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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038737
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】小袋投入装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/20 20060101AFI20230310BHJP
   B65B 61/10 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
B65B61/20
B65B61/10
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145611
(22)【出願日】2021-09-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】591272343
【氏名又は名称】株式会社三橋製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】辻 拓
(72)【発明者】
【氏名】稲穂 一平
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056AA09
3E056BA14
3E056CA07
3E056DA05
3E056EA05
3E056FB03
3E056FE16
3E056GA01
3E056GA04
(57)【要約】
【課題】 折れ癖があってもカッター入口やシュート入口での詰まりなく搬送でき、カット位置に折れ癖の屈曲があっても切断可能な小袋投入装置を提供する。
【解決手段】 横シール部により複数の包装部が区画形成された連包小袋をトップロールからピッチ検出器を通して横シール部間のピッチを検出し、フィードロールを経由してカッターユニットに導入して各小袋にカットしてシュートに投入する小袋投入装置であって、フィードロールの中心からシュートの入口までの寸法を1ピッチよりも短く形成し、搬送中の連包小袋の搬送中に幅方向の位置ズレや湾曲と厚さ方向のバタツキ折れ曲がりを規制する搬送ガイドを備え、ピッチ検出器の検出位置をフィードロールのニップ位置と一致させ、カッターユニットが上刃と下刃で構成するギロチン切断方式である小袋投入装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横シール部により複数の包装部が区画形成された連包小袋をトップロールからピッチ検出器を通して横シール部間のピッチを検出し、フィードロールを経由してカッターユニットに導入して各小袋にカットしてシュートに投入する小袋投入装置であって、
フィードロールの中心からシュートの入口までの寸法を1ピッチよりも短く形成し、
連包小袋を搬送する途中に幅方向や厚さ方向の変位を規制する搬送ガイドを備え、
ピッチ検出器の検出結果に基づき、フィードロールのニップ位置からのピッチを求め、
フィードロールの中心からシュートの入口までの間に配置した上刃と下刃を対向して移動させるギロチン切断方式のカッターユニットを採用したことを特徴とする小袋投入装置。
【請求項2】
横シール部により複数の包装部が区画形成された連包小袋をトップロールからピッチ検出器を通して横シール部間のピッチを検出し、フィードロールを経由してカッターユニットに導入して各小袋にカットしてシュートに投入する小袋投入装置であって、
フィードロールの中心からシュートの入口までの寸法を1ピッチよりも短く形成し、
連包小袋を搬送する途中に幅方向の位置ズレや湾曲と厚さ方向のバタツキや折れ曲りを規制する搬送ガイドを備え、
ピッチ検出器の検出位置をフィードロールのニップ位置と一致させ、
フィードロールの中心からシュートの入口までの間に配置した上刃と下刃を対向して移動させるギロチン切断方式のカッターユニットを採用したことを特徴とする小袋投入装置。
【請求項3】
カッターユニットは、上刃ホルダに固定された上刃を、下刃ホルダに固定された下刃に対して対向的に移動させる上刃スライダと、
前記上刃スライダに取り付けられた上刃軸ホルダと、
前記上刃軸ホルダに保持された上刃駆動軸と、
前記上刃駆動軸に揺動回転可能に組み込まれるとともに前記上刃ホルダに固定されて、前記上刃が前記上刃駆動軸を中心として揺動回転可能とするコネクタと、
前記下刃ホルダが揺動回転できぬように取り付けられた下刃スライダと、を備え、
前記上刃駆動軸を中心として揺動回転可能な前記上刃の刃先を、揺動回転できぬように取り付けられた前記下刃の刃裏面に押付けて摺動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の小袋投入装置。
【請求項4】
前記コネクタの前記上刃駆動軸の軸穴中心より上側位置に弾性体が組み込まれていることを特徴とする請求項3に記載の小袋投入装置。
【請求項5】
前記上刃ホルダに組み込んだ上刃の刃先は、その刃先を下刃の刃裏面に押付けたとき、上刃の回転中心である上刃駆動軸の位置よりも下側になっていることを特徴とする請求項3又は4に記載の小袋投入装置。
【請求項6】
トップロールの入側に設けたダンサーロールの位置により連包小袋の供給速度を変速することを特徴とする請求項1から5のうち1項に記載の小袋投入装置。
【請求項7】
トップロールの見かけの搬送外径を大きくしたことを特徴とする請求項1から5のうちの1項に記載の小袋投入装置。
【請求項8】
トップロールは、丸ベルトを巻き付けたことを特徴とする請求項1から5のうちの1項に記載の小袋投入装置。
【請求項9】
前記連包小袋は幅方向に一側が折り返しで他側が縦シールであって横シール部で各小袋が区画されたものであり、フィードロールが縦シールをニップして連包小袋を搬送し、前記搬送ガイドは、折り返し側ガイドと縦シール側ガイドで連包小袋を幅方向と厚み方向にガイドするものであり、折り返し側ガイドは、連包小袋の幅方向視で前記フィードロールに重なりニップ位置よりも下流側までガイドすることを特徴とする請求項1から8のうちの1項に記載の小袋投入装置。
【請求項10】
ミスカット検出器をシュート途中に設置しており、ミスカット検出器は境界を検出可能な超音波式センサであることを特徴とする請求項1から9のうちの1項に記載の小袋投入装置。
【請求項11】
フィードロールのニップ位置からシュートの入口までをパウチの1ピッチ以内に構成し、パウチ先端部分がカッター入口やシュートの入口でつまりが発生しない構成と、カット位置検出位置において縦シール側のニップ固定と折り返し側のV字型溝ガイドの構成によりパウチの姿勢が安定し、シールと中身部の境界位置を安定して検出できることを条件にし、ピッチ検出器をカット位置検出器として用いることを特徴とする請求項2から9のうちの1項に記載の小袋投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、即席麺や食品の袋詰め工程において、即席麺や食品の上に粉末又は液体スープ、乾燥野菜等のカヤク、薬味や調味油又は鮮度保持剤や乾燥材等の内容物を包装した小袋を投入する小袋投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連包小袋は帯状の樹脂材や混合材膜を幅方向に折り返し、折り返し部の幅方向の他側を縦シールで封じて内部空間を形成し、内部空間内に内容物を収容した後に、横シール部により複数の包装部(小袋)を区画形成したものである。
小袋投入装置は、この連包小袋(連続包装体)を横シール部から切断して各小袋に分割し、所定の包装容器などに投入する装置である(特許文献1参照)。
【0003】
(ユニットの配置)
従来の小袋投入装置は、連包小袋を繰り入れるロールと、保留するアキュームボックス(錘ロール)とトップロールとコロガイド(上)からピッチ検出器(幅ガイドつき)を通し、下側のコロガイド(下)からフィードロールを経由して、引張ばね力にて吊り上げた下刃の刃先を固定取付された上刃の刃裏面に押付け、上刃と下刃を水平方向に対向して移動させるギロチン切断方式のカッターユニットに導入して小袋にカットして、シュート(ミスカット検出位置)に小袋を投入するものとなっている。
【0004】
一例の小袋投入装置は、トップロール位置からピッチ検出位置まで216(mm)、ピッチ検出位置からフィードロール中心まで108(mm)、フィードロール中心位置からカット位置まで52(mm)の間隔があり、さらにシュート入口はカット位置から35(mm)下側にあるものであった。
【0005】
(小袋の走行ガイド)
トップロール下側のコロガイドとフィードロール上側にあるコロガイドにて連包小袋の幅方向の位置決めを行う。コロガイドは、外周部にV溝を有する回転体であり、小袋の縦シール側と折り返し側に1対で配置され、V溝の底部に縦シールと折り返し側を接触することで幅方向を位置決めするガイドである。
【0006】
上下のコロガイドユニットの中間位置にピッチ検出ユニットがあり、この部分では小袋の厚み方向に規制の緩いガイドがある。
【0007】
(カッターユニットの構造)
特許文献2においてカッターユニットは刃先が直線的な刃先のものの(特許文献2の図17図21等)作動について図16によって説明する。図16(a)が側面視し、図16(b)が下方視したものである。
図16に示すように、カッターユニットAの下刃aは、下刃駆動軸bに回転自在に組み込まれたコネクタcに取り付けた下刃ホルダdに付設されている。
下刃aの刃先は下刃駆動軸bを中心に回転可能な構成になっている。
【0008】
下刃駆動軸bは下刃駆動軸ホルダc1に支持される。下刃駆動軸ホルダc1はスライダc2に固定される。カッターユニットベースfの下面に固定された直動ガイドc3に、スライダc2が進退動可能に設置される。
【0009】
一方、上刃eは刃裏面e1がカッターユニットベースf面と平行となるように固定され、上刃eの刃裏面e1が下刃aの組立基準になっている。
【0010】
上刃ホルダgの両側面に埋め込まれた支柱hに、下刃持ち上げレバーiが回転自在に取り付けられ、このレバーiの先端にはローラ状の下刃ガイドjが回転自在に取り付けられる。下刃ガイドjの回転軸j1と上刃ホルダgに取り付けたばね掛けブラケットk間に引張ばねmを引っ掛けてセットするようになっている。なお、n1は連包小袋の送りローラ(フィードロール)、n2が送りガイド、oが上刃駆動軸、o1が上刃駆動軸ホルダ、o2がスライダ、o3が直動ガイド、40’が連包小袋の搬送ラインである。
【0011】
レバーiの先端の下刃ガイドjは、その外周面が下刃aにおけるコの字形状に突出した下刃角部分a1の下面と当接し、上刃eと下刃aがストロークすると外周面が下刃角部分a1の下面を転動しつつ、下刃aを上方向に持ち上げる。
【0012】
引張ばねmをセットし下刃ガイドjを下刃角部分a1の下面に押付け当接させると、下刃aを図16(a)に示すように、時計方向に回転させるモーメントが作用し、下刃aの角部分a1(刃裏面)は上刃e両端部分の刃先に押付けられ密着する。
【0013】
この状態で、上刃駆動軸oと下刃駆動軸bとに、図示しないクランク機構により作動力を加え、上刃e(刃先e2)及び下刃a(刃先a2)を対向させて前後動作させ(剪断動作させ)ることで連包小袋から小袋をギロチン切断する。
【0014】
(ミスカット検出)
カット位置から小袋を1ピッチ下側に、先頭小袋の先端側横シールエッジを確認する光学式ミスカット検出センサを配置する。
なお、ピッチ検出に関して、特許文献3には超音波式ピッチ検出器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2004-10107号公報
【特許文献2】特開2004-223679号公報
【特許文献3】特開2007-10353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
食品産業では、人手不足が顕著でありまた熟練作業者の高齢化による退職もあることから、非熟練作業者の女性や外国人労働者が増加している。この非熟練作業者の増加に伴い、ちょっとしたことでは止まらずメンテナンスに時間のかからない装置が求められている。
【0017】
従来の小袋投入装置の生産性を最も低下させる要因はミスカット(胴切れ)である。胴切れが発生すると運転再開するために、部品に付着した中身の清掃が必要で長時間機械が停止する。また、経路途中の詰まりによる搬送異常、ピッチ検出異常、ミスカットの誤検出等ちょっとしたことによる小停止(以下「チョコ停」という:重大な事故ではないがチェックのため機械停止が必要)があり、これも生産性を低下させる。現在の労働環境や食品包装業界の要望を鑑みると小袋投入において、胴切りがなく、チョコ停も発生しにくい装置の実現が求められている。
【0018】
従来の小袋投入装置には、下記[1]~[6]の課題があった。
なお、図17は、図16に示したカッターユニットの作動モデル図、図18図19はカッターユニットの搬送状態図、図20は連包小袋の折れ曲がりの説明図、図21は折れ曲り箇所への刃先の力の作用の説明図である。
【0019】
[1] 横シール部の折れ癖による搬送詰まりが原因のミスカット(胴切れ)。
小袋投入装置に供給される連包小袋は、プラケースや段ボール箱等に横シール部を起点としてつづら折り状態に折り畳んでストックすることが一般的である。このため、小袋投入装置に供給された連包小袋には、ストックした連包小袋の重量や包材の材質により折畳の起点である横シール部に折れ癖の残ることがある。
【0020】
図18には、折れ癖のある連包小袋40の搬送状態を示す。図18(a)が連包小袋40の横シール部の折れ癖40aがフィードロールn1中心位置(ニップ位置)を通過し、連包小袋40先頭の小袋をカット位置(カットラインCL)に搬送したときの状態を示す。図18(b)が先頭の小袋を切断後にフィードロールn1中心位置を通過した横シール部の折れ癖40aによる先端小袋の傾き状態を示している。図19が横シールの折れ癖40aがカット位置に到達したときの状態を示す。
【0021】
フィードロールn1中心位置からカッター位置(カットラインCL位置)及びシュート入口位置qまでの距離が、それぞれ52(mm)、87(mm)となっている。これらの長さよりもピッチの短い連包小袋40が横シール部に折れ癖40aを有するとき、横シール部位置がフィードロール中心位置を通過すると、小袋を真っ直ぐにしておくガイドがないため、折れ癖40a位置から先端部分の連包小袋40に傾きができる(図18(a)参照)。
【0022】
この傾きにより、カッター入口部分及びシュート入口部分で、連包小袋40の先端が部品と干渉し搬送の詰まりが発生する。特にシュート部の詰まりに次の小袋が送り込まれると、連包小袋の横シール部がカット位置に到達できず胴切りすることがある。
【0023】
[2] 横シール部の折れ癖により、傾斜した小袋の横シールや屈曲した横シールを切断する際のミスカット(不完全な切断)。
このミスカットには以下の(i)~(iv)という4つの要因があった。
【0024】
(i) 上刃eの刃裏面への下刃aの押し付け力が切断位置に近づくほど減少する。
図17の作動モデル図に示すように、上刃eの刃裏面へ下刃aを押し付け力のもとになる時計方向モーメントは、引張ばねmによる吊り上げ力と下刃ガイドjから下刃駆動軸bまでの中心間距離l1との積にて求める時計方向モーメントと、下刃aの刃先から下刃駆動軸b間の重量とその重心位置Gから下刃駆動軸bの中心までの距離gの積にて求める反時計方向モーメントの差により求まる。
【0025】
図17の作動モデル図において、符号Gは下刃a、下刃ホルダd、及びコネクタcそれぞれの重量を合算した重量Wの重心、gは下刃駆動軸bの中心位置から重心Gまでの距離、Sは上刃eと下刃aのストローク、l1は下刃駆動軸bの中心位置から上刃eの距離をそれぞれ示す。また、Qは引張ばねmの伸びにより決まる下刃ガイドjに作用する引張力であり、矢印がその方向を示す。
【0026】
開き位置(図17(a))の上向きモーメントM1は下式となる。
M1=Q×l1-W×g …式(1)
【0027】
切断位置(図17(b))の上向きモーメントM2は下式となる。
M2=Q×(l1-2×S)-W×g
=Q×l1-(2×Q×S+W×g) …式(2)
式(2)における「2×Q×S」の値により、上向きモーメントM2がカッター刃の前進ストロークSの増加に伴い減少することを表す。これによって上刃eの刃先を下刃aの刃裏面へ押し付ける力がストロークに伴って減少することが理解される。
【0028】
上向きの押し付ける力K2は、下記の式(3)で表せる。
K2=M2/(l1-2S)=Q-(W×g)/(l1-2S) …(3)
【0029】
従来のカッターユニットにおいて、式(3)で求めた押し付力は、下刃の前進ストロークSが大きくなるにつれて、下刃aの刃先を上刃eの刃裏面に押付ける力が減少することを示している。切断抵抗の大きな横シール部分を切断するときの噛み込み性能は、上刃eと下刃aの刃先の押付け力に依存する挟み込む力が関係しているため、下刃aを引張りバネmにより吊り上げる構成での押し付け力の減少は、ギロチン切断として不利であることが判る。
【0030】
(ii) フィードロールを通過した部分の横シールに折れ癖があると、折れ癖より下側にある連包小袋に傾きができる。
従来の小袋投入装置ではフィードロール中心からカッター位置まで52mmであるため、小袋のピッチが52mm未満であれば横シール部の折れ癖40aはフィードロールn1の中心位置(ニップ位置)を通過した状態で、カット位置への小袋搬送が完了する。このとき、折り癖による曲げモーメントが折れ癖位置より下側小袋の重量による真っ直ぐにしようとするモーメントを上回ると、折り癖位置から下側の小袋に傾きができる(図18(a)を参照)。
【0031】
図18(a)で示すような傾斜により搬送ライン位置からずれてしまった小袋を切断する場合、上刃eの刃先e2が切断位置の横シールに最初に衝突する。ぶら下がった連包小袋40は上刃eの進行方向に振り動かされ前進してくる下刃aの刃先a2に衝突し、再び上刃eの方向に振り動かされることを繰り返したのち、上刃eの刃先e2と下刃aの刃先a2が噛合うと切断が始まる。このように、ぶら下がった連包小袋が左右に揺り動かされた不安定な状態で横シールを切断すると、切断不良となる場合がある。
【0032】
(iii) 切断部の横シールに刃先進行方向の折れ癖があると、刃先と横シールの衝突時に下刃が逃げる。
図18図19に示すように、連包小袋(連続包装体)40の先端の一袋を切断するとき、切断線付近に折れ癖40aがあると切断される一袋は刃先の進行方向もしくは反対方向に「く」の字状に傾く。特に、図19に示すように、連包小袋40が下刃aの刃先の進行方向に対して傾いている(角度θ)場合、下刃aの刃先が切断する小袋の横シール面に衝突し上刃eと下刃aの刃先が横シールに噛み込む際に、折れ曲がりで生じた傾斜面から下刃aの先端を押し下げようとする力が作用する。
この力の作用により前進する下刃aの刃先が下がり横シールの傾斜面に沿って滑り始めると、先端の一袋はぶら下がり状態にあるため、下刃aの極僅かな前進により先端の一袋の傾斜角度が急激に大きくなる。
【0033】
このため、下刃aの刃先は楔角度の小さな傾斜面を進むことになり、刃先を押す方向の力は下向き方向に大きく増力されて引張ばねm(図17参照)による持ち上げ力を上回ると、下刃の刃先は先端の袋の表面に食い込むことなく滑り続け上刃の刃先との隙間が拡大し、切断不良が発生する(図18(b)、図20図21を参照)。
上記の現象は、直線上切り口を形成するため、上刃と下刃の刃裏面が平坦面(V溝加工の無い)な刃物(平刃)を使用した場合、顕著に表れる。
【0034】
(iv) 下刃aが切断部の横シールに衝突した際、下刃aの刃先に作用する水平方向の力は刃先を上刃eの刃裏面から離す方向(隙間を作る方向)に作用する。
下刃の刃先は下刃駆動軸中心位置とほぼ同じ高さで構成されているため(図17の作動モデル図参照)、図19に示すように、横シール位置にある折り癖による傾斜面に下刃が衝突したさい、刃先に作用する下向きの力により下刃の刃先が上刃の刃裏面より離れると、下刃の刃先が下刃駆動軸の中心位置より下がる。図21は、下刃aの刃先が横シール40aに突き刺さならなかった際の力の作用を説明している。刃先が当たるポイントがAで、連包小袋40が横シール40aがポイント40bで折れ曲がっているとする。図21に示すように、下刃aが連包小袋40の横シール40aに衝突したときに、下刃aの刃先の力(せん断力)Fによって、下刃aの刃先に押し下げ力Nと、横シール40aとの摩擦力μNとが発生する。押し下げ力Nは折れ角θに応じた角度の方向に発生する。
【0035】
下刃の刃先が下刃駆動軸の中心位置より下がると、下刃の刃先に作用する水平方向の切断抵抗の反力により反時計方向のモーメント(下刃を上刃から離す方向ACのモーメント)が発生するため、下刃aと上刃eの刃先の隙間は簡単に拡大する。又、前記の状態で下刃aが前進すると、ぶら下がり状態の先頭小袋の傾きは拡大しほぼ水平方向となり、下刃aと上刃eの間に先頭の小袋を挟み込んで前進ストロークが終了し切断不良になる。
【0036】
以上の(i)、(iii)、(iv)の要因により、いったん下刃が傾斜した横シール面の表面を下向きに滑ると、途中で切断が再開されることなく、切断不良になる。また、(ii)のように折り癖位置から下側の連包小袋が傾いていると、刃先の衝突により揺り動かされた不安定な状態で切断するため、切断不良となる場合がある。
【0037】
[3] ピッチ検出精度の低下に伴うミスカット(胴切れ)。
従来の小袋投入装置には、ピッチ検出位置の上下に設置したコロガイドとピッチ検出位置の連包小袋を厚み方向に緩かに規制するガイドしかない。連包小袋の幅方向は、上下2箇所のコロガイドのV溝の接触点である程度規制されているものの、厚み方向には自由度がある。
【0038】
このため、連包小袋が対角長さと対辺長さの差の大きい凸凹の目立つ多角形化の状態でトップロールを乗り越えるときに発生するバタつきや、アキュームボックス内での錘ロールのジャンプによる張力変動により、ピッチ検出位置の小袋は厚み方向にフラフラと振動し、検出が不安定になりピッチ検出精度にバラつきができる。これが、ミスカットの要因と考えられる。
【0039】
[4] トップロールからのオーバーランによるミスカット(胴切れ)。
トップロールに巻き付く連包小袋の多角形化による凸凹を極力小さくするためトップロールを大径にしておくと、連包小袋の間欠搬送の停止時、トップロール自らの慣性により回転がしばらく停まらない。また、トップロールからフィードロール間の連包小袋の重量の慣性による下向きの張力が作用する。搬送停止後のトップロールの慣性による回転と連包小袋の慣性による張力により、連包小袋が決められた搬送量を超えてピッチ検出器方向に送り込まれる。
【0040】
このため、ピッチ測定器の測定ポイント位置では、小袋がピッチ測定に基づき決まる搬送量より過量に送り込まれ、進行方向にズレて停止する。次の間欠搬送でピッチ測定に基づく量だけ搬送しても、前記のズレが加算されて多めに送られているため、カッター位置でのシール位置にズレができ中身部と横シール部の境界を切断することもある。これが、ミスカット(胴切れ)の要因と考えられる。
【0041】
[5] 横シール部の折れ癖によるミスカットの誤検出。
ミスカットセンサは搬送方向の上下2カ所に光学式検出器が設置され、「送り足らず、適正、送り過ぎ」を検出する。先頭小袋の先端の横シール部に折れ癖があると、ミスカットセンサ位置(適正検出範囲がカット位置から小袋1ピッチの位置)に垂れ下がった小袋の横シール部先端エッジ位置は、折れ曲がりの角度により位置が上下する。
【0042】
このため、正常送りにもかかわらず送り足らずになったり、送り過ぎであるにもかかわらず正常送りと判定されたりすることがある。これにより、折れ癖のある連包小袋では、ミスカットセンサがチョコ停(ミスカットの誤検出による送り異常停止)や胴切りの原因を作ってしまう。
【0043】
[6] 上刃eから上部にばね掛けブラケットkが突出し、下刃aの下側に下刃ガイドjが突き出すことでカッターユニットの厚みが増しフィードロールn1中心位置からシュート入口までが小袋の1ピッチ以内(40mm以内)に収まらない(図16参照)。
【0044】
上刃eの上側にばね掛けブラケットkが突き出しているため、フィードロールn1の中心位置から上刃eと下刃aのカット位置までを接近させることができない。
下刃aの下側に、下刃ガイドjが突き出しているため、切断した小袋を受け取るシュートを下刃直下に接近させることができない。従来構成のカッターユニットでは、フィードロールn1中心位置からカット位置まで52(mm)の間隔があり、さらにシュート入口はカット位置から35(mm)下側となり、フィードロール中心位置からシュート入口までの寸法が87mm未満の場合、折れ癖により先端の小袋に傾きがあると、搬送途中にその先端が上刃eと下刃aの間口やシュートの入口に引っ掛かり、詰まりやこれを原因とするミスカット(胴切れ)の発生することがある。
【0045】
従来の小袋投入装置において、横シール部の折れ癖によるミスカット(胴切れ)を防止するために、特許文献1記載のように連包小袋の包装部間ごとにマークを印刷する方法もあるが、ユーザー様に包材へのマーク印刷という手間をおかけするだけでなく、折れ癖が原因のカッター入口やシュート入口での詰まりやこれが原因でのミスカット(胴切れ)は防止できない。
【0046】
また、折れ癖矯正装置(チャンバー内の熱で樹脂系包材を伸ばす)を使用することもあるが、別途購入費用と設置スペースが必要であり、また包材の特性によっては完全に折れ癖を修正することが難しくかつ、熱による影響を受ける中身には不向きである。
【0047】
本発明は、マークの印刷や折れ癖矯正装置を使用しなくとも、上記[1]~[6]に列挙した課題を解決し、折れ癖があってもカッター入口やシュート入口での詰まりなく搬送できると同時につまりによるミスカット(胴切れ)なくし、カット位置に折れ癖の屈曲があっても切断可能な小袋投入装置を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0048】
本発明は、横シール部により複数の包装部が区画形成された連包小袋をトップロールからピッチ検出器を通して横シール部間のピッチを検出し、フィードロールを経由してカッターユニットに導入して各小袋にカットしてシュートに投入する小袋投入装置であって、フィードロールの中心からシュートの入口までの寸法を1ピッチよりも短く形成し、連包小袋を搬送する途中幅方向や厚さ方向の変位を規制する搬送ガイドを備え、ピッチ検出器の検出結果に基づき、フィードロールのニップ位置からのピッチを求め、フィードロールの中心からシュートの入口までの間に配置した上刃と下刃を対向して移動させるギロチン切断方式のカッターユニットを採用したことを特徴とする小袋投入装置である。
【0049】
本発明は、横シール部により複数の包装部が区画形成された連包小袋をトップロールからピッチ検出器を通して横シール部間のピッチを検出し、フィードロールを経由してカッターユニットに導入して各小袋にカットしてシュートに投入する小袋投入装置であって、フィードロールの中心からシュートの入口までの寸法を1ピッチよりも短く形成し、連包小袋を搬送する途中に幅方向の位置ズレや湾曲と厚さ方向のバタツキや折れ曲りを規制する搬送ガイドを備え、ピッチ検出器の検出位置をフィードロールのニップ位置と一致させ、フィードロールの中心からシュートの入口までの間に配置した上刃と下刃を対向して移動させるギロチン切断方式のカッターユニットを採用したことを特徴とする小袋投入装置である。
【0050】
本発明において、カッターユニットは、上刃ホルダに固定された上刃を、下刃ホルダに固定された下刃に対して対向的に移動させる上刃スライダと、前記上刃スライダに取り付けられた上刃軸ホルダと、前記上刃軸ホルダに保持された上刃駆動軸と、前記上刃駆動軸に揺動回転可能に組み込まれるとともに前記上刃ホルダに固定されて、前記上刃が前記上刃駆動軸を中心として揺動回転可能とするコネクタと、前記下刃ホルダが揺動回転できぬように取り付けられた下刃スライダと、を備え、前記上刃駆動軸を中心として揺動回転可能な前記上刃の刃先を、揺動回転できぬように取り付けられた前記下刃の刃裏面に押付けて摺動させることが好適である。
【0051】
本発明において、前記コネクタの前記上刃駆動軸の軸穴中心より上側位置に弾性体が組み込まれていることが好適である。
【0052】
本発明において、前記上刃ホルダに組み込んだ上刃の刃先は、その刃先を下刃の刃裏面に押付けたとき、上刃の回転中心である上刃駆動軸の位置よりも下側になっていることが好適である。
【0053】
本発明において、トップロールの入側に設けたダンサーロールの位置により連包小袋の供給速度を変速することが好適である。
【0054】
本発明において、トップロールの見かけの搬送外径を大きくしたことが好適である。
【0055】
本発明において、トップロールは、丸ベルトを巻き付けたことが好適である。
【0056】
本発明において、前記連包小袋は幅方向に一側が折り返しで他側が縦シールであって横シール部で各小袋が区画されたものであり、フィードロールが縦シールをニップして連包小袋を搬送し、前記搬送ガイドは、折り返し側ガイドと縦シール側ガイドで連包小袋を幅方向と厚み方向にガイドするものであり、折り返し側ガイドは、連包小袋の幅方向視で前記フィードロールに重なっていることが好適である。
【0057】
本発明において、ミスカット検出器をシュート途中に設置しており、ミスカット検出器は境界を検出可能な超音波式センサであることが好適である。
【発明の効果】
【0058】
本発明の一実施態様の小袋投入装置によれば、フィードロールの中心からシュートの入口までの寸法を1ピッチより短くしていることによって、折れ癖による搬送の詰まりと、これを原因とする胴切れがなくなる。また、搬送ガイドを設けていることと、ピッチ検出器の検出位置をフィードロールのニップ位置と一致させていることにより、ピッチの測定精度が向上しミスカット(胴切れ)しにくくなる。
【0059】
また、カッターユニットには、下刃が揺動回転できぬように固定取り付けられたこと、カッター刃自身の重量による上刃と下刃の押し付け力の減少がないこと及び、上刃が横シールに衝突したとき先頭にぶら下がった小袋の傾きが小さく抑制され、刃先に作用する水平方向の力によるモーメントは、上刃の刃先を下刃に押付ける方向に作用するため、折れ癖による屈曲があっても、下刃が上刃の刃裏面から離れることなく切断すべき横シールを噛み込み、ギロチン切断できる。
【0060】
なお、実施態様として、トップロールの入側に設けたダンサーロールの位置により供給速度を変速することにより、間欠搬送の加減速があっても搬送張力(ダンサーロール重量により決まる)が一定であり搬送バタつきがなくなり、ピッチ検出精度が向上することで搬送異常やミスカット(胴切れ)防止の効果がある。
【0061】
また、他の実施態様として、トップロールの見かけの搬送外径を大きくすることにより、トップロールを乗り越えるさいのバタつきを無くした搬送にすることでピッチ測定精度が向上し、ロール慣性によるスリップやオーバーランによるカッター部への送り込み量のズレもないため、ミスカット(横シール部のカット位置ズレ、胴切り)防止効果がある。
【0062】
さらに他の実施態様として、境界検出可能な超音波式センサをミスカット検出器に利用することにより、横シール部が折れ癖で曲がっていてもシールと中身部の境界を検出するため曲がりの影響を受けず正しくミスカット位置を検出できる等の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】本発明の実施形態に係る小袋投入装置の全体正面図である。
図2図1の小袋投入装置の繰り入れロールと中間プールを除く側面図である。
図3】(a)が図1のA-A線断面視した拡大説明図であって、図2の小袋投入装置における搬送ガイド、フィードロール、カッター位置およびシュートの位置関係を示す説明図、(b)が(a)のB-B線に沿う搬送ガイドの横断面図である。
図4図1のカッターユニット及びシュート周辺の正面図である。
図5図4のフィードロール及びカッターユニット周辺の詳細に示す説明図である。
図6図5の矢印U方向から見たカッターユニット及びその周辺の詳細な説明図である。
図7】実施形態のカッターユニットの作動モデル図である。
図8】実施形態に係る小袋投入装置の連包小袋の投入工程において、連包小袋の搬送開始の例の説明図である。
図9図8の状態から連包小袋が13mm搬送されてフィードロール中心位置に横シール部の折れ癖が到達した状態の説明図である。
図10図9の状態からさらに連包小袋が搬送されて、横シール部の折れ癖が搬送ガイドを通過した状態の説明図である。
図11図10の状態からさらに連包小袋が搬送されてカット位置に横シール部の折れ癖が到達した状態の説明図である。
図12】連包小袋の先端部の折れ曲がった横シールがミスカット検出器の検出位置に到達した状態の説明図である。
図13】実施形態に係る小袋投入装置の制御動作を説明するフローチャートである。
図14】変形例に係る小袋投入装置の連包小袋の投入工程を説明する概略図であり、(a)が所定の横シール部がカットラインに位置した状態、(b)が(a)で所定の横シール部がカットされた後に搬送された状態、(c)が(b)よりさらに搬送された状態、(d)が(c)よりさらに搬送され、次の横シール部がカットラインに位置した状態の各説明図である。
図15】変形例に係る小袋投入装置の検出及び搬送工程の説明図である。
図16】従来のギロチン切断方式のカッターユニットの説明図であり、(a)が一部断面を含む側面図、(b)が下方から見た図である。
図17】カッターユニットAの作動モデル図であり、(a)が開き位置、(b)が切断位置を示す。
図18】カッターユニットAの搬送状態図であり、(a)が横シール部の折れ癖がフィードロール中心位置を通過し先頭の小袋をカット位置に搬送したときの状態を示し、(b)が先頭の小袋を切断後にフィードロール中心を通過した横シール部の折れ癖による先端小袋の傾き状態を示す。
図19図18に続くカッターユニットAの搬送状態図であり、横シールの折れ癖がカット位置に到達したときの状態を示す。
図20図16のカッターユニットにおいて、連包小袋の横シール位置の折り癖による折れ曲がりの説明図である。
図21図16のカッターユニットにおいて、折れ曲がり箇所への刃先の力の作用の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0065】
図1図2は、実施形態に係る小袋投入装置の全体説明図、図3図7は各部の説明図、図8図12は搬送状態の説明図、図13は制御フロー、図14図15変形例の説明図である。
【0066】
図1図3に示すように、小袋投入装置は、横シール部により複数の包装部(小袋)1aが区画形成された連包小袋1をトップロール4からピッチ検出器11を通して横シール部1b間のピッチを検出し、ピッチ検出器11を通った連包小袋1は、フィードロール8を経由してカッターユニット12に導入され、各小袋にカットしてシュート34に投入する小袋投入装置である。なお、図1図3において連包小袋1は二点鎖線で示している。
【0067】
図1図2に示すように、小袋投入装置は、フィードロール8の中心からシュート34の入口までの寸法を1ピッチよりも短く形成し、連包小袋を搬送する途中に長さ方向の湾曲、厚み方向と幅方向の動きを規制する搬送ガイド5を備え、ピッチ検出器(ピッチ検出ユニット)11の検出位置をフィードロール8のニップ位置と一致させ、カッターユニット12が上刃14と下刃25を対向して移動させるギロチン切断方式としたものである。
【0068】
小袋投入装置は、本体の正面側に繰入ロール2からトップロール4さらにはフィードロール8、カッターユニット12やピッチ検出器11からシュート34に至る構造が配置されている。また、カッターユニット12、ピッチ検出器11、シュート34を覆うカバー(図示省略)が設けられている。また、本体の側部にはコントロールユニットとしてのタッチパネル式の操作パネル50が設けられている。本体において、機械系ケースは電気系ケースから独立している。また、シュート34は、シュート幅調整ノブ38の操作によって連包小袋の幅に対応して幅を可変できる構成を有する。シュート34の中央を検出エリアとして小袋のミスカットを検出するミスカット検出器35が配置されている。図3において、シュート34は、実線で最小幅を二点鎖線で最大幅に調整した状態を示している。
【0069】
小袋投入装置の詳細な構成を説明する。
[搬送基準]
(1) 図2に示すように、連包小袋1の搬送基準は、小袋1a(図3参照)の幅中心を基準として行う。連包小袋1は幅方向の一側が折り返し側1dとなり、他側が縦シール側1cとなっている。図2図3において折り返し側1dが向かって右側、縦シール側1cが向かって左側である。
【0070】
(搬送基準の作用)
(1) 小袋1a幅を変更する場合、図2に示すように、幅中央を基準に両側の搬送ガイド5(縦シール側ガイド6、折り返し側ガイド7)を調整する。
(2) 図2に示すように、フィードロール8が連包小袋1の縦シールをニップして搬送するため、フィードロール8の位置も小袋幅に応じて調整する。
【0071】
(搬送基準の効果)
(1) 実施形態の小袋投入装置を、小袋幅中央が搬送基準であるピロー包装機に組み込む場合、小袋幅の変更があっても、本装置のセット位置を変更する必要はない。
(2) ピッチ検出器11は、小袋1aの中央位置を狙って検出する。従来機では、小袋幅の変更により検出器の位置を変更していたが、本機はその位置を変更する必要はなくなる。
【0072】
[繰入ロール2]
(繰入ロール2の構成)
連包小袋1は、繰入ロール2とダンサーロール3を経由してトップロール4の入側に導入される。
(1) 繰入ロール2は、円周(二点鎖線2cで示す)上に丸棒2aを等間隔に配置した構成となっている。
(2) 繰入ロール2において丸棒2a外周には、シリコーンチューブが外挿されている。
(3) 繰入ロール2の回転駆動は可変速モータを使用する。
【0073】
(繰入ロール2の作用)
(1) 繰入ロール2は、連包小袋1を小袋投入装置に供給する。
(2) ダンサーロール3の位置(ダンサーレバー3aの角度を検出)により、繰入ロール2の回転速度を可変する。
(3) ダンサーロール3が水平より上(符号3au)によって高速供給が可能となり、ダンサーロール3が水平より下(符号3ad)によって低速供給が可能となる。
【0074】
(繰入ロール2の効果)
(1) ダンサーロール3の下半分に巻き掛けられた連包小袋1が、ダンサーロール3から離れないようになることで搬送張力が一定になる。
なお、繰入ロールの供給速度を変速せず一定とした場合、フィードロールの間欠搬送と繰入供給の速度不一致により、供給不足の状態で間欠搬送が始まると中間プール部より急速に連包小袋1が引っ張られダンサーロール3が上方向にジャンプし連包小袋に作用する張力が急激に増減する。間欠搬送が停止するさいに供給が過量になると連包小袋1が中間プール部に溜まりダンサーロール3が下限位置まで下がるとダンサーロール3に巻き掛けられていた連包小袋が離れ張力が減少する。このようなジャンプや巻き掛けられた小袋の垂れ下がりにより張力が変動する。
【0075】
(2) 連包小袋1は、シリコーンチューブにより摩擦係数を大きくした丸棒に疑似的な多角形状態で上掛けに巻き掛けられるため、大きな引き上げ能力を発揮する(従来技術と同様)。
【0076】
[中間プール]
繰入ロール2とトップロール4との間の中間プールについて説明する。フィードロール8は連包小袋1を間欠搬送することから、連続的に供給された小袋の速度と整合させるため、アキューム要素が必要になる。アキューム要素として、小袋投入装置には、中間プールとしてダンサーロール3が設けられる。
【0077】
(中間プールの構成)
(1) ダンサーレバー3aの一端に回転支点があり、他端にはダンサーロール3が構成される。
(2) ダンサーロール3は、ダンサーレバー3aの回転支点を中心とし、自在に回転(上下)できる。
【0078】
(3) ダンサーレバー3aの回転軸に角度検出センサを設けている
(4) 連包小袋1は、繰入ロール2からダンサーロール3を下掛けにして、トップロール4の入口ロールに通される。
【0079】
(中間ロールの作用)
(1) 供給速度(繰入ロール2の回転)と取り出し速度(フィードロール8の回転)の差により、ダンサーロール3がほぼ水平な位置を基準に回転支点を中心として上下する。
(2) ダンサーロール3は「供給速度>取り出し速度」で下に移動、「供給速度<取り出し速度」にて上に移動する。
【0080】
(3) 取り出し側のフィードロール8が間欠搬送(加速-定速-減速-停止)するため、供給速度が一定(例えば間欠搬送の平均速度)であると、「加速-定速」する間にダンサーロール3は上限位置まで上昇し、「減速-停止」する間に下限位置まで下降する。
(4) 連包小袋1の張力は、高速投入時に、取り出し速度が急激に加速するため、ダンサーロール3の下側から巻き掛けた連包小袋の上向き加速度が1Gを超えると、ダンサーロール3はジャンプし張力に緩が生じ、ダンサーレバー3aの上限位置では連包小袋のラインがぴんと張ることで増加し、下限位置ではダンサーロール3から連包小袋1が下方に弛んで離れ張力がなくなる。
【0081】
(5) フィードロール8の間欠搬送開始時に、搬送速度>供給速度となりダンサーロール3は水平位置より上に移動すると、ダンサーレバー3aの回転軸に組み込んだ角度検出センサ(図示省略)が上昇を検出し、供給速度を高速にすることによりダンサーロール3がジャンプすることを防止する。
(6) フィードロール8の間欠搬送が停止する際、搬送速度<供給速度となりダンサーロール3は水平位置より下に移動すると、ダンサーレバー3aの回転軸に組み込んだ角度検出センサが下降を検出し、供給速度を低速にすることにより連包小袋1がダンサーロール3から離れるのを防止する。
【0082】
(中間ロールの効果)
(1) 繰入ロールの供給速度を可変することで、下掛けに巻き掛けられた連包小袋1がダンサーロール3から離れないようになり、連包小袋1の搬送張力は、ダンサーロール3の重量を基準とする一定な張力になる。
(2) トップロール4からフィードロール8までの張力が一定化することで、間欠搬送による張力の変動が抑制され、搬送のバタつきがなくなる。
【0083】
[トップロール4]
(トップロール4の構成)
(1) トップロール4は4本の小径ガイドロールで構成。
(2) 4本の小径ガイドロール(4a)に連包小袋1を巻き掛けたラインは、見かけ上、大きな半径のロール外周とみなせる。
(3) 小袋の重量が重い場合、入口と出口のガイドロール(4a)に加工された丸ベルトセット溝39に丸ベルトを巻き掛けて、ロールのフリー回転の抵抗にする。
【0084】
(トップロール4の作用)
(1) 連包小袋1の搬送方向を「下から上」を「上から下」に変更する。
(2) 横シール部により複数の包装部を区画形成された連包小袋は、ロールに巻き付けた際、中身が詰まった包装部は横シール部の中間部分に比べて曲げ剛性が大きいため、横シール部分で屈曲的に折れ曲がる性質を有する。横シール部間のピッチが、ロールの半径に比べて大きいと、ロール上半円部に巻き掛けられた連包小袋は、横シール部分が屈曲して頂点を形成し、包装部を辺とする凸凹の大きい多角形状(四角形状~六角形状)になる。
【0085】
(3) この状態で、連包小袋を搬送すると、凸凹の大きい角形状を保ったままロールを乗り越えていくため、出口側は対角長さと対辺長さの差だけ搬送ラインが連包小袋の厚み方向に移動し、正面から見て左右に揺れ(搬送バタツキ)が発生する。
(4) トップロール4は、複数本のロールを組合せることで、搬送ラインを疑似的な大径ロール外周とし、巻き掛けられた連包小袋1を、外周に滑らかに沿うような頂点の多い凸凹の目立たない多角形にする。
【0086】
(5) トップロール4に小径ロールを使用することで、ロール自体の慣性が小さくなり、小袋搬送の起動時は回転しやすく(ロール回転の起動抵抗が小さく、巻き掛けた小袋表面の摩擦でスリップすることなくすぐに回転)、停止時はすぐに回転停止(ロールの慣性によるフリー回転は巻き掛けられた小袋の摩擦抵抗ですぐに停止)する。
【0087】
(6) 小袋重量が重い場合、連包小袋の搬送が減速停止してもトップロール4からフィードロール8までの下向きの搬送範囲にある小袋重量による慣性により下向きに移動しようとする。しかし、丸ベルトをロールに巻き掛けていると、ロールのフリー回転を防止する抵抗となり、ロールの回転が減速し停止すると同時に連包小袋の搬送も停止し、余分な送り込みがなくなる。
【0088】
(トップロール4の効果)
(1) トップロール4は、4本の小径ガイドロール(4a)により見かけ上、大きな半径のロール外周とみなせるため、連包小袋は外周に沿う滑らかな多角形になり、対角長さと対辺長さの差が原因の搬送バタつきが減少する。この結果、ピッチ検出器11位置において厚み方向の揺れが抑制される。
【0089】
(2) トップロール4を構成する小径ガイドロール4aは、ロール慣性が小さいため、小袋搬送の起動停止に即追従し回転停止できるため、ロールを回転起動する際の回転抵抗も小さくなり搬送張力に影響を与えないことと、搬送停止時にロールが停止せず回転しつづけると巻掛けられた連包小袋1がフィードロール8方向へ送り込まれる現象もなくなる。
【0090】
(3) 丸ベルトをトップロール4に巻掛けると、小袋重量の慣性によるフリー回転を防止し、余分な送り込みも発生させない。
(4) バタつきなく搬送することでピッチ測定精度が向上し、カッターユニット12への送り込み量のズレもないため、ミスカット(横シール部のカット位置ズレ、胴切り)防止効果がある。
【0091】
[搬送ガイド5]
(搬送ガイド5の構成)
(1)搬送ガイド5は、図2図3に示すように、連包小袋1の縦シール側1cと折り返し側1dのそれぞれに独立した搬送ガイド5(縦シール側ガイド6、折り返し側ガイド7)を、小袋送り方向に小袋ピッチの数倍の長さ(実施例では2~4倍の長さ)連続的に構成するものである。
(2) 縦シール側ガイド6は、トップロール4の下部からフィードロール8直上位置まで連続している。ガイド形状は、V字型切込みとその底にシール部分が入り込む溝6aを有する。
【0092】
(3) 折り返し側ガイド7は、トップロール4の下部からフィードロール8の直径の下半分付近まで連続している。ガイド形状は、連包小袋1の折り返し側が嵌り込むV字形状の切込みを有する。
(4) 縦シール側ガイド6は、フィードロール8の外径に接する直前位置までの長さであるに対して、他方折り返し側(装置の手前側)ガイド7は、フィードロール8の下半分までの長さ(縦シール側より長い)となっている。縦シール側ガイド6は折り返し側ガイド7と長さが異なる(下端の位置が異なる)。
【0093】
(5) 搬送ガイド幅調整ノブ36により、搬送ガイド5の縦シール側ガイド6と折り返し側ガイド7は、搬送中心を基準として、左右方向(連包小袋の幅方向)へ均等に移動する。幅の異なる連包小袋1を使用する場合に、調整ノブ36により、搬送ガイド5の間隔を調整する。
【0094】
(搬送ガイド5の作用)
(1) 搬送ガイド5の縦シール側ガイド6と折り返し側ガイド7によって、連包小袋1の縦シール側1cと折り返し側1dをその形状に沿う形でガイドするため、搬送ガイド5が構成されている範囲(トップロール4下部からフィードロール8部分まで)で連包小袋1は正面から見て左右方向への動きが規制され、バタつきや屈曲なく姿勢安定して搬送できる。また、幅方向も小袋の数ピッチ分の長さを連続して直線的にガイドすることで湾曲も規制される。このように厚み方向と幅方向に連包小袋の姿勢を規制したことより、見かけのピッチが正規の長さより伸縮することはない。
【0095】
(2) トップロール4部分からのオーバーランがあっても、搬送ガイド5は連包小袋1の縦シール側1cと折り返し側1dの両側を搬送方向に沿って連続的にガイドすることによる摺動抵抗と横シール部分が厚み方向にジグザグするような屈曲を規制する効果があるため、余分な送り込みはこの搬送ガイド5に入り込み難くなっている。
【0096】
(3) 図4に示すように、ピッチ検出器11の連包小袋の横シール検出位置は、フィードロール8の直径の中心位置とほぼ一致し、その位置で連包小袋の縦シールはフィードロール8によりニップ固定され、折り返し部は折り返し側ガイド7のV字形状で規制されており、厚み方向及び幅方向にズレることなく姿勢が決まっている。
【0097】
(搬送ガイド5の効果)
(1) 従来の小袋投入装置にて用いた上下の2か所に配置したコロガイドでは、連包小袋の幅方向の規制は、縦シール側と折り返し側を上下4か所のコロのV溝底に点接触させるだけであるため、上下のコロガイドの中間位置では厚み方向に規制がなく自由になっておりバタつきを規制できなかった。また、上下4か所の点接触であるため、柔らかな包材の場合V溝底に接触する縦シールや折り返し側が座屈しやすく幅方向の規制も十分できない場合があった。しかし、本発明の搬送ガイド5は、縦シール側ガイド6と折り返し側ガイド7にて縦シール側1cと折り返し側1dを小袋の数ピッチの長さ連続してガイドするため、厚み方向のバタつきや幅方向の座屈なくガイドできる。
【0098】
(2) このため、ピッチ検出する際、小袋にバタつきがなく姿勢が一定であるため、検出が安定し測定ピッチのバラつきが減少することで、連包小袋の横シール位置を正確な送り量でカッター部へ搬送することができる。
【0099】
(3) 搬送方向に連続したV字形状のガイドによる摺動抵抗によりオーバーランによる送り込み過ぎが抑制できるため、ピッチ検出器11のピッチ検出位置でピッチ測定の送り量よりも過量な送り込み(ピッチ位置ズレ)が生じない。
【0100】
(4) 搬送ガイド5によって連包小袋1を連続的にガイドすることによる摺動抵抗があるため、空気圧による圧力をかけた押さえ板のブレーキ無しで(ピンホールを発生させることなく)オーバーランのない搬送が可能になる。
なお、縦シール位置を基準として連包小袋を搬送する場合、搬送ガイド5の縦シール側ガイド6の位置が固定となり、折り返し側ガイド7のみを小袋幅に対応して位置を調整する構成となるが、実施形態の構成と同じ効果が得られることは言うまでもない。
【0101】
[フィードロール8]
(フィードロール8の構成)
(1) フィードロール8は、外径φ32(直径32(mm))の金属ロール9とゴム巻ロール10間に連包小袋1の縦シールを挟み込み、ニップ搬送する構造となっている。
(2) 金属ロール9が固定側となり、ゴム巻ロール10がバネ力により加圧側となる。
【0102】
(3) 図4に示すように、フィードロール8のニップ位置Aは、金属ロール9とゴム巻ロール10の外周面同士が接する位置となる。フィードロール8の直径のほぼ中心位置(金属ロール9の直径とゴム巻ロール10の直径との中心であり、各ロール9、10軸心を繋いだ線上)がニップ位置Aとなり、そのニップ位置Aがピッチ検出器11の検出ポイントになる。
【0103】
(4) フィードロール8の外径を小径化することで、フィードロール8の直径の中心位置(ニップ位置)Aからカットライン位置Bまでを27(mm)に接近させることができた。
【0104】
(5) フィードロール8による搬送は、サーボモータ駆動により間欠駆動する。
(6) フィードロール8はスライド機構上に構成され、調整ノブ36により全体が前後に移動(小袋幅中心基準)する。図3に示すように、フィードロール8は、連包小袋1の最大幅(1w)で位置8wに位置し、最小幅(1s)で位置8sに位置するように調整ノブ37により位置を調整できる。
【0105】
(フィードロール8の作用)
(1) 先頭がカットされた直後、次のカット位置になる横シール部に折れ癖があると、従来のニップロールとカッター間の寸法(52(mm))では、小袋のピッチが52(mm)未満であれば、ぶら下がっていた小袋の重量がなくなると、真っ直ぐだった小袋に折れ癖による曲げモーメントが作用し、連包小袋の先端部に傾きができる(図18(b)参照)。
【0106】
(2) この連包小袋の傾きにより、先端側横シール位置がカッター部の開口幅以上になると、連包小袋の搬送と同時に先端側横シールがカッター開口部に干渉しつまりが発生する。また、通過したとしても、シュート入口でつまることもある。
(3) 本実施形態では、縦シールはカット位置の上側27(mm)の位置をニップ固定され、折り返し側はニップ位置Aよりさらに下側までV字型形状でガイドされている。
【0107】
(フィードロール8の効果)
(1) 図8に示すように、ニップ固定された小袋の下流側横シールがちょうどカット位置にある時、その上流側横シールに折れ癖があったとしても、カットライン位置まで27(mm)であるため、小袋ピッチが40(mm)以上であれば、折れ癖のある横シール部位置はフィードロール8のニップ保持位置より上流側にあり、同時に折り返し側はV字型形状ガイド内にあるため、フィードロール8のニップ位置より下流側の小袋は傾きが発生せず真っ直ぐな姿勢を保っている。さらに、シュート34入口まで36(mm)であるため、カット位置からぶら下がった小袋の先端までまっすぐになっている。
【0108】
(2) 次にカットされる小袋の横シール部に折れ癖があっても、先頭小袋がカットされた直後の小袋1aに傾きが発生しないため、搬送開始に小袋先端がカッターの入口部品や搬送途中でのシュート34入口と干渉することによる詰まりが発生しない。
【0109】
(3) 従来の小袋投入装置のギロチン式切断方法では、小袋ピッチ52mm以上でないと横シール部の折れ癖位置がフィードロール中心位置を通過しガイドが無くなるため、切断位置へ送り込まれた連包小袋が折り癖により傾くと、刃先の衝突により揺り動かされた不安定な状態で横シールを切断することになり、切断不良となる場合がある(図18(a)を参照)。
【0110】
(4) これに対して、本実施形態の小袋投入装置では、フィードロール8の中心位置からカット位置まで27mmであるため、小袋ピッチが27mmを超える場合に横シール部の折れ癖はフィードロール8の上流側にあり搬送ガイド5により縦シール側と折り返し側を拘束されているため(図8参照)、小袋は静止状態で垂直に垂れ下がる。この状態で横シール部を切断すると、切断力は小袋に真っ直ぐに伝わるため、切断しやすくなりカット不良がなくなり、機械のチョコ停による生産性の低下が改善できる。
【0111】
[ピッチ検出器11]
(ピッチ検出器11の構成)
図5は、フィードロール8、カッターユニット12及びピッチ検出器11周辺の説明図である。
(1) 標準的に使用されるピッチ40mm以上の小袋において、カット位置から1ピッチ以内(27(mm))の上流側に超音波式のピッチ検出器11を配置している。
(2) 図4図5に示すように、ピッチ検出器11は、フィードロール8の直径同士の中心位置A(連包小袋の縦シールをニップする位置)でシールと中身部分の境界を検出する。ピッチ検出器11は、超音波式のものであり、図4図5に示すように、連包小袋の搬送経路を厚さ方向からニップ位置Aを挟んで送信手段11a及び受信手段11bが配置されている。
【0112】
(3) 検出時、小袋の縦シールはフィードロール8によりニップ固定され、搬送ガイド5のうちで折り返し側の搬送ガイド7のV字切れ込み(図3参照)にて位置を保持されている(検出器の上流側はピッチ長さ以上、下流側はカッター刃の上端部近傍の範囲をV字切れ込みにてガイドされている)。
【0113】
(ピッチ検出器11の作用)
(1) 連包小袋1の幅方向と厚み方向は、図3図5等に示すように、フィードロール8によるニップ固定と搬送ガイド(折り返し側ガイド7)にて位置が変動しないように規制されているため、検出が安定し測定精度のバラつきが小さくなる。
【0114】
(2) また、トップロール4の下部位置からピッチ検出器11位置までの距離は小袋ピッチの数倍の長さがあり、この距離を搬送ガイド5で規制されているため、小袋1aの折れ癖や湾曲で見かけ長さが減少することで生じるピッチ誤差の影響を受けることなく正確に搬送できる。
【0115】
(3) ピッチ測定結果に基づく定量送りが完了するとフィードロール8は回転が停止し小袋をニップ保持するため、トップロール4から小袋の過量送り(オーバーラン)があったとしても、フィードロール8の直径のほぼ中央位置(ニップ位置)Aと同じ位置にある検出位置で小袋が搬送方向に位置ズレすることはなく、境界検出による小袋長さの測定データと搬送量は一致する。
【0116】
(ピッチ検出器11の効果)
(1) ピッチの測定精度が向上することで、カッターユニット12への搬送量も正確になり、カット位置ズレ(ミスカット)が減少する。
【0117】
(2) 次にカットされる横シール部に折れ癖があると、これがフィードロール8を通過した後、連包小袋は折れ癖位置から曲がった状態になる。このような連包小袋の傾きがあったとしても、境界位置の検出後に僅か27(mm)送るだけでカットライン位置Bに到達するため、カット位置での横シールの到達位置ズレは極僅かしか発生せず、カット位置ズレの許容値2(mm)以下であるためミスカットは発生しない。
なお、ピッチ検出器11は、超音波式である他、光学式のものなど各種形式のものを使用できる。
【0118】
[カッターユニット12]
(カッターユニット12の構成)
図5は正面から見たフィードロール8、カッターユニット12からシュート34までの周辺の説明図である。図6はカッターユニット12周辺を図5の矢印Uで示す下方からみた図である。
【0119】
(1) カッターユニット12は、図5図6に示すように、上刃14と下刃25をクランク機構(上刃ユニット13は、上刃コンロッド21、上刃クランク22、上刃クランク軸23にて構成を示し、下刃ユニット24は、下刃コンロッド30、下刃クランク31、下刃クランク軸32にて構成を示し、クランク軸の駆動機構は図示省略する)により左右対称方向に往復運動させ、連包小袋1の横シール部を上刃14と下刃25の間で挟みせん断力によりギロチン切断する構造である。図6に示すように連包小袋1の各種の幅・大きさに対応してカットでき、連包小袋1が最小のものを符号1sで最大のものを1wで示す。フィードロール8の位置もそれに対応して幅方向に移動でき、最小の連包小袋の縦シール部をニップするフィードール位置は符号8sが対応し、最大の連包小袋の縦シールに対応するフィードロールは符号8wが対応する。
【0120】
(2) 上刃ユニット13は、上刃スライダ20、上刃軸ホルダ19、上刃駆動軸18、コネクタ17、圧縮コイルばね16、上刃ホルダ15、及び、上刃14から主に構成されている。
(3) 又、下刃ユニット24は、下刃スライダ29、下刃軸ホルダ27、下刃駆動軸28、下刃ホルダ26、下刃25、から主に構成されている。
【0121】
(4) カッターユニット12は、上刃ホルダ15に固定された上刃14を、下刃ホルダ26に固定された下刃25に対して対向的に移動させる上刃スライダ20と、上刃ホルダ15を、上刃スライダ20にコネクタ17を介して取り付けるための上刃軸ホルダ19と、上刃軸ホルダ19に保持された上刃駆動軸18と、を備え、上刃駆動軸18を中心として揺動回転可能な上刃14の刃先を、揺動回転できぬように取り付けた下刃25の刃裏面25aに押付けて摺動させるギロチン式カッターユニットである。
【0122】
(5) 図6に示すように、上刃軸ホルダ19に支持される上刃駆動軸18と、下刃軸ホルダ27に支持される下刃駆動軸28とを往復動作させるクランク機構の上刃クランク軸23と下刃クランク軸32がカッターユニットベース33の後側R方向に突出しており、その先端部にプーリがとりついている。
【0123】
(6) 突出した上刃クランク軸23と下刃クランク軸32との先端に取り付けられたプーリに図示しないアクチュエータが係合している。アクチュエータの駆動力によって上刃スライダ20(上刃駆動軸18)と下刃スライダ29(下刃駆動軸28)との間隔が拡縮すると、上刃14と下刃25とが対向的に移動し、切断、離隔する構造となっている。
(7) 又、上刃駆動軸18を中心として揺動回転可能な上刃14の刃先14aを、揺動回転できぬように取り付けられた下刃25の刃裏面25aに押付けて摺動させるギロチン式カッターユニットである。符号25cが下刃25の刃先を示す。
【0124】
(8) 上刃スライダ20には、上刃駆動軸18を保持する上刃軸ホルダ19が設けられ、上刃軸ホルダ19が保持する上刃駆動軸18を回転軸として、コネクタ17が上下方向に揺動回転可能に組み込まれる。
(9) 上刃軸ホルダ19に対するコネクタ15の上下方向の振り角が制限され、コネクタ17には、上刃駆動軸18の軸中心より上側位置に穿たれた穴内部に弾性体の圧縮コイルばね16が組み込まれている。
【0125】
(10) カッターユニット12は、上刃ホルダ15に固定された上刃14を、下刃ホルダ26に固定された下刃25に対して対向的に移動させる上刃スライダ20と、上刃ホルダ15に固定され上刃14の刃先14aを上下方向に揺動回転させる平面視でコの字形状のコネクタ17と、下刃ホルダ26が揺動回転できぬように取り付けると同時に下刃25を上刃14に対して対向的に移動させる下刃スライダ29と、を備える
【0126】
(11) 上刃駆動軸18を中心として揺動回転可能な上刃14の刃先を、揺動回転できぬように取り付けられた下刃25の刃裏面25aに押付けて摺動させるものであり、上刃スライダ20には、上刃駆動軸18の軸端部18aが突出した状態で保持する上刃軸ホルダ19が設けられ、上刃軸ホルダ19が保持する上刃駆動軸18の突出した軸端部18aに、コネクタ17のコの字形状部分17aが揺動回転可能に組み込まれる。
【0127】
(12) 上刃軸ホルダ19の先端面19a(上刃14先端側に向かう面)とコネクタ17のコの字形状部分17aの奥端面17a1との間には隙間σが設けてあり、コネクタ17が上向きに傾くと奥端面17a1の上端が隙間σだけ移動して上刃軸ホルダ19の先端面19aの上端と接触して上向きの旋回角が制限され、コネクタ17が下向きに傾くと同様にそれぞれの下端が接触して下向きの旋回角が制限される。すなわち、隙間σによってコネクタ17の上刃軸ホルダ19に対する上下方向の振り角が制限される。
【0128】
(13) コネクタ17の上刃駆動軸18の挿入穴17b中心より上側位置に穿たれた穴内に圧縮コイルばね16を組み込む。ばねのセット穴は非貫通になっており、他方はコネクタ17のコの字形状部分17aの奥端面17a1側に開放されている。
ばねのセット穴内に組み込んだ圧縮コイルバネ16は、コネクタ17の奥端面17a1からその端部が突き出しており、その端面は上刃軸ホルダ19の先端面19aに当接し、他端は非貫通の穴の端面に当接する。
【0129】
(14) 実施例の上刃14と下刃25とは、図示しないが、刃裏面(上刃14と下刃25とが密着する摺動面)に多数条のV溝が上刃14と下刃25の摺動方向と一致するように加工されている。上刃14と下刃25とは、いわゆるピンキングはさみの刃先形状と同様のV字が多数連なった刃先形状をしている。このV溝加工によって連包小袋(連続包装体)の横シール部を逃がすことなく切断すると同時に小袋を開封する際の切り裂きを容易にする波形切り口を形成できるようになっている。具体的には、V溝は、上刃14と下刃25の各刃裏面に、刃幅の両端部分にまで形成されている。
【0130】
(15) 又、下刃25は図6に示すように、下方から見るとコの字形状を呈し、コの字形状の両側の角状部分25b、25bは、上刃14と下刃25の刃先が噛み合うときにV溝の刃筋位置を一致させるため、角状部分25b、25bにもV溝加工がされており、上刃14のV溝と合わせられている。下刃25の刃先25cはやや進退方向に対して斜めになっている。
【0131】
(16) なお、実施例では波形切り口を形成するV溝加工刃(波刃)を使用しているが、直線上切り口を形成する場合、上刃14と下刃25の刃裏面が平坦面(V溝加工の無い)な刃物(平刃)を使用できる。波刃、平刃については種々の公知技術があるが、特開2004-223679号公報の図22図23が波刃の例、図20図21が平刃の例として挙げられる。
【0132】
(17) コネクタ17の内部にセットした圧縮コイルバネ16により上刃14の刃先を下刃25の刃裏面に押し付ける構成としたため、従来のカッターユニットに構成されて上刃eと下刃aの上下に突き出していた下刃ガイドjとばね掛けブラケットk間の引張ばねmにより下刃aを上刃eに押付けるユニットが不要になった。
【0133】
(カッターユニット12の作用)
上記のことからカッターユニットは下記の作用を奏する。
(1)連包小袋の先端の一袋を切断するとき、切断線付近に折れ癖があると切断される一袋は刃先の進行方向もしくは反対方向に傾く。特に、先端小袋の折れ曲がり方向が下刃25の刃先の進行方向に傾き、包材の硬い小袋の場合、せん断抵抗が大きく切込み難いこともあり、下刃の刃先が切断すべき横シールの傾斜面に接触した瞬間に小袋の傾きに沿って下刃25の刃先を押し下げようとする力が作用するが、下刃25は固定取り付けであるため刃先が下向きに逃げない。
【0134】
図7は、実施形態のカッターユニットの作動モデル図である。
フィードロール8の金属ロール9とゴム巻ロール10間に連包小袋1の縦シール部を挟み付けてニップ搬送する。上刃14は上刃駆動軸18の中心軸を揺動回転中心とする。下刃25は不回転で取り付けられている。図7において符号が下記となる。
Q:圧縮コイルばね8のバネ力、
W:コネクタ17と上刃ホルダ15等の上刃14の取り付け部品重量W、
η:揺動回転中心から上刃14の取り付け部品の重心までの距離、
λ:揺動回転中心から上刃14の刃先までの距離、
ξ:揺動回転中心から圧縮コイルばね16の中心位置までの距離、
δ:揺動回転中心から上刃14と下刃25の摺動中心位置(カット位置)までの距離、
F:せん断力の水平方向の反力、
とする。
【0135】
上刃14の刃先が下刃25の刃裏面を押し付けるモーメントM3は、下式となる。
M3=Q×ξ+W×ξ
このモーメントM3は、バネ力Q及び部品重量Wが一定のため、上刃14のストロークと無関係で一定、つまり、上刃14の刃先を下刃25の刃裏面に押し付ける力は一定である。
【0136】
せん断力Fの水平方向の反力が上刃14の刃先に作用したときの押し付けモーメントM4は、下式となる。
M4=Q×ξ+W×η+F×δ
上刃14の刃先が下刃25の刃裏面を押し付ける力K4は下式となる。
K4=M4/λ=(Qξ+Wη+Fδ)/λ
従って、せん断力の水平方向の反力Fが作用しても、上刃14の刃先を下刃25の刃より離そうとする力は発生しない。
【0137】
上記の上刃の押し付けに寄与するモーメントと押し付け力の計算式より、下記の作用を奏する。
(2) コネクタ17には圧縮コイルばね16のばね定数と圧縮量により決まる押付力と上刃駆動軸18中心から圧縮コイルばね16中心までの高さ方向寸法との掛け算で求まる時計方向のモーメントが発生する。
【0138】
又、コネクタ17、上刃ホルダ15、上刃14それぞれの部品重量の重心位置は、上刃駆動軸18中心位置からすべて刃先側になるため、上刃駆動軸18の中心からそれぞれの重心位置までの寸法とこれらの重量により求められモーメントは、圧縮コイルばね16によるモーメントと同じ方向になり、上刃14の刃先押付力は圧縮コイルばね16と部品重量によるモーメントとを加算して求める。
【0139】
従って、ばねの弾発力と上刃駆動軸18中心から圧縮コイルばね16中心までの高さ寸法で決まる圧縮コイルばね16によるモーメントと、上刃駆動軸18中心位置から上刃14の刃先間にある部品重量の重心位置により決まるモーメントは、カッターユニット機構の部品寸法、圧縮ばねの寸法というストロークに無関係な諸元で決まるため、刃先がストロークしても変化しないので、上刃14の刃先が下刃25の刃裏面25aを押付ける力はストロークに無関係で一定である。
【0140】
(3) 一方の上刃14の刃先14aが小袋の横シールに衝突した際、上刃14と下刃25の刃先噛み合い位置(カット位置)が、上刃駆動軸18の中心位置に対して下側になっているため、上刃14の刃先に作用した切断抵抗の水平方向の反力により上刃14に発生するモーメントは圧縮コイルばね16によるモーメントと同じ時計方向になり、切断時に上刃14の刃先と下刃25の刃裏面25aに隙間が生じることはない。
【0141】
以上より連包小袋の先端の一袋に折れ癖があり下刃の進行方向に傾きがあっても、下刃が固定取付されているため下向きに移動することはなく、さらに上刃に対して水平方向に作用する切断反力が上刃を下刃の刃裏面に押し付けるように作用することで、切込み開始時に上刃と下刃に隙間ができない。
【0142】
(4) 従来のカッターユニットに構成されて上刃eと下刃aの上下に突き出していた下刃ガイドjとばね掛けブラケットkが不要になったことで、上刃14の上部及び下刃25の下面より部品の突き出しがなくなり、カッターユニットの厚みを薄くすることが可能になった。
【0143】
(カッターユニット12の効果)
(1) 以上のように実施形態のカッターユニット12によれば、下刃25の取り付けを固定としたことにより、切断抵抗の大きな折れ癖により横シール部に下刃の刃先の進行方向の傾きのある小袋であっても下刃25が上刃14から逃げて隙間が発生しないため、安定して切断できる。
【0144】
(2) 又、上刃14の刃先が下刃25の刃裏面25aを押付ける力は、圧縮コイルばね16のセット位置と上刃駆動軸18から刃先までの部品群の重量とその重心位置という機構構成上の寸法により決まり、刃先のストロークに無関係で一定となるため、上刃14の刃先と下刃25の刃裏面25aは、常に一定の押付力により密着させられた状態で摺動できる。さらに、小袋の横シールを切断する際、上刃14の刃先に作用する切断抵抗の水平方向の反力にて発生するモーメントは、圧縮コイルばね16が上刃14を時計方向に回転させるのと同じ方向に作用するため、刃先を下刃25の刃裏面25aに押付けていた密着性が損なわれることはなく、安定した切断性能が得られる。
【0145】
(3) 又、上刃14の刃先を下刃25の刃裏面25aに押付ける圧縮コイルばね16をコネクタ17内部に内蔵したことによりカッターユニットの厚みが薄くなり、フィードロール8の中心位置(ニップ位置)AからカットラインBまで27(mm)、さらにカットラインBから9(mm)の位置にシュート34入口Cとすることが可能になり、小袋のピッチ40mm以内の空間にカッターユニットを配置することができた。
【0146】
[ミスカット検出器35]
(ミスカット検出器35の構成)
(1) ミスカット検出器35は超音波式センサを使用し、その検出位置Dは、カッター中心位置(カットライン位置)Bから「小袋ピッチ長さ-シール長さ/2」より極僅か上側の位置とする。図4において、ミスカット検出器35の検出位置は、符号Dで示す位置になる。ミスカット検出器35は、図4に示すように、送信手段35aと受信手段35bとを有しており、送信手段35aから受信手段35bへの超音波送信経路上に検出位置Dがある。
(2) 実施形態において、連包小袋のピッチは40(mm)、横シール部の長さが16(mm)(前・後に8(mm)ずつ形成され合わせて16(mm))の場合、カット位置に横シール部長さの中央位置があるとすれば、カッター中心位置(カットライン位置)Bからミスカット検出器35の検出位置Dまで30(mm)付近(横シール部から中身部分を通過した位置)になる。
【0147】
(3) ミスカット検出器35は、小袋ピッチによりその検出位置が異なるため、位置調整機構を設けている。
(4) ミスカット検出器35に超音波式検出器を使用することによって、連包小袋1の搬送先端のシール部と中身部の境界を検出する。
【0148】
(ミスカット検出器35の作用)
(1) 図9に示すように、フィードロール8の中心位置(ニップ位置)Aからシュート入口Cまでの寸法は36(mm)であるため、ピッチ40(mm)以上の小袋先端がシュート34の入口Cに到達した時、横シール部の折れ癖位置はフィードロール8のニップ位置Aより4(mm)以上上流側にあるため、小袋先端は折れ癖の影響を受けず真っ直ぐにシュート34開口部に入ろうとしている。折れ癖のある横シール部がフィードロール8のニップ位置Aに到達した時に、先頭小袋の先端は4(mm)以上シュート34の内部に入り込んでいる。
【0149】
(2) 横シール部の折れ癖位置がフィードロール8の中心位置を通過し、連包小袋1の折り返し側ガイド7もなくなると、折れ癖により連包小袋1の先端は傾きができる(図10を参照)。
(3) 連包小袋1の先端が傾こうとしても、小袋の先端はシュート34内部に入り込んでおり、さらに、シュート34のすべり面34a又は上側ガイド板34bに傾いた小袋先端が接触するため、その傾きは制限され、引っ掛かることなくシュート34内部に導かれ連包小袋の間欠搬送が完了する(図11を参照)。
【0150】
(4) 小袋の間欠搬送が完了したとき、小袋の先端はシュート34のすべり面34a又は上側ガイド板34bで横シール部の折り癖による傾きが規制されており、先頭小袋の横シール部と中身部との境界がミスカット検出器35の検出位置Dを僅かに通過していることを検出することができる。先頭小袋の横シール部と中身部との境界を検出することで、シュート34内部に進入した小袋はその先端が途中でつまることなく正常に搬送完了し、カット位置に横シール長さの中央部が来ていると判定できる。
【0151】
また、ミスカット検出器35が小袋の横シール部と中身部との境界位置を検出した後、許容範囲を超えて(検出位置から小袋の境界位置が2(mm)以上行き過ぎている)搬送が停止した場合、送り過ぎと判定し、搬送完了しても境界位置を未検出であれば、送り足らずと判定する。送り過ぎ、送り足らずの場合、カット位置の横シールの中央の安全な範囲が切断できない又は中身部を切断する可能性があるため、ミスカット警報を出しカット機は運転を停止する。
【0152】
(ミスカット検出器35の効果)
(1) 従来のミスカット検出は、光学式検出器を搬送方向の上下2カ所に間隔をあけて並置し、小袋の先頭横シールの先端エッジの通過を確認する。小袋の搬送が完了したとき、シールの先端エッジが上流側検出器を通過し、下流側検出器に到達するまでの範囲が正常送り、下流側検出器を通過した場合は送り過ぎ、上流側検出器を通過しない場合は送り足らずと判定する。
【0153】
(2) 従来の小袋投入装置において小袋1ピッチ分の搬送が正常に完了したとき、シュート内部に進入してきた小袋の先端側横シール部に折れ癖があり横方向に折れ曲がっていると、上側位置の検出器(送り足らず)が先端を検出することがある。この場合、正常に搬送が完了しカッターを作動させてもよいにもかかわらず、上下の2カ所に光学式検出を設置する方式では、検出判定はシール先端送り足らずとなり「ミスカット警報(小袋ピッチに対して送り量不足でカット位置では中身部分を切断することを警報する)」にてカット機は停止する。
【0154】
(3) 上下の2カ所に光学式検出器を設置する方式では、 折れ癖により横に曲がったシール部先端が上下の検出器の中間位置にあれば「正常位置停止」と判定してしまう。本来は何らかの理由による送り過ぎであるにもかかわらずカッターが作動し、小袋の中身をミスカットする(胴切れする)ことになる。
【0155】
(4) これに対して、実施形態のミスカット検出器35は、超音波式検出器を使用することによって、連包小袋1の搬送先端のシール部と中身部の境界を検出するものである。従って、折れ癖のある横シール部がカットされ、次のピッチ送りにより折れ癖のある横シール部が小袋の先頭として搬送されてきても、横シール部の先端ではなく折れ癖の影響ない境界を検出するため、搬送量を正常に確認できる(図12を参照)。
【0156】
(5) 先頭小袋の横シール部エッジを検出するのではなく、実施形態のミスカット検出器35は、超音波式検出器により横シール部と中身部の境界を検出することにより、小袋先頭の折れ癖によるシールの折れ曲がりの影響なくミスカット防止の検出が可能になる。
【0157】
[実施形態に係る小袋投入装置の特徴的構成]
実施形態に係る小袋投入装置においては、次のような構成の特徴がある。
(1) フィードロール8の中心からシュート34の入口までの寸法を1ピッチより短くしている。
フィードロール8を小径化(直径φ32(mm))し、コネクタ17の内部にセットした圧縮コイルバネ16により上刃14の刃先を下刃25の刃裏面に押し付ける構成としている。このため、従来のカッターユニットに構成されて上刃eと下刃aの上下に突き出していた下刃ガイドjとばね掛けブラケットkを不要にしたことで、カッターユニットの厚みが薄くなり、フィードロール8中心位置からカッター位置までを27(mm)、カッター位置からシュート入口までを9(mm)に短縮できた。これらの短縮により、フィードロール8中心位置からシュート34の入口までは36(mm)となり、標準的な小袋の最小ピッチの40(mm)以内になる。
【0158】
(2) 連包小袋の搬送途中に幅方向の位置ズレや湾曲と厚さ方向のバタツキや折れ曲りを規制する長尺の搬送ガイド5を設けている。
連包小袋1の縦シールと折り返し部分を搬送方向へ垂直に見た断面形状に合せてV字型形状の搬送ガイド5(シール側ガイド6、折り返し側ガイド7)(図3参照)を、トップロール4下側からフィードロール8付近位置まで小袋ピッチの数倍分の長さで連続して配置する。
【0159】
(3) ピッチ検出器11の検出位置をフィードロール8のニップ位置と一致させている。
ピッチ検出器11の設置位置は、フィードロール8の縦シールニップ位置(フィードロール径中心位置)と一致させ、(2)で記した搬送ガイド5のうち折り返し側ガイド7は、このフィードロール8の下端位置付近まで伸びている。
【0160】
(4) カッターユニット12は、下記の特徴的構成を有する。
[a] カッターユニットの厚みを薄くして、フィードロール8の中心からシュート34の入口までの寸法36mmの範囲内に設置可能とした。
[b] 固定取り付けした下刃25に圧縮ばねの弾発力にて上刃14を押し付ける構成になっている。
[c] 上刃14と下刃25の刃先噛み合い位置が、上刃駆動軸18の中心位置に対して下側になっている。
【0161】
(5) ダンサーロール3の位置により供給速度を変速する。
回転支点で支持されたレバー3aの先端にダンサーロール3があり、これを支えるように連包小袋1が下掛けに巻き掛けられている。この構成ゆえ、ダンサーロール3の重量が連包小袋1の搬送張力になる。
間欠搬送条件下で、搬送張力を一定化するため、ダンサーロール3の位置により、繰入ロール2の供給速度を変速し、ダンサーロール3を常にほぼ水平位置に保つ。
【0162】
(6) トップロール4の見かけの搬送外径を大きくする。
トップロール4は、4本の小径ロールで構成され、それぞれの小径ロールに連包小袋が外接して巻掛けられることで、トップロール4は見かけの搬送外径を大きくしている。
また、トップロール4には、丸ベルトを巻き掛けて、回転抵抗にする場合もある。
【0163】
(7) 境界検出可能な超音波式センサをミスカット検出器35として利用する。
シュート34の入口はすべり面34aと反対側にも上側ガイド板34bがありこの間に小袋1aが誘い込まれる構成になっている。また、ミスカット検出器35の検出位置はカット位置から「(小袋1aのピッチ)-(シール長さ/2)」より極僅か上側の位置になるように取り付ける。超音波式検出器のミスカット検出器35はシール部分と中身部分との境界位置を検出する。
【0164】
[小袋投入装置の特徴的構成による作用]
[a]特徴的構成(1)「フィードロール8の中心からシュート34の入口までの寸法を1ピッチより短くしている。」ついて、図8図12の連包小袋搬送状態図を用いてその作用を述べる。図8において、連包小袋の先頭から、小袋(イ)、小袋(ロ)、小袋(ハ)、小袋(二)とし、小袋(イ)の上側横シール部分がカット位置に搬送され停止した状態になっている。小袋(イ)、小袋(ロ)及び小袋(ハ)、小袋(二)の間の横シールには折れ癖がなく、小袋(ロ)、小袋(ハ)の間の横シールに折れ癖1b’があるとする。この状態から先頭の小袋が切断され落下した後、小袋(ロ)、小袋(ハ)の間の横シールの折り癖1b’がフィードロール8の中心位置まで搬送されると図9に示す連包小袋の搬送状態図になる。
なお、実施形態において、連包小袋のピッチは40(mm)、横シール部の長さが16(mm)(前・後に8(mm)ずつ形成され合わせて16(mm))の場合、カット位置に横シール部長さの中央位置があるとして図中に連包小袋を記入している。
【0165】
(1) 図8に示すように、小袋(イ)と小袋(ロ)の間の横シール部分を切断するため、先頭の小袋(イ)が所定の位置に搬送完了したとき、小袋(ロ)、小袋(ハ)の間の横シール部に折れ癖1b’があると、従来の小袋投入装置ではフィードロール中心からカッター位置まで52mmであるため、小袋のピッチが52mm未満であれば折れ癖部分1b’はフィードロールの中心位置(ニップ位置)を通過する。このため、折り癖部分の曲げモーメントによる力が先頭側にある小袋(イ)と小袋(ロ)それぞれの重量による真っ直ぐにしようとする力を上回ると、折り癖位置から下流側の小袋に傾きができる(図18(a)を参照)。しかし、実施形態の小袋投入装置において、小袋のピッチが27mmを超える長さであれば、カット位置からフィードロール8の中心位置まで27mmしかないため、この折り癖1b’のある横シール部分はフィードロール8の中心位置(縦シールニップ位置)の上流側にある。このため、折れ癖による先端部を曲げようとするモーメントはフィードロール8の中心位置でのニップ保持作用と、フィードロール8の外周の下端位置付近まで伸びている折り返し側ガイド7にて連包小袋の折り返し側を挟み込まれていることにより下流側に作用しない。従って、小袋(イ)と小袋(ロ)は静止状態で真っ直ぐに垂れ下がり、小袋(イ)と小袋(ロ)の間の横シール部分を切断するさいの切断力は小袋に真っ直ぐに伝わる。
【0166】
なお、現状のカッターユニットはフィードロール中心からカット位置が52mmであり、連包小袋の縦シールと折り返し側を搬送方向に沿って規制するガイドがないため、小袋のピッチが40mmであれば、横シールの折り癖の位置はフィードロールの中心位置より下流側にあり、切断位置へ送り込まれた連包小袋は折り癖より下側で傾いた状態になり、刃先の衝突により揺り動かされた不安定な状態で横シールを切断するため、切断不良となる場合がある(図18(a)を参照)。
【0167】
(2) 連包小袋の先頭がカットされた直後にフィードロール8による搬送を開始する際(図8において先頭の小袋(イ)が無くなった状態)、従来の小袋投入装置ではフィードロール中心からカッター位置まで52mmであるため、小袋のピッチが52mm未満であれば折れ癖部分はフィードロールの中心位置(ニップ位置)を通過しているため、小袋(ロ)、小袋(ハ)の間の横シール部に折れ癖1b’があると、ぶら下がっていた先頭の小袋(イ)の重量がなくなるため、真っ直ぐだった小袋(ロ)に折れ癖による曲げモーメントが作用し、小袋(ロ)の先端部は傾斜する(図18(b)を参照)。
【0168】
しかし、実施形態の小袋投入装置は、カット位置からフィードロール8の中心位置まで27mmしかないため、小袋のピッチが27mmを超える長さであれば、この折り癖1b’のある横シール部分はフィードロール8の中心位置(縦シール挟持位置)の上流側にあるため、折れ癖による先端部を曲げようとするモーメントはフィードロール8の中心位置での挟持作用と、フィードロール8の外周の下端位置付近まで伸びている折り返し側ガイド7にて連包小袋の折り返し側を挟み込まれていることにより、この位置より下流側に作用しない。従って、先頭の小袋(イ)の切断後、切れ残り側の小袋(ロ)は真っ直ぐな姿勢を保ってフィードロール8による搬送が開始できる。
なお、現状のカッターユニットはフィードロール中心からカット位置が52mmであり、連包小袋の縦シールと折り返し側を搬送方向に沿って規制するガイドがないため、小袋のピッチが40mmであれば、横シールの折り癖の位置はフィードロールの中心位置より下流側にあり、折り癖による曲げモーメントにより先頭の小袋に傾きができる(図18(b)を参照)。
【0169】
(3) 小袋(イ)を切断後、フィードロール8にて切れ残り側の小袋(ロ)を1ピッチ分搬送するさい、小袋のピッチを40mmとすれば、カット位置からフィードロール8の中心位置まで27mmであるから、フィードロール中心位置から上流側の13mm付近に小袋(ロ)と小袋(ハ)の間にある横シールの折れ癖1b’が位置している。また、カット位置からシュート34の入口まで9mmであることから、フィードロール8により連包小袋を13mm搬送した時(図9参照)に、小袋(ロ)の先端部はシュート34の入口から4mm進入しようとしており、この時点までフィードロール8の中心位置でのニップ保持作用により折れ癖による曲げモーメントが先頭小袋(ロ)に作用せず真っ直ぐ搬送される。
【0170】
さらに連包小袋1の折り癖位置(横シール部1b’)が搬送ガイド5の出口部分に差し掛かると、図10に示すように、連包小袋1は、横シール部1b’の折れ癖の影響を受けて傾きができる((ロ)の小袋が傾く)が、連包小袋1の(ロ)は、図9の状態からシュート34内部に入っており、折れ癖の方向によりシュート34のすべり面34aか、又は上側ガイド板34bに沿って途中詰まることなく進行する。
なお、現状のカッターユニットはフィードロール中心からカット位置が52mm、カット位置からシュート入口まで35mmであり、折れ癖のある横シールがフィードロール中心位置を通過すると折れ癖を矯正するガイドがないため、小袋ピッチが87mm以上なければ折り癖の影響により傾いた状態でシュートの入口に先頭小袋の先端が搬送されてくる(図18(b)を参照)。
【0171】
図11に示すように、連包小袋1の折り癖位置(横シール部1b’)がカット位置に到達すると、搬送が停止する。連包小袋1は、横シール部1b’の折れ癖の影響を受けて傾きができる((ロ)の小袋が傾く)が、連包小袋1の(ロ)の先端部はシュート34のすべり面34aに接触しているため、折れ癖による傾き(角度φ)が規制される。
【0172】
[b]特徴的構成(2)の「連包小袋の搬送途中に幅方向の位置ズレや湾曲と厚さ方向のバタツキや折れ曲りを規制する長尺の搬送ガイド5を設けている。」ことと、特徴的構成(3)の「ピッチ検出器11の検出位置をフィードロール8の挟持位置と一致させている。」ことによって、連包小袋の縦シール側1cと折り返し側1dは小袋ピッチの数倍の長さで搬送ガイド5にて厚み方向と幅方向を直線状に規制され、ピッチ検出位置までは折れ癖の影響による幅方向の座屈曲がりや湾曲がない状態で搬送し、ピッチ検出位置では縦シール側をフィードロール8にてニップ保持固定し、折り返し側を(搬送ガイド5の)折り返し側ガイド7の先端部分で挟み込むことにより、連包小袋1は、厚み方向と幅方向に動かぬように規制され、搬送バタツキのない安定した姿勢でピッチ検出でき、測定精度のバラつきが少なくなる。
【0173】
また、特徴的構成(3)からピッチ検出による搬送停止位置とフィードロール8のニップ保持固定位置が一致しているため、搬送停止時にピッチのズレが生じない
【0174】
間欠搬送が停止した時、ピッチ検出器11の上流側にオーバーランがあっても、搬送ガイド5は連包小袋1の縦シール側1cと折り返し側1dの両側を搬送方向に沿って連続的にガイドすることによる摺動抵抗と横シール部分が厚み方向に凸凹するような屈曲しにくさがあるため、余分な送り込みはこの搬送ガイド5の入口から下流側に入れなくなっており、ピッチ検出器11の検出位置に到達しない。
また、オーバーランがあったとしても、フィードロール8の直径のほぼ中心位置(ニップ位置)Aで連包小袋の縦シールはニップ保持固定されているため、これと同じ位置にある検出位置で小袋が搬送方向に位置ズレすることはなく、境界検出による小袋長さの測定データと搬送量は一致する。
【0175】
[c]特徴的構成(4)の「カッターユニット12」は、下記の特徴的構成を有する。
「[i] カッターユニットの厚みを薄くして、フィードロール8の中心からシュート34の入口までの寸法36mmを実現した。[ii] 固定取り付けした下刃25に圧縮ばねの弾発力にて上刃14を押し付ける構成になっている。[iii] 上刃14と下刃25の刃先噛み合い位置が、上刃駆動軸18の中心位置に対して下側になっている。」ことによる作用を以下に記述する。
【0176】
従来のギロチン式カッター刃では、引張ばねmにより下刃aを上刃eに押付ける構成であり上刃eと下刃aの上下に下刃ガイドjとばね掛けブラケットk突き出していたこととフィードロール径がφ60mmであったため、フィードロール中心からシュート入口までの寸法が87mmであった。
コネクタ17の内部にセットした圧縮コイルバネ16の弾発力により上刃14の刃先を下刃25の刃裏面に押し付ける構成としたことで、従来のカッターユニットのような上刃と下刃の上下に突き出す部品をなくすことができ厚みの薄いカッターユニットを実現したため、フィードロール8の中心からシュート34の入口までの寸法を標準的な小袋の1ピッチである40mmより短い36mmとすることができた。
【0177】
上刃14の刃先が下刃25の刃裏面25aを押し付ける力は、刃先のストロークに無関係で一定であるため切断性能が安定している。さらに、下刃25の取り付けを固定としたことにより、折り癖により刃先の進行方向の横シール部が傾斜している小袋であっても、刃先が横シールの傾斜面に衝突した時に下刃25が上刃14から逃げて隙間を作らない。
【0178】
上刃14の刃先に作用する切断抵抗の水平方向の反力にて発生するモーメントは、上刃14の刃先を下刃25の刃裏面25aに押付ける方向に作用するため、密着性が損なわれることはない。
【0179】
[d]特徴的構成(5)「ダンサーロール3の位置により供給速度を変速する。」ことにより、間欠搬送の加速時には繰入ロール2からの供給速度を早くし、減速時は遅くすることでダンサーロール3をほぼ水平状態に保てる。
これにより、フィードロール8の間欠搬送開始時に、搬送速度>供給速度となりダンサーレバー3aは中間プール部から連包小袋が急速に消費され水平位置より上に急激に移動しようとするとき、搬送速度を高速にすることによりダンサーロール3がジャンプする(消費量が多すぎると、ダンサーロールに下側から巻き掛けた連包小袋の上昇加速度が1Gを超え、この加速度によりダンサーロールがジャンプする)ことを防止する。さらに、ダンサーロール3が水平位置より上側にて搬送速度>供給速度になると、ストローク上限位置まで移動し、搬送速度により連包小袋が引っ張られて過剰な張力が作用することを防止する。
【0180】
また、フィードロール8の間欠搬送が停止する際、搬送速度<供給速度となりダンサーレバー3aは中間プール部へ過量に連包小袋が供給され水平位置より下に移動するとき、ダンサーロール3が連包小袋1から離れる(供給量が多すぎると、ダンサーレバーが下限位置で停止しても、下掛けされた連包小袋の折り返し部分はダンサーロールから離れ下がる)のを防止する。
【0181】
[e]特徴的構成(6)「トップロール4の見かけの搬送外径を大きくする。」ことにより、複数のロール外周を結んだラインは大径ロールの疑似的な外周になる。また、トップロール4の組合せロールに丸ベルトを巻き付けるとロールのフリー回転の抵抗になる。
これにより、複数本のロールを組合せることで、搬送ラインを疑似的な大径ロール外周とし、巻き掛けられた連包小袋1を、その外周に滑らかに沿う凸凹の目立たない多角形とし、対辺長さと対角長さの差を少なくする。
【0182】
また、従来の大径ロールと異なり、ロールの慣性が小さくなり、小袋搬送の起動時は回転しやすく、停止時はすぐに回転停止する。
【0183】
また、小袋重量が重い場合、停止時に小袋重量の慣性によるオーバーランが発生する場合がある。丸ベルトをロールに巻き掛けておくことで、ロールのフリー回転の抵抗となり、間欠搬送停止すると同時にロールの自転も停止し、余分な送り込みがなくなる。
【0184】
[f]特徴的構成(7)「境界検出可能な超音波式センサをミスカット検出器35に利用する。」ことにより、ミスカット検出は、折れ癖の影響がない小袋のシール部と中身部の境界を検出する。
図12に示すように、連包小袋1の搬送先頭小袋の先端の横シール部に折れ癖があると、シール部分の折れ曲がり程度によりカッター位置からのぶら下がり長さ(停止位置)にバラつきができるが、シール部と中身部との境界位置はその影響をほとんど受けず位置が一定している。実施形態では、ミスカット検出器35の超音波センサでシール部と中身部の境界を検出するため、折れ癖の影響は受けず正しく位置を検出できる。
【0185】
また、ミスカット検出位置とカッター位置の寸法が特定されており、搬送開始から境界検出により搬送が停止するまでの時間より搬送距離を求めピッチ測定結果と比較判定することで、横シール部分がカット位置に適正に送られたことを確認できる。
【0186】
[小袋投入装置の特徴的構成による効果]
[a]特徴的構成(1)「フィードロール8の中心からシュート34の入口までの寸法を1ピッチより短くしている。」ことによって、折れ癖による搬送の詰まり、胴切れがなくなる効果を奏する。
【0187】
(1) 切断前の小袋の姿勢とギロチン切断(図8を参照)
小袋(イ)と小袋(ロ)の間の横シール部分を切断する際、小袋(ロ)、小袋(ハ)の間の横シール部に折れ癖1b’があっても、小袋のピッチが27mmを超える長さであれば、カット位置からフィードロール8の中心位置まで27mmしかないため、折れ癖による先端部を曲げようとするモーメントは、フィードロール8の中心位置でのニップ保持作用と、連包小袋の折り返し側はフィードロール8の下端位置付近まで伸びた折り返し側ガイド7により挟み込まれていることもあり、この位置より下流側に作用せず、小袋(イ)と小袋(ロ)は静止状態で真っ直ぐに垂れ下がった状態で横シール部分を切断することになる。この結果、ギロチン式切断方式において、カット位置の横シールが真っ直ぐになっていると、上刃と下刃それぞれの刃先移動方向と押し付け力の方向及びカットラインが一致するため、小袋の横シールが容易に切断でき切断不良を発生しにくい。
なお、従来のカッターユニットにおいて小袋ピッチが52mm未満の場合、切断位置へ送り込まれた連包小袋は折り癖より下側で傾いた状態になり、刃先の衝突により揺り動かされた不安定な状態で横シールを切断するため、切断不良となる場合がある(図18(a)を参照)。
【0188】
(2) 切断直後の搬送開始時(図8の先頭小袋(イ)が無くなった状態)
先頭の小袋(イ)を切断した後、小袋(ロ)、小袋(ハ)の間の横シール部に折れ癖1b’があっても、小袋のピッチが27mmを超える長さであれば、カット位置からフィードロール8の中心位置まで27mmしかないため、折れ癖による先端部を曲げようとするモーメントは、フィードロール8の中心位置でのニップ保持作用と、連包小袋の折り返し側はフィードロール8の下端位置付近まで伸びた折り返し側ガイド7により挟み込まれていることもあり、この位置より下流側に作用せず、先頭の小袋(イ)の重量が無くなっても小袋(ロ)は真っ直ぐに垂れ下がった状態になっている。
【0189】
この結果、連包小袋1がフィードロール8により搬送を開始する時、上刃と下刃の開口部分に引っ掛かることなく通過する。
なお、従来のカッターユニットにおいて小袋ピッチが52mm未満の場合、折り癖のある横シール位置はフィードロールの下流側になるため、連包小袋の先端は折れ癖による曲げモーメントにより傾いた状態になり、先端部の位置がカッター部の開口幅以上になると、連包小袋の搬送と同時に先頭の横シールがカッター開口部に干渉しつまりが発生し、これによるミスカット(胴切れ)の原因になっていた(図18(b)を参照)。
【0190】
(3) 小袋の1ピッチ搬送(図9参照)
小袋のピッチを40mmとすれば、カット位置からフィードロール8の中心位置まで27mmであるから、フィードロール中心位置から上流側の13mm付近に小袋(ロ)と小袋(ハ)の間にある横シールの折れ癖1b’が位置している。また、カット位置からシュート34の入口まで9mmであることから、フィードロール8により連包小袋を13mm搬送した時に、シュートの入口部分に引っ掛かることなく小袋(ロ)の先端部はシュート34の入口から4mm進入している。さらに連包小袋1の折り癖位置(横シール部1b’)が搬送ガイド7(5)の出口部分に差し掛かると、図10に示すように、連包小袋1は、シュート34内部に入っており、折れ癖の方向によりシュート34のすべり面34aか、又は上側ガイド板34bに沿って進行しており、シュート34の入口で詰まることはない。
なお、現状のカッターユニットはフィードロール中心からカット位置が52mm、カット位置からシュート入口まで35mmであり、折れ癖のある横シールがフィードロール中心位置を通過すると折れ癖を矯正するガイドがないため、小袋ピッチが87mm以上なければ折り癖の影響により傾いた状態でシュートの入口に先頭小袋の先端が搬送されその入り口部に引っ掛かり詰まりが発生する(図18(b)を参照)。
【0191】
カット位置から上流側のフィードロール8からシュート34入口までの距離を大幅に近接(実施例では36(mm))させたことにより、この距離以上のピッチ(実施例では40(mm)~標準的な小袋では大多数が40(mm)以上)の小袋であれば、折れ癖1b’があってもカッターユニット12入口やシュート34入口まで傾斜することなく真っ直ぐに搬送できるため、搬送開始時にカッター入口でのつまりが発生せず、さらに搬送が進んでも連包小袋の先端は傾くことなくシュート入口を通過するため、シュートの入口でのつまりもなくなり、折れ癖によるつまりを原因とするミスカット(胴切れ)やチョコ停が発生しなくなる。つまり、従来の小袋投入装置の構成においては、折れ癖による切断不良やカッター入口での詰まりを防止するには小袋ピッチ52(mm)を超える必要があり、シュート入口での詰まりやこれによるミスカット(胴切れ)を防止するには小袋ピッチ87(mm)を超える必要があったのに比べて、実施形態においてはカッター入口では27(mm)、シュート入口では40(mm)を超えるピッチであれば折れ癖があっても切断不良や詰りが無くなるため、チョコ停及びミスカット(胴切れ)の発生を大幅に減少させる効果がある。
【0192】
胴切れにより中身が飛び散り、汚れた機械を清掃する時間や機械停止もなくすことができる。
【0193】
また、詰まった小袋を取り除くため、作業者にけがの危険があるカッター部分からの小袋除去という危険な作業をなくすことができる。
【0194】
[b]特徴的構成(2)の「連包小袋の搬送途中に幅方向の位置ズレや湾曲と厚さ方向のバタツキや折れ曲りを規制する長尺の搬送ガイド5を設けている。」ことと、特徴的構成(3)の「ピッチ検出器11の検出位置をフィードロール8のニップ位置と一致させている。」ことにより、ピッチ測定位置での連包小袋の幅方向と厚み方向のふらつきが無くなり、ピッチの測定精度が向上しミスカットしにくくなる。
【0195】
ピッチの測定精度が向上することで、カット位置への搬送量も正確になり、カット位置ズレ(ミスカット)が減少する。
次に、カットされる横シール部は、境界位置を検出後27(mm)送るだけでカット位置に到達するため、小袋の折れ癖による湾曲による見かけ長さの減少は、カット位置ズレの許容値2(mm)以下に対して極僅かになり、ミスカットは発生しない。
【0196】
[c]特徴的構成(4) 「カッターユニット12」は、下記の特徴的構成を有する。
「[i] カッターユニットの厚みを薄くして、フィードロール8の中心からシュート34の入口までの寸法36mmを実現した。[ii] 固定取り付けした下刃25に圧縮ばねの弾発力にて上刃14を押し付ける構成になっている。[iii] 上刃14と下刃25の刃先噛み合い位置が、上刃駆動軸18の中心位置に対して下側になっている。」ことにより、横シール部に折れ癖があっても、カッター入口やシュート入口でのつまりがなく、下刃が逃げることがないため折れ癖によるミスカットが無くなる。
【0197】
従来のカッターユニットのような上刃と下刃の上下に突き出す部品をなくすことで、厚みの薄いカッターユニットを実現したため、フィードロール8の中心からシュート34の入口までの寸法を標準的な小袋の1ピッチである40mmより短い36mmとすることができた。このため、小袋のピッチが40mm以上であれば、横シールに折れ癖があったとしても搬送完了時に、フィードロール8の中心位置(ニップ位置)からシュート34の入口間に折れ癖のある横シールが存在しなくなるため、カット位置の横シールが真っ直ぐになっており、上刃と下刃それぞれの刃先移動方向と押し付け力の方向及びカットラインが一致するため、小袋の横シールが容易に切断でき切断不良を発生しにくい。
【0198】
切断位置に横シールに折れ癖のある小袋が搬送されてくると、折れ癖の下流側にぶら下がる小袋は刃先の進行方向もしくは反対方向に傾く。特に、先端小袋の折れ曲がり方向が下刃25の刃先の進行方向に傾いていると、下刃の刃先が傾斜のある横シール部分に衝突した際、下刃25の刃先を押し下げようとする力が作用する。
【0199】
しかし、下刃25は固定取り付けであるため刃先が下向きに逃げることがない。さらに、図11に示すように先端の小袋(ロ)の傾き(角度φ)は、従来のカッターユニットに比べてカット位置からシュートまでの距離が短くなっているため、シュート34のすべり面34aに早く接触することで、角度φが減少し垂直に近づいていることより、下刃25を押し下げる力も減少する。この結果、上刃14と下刃25の刃先は折癖のある横シール部に切り込むことができ、横シール部を切断することができる。
【0200】
小袋の横シールを切断する際、上刃14の刃先に作用する切断抵抗の水平方向の反力にて発生するモーメントは、圧縮コイルばね16が上刃14を時計方向に回転させるのと同じ方向に作用するため、刃先を下刃25の刃裏面25aに押付けていた密着性が損なわれることはなく、安定した切断性能が得られる。
【0201】
以上のように、真っすぐにぶら下がった状態の小袋の横シールを切断すること、折り癖のある横シールを切断する際も下刃が逃げないこと、先端の小袋の傾き角φが減少すること、切断時の刃先に作用する水平方向の反力は上刃を下刃に押し付ける作用があることにより切断性能が向上しカットミスが減少する。
【0202】
[d]特徴的構成(5)「ダンサーロール3の位置により供給速度を変速する。」ことにより、間欠搬送の加減速があっても搬送張力(ダンサーロール重量により決まる)が一定であり搬送バタつきがなくなり、ピッチ検出精度が向上する。
繰入ロール2の供給速度を可変することで、下掛けに巻き掛けられた連包小袋1がダンサーロール3から離れないようなり、連包小袋1の搬送張力は、ダンサーロール3の重量を基準とする一定な張力になる。
【0203】
トップロール4からフィードロール8までの張力が一定化することで、間欠搬送による張力の変動が抑制され、搬送のバタつきがなくなる。
【0204】
[e]特徴的構成(6)「トップロール4の見かけの搬送外径を大きくする。」ことにより、乗り越えのバタつきなく搬送することでピッチ測定精度が向上し、ロール慣性による過量送り込みや、連包小袋が停止する際の慣性によるオーバーランによるカッター部への送り込み量のズレもないため、ミスカット(横シール部のカット位置ズレ、胴切り)防止効果がある。
トップロール4に巻き掛けられた連包小袋が、その外周に滑らかに沿う凸凹の目立たない多角形となり、対辺長さと対角長さの差を少なくなることで、ピッチ検出位置までの搬送バタつきを防止できる。
【0205】
また、トップロール4は小径ロールを組合せた構成であるため、それぞれのロール慣性が小さくなり、小袋を間欠搬送する際の起動時に即追従し回転できるため、ロールの回転抵抗が搬送張力に影響を与えない。
【0206】
丸ベルトは減速停止時の小袋重量の慣性によるフリー回転を防止し、余分な送り込みも発生させない。
【0207】
[f]特徴的構成(7)「境界検出可能な超音波式センサをミスカット検出器35に利用する。」ことにより、横シール部が折れ癖で曲がりカッター位置からのぶら下がり長さ(停止位置)にバラつきがあっても、シールと中身部の境界を検出するため正確にぶら下がり長さを測定でき、ミスカットとなる小袋を検出できる。
先頭小袋の横シール部エッジを検出するのではなく、横シール部と中身部の境界を検出することにより、小袋先頭の折れ癖の影響なくミスカット防止の検出が可能となる。
【0208】
従来技術では、ピッチ検出位置でのバタつき、過量送り込みによるピッチズレ、連包小袋に折れ癖があると、カッター入口やシュート入口での詰まりが発生することによりミスカット(胴切れ)が発生し、生産性を低下させる大きな要因になっていた。
【0209】
しかし、本実施形態の小袋投入装置では、長尺の搬送ガイド5、フィードロール8のニップ位置からシュート34入口までを1ピッチ未満にする、ピッチ検出位置をフィードロール8のニップ位置と一致させ折り返し側も折り返し側ガイド7のV溝でガイドすることにより、小袋投入装置の前段に折れ癖供給装置を使用することなくミスカット(胴切れを)なくすことができた。
【0210】
また、光学式ミスカット検出器に代えて超音波式のミスカット検出器35を採用して、折れ癖の影響を受けにくいシール部と中身部との境界を検出することで、マーク印刷を付けることなく折れ癖による誤検出をなくすことができた。
【0211】
図13は、実施形態の小袋投入装置の制御動作を説明するフローチャートである。工程の各ステップ101~をS101~と略記している。
【0212】
なお、上述したが、実施形態では、連包小袋のピッチは40(mm)、横シール部の長さが16(mm)(前・後に8(mm)づつ形成され合わせて16(mm))、フィードロール中心位置(ニップ位置)Aから、カッター中心位置(カットライン位置)Bまで27(mm)、カッター中心位置Bからシュート34の入口Cまでが9(mm)、カッター中心位置Bからミスカット検出器35の検出位置Dまでほぼ30(mm)である。
【0213】
これらのサイズは一例であり、種々のサイズの連包小袋に適用できる。カッター中心位置Bからミスカット検出器35の検出位置Dまでが「小袋ピッチ長さ-シール長さ/2」より極僅か上側の位置とする。
【0214】
まず、スタートボタン(始動ボタン)が押下されたか否かを判断し(S101)、スタートボタンが押下されたならば(S101:Yes)、連包小袋1を搬送させる(S102)。スタートボタンは図3に示す操作パネル50にある。
【0215】
ピッチ検出器11が連包小袋のシールと中身部分の境界を検出したか否かを判定する(S103)。
境界が検出された後(S103:Yes)、連包小袋の境界が27(mm)搬送されたか否かを判定する(S104)。
【0216】
搬送されたならば(S104:Yes)、一旦、搬送を停止し(S105)、連包小袋の先頭の横シール部と中身部との境界がミスカット検出器35を僅か(±2(mm))に通過していることを検出したか否かを判定する(S106)。具体的には、ミスカット検出位置とカッター位置の寸法が特定されており、搬送開始から境界検出により搬送が停止するまでの時間より搬送距離を求め連包小袋のピッチ測定結果(予め測定して規定値とする)と比較判定する。この場合、ミスカット検出器35の検出位置が、先端位置よりも±2(mm)以内に入っているならば適性であり「ミスカット無し」と判定し(S106:Yes)、一方、入っていないならば不適であり「ミスカット検出」と判定する(S106:No)。このようして、横シール部分がカット位置に適正に送られたことを確認できる。
【0217】
連包小袋が正常に搬送されれば、カッターユニット12に横シール部が位置するが、ミスカットの有無を検出する。つまりミスカット検出器35が連包小袋の先頭の横シール部と中身部との境界が僅かに通過している判定した場合は、シュート34内部に進入した小袋はその先端が途中でつまることなく正常に搬送完了し、カット位置に横シール長さの中央部が来ていると判定できる。
【0218】
S106において、「ミスカット無し」と判定されたならば(S106:Yes)、カッターユニットによって横シール部をカットして小袋をシュートに投入する。その後S102に戻って、連包小袋の搬送を再開する。
一方、「ミスカット検出」が判定されたならば(S106:No)警報を報知してS101に戻る。
【0219】
なお、実施形態の小袋投入装置の各部寸法や構造作動は、一例であり適宜に変形実施できる。
【0220】
実施形態の変形例を以下に説明する。
図14(a)~(d)は、変形例に係る小袋投入装置の連包小袋の投入工程を説明する概略図であり、図15は、変形例に係る小袋投入装置の検出及び搬送工程の説明図である。
【0221】
上述した実施形態では、カット位置より上にピッチ検出(ピッチ検出器11)、カット位置より下にミスカット検出(ミスカット検出器35(固定位置))の構成である。上側のピッチ検出器11はピッチ送り、下側のミスカット検出器35はミスカットの防止を目的として使用していた。
【0222】
変形例は、前述の実施形態における上側のピッチ検出器11に相当する検出器(名称はカット位置検出器とするほうが適している)のみでシール長さ中心をカット位置に搬送し、かつミスカットを防止する実施態様としたものである。なお、下側のミスカット検出器35は、カットラインCLから「パウチピッチP-シール長さS/2」の位置にセット(パウチピッチごとに位置を可変する)し、補助的な役割としたものである。
【0223】
図14(a)は、「イ」の小袋と「ロ」小袋の間の横シール部がカットラインに位置して「イ」の小袋をカットする状態を示す。ピッチ長さPで、シール長さS、カットラインCLを示しフィードロール8で送られ、ピッチ検出器11がカット位置検出器として機能する。
【0224】
ピッチ検出器11からカットラインまで27(mm)に位置し、カットラインCLからミスカット検出器35はP-S/2の位置に念のため設置する。図14において、「ロ」の横シール部1bと小袋1aの境界は前側A、後側Bとし、「ハ」と横シール部1bと小袋1aの境界は、前側C、後側Dとしている。
【0225】
図14(a)でシール部をカット後、S/2搬送して(b)で示すように、境界Bをピッチ検出器11で検出する。さらにS搬送して(c)で示すように、境界Cを検出する。
さらに搬送して、(d)に示すように、横シール部をカットラインCLに位置させる。先端の横シール部が曲がっていた場合に長さはσとしている。
【0226】
図15に示すように、各小袋のカットのピッチ検出器の検出位置に対して、カット位置までの搬送は27+BC間寸法/2となる。
【0227】
変形例は、実施形態の上側のピッチ検出器11に相当するカット位置検出器のみでシール長さ中心をカット位置に搬送し、かつミスカットを防止する方法とするものである。なお、下側のミスカット検出器は、カットラインから「パウチピッチP-シール長さS/2」の位置にセット(パウチピッチごとに位置を可変する)し、補助的な役割としている。
【0228】
1) この変形例の構成についての前提条件は、フィードロール8のニップ位置からシュートの入口までをパウチの1ピッチ以内に構成し、パウチに折れ癖があっても、その先端部分がカッター入口やシュートの入口でつまりが発生しない構成と、ピッチ検出位置(カット位置検出位置)において縦シール側のニップ固定と折り返し側のV字型溝ガイドの構成によりパウチの姿勢が安定し、シールと中身部の境界位置を安定して検出できること(測定にバラつきがない)が条件になる。
【0229】
2) パウチの搬送つまりがないことが、フィードロールを駆動するサーボモータによる搬送量が「27mm+BC間寸法/2」になれば、カットするパウチの横シール長さの中心位置がちょうどカットライン位置と一致することを保証している。
【0230】
3) 境界位置の検出バラつきがないことが、境界Bの検出と境界Cの検出によりシール長さS(BC間寸法)を実測し、境界Cを検出後の搬送量が「27mm+BC間寸法/2」になり搬送を停止すると、カット位置になっていることを保証している。
【0231】
4) パウチの搬送つまりがなく境界位置の検出バラつきがないという前提が保証される構成であるため、カッター下のミスカット検出器を使用せずとも、常にシール長さの中央位置をカットできることから、ミスカット(上下の小袋のシール長さの不均一切断、中身部分の切断)が発生しない。
【0232】
5) カッター下側のミスカット検出器35は、カットされるパウチがシュート内を搬送される際に、「つまり」(詰まり)がなく正しく搬送できたかを、念のため確認するための補助的な検出器とする。
【0233】
6) ミスカット検出器のセット位置は、パウチの横シールが折れ癖により折れ曲がっていることがあるため、パウチのシール先端を検出するのではなく、先端シールと中身部分の境界位置を検出する。
【0234】
7) 従って、カットされるパウチの先端の境界位置を検出することは、シュート部分での、「つまり」による引っ掛かりなく、正常に搬送が完了し、カット位置の横シール位置も保証できることを示している。
変形例では、1)の前提条件をクリアすることによって、ミスカット検出器を不要とするため、機器の構成を簡略化できるメリットがある。
【0235】
なお、本発明は、実施形態や変形例に限定されず、本発明の範囲内で種々に変形実施できる。例えば、別の変形例2として、ピッチ検出器11設置位置について、フィードロールのニップ位置から離れて位置を検出位置として、ピッチ検出器11の検出結果と、検出箇所から送り速度の演算等に基づき、フィードロールのニップ位置からのピッチを求めるようにすることも本発明の範囲内である。特に、折れ曲りの程度が少ないと予想される連包小袋の場合に、ニップと検出位置が一致させなる必要がないので、調整がより容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0236】
本発明の小袋投入装置は、即席麺や食品の上に粉末又は液体スープ、乾燥野菜等のカヤク、薬味や調味油又は鮮度保持剤や乾燥材等の内容物を包装した小袋を各種包装容器に投入する装置に利用することができる。
【0237】
1 連包小袋
1a 小袋
2 繰入ロール
3 ダンサーロール
3a ダンサーレバー
4 トップロール
5 搬送ガイド
6 縦シール側ガイド
7 折り返し側ガイド
8 フィードロール
9 金属ロール
10 ゴム巻ロール
11 ピッチ検出器
12 カッターユニット
13 上刃ユニット
14 上刃
15 上刃ホルダ
16 圧縮コイルバネ
17 コネクタ
18 上刃駆動軸
19 上刃軸ホルダ
24 下刃ユニット
25 下刃
26 下刃ホルダ
27 下刃軸ホルダ
28 下刃駆動軸
33 カッターユニットベース
34 シュート
35 ミスカット検出器
36 搬送ガイド幅調整ノブ
37 調整ノブ
39 丸ベルトセット溝
図1
図2
図3
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【手続補正書】
【提出日】2023-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横シール部により複数の包装部が区画形成された連包小袋をトップロールからピッチ検出器を通して横シール部間のピッチを検出し、フィードロールを経由してカッターユニットに導入して各小袋にカットしてシュートに投入する小袋投入装置であって、
フィードロールの中心からシュートの入口までの寸法を小袋の1ピッチよりも短く形成し、
連包小袋を搬送する途中に幅方向や厚さ方向の変位を規制する搬送ガイドを備え、
ピッチ検出器の検出結果に基づき、フィードロールのニップ位置からのピッチを求め、
フィードロールの中心からシュートの入口までの間に配置した上刃と下刃を対向して移動させるギロチン切断方式のカッターユニットを採用したことを特徴とする小袋投入装置。
【請求項2】
横シール部により複数の包装部が区画形成された連包小袋をトップロールからピッチ検出器を通して横シール部間のピッチを検出し、フィードロールを経由してカッターユニットに導入して各小袋にカットしてシュートに投入する小袋投入装置であって、
フィードロールの中心からシュートの入口までの寸法を小袋の1ピッチよりも短く形成し、
連包小袋を搬送する途中に幅方向の位置ズレや湾曲と厚さ方向のバタツキや折れ曲りを規制する搬送ガイドを備え、
ピッチ検出器の検出位置をフィードロールのニップ位置と一致させ、
フィードロールの中心からシュートの入口までの間に配置した上刃と下刃を対向して移動させるギロチン切断方式のカッターユニットを採用したことを特徴とする小袋投入装置。
【請求項3】
カッターユニットは、上刃ホルダに固定された上刃を、下刃ホルダに固定された下刃に対して対向的に移動させる上刃スライダと、
前記上刃スライダに取り付けられた上刃軸ホルダと、
前記上刃軸ホルダに保持された上刃駆動軸と、
前記上刃駆動軸に揺動回転可能に組み込まれるとともに前記上刃ホルダに固定されて、前記上刃が前記上刃駆動軸を中心として揺動回転可能とするコネクタと、
前記下刃ホルダが揺動回転できぬように取り付けられた下刃スライダと、を備え、
前記上刃駆動軸を中心として揺動回転可能な前記上刃の刃先を、揺動回転できぬように取り付けられた前記下刃の刃裏面に押付けて摺動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の小袋投入装置。
【請求項4】
前記コネクタの前記上刃駆動軸の軸穴中心より上側位置に弾性体が組み込まれていることを特徴とする請求項3に記載の小袋投入装置。
【請求項5】
前記上刃ホルダに組み込んだ上刃の刃先は、その刃先を下刃の刃裏面に押付けたとき、上刃の回転中心である上刃駆動軸の位置よりも下側になっていることを特徴とする請求項3又は4に記載の小袋投入装置。
【請求項6】
トップロールの入側に設けたダンサーロールの位置により連包小袋の供給速度を変速することを特徴とする請求項1から5のうち1項に記載の小袋投入装置。
【請求項7】
トップロールの見かけの搬送外径を大きくしたことを特徴とする請求項1から5のうちの1項に記載の小袋投入装置。
【請求項8】
トップロールは、丸ベルトを巻き付けたことを特徴とする請求項1から5のうちの1項に記載の小袋投入装置。
【請求項9】
前記連包小袋は幅方向に一側が折り返しで他側が縦シールであって横シール部で各小袋が区画されたものであり、フィードロールが縦シールをニップして連包小袋を搬送し、前記搬送ガイドは、折り返し側ガイドと縦シール側ガイドで連包小袋を幅方向と厚み方向にガイドするものであり、折り返し側ガイドは、連包小袋の幅方向視で前記フィードロールに重なりニップ位置よりも下流側までガイドすることを特徴とする請求項1から8のうちの1項に記載の小袋投入装置。
【請求項10】
ミスカット検出器をシュート途中に設置しており、ミスカット検出器は境界を検出可能な超音波式センサであることを特徴とする請求項1から9のうちの1項に記載の小袋投入装置。
【請求項11】
フィードロールのニップ位置からシュートの入口までを小袋の1ピッチ以内に構成し、小袋先端部分がカッター入口やシュートの入口でつまりが発生しない構成と、カット位置検出位置において縦シール側のニップ固定と折り返し側のV字型溝ガイドの構成により小袋の姿勢が安定し、シールと中身部の境界位置を安定して検出できることを条件にし、ピッチ検出器をカット位置検出器として用いることを特徴とする請求項2から9のうちの1項に記載の小袋投入装置。