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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038831
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】情報共有装置及び情報共有プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20230310BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145751
(22)【出願日】2021-09-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-22
(71)【出願人】
【識別番号】521217460
【氏名又は名称】株式会社M-INT
(74)【代理人】
【識別番号】230122390
【弁護士】
【氏名又は名称】石原 一樹
(72)【発明者】
【氏名】藤尾 夏樹
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】医療機関又は医療従事者どうしでの好適な情報共有を可能とする。
【解決手段】情報共有装置100は、医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の医療主体に共有させる。情報共有装置100は、医療主体による医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた医療主体情報を登録する情報登録部10と、情報登録部10により登録された複数の医療主体情報から検索条件に応じた医療主体情報を検索する情報検索部11と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の前記医療主体に共有させる情報共有装置であって、
前記医療主体による前記医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた前記医療主体情報を登録する情報登録部と、
前記情報登録部により登録された複数の前記医療主体情報から検索条件に応じた前記医療主体情報を検索する情報検索部と、を備える、情報共有装置。
【請求項2】
複数の前記医療主体情報の少なくともいずれかは、複数の前記医療主体に対してのみ開示することが許可されている限定情報を含む、請求項1に記載の情報共有装置。
【請求項3】
複数の前記医療主体情報のそれぞれは、内容に応じて複数の種別のうちのいずれかに分類されており、
前記情報登録部は、入力を受け付けた前記医療主体情報を当該医療主体情報が分類される前記種別ごとに登録し、
前記情報検索部は、複数の前記医療主体情報から前記種別ごとの前記検索条件に応じた前記医療主体情報を検索する、請求項1又は2に記載の情報共有装置。
【請求項4】
複数の前記医療主体情報のそれぞれは、内容に応じて、前記医療機関及び前記医療従事者の医療に関する医療情報、患者に関する患者情報、及び前記医療従事者に関する医療従事者情報を含む複数の前記種別のうちのいずれかに分類されている、請求項3に記載の情報共有装置。
【請求項5】
前記医療従事者情報は、前記医療従事者が特定の患者の対応をすることを希望するか否かに関する情報である患者対応希望情報を含む、請求項4に記載の情報共有装置。
【請求項6】
前記情報検索部により複数の前記医療主体情報から前記種別ごとの前記検索条件に応じた前記医療主体情報が検索された場合に、検索された前記医療主体情報に係る前記医療主体への予約又は紹介を推奨する推奨部を備える、請求項3に記載の情報共有装置。
【請求項7】
前記情報登録部により登録された前記医療主体情報をスコア化するスコア化部を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の情報共有装置。
【請求項8】
複数の前記医療主体のうちの一の前記医療主体である紹介元医療主体から他の前記医療主体である紹介先医療主体に患者を紹介する紹介情報を前記紹介先医療主体に送信する紹介情報送信部を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の情報共有装置。
【請求項9】
前記紹介情報送信部により前記紹介情報が前記紹介先医療主体に送信され、当該紹介情報に係る患者が前記紹介先医療主体による医療サービスを受けた後に、前記紹介元医療主体及び前記紹介先医療主体の少なくともいずれかの評価を受け付ける医療主体評価受付部を備える、請求項8に記載の情報共有装置。
【請求項10】
前記情報検索部により検索された前記医療主体情報を表示した画面である表示画面の情報である表示情報を送信する表示情報送信部を備え、
前記表示情報は、前記表示画面に含まれる部分であって当該部分が指定されることにより紹介情報作成画面に遷移する遷移部の情報である遷移部情報を含み、
前記紹介情報作成画面は、前記紹介元医療主体が前記紹介情報を作成するための画面である、請求項8又は9に記載の情報共有装置。
【請求項11】
前記情報検索部により検索された前記医療主体情報を表示した画面である表示画面の情報である表示情報を送信する表示情報送信部を備え、
前記表示情報は、前記表示画面において複数の前記医療主体情報を比較表示可能とするための比較表示情報を含む、請求項8又は9に記載の情報共有装置。
【請求項12】
複数の前記医療主体情報の少なくともいずれかは、患者が前記医療主体による医療サービスを受けるための予約が可能な日時に関する情報である予約可能日時情報を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の情報共有装置。
【請求項13】
前記予約を受け付ける予約部と、
前記予約部により前記予約が受け付けられた場合に、当該予約により前記医療主体による医療サービスを受けようとする前記患者に、当該医療サービスに関する説明動画を共有させるサービス情報共有部と、を備える、請求項12に記載の情報共有装置。
【請求項14】
医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の前記医療主体に共有させる情報共有処理を、コンピュータに実行させる情報共有プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記医療主体による前記医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた前記医療主体情報を登録する情報登録部と、
前記情報登録部により登録された複数の前記医療主体情報から検索条件に応じた前記医療主体情報を検索する情報検索部と、として機能させる、情報共有プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報共有装置及び情報共有プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療サービスの分野において、ユーザ間での情報共有を支援する技術が知られている。例えば特許文献1には、医療機関と患者との間での情報共有を支援することにより、患者が適切な医療機関で受診することを可能にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-22253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した技術は、医療機関と患者との間での情報共有を可能にし得るものの、医療機関又は医療従事者どうしでの情報共有に関しては考慮されていない。そこで、本開示に係る情報共有装置及び情報共有プログラムは、医療機関又は医療従事者どうしでの好適な情報共有を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)は、医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の医療主体に共有させる情報共有装置(100)であって、医療主体による医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた医療主体情報を登録する情報登録部(10)と、情報登録部(10)により登録された複数の医療主体情報から検索条件に応じた医療主体情報を検索する情報検索部(11)と、を備える。
【0006】
本開示の一態様に係る情報共有プログラム(P)は、医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の医療主体に共有させる情報共有処理を、コンピュータに実行させる情報共有プログラム(P)であって、コンピュータを、医療主体による医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた医療主体情報を登録する情報登録部(10)と、情報登録部(10)により登録された複数の医療主体情報から検索条件に応じた医療主体情報を検索する情報検索部(11)と、として機能させる。
【0007】
これらの情報共有装置(100)及び情報共有プログラム(P)の少なくともいずれかによれば、医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体により入力された医療主体情報を登録する。そして、各医療主体は、登録された複数の医療主体情報から検索条件に応じた医療主体情報を検索可能となる。したがって、医療機関又は医療従事者どうしでの好適な情報共有を可能とすることができる。
【0008】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)では、複数の医療主体情報の少なくともいずれかは、複数の医療主体に対してのみ開示することが許可されている限定情報を含んでもよい。これによれば、限定情報については医療主体以外に対しては開示しないでおくことができる。したがって、秘匿管理又は法令順守等の観点での利便性が向上する。
【0009】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)では、複数の医療主体情報のそれぞれは、内容に応じて複数の種別のうちのいずれかに分類されており、情報登録部(10)は、入力を受け付けた医療主体情報を当該医療主体情報が分類される種別ごとに登録し、情報検索部(11)は、複数の医療主体情報から種別ごとの検索条件に応じた医療主体情報を検索してもよい。これによれば、医療主体情報を種別ごとに管理可能となるため、所望の医療主体情報を検索しやすくなる。
【0010】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)では、複数の医療主体情報のそれぞれは、内容に応じて、医療機関及び医療従事者の医療に関する医療情報、患者に関する患者情報、及び医療従事者に関する医療従事者情報を含む複数の種別のうちのいずれかに分類されていてもよい。これによれば、医療主体情報を医療に関する情報、患者に関する情報、及び医療従事者に関する情報に分けて管理可能となるため、所望の医療主体情報をより検索しやすくなる。
【0011】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)では、医療従事者情報は、医療従事者が特定の患者の対応をすることを希望するか否かに関する情報である患者対応希望情報を含んでもよい。これによれば、医療従事者が特定の患者の対応をすることに関する選好性についての情報を医療機関又は医療従事者どうしで好適に共有可能となり、ひいては、医療機関又は医療従事者どうしでの患者の紹介及び受け入れの円滑化が図られる。
【0012】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)は、情報検索部(11)により複数の医療主体情報から種別ごとの検索条件に応じた医療主体情報が検索された場合に、検索された医療主体情報に係る医療主体への予約又は紹介を推奨する推奨部(12)を備えてもよい。これによれば、各患者に適した医療主体への予約又は紹介を行うことが可能となる。
【0013】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)は、情報登録部(10)により登録された医療主体情報をスコア化するスコア化部(13)を備えてもよい。これによれば、各医療主体の質を客観的に把握可能となる。
【0014】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)は、複数の医療主体のうちの一の医療主体である紹介元医療主体から他の医療主体である紹介先医療主体に患者を紹介する紹介情報を紹介先医療主体に送信する紹介情報送信部(14)を備えてもよい。これによれば、医療機関又は医療従事者どうしでの患者の紹介及び受け入れの円滑化が図られる。
【0015】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)は、紹介情報送信部(14)により紹介情報が紹介先医療主体に送信され、当該紹介情報に係る患者が紹介先医療主体による医療サービスを受けた後に、紹介元医療主体及び紹介先医療主体の少なくともいずれかの評価を受け付ける医療主体評価受付部(15)を備えてもよい。これによれば、各医療主体の質を客観的に把握するためのデータを収集可能となる。
【0016】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)は、情報検索部(11)により検索された医療主体情報を表示した画面である表示画面の情報である表示情報を送信する表示情報送信部(16)を備え、表示情報は、表示画面に含まれる部分であって当該部分が指定されることにより紹介情報作成画面に遷移する遷移部の情報である遷移部情報を含み、紹介情報作成画面は、紹介元医療主体が紹介情報を作成するための画面であってもよい。これによれば、各患者に適した医療主体を紹介するための作業が容易になる。
【0017】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)は、情報検索部(11)により検索された医療主体情報を表示した画面である表示画面の情報である表示情報を送信する表示情報送信部(16)を備え、表示情報は、表示画面において複数の医療主体情報を比較表示可能とするための比較表示情報を含んでもよい。これによれば、表示画面において複数の医療主体情報を比較表示することにより、各患者に適した医療主体を探しやすくなる。
【0018】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)では、複数の医療主体情報の少なくともいずれかは、患者が医療主体による医療サービスを受けるための予約が可能な日時に関する情報である予約可能日時情報を含んでもよい。これによれば、各患者を医療主体に紹介する際に、紹介先医療主体において予約が可能な日時を知得する作業が容易になる。
【0019】
本開示の一態様に係る情報共有装置(100)は、予約を受け付ける予約部(17)と、予約部(17)により予約が受け付けられた場合に、当該予約により医療主体による医療サービスを受けようとする患者に、当該医療サービスに関する説明動画を共有させるサービス情報共有部(18)と、を備えてもよい。これによれば、紹介先医療主体において患者が医療サービスを受ける前に説明動画を視聴させることにより、当該医療サービスに関して患者に情報提供することが可能になる。
【0020】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本開示の一例として示したものであって、本開示を実施形態の態様に限定するものではない。
【発明の効果】
【0021】
このように、本開示に係る情報共有装置及び情報共有プログラムは、医療機関又は医療従事者どうしでの好適な情報共有を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本実施形態に係る情報共有装置を示すブロック図である。
図2図2は、情報共有装置を用いて患者が紹介される際の紹介情報の伝達経路を説明するための図である。
図3図3は、情報共有装置により実行される情報共有処理を示すフローチャートである。
図4図4は、情報共有プログラムを示すブロック図である。
図5図5は、限定情報の類型、及び、各類型の具体例を例示的に示す図である。
図6図6は、限定情報の類型、及び、各類型の具体例を例示的に示す図である。
図7図7は、限定情報の類型、及び、各類型の具体例を例示的に示す図である。
図8図8は、限定情報の類型、及び、各類型の具体例を例示的に示す図である。
図9図9は、限定情報の類型、及び、各類型の具体例を例示的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る情報共有装置100を示すブロック図である。図1に示される情報共有装置100は、複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の医療主体に共有させる装置である。「医療主体」とは、医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む主体である。つまり、医療主体とは、患者に対して医療サービスを提供する主体である。「医療機関」とは、患者に対して医療サービスを提供する組織であり、例えば病院、診療所、クリニック等であってもよい。「医療従事者」とは、患者に対して医療サービスを提供する人であり、例えば医師、看護師、理学療法士、薬剤師等であってもよい。
【0025】
具体的に、情報共有装置100は、複数の医療機関のそれぞれに関する複数の医療主体情報、及び、複数の医師等(医療従事者)のそれぞれに関する複数の医療主体情報を登録していてもよい。そして、情報共有装置100は、これら複数の医療主体情報をこれら複数の医療機関及び医師等に共有させることで、医療主体どうしで情報共有を行わせてもよい。このような機能に基づいて、情報共有装置100は、例えば医療主体どうしでの患者の紹介及び受け入れを円滑化するといったことを通じ、医療サービスの質の向上に資するものであってもよい。
【0026】
「医療主体情報」とは、医療主体に関する情報であり、各医療主体に紐づけられて当該医療主体の種々の特徴を示す情報である。多くの場合には一の医療主体に対して複数の医療主体情報が存在しているが、一の医療主体に対して一の医療主体情報のみが存在していてもよい。また、情報共有装置100により医療主体情報を互いに共有する医療主体でありながら、当該医療主体の医療主体情報が情報共有装置100により登録されていない場合(つまり、ある医療主体については医療主体情報が存在していない場合)があってもよい。
【0027】
情報共有装置100により登録される複数の医療主体情報のそれぞれは、内容に応じて複数の種別のうちのいずれかに分類されている。医療主体情報が分類される種別の数は特に限定されず、ここでは一例として、種別の数は少なくとも3つ以上とされている。すなわち、各医療主体情報は、内容に応じて、医療情報、患者情報、及び医療従事者情報を含む複数の種別のうちのいずれかに分類されている。
【0028】
「医療情報」とは、医療機関及び医療従事者の医療に関する情報である。例えば、医療情報とは、各医療機関及び各医療従事者の書誌的な情報、及び、各医療機関の保有するリソース等の情報であってもよい。具体的には、医療情報は、医療機関の情報(医療機関名、所在地、電話番号、メールアドレス等)を含んでいてもよい。また、医療情報は、医療機関の医療アセット(外来アセット、検査アセット、コメディカルアセット等)を含んでいてもよい。なお、外来アセットに含まれる情報の例としては、外来アセット名が挙げられる。あるいは、外来アセットに含まれる情報の別の例としては、担当医師の名前、性別、診療場所、診療科、専門家資格、経歴、実績、知見、得意な部位・臓器、得意な疾患・症候、得意な診断・診察、得意な治療・手術・手技等が挙げられる。検査アセットに含まれる情報の例としては、検査アセット名、機器名、検査法、検査部位等が挙げられる。コメディカルアセットに含まれる情報の例としては、コメディカルアセット名、あるいは、各有資格者等(看護師、保健師、助産師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士、臨床心理士、管理栄養士等)の情報が挙げられる。なお、医療アセットは、医療リソース(医療資源)とみなされてもよい。
【0029】
「患者情報」とは、患者に関する情報である。より詳細には、患者情報とは、患者の立場から見た情報(換言すると、医療サービスを受ける人の立場から見た情報)である。例えば、患者情報とは、対象とする医療主体の地域性、待ち時間、信用、信頼、評判、患者価値観・都合、清潔さ、環境等の情報であってもよい。なお、患者情報は、「非医療情報」という名称で呼ばれてもよい。
【0030】
「医療従事者情報」とは、医療従事者に関する情報である。ここでは、医療主体が医療機関である場合には、当該医療機関に所属する医療従事者に関する情報を含んでもよい。より詳細には、医療従事者情報とは、医療従事者の立場から見た情報(換言すると、医療サービスを提供する人の立場から見た情報)である。例えば、医療従事者情報とは、医療従事者にとっての収益、効率、やりがい、医療従事者間の個人的関係等の情報であってもよい。なお、医療従事者情報は、「選好性情報又は個別事情情報」という名称で呼ばれてもよい。
【0031】
医療従事者情報は、患者対応希望情報を含んでいてもよい。「患者対応希望情報」とは、医療従事者が特定の患者の対応をすることを希望するか否かに関する情報である。具体的には、患者対応希望情報は、特定の疾病等に罹患した患者について、各医療従事者が対応をすることを希望するか否かに関する情報であってもよく、それ以外の条件により指定される特定の患者について、各医療従事者が対応をすることを希望するか否かに関する情報であってもよい。「対応をすることを希望するか否かに関する情報」とは、対応したいか否かの情報に限らず、対応したくないか否かの情報を意味していてもよく、対応したい程度又は対応したくない程度の情報を意味していてもよい。
【0032】
複数の医療主体情報の少なくともいずれかは、限定情報を含んでいてもよい。「限定情報」とは、複数の医療主体に対してのみ開示することが許可されている情報である。限定情報は、例えば法令等の規制に基づいて、複数の医療主体に対してのみ開示することが許可されていてもよい。限定情報は、対象とする情報共有装置100を利用している医療主体に対してのみ開示することが許可されている情報であってもよく、あるいは、一般に医療機関又は医療従事者に対してのみ開示することが許可されている情報であってもよい。限定情報は、換言すると、複数の医療主体以外に対しては開示することが許可されていない(禁止されている)情報である。例えば、限定情報は、患者に対しては開示することが許可されていない(禁止されている)情報であってもよい。
【0033】
参考として、図5図9は、限定情報の類型、及び、各類型の具体例を例示的に示す図である。図5図9に示されるように、限定情報は、種々の制約により設定され得る。なお、限定情報は図5図9に示される情報以外にも設定されてよく、また、図5図9に示される情報であっても限定情報として設定されなくてもよい。
【0034】
複数の医療主体情報の少なくともいずれかは、予約可能日時情報を含んでいてもよい。「予約可能日時情報」とは、患者が医療主体による医療サービスを受けるための予約が可能な日時に関する情報である。予約可能日時情報は、予約が可能な日に関する情報であってもよく、予約が可能な日及び時刻に関する情報であってもよい。ここで、患者が医療主体による医療サービスを受けるための予約は、当該医療主体が行ってもよく、当該医療主体とは別の医療主体が行ってもよく、患者自身が行ってもよい。
【0035】
図1に戻り、情報共有装置100の物理的な構成について説明する。情報共有装置100は、物理的な構成として制御演算装置、記憶装置、及び入出力装置を備えるコンピュータC(サーバ)として構成されており、医療主体端末TM及び患者端末TP等の各種端末と有線又は無線により通信可能である。制御演算装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のコントローラとして構成されており、演算処理を実行するとともに記憶装置及び入出力装置の制御を行う。記憶装置は、例えば主記憶装置及び補助記憶装置を有している。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。また、補助記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)により構成されている。入出力装置は、例えば外部からデータを入力されて記憶装置に送信する入力装置、及び、例えば制御演算装置により演算されて記憶装置に記憶された演算結果を外部に出力する出力装置を有している。
【0036】
情報共有装置100は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれたプログラムをCPUにより実行することにより、所定の処理を実行する。ここでは、情報共有装置100は、ROMに記憶されている情報共有プログラムPをRAMに読み込み、RAMに読み込まれた情報共有プログラムPをCPUにより実行することにより、後述する情報共有処理を実行する。なお、情報共有装置100は、物理的に、上述した構成とは異なる構成を備えていてもよい。
【0037】
次に、情報共有装置100の機能的な構成について説明する。情報共有装置100は、機能的な構成として情報登録部10、情報検索部11、推奨部12、スコア化部13、紹介情報送信部14、医療主体評価受付部15、表示情報送信部16、予約部17、及びサービス情報共有部18を備えている。
【0038】
情報登録部10は、医療主体による医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた医療主体情報を登録する。情報登録部10は、例えば医療主体端末TMと通信することにより、医療主体端末TMから医療主体情報の入力を受け付ける。そして、情報登録部10は、例えば情報共有装置100の記憶装置に医療主体情報を記憶させることで、当該医療主体情報を登録する。
【0039】
情報登録部10は、入力を受け付けた医療主体情報を当該医療主体情報が分類される種別ごとに登録する。つまり、情報登録部10は、医療主体情報の入力を受け付けると、当該医療主体情報の内容に基づいて当該医療主体情報が分類されるべき種別を判別し、当該種別として(当該種別に関連付けて)登録する。一例として、入力を受け付けた医療主体情報が医療機関の書誌的な情報であった場合には、情報登録部10は、当該医療主体情報を医療情報として登録する。
【0040】
情報検索部11は、情報登録部10により登録された複数の医療主体情報から検索条件(例えば、検索ワード)に応じた医療主体情報を検索する。「検索する」とは、検索条件に合致する医療主体情報を抽出することを意味している。情報検索部11は、複数の医療主体情報から種別ごとの検索条件に応じた医療主体情報を検索してもよい。すなわち、情報検索部11は、医療情報、患者情報、及び医療従事者情報の3つの種別ごとに検索条件の入力を受け付け、これら3つの種別の全てにおいて検索条件に合致した医療主体情報を抽出してもよく(AND検索)、あるいは、これら3つの種別のうちの少なくとも1つにおいて検索条件に合致した医療主体情報を抽出してもよい(OR検索)。
【0041】
推奨部12は、情報検索部11により複数の医療主体情報から種別ごとの検索条件に応じた医療主体情報が検索された場合に、検索された医療主体情報に係る医療主体への予約又は紹介を推奨する。推奨部12は、検索された医療主体情報が複数存在する場合には、これら複数の医療主体情報に係る医療主体への予約又は紹介を推奨してもよい。「推奨する」とは、対象とされる医療主体情報が医療主体端末TM等のディスプレイに表示される際に、他の医療主体情報と比較して際立たされる態様で表示されることを意味してもよい。例えば、推奨するとは、対象とされる医療主体情報を利用すべき旨のコメントを付して当該医療主体が表示されることであってもよい。
【0042】
スコア化部13は、情報登録部10により登録された医療主体情報をスコア化する。例えば、スコア化部13は、コメント等の態様で登録された医療主体情報の内容を判別して、当該医療主体情報の内容に基づいて医療主体の実績、知見、信用、又は評価等を数値(例えば3段階又は5段階の数値)等で表してもよく、良い・普通・悪い等で表してもよい。また、スコア化部13は、スコア化した結果を平均値と比較して表してもよく、具体的には、平均値との差をグラフ化して表してもよい。
【0043】
紹介情報送信部14は、複数の医療主体のうちの一の医療主体である紹介元医療主体から他の医療主体である紹介先医療主体に患者を紹介する紹介情報を紹介先医療主体に送信する。図2は、情報共有装置100を用いて患者が紹介される際の紹介情報の伝達経路を説明するための図である。図2に示されるように、紹介情報送信部14は、紹介元医療主体の端末(医療主体端末TM)である紹介元医療主体端末TM1から紹介情報を受信し、受信した紹介情報を紹介先医療主体の端末(医療主体端末TM)である紹介先医療主体端末TM2に送信してもよい。なお、紹介情報送信部14は、紹介元医療主体端末TM1から指令を受けたことを契機として、予め準備される紹介情報を紹介先医療主体端末TM2に送信してもよい。
【0044】
紹介情報は、患者を紹介する旨の内容を含む情報である。例えば、紹介情報は、患者の名前、性別、年齢等の情報、あるいは、紹介元医療主体等において診察をした結果の情報等を含んでいてもよい。紹介情報は、電子カルテの情報であってもよい。紹介情報は、例えば、紹介元医療主体端末TM1のディスプレイ等において表示される紹介情報作成画面において作成されてもよい。「紹介情報作成画面」とは、紹介元医療主体が紹介情報を作成するための画面である。
【0045】
医療主体評価受付部15は、医療主体の評価を受け付ける。例えば、医療主体評価受付部15は、患者が医療主体による医療サービスを受けた後に、医療サービスを受けた患者から当該医療主体の評価を受け付けてもよい。あるいは、医療主体評価受付部15は、紹介元医療主体及び紹介先医療主体の少なくともいずれかの評価を受け付けてもよい。この場合、医療主体評価受付部15は、紹介情報送信部14により紹介情報が紹介先医療主体に送信され、当該紹介情報に係る患者が紹介先医療主体による医療サービスを受けた後に、紹介元医療主体及び紹介先医療主体の少なくともいずれかの評価を受け付けてもよい。医療主体評価受付部15は、患者から紹介元医療主体及び紹介先医療主体の少なくともいずれかの評価を受け付けてもよく、紹介元医療主体から紹介先医療主体の評価を受け付けてもよく、紹介先医療主体から紹介元医療主体の評価を受け付けてもよい。
【0046】
医療主体評価受付部15は、受け付けた評価の内容を情報登録部10に入力し、情報登録部10に当該評価の内容を医療主体情報として登録させてもよい。この場合、情報登録部10は、医療主体評価受付部15により受け付けられた評価の内容を医療情報として登録してもよい。
【0047】
表示情報送信部16は、表示画面の情報である表示情報を送信する。「表示画面」とは、情報検索部11により検索された医療主体情報を表示した画面である。表示情報送信部16は、情報検索部11により医療主体情報が検索された場合に、表示情報を送信してもよい。表示情報送信部16は、表示情報を医療主体端末TMに送信してもよい。医療主体端末TMは、表示情報を受信すると、当該医療主体端末TMが備えるディスプレイ等に表示情報に基づく表示画面を表示してもよい。
【0048】
表示情報は、遷移部情報を含んでいてもよい。「遷移部情報」とは、表示画面に含まれる部分であって当該部分が指定されることにより紹介情報作成画面に遷移する遷移部の情報である。具体的には、遷移部は表示画面の一部を構成するボタン等であり、当該ボタン等がクリックされることにより紹介情報作成画面に遷移してもよい。
【0049】
また、表示情報は、比較表示情報を含んでいてもよい。「比較表示情報」とは、表示画面において複数の医療主体情報を比較表示可能とするための情報である。例えば、表示情報が比較表示情報を含む場合には、選択された複数の医療主体(例えば3つの医療主体)の医療主体情報を並べて表示してもよい。また、表示情報が比較表示情報を含む場合には、当該比較表示情報に応じた内容の医療主体情報(例えば、実績、知見、信用、又は評価等)のみを抽出して、選択された複数の医療主体の医療主体情報を並べて表示してもよい。
【0050】
予約部17は、予約を受け付ける。例えば、予約部17は、医療主体端末TMから予約情報を受信し、受信した予約情報に基づいて医療主体の予約を受け付ける。予約部17は、受け付けた予約の内容を医療主体に送信してもよい。予約部17は、例えば医療主体端末TMにカレンダーを表示させてもよく、当該カレンダーに予約可能な日時が医療主体によって設定されると、当該日時が予約可能な状態となってもよい。予約部17は、予約により医療サービスを提供することとなる医療主体の医療主体端末TMから予約を受け付けてもよく、当該医療主体以外の医療主体の医療主体端末TMから予約を受け付けてもよい。例えば、予約部17は、紹介元医療主体端末TM1から、紹介先医療主体の予約を受け付けてもよい。
【0051】
サービス情報共有部18は、予約部17が予約を受け付けた場合に、患者に対して医療サービスに関する説明動画を共有する。例えば、サービス情報共有部18は、予約部17が予約を受け付けた場合に、患者の患者端末TPに対して検査又は治療の事前説明のための動画を共有する。具体的に、サービス情報共有部18は、患者端末TPに対して動画ファイルを送信することにより医療サービスに関する説明動画を共有してもよい。あるいは、サービス情報共有部18は、外部サーバに動画ファイルをアップロードすることにより医療サービスに関する説明動画を共有してもよく、この場合、当該外部サーバへアクセスするためのリンクをメールにより送信してもよい。
【0052】
[情報共有処理]
情報共有装置100により実行される情報共有処理について説明する。図3は、情報共有装置100により実行される情報共有処理を示すフローチャートである。図3に示される情報共有処理は、コンピュータCにより情報共有プログラムPが実行されることにより実現される。
【0053】
ステップS10において、情報共有装置100の情報登録部10は、医療主体による医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた医療主体情報を登録する。情報登録部10は、入力を受け付けた医療主体情報を当該医療主体情報が分類される種別ごとに登録する。その後、情報共有処理はステップS12に移行する。
【0054】
ステップS12において、情報共有装置100のスコア化部13は、情報登録部10により登録された医療主体情報をスコア化する。例えば、スコア化部13は、コメント等の態様で登録された医療主体情報の内容を判別して、当該医療主体情報の内容に基づいて医療主体の実績、知見、信用、又は評価等をスコア化する。その後、情報共有処理はステップS14に移行する。
【0055】
ステップS14において、情報共有装置100の情報検索部11は、情報登録部10により登録された複数の医療主体情報から検索条件(例えば、検索ワード)に応じた医療主体情報を検索する。情報検索部11は、複数の医療主体情報から種別ごとの検索条件に応じた医療主体情報を検索する。その後、情報共有処理はステップS16に移行する。
【0056】
ステップS16において、情報共有装置100の表示情報送信部16は、情報検索部11により検索された医療主体情報を表示した表示画面の表示情報を医療主体端末TMに送信する。表示情報送信部16から医療主体端末TMに送信される表示情報は、遷移部情報及び比較表示情報を含んでいる。医療主体端末TMは、表示情報を受信すると、当該医療主体端末TMが備えるディスプレイ等に表示情報に基づく表示画面を表示することとなる。このとき、表示情報は遷移部情報を含んでいるため、表示画面には紹介情報作成画面に遷移するための遷移部が含まれる。また、表示情報は比較表示情報を含んでいるため、表示画面において複数の医療主体情報が比較表示される。その後、情報共有処理はステップS18に移行する。
【0057】
ステップS18において、情報共有装置100の紹介情報送信部14は、紹介元医療主体から紹介先医療主体に患者を紹介する紹介情報を取得する。紹介情報送信部14は、例えば紹介元医療主体の紹介元医療主体端末TM1から紹介情報を受信することにより、紹介情報を取得する。続くステップS20において、情報共有装置100の紹介情報送信部14は、紹介情報を紹介先医療主体の紹介先医療主体端末TM2に送信する。紹介情報が紹介先医療主体端末TM2に送信された後に、当該紹介情報に係る患者が紹介先医療主体による医療サービスを受けることとなる。その後、情報共有処理はステップS22に移行する。
【0058】
ステップS22において、情報共有装置100の医療主体評価受付部15は、紹介元医療主体及び紹介先医療主体の少なくともいずれかの評価を受け付ける。医療主体評価受付部15は、患者から紹介元医療主体及び紹介先医療主体の少なくともいずれかの評価を受け付けてもよく、紹介元医療主体から紹介先医療主体の評価を受け付けてもよく、紹介先医療主体から紹介元医療主体の評価を受け付けてもよい。医療主体評価受付部15は、紹介元医療主体及び紹介先医療主体の少なくともいずれかの評価を受け付けた場合、受け付けた評価の内容を情報登録部10により医療主体情報として登録させてもよい。以上により、情報共有処理は終了する。
【0059】
[情報共有プログラム]
コンピュータCを情報共有装置100として機能させるための情報共有プログラムPについて説明する。情報共有プログラムPは、医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の医療主体に共有させる情報共有処理を、コンピュータCに実行させるプログラムである。
【0060】
情報共有プログラムPは、メインモジュールMM、情報登録モジュールM10、情報検索モジュールM11、推奨モジュールM12、スコア化モジュールM13、紹介情報送信モジュールM14、医療主体評価受付モジュールM15、表示情報送信モジュールM16、予約モジュールM17、及びサービス情報共有モジュールM18を備えている。メインモジュールMMは、コンピュータCを統括的に制御する部分である。情報登録モジュールM10、情報検索モジュールM11、推奨モジュールM12、スコア化モジュールM13、紹介情報送信モジュールM14、医療主体評価受付モジュールM15、表示情報送信モジュールM16、予約モジュールM17、及びサービス情報共有モジュールM18のそれぞれを実行させることにより実現される機能は、情報登録部10、情報検索部11、推奨部12、スコア化部13、紹介情報送信部14、医療主体評価受付部15、表示情報送信部16、予約部17、及びサービス情報共有部18のそれぞれの機能と同様である。なお、情報共有プログラムPは、上述した各モジュールのうち、メインモジュールMM、情報登録モジュールM10、及び情報検索モジュールM11以外のモジュールを備えていなくてもよい。
【0061】
[作用及び効果]
以上説明したように、情報共有装置100は、医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の医療主体に共有させる情報共有装置100であって、医療主体による医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた医療主体情報を登録する情報登録部10と、情報登録部10により登録された複数の医療主体情報から検索条件に応じた医療主体情報を検索する情報検索部11と、を備える。
【0062】
情報共有プログラムPは、医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の医療主体に共有させる情報共有処理を、コンピュータに実行させる情報共有プログラムPであって、コンピュータを、医療主体による医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた医療主体情報を登録する情報登録部10と、情報登録部10により登録された複数の医療主体情報から検索条件に応じた医療主体情報を検索する情報検索部11と、として機能させる。
【0063】
これらの情報共有装置100及び情報共有プログラムPの少なくともいずれかによれば、医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体により入力された医療主体情報を登録する。そして、各医療主体は、登録された複数の医療主体情報から検索条件に応じた医療主体情報を検索可能となる。したがって、医療機関又は医療従事者どうしでの好適な情報共有を可能とすることができる。
【0064】
情報共有装置100では、複数の医療主体情報の少なくともいずれかは、複数の医療主体に対してのみ開示することが許可されている限定情報を含んでいる。これによれば、限定情報については医療主体以外に対しては開示しないでおくことができる。したがって、秘匿管理又は法令順守等の観点での利便性が向上する。
【0065】
情報共有装置100では、複数の医療主体情報のそれぞれは、内容に応じて複数の種別のうちのいずれかに分類されており、情報登録部10は、入力を受け付けた医療主体情報を当該医療主体情報が分類される種別ごとに登録し、情報検索部11は、複数の医療主体情報から種別ごとの検索条件に応じた医療主体情報を検索する。これによれば、医療主体情報を種別ごとに管理可能となるため、所望の医療主体情報を検索しやすくなる。
【0066】
情報共有装置100では、複数の医療主体情報のそれぞれは、内容に応じて、医療機関及び医療従事者の医療に関する医療情報、患者に関する患者情報、及び医療従事者に関する医療従事者情報を含む複数の種別のうちのいずれかに分類されている。これによれば、医療主体情報を医療に関する情報、患者に関する情報、及び医療従事者に関する情報に分けて管理可能となるため、所望の医療主体情報をより検索しやすくなる。
【0067】
情報共有装置100では、医療従事者情報は、医療従事者が特定の患者の対応をすることを希望するか否かに関する情報である患者対応希望情報を含んでいる。これによれば、医療従事者が特定の患者の対応をすることに関する選好性についての情報を医療機関又は医療従事者どうしで好適に共有可能となり、ひいては、医療機関又は医療従事者どうしでの患者の紹介及び受け入れの円滑化が図られる。
【0068】
情報共有装置100は、情報検索部11により複数の医療主体情報から種別ごとの検索条件に応じた医療主体情報が検索された場合に、検索された医療主体情報に係る医療主体への予約又は紹介を推奨する推奨部12を備えている。これによれば、各患者に適した医療主体への予約又は紹介を行うことが可能となる。
【0069】
情報共有装置100は、情報登録部10により登録された医療主体情報をスコア化するスコア化部13を備えている。これによれば、各医療主体の質を客観的に把握可能となる。
【0070】
情報共有装置100は、複数の医療主体のうちの一の医療主体である紹介元医療主体から他の医療主体である紹介先医療主体に患者を紹介する紹介情報を紹介先医療主体に送信する紹介情報送信部14を備えている。これによれば、医療機関又は医療従事者どうしでの患者の紹介及び受け入れの円滑化が図られる。
【0071】
情報共有装置100は、紹介情報送信部14により紹介情報が紹介先医療主体に送信され、当該紹介情報に係る患者が紹介先医療主体による医療サービスを受けた後に、紹介元医療主体及び紹介先医療主体の少なくともいずれかの評価を受け付ける医療主体評価受付部15を備えている。これによれば、各医療主体の質を客観的に把握するためのデータを収集可能となる。
【0072】
情報共有装置100は、情報検索部11により検索された医療主体情報を表示した画面である表示画面の情報である表示情報を送信する表示情報送信部16を備え、表示情報は、表示画面に含まれる部分であって当該部分が指定されることにより紹介情報作成画面に遷移する遷移部の情報である遷移部情報を含み、紹介情報作成画面は、紹介元医療主体が紹介情報を作成するための画面である。これによれば、各患者に適した医療主体を紹介するための作業が容易になる。
【0073】
情報共有装置100は、情報検索部11により検索された医療主体情報を表示した画面である表示画面の情報である表示情報を送信する表示情報送信部16を備え、表示情報は、表示画面において複数の医療主体情報を比較表示可能とするための比較表示情報を含んでいる。これによれば、表示画面において複数の医療主体情報を比較表示することにより、各患者に適した医療主体を探しやすくなる。
【0074】
情報共有装置100では、複数の医療主体情報の少なくともいずれかは、患者が医療主体による医療サービスを受けるための予約が可能な日時に関する情報である予約可能日時情報を含んでいる。これによれば、各患者を医療主体に紹介する際に、紹介先医療主体において予約が可能な日時を知得する作業が容易になる。
【0075】
情報共有装置100は、予約を受け付ける予約部17と、予約部17により予約が受け付けられた場合に、当該予約により医療主体による医療サービスを受けようとする患者に、当該医療サービスに関する説明動画を共有させるサービス情報共有部18と、を備えている。これによれば、紹介先医療主体において患者が医療サービスを受ける前に説明動画を視聴させることにより、当該医療サービスに関して患者に情報提供することが可能になる。
【0076】
[変形形態]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。
【0077】
例えば、上述した実施形態において、各医療主体情報は、内容に応じて医療情報、患者情報、及び医療従事者情報の3つの種別のうちのいずれかに分類されている。しかし、医療主体情報は、これらの3つの種別に分類されなくてもよく、これらとは異なる種別に分類されてもよい。また、医療情報、患者情報、及び医療従事者情報のそれぞれの定義は、上述した実施形態において示された定義とは相違していてもよい。
【符号の説明】
【0078】
10 情報登録部
11 情報検索部
12 推奨部
13 スコア化部
14 紹介情報送信部
15 医療主体評価受付部
16 表示情報送信部
17 予約部
18 サービス情報共有部
100 情報共有装置
C コンピュータ
P 情報共有プログラム
TM 医療主体端末
TM1 紹介元医療主体端末
TM2 紹介先医療主体端末
TP 患者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-12-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の前記医療主体に共有させる情報共有装置であって、
前記医療主体による前記医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた前記医療主体情報を登録する情報登録部と、
前記情報登録部により登録された複数の前記医療主体情報から検索条件に応じた前記医療主体情報を検索する情報検索部と、を備え、
複数の前記医療主体情報の少なくともいずれかは、複数の前記医療主体に対してのみ開示することが許可されている限定情報を含む、情報共有装置。
【請求項2】
複数の前記医療主体情報のそれぞれは、内容に応じて複数の種別のうちのいずれかに分類されており、
前記情報登録部は、入力を受け付けた前記医療主体情報を当該医療主体情報が分類される前記種別ごとに登録し、
前記情報検索部は、複数の前記医療主体情報から前記種別ごとの前記検索条件に応じた前記医療主体情報を検索する、請求項1に記載の情報共有装置。
【請求項3】
複数の前記医療主体情報のそれぞれは、内容に応じて、前記医療機関及び前記医療従事者の医療に関する医療情報、患者に関する患者情報、及び前記医療従事者に関する医療従事者情報を含む複数の前記種別のうちのいずれかに分類されている、請求項に記載の情報共有装置。
【請求項4】
前記医療従事者情報は、前記医療従事者が特定の患者の対応をすることを希望するか否かに関する情報である患者対応希望情報を含む、請求項に記載の情報共有装置。
【請求項5】
前記情報検索部により複数の前記医療主体情報から前記種別ごとの前記検索条件に応じた前記医療主体情報が検索された場合に、検索された前記医療主体情報に係る前記医療主体への予約又は紹介を推奨する推奨部を備える、請求項に記載の情報共有装置。
【請求項6】
前記情報登録部により登録された前記医療主体情報をスコア化するスコア化部を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報共有装置。
【請求項7】
複数の前記医療主体のうちの一の前記医療主体である紹介元医療主体から他の前記医療主体である紹介先医療主体に患者を紹介する紹介情報を前記紹介先医療主体に送信する紹介情報送信部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報共有装置。
【請求項8】
前記紹介情報送信部により前記紹介情報が前記紹介先医療主体に送信され、当該紹介情報に係る患者が前記紹介先医療主体による医療サービスを受けた後に、前記紹介元医療主体及び前記紹介先医療主体の少なくともいずれかの評価を受け付ける医療主体評価受付部を備える、請求項に記載の情報共有装置。
【請求項9】
前記情報検索部により検索された前記医療主体情報を表示した画面である表示画面の情報である表示情報を送信する表示情報送信部を備え、
前記表示情報は、前記表示画面に含まれる部分であって当該部分が指定されることにより紹介情報作成画面に遷移する遷移部の情報である遷移部情報を含み、
前記紹介情報作成画面は、前記紹介元医療主体が前記紹介情報を作成するための画面である、請求項7又は8に記載の情報共有装置。
【請求項10】
前記情報検索部により検索された前記医療主体情報を表示した画面である表示画面の情報である表示情報を送信する表示情報送信部を備え、
前記表示情報は、前記表示画面において複数の前記医療主体情報を比較表示可能とするための比較表示情報を含む、請求項7又は8に記載の情報共有装置。
【請求項11】
複数の前記医療主体情報の少なくともいずれかは、患者が前記医療主体による医療サービスを受けるための予約が可能な日時に関する情報である予約可能日時情報を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の情報共有装置。
【請求項12】
前記予約を受け付ける予約部と、
前記予約部により前記予約が受け付けられた場合に、当該予約により前記医療主体による医療サービスを受けようとする前記患者に、当該医療サービスに関する説明動画を共有させるサービス情報共有部と、を備える、請求項11に記載の情報共有装置。
【請求項13】
医療機関及び医療従事者の少なくともいずれかを含む複数の医療主体のそれぞれに関する情報である複数の医療主体情報を、これら複数の前記医療主体に共有させる情報共有処理を、コンピュータに実行させる情報共有プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記医療主体による前記医療主体情報の入力を受け付け、入力を受け付けた前記医療主体情報を登録する情報登録部と、
前記情報登録部により登録された複数の前記医療主体情報から検索条件に応じた前記医療主体情報を検索する情報検索部と、として機能させ、
複数の前記医療主体情報の少なくともいずれかは、複数の前記医療主体に対してのみ開示することが許可されている限定情報を含む、情報共有プログラム。