(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038714
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】配管構造
(51)【国際特許分類】
E03C 1/122 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
E03C1/122 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145584
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 文弥
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061AA04
2D061AA05
2D061AB10
2D061AC10
2D061AD01
(57)【要約】
【課題】サイホン発生時間を短縮しつつ、排水時間の増加を抑制できる配管構造を提供する
【解決手段】配管構造20は、水廻り器具12から排出された排水を横方向に排出する複数の第1横引き管(水平管42)と、水平管42が下流側の端部で合流して形成され、排水を横方向に排出する水平管44と、水平管44が接続され、水平管42にサイホン力を発生させる竪管(流出垂直管46)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水廻り器具から排出された排水を横方向に排出する複数の第1横引き管と、
前記複数の第1横引き管を1つに合流させる合流部と、
前記合流部の下流側に接続され、合流した前記排水を横方向に排出する第2横引き管と、
前記第2横引き管の下流側に接続され、前記排水を流下させることにより前記第1横引き管及び前記第2横引き管にサイホン力を発生させる竪管と、
を備えた配管構造。
【請求項2】
導入管から導入された前記排水を貯留する貯留槽を備え、
複数の前記第1横引き管は、上流側の端部が1つの前記貯留槽に接続されている、
請求項1に記載の配管構造。
【請求項3】
複数の前記第1横引き管は水平方向に平行に並べて配置され、
平面視で複数の前記第1横引き管の並び方向の中央を通る中心線が、前記導入管の中心線の延長線上に配置されている、
請求項2に記載の配管構造。
【請求項4】
前記第2横引き管の断面積は、複数の前記第1横引き管の合計断面積未満である、
請求項1~3の何れか1項に記載の配管構造。
【請求項5】
前記第2横引き管の長さは前記第1横引き管の長さの3分の1以下である、
請求項1~4の何れか1項に記載の配管構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、水廻り器具から排出され一時貯留槽に貯留された排水にサイホン力を作用させて流出させるサイホン排水システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のサイホン排水システムでは、サイホン排水管の内径を、従来のサイホン排水システムで用いられてきた内径20~25mmより小さくすることで、サイホン力が起動するまでの時間(サイホン発生時間)を短縮している。
【0005】
水廻り器具は、単位時間あたりの排水量が器具ごとに異なる。例えば便器からは一度に10リットル未満程度の排水が排出される一方、浴槽等からは一度に200リットル程度の排水が排出されることがある。このような大量の排水を排水する場合、内径が小さな排水管では排水に時間がかかる場合がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、サイホン発生時間を短縮しつつ、排水時間の増加を抑制できる配管構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一態様の配管構造は、水廻り器具から排出された排水を横方向に排出する複数の第1横引き管と、前記複数の第1横引き管を1つに合流させる合流部と、前記合流部の下流側に接続され、合流した前記排水を横方向に排出する第2横引き管と、前記第2横引き管の下流側に接続され、前記排水を流下させることにより前記第1横引き管及び前記第2横引き管にサイホン力を発生させる竪管と、を備える。
【0008】
第一態様の配管構造では、水廻り器具から排出された排水を排出する第1横引き管が合流部で合流し、合流部には第2横引き管が接続されている。そして、この第2横引き管が、竪管に接続されている。第1横引き管を流れる排水は、合流部で合流して第2横引き管を介して竪管へ導かれる。そして竪管内を排水が落下することに伴い、第1横引き管及び第2横引き管サイホン力が作用する。
【0009】
ここで、各第1横引き管には、合流後の排水が1本の竪管内を落下することに伴ってサイホン力が作用する。このため、例えば各第1横引き管にそれぞれ個別の竪管が接続されている場合と比較して、竪管内に多くの排水が集まる。すなわち、サイホン力を発生させるために必要な排水の流量を速く確保できる。これにより、サイホン発生時間を短縮できる。
【0010】
また、第1横引き管の内径を小さくしなくてもサイホン力を発生させやすくできるため、第1横引き管の内径を小さくすることに伴う排水時間の増加を抑制できる。
【0011】
第二態様の配管構造は、導入管から導入された前記排水を貯留する貯留槽を備え、複数の前記第1横引き管は、上流側の端部が1つの前記貯留槽に接続されている。
【0012】
第二態様の配管構造では、貯留槽に貯留された排水が、複数の第1横引き管から排水される。このため、貯留槽に1本の第1横引き管しか接続されていない構成と比較して、貯留槽からの排水処理能力が高い。例えば導入管の上流側を浴槽に接続すれば、一度に大量の排水を流しても、複数の第1横引き管で排水が処理されるため、迅速に排水が排出される。
【0013】
第三態様の配管構造は、複数の前記第1横引き管は水平方向に平行に並べて配置され、平面視で複数の前記第1横引き管の並び方向の中央を通る中心線が、前記導入管の中心線の延長線上に配置されている。
【0014】
第三態様の配管構造では、導入管の中心線の延長線上に、平行に並べて配置された複数の第1横引き管の並び方向の中央を通る中心線が位置している。このため、導入管内で排水が流れる方向と、第1横引き管内で排水が流れる方向とが一致している。このため、排水の勢いが衰えにくい。また、排水は、複数の第1横引き管に略均等に振り分けられるため、スムーズに排水できる。
【0015】
第四態様の配管構造は、前記第2横引き管の断面積は、複数の前記第1横引き管の合計断面積未満である。
【0016】
第四態様の配管構造では、第2横引き管の断面積が、複数の第1横引き管の合計断面積より小さい。このため、第2横引き管及び竪管を流れる排水の流速が、第1横引き管を流れる排水の流速より速くなる。これにより、サイホン発生時間をさらに短縮できる。
【0017】
第五態様の配管構造は、前記第2横引き管の長さは前記第1横引き管の長さの3分の1以下である。
【0018】
第五態様の配管構造では、第2横引き管の長さが、第1横引き管の長さの3分の1以下である。すなわち、第1横引き管は、竪管の付近で合流している。この構成により、第1横引き管を流れる排水は、第2横引き管で合流後、直ちに竪管へ導かれる。これにより、第2横引き管における横引き距離が長い場合と比較して、第2横引き管内における圧力損失が小さく、サイホン力が低減され難い。
【発明の効果】
【0019】
本発明の配管構造では、サイホン発生時間を短縮しつつ、排水時間の増加を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る配管構造を示す側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る配管構造を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る配管構造を示す平面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る配管構造の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る配管構造について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
【0022】
また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において構成を省略する又は異なる構成と入れ替える等、適宜変更を加えて実施することができる。
【0023】
<配管構造>
(サイホン排水システム)
図1には、本実施形態に係る配管構造20の概略が示されている。配管構造20は、サイホン力を利用して水廻り器具12からの排水を排出するサイホン排水システムの構造である。配管構造20は、一例として、多層に形成された共同住宅10に用いられている。
【0024】
配管構造20は、排水を下方へ流す排水立て管22を備えている。排水立て管22は、共同住宅10において平面上の異なる場所に複数設けられている。例えば排水立て管22は、共同住宅10の各階の各住居とは壁で区画された配管スペース(パイプスペース等とも称す)内に上下方向(縦方向)に沿って収容されており、共同住宅10の各階のスラブ14を貫いている。
【0025】
共同住宅10の各住戸には、水廻り器具12が設けられている。水廻り器具12は、例えば浴室ユニットであり、浴槽12A及び洗い場12Bが一体化されて形成されている。水廻り器具12には、排水導入管24の一端が接続されている。
【0026】
排水導入管24の他端は、後述する排水チャンバー30と接続されている。これにより、排水導入管24は、水廻り器具12の浴槽12A及び洗い場12Bから排出される排水を、排水チャンバー30へ導入する。なお、排水導入管24は、排水チャンバー30側が低くなるように勾配をもって配設されていることが好ましい。
【0027】
排水チャンバー30は、水廻り器具12から排水導入管24を介して導入された排水を、一時貯留して排水立て管22へ排出するための貯留槽である。排水チャンバー30、例えば塩化ビニル等の樹脂材料で形成されている。排水チャンバー30における排水の下流側にはサイホン排水管40が接続されている。
【0028】
(サイホン排水管)
図2に示すように、サイホン排水管40は、スラブ14に沿って配設される複数(本実施形態においては2本)の水平管42と、水平管44と、流出垂直管46と、継手部材48と、を備えている。
【0029】
水平管42は、本発明における第1横引き管の一例であり、水廻り器具から排出された排水を横方向に排出する横引き管である。水平管42は、例えば呼び径が25J(内径が約28mm)のポリブデン管で形成され、スラブ14上で水平方向に沿って無勾配で配設されている。なお、ここでの無勾配とは、厳密に水平方向である必要はなく、スラブ14に沿って多少の段差や勾配のあるものを含む。
【0030】
2本の水平管42それぞれの「上流側」の端部は、排水チャンバー30に接続されている。一方、水平管42それぞれの「下流側」の端部は、合流部の一例としての継手部材48を介して、1本の水平管44に接続されている。水平管44は、本発明における第2横引き管の一例であり、水平管42から導入された排水を横方向に排出する横引き管である。なお、水平管44と継手部材48とが一体的に構成されていてもよい。
【0031】
図1に示す流出垂直管46は、水平管44が接続され、水平管42にサイホン力を発生させる竪管である。水平管44と接続された流出垂直管46は、排水立て管22に沿って、上下方向(鉛直方向)に配設されている。流出垂直管46は、合流部継手26に達している。合流部継手26は、流出垂直管46からの排水を排水立て管22へ合流させる継手部材である。
【0032】
水平管44及び流出垂直管46は、合流部継手26までは他の排水管と途中で合流することなく、連続した1本の経路で構成されており、排水立て管22へ排水を導く。なお、水平管44と流出垂直管46との接続部は、連続したベント管として図示されているが、このベント管部分には、エルボ等の継手部材を配置してもよい。継手部材を配置する場合、当該継手部材には、適宜点検口などを設けることができる。
【0033】
排水チャンバー30には、さらに通気管50が接続されており、通気管50は、合流部継手26に達している。
【0034】
(サイホン排水管の配置)
図3に示すように、2本の水平管42は水平方向に平行に並べて配置されている。そして、2本の水平管42の並び方向の中央を通る中心線が、排水導入管24の中心線CLの延長線上に配置されている。さらに、水平管44の中心線も、排水導入管24の中心線CLの延長線上に配置されている。なお、2本の水平管42は、敷設される場所の状況に応じて、必ずしも平行に並べて配置しなくてもよい。
【0035】
2本の水平管42の合計断面積は、排水導入管24の断面積未満である。さらに、水平管44の断面積は、2本の水平管42の合計断面積未満である。水平管44及び水平管42には、排水が満流で流れるように設定されており、水平管44及び水平管42の排水には、サイホン水頭のエネルギーにより、排水の下流方向へ向かうサイホン力が作用する。
【0036】
なお、サイホン効果が得られるものであれば、2本の水平管42の合計断面積は、排水導入管24の断面積以上としてもよい。同様に、サイホン効果が得られるものであれば、水平管44の断面積は、2本の水平管42の合計断面積以上としてもよい。断面積が軸方向に沿った場所によって変化する場合、ここでいう断面積とは、平均断面積をいう。
【0037】
また、水平管44の長さL1は、水平管42の長さの3分の1以下とされている。ここで、水平管44の長さL1とは、水平管44を平面視した状態で、継手部材48の内部において2本の水平管42から導入された排水が合流する位置から、流出垂直管46の中心軸の位置まで、の長さである。
【0038】
また、水平管42の長さとは、水平管42を平面視した状態で、継手部材48の内部において2本の水平管42から導入された排水が合流する位置から、排水チャンバー30まで、の長さである。
【0039】
<作用及び効果>
【0040】
本発明の実施形態に係る配管構造20では、
図1に示す水廻り器具12から排出された排水を排出する水平管42が、
図2に示すように、合流部の一例としての継手部材48を介して合流し、継手部材48には、水平管44が接合されている。そして、この水平管44が、竪管である流出垂直管46に接続されている。水平管42を流れる排水は、水平管44で合流して流出垂直管46へ導かれる。そして流出垂直管46内を排水が落下することに伴い、水平管42及び水平管44にサイホン力が作用する。
【0041】
ここで、各水平管42には、合流後の排水が1本の流出垂直管46内を落下することに伴ってサイホン力が作用する。このため、例えば水平管42にそれぞれ個別の流出垂直管46が接続されている場合と比較して、流出垂直管46内に多くの排水が集まる。すなわち、サイホン力を発生させるために必要な排水の流量を速く確保できる。これにより、サイホン発生時間を短縮できる。
【0042】
また、水平管42の内径を小さくしなくてもサイホン力を発生させやすくできるため、水平管42の内径を小さくすることに伴う排水時間の増加を抑制できる。
【0043】
つまり、本実施形態では例えば水平管42として呼び径が25Jの管体を用いているが、この水平管42が合流して、排水が1本の水平管44及び流出垂直管46内を流れる構成とされている。これにより、水平管42が合流しない構成と比較して、サイホン力を発生させ易い。このため、水平管42として呼び径が小さな管体を用いなくても、サイホン力を得ることができる。
【0044】
また、水平管42として一般的なサイズである呼び径が25Jの管体を用いることで、配管の固定器具等として、従来品を用いることができる。
【0045】
また、配管構造20では、2本の水平管42の上流側の端部が排水チャンバー30に接続されている。これにより、排水チャンバー30に貯留された排水が、これらの水平管から排水される。このため、排水チャンバー30に1本の水平管しか接続されていない構成と比較して、排水チャンバー30からの排水処理能力が高い。
【0046】
また、一方の水平管42に汚れが堆積したり異物が詰まったりした場合でも、他方の水平管42から排水を排出することができるため、排水不能となるリスクを軽減できる。
【0047】
そして、本実施形態においては、
図1に示すように、排水導入管24の上流側が浴室ユニットである水廻り器具12に接続されている。浴槽12Aから一度に大量の排水を流しても、複数の水平管42で排水が処理されるため、迅速に排水が排出される。
【0048】
これに対して、例えば1本の水平管で浴槽12Aからの排水を処理する場合、例えば水平管の呼び径を大きなものにする必要がある。水平管の呼び径を大きくすると、水平管の剛性が高くなるため、スラブ14上でレイアウトし難い。また、運搬もし難い。さらに、床下空間の懐寸法(スラブ14から図示しない床材の下面までの上下方向の寸法)を大きく確保する必要がある。
【0049】
また、配管構造20では、
図3に示すように、排水導入管24の中心線の延長線上に、平行に並べて配置された複数の水平管42の中心線が位置している。このため、排水導入管24内で排水が流れる方向と、水平管42内で排水が流れる方向とが一致している(矢印Tで示す方向)。このため、排水の勢いが衰えにくい。また、排水は、2本の水平管42に略均等に振り分けられるため、スムーズに排水できる。
【0050】
また、配管構造20では、水平管44の断面積が、2本の水平管42の合計断面積より小さい。このため、水平管44及び流出垂直管46を流れる排水の流速が、水平管42を流れる排水の流速より速くなる。これにより、サイホン発生時間をさらに短縮できる。
【0051】
あるいは、例えば水平管42の横引き距離が長い場合は、短い場合より排水が満流で流れるようになるまでに時間がかかる。しかし、水平管44が満流で流れればサイホン力が発生するため、水平管42が満流になる前にサイホン力を発生できる。これにより、水平管42の横引き距離の自由度が増すため、水廻り器具12の配置の自由度が向上する。
【0052】
また、配管構造20では、水平管44の長さL1が、水平管42の長さL2の3分の1以下である。すなわち、水平管42は、流出垂直管46の付近で合流している。この構成により、水平管42を流れる排水は、水平管44で合流後、直ちに流出垂直管46へ導かれる。これにより、水平管44における横引き距離が長い場合と比較して、水平管44内における圧力損失が小さく、サイホン力が低減され難い。
【0053】
なお、水平管44の長さL1は、水平管42の長さL2の(1/4)以下とすることがさらに好ましい。これにより、圧力損失をさらに小さくすることができる。
【0054】
(その他の実施形態)
上記の実施形態では、排水チャンバー30から2本の水平管42によって排水が排出されているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば排水チャンバー30からの排水は、1本の水平管42から排出されるものとしてもよい。この場合、水平管44には、水平管42のほか、水廻り器具12以外の水回り器具(不図示、例えば洗面化粧台、キッチン、便器など)からの排水を流す水平管42Aを合流させる。
【0055】
また、排水チャンバー30は必ずしも設ける必要はなく、水廻り器具12からの排水を、直接水平管42に流してもよい。すなわち、本発明は、1本の流出垂直管46と、1つ又は複数の水廻り機器と、の間において、これらの水回り機器から排出される排水を流す水平管が合流する構成を備えていればよい。
【0056】
また、
図3に示した例では、2本の水平管42の中心線が、排水導入管24の中心線の延長線上に配置されているものとしたが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば2本の水平管42の中心線と、排水導入管24の中心線の延長線とは芯ずれしていてもよいし、互いに平行でなくてもよい。
【0057】
このような構成としても、複数の水平管42が合流することによりサイホン発生時間を短縮できる効果を得ることができる。
【0058】
また、上記の実施形態では、水平管44の長さL1を、水平管42の長さL2の3分の1以下としているが、本発明の実施形態はこれに限らない。配管スペース等に応じて、これらの長さは自由に設定できる。水平管44の長さL1に関わらず、複数の水平管42が合流することによりサイホン発生時間を短縮できる効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0059】
12 水廻り器具、 20 配管構造、 24 排水導入管(導入管)、
30 排水チャンバー(貯留槽)、 42 水平管(第1横引き管)、
42A 水平管(第1横引き管)、 44 水平管(第2横引き管)、
46 流出垂直管(竪管)