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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038792
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】商品収容箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/54 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
B65D5/54 301Z
B65D5/54 301J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145694
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】592142670
【氏名又は名称】佐藤製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】北見 直人
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA06
3E060BB03
3E060BC04
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CE27
3E060CF05
3E060DA30
3E060EA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】立方体形状を有する箱体下部を廃棄の際に簡単に平らに潰すことのできる商品収容箱を提供する。
【解決手段】側面脆弱部を外側から指で押圧することでその側面部の下部10c-2aを箱体内部に押し込み、更にその指で底面部を内側から外側に押すことで、外側底面部及びそれに貼着されている側面脆弱部が設けられた側面部側の内側底面片17ともう1枚の内側底面片は下方へ動こうとし、側面脆弱部が設けられた側面部側の内側底面片は、既に側面脆弱部が分断されている状態に有り、下方への動き(底面部の回動)に対する抵抗力はなくなっており、他方の側面部から延出している内側底面片には貼着領域X、Yではない部分に底面脆弱部25が存在し、その部分で容易に分離することにより、底面部は、簡単に内側からの押し動作によって、回動開放され、何ら抵抗なく箱体下部を平らな状態に畳むことができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に対象物を収納可能で、上面部、底面部及び4つの側面部を有する立方体形状を有する箱体であって、
成形状態における前記底面部は、一方の前記側面部から延出し底面部の最外側を構成する外側底面片、前記一方の側面部の両隣の側面部からそれぞれ延出し前記外側底面片の内側に収められる内側底面片と、で構成され、
前記内側底面片の延出している何れか一方の側面部の下部には、該側面部の幅方向両側の最下部領域から幅方向中央に向かって上方へ突状に伸長する線状の側面脆弱部が設けられ、
他方の側面部から延出する前記内側底面片には、幅方向全長に伸長する線状の底面脆弱部が設けられ、
前記外側底面片と前記2つの内側底面片は成形状態で貼着されており、該貼着領域は、前記底面脆弱部の形成されていない領域に設定されていることを特徴とする商品収容箱。
【請求項2】
前記線状の側面脆弱部は、前記一方の側面部の下部の幅方向両側の最下点近傍から幅方向中央に向かって斜め上方へ所定長さ伸長し、所定位置で更に急峻に上方へ伸長し、最上部で円弧状ラインで繋がる様に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の商品収容箱。
【請求項3】
前記底面脆弱部は、伸長方向の途中位置で屈曲していることを特徴とする請求項1又は2に係る商品収容箱。
【請求項4】
前記脆弱部は、所定間隔毎に切断線を入れたミシン目ラインとして構成したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に係る商品収容箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収容箱、特に、内部に対象物を収納可能な立方体形状を有する商品収容箱に関する。
【背景技術】
【0002】
商品を収容するための箱は、商品が流通される過程で、商品を保護し、また、箱のデザインや表示内容によって顧客への様々な情報の伝達が行われる重要な部材である。この様な商品収容箱は、一般的には、上面部、底面部及び4つの側面部を有する略立方体形状を有しており、商品を取り出す際の箱の開放動作は様々な方式のものが採用されている。
【0003】
例えば、比較的小さく片手で持てる様なサイズの箱の場合、上部位置に開放しやすくするためのミシン目ラインが施され、そのラインに沿って箱壁を分断し、残存部分をヒンジにして開放動作ができるような簡易ヒンジ式の開放方式が知られている。この様な箱は、比較的高額の健康飲料の紙製の収容箱などが典型的な例として挙げられる。
【0004】
この様な商品収容箱、開放して収容されている健康飲料などの商品を箱の上部から取り出して利用した後、利用者はその箱を廃棄するが、一般には、ゴミの嵩をできるだけ減らすためにこの様な箱類については潰して平らに近い形状にしてゴミ箱などに投棄している。
【0005】
特許文献1には、「包装箱」に関して、廃棄の際の折り畳みの容易化と蓋部の開放動作を容易に行うための構成が開示されている。蓋部は一つの蓋面を回動させて開放されるが、その開放動作を容易にするために、側板(12)、内蓋板(30)、外蓋板(40)の3つの面にそれぞれ押切用破断線(45)、切開用破断線(43)、易折曲線(33)が設けられている。すなわち、押切用破断線(45)の部分を外側から押して切断し、更に、切開用破断線(43)の部分を破断させて開放動作する際に、易折曲線(33)の部分で内蓋板(30)が折れ曲がり、蓋板の回動による開放動作をよりスムーズなものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】登録実用新案公報第3120064号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
商品収容箱は、通常は商品を取り出した後は、再度商品を収容するために用いられることはなく、廃棄される。上述のように、一般的には、箱体を廃棄する場合、その大小に関わらずできるだけ小さく折りたたんで廃棄されることがゴミの量の抑制のために望ましい。したがって、商品購入者は、商品を取り出した後、箱を折り畳むか手で潰して廃棄するのが通常である。
【0008】
特許文献1では、切断の容易化を図る破断線や折曲げの容易化を図った線を箱を構成する板面に形成しているが、3つの面に亘って形成しており、製造面において複雑化している。また、その段落「0037」に記載されているように、基本的には、蓋板(30)や外蓋板(40)は貼着されて開放時には一緒に回動する。また、「内蓋板(30)は、左右側板折込片(13a)、(14a)に貼着してもよいし、貼着しなくてもよい」旨記載されているが、「貼着した方が包装箱の強度がさらに向上して、重量のある物品でも収納することができる」旨、記載されている。そして、「貼着しないときは少ない力で開放することができる。」旨、記載されている様に強度を得るために貼着した場合には、蓋板の開放動作をする際に、左右側板折込片(13a)、(14a)との貼着状態を剥がしながら行わなければならず、開放動作がスムーズであるとは言えない。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、立方体形状を有する商品収容箱体であって、商品取出し後の箱体の潰し動作や折畳み動作を容易に行うことのできる商品収容箱体を提供することに有る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的の達成のため請求項1に記載の商品収容箱は、
内部に対象物を収納可能で、上面部、底面部及び4つの側面部を有する立方体形状を有する箱体であって、
成形状態における前記底面部は、一方の前記側面部から延出し底面部の最外側を構成する外側底面片、前記一方の側面部の両隣の側面部からそれぞれ延出し前記外側底面片の内側に収められる内側底面片と、で構成され、
前記内側底面片の延出している何れか一方の側面部の下部には、該側面部の幅方向両側の最下部領域から幅方向中央に向かって上方へ突状に伸長する線状の側面脆弱部が設けられ、
他方の側面部から延出する前記内側底面片には、幅方向全長に伸長する線状の底面脆弱部が設けられ、
前記外側底面片と前記2つの内側底面片は貼着されており、該貼着領域は、前記底面脆弱部の形成されていない領域に設定されていることを特徴とする。
【0011】
この発明において、「脆弱部」は、押圧力によって容易に分断されるように、形状の保持力を弱めた部分を意味し、いわゆるミシン目状に所定間隔で切断線を入れたり、他の部分より薄く形成するなどで実現されるものである。
【0012】
本発明の構成によれば、商品収容箱から商品を取り出した後、箱体の下部の折り畳みを行うには、まず、側面脆弱部を外側から指で押圧することでその部分を箱体内部に押し込むことができる。その状態で指は箱体内で底面部の内面に近接している。そして、更にその指で底面部を内側から外側に押すことで、外側底面部、及びそれに貼着されている両側の内側底面片は下方へ動こうとする。このとき、側面脆弱部が設けられた側面部側の内側底面片は、既に側面脆弱部が分離されている状態に有り、下方への動き(底面部の回動)に対する抵抗力はなくなっている。
【0013】
また、他方の側面部から延出している内側底面片はその他方の側面部に繋がった状態が保たれ、外側底面片に貼着された状態となっているので上記底面部の下方への回動動作を妨げる作用を奏する。しかし、この内側底面片には貼着領域ではない部分に底面脆弱部が存在し、その部分で容易に分離する。すなわち、外側底面片及びこれに貼着された2つの内側底面片は、貼着状態が抵抗になることなく簡単に内側からの押し動作によって、外側底面片の基端(側面部側の端部)を回動の軸として回動される。これにより、箱体の底部が開放され、何ら抵抗なく箱体下部を平らな状態に畳むことができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る商品収容箱において、
前記線状の側面脆弱部は、前記一方の側面部の下部の幅方向両側の最下点近傍から幅方向中央に向かって斜め上方へ所定長さ伸長し、所定位置で更に急峻に上方へ伸長し、最上部で円弧状ラインで繋がる様に形成されたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、箱体の底部を開放する最初の指による押圧力は、最上部の円弧状部分に加えられ、その押圧力は円弧部分に集中し、より小さい力でスムーズに分断動作が開始される。そして、斜めに伸びた脆弱部で両側に分断が拡がり簡単に一方の側面部の下部が開放される。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る商品収容箱において、
前記底面脆弱部は、伸長方向の途中位置で屈曲していることを特徴とする。
これにより、底面部を開放する状況において、側面脆弱部を押し破り箱体内に入った指で更に底面部を下方に押したときに、底面脆弱部の線が屈曲していることで、屈曲点を中心に押圧力が集中し脆弱部の分離がより容易なものとなる。すなわち、より少ない押圧力で分断することができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか1項に係る商品収容箱において、
前記脆弱部は、所定間隔毎に切断線を入れたミシン目ラインとして構成したことを特徴とする。
【0018】
これにより、従来のミシン目作成技術により、簡単に脆弱部を形成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の商品収容箱によれば、商品収容箱の廃棄の際に、箱体の底面部を比較的弱い力でスムーズに開放状態とすることができ、さらに簡単にその部分を平らに折り畳むことが可能となっている。また、本発明の底部構成では、底部が貼着されて形成されていてもその貼着状態を解除することなく開放することができるので、箱体底部の強度を低下させることなく、開放及び折り畳みの円滑化が達成されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施に形態に係る商品収容箱の展開図である。
図2】実施の形態に係る商品収容箱の開封前の下方からの斜視図である。
図3】実施の形態に係る商品収容箱の底部の開放の開始動作を示す部分斜視図である。
図4】実施の形態に係る商品収容箱の底部を回動させて開放させている状況を示す部分斜視図である。
図5】実施の形態に係る商品収容箱の開放された底部の状態を示す部分斜視図である。
図6】実施の形態に係る商品収容箱の底部及び上部が開放されて平らに折り畳まれた状態の平面図である。
図7】実施の形態に係る商品収容箱の上部の開放動作の説明図である。
図8】実施の形態に係る商品収容箱の上部の押し潰し動作の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の商品収容箱の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態では、健康飲料の紙製の箱を例にとって説明する。図1の展開図に示された商品収容箱10は、内部に健康飲料のボトルが収納されるもので、成形した状態では、上面部、底面部及び4つの側面部を有する立方体形状を有する箱体である。
【0022】
図2には、実施の形態に係る商品収容箱10の開封前の状態が示されており、図示のように、陰になっている上面部、側面部10c及び底面部10dが存在している。
【0023】
この成形されている状態の底部10dの構成状況を図1の展開図に基づいて説明する。底部10dは、3つの要素が重ねられて構成されるが、最外側に位置するのが、一方の側面部10c-1から連続して延出する外側底面片15である。そして、側面部10c-2から連続して延出する内側底面片17、側面部10c-4から連続して延出する内側底面片19が外側底面片15の内側面に収められ、互いに貼着領域XとYの部分で貼着剤によって貼着される。なお、この貼着領域XとYには図示の様に複数の直線の切り込みラインが施されており貼着の確実性を確保している。
【0024】
この様に、底面部10dは、外側底面片15とその内側に収められて貼着される内側底面片17と内側底面片19とによって構成される。なお、外側底面片15の先端部には差込片21が設けられており、箱体成形時にはこの差込片21が側面部10c-3の縁部の内側に差し込まれるものである。
【0025】
次に、本発明において特徴的な一つの構成は、外側底面片15の形成されている側面部10c-1の隣に位置する側面部10c-2の下部に線状に施された側面脆弱部23である側面部10c-2の最下部領域の幅方向両側の位置から幅方向中央に向かって上方へ突状に伸長する様に設けられている。本実施の形態では、その線形状は、幅方向両側から直線上に所定の傾斜で上方に伸長し、途中位置で急峻に上昇し、中央部分で凸円弧状に繋がっている。
【0026】
そして、もう一つの特徴的構成は、側面部10c-4から連続して延出する内側底面片19に施された底面脆弱部25である。図1の展開図から理解されるように、この底面脆弱部25は、内側底面片19の幅方向に伸長して形成され、途中位置で屈曲している。また、さらに特徴的なことは上述の貼着領域X、Yとは重ならない場所に底面脆弱部25が設けられていることである。
上記各脆弱部は、本実施の形態ではミシン目上にカットラインを入れることで形成されている。
【0027】
次に、上記構成を有する底部10dの開放動作について説明する。
図3は、開放動作の最初の動作を示しており、側面部10c-2の下部に施された側面脆弱部23の内側を指で矢印方向に押し込む動作である。側面脆弱部23のライン形状は中央部分が円弧状に突出しているので、その部分に指を当てることで押圧力を集中させて容易に分断させることができる。分断された側面部の下部領域10c-2aは内側に倒れ込んでいる。
【0028】
図4は、更に、底面部10dが押し下げられて少し下方に回動して開放されている状態が示されている。
【0029】
この時、側面脆弱部23より下部の下部領域10c-2aは、側面部10c-2から分断され、それに連続している内側底面片17は、既に側面部10c-2との連続性がなくなっており、側面部の下部領域10c-2aと外側底面片15は、共に下方に容易に回動動作させることができる。この回動動作は、外側底面片15と側面部10c-2側との境界部分がヒンジ部となって行われる。
【0030】
そして、側面部10c-4から延出している内側底面片19は、その側面部10c-4に繋がった状態が未だ保たれ、更に内側底面片19は貼着領域Yの部分で外側底面片15又は内側底面片17に貼着されている(どちらに貼着されているかは、内側底面片19と17との重ね方に依るので重要なものではない)。したがって、内側底面片19は底面部10dを押し下げようとすることに対して抵抗になる。
【0031】
しかしながら、この内側底面片19には、貼着領域Yから外れた場所に底面脆弱部25が線状に形成されている。本実施の形態では伸長方向の途中位置で箱の外側に向けて屈曲している。これは箱内に押し込まれた指の先端がこの屈曲部に近い位置に位置することで押し下げによる底面脆弱部25の分断の容易化が図られている。また、この屈曲により、貼着領域の確保も容易なものとなっている。
【0032】
そして、底面部10dが内側から指で押されたとき、この底面脆弱部25の存在によって、内側底面片19はその部分で簡単に分断される。
【0033】
図5は、完全に開放された底部10dの状態の内側面が示されている。図示の様に、底部10d、本実施の形態では、外側底面片15の内側面に内側底面片17が貼着領域Xで貼着され、その上に内側底面片19が貼着領域Yで貼着されていることが理解される。上述のように内側底面片19と17の重ね順は何れが先であっても良い。
【0034】
この図示された解放状態から、この底面部10dが回動する過程で、底面脆弱部25が徐々に分断されて内側底面片19が分離されていることが理解される。この様に本実施の形態では、底面部10dがスムーズに回動動作によって開放され、図5に示したような状態となることから簡単に押し潰すことで平らに折り畳むことができる。
【0035】
図6は、本実施の形態に係る商品収容箱10が、折り畳まれた状態が示されており、図示の様に商品収容箱10の下部はほぼ平らな状態となっている。
次に、本実施の形態に係る商品収容箱10の上部の構成と折り畳み動作について説明する。
【0036】
図1の展開図に示された様に、箱体の上部には、正面部10bに正面ミシン目ライン14が、側面部10cには側面ミシン目ライン16が形成されている。そして、更に付加脆弱部12が形成されている。この付加脆弱部12は、この部分が曲がり易くなれば足りるので、他の部分より厚さを薄くしたラインとするだけでなく、この部分をミシン目状に切断したラインとしてもよい。また、付加脆弱部12の形成角度は、上面部10aと正面部10bに対して45度の位置であり、側面ミシン目ライン16のほぼ中央位置まで伸長している。なお、図示されていない側の側面部にも対向する位置に側面ミシン目ライン16が形成されている(図1参照乞う)。
【0037】
本実施の形態における側面ミシン目ライン16は、従来のラインが直線状のラインで有ったことに対し、伸長形状が下方に凸となる湾曲形状を有していることに特徴を有している。また、付加脆弱部12は、同じ長さの厚さの薄い部分が点線状に形成されており、側面ミシン目ライン16は、略中央領域ではジッパータイプのミシン目切断ライン16a(3箇所)とされ、正面部10b寄りの位置のラインは通常の切断ライン16b(1箇所)とされ、この切断ライン16bは前面ミシン目ライン14に連続している。
【0038】
さらに、背面部10d寄りの位置のラインも通常の切断ライン16c(1箇所)とされている。この背面部10d寄りの切断ライン16cは、側面部10cの最上部位置方向に伸び、上端の角部の手前で止まっているが、上端の角部まで切断ライン16cを付しても良い。
【0039】
上述のように、側面ミシン目ライン16の中央領域の16aは、通常の略直線のカットラインの一方の端部に短いカットラインを斜め方向に入れたジッパータイプのミシン目切断ラインとしているのは、通常の略直線上のカットラインよりもやや切断されにくくして、その部分の形状保持力を高めているものである。
【0040】
図7は、商品収容箱10の上部の開封が始められた状態が示されており、図示のように、正面ミシン目ライン14及び側面ミシン目ライン16が共に切断分離され、箱体上部18が背面部10dの上部位置をヒンジ部として、回動されて開放されている。
【0041】
この箱体上部18に対して押し動作により、正面ミシン目ライン14、更に側面ミシン目ライン16を分断して回動させる動作時において、付加脆弱部12の部分が曲がり易くなっているので、前面部10bを強く押し込んだ時には、その部分が外側に曲がり、箱体上部18の押上げ動作がより容易なものとなる。
【0042】
図8は、付加脆弱部12の部分が外側に曲がっている状態が示されており、付加脆弱部12は上述のように上面部10aと正面部10bの中間位置(45度の傾斜)で伸長しているので、押圧力によって曲がり易くバランスの良い形状で曲がって行く。
【0043】
そして、収容された商品を取り出したあと、廃棄の際には、できるだけ箱を平らに潰して捨てることがゴミの嵩を少なくするために望ましく、この付加脆弱部12の部分の外側への折れ曲がりによって簡単に平らに潰すことが可能となる。
【0044】
箱体の上部が上述の様に折り畳まれることにより、図6に示したように箱体の下部と共に全体が平らに折り畳まれている。
【0045】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変更が可能である。例えば、本実施の形態の側面脆弱部23のライン形状は、中央を円弧状にする形状に限られず、押圧力により分断させやすい形状であれば三角形状や台形状であっても良い。また、底面脆弱部25のライン形状も図示された屈曲形状に限られず、湾曲状や逆方向に屈曲した形状でもよい。また、側面ミシン目ライン16は下方に凸の湾曲が施された例を示したが、上方に凸の湾曲とすることでも良い。また、本実施の形態における各種脆弱部は、様々な種類のミシン目上の切断ラインで形成することができ、特に、付加脆弱部12は切断され必要はなく曲がり易ければ足りるので、他の部分よりライン上に弱い部分が形成されれば足りるものである。
【符号の説明】
【0046】
10 商品用箱体
10a 上面部
10c1~10c-4 側面部
12 付加脆弱部
14 正面ミシン目ライン
16 側面ミシン目ライン
17、19 内側底面片
18 箱体上部
20 箱体下部
23 側面脆弱部
25 底面脆弱部
X、Y 貼着領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8