシート3とこれらの間に設けられた吸収性コア4とを有する。トップシート2は吸収性コア4の肌面側に配され、吸収性物品1を着用した際に着用者側に位置するシートである。バックシート3は吸収性コア4の外面側に配され、吸収性物品1を着用した際に着用者とは反対側に位置するシートである。着用者から排泄された尿等は、トップシート2を透過して吸収性コア4により収容される。バックシート3は、排泄物が外部へ漏れるのを防いでいる。
【0017】
吸収性物品1は、前後方向yと幅方向xを有する。前後方向yとは、吸収性物品1を着用した際に着用者の股間の前後方向に延びる方向に相当する。幅方向xとは、吸収性物品1と同一面上にあり前後方向yと直交する方向を意味し、吸収性物品1を着用した際の着用者の左右方向に相当する。また、吸収性物品1の肌面側とは、吸収性物品1を着用した際の着用者の肌に向く側を意味し、吸収性物品1の外面側とは、吸収性物品1を着用した際の着用者とは反対に向く側を意味する。
【0018】
トップシート2は液透過性であることが好ましい。トップシート2としては、例えば、セルロース、レーヨン、コットン等の親水性繊維から形成された不織布や、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布であって、疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。また、トップシート2として、織布、編布、有孔プラスチックフィルム等を用いてもよい。
【0019】
バックシート3は液不透過性であることが好ましい。バックシート3としては、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド(例えば、ナイロン)等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。バックシート3として、不織布とプラスチックフィルムの積層体を用いることもできる。
【0020】
吸収性物品1は、肌面側の幅方向xの両側に立ち上がりフラップ6が設けられることが好ましい。立ち上がりフラップ6を設けることにより、尿等の横漏れが防止される。立ち上がりフラップ6は、例えば、トップシート2の幅方向xの両側に、前後方向yに延在するサイドシート7を接合し、サイドシート7の幅方向xの内方部分に起立用弾性部材8を設けることにより形成することができる。このようにサイドシート7と起立用弾性部材8とを設けることにより、起立用弾性部材8の収縮力によりサイドシート7の幅方向xの内方部分が着用者の肌に向かって立ち上がり、立ち上がりフラップ6が形成される。立ち上がりフラップ6またはサイドシート7は、液不透過性のプラスチックフィルムや液不透過性の不織布等により構成されることが好ましい。
【0021】
上記に説明した各シートを構成する不織布としては、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、トウ開繊不織布、SMS不織布等を用いることができる。これらの各シートの単位面積あたりの質量は、8g/m以上が好ましく、10g/m以上がより好ましく、また40g/m以下が好ましく、30g/m以下がより好ましい。
【0022】
吸収性コア4は、尿等の排泄物を吸収できる吸収性材料を含むものであれば特に限定されない。吸収性コア4としては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いることができる。吸収性コア4は、紙シート(例えば、ティッシュペーパーや薄葉紙)や液透過性不織布等の被覆シートで覆われてもよい。吸収性材料としては、例えば、パルプ繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、ポリアスパラギン酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。また、吸水性材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維や、PET等のポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の熱融着性繊維が含まれてもよい。これらの熱融着性繊維は、尿等との親和性を高めるために、界面活性剤等により親水化処理がされて、親水性繊維とされていることが好ましい。
【0023】
吸収性材料は、尿等の吸収速度を高める点から、少なくとも親水性繊維を含むことが好ましい。また、吸収容量を高める点からは、吸収性材料は吸水性樹脂を含むことが好ましい。従って、吸収性コアは親水性繊維(特にパルプ繊維)と吸水性樹脂を含むことが好ましい。この場合、例えば、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いることが好ましい。
【0024】
吸収性コア4は、単層から構成されてもよく、複数層から構成されてもよい。例えば、吸収性コア4は、上側吸収層と下側吸収層を有するものであってもよい。
【0025】
吸収性コア4の単位面積あたりの質量は、例えば、60g/m以上が好ましく、75g/m以上がより好ましく、80g/m以上がさらに好ましく、また1000g/m以下が好ましく、950g/m以下がより好ましく、900g/m以下がさらに好ましい。吸収性コア4に含まれる親水性繊維の単位面積当たりの質量は、60g/m以上が好ましく、75g/m以上がより好ましく、80g/m以上がさらに好ましく、また600g/m以下が好ましく、550g/m以下がより好ましく、500g/m以下がさらに好ましい。吸収性コア4が複数層から構成される場合は、複数層の吸収性コアまたはそこに含まれる親水性繊維の合計の単位面積当たりの質量がこのような範囲にあることが好ましい。なお、後述するように吸収性コア4には開口部または凹部が設けられるが、上記に説明した吸収性コア4または吸収性コア4に含まれる親水性繊維の単位面積当たりの質量は、開口部または凹部以外の部分の吸収性コア4または吸収性コア4に含まれる親水性繊維の単位面積当たりの質量の平均値を意味する。
【0026】
吸収性コア4は略砂時計形状を有する。具体的には、図3に示すように、吸収性コア4は、前後方向yの前側から、前側部4Fと前側中間部4FMと中央部4Cと後側中間部4RMと後側部4Rとを有し、前側部4Fと後側部4Rは中央部4Cよりも幅広に形成され、前側中間部4FMと後側中間部4RMはそれぞれ前側部4Fまたは後側部4Rから中央部4Cに向かって幅が漸減するように形成されている。このように吸収性コア4が形成されることにより、吸収性コア4は中央部4Cで着用者の両脚から圧迫されにくくなり、吸収性物品1を着用した際に吸収性コア4が歪みにくくなる。
【0027】
吸収性コア4は、前側部4Fと後側部4Rが中央部4Cよりも幅方向xの長さが長く形成される。吸収性コア4は、前側部4Fおよび/または後側部4Rにおいて最も幅広に形成される。前側部4Fの幅方向xの長さと後側部4Rの幅方向xの長さは同じであっても異なっていてもよい。吸収性コア4の外縁は、前側中間部4FMにおいて前側から後側に向かって幅方向xの外方から内方に延び、後側中間部4RMにおいて後側から前側に向かって幅方向xの外方から内方に延びるように形成される。吸収性コア4は、前側中間部4FMの全体と後側中間部4RMの全体が中央部4Cの全体よりも幅広に形成される。
【0028】
吸収性コア4は、前側部4Fと中央部4Cと後側部4Rにおいて、幅方向xの長さが一定の部分を有することが好ましい。従って、吸収性コア4の外縁は、前側部4Fと中央部4Cと後側部4Rにおいて、前後方向yに延びる直線部を有することが好ましい。なお、吸収性コア4は、前側部4Fの前側部分が前側部4Fのそれより後側の部分よりも幅狭に形成されていてもよく、後側部4Rの後側部分が後側部4Rのそれより前側の部分よりも幅狭に形成されていてもよい。一方、中央部4Cは前後方向yの全体にわたって、幅方向xの長さが一定に形成されていてもよい。すなわち、中央部4Cは、前側中間部4FMと後側中間部4RMの間で、幅方向xの長さが一定に形成されていてもよい。
【0029】
吸収性コア4は、前後方向yの中心CYが後側中間部4RMに位置する。このように吸収性コア4が形成されることにより、幅広に形成された後側部4Rを前後方向yに長く形成することができ、吸収性コア4の吸収容量を確保することができる。また、幅方向xに狭く形成された中央部4Cが吸収性コア4の前後方向yの中心CYの近くに位置させることができ、吸収性物品1を着用した際に、着用者が脚を動かしやすくなる。吸収性コア4の前後方向yの中心CYは、後側中間部4RMを前後方向yに5等分したときの中央3/5の領域に位置することがより好ましい。
【0030】
吸収性コア4は、前後方向yに長く形成されることが好ましく、具体的には、前後方向yの長さが幅方向xの長さの1.5倍以上であることが好ましく、2.0倍以上がより好ましく、また3.5倍以下が好ましく、3.0倍以下がより好ましい。
【0031】
図1図3では、吸収性コア4に、前後方向yに延びる凹部5が設けられている。凹部5は、吸収性コア4の幅方向xの中心線CX上に設けられる。吸収性コア4に凹部5が設けられることにより、凹部5が尿等の拡散路として機能し、尿等が凹部5に沿って拡散しやすくなる。その結果、尿等が吸収性コア4に速やかに吸収されるとともに、吸収性コア4が広範囲にわたって尿等の吸収に寄与しやすくなる。なお図面には示されていないが、吸収性コア4には、凹部5の代わりに開口部が設けられてもよい。
【0032】
開口部は、吸収性コア4を厚み方向zに貫通して設けられる。一方、凹部5は、吸収性コア4の目付(単位面積当たりの質量)が部分的に減らされることにより形成される。この場合、凹部5は、目付けが、凹部5以外の部分よりも70質量%以下、より好ましくは60質量%以下となるように形成されることが好ましい。吸収性コア4に凹部5が形成される場合、凹部5は吸収性コア4のトップシート2側の表面に形成されることが好ましい。一方、吸収性コア4のバックシート3側の表面には凹部が形成されないことが好ましい。吸収性コア4がトップシート2側の上側吸収層とバックシート3側の下側吸収層から構成される場合は、上側吸収層に開口が形成され、当該開口を覆うように下側吸収層が設けられることにより、吸収性コア4のトップシート2側の表面に凹部5を形成することができる。
【0033】
以下、吸収性コア4に設けられる凹部5の好適態様について説明するが、下記の凹部5の説明は、吸収性コア4に開口部が設けられる場合の開口部にも適用される。なお、吸収性コア4の吸収容量を高める点から、吸収性コア4には開口部ではなく凹部5が設けられることが好ましい。また、吸収性コア4に凹部5が設けられることにより、吸収性コア4において尿等の幅方向への拡散性が確保されやすくなる。
【0034】
凹部5は、吸収性コア4の幅方向xの中心線CX上に前後方向yに延びるように設けられる。すなわち、凹部5は、吸収性コア4の幅方向xの中心線CXと重なって、中心線CXに沿って前後方向yに延びるように設けられる。凹部5は、前後方向yの長さが幅方向xの長さよりも長く形成される。吸収性コア4には、凹部5が1つのみ設けられることが好ましい。
【0035】
吸収性コア4の前後方向yの相対位置として前側端4FEを0%とし後側端4REを100%としたとき、凹部5の前側端5FEは15%~30%の範囲に位置し、凹部5の後側端5REは60%~85%の範囲に位置する。凹部5の前側端5FEが吸収性コア4の前後方向yの15%~30%の範囲に位置することにより、吸収性物品1の着用の際、凹部5が着用者の排尿部に対向して位置しやすくなり、着用者から排泄された尿等が凹部5において前後方向yに拡散しやすくなる。また、凹部5が吸収性コア4の前側端4FEまで延在しないことにより、凹部5の前側端5FEまで尿等が拡散しても、それより前側に存在する吸収性コア4によって尿等が好適に吸収され、尿等が吸収性コア4の前側端4FEから漏れることが起こりにくくなる。凹部5の前側端5FEは、好ましくは吸収性コア4の前後方向yの18%~25%の範囲に位置する。一方、凹部5の後側端5REが吸収性コア4の前後方向yの60%~85%の範囲に位置することにより、凹部5を通って尿等が吸収性コア4の後側の部分まで拡散しやすくなり、吸収性コア4の吸収能が有効に活用されやすくなる。また、凹部5が吸収性コア4の後側端4REまで延在しないことにより、凹部5の後側端5REまで尿等が拡散しても、それより後側に存在する吸収性コア4によって尿等が好適に吸収され、尿等が吸収性コア4の後側端4REから漏れることが起こりにくくなる。凹部5の後側端5REは、好ましくは吸収性コア4の前後方向yの65%~80%の範囲に位置する。
【0036】
凹部5は、幅方向xの長さが、吸収性コア4の中央部4Cの最も幅狭な部分の幅方向xの長さの5%以上であることが好ましく、8%以上がより好ましく、また25%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、18%以下がさらに好ましい。凹部5の幅はまた、5mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましく、また25mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。
【0037】
なお、上記で説明した吸収性コア4の形状、長さ、相対位置は、吸収性コア4が複数層から構成される場合は、複数層から構成された吸収性コア4全体の形状、長さ、相対位置を意味する。以下についても、同様である。
【0038】
吸収性コア4は、後側中間部4RMの外縁が、後側から前側に向かって幅方向xの外方から内方に延びる傾斜線部を有する。後側中間部4RMの外縁の傾斜線部は、前後方向yに対して傾斜して延びる直線部を意味し、当該直線部は、後側から前側に向かって幅方向xの外方から内方に傾斜して延びている。吸収性コア4は、後側中間部4RMの外縁の傾斜線部を延長した仮想線11が、吸収性コア4の幅方向xの中心線CXと凹部5の前側端5FEよりも前側で交差するように形成されている。図3では、後側中間部4RMの外縁の傾斜線部を延長した仮想線11が、吸収性コア4の幅方向xの中心線CXと点P1で交差している。このように吸収性コア4が形成されることにより、後側中間部4RMと後側部4Rの境界付近の吸収性コア4の外縁近傍の吸収能が好適に活用されやすくなる。
【0039】
これについて図4を参照して詳しく説明する。図4(a)には、後側中間部4RMの外縁の傾斜線部を延長した仮想線11が、吸収性コア4の幅方向xの中心線CXと、凹部5の前側端5FEよりも前側で交差するように形成された吸収性コア4(4A)が示されており、図4(b)には、後側中間部4RMの外縁の傾斜線部を延長した仮想線11が、吸収性コア4の幅方向xの中心線CXと、凹部5の前側端5FEよりも後側で交差するように形成された吸収性コア4(4B)が示されている。
【0040】
吸収性物品に排泄された尿等は通常、着用者が起立した状態または座った状態で、排尿部13から後方に向かって幅方向xに広がるように拡散する。この際、図4(a)に示した吸収性コア4Aでは、排尿部13から後方に向かって幅方向xに広がるように拡散すると、後側中間部4RMと後側部4Rの境界付近の吸収性コア4の外縁近傍、すなわち図4(a)の点線の丸で囲んだ部分にも尿等が移行しやすく、当該部分の吸収能を有効に活用することができる。また、凹部5において、尿等が排尿部13から凹部5の前側端5FEまで移行し、そこから後方に向かって幅方向xに広がるように拡散した場合でも、後側中間部4RMと後側部4Rの境界付近の吸収性コア4の外縁近傍にも尿等が移行しやすくなる。一方、図4(b)に示した吸収性コア4Bでは、排尿部13や凹部5の前側端5FEから後方に向かって幅方向xに広がるように拡散すると、後側中間部4RMと後側部4Rの境界付近の吸収性コア4の外縁近傍、すなわち図4(b)の点線の丸で囲んだ部分には尿等が移行しにくく、当該部分の吸収能が有効に活用されにくい。
【0041】
後側中間部4RMの外縁の傾斜線部を延長した仮想線11は、好ましくは、吸収性コア4の幅方向xの中心線CXと前側部4Fで交差する。一方、後側中間部4RMの外縁の傾斜線部を延長した仮想線11は、吸収性コア4の幅方向xの中心線CXと、吸収性コア4の前側端4FEよりも後側で交差することが好ましい。このように後側中間部4RMの外縁を形成することにより、中央部4Cを吸収性コア4の前後方向yの中心CYの近くに形成したり、中央部4Cを幅狭に形成することが容易になり、吸収性物品1を着用した際に、着用者が脚を動かしやすくなる。仮想線11は、凹部5の前側端5FEと吸収性コア4の前側端4FEとの間の部分を前後方向yに3等分したときに、凹部5の前側端5FEと吸収性コア4の前側端4FEの間の吸収性コア4の前側端4FE側2/3の領域で、吸収性コア4の幅方向xの中心線CXと交差することがより好ましい。後側中間部4RMの外縁の傾斜線部、すなわち仮想線11は、前後方向yとのなす角が18°以上であることが好ましく、20°以上がより好ましく、また30°以下が好ましく、28°以下がより好ましい。
【0042】
凹部5の前側端5FEは、前側中間部4FMに位置することが好ましい。このように凹部5が形成されていれば、着用者が腹臥位の状態で、尿等が凹部5の前側端5FEまで移行し、そこから幅方向xの外方に広がるように拡散したり、あるいは前方に向かって幅方向xの外方に広がるように拡散した際に、幅広に形成された前側部4Fで尿等が好適に吸収されやすくなる。
【0043】
吸収性コア4の前側中間部4FMの外縁は、前側から後側に向かって幅方向xの外方から内方に延びる傾斜線部を有し、当該傾斜線部を延長した仮想線12は、吸収性コア4の幅方向xの中心線CXと吸収性コア4の前後方向yの中心CYよりも後側で交差することが好ましい。このように吸収性コア4が形成されていれば、着用者が起立した状態または座った状態で、尿等が凹部5を通って吸収性コア4の前後方向yの中心CY付近まで移行し、その後、着用者が伏臥位の状態になるなどして、尿等がそこから前方に幅方向xの外方に広がるように拡散した際に、前側部4Fと前側中間部4FMの境界付近の吸収性コア4の外縁近傍の吸収能が好適に活用されやすくなる。
【0044】
一方、前側中間部4FMの傾斜線部を延長した仮想線12は、吸収性コア4の幅方向xの中心線CXと、凹部5の後側端5REよりも前側で交差することが好ましい。このように前側中間部4FMの外縁を形成することにより、中央部4Cの前後方向yの長さを確保したり、中央部4Cを幅狭に形成することが容易になり、吸収性物品1を着用した際に、着用者が脚を動かしやすくなる。前側中間部4FMの外縁の傾斜線部、すなわち仮想線12は、前後方向yとのなす角が20°以上であることが好ましく、22°以上がより好ましく、また35°以下が好ましく、32°以下がより好ましい。
【0045】
凹部5の後側端5REは、後側部4Rに位置することが好ましく、後側部4Rの前側2/3の領域に位置することがより好ましい。このように凹部5が形成されていれば、尿等が凹部5の後側端5REまで移行し、そこから幅方向xの外方に広がるように拡散した際に、幅広に形成された後側部4Rで尿等が好適に吸収されやすくなる。
【0046】
幅広に形成された吸収性コア4の後側部4Rを前後方向yに長く確保する点から、吸収性コア4の後側部4Rの外縁は前後方向yに延びる直線部を有し、当該直線部は、吸収性コア4の前後方向yの長さの20%以上45%以下の長さを有することが好ましく、22%以上40%以下の長さを有することがより好ましい。このように後側部4Rを形成することにより、吸収性コア4の後側部4Rにおける吸収容量を確保しやすくなる。この場合、吸収性コア4の後側部4Rは、当該直線部において最も幅広に形成されることが好ましい。
【0047】
凹部5の後側端5REは、吸収性コア4の後側部4Rの外縁の直線部と前後方向yに重なる位置にあることが好ましい。このように凹部5が形成されていれば、凹部5の後側端5REまで尿等が移行し、そこから吸収性コア4に尿等が吸収された場合に、幅広に形成された後側部4Rによって尿等が効率的に吸収されやすくなる。
【0048】
吸収性コア4は、前側部4Fの外縁が前後方向yに延びる直線部を有し、当該直線部は、吸収性コア4の前後方向yの長さの2%以上15%以下の長さを有することが好ましく、3%以上12%以下の長さを有することがより好ましい。このように前側部4Fを形成することにより、吸収性コア4の前側部4Fにおける吸収容量を確保しやすくなる。この場合、吸収性コア4の前側部4Fは、当該直線部において最も幅広に形成されることが好ましい。
【0049】
吸収性コア4は、中央部4Cの外縁が前後方向yに延びる直線部を有し、当該直線部は、吸収性コア4の前後方向yの長さの13%以上30%以下の長さを有することが好ましく、15%以上25%以下の長さを有することがより好ましい。このように中央部4Cを形成することにより、中央部4Cの前後方向yの長さが確保され、吸収性物品1を着用した際に、着用者が脚を動かしやすくなる。
【0050】
吸収性コア4は、前側中間部4FMの前後方向yの長さが、吸収性コア4の前後方向yの長さの4%以上であることが好ましく、6%以上がより好ましく、また15%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。このように前側中間部4FMを形成することにより、中央部4Cの前後方向yの長さが確保されやすくなり、吸収性物品1を着用した際に、着用者が脚を動かしやすくなる。また、吸収性コアの前側部4Fにおける吸収容量を確保しやすくなる。
【0051】
吸収性コア4は、後側中間部4RMの前後方向yの長さが、吸収性コア4の前後方向yの長さの6%以上であることが好ましく、8%以上がより好ましく、また20%以下が好ましく、18%以下がより好ましい。このように後側中間部4RMを形成することにより、中央部4Cの前後方向yの長さが確保されやすくなり、吸収性物品1を着用した際に、着用者が脚を動かしやすくなる。また、吸収性コアの後側部4Rにおける吸収容量を確保しやすくなる。
【0052】
吸収性コア4は、前側部4Fと後側部4Rが略同幅であることが好ましい。すなわち、吸収性コア4は、前側部4Fの幅方向xの最大長さと後側部4Rの幅方向xの最大長さが略同一であることが好ましい。これにより後側部4Rが幅方向xにスリムに形成され、吸収性物品1を着用した際に、着用者の臀部において吸収性コア4が嵩張りにくくなる。なお、前側部4Fと後側部4Rが略同幅であるとは、前側部4Fの幅と後側部4Rの幅の差が15mm以内(好ましくは10mm以内)であることを意味する。
【0053】
吸収性コア4は、前側部4Fの幅と後側部4Rの幅が中央部4Cの幅の1.2倍以上1.4倍以下であることが好ましい。前側部4Fの幅と後側部4Rの幅を中央部4Cの幅の1.2倍以上とすることにより、中央部4Cを幅狭に形成することができ、吸収性物品1を着用した際に、着用者が脚を動かしやすくなる。一方、前側部4Fの幅と後側部4Rの幅を中央部4Cの幅の1.4倍以下とすることにより、前側部4Fと後側部4Rが幅方向xにスリムに形成され、吸収性物品1の着用感を向上させることができる。
【0054】
以上、本発明の吸収性物品について図面を参照して説明したが、本発明の吸収性物品は図面に示したような尿パッドに限定されず、使い捨ておむつ、軽失禁パッド、生理用ナプキン等であってもよい。なお、本発明の吸収性物品は、尿パッドに特に好適に適用することができる。
【0055】
吸収性物品が使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつは、例えば、前腹部と後背部とこれらの間に位置し吸収性コアが備えられた股部とから構成される。前腹部は、使い捨ておむつを着用の際に着用者の腹側に当てる部分に相当し、後背部は、使い捨ておむつを着用の際に着用者の背側に当てる部分に相当する。股部は、前腹部と後背部との間に位置し、着用者の股間に当てる部分に相当する。
【0056】
使い捨ておむつは、テープタイプの使い捨ておむつであってもよく、パンツタイプの使い捨ておむつであってもよい。テープタイプの使い捨ておむつは、例えば、後背部の幅方向の両端部に止着部材が設けられて構成され、当該止着部材を前腹部に止着することにより、着用時にパンツ形状に形成することができる。パンツタイプの使い捨ておむつは、ウェスト開口部と一対の脚開口部とを有するパンツ形状を有し、着用前からパンツ形状に形成されているものである。
【0057】
吸収性物品が使い捨ておむつである場合は、使い捨ておむつは、例えば、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが配された積層体が、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有するように形成される。使い捨ておむつはまた、前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有する外装部材の股部に、トップシートとバックシートの間に吸収性コアが配された吸収性本体を設けて構成することもできる。後者の場合、外装部材をパンツ形状に形成することで、パンツタイプの使い捨ておむつとすることができる。
【符号の説明】
【0058】
1:吸収性物品
2:トップシート
3:バックシート
4:吸収性コア、4F:前側部、4FM:前側中間部、4C:中央部、4RM:後側中間部、4R:後側部
5:凹部、5FE:前側端、5RE:後側端
11,12:仮想線
図1
図2
図3
図4