(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038875
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】重ね装着用マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20230310BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
A41D13/11 H
A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021145823
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】521395470
【氏名又は名称】株式会社ミヤタ
(74)【代理人】
【識別番号】100099977
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 章吾
(74)【代理人】
【識別番号】100104259
【弁理士】
【氏名又は名称】寒川 潔
(72)【発明者】
【氏名】池村 美智代
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA08
2E185CC34
(57)【要約】
【課題】一般のマスクと重ね合わせて着用することにより、二重マスクの特性を有効に発揮するとともに、一般のマスクとの装着一体化を実現して、二重マスクでありながら1枚マスクと同等の快適な装着感を得ることができる構造を備えた重ね装着用マスクを提供する。
【解決手段】一般のマスク10と重ね合わせて二重マスクとして着用するものであって、着用者Aの口および鼻を覆うマスク本体部2と、マスク本体部2の両側から側方へ延びて一般のマスク10の耳掛け部12,12に係合装着される一対の係合装着部3、3とを備えてなる。マスク本体部2は、装着時に着用者Aの顔Bの輪郭に沿った着用が可能な形状構成とされ、係合装着部3は、装着時に着用者Aの耳C近傍まで延びる幅広帯状の形態とされ、その自由端部3aに一般のマスク10の耳掛け部12に挿通係合する挿通係合部6を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般のマスクと重ね合わせて着用するマスクであって、
着用者の口および鼻を覆うマスク本体部と、前記マスク本体部の両側から側方へ延びて前記一般のマスクの耳掛け部に係合装着される一対の係合装着部とを備えてなり、
前記マスク本体部は、装着時に着用者の顔の輪郭に沿った着用が可能な形状構成とされ、
前記係合装着部は、装着時に着用者の耳近傍まで延びる幅広帯状の形態とされるとともに、その自由端部に前記一般のマスクの耳掛け部に挿通係合する挿通係合部を有する
ことを特徴とする重ね装着用マスク。
【請求項2】
前記係合装着部は、前記マスク本体部の端縁部の上下縁から連続して後方へ延びる幅広帯状の外周輪郭を有しており、その上下幅が前記一般のマスクの耳掛け部の上下幅よりも広く設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の重ね装着用マスク。
【請求項3】
前記係合装着部の挿通係合部は、上下方向へ延びる長孔の形態とされている
ことを特徴とする請求項1に記載の重ね装着用マスク。
【請求項4】
前記長孔の幅寸法は、前記一般のマスクの耳掛け部が挿通し得る大きさに設定されるとともに、上下方向長さは、前記一般のマスクの耳掛け部の上下幅に対応した大きさに設定されている
ことを特徴とする請求項3に記載の重ね装着用マスク。
【請求項5】
前記長孔の上下方向長さは、前記一般のマスクの耳掛け部が掛合装着される着用者の耳の掛合部分の上下幅に対応した大きさに設定されている
ことを特徴とする請求項4に記載の重ね装着用マスク。
【請求項6】
前記係合装着部の挿通係合部は、前記一般のマスクの耳掛け部に対する挿通係合状態を補強する補強構造を備える
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか一つに記載の重ね装着用マスク。
【請求項7】
前記係合装着部の挿通係合部の前記一般のマスクの耳掛け部に対する挿通係合状態を選択することにより、前記マスク本体部は、前記一般のマスクの外側および内側のいずれかに重ね合わせ可能な構造とされている
ことを特徴とする請求項1に記載の重ね装着用マスク。
【請求項8】
2枚の左右対称形状の構成素材シートが接合されてなり、
一方の構成素材シートにより、着用者の顔の右側面を覆う部位である、前記マスク本体部の右側部分と右側の前記係合装着部が連続して形成されるとともに、他方の構成素材シートにより、着用者の顔の左側面を覆う部位である、前記マスク本体部の左側部分と左側の前記係合装着部が連続して形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の重ね装着用マスク。
【請求項9】
前記マスク本体部および係合装着部の少なくとも一方の外側表面に装飾用のデザインが施されている
ことを特徴とする請求項1に記載の重ね装着用マスク。
【請求項10】
構成素材がウレタン製シートである
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の重ね装着用マスク。
【請求項11】
構成素材が不織布製シートである
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一つに記載の重ね装着用マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重ね装着用マスクに関し、さらに詳細には、一般のマスクと重ね合わせて二重マスクとして着用する重ね装着用マスクの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
マスクは、かぜ、インフルエンザ、花粉症、粉じん対策など、さまざまな用途に広く使われているが、近時、新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大したコロナ禍においては、マスクの着用が欠かせない状況となっている。
【0003】
マスクには、用途別に種々のものが製造販売されており、大別して、感染防止用として外科手術などに使用される医療用マスクいわゆるサージカルマスク、粉じん対策として工場などで使用される産業用マスク、および、かぜ、花粉症対策などに広く一般に使用される家庭用マスクの3種類があり、また、これらのマスクの性能としても、ウイルスや細菌のカットが期待できる高性能なものから、性能よりも単に保温目的で手軽に使用されるものまである。
【0004】
ところで、新型コロナウイルスの感染対策としては、ウイルスや細菌のカットが期待できる高性能マスクの使用が一般に望まれるところ、国立研究開発法人「理化学研究所」によるスーパーコンピューター「富岳」を使ったマスクの素材別飛沫抑制のシミュレーション結果によれば、不織布マスクが抑制率70%、布マスクが抑制率35%~45%、およびウレタンマスクが抑制率30%~40%とのことである。
【0005】
この点に関して、高性能マスクと、そうでないマスクとで感染予防効果としてどのくらいの差がでるかの実験が行われた結果、通常の装着条件の下では両者の間にほとんど差のないことが判明しており、優れた感染予防機能がある高性能マスクであっても、正しく使用つまり適切に着用されないと全く効果を発揮し得ないことが明らかになった。
【0006】
ここで、適切にマスクを着用するとは、マスクを顔の表面にぴったりと隙間なく装着することをいい、単に口と鼻を覆うだけでは不十分である。したがって、マスクを着用するときは、鼻、ほほおよびあごに隙間ができないように、顔にフィットさせる必要がある。
【0007】
一方、新型コロナウィルスの感染対策として、
図10に示すように、マスクa、bを2枚重ねて着用するいわゆる「二重マスク」をする動きも広がってきている。具体的には、ウレタンマスクや布マスクだけでは感染予防機能に不安があるとして、これらのマスクに感染予防効果が大きいとされる不織布マスクを重ねることが多く、また、さらなる感染予防効果を期待するものとして、不織布マスクを2枚重ねて着用する人もいる。
【0008】
これに関連して、米国疾病対策センター(CDC)が実験を行い、マスクの2枚重ねと適切な着用によって、新型コロナウィルス感染リスクを著しく低下させる公算が大きいことが判明しており、二重マスクの有効性が裏付けられることになった。
【0009】
なお、本出願人の知る限りにおいて、これら従来技術を開示した特許文献等は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、このような新型コロナウィルスの感染対策として有効とされる二重マスクについても、感染予防効果はある程度は上がるが、それほどの効果向上は望めず、例えば、感染予防効果が大きいとされる不織布マスクを2枚重ねても、不織布マスク2枚分の感染予防効果は期待できず、せいぜいプラスアルファ程度の効果向上に止まるとの専門家の指摘もある。
【0012】
このような指摘は、たとえ感染予防効果が望める二重マスクであっても、適切に着用されないと二重マスクの特性が十分に発揮されないということが推測され、上述したCDCの実験結果とも一致するものである。
【0013】
また、二重マスクにおいては、
図10に示すように、マスクa、bを2枚重ねて着用するため、着用者Aの顔B周りがごちゃごちゃと嵩張って見栄えが悪い。特に、2枚のマスクa、bの耳掛け部
、dの長さが不揃いで等しくない場合が多く、耳Cに掛かる部分に撓みが生じてだぶついてしまい、着用者Aにとってうっとうしく、見栄えも悪い。
【0014】
さらに、上記二つの耳掛け部c、dの長さが不揃いで等しくないと、耳掛け部c、dにたるみを生じてしまい、マスクa、bもぴったりと重なり合わずにだぶついてしまい、やはり見栄えが悪いとともに、このだぶつきに起因して、内側のマスクbの着用者Aの顔Bへの密着度が悪くて隙間を生じてしまい、二重マスクの感染予防効果が十分に発揮されないという問題もあった。
【0015】
また、マスクaまたはbの1枚だけでも耳掛け部cまたはdによる掛合負担により耳が痛くなるのに、マスクa、b2枚を重ね着用すると、これら両者の耳掛け部c、dが耳に掛かるため、耳Cに対する掛合負担の増加により更に耳Cが痛くなるという問題があった。
【0016】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、一般のマスクと重ね合わせて着用することにより、二重マスクの特性を有効に発揮するとともに、一般のマスクとの装着一体化を実現して、二重マスクでありながら1枚マスクと同等の快適な装着感を得ることができる構造を備えた重ね装着用マスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、本発明者らによる以下の着眼点に基づいた種々の試験研究の成果としてなされたものである。
【0018】
すなわち、本発明者らは、上述した各種専門機関による実験結果から、優れた感染予防機能がある高性能マスクであっても、また、新型コロナウィルスの感染対策として注目されている二重マスクであっても、適切に着用されないと十分な感染予防効果が発揮され得ないという事実、つまり、新型コロナウイルスの感染防止効果は、マスクの素材自体の持つ感染防止機能(飛沫抑制機能)よりも、むしろマスクの顔への適切な着用による密着性が重要であるという事実に着目した。
【0019】
具体的には、マスクを適切に着用するには、マスクを顔の表面にぴったりと隙間なく装着する必要があり、このためには、マスクを鼻、ほほおよびあごに隙間ができないように、顔にフィットさせることが必要であるところ、この装着状態を個人差なく誰でも確実かつ容易に実現するためには、マスクを2枚重ねて着用する二重マスクの装着状態が容易に得られ、併せて、二重マスクでありながら1枚マスクと同等の快適な装着感を得ることが必要である。
【0020】
本発明者らは、このようにして得られた知見に基づいて、さらなる試験・研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0021】
すなわち、上記目的を達成するため、本発明の重ね装着用マスクは、一般のマスクと重ね合わせて着用するマスクであって、着用者の口および鼻を覆うマスク本体部と、上記マスク本体部の両側から側方へ延びて上記一般のマスクの耳掛け部に係合装着される一対の係合装着部とを備えてなり、上記マスク本体部は、装着時に着用者の顔の輪郭に沿った着用が可能な形状構成とされ、上記係合装着部は、装着時に着用者の耳近傍まで延びる幅広帯状の形態とされるとともに、その自由端部に上記一般のマスクの耳掛け部に挿通係合する挿通係合部を有することを特徴とする。
【0022】
ここに、「一般のマスク」とは、従来一般に市販されているマスクを指す用語であり、着用者の口および鼻を覆うマスク本体部と、このマスク本体部の両側から側方へ延びてマスク着用者の両耳に掛合する耳掛け部とからなる基本構成を備えるマスクを意味する(以下、本明細書および特許請求の範囲を通じて同様とする)。
【0023】
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記係合装着部は、上記マスク本体部の端縁部の上下縁から連続して後方へ延びる幅広帯状の外周輪郭を有しており、その上下幅が上記一般のマスクの耳掛け部の上下幅よりも広く設定されている。
【0024】
(2)上記係合装着部の挿通係合部は、上下方向へ延びる長孔の形態とされている。
【0025】
(3)上記長孔の開口幅は、上記一般のマスクの耳掛け部が挿通し得る大きさに設定されるとともに、上下方向長さは、上記一般のマスクの耳掛け部の上下幅に対応した大きさに設定されている。
【0026】
(4)上記長孔の上下方向長さは、上記一般のマスクの耳掛け部が掛合装着される着用者の耳の掛合部分の上下幅に対応した大きさに設定されている。
【0027】
(5)上記係合装着部の挿通係合部は、上記一般のマスクの耳掛け部に対する挿通係合状態を補強する補強構造を備える。
【0028】
(6)上記係合装着部の挿通係合部の上記一般のマスクの耳掛け部に対する挿通係合状態を選択することにより、上記マスク本体部は、上記一般のマスクの外側および内側のいずれかに重ね合わせ可能な構造とされている。
【0029】
(7)2枚の左右対称形状の構成素材シートが接合されてなり、一方の構成素材シートにより、着用者の顔の右側面を覆う部位である、上記マスク本体部の右側部分と右側の上記係合装着部が連続して形成されるとともに、他方の構成素材シートにより、着用者の顔の左側面を覆う部位である、上記マスク本体部の左側部分と左側の上記係合装着部が連続して形成される。
【0030】
(8)上記マスク本体部および係合装着部の少なくとも一方の外側表面に装飾用のデザインが施されている。
【0031】
(9)構成素材がウレタン製シートである。
【0032】
(10)構成素材が不織布製シートである。
【発明の効果】
【0033】
本発明の重ね装着用マスクは、一般のマスクと重ね合わせて着用するマスクであって、着用者の口および鼻を覆うマスク本体部と、上記マスク本体部の両側から側方へ延びて上記一般のマスクの耳掛け部に係合装着される一対の係合装着部とを備えてなり、上記マスク本体部は、装着時に着用者の顔の輪郭に沿った着用が可能な形状構成とされ、
上記係合装着部は、装着時に着用者の耳近傍まで延びる幅広帯状の形態とされるとともに、その自由端部に上記一般のマスクの耳掛け部に挿通係合する挿通係合部を有するから、以下に列挙するような特有の効果が有効に発揮されて、二重マスクの特性を有効に発揮するとともに、一般のマスクとの装着一体化を実現して、二重マスクでありながら1枚マスクと同等の快適な装着感を得ることができる構造を備えた重ね装着用マスクを提供することができる。
【0034】
(1)着用に際して一般のマスクとの重ね合わせによる二重マスクの形態をとり、マスク本体部が、装着時に着用者の顔の輪郭に沿った着用が可能な形状構成とされるとともに、このマスク本体部の両側から側方へ延びる一対の係合装着部が上記一般のマスクの耳掛け部に挿通係合する構造を備えることにより、一般のマスクとの装着一体化を実現するとともに、この一体化による付随的効果として、二重マスクを着用者の顔の表面つまり鼻、ほほおよびあごに隙間ができないようにぴったり(顔にフィット)と装着することができ、新型コロナウィルス感染リスクを著しく低下させるという二重マスクの特性を有効に発揮することができる。
【0035】
(2)上記マスク本体部の両側から側方へ延びる一対の係合装着部が上記一般のマスクの耳掛け部に挿通係合することにより、一般のマスクとの一体装着を実現して、二重マスクでありながら1枚マスクと同等の快適な装着感を得ることができる。
【0036】
換言すれば、一般のマスク2枚の重ね合わせによる二重マスクでは、
図10に示すように、2枚の一般のマスクa、bの耳掛け部c、dが耳に掛かるため、耳に対する掛合負担が一般のマスク1枚の場合に比較して倍増するのに対して、本発明の重ね装着用マスクによれば、一対の係合装着部が上記一般のマスクの耳掛け部に挿通係合することで一体化するため、着用者の耳に対する負担は、一般のマスクの耳掛け部による掛合負担のみであり、あたかも一般のマスク1枚を着用する場合と同等の装着感を得ることができる。
【0037】
(3)しかも、上記一対の係合装着部が上記一般のマスクの耳掛け部に挿通係合して、一般のマスクとの一体化が実現することにより、
図10に示す2枚の一般のマスクa、bの重ね着用に比較して、顔B周りがごちゃごちゃと嵩張ることなくスッキリして、見栄えも良く、この点でも、1枚マスクと同等の快適な装着感を得ることができる。
【0038】
(4)上記係合装着部の挿通係合部の上記一般のマスクの耳掛け部に対する挿通係合状態を選択することで、上記マスク本体部が、上記一般のマスクの外側および内側のいずれかに重ね合わせ可能な構造とされていることにより、重ね合わせ着用する一般のマスクの問題点を適宜解消することができる。
【0039】
例えば、重ね合わせ着用する一般のマスクが不織布マスクの場合、直接着用者の肌に触れることで、肌荒れを起こしたり、おしゃれではないとして敬遠される場合に、本発明の重ね装着用マスクの構成素材が例えばウレタン製シートであれば、一般の不織布マスクの内側に重ね合わせることにより、着用者の肌荒れ防止効果を有効に発揮させることができ、また、本発明の重ね着用マスクの表面、具体的には、上記マスク本体部および係合装着部の少なくとも一方の外側表面に装飾用のデザインを施すことにより、一般の不織布マスクの外側に重ね合わせることで、おしゃれ目的での着用も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の実施形態1である重ね装着用マスクを一般のプリーツ型不織布マスクの外側に重ね合わせて着用した場合の二重マスクの装着状態を示す斜視図である。
【
図2】同じく同二重マスクの装着状態を示す正面図である。
【
図3】同じく同二重マスクの装着状態を拡大して示す側面図である。
【
図4】同重ね装着用マスクを示し、
図4(a)は使用時の開いた状態を示す斜視図、
図4(b)は不使用時の閉じた状態を示す側面図である。
【
図5】本発明の実施形態2である重ね装着用マスクを一般のプリーツ型不織布マスクの内側に重ね合わせて着用した場合の二重マスクの装着状態を示す斜視図である。
【
図6】同じく同二重マスクの装着状態を示す正面図である。
【
図7】同じく同二重マスクの装着状態を拡大して示す側面図である。
【
図8】本発明の実施形態3である重ね装着用マスクを一般の立体型ウレタンマスクの外側に重ね合わせて着用した場合の二重マスクの装着状態を拡大して示す側面図である。
【
図9】本発明の実施形態4である重ね装着用マスクを一般の立体型ウレタンマスクの内側に重ね合わせて着用した場合の二重マスクの装着状態を拡大して示す側面図である。
【
図10】従来の二重マスクである一般のマスク2枚を重ね合わせて着用した場合の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
【0042】
本発明に係る重ね装着用マスクが
図1~
図4に示されており、この重ね装着用マスク1は、具体的には、一般のマスク10と重ね合わせて、いわゆる二重マスクとして専用に着用するマスクであって、図示の実施形態においては、
図1~
図3に示すように、着用に際して、一般市販のマスク10の上につまり外側に上記重ね装着用マスク1を重ね合わせて着用している。
【0043】
上記一般のマスク10は、いわゆるプリーツ型不織布マスクであって、構成素材が不織布製シートであり、このシートに折り目(プリーツ)が付けられたプリーツ型とされており、この折り目を開いて形を整えることで着用者Aの顔Bの輪郭に沿った着用が可能な構成とされている。
【0044】
この不織布マスク10は、一般のマスクに共通する基本構成を備え、着用者Aの口および鼻を覆うマスク本体部11と、このマスク本体部11の両側から側方へ延びてマスク着用者Aの両耳C、Cに掛合する一対の耳掛け部12、12とからなる。耳掛け部12は、その両端12a、12aが上記マスク本体部11の端縁部11aの上下位置に接着剤等により接続固定されて、リング状に形成されたゴム紐の形態とされている。
【0045】
本発明の重ね装着用マスク1は、その構成素材として、不織布製シートまたはウレタン製シートが好適に採用され、図示の実施形態においては、肌荒れ防止効果およびデザイン性に優れるウレタン製シートが使用されたウレタンマスクの形態とされている。
【0046】
上記重ね装着用マスク1の具体的構成が
図4に示されており、この重ね装着用マスク1は、マスク本体部2および左右一対の係合装着部3,3を備えてなる。
【0047】
図示の実施形態の重ね装着用マスク1は、
図4(b)に示すような輪郭形状を有する構成素材シートである2枚のウレタン製シート5、5を、略円弧状の連結端縁5a、5aに沿って縫合糸により縫合または熱溶着により接合することで形成されている。これにより、一方のウレタン製シート5により、着用者の顔Bの右側面を覆う部位である、マスク本体部2の右側部分と右側の係合装着部3が連続して形成されるとともに、他方のウレタン製シート5により、着用者の顔Bの左側面を覆う部位である、マスク本体部2の左側部分と左側の係合装着部3が連続して形成され、上記連結端縁5a、5aを境界として二分される左右対称形状とされている。
【0048】
重ね装着用マスク1は、マスク使用時つまり二重マスク着用時には、
図4(a)に示すように、マスク本体部2の右側部分と左側部分が互いに湾曲状に開放された立体状態とされ、一方、マスク不使用時またはマスク収納時には、
図4(b)に示すように、上記連結端縁5a、5aを境界として二つ折りにされて、マスク本体部2の右側部分と左側部分が互いに平坦に当接した折り畳み状態とされる。
【0049】
マスク本体部2は、着用者Aの口および鼻を覆うもので、装着時に着用者Aの顔Bの輪郭に沿った着用が可能な形状構成とされている。
【0050】
図示の実施形態のマスク本体部2は、装着時に着用者Aの顔Bの輪郭に沿った立体状とされる立体マスクの形態とされ、具体的には、
図1~
図3に示すように、着用者Aの口、鼻およびあごを覆う形状寸法とされている。
【0051】
係合装着部3は、上記マスク本体部2の左右両側から側方へ延びて上記一般のマスク10の耳掛け部12、12に係合装着されるもので、具体的には、図および
図3に示すように、装着時に着用者Aの耳C近傍まで延びる幅広帯状の形態とされるとともに、その自由端部3aに一般のマスク10の耳掛け部12に挿通係合する挿通係合部6が設けられている。この着用者Aの耳Cの近傍位置に設けられた挿通係合部6が上記耳掛け部12に挿通係合することにより、係合装着部3は、重ね装着用マスク1を一般のマスク10に一体的に重ね合わせ装着する機能を有する。
【0052】
図示の実施形態の係合装着部3は、上記マスク本体部2の端縁部2aの上下縁から連続して後方へ延びる幅広帯状の外周輪郭を有しており、具体的には、合装着部3の上下幅W
3は、
図3に示すように、一般のマスク10の耳掛け部12の上下幅W
12よりも広く設定されるとともに、
図4(b)に示すように、上記マスク本体部2の端縁部2aの上下縁から後方へ行くにしたがって、徐々に連続して狭くなるように設定されている。これにより、係合装着部3は、後述するように、一般のマスク10では隙間が空きやすいとされているマスク本体部11の端部の隙間を有効に閉塞する機能を有する。
【0053】
なお、上記マスク本体部2の端縁部2aは、
図3に示すように、一般のマスク10のマスク本体部11の端縁部11aに対応する箇所に設定されている。
【0054】
上記係合装着部3の挿通係合部6は、上記係合装着部3の係合装着機能を有効に発揮する構造とされている。具体的には、挿通係合部6は、上下方向へ延びる長孔の形態とされており、図示の実施形態においては上下方向へ直線状に延びる長孔とされている。
【0055】
上記長孔6の開口幅W6は、一般のマスク10の耳掛け部12が挿通し得る大きさに設定されるとともに、上下方向長さL6は、上記一般のマスク10の耳掛け部12の上下幅W12に対応した大きさ、より具体的には、上記耳掛け部12が掛合装着される着用者Aの耳Cの掛合部分の上下幅(掛合上下幅)WCに対応した大きさに設定されている。ちなみに、この掛合部分の上下幅WC(掛合上下幅)は、各種サイズの異なる一般のマスク10の耳掛け部12の開口幅W12の相違に関わらず、ほとんど同一の寸法となる。
【0056】
このような挿通係合部6の形状寸法とされることにより、各種サイズの異なる一般のマスク10の耳掛け部12の上下幅W12の相違に関わらず、重ね装着用マスク1の挿通係合部6と一般のマスク10の耳掛け部12との挿通係合状態が安定して確保され、また、上記挿通係合部6に対して耳掛け部12を挿通する際にも、挿通係合部6を幅広方向に拡開することで、挿通動作が円滑かつ容易に行える。
【0057】
そして、
図3を参照して、係合装着部3が一般のマスク10の耳掛け部12に係合装着された状態において、上記耳掛け部12が係合装着部3の挿通係合部6に内側から外側へ挿通されて位置決め係合される。具体的には、予め重ね装着用マスク1と一般のマスク10を二重マスク1,10として着用者Aの顔Bに着用した状態において、重ね装着用マスク1の左右両係合装着部3、3の自由端部3a、3aを両手の手指で掴んで後側つまり耳Cの方向へ引っ張り、重ね装着用マスク1のマスク本体2にたるみのない程度にすることで、上記耳掛け部12に対して挿通係合部6が位置決め係合される。
【0058】
この耳掛け部12に対する挿通係合部6の位置決め係合状態においては、係合装着部3における挿通係合部つまり長孔6の前側内表面と後側外表面が上記耳掛け部12に密接した摩擦係合状態となり、これにより、重ね装着用マスク1の係合装着部3が着用者Aの顔Bのほほに密着状にまたはほぼ密着状にフィット(以下、単に「密着フィット」と称する。)するとともに、重ね装着用マスク1のマスク本体部2も内側の一般のマスク10のマスク本体部11に押し付けられて一体化する結果、マスク本体部11の内面が着用者Aの顔Bに、口、鼻、ほほおよびあごに隙間のできないように密着フィットすることになる。
【0059】
上記係合装着部3の挿通係合部6は、上記一般のマスク10の耳掛け部12に対する挿通係合状態を選択可能な構成とされている。
【0060】
つまり、上記挿通係合部6は、本実施形態のように、上記耳掛け部12が挿通係合部6に対して内側から外側へ挿通されて位置決め係合される状態と、後述する実施形態2のように、上記耳掛け部12が挿通係合部6に対して外側から内側へ挿通されて位置決め係合される状態を適宜選択することができ、これにより、上記マスク本体部2は、上記一般のマスク10の外側および内側のいずれかに選択的に重ね合わせることが可能な構造とされている。
【0061】
本実施形態においては、重ね装着用マスク1が一般のマスク10の外側に重ね合わせ配置されることにより、一般のマスク10の問題点を有効に解消することができる。
【0062】
具体的には、上記一般のマスク10が不織布マスクということで、デザイン性に乏しくおしゃれ目的での使用に適さないとされているところ、本実施形態の重ね着用マスク1がデザイン性に富むウレタンマスクであることから、マスク表面、具体的には、上記マスク本体部2の外側表面2aおよび係合装着部3の外側表面3aの少なくとも一方の外側表面に任意の装飾用のデザインを施すことにより(具体的なデザインは図示省略)、一般の不織布マスク10の外側に重ね合わせることで、本発明本来の目的である二重マスク用途に加えて、おしゃれ目的での着用も可能となる。
【0063】
ちなみに、重ね装着用マスク1は、その構成素材がウレタン製シートで、着用者Aが女性であれば顔Bに施したファンデーションが重ね装着用マスク1に付着してしまう可能性が高いので、本実施形態のように重ね装着用マスク1を一般のマスク10の外側に重ね合わせる方が良い。
【0064】
また、具体的には図示しないが、上記係合装着部3の挿通係合部6は、表裏両側または表裏の一方に補強シートを貼設することにより、上記一般のマスク10の耳掛け部12、12に対する挿通係合状態を補強する補強構造を備えることも可能である。このような構造とすることにより、後述する二重マスク1,10着用動作時において、上記係合装着部3の自由端部3aを手指で掴んで後側つまり耳Cの方向へ引っ張る際の挿通係合部6部分の強度を保護強化することができる。
【0065】
しかして、以上のように構成された重ね装着用マスク1を、一般のマスク10と重ね合わせて二重マスクとして着用するに際しては、まず、一般のマスク10の外側に重ね装着用マスク1を重ね合わせて仮一体化させる。この場合、一般のマスク10の左右の耳掛け部12、12を上記重ね装着用マスク1の左右の長孔6,6のそれぞれ内側から挿通させながら、一般のマスク10のマスク本体部11の外側に重ね装着用マスク1のマスク本体部2を重ね合わせる。
【0066】
続いて、この仮一体化した二重マスク1,10の内側のマスク本体部11で着用者Aの顔B表面を覆いながら、上記耳掛け部12、12を着用者Aの耳Cに掛ける。
【0067】
最後に、二重マスク1,10を着用者Aの顔Bに着用した状態で、重ね装着用マスク1の係合装着部3、3の自由端部3a、3aを両手の手指で掴んで後側つまり耳Cの方向へ引っ張りながら、一般のマスク10のマスク本体部11の外側に重ね装着用マスク1のマスク本体部2を密着フィットさせる。
【0068】
以上の着用動作により、二重マスク1,10は着用者Aの顔Bに隙間なく密着フィットして装着される。具体的には、重ね装着用マスク1と一般のマスク10の重ね合わせ一体化により、重ね装着用マスク1のマスク本体部2が一般のマスク10のマスク本体部11全体を顔B表面に押し付けるように作用する結果、内側の上記マスク本体部11が着用者Aの顔Bの口、鼻およびあごに隙間なくフィットして、二重マスクとしての感染予防効果を有効に発揮する。
【0069】
また、この重ね装着用マスク1と一般のマスク10の重ね合わせ一体化による二重マスクの着用状態は、常態においては特に変化することなく安定して保持される。
【0070】
さらに、何らか3の原因で、重ね装着用マスク1のマスク本体部2と一般のマスク10のマスク本体部11の密着フィット状態が緩んで二重マスク1、10にだぶつき等が生じても、上述したように、重ね装着用マスク1の係合装着部3の自由端部3aを手指で掴んで後側へ引っ張り調整することにより、上記マスク本体部2とマスク本体部11の密着フィット状態が容易に復活して、有効な二重マスク1、10状態が得られる。
【0071】
以上詳述したように、本実施形態の重ね装着用マスク1によれば、以下に列挙するような優れた効果を奏する。
【0072】
(a)本実施形態の重ね装着用マスク1は、着用に際して一般のマスク10との重ね合わせによる二重マスクの形態をとり、マスク本体部2が、装着時に着用者Aの顔Bの輪郭に沿った着用が可能な立体マスクの形態とされるとともに、このマスク本体部2の両側から側方へ延びる一対の係合装着部3、3が上記一般のマスク10の耳掛け部12、12に挿通係合する構造を備えることにより、一般のマスク10との装着一体化を実現するとともに、この一体化による付随的効果として、二重マスク1,10を着用者Aの顔Bの表面つまり鼻、ほほおよびあごに隙間ができないようにぴったり(顔Bにフィット)と装着することができ、新型コロナウィルス感染リスクを著しく低下させるという二重マスクの特性を有効に発揮することができる。
【0073】
(b)上記マスク本体部2の両側から側方へ延びる一対の係合装着部3,3が上記一般のマスク10の耳掛け部12、12に挿通係合することにより、一般のマスク10との一体装着を実現して、二重マスクでありながら1枚マスクと同等の快適な装着感を得ることができる。
【0074】
換言すれば、一般のマスク2枚の重ね合わせによる二重マスクでは、
図10に示すように、2枚の一般のマスクa、bの耳掛け部c、dが耳Cに掛かるため、耳Cに対する掛合負担が一般のマスク1枚の場合に比較して倍増するのに対して、本実施形態の重ね装着用マスク1によれば、一対の係合装着部3,3が一般のマスク10の耳掛け部12、12にそれぞれ挿通係合することで一体化するため、着用者Aの耳Cに対する負担は、一般のマスク10の耳掛け部12による掛合負担のみであり、あたかも一般のマスク1枚を着用する場合と同等の装着感を得ることができる。
【0075】
(c)しかも、上記一対の係合装着部3、3が上記一般のマスク10の耳掛け部12、12に挿通係合して、一般のマスク10との一体化が実現することにより、
図10に示す2枚の一般のマスクa、bの重ね着用による二重マスクに比較して、顔B周りがごちゃごちゃと嵩張ることなくスッキリして、見栄えも良く、この点でも、1枚マスクと同等の快適な装着感を得ることができる。
【0076】
(d)さらに、上記係合装着部3の挿通係合部6の上記一般のマスク10の耳掛け部12に対する挿通係合状態を選択することで、上記マスク本体部2が、上記一般のマスク10の外側および内側のいずれかに重ね合わせ可能な構造とされていることにより、本実施形態においては、重ね合わせ着用する一般のマスク10の問題点を適宜解消することができる。
【0077】
本実施形態においては、重ね装着用マスク1が一般のマスク10の外側に重ね合わせ配置されることを利用して、おしゃれ目的での使用に適さないとされている上記一般の不織布マスク10の問題点を解消することができる。
【0078】
すなわち、実施形態の重ね装着用マスク1がデザイン性に富むウレタンマスクであることから、マスクの外側表面に任意の装飾用のデザインを施すことにより、不織布マスク10の外側に重ね合わせることで、重ね装着用マスク1の本来の目的である二重マスク用途に加えて、おしゃれ目的での着用も可能となる。
【0079】
実施形態2
本実施形態の重ね装着用マスクが
図5~
図7に示されており、二重マスクの重ね構成が実施形態1の場合と逆構成とされている。
【0080】
すなわち、本実施形態の重ね装着用マスク1は、図示されるように、着用に際して、一般市販のマスク10の下につまり内側に重ね合わせて着用する構成とされており、重ね装着用マスク1および一般のマスク10の具体的構成は実施形態1のものと同様である。
【0081】
本実施形態においては、
図7を参照して、係合装着部3が一般のマスク10の耳掛け部12に係合装着された状態において、上記耳掛け部12が係合装着部3の挿通係合部6に外側から内側へ挿通されて位置決め係合される。具体的には、予め一般のマスク10と重ね装着用マスク1を二重マスク10、1として着用者Aの顔Bに着用した状態において、重ね装着用マスク1の係合装着部3の自由端部3aを手指で掴んで後側つまり耳Cの方向へ引っ張り、重ね装着用マスク1のマスク本体2にたるみのない程度にすることで、上記耳掛け部12に対して挿通係合部6が位置決め係合される。
【0082】
この耳掛け部12に対する挿通係合部6の位置決め係合状態においては、係合装着部3における挿通係合部6の前側外面と後側内面が上記耳掛け部12に密接した摩擦係合状態となり、これにより、重ね装着用マスク1の係合装着部3が着用者Aの顔Bのほほに密着フィットするとともに、外側の一般のマスク10のマスク本体部11も重ね装着用マスク1のマスク本体部2に押し付けられて一体化する結果、マスク本体部2の内面が着用者Aの顔Bに、口、鼻、ほほおよびあごに隙間のできないように密着フィットすることになる。
【0083】
上記係合装着部3の挿通係合部6は、実施形態1において述べたように一般のマスク10の耳掛け部12に対する挿通係合状態を選択することで、上記マスク本体部2は、上記一般のマスク10の外側および内側のいずれかに選択的に重ね合わせることが可能な構造とされている。
【0084】
本実施形態においては、重ね装着用マスク1が一般のマスク10の内側に重ね合わせ配置されることを利用して、重ね合わせ着用する一般のマスク10の問題点を有効に解消することができる。
【0085】
具体的には、上記一般のマスク10が不織布マスクということで、着用者Aによっては、直接着用者の肌に触れることで、着用者Aによっては肌荒れを起こす危険があるところ、本実施形態の重ね着用マスク1が肌に優しい構成素材からなるウレタンマスクであることから、上記一般の不織布マスク10の内側に重ね合わせることにより、着用者の肌荒れ防止効果を有効に発揮させることができる。
【0086】
しかして、以上のように構成された重ね装着用マスク1は、一般のマスク10と重ね合わせて二重マスクとして着用する場合の手順は、重ね装着用マスク1と一般のマスク10の重ね配置構成が逆であることを除いて、前述した実施形態1の場合と同様であり、この着用状態において、二重マスク10,1は着用者Aの顔Bに隙間なく密着フィットして装着される。具体的には、一般のマスク10と重ね装着用マスク1の重ね合わせ一体化により、一般のマスク10のマスク本体部11が重ね装着用マスク1のマスク本体部2全体を顔B表面に押し付けるように作用する結果、内側の上記マスク本体部2が着用者Aの顔Bの口、鼻およびあごに隙間なくフィットして、二重マスクとしての感染予防効果を有効に発揮する。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0087】
実施形態3
本実施形態の重ね装着用マスクが
図8に示されている。
本実施系他の重ね装着用マスク1は、実施形態1と同様に、着用に際して、一般市販のマスク20の上につまり外側に本発明に係る重ね装着用マスク1を重ね合わせて着用している。
【0088】
上記一般のマスク20は、いわゆる立体型ウレタンマスクであって、構成素材がウレタン製シートであり、着用者Aの顔Bの輪郭に沿った立体状に形成されて、着用者Aの顔Bの輪郭に沿った着用が可能な構成とされている。
【0089】
このウレタンマスク20は、一般のマスクに共通する基本構成を備え、着用者Aの口および鼻を覆うマスク本体部21と、このマスク本体部21の両側から側方へ延びてマスク着用者Aの両耳C、Cに掛合する一対の耳掛け部22、22とからなる。耳掛け部22は、マスク本体部21と一体構造とされ、マスク本体21を構成するウレタン製シートの一部から形成され、開口22aを有するリング状に形成されている。
【0090】
本実施形態の重ね装着用マスク1は、その構成素材が感染防止効果に優れる不織布製シートが使用された不織布マスクの形態とされており、この構成素材の違いを除いて、具体的構造は実施形態1と同様である。
【0091】
しかして、以上のように構成された重ね装着用マスク1は、一般のマスク20と重ね合わせて二重マスクとして着用する場合の手順は、前述した実施形態1の場合と同様であり、この着用状態において、二重マスク1,20は着用者Aの顔Bに隙間なく密着フィットして装着される。具体的には、重ね装着用マスク1と一般のマスク20の重ね合わせ一体化により、重ね装着用マスク1のマスク本体部2が一般のマスク20のマスク本体部21全体を顔B表面に押し付けるように作用する結果、内側の上記マスク本体部21が着用者Aの顔Bの口、鼻およびあごに隙間なくフィットして、二重マスクとしての感染予防効果を有効にかつ安定して発揮する。
【0092】
この場合、重ね装着用マスク1は、着用者Aによっては、直接着用者の肌に触れることで、肌荒れを起こす可能性もある不織布マスクの形態であるところ、重ね合わせ着用する内側の一般のマスク20がウレタンマスクであることから、着用者が肌荒れを起こすことはない。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0093】
実施形態4
本実施形態の二重マスクが
図9に示されており、二重マスクの重ね構成が実施形態3の場合と逆構成とされている。
【0094】
、以上のように構成された重ね装着用マスク1は、一般のマスク20と重ね合わせて二重マスクとして着用する場合の手順は、前述した実施形態2の場合と同様であり、この着用状態において、二重マスク20,1は着用者Aの顔Bに隙間なく密着フィットして装着される。具体的には、一般のマスク20と重ね装着用マスク1の重ね合わせ一体化により、一般のマスク20のマスク本体部21が重ね装着用マスク1のマスク本体部2全体を顔B表面に押し付けるように作用する結果、内側の上記マスク本体部2が着用者Aの顔Bの口、鼻およびあごに隙間なくフィットして、二重マスクとしての感染予防効果を有効に発揮する。
その他の構成および作用は実施形態2と同様である。
【0095】
なお、上述した実施形態1~4は、あくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能であり、例えば以下のような改変が可能である。
【0096】
(1)例えば、重ね装着用マスク1が、実施形態1および2では、構成素材をウレタン製シートとするウレタンマスクの形態とされ、これと一般のプリーツ型不織布マスク10との重ね合わせ、また、実施形態3および4では、構成素材を不織布製シートとする不織布マスクの形態とされ、これと立体型ウレタンマスク20との重ね合わせとされているが、このような本発明の重ね装着用マスク1と一般のマスクとの重ね合わせ構成は、マスクの素材自体の持つ感染防止機能(飛沫抑制機能)よりも、マスクの顔Bへの適切な着用による密着性が得られる限り、図示の実施形態1~4に限定されることなく、状況に応じて適宜変更可能である。
【0097】
(2)重ね装着用マスク1の輪郭形状および寸法も、図示の実施形態に限定されることなく、同様の機能を有する限り種々設計変更可能であり、また大人用サイズ、子供用サイズなどの具体的な形状寸法も適宜設定可能である。
【0098】
(3)また、図示の実施形態1~4の重ね装着用マスク1のマスク本体部2は、いずれも装着時に着用者Aの顔Bの輪郭に沿った立体状とされる立体マスクの形態とされているが、本発明はこれに限定されることなく、装着時に着用者Aの顔Bの輪郭に沿った着用が可能な形状構成であれば、マスク構成シートに折り目が付けられたプリーツ型マスクにも適用可能である。
【0099】
(4)また、重ね装着用マスク1における係合装着部3の具体的構成は、図示の実施形態1~4に限定されることなく、同様の機能、つまり一般のマスク10または20に一体的に重ね合わせ装着する機能を有する限り適宜設計変更可能である。
【符号の説明】
【0100】
A 着用者
B 着用者の顔
C 着用者の耳
1 重ね装着用マスク
2 重ね装着用マスクのマスク本体部
3 重ね装着用マスクの係合装着部
3a 係合装着部の自由端部
5 ウレタン製シート
6 挿通係合部
10 一般のマスク
11 一般のマスクのマスク本体部
12 一般のマスクの耳掛け部
20 一般のマスク
21 一般のマスクのマスク本体部
22 一般のマスクの耳掛け部
W3 係合装着部の上下幅
W6 長孔(挿通係合部)の開口幅
L6 長孔(挿通係合部)の上下方向長さ
W12 一般のマスクの耳掛け部の上下幅
WC 耳における一般のマスクの耳掛け部分の掛合上下幅