(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038749
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】ベースポール、セパレータ、及び電線収容設備
(51)【国際特許分類】
H02G 9/06 20060101AFI20230310BHJP
H02G 1/06 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
H02G9/06
H02G1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145625
(22)【出願日】2021-09-07
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】392027900
【氏名又は名称】株式会社イトーヨーギョー
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畑中 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】片井 寛
(72)【発明者】
【氏名】井上 了介
(72)【発明者】
【氏名】廣田 義和
【テーマコード(参考)】
5G352
5G369
【Fターム(参考)】
5G352CG03
5G369AA05
5G369AA19
5G369BA03
5G369CA10
5G369CB05
5G369CB06
5G369CB12
5G369DB01
5G369DB05
(57)【要約】
【課題】水抜き孔の機能を損なうことなく容易にポールを立設することができる技術を提供する。
【解決手段】ベースポール26は、ケーブルトラフ1内に立設される。ベースポール26は、ポール本体30と、ポール本体30の軸方向一方側の一端部30aに設けられたベース部材32と、を備える。ベース部材32は、ケーブルトラフ1の底壁8の水抜き孔22における水分の流通を阻害することなく水抜き孔22の内周面22aに嵌合する嵌合部33を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線収容設備内に立設されるベースポールであって、
ポール本体と、
前記ポール本体の軸方向一方側の一端部に設けられたベース部材と、を備え、
前記ベース部材は、
前記電線収容設備底壁の水抜き孔における水分の流通を阻害することなく前記水抜き孔の内周面に嵌合する嵌合部を備える
ベースポール。
【請求項2】
前記嵌合部は、
互いに軸方向に対向して前記一端部に設けられた一対のプレートを有し、
前記一対のプレートのそれぞれは、前記ポール本体が貫通する固定孔、及び、前記内周面に当接する外周当接部を有する
請求項1に記載のベースポール。
【請求項3】
前記一対のプレートのそれぞれは、頂点が前記内周面に当接する多角形状であるプレート本体、及び、板厚方向に貫通する通水孔の少なくともいずれかをさらに有する
請求項2に記載のベースポール。
【請求項4】
前記一対のプレートのうち、一方のプレートは、他方のプレートよりも前記ポール本体の軸方向一方側に設けられ、
前記一方のプレートの外周当接部の外接円の直径は、前記他方のプレートの外周当接部の外接円の直径よりも小さい
請求項2又は請求項3に記載のベースポール。
【請求項5】
電線収容設備内を仕切るセパレータであって、
1又は複数の請求項1に記載のベースポールと、
1又は複数の前記ポール本体に装着される1又は複数の仕切り部材と、を備える
セパレータ。
【請求項6】
前記仕切り部材は、
前記ポール本体の外面を覆う樹脂製の筒状部材を含む
請求項5に記載のセパレータ。
【請求項7】
前記仕切り部材は、
前記ポール本体の外面を覆う樹脂製の筒状部材と、
前記筒状部材から前記筒状部材の軸方向に交差する方向へ突出する棒状突起と、を備え、
前記筒状部材は、前記ポール本体の中心軸回りに回転可能である
請求項5に記載のセパレータ。
【請求項8】
前記仕切り部材は、
前記複数のポール本体の外面を覆う樹脂製の複数の筒状部材と、
前記複数の筒状部材を連結する梁部材と、をさらに備える
請求項5に記載のセパレータ。
【請求項9】
前記仕切り部材は、前記複数のポール本体間に架け渡される面状部材を含む
請求項5に記載のセパレータ。
【請求項10】
底壁に水抜き孔を有する電線収容設備本体と、
前記水抜き孔に取り付けられた請求項1に記載のベースポールと、を備える
電線収容設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線収容設備内において用いられるベースポール、セパレータ、及びベースポールを用いた電線収容設備に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力線や通信線等のケーブルは、ケーブルトラフ等の電線収容設備を用いて地中に埋設されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記電線収容設備内には、電力ケーブルや、通信ケーブルといった、用途や種類の異なる複数のケーブルが収容されることがある。
そこで、複数のケーブルを用途や種類ごとに纏めて収容するために、電線収容設備内に仕切り(セパレータ)を設ける場合がある。
【0005】
また、電線収容設備の上蓋を取り外して作業を行う際に、収容された複数のケーブルを保護するための保護具を複数のケーブルの上方に設けることもある。
このようなセパレータや、保護具を電線収容設備内に設けるためには、電線収容設備の底壁に、セパレータや保護具を設ける際の基礎となる柱(ポール)を立設することが考えられる。
【0006】
上記ポールを立設するためには、例えば、ブラケットやアンカーによって電線収容設備の底壁にポールを固定したり、ポールを固定するための固定孔を新たに設けたりすることが考えられる。
しかし、ブラケットの装着や、固定孔の新設は、設備内にケーブルが収容された状態では困難な場合がある。
【0007】
ここで、電線収容設備の底壁には、水抜き孔が設けられることがある。
この水抜き孔を利用すれば、設備内にケーブルが収容された状態であっても、容易にポールを立設することができる。
しかし、ポールを立設するために水抜き孔を閉鎖してしまうと、水抜き孔による水抜きが阻害されてしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、水抜き孔の機能を損なうことなく容易にポールを立設することができる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る実施形態であるベースポールは、電線収容設備内に立設される。ベースポールは、ポール本体と、前記ポール本体の軸方向一方側の一端部に設けられたベース部材と、を備える。前記ベース部材は、前記電線収容設備底壁の水抜き孔における水分の流通を阻害することなく前記水抜き孔の内周面に嵌合する嵌合部を備える。
【0010】
上記構成によれば、ベース部材を電線収容設備底壁の水抜き孔内に嵌合させて装着すれば、底壁から容易にポール本体を立設させることができる。
ここで、ベース部材は、水抜き孔における水分の流通を阻害することなく水抜き孔の内周面に嵌合する嵌合部を有するので、ベース部材を水抜き孔に装着したとしても、水抜き孔による水抜きを阻害することがない。
よって、本実施形態によれば、水抜き孔の機能を損なうことなく容易にポール本体を立設することができる。
【0011】
(2)上記ベースポールにおいて、前記嵌合部が、軸方向に対向して前記一端部に設けられた一対のプレートを有する場合、前記一対のプレートのそれぞれは、前記ポール本体が貫通する固定孔、及び、前記内周面に当接する外周当接部を有することが好ましい。
この場合、嵌合部は、一対のプレートによってポール本体を支持しつつ内周面に嵌合することができる。
【0012】
(3)また、上記ベースポールにおいて、前記一対のプレートのそれぞれは、頂点が前記内周面に当接する多角形状であるプレート本体、及び、板厚方向に貫通する通水孔の少なくともいずれかをさらに有することが好ましい。
この場合、一対のプレートが多角形状である場合、一対のプレートの外周のうち、頂点が外周当接部となり、各頂点を繋ぐ側面部が水抜き孔内周面との間で隙間を構成する。これにより、嵌合部は、水分の流通を阻害することなく、水抜き孔内周面に嵌合することができる。
また、一対のプレートが通水路を有する場合も、嵌合部は、水分の流通を阻害することなく、水抜き孔内周面に嵌合することができる。
【0013】
(4)また、前記一対のプレートのうち、一方のプレートが、他方のプレートよりも前記ポール本体の軸方向一方側に設けられている場合、前記一方のプレートの外周当接部の外接円の直径は、前記他方のプレートの外周当接部の外接円の直径よりも小さくしてもよい。
例えば、水抜き孔内周面が、底壁内面から底壁外面へ向かうにつれて縮径するテーパ面である場合、底壁内面側からベース部材を差し込めば、一対のプレートそれぞれの外周当接部を、水抜き孔内周面に適切に当接させることができ、ベース部材を水抜き孔内の所定の位置で嵌合固定することができる。
【0014】
(5)また、他の観点からみた本発明に係る実施形態である電線収容設備内を仕切るセパレータは、1又は複数の上記(1)に記載のベースポールと、1又は複数の前記ポール本体に装着される1又は複数の仕切り部材と、を備える。
上記構成によれば、水抜き孔の機能を損なうことなく容易にポール本体を立設することができる。
さらに、仕切り部材を装着したポール本体によって、電線収容設備内を仕切ることができる。
【0015】
(6)前記仕切り部材は、前記ポール本体の外面を覆う樹脂製の筒状部材を含んでいてもよい。
この場合、筒状部材によって、ポール本体の外面と、電線収容設備内のケーブルとが直接接触するのを防止でき、ケーブルを保護することができる。
【0016】
(7)また、前記仕切り部材は、前記ポール本体の外面を覆う樹脂製の筒状部材と、前記筒状部材から前記筒状部材の軸方向に交差する方向へ突出する棒状突起と、を備える場合、前記筒状部材を、前記ポール本体の中心軸回りに回転可能に構成することが好ましい。
この場合、ポール本体及び仕切り部材によって、電線収容設備内を長手方向に沿って仕切ることができる。
また、棒状突起の延びる方向が電線収容設備の長手方向に交差する方向となるように筒状部材を回転させれば、ポール本体及び仕切り部材に、電線収容設備内のケーブルを保護する保護具等を載置することができる。すなわち、上記構成によれば、ポール本体及び仕切り部材をセパレータとして用いつつ、保護具等を支持する架台として用いることができる。
さらに、電線収容設備へのケーブルの出し入れを行う際に、筒状部材を回転させ、棒状突起の延びる方向を電線収容設備の長手方向に沿わせれば、棒状突起がケーブルの出し入れ作業を阻害することはない。
【0017】
(8)また、前記仕切り部材は、前記複数のポール本体の外面を覆う樹脂製の複数の筒状部材と、前記複数の筒状部材を連結する梁部材と、をさらに備えることが好ましい。
この場合、ポール本体及び梁部材によって、電線収容設備内を長手方向に沿って切ることができる。
【0018】
(9)また、前記仕切り部材は、前記複数のポール本体間に架け渡される面状部材を含んでいてもよい。
この場合においても、面状部材によって、電線収容設備内を長手方向に沿って仕切ることができる。
【0019】
(10)また、他の観点からみた本発明に係る実施形態である電線収容設備は、底壁に水抜き孔を有する電線収容設備本体と、前記水抜き孔に取り付けられた上述のベースポールと、を備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、水抜き孔の機能を損なうことなく容易にポールを立設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るセパレータが取り付けられたケーブルトラフの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すケーブルトラフの幅方向に沿う要部断面図である。
【
図3】
図3(a)は、ベースポールの要部断面図であり、
図3(b)は、ベースポールの要部斜視図である。
【
図4】
図4(a)は、ベースポールを底壁の内面側から見たときの外観図であり、
図4(b)は、
図3(a)中のB-B線矢視断面図である。
【
図5】
図5(a)は、第2プレートの変型例に係る外観図であり、
図5(b)は、第2プレートの他の変形例に係る外観図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係るセパレータが取り付けられたケーブルトラフの長手方向に沿う断面図である。
【
図7】
図7は、一対の棒状突起の延びる方向を幅方向に沿う方向としたときのケーブルトラフの断面図である。
【
図8】
図8は、
図7中、VIII-VIII線矢視断面図である。
【
図10】
図10は、第3実施形態に係るセパレータが取り付けられたケーブルトラフの長手方向に沿う断面図である。
【
図12】
図12は、第4実施形態に係るセパレータが取り付けられたケーブルトラフ内部を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第4実施形態の変形例に係るセパレータが取り付けられたケーブルトラフ内部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔第1実施形態について〕
図1は、第1実施形態に係るセパレータが取り付けられたケーブルトラフの斜視図である。
図1中、電線収容設備であるケーブルトラフ1は、複数本のケーブル2(2a、2b)を収容し、地中に埋設される電線共同溝を構成する。
【0023】
ケーブルトラフ1は、並べて接続された複数の小型ボックス3を有する。
各小型ボックス3は、例えば、プレキャストコンクリート製のほぼ直方体状に形成された部材である。
以下の説明では、
図1に示すように、小型ボックス3の長辺に沿う方向を長手方向X、長手方向Xに直交する方向を幅方向Yという。また、長手方向X及び幅方向Yに平行なX-Y平面に直交する方向を上下方向という。
【0024】
各小型ボックス3は、ボックス本体4と、蓋部材6とを有する。ボックス本体4は、底壁8と、一対の側壁10とを有する。
底壁8は、長辺が長手方向Xに沿う矩形板状に形成されている。
一対の側壁10は、底壁8の両長辺に沿って上方に立設されている。
よって、ボックス本体4は、断面コの字状に形成されている。ボックス本体4の上面及び長手方向Xの両端面は、開口している。
蓋部材6は、コンクリート製の板状部材である。蓋部材6は、一対の側壁10の上端10aに配置され、ボックス本体4の上面開口を塞ぐ。
【0025】
複数本のケーブル2は、ケーブルトラフ1の内部空間Sに収容される。
複数本のケーブル2には、例えば、電力ケーブルや、電話線又は光ファイバーなどの通信線ケーブルといった複数種類のケーブルが含まれる。
複数本のケーブル2は、保護管12(12a、12b)に挿通されている。
例えば、複数本のケーブル2のうち、同じ種類のケーブル2については、1つの保護管12に纏めて挿通されている。
図1では、保護管12aには、電力ケーブル2aが挿通されている。保護管12bには、通信ケーブル2bが挿通されている。
【0026】
側壁10には、ノックアウト部14が設けられている。
ノックアウト部14は、部分的に側壁10の厚みが薄くなっている矩形状の部分である。ノックアウト部14は、グラインダ等の工具によって孔を開けたり取り除いたりすることで、容易に矩形状の側壁開口を形成することができる部分である。
【0027】
セパレータ20は、ケーブルトラフ1の底壁8から上方に立設されている。
セパレータ20は、底壁8から突出する棒状の部材である。セパレータ20は、内部空間S内を仕切る機能を有する。
【0028】
図2は、
図1に示すケーブルトラフ1の幅方向に沿う要部断面図である。なお、
図2では、蓋部材6を省略している。
図2中、底壁8には、水抜き孔22が設けられている。水抜き孔22は、内部空間Sに侵入した水分を外部へ排水するための排水口である。
水抜き孔22は、底壁8の長手方向X及び幅方向Yにおけるほぼ中央に設けられている。
水抜き孔22は、底壁8の内面8aから外面8bに亘って貫通している。内面8aは内部空間Sに向く面である。外面8bは小型ボックス3の外面を構成する面である。
水抜き孔22の内周面22aは、内面8aから外面8bに向かうにつれて縮径するテーパ面となっている。
【0029】
セパレータ20は、水抜き孔22に差し込まれている。
セパレータ20は、ベースポール26と、仕切り部材28とを備える。
ベースポール26は、水抜き孔22に差し込まれた金属製の棒状の部材であり、ケーブルトラフ1内に立設される。
【0030】
ベースポール26は、ポール本体30と、ベース部材32とを備える。
ベース部材32は、ポール本体30の軸方向一方側の一端部30aに設けられている。
ベース部材32は、水抜き孔22の内部に装着されている。
ポール本体30は、金属製の棒状の部材であり、ベース部材32に支持され、底壁8から上方に上下方向に沿って立設される。よって、ポール本体30の軸方向他方側の他端部30bは上方を向いている。
ポール本体30は、側壁10の高さに対してほぼ半分の高さまで延びている。
なお、以下の説明では、ポール本体30の中心軸に平行な方向を軸方向とする。また、軸方向においてポール本体30の一端部30a側に向く側を軸方向一方側とし、軸方向においてポール本体30の他端部30b側に向く側を軸方向他方側とする。
【0031】
仕切り部材28は、ポール本体30に装着される。より具体的に、仕切り部材28は、ベースポール26に被せられ、ポール本体30の外面を覆う。なお、
図2では、ポール本体30から取り外した状態の仕切り部材28を示している。
【0032】
仕切り部材28は、筒状部材28aと、先端キャップ28bとを備える。
筒状部材28aは、樹脂製の円筒状の部材である。筒状部材28aは、例えば、塩化ビニル製の樹脂パイプである。
先端キャップ28bは、筒状部材28aの一端部28a1に取り付けられる樹脂製の部材である。先端キャップ28bは、筒状部材28aの一端部28a1側の開口を塞ぐ。
筒状部材28aの内部には、他端部28a2側の開口からポール本体30が挿通される。筒状部材28aの長さは、ポール本体30の長手方向全体を覆うことが可能な長さとされている。
【0033】
仕切り部材28が装着されたポール本体30は、底壁8の幅方向Yのほぼ中央に立設されている。ケーブルトラフ1内のケーブル2は、長手方向Xに沿って延びている。よって、仕切り部材28が装着されたポール本体30は、ケーブルトラフ1内のケーブル2を纏めたり幅方向に分けたりすることができる。つまり、仕切り部材28が装着されたポール本体30は、ケーブルトラフ1内を長手方向Xに沿って仕切ることができる。
また、仕切り部材28が筒状部材28aを含むので、この筒状部材28aによって、ポール本体30の外面と、ケーブルトラフ1内のケーブル2(保護管12)とが直接接触するのを防止でき、ケーブル2を保護することができる。
【0034】
また、筒状部材28aは、ポール本体30の中心軸回りに回転可能に装着されている。このため、ケーブルトラフ1内を引き回されるケーブル2が筒状部材28a(仕切り部材28)に接触すると、筒状部材28aが回転し、ケーブル2と筒状部材28aとが擦れ合うのを防止できる。この結果、より効果的にケーブル2を保護することができる。
【0035】
図3(a)は、ベースポール26の要部断面図であり、
図3(b)は、ベースポール26の要部斜視図である。
図3(a)及び
図3(b)中、ポール本体30は、金属で形成されたねじ軸である。ポール本体30の外周面には雄ねじが形成されている。
ポール本体30の外周側には、仕切り部材28の筒状部材28aが装着されている。
筒状部材28aの下端は、後述するナット40の上面に当接している。
【0036】
ベース部材32は、嵌合部33と、スペーサ38と、ナット40とを備える。
嵌合部33は、水抜き孔22における水分の流通を阻害することなく内周面22aに嵌合する部材である。
嵌合部33は、第1プレート34と、第2プレート36とを備える。
第1プレート34は、ポール本体30の一端部30aに設けられている。第1プレート34は、金属板によって形成された第1プレート本体35を有する。第1プレート本体35の外形は正方形(矩形)である。
第1プレート本体35は、固定孔35aを有する。固定孔35aの内周面には、ポール本体30の外周面の雄ねじに螺合する雌ねじが形成されている。第1プレート34(第1プレート本体35)と、ポール本体30とは互いに螺合している。これにより、ポール本体30の一端部30aは、固定孔35aを貫通している。
【0037】
第2プレート36は、ポール本体30の一端部30aに設けられている。第2プレート36は、第1プレート34よりも軸方向他方側に設けられている。第1プレート34と、第2プレート36とは、互いに軸方向に対向してポール本体30の一端部30aに設けられている。第2プレート36は、金属板によって形成された第2プレート本体37を有する。第2プレート本体37の外形は正方形(矩形)である。
第2プレート本体37は、固定孔37aを有する。固定孔37aの内周面には、ポール本体30の外周面の雄ねじに螺合する雌ねじが形成されている。第2プレート36(第2プレート本体37)と、ポール本体30とは互いに螺合している。これにより、ポール本体30の一端部30aは、固定孔37aを貫通している。
【0038】
スペーサ38及びナット40は、嵌合部33(第1プレート34及び第2プレート36)をポール本体30の一端部30aに固定するための部材である。
スペーサ38は、第1プレート34と第2プレート36との間に介在している。スペーサ38は、第1プレート34と第2プレート36との間の軸方向の間隔を規定している。スペーサ38は、例えば長ナットにより構成されている。スペーサ38の内周面38aには、ポール本体30の外周面の雄ねじに螺合する雌ねじが形成されている。スペーサ38と、ポール本体30とは互いに螺合している。これにより、ポール本体30の一端部30aは、内周面38aを貫通している。
【0039】
ナット40は、第2プレート36の軸方向他方側に配置されている。ナット40は、ベース部材32を構成する各部の緩みを防止するために締め付けられる部材である。ナット40の内周面40aには、ポール本体30の外周面の雄ねじに螺合する雌ねじが形成されている。ナット40と、ポール本体30とは互いに螺合している。
【0040】
図4(a)は、ベースポール26を底壁8の内面8a側から見たときの外観図である。
上述のように、第2プレート36の第2プレート本体37は正方形状である。よって、第2プレート本体37の外周は、4つの頂点部37bと、4つの側面部37cとを含む。
4つの頂点部37bは、内周面22aに当接している。第2プレート36は、4つの頂点部37bが内周面22aに当接することで内周面22aに嵌合している。つまり、4つの頂点部37bは、内周面22aに当接する外周当接部を構成する。
また、4つの頂点部37bを繋ぐ4つの側面部37cは、内周面22aとの間で隙間M1を構成する。ケーブルトラフ1内の水分は、この隙間M1を通過することができる。
これにより、第2プレート36は、水分の流通を阻害することなく、内周面22aに嵌合することができる。
【0041】
図4(b)は、
図3(a)中のB-B線矢視断面図である。
図4(b)では、水抜き孔22内に配置された第1プレート34を示している。なお、
図4(b)では、理解容易のため、水抜き孔22内に配置された第1プレート34のみを示している。
【0042】
上述のように、第1プレート34の第1プレート本体35は、正方形状である。よって、第1プレート本体35の外周は、4つの頂点部35bと、4つの側面部35cとを含む。
4つの頂点部35bは、内周面22aに当接している。第1プレート34は、4つの頂点部35bが内周面22aに当接することで内周面22aに嵌合している。つまり、4つの頂点部35bは、内周面22aに当接する外周当接部を構成する。
また、4つの頂点部35bを繋ぐ4つの側面部35cは、内周面22aとの間で隙間M2を構成する。ケーブルトラフ1内の水分は、この隙間M2を通過することができる。
これにより、第1プレート34は、水分の流通を阻害することなく、内周面22aに嵌合することができる。
【0043】
このように、本実施形態では、嵌合部33に含まれる第1プレート34及び第2プレート36が、正方形状(多角形状)である第1プレート本体35及び第2プレート本体37を有するので、上述のように、側面部35c、37cが内周面22aとの間で隙間M2、M1を構成する。これにより、嵌合部33は、水分の流通を阻害することなく内周面22aに嵌合することができる。
【0044】
また、本実施形態の第1プレート34の外周当接部である4つの頂点部35bの外接円の直径は、第2プレート36の外周当接部である4つの頂点部37bの外接円よりも小さくなっている。
これにより、内面8aから外面8bに向かうにつれて縮径するテーパ面となっている内周面22aに対して、内面8a側からベース部材32を差し込めば、両プレート34、36それぞれの外周当接部を、内周面22aに適切に当接させることができ、ベース部材32を水抜き孔22内の所定の位置で嵌合固定することができる。つまり、本実施形態の水抜き孔22は、貫通孔であるが、ベース部材32は、水抜き孔22内の所定の位置で嵌合し、水抜き孔22内に留まる。このため、ベース部材32が水抜き孔22を通過してしまうのを防止することができる。
【0045】
また、本実施形態において、第1プレート34及び第2プレート36が、ポール本体30が貫通する固定孔35a、37aを有するので、嵌合部33は、ポール本体30を支持しつつ内周面22aに嵌合することができる。
【0046】
以上のように、本実施形態のベースポール26によれば、ベース部材32を底壁8の水抜き孔22内に嵌合させて装着すれば、底壁8から容易にポール本体30を立設させることができる。
ここで、ベース部材32は、水抜き孔22における水分の流通を阻害することなく水抜き孔22の内周面22aに嵌合する嵌合部33を有するので、ベース部材32を水抜き孔22に装着したとしても、水抜き孔22による水抜きを阻害することがない。
よって、本実施形態によれば、水抜き孔22の機能を損なうことなくポール本体30を立設することができる。
【0047】
また、本実施形態では、ベース部材32を水抜き孔22に嵌合すればポール本体30を立設することができるので、底壁8の内面8aにブラケット等を取り付ける必要がない。このため、ケーブルトラフ1内にケーブル2が収容された状態であっても、水抜き孔22を露出させれば、ベースポール26を水抜き孔22に装着することができ、容易にポール本体30を立設することができる。
【0048】
図5(a)は、第2プレート36の変型例に係る外観図である。
図5(a)に示す第2プレート36は、正8角形状の第2プレート本体37を有する点、及び、4つの通水孔42を備えている点において、上述の第2プレート36と相違する。
4つの通水孔42は、第2プレート36(第2プレート本体37)を板厚方向に貫通する孔である。
4つの通水孔42は、ポール本体30の中心軸回りに等間隔に配置されている。ケーブルトラフ1内の水分は、4つの通水孔42を通過することができる。
【0049】
本変形例の第2プレート本体37は、正8角形状である。よって、第2プレート本体37の外周は、8つの頂点部37bと、8つの側面部37cとを含む。
8つの頂点部37bは、内周面22aに当接している。第2プレート36は、8つの頂点部37bが内周面22aに当接することで内周面22aに嵌合している。
また、8つの側面部37cは、内周面22aとの間で隙間M1を構成する。
【0050】
本変形例の第2プレート36は、4つの通水孔42を有するとともに、8角形状の第2プレート本体37を有することで、水分の流通を阻害することなく、内周面22aに嵌合することができる。
【0051】
図5(b)は、第2プレート36の他の変形例に係る外観図である。
図5(b)に示す第2プレート36は、円形状の第2プレート本体37を有する点、及び、4つの通水孔42を備えている。
【0052】
本変形例の第2プレート本体37は、円形状である。よって、第2プレート本体37の外周である側面部37cは、ほぼ全周に亘って内周面22aに当接する。
よって、第2プレート本体37の外周と内周面22aとの間には、ほぼ隙間はない。
しかし、本変形例の第2プレート36は、4つの通水孔42を有するので、水分の流通を阻害することなく、内周面22aに嵌合することができる。
【0053】
上述した第2プレート36の変型例は、第1プレート34に対しても適用可能である。
【0054】
〔第2実施形態について〕
図6は、第2実施形態に係るセパレータ20が取り付けられたケーブルトラフ1の長手方向に沿う断面図である。なお、
図6では、蓋部材6を省略している。
【0055】
本実施形態のセパレータ20は、複数のベースポール26と、複数のベースポール26に装着された複数の仕切り部材28とを備える。
図6では、2つのボックス本体4の水抜き孔22に装着された2つのベースポール26と、2つの仕切り部材28とを示している。
【0056】
本実施形態では、仕切り部材28が、筒状部材28aに加えて一対の棒状突起28dを備える点において第1実施形態と相違する。その他の点については、第1実施形態と同様である。
【0057】
上述したように、筒状部材28aは、樹脂製の円筒状の部材であり、ポール本体30の中心軸回りに回転可能に装着されている。
筒状部材28aの先端には、T型継手28cが設けられている。T型継手28cは、筒状部材28aと、一対の棒状突起28dとを繋ぐ継手である。
一対の棒状突起28dは、樹脂製の円筒状の部材である。一対の棒状突起28dは、T型継手28cによって筒状部材28aの先端に接続される。一対の棒状突起28dは、筒状部材28aの軸方向に直交する方向へ突出している。
図6では、一対の棒状突起28dは、長手方向Xに沿って延びている。
【0058】
一対の棒状突起28dの先端28d1同士の間の寸法は、互いに対向する側壁10の内面10b同士の幅寸法よりも僅かに小さい寸法とされている。
一対の棒状突起28dは、筒状部材28aに対して一体回転可能に設けられている。
よって、筒状部材28aを回転させることで、一対の棒状突起28dの延びる方向を幅方向Yに沿う方向とすることができる。
【0059】
図7は、一対の棒状突起28dの延びる方向を幅方向Yに沿う方向としたときのケーブルトラフ1の断面図である。また、
図8は、
図7中、VIII-VIII線矢視断面図である。なお、
図7及び
図8では、蓋部材6を省略している。さらに
図7では、ケーブル2及び保護管12を省略して示している。
【0060】
図8に示すように、一対の棒状突起28dの延びる方向が幅方向Yに沿っている。よって、一対の棒状突起28dの先端28d1は、側壁10の内面10bに突き合わされる。
一対の棒状突起28dは、ボックス本体4の内部空間Sの幅方向Yのほぼ全域に亘って延びている。
【0061】
図7及び
図8に示すように、仕切り部材28には、保護具46が載置されている。
保護具46は、蓋部材6を開けて作業を行う際に、ケーブルトラフ1内のケーブル2を保護するための部材である。
図9は、保護具46の一例を示す斜視図である。
保護具46は、複数本の針金等を組み合わせることで形成された部材であり、複数の縦桟46aと、複数の横桟46bとを備える。
保護具46は、複数本の針金を格子状に組み合わせることで構成される。
複数の横桟46bの長さ寸法は、一対の棒状突起28dの先端28d1同士の間の寸法とほぼ同じ値とされている。
複数の縦桟46aの長さ寸法は、長手方向Xに並ぶ仕切り部材28の間隔とほぼ同じ値とされている。
【0062】
図7及び
図8に示すように、保護具46は、長手方向Xに並ぶ2つの仕切り部材28に架け渡すように載置される。
これにより、蓋部材6を開けて作業を行う際に、外部から内部空間S内へ異物が落下したとしても、その異物を保護具46によって捕捉し、異物がケーブル2や保護管12に接触するのを防止することができる。
【0063】
本実施形態では、ベースポール26及び仕切り部材28によって、ケーブルトラフ1内を長手方向Xに沿って仕切ることができる。
また、一対の棒状突起28dの延びる方向が幅方向Yとなるように筒状部材28aを回転させれば、ベースポール26及び仕切り部材28に、ケーブルトラフ1内のケーブル2を保護する保護具46等を載置することができる。すなわち、上記構成によれば、ベースポール26及び仕切り部材28をセパレータとして用いつつ、保護具46等を支持する架台として用いることができる。
【0064】
さらに、ケーブルトラフ1へのケーブル2の出し入れやケーブルトラフ1内のケーブル2のメンテナンスといった作業を行う際に、筒状部材28aを回転させ、一対の棒状突起28dの延びる方向を長手方向Xに沿わせれば、一対の棒状突起28dが上記作業を阻害することはない。
【0065】
〔第3実施形態について〕
図10は、第3実施形態に係るセパレータ20が取り付けられたケーブルトラフ1の長手方向に沿う断面図である。また、
図11は、
図10中、XI-XI線矢視断面図である。なお、
図10及び
図11では、蓋部材6を省略している。さらに
図10では、ケーブル2及び保護管12を省略して示している。
【0066】
本実施形態のセパレータ20は、複数のベースポール26と、複数のベースポール26に装着された仕切り部材28とを備える。
図10では、2つのボックス本体4の水抜き孔22に装着された2つのベースポール26と、2つのベースポール26に装着された仕切り部材28とを示している。
【0067】
本実施形態では、仕切り部材28が、複数の筒状部材28aと、複数の筒状部材28aを連結する梁部材28fとを備える点において第1実施形態と相違する。その他の点については、第1実施形態と同様である。
【0068】
図10中、2つのベースポール26のうちの一方(紙面左側)のベースポール26に装着された筒状部材28aの先端には、L型継手28eが設けられている。
また、2つのベースポール26のうちの他方(紙面右側)のベースポール26に装着された筒状部材28aの先端には、T型継手28cが設けられている。L型継手28eは、筒状部材28aと、梁部材28fとを繋ぐ継手である。
梁部材28fは、樹脂製の円筒状の部材である。梁部材28fは、L型継手28eとT型継手28cとによって、2つの筒状部材28aの先端に接続され、2つの筒状部材28aを連結している。
【0069】
図10中、梁部材28fは、長手方向Xに沿って延びている。この場合、仕切り部材28及びベースポール26は、ケーブルトラフ1内を長手方向Xに沿って仕切ることができる。
【0070】
また、このように梁部材28fを用いた場合、梁部材28fを複数繋ぐことで、長手方向Xに沿って延長したり、逆に短縮したりすることができ、状況に応じて適切な範囲のセパレータ20とすることができる。
【0071】
また、
図11に示すように、複数の保護管12a~12hが内部空間Sに収容されている場合において、紙面左端の保護管12aの電力ケーブル2aの一部を、幅方向Yにおいて反対側に設けられた側壁開口50からケーブルトラフ1の外部に引き出す際、引き出される電力ケーブル2aは、仕切り部材28が無ければ、保護管12b~12hの上面に沿って内部空間Sを横断し、側壁開口50から外部へ引き出される。
この場合、電力ケーブル2aが上面を横断する保護管12b~12hの上方には、さらにケーブル2を収容することが困難となる。横断する電力ケーブル2aの上側にさらにケーブル2を載置することはメンテナンス等を考慮すると好ましくないからである。
【0072】
この点、本実施形態のセパレータ20は、梁部材28fを有するので、保護管12aの電力ケーブル2aは、側壁開口50からケーブルトラフ1の外部に引き出す際に、梁部材28fに載置させることができる。これにより電力ケーブル2aが内部空間Sを横断する際に、保護管12b~12hの上方に空間を設けることができ、内部空間Sを横断する電力ケーブル2aの下方にさらにケーブル2を収容可能な空間を設けることができる。
【0073】
〔第4実施形態について〕
図12は、第4実施形態に係るセパレータ20が取り付けられたケーブルトラフ1内部を示す斜視図である。なお、
図12では、蓋部材6を取り外し、側壁10の一部を切り欠いた状態を示している。
【0074】
本実施形態のセパレータ20は、2つのベースポール26と、2つのベースポール26に装着された仕切り部材28とを備える。
本実施形態では、仕切り部材28が、面状部材52を備える点において第1実施形態と相違する。
【0075】
図12中、仕切り部材28は、面状部材52と、一対のブラケット54とを備える。
面状部材52は、2つのベースポール26のポール本体30の間に架け渡されている。
一対のブラケット54は、それぞれ、ポール本体30の外周側に装着されるスリーブと、スリーブに固定されて面状部材52を保持する保持部とを有する。一対のブラケット54は、面状部材52の両側短辺を2つのベースポール26(ポール本体30)に固定している。
面状部材52の両側短辺は、ポール本体30に沿っている。つまり、面状部材52の面方向は、上下方向に沿っている。
面状部材52は、例えば、樹脂板等により形成された矩形板状の部材である。面状部材52の長辺の寸法は、2つのベースポール26間の間隔とほぼ同じ値とされている。
【0076】
図12中、面状部材52は、長手方向Xに沿って延びている。よってこの場合においても、仕切り部材28及びベースポール26は、ケーブルトラフ1内を長手方向Xに沿って仕切ることができる。
【0077】
図13は、第4実施形態の変形例に係るセパレータ20が取り付けられたケーブルトラフ1内部を示す斜視図である。なお、
図13では、蓋部材6を取り外し、側壁10の一部を切り欠いた状態を示している。
【0078】
図13中、本変形例の面状部材52は、上下方向に交差する方向に沿って寝かせて配置されている点において第4実施形態と相違する。
本変形例の面状部材52は、複数の固定孔52aを有している。固定孔52aには、ポール本体30が貫通固定される。
面状部材52の長辺側の端縁は、保護管12上に載置されていてもよいし、側壁10の内面10bに固定してもよい。
【0079】
固定孔52aは、ポール本体30における所定の高さ位置に固定されている。これにより、面状部材52と内面8aとの間に空間s1が確保され、内部空間Sは面状部材52によって上下に仕切られる。
【0080】
図13中、面状部材52は、長手方向Xに沿って延びている。よってこの場合においても、仕切り部材28及びベースポール26は、ケーブルトラフ1内を長手方向Xに沿って仕切ることができる。
また、本変形例では、内部空間Sを上下に仕切ることができ、状況に応じた適切なセパレータ20を構成することができる。
【0081】
なお、第4実施形態及びその変形例における面状部材52は、樹脂板によって構成した場合を例示したが、面状の部材であれば、樹脂製の波板や、木製の板材等を用いることができる。
【0082】
〔その他〕
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。
上記各実施形態では、第1プレート34及び第2プレート36を用いて嵌合部33を構成した場合を例示したが、例えば、内部に貫通気孔等の通水路を有する構造材を用いて嵌合部33(ベース部材32)を形成してもよい。
【0083】
また、上記各実施形態では、矩形状の第1プレート本体35及び第2プレート本体37として、両プレート本体35、37の外形が正方形、及び正8角形である場合を例示したが、これらに限定されることはなく、両プレート本体35、37の外形は、他の正多角形であってもよいし、正多角形以外の凸多角形であってもよい。
また、上記各実施形態では、水抜き孔22が貫通孔である場合を例示したが、水抜き孔22は、底壁8を上下方向に貫通しない、内面8aに開口する有底の孔であってもよい。この場合でも、ベースポール26は、水抜き孔22に装着することができる。
【0084】
また、上記各実施形態では、長手方向Xに沿って並ぶ複数の水抜き孔22それぞれにベースポール26を装着した場合を例示したが、複数の水抜き孔22のうち、例えば、1つ置きにベースポール26を装着してもよく、任意の水抜き孔22にベースポール26を装着してもよい。このように、ベースポール26及び仕切り部材28は、配置の自由度が高く、状況に応じた適切なセパレータ20を構成することができる。
【0085】
また、上記第1実施形態において、筒状部材28aの長さを、ポール本体30の長手方向全体を覆うことが可能な長さとした場合を例示したが、筒状部材28aは、ポール本体30の長さよりもより長い寸法としてもよい。この場合、ポール本体30の長さに関わらず、筒状部材28aの長さを設定することができる。
また、上記各実施形態では、ポール本体30がねじ軸である場合を例示したが、嵌合部33が一端部30aに固定することができれば、平滑な外周面を有するシャフトであってもよい。
【0086】
本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1 ケーブルトラフ
2 ケーブル
2a 電力ケーブル
2b 通信ケーブル
3 小型ボックス
4 ボックス本体
6 蓋部材
8 底壁
8a 内面
8b 外面
10 側壁
10a 上端
10b 内面
12 保護管
12a 保護管
12b 保護管
12c 保護管
12d 保護管
12e 保護管
12f 保護管
12g 保護管
12h 保護管
14 ノックアウト部
20 セパレータ
22 水抜き孔
22a 内周面
26 ベースポール
28 仕切り部材
28a 筒状部材
28a1 一端部
28a2 他端部
28b 先端キャップ
28c T型継手
28d 棒状突起
28d1 先端
28e L型継手
28f 梁部材
30 ポール本体
30a 一端部
30b 他端部
32 ベース部材
33 嵌合部
34 第1プレート
35 第1プレート本体
35a 固定孔
35b 頂点部
35c 側面部
36 第2プレート
37 第2プレート本体
37a 固定孔
37b 頂点部
37c 側面部
38 スペーサ
38a 内周面
40 ナット
40a 内周面
42 通水孔
46 保護具
46a 縦桟
46b 横桟
50 側壁開口
52 面状部材
52a 固定孔
54 ブラケット
M1 隙間
M2 隙間
S 内部空間
X 長手方向
Y 幅方向