(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038878
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】フレコンと粉粒体の移送充填装置
(51)【国際特許分類】
B65G 67/04 20060101AFI20230310BHJP
B65G 19/14 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
B65G67/04
B65G19/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021166488
(22)【出願日】2021-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】307016283
【氏名又は名称】ユーグロップ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503192723
【氏名又は名称】東洋埠頭株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宇野 耕二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 政夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 一岳
(72)【発明者】
【氏名】島 慎治
【テーマコード(参考)】
3F013
3F076
【Fターム(参考)】
3F013BA01
3F013BB02
3F013BB13
3F013BC05
3F013BD05
3F076AA08
3F076CA01
3F076CA07
3F076DB09
3F076GA01
(57)【要約】
【課題】フレコンと粉粒体の移送において、粉塵飛散、人体への悪影響なくスムースに輸送できるようにすること。
【解決手段】建屋に内に区画されたチャンバー3(
図1)、当該チャンバー3(
図1)に排気ダクト7(
図1)を連結し、該ダクト7(
図1)を外部の集塵機10(
図1)に接続し、該チャンバー3(
図1)の内部を負圧に構成し、外部への粉体流出なく、輸送、処理できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建屋1内に区画されたチャンバー3を設け、該チャンバー3には開閉扉4を設け、当該チャンバー3に排気ダクト7を連結し、該ダクト7を外部の集塵機10に接続し、該チャンバー3の内部を負圧に構成し、ホイスト2に吊り下げられたフレコン5吊り下げて移動自在とし、前記チャンバー3内の作業場所に移動し、当該場所において当該フレコン5を開封して粉粒体を落下放出し、該作業場所に揚上装置6の投入口を臨ませ、前記粉体を上方に搬送し、運搬車Tに積み込むように構成し、放出済のフレコン5はコンテナ11に収容して纏めて搬出するように構成した、ことを特徴とするフレコンの粉粒体の移送装置。
【請求項2】
前記揚上装置6は、多数の円板6Aを所定間隔で索状体6Bに連結し、索状体6Bを駆動して移動させることで円板6Aとエアーと共に粉粒体を移動させるように構成してある請求項1に記載のフレコンの粉粒体の移送装置。
【請求項3】
前記チャンバー3に開閉扉4が開閉自在に設けられ、フレコン5の搬入後は閉鎖され、外部への流出の無い状態で粉体処理が行い得るように構成されている請求項1又は2に記載のフレコンと粉粒体の移送装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体、例えば、カーボンブラック等の粉粒体の移送、充填に関するものであり、更に詳しくは、フレコンに充填された粉粒体を運搬車両に移動させるのに必要な装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーボンブラック等の粉粒体の移送には、容器としては、一般に布製、化繊製等のフレコンが使用されている。輸送車両などで出移送されたフレコンは、建屋等の所定の場所に仮設置され、そこで、特殊車両などへ積み替えられるべく、仮置きされる。
こうした仮置き場から、積み替え作業場所へは、フレコンを、ホイスト等のクレーンで吊り下げ、軌道に沿って移動させ、その積み替え作業位置で下方を開放して放出することになる。放出した粉粒体は、特殊な揚上装置によって、所定の位置に搬送され、その後、所定の搬送車に移し替えられる。
【特許文献1】特開2018-131260
【特許文献1】特開2013-143972
従来技術においては、その積み替え作業位置で下方に放出された粉粒体は、微細粒子故に飛散し、周囲環境の汚染に悪影響を及ぼすことになり、人体、周囲環境に対する対策を講じなければならないという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明は、フレコンからの移し替えに起因する粉粒体飛散の問題を解消し、スムースで且つ人体及び環境汚染のない移し替えを行い得るようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、建屋の積み替え作業場所に、負圧状態に設定のチャンバーを設け、該チャンバーに吸引ダクトを接続し、該ダクトを集塵機に接続し、該チャンバーから外部への粉粒体流出を防止し、空になったフレコンを回収して溜め置き一括回収させるようにした。そして、フレコンから流出した粉粒体は、吸引ダクトから集塵機に収集され、回収される。
また、前記チャンバーに放出された粉粒体は、上述したごとく、揚上装置によって、所定の位置に搬送され、輸送搬送車に移し替えることになる。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、フレコンの粉粒体移送において、フレコンの粉粒体を周囲に拡散させることなく、移送できることになり、周囲環境の汚染や人体への悪影響を未然に回避することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明にかかるフレコンの輸送装置の概略フローチャートであり、左方は建屋の側面図、右方は、側面視であり、一部展開した状態(角度を変えた)で示す。
【
図2】本発明にかかるフレコンの輸送装置の建屋の運搬車に対する充填を示す側面図である。
【
図3】本発明にかかるフレコンの輸送装置の
図2の側面図の他側面である。
【
図4】本発明にかかるフレコンの輸送装置の建屋1の側面図である。
【
図5】本発明にかかるフレコンの輸送装置のフレコン放出位置の建屋の平面側で運搬車も示す平面図である。
【
図6】本発明にかかるフレコンの輸送装置の揚上装置の作動状態を説明する概略図である。
【
図7】本発明にかかるフレコンの輸送装置のホイスト架設を軌道と共に示す要部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に示すように、建屋1のフレコン5載置場所にフォークリフト等で移送して仮置きした場所(実施例では4台のフレコンを設置してある)に対して、天井仮設のホイスト2を移動させて、吊り下げ位置において、人為操作で玉掛けフック作業を行い、フレコン5の建屋内への移動を開始する。ここでは複数のホイスト2が仮設されている。相互の運行の妨げにならないように軌道12(
図7)及びケーブルが設けられている。
【0008】
吊り下げたフレコン5(
図1)は、建屋に向けて移動させ、内部に入ると、作業室であるチャンバー3(
図1)の扉4(
図1)を開き、内部へと進め、フレコン5(
図1)の放出位置にまで移動させ、人為操作で開封が行われ、粉粒体(カーボンブラック等)を下方に排出する。
排出が終了すると、空容器は更に進行され、収容コンテナ11(
図1)に移動され、ここで順次集められ、収集されて溜められる。その後は、定期的に回収車が搬出することになる。
【0009】
開封放出された粉粒体は、その場所に設置された揚上装置6(
図1及び
図6)によって、上方に輸送される。
この開封場所は、チャンバー3(
図1)内で行われるのであるが、このチャンバー3(
図1)は、通常、減圧室とされている。即ち、チャンバー3(
図1)には、ダクト7(
図1)が接続され、このダクト7(
図1)は、外部の集塵機10(
図1)に接続され、吸引がなされている。集塵機10(
図1)で回収された粉粒体は、回収袋にて回収され、次工程に回される。
【0010】
前記揚上装置6は、
図6に示すように構成(傾斜搬送方式で示す)されており、円盤状のディスク6Aが、所定間隔で索状体6Bに多数連結され、この索状体6Bが上下に位置するプーリーで駆動回転されてループ状に移動される。ケーシングとディスク6Aとの間には隙間が形成されており、フリー状態で移送され、各ディスク6Aの間の粉粒体を、その間の空気と共に移動されることになる。下部の投入口6Cに投入された粉粒体は、上方の排出口から排出される。排出された粉粒体は、振動ふるい機8(
図2)を介して伸縮集塵充填機9(
図2)に移動され、ここから、運搬車T(
図2)の投入口へ排出されることになる。
【0011】
要するに、本発明は、建屋1(
図4)内のチャンバー3(
図4)に排気ダクト7(
図1)を連結し、該ダクト7(
図1)を外部の集塵機10(
図1)に接続し、該チャンバー3(
図4)の内部を負圧に構成し、ホイスト2(
図4)に吊り下げられたフレコン5(
図4)を吊り下げて移動自在とし、前記チャンバー3(
図4)内の作業場所に移動し、当該場所において当該フレコン5(
図4)を開封して粉粒体を落下放出し、該作業場所に揚上装置6(
図2)の投入口を臨ませ、前記粉粒体を上方に搬送し、運搬車T(
図2)に積み込むように構成し、放出済のフレコン5(
図4)はコンテナ11(
図4)に収容して纏めて搬出するように構成したものである。
【0012】
本発明にかかる集塵機10(
図1)は、ここでは、80m3/minの吸引能力をも持つもので、チャンバー内3(
図1)の負圧は、ブロワーの能力として概ねー3KPaに保たれるように構成されているが、建屋の規模によっては更に大型の集塵機を用いてもよい。要するに、チャンバーは密室構成でなく、建屋の外からエアーの流入を許し、以って、外気と共に粉粒体を吸引して集塵機10(
図1)に集めるようにしている。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、粉粒体移送に関する粉体処理に用いられるもので、種々の態様が考えられるが、粉体処理において、人体、環境に対する悪影響を回避し、適用できるもので、その応用範囲は広い。
【符号の説明】
1: 建屋
2: ホイスト
3: チャンバー
4: 開閉扉
5: フレコン
6: 揚上装置
7: 排気ダクト
8: 振動ふるい機
9: 伸縮集塵充填機
T: 運搬車
10:集塵機
11:コンテナ
12:軌道