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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038902
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】ウェハ移送ボックス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20230310BHJP
   B65D 85/86 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/86 100
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022115538
(22)【出願日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0119074
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515314731
【氏名又は名称】スリー・エス コリア カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】3S Korea Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】#1310, 75-24, GASAN DIGITAL 1-RO, GEUMCHEON-GU, SEOUL 08589, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】キム,サン・ジン
【テーマコード(参考)】
3E096
5F131
【Fターム(参考)】
3E096AA05
3E096BA16
3E096BB04
3E096CA05
3E096DA23
3E096FA03
3E096FA09
3E096FA10
3E096GA01
5F131AA02
5F131CA09
5F131GA03
5F131GA33
5F131GA52
5F131GA83
(57)【要約】
【課題】本発明は、ウェハ移送ボックスに関するものである。
【解決手段】本発明は、下板201と前記下板201の上面に垂直に形成されて弧を描いて壁を形成して内部空間Aにウェハを積層する1つ以上の下部リブ210を含む下部ハウジング200と、上板101と前記上板101の下面に垂直に形成されて弧を描いて壁を形成する上部リブ110を含む上部ハウジング100と、を含み、前記下部リブ210は、内側面に突出部材215を一定間隔で1つ以上含み、前記突出部材215は、前記上部ハウジング100と下部ハウジング200との嵌合時、前記内部空間Aに積層されたウェハを固定することにその特徴がある。
本発明によると、ウェハの移動時に発生する振動や衝撃などを均一且つ最小に保つために、積層されたウェハを固定する固定手段を有するウェハ移送ボックスを提供することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下板201と、前記下板201の上面に垂直に形成され、弧を描いて壁を形成して内部空間Aにウェハを積層する1つ以上の下部リブ210とを含む下部ハウジング200と、
上板101と、前記上板101の下面に垂直に形成されて弧を描いて壁を形成する上部リブ110とを含む上部ハウジング100と、を含み、
前記下部リブ210は、内側面に突出部材215を一定間隔で1つ以上含み、
前記突出部材215は、前記上部ハウジング100と下部ハウジング200との嵌合時、前記内部空間Aに積層されたウェハを固定するウェハ移送ボックス。
【請求項2】
前記下部ハウジング200は、下板201の上面の各角に前記上部ハウジング100との嵌結時、結合して固定するラッチ250を1つ以上含み、
前記上部ハウジング100は、上板101の各角に前記ラッチ250に対応する位置に前記ラッチが結合して固定されるラッチホール150を1つ以上含む請求項1に記載のウェハ移送ボックス。
【請求項3】
前記ラッチ250は、
前記下板201において前記下部リブ210の外側に位置し、
前記下板210の上面に底部を形成する第1のラッチ部材252と、
前記第1のラッチ部材252に垂直方向に前記下部リブ250と対向するように形成される第2のラッチ部材251と、
前記第2のラッチ部材251の内側面に突出する第3のラッチ部材253と、を含み、
前記上部ハウジング100と下部ハウジング200との嵌合時、前記第3のラッチ部材253が前記ラッチホール150に固定して結合される請求項2に記載のウェハ移送ボックス。
【請求項4】
前記下部ハウジング200は、
前記下部リブ210を支持する支持部材220をさらに含み、
前記支持部材220は、前記ラッチ250と下部リブ210との間に配置され、前記下部リブ210の下端部に下部リブ210に沿って弧を描いて形成される請求項3に記載のウェハ移送ボックス。
【請求項5】
前記下部リブ210は、0.5°~3.0°の抜き勾配を有し、
前記突出部材215が結合された部分は、0°の抜き勾配を有する請求項1に記載のウェハ移送ボックス。
【請求項6】
前記下部リブ210は、0.5°~1.0°の抜き勾配を有する請求項5に記載のウェハ移送ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハ移送ボックスに関し、特に、ウェハの移動時に発生する振動や衝撃などを均一且つ最小に保つために、積層されたウェハを固定する固定手段を有するウェハ移送ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウェハ(wafer)は、半導体素子を製造する高精度製品であって、運搬及び保管時には、必ず別途作製された保管容器に収納して粉塵や各種有機物が粘着することがないようにし、外部衝撃からウェハを保護しなければならない。
【0003】
ウェハは、移送ボックスに積層構造で収納され、ウェハ移送ボックスは、積層された複数のウェハを安全に収納する。このとき、ウェハ移送ボックス内に積層されたウェハの移動時に発生する振動や衝撃などを最小化できる手段が必要である。
【0004】
そのために、従来技術として特許文献1が開示されている。この技術は、シリンダ状側壁を有する下部容器と、下部容器のシリンダ状側壁の上端部を収容する円形溝及び下部容器を覆うように下方に延びる容器壁体を有する上部容器とからなる。
【0005】
このようなウェハ保管容器によると、まず、下部容器のシリンダ内径にクッション材を敷き、その上に多数のウェハを積層させる。このとき、ウェハとウェハとの間にはインサート(insert)を挟み込んでウェハ間の直接接触を防止する。そして、ウェハの積層が完了したら、最上層のウェハ上に再びクッション材を覆った後、上部容器で下部容器を覆って密閉させる。その後、最後にテープで下部容器と上部容器を固定する。
【0006】
しかしながら、このような従来のウェハ保管容器は、下部容器と上部容器とをいちいちテープで固定しなければならないという煩わしさがある。また、従来のウェハ保管容器は、多段に積層することができないという欠点がある。すなわち、通常、ウェハが保管された保管容器を保管及び運搬する場合には、前記保管容器を多段に積層して保管したり移送したりする。しかしながら、従来の保管容器は、多段に積層しにくく構成されており、多段に積層する場合、積層された保管容器が倒れて崩れるという欠点がある。
【0007】
また、他の従来技術として、特許文献2には他の方式の保管容器が開示されている。
【0008】
この保管容器は、側面の少なくとも一部位が切り取られて開放されたシリンダ状のウェハ収容室を備えた下部容器と、前記収容室を覆うように前記下部容器と結合する上部容器と、前記上部容器および/または前記下部容器と一体に形成され、前記上部容器と前記下部容器とが互いに結合された状態を維持するように係合によって締結される締結部と、を含み、前記上部容器の上面と前記下部容器の下面は、それぞれの少なくとも一部位が互いに対面するときに形状が合う板面プロファイルを有するように形成されたものである。
【0009】
また、前記締結部は、前記下部容器と前記上部容器のいずれか1つと一体に形成されるフック部を含み、前記下部容器と前記上部容器の他の1つには、前記フック部が挿入されて係止される係止孔が形成されている構成である。
【0010】
しかしながら、このような保管容器も、ウェハが収納される収納室を安全に保護することが難しく、また、ウェハを積層して収納する時に、本体が揺れてウェハが損傷するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第2002-0081929号公報
【特許文献2】韓国登録実用新案第20-0342507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、ウェハの移動時に発生する振動や衝撃などを均一且つ最小に保つために、積層されたウェハを固定する固定手段を有するウェハ移送ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を達成するための、本発明によるウェハ移送ボックスは、下板201と前記下板201の上面に垂直に形成され、弧を描いて壁を形成して内部空間Aにウェハを積層する1つ以上の下部リブ210を含む下部ハウジング200と、上板101と前記上板101の下面に垂直に形成され、弧を描いて壁を形成する上部リブ110を含む上部ハウジング100と、を含み、前記下部リブ210は、内側面に突出部材215を一定間隔で1つ以上を含み、前記突出部材215は、前記上部ハウジング100と下部ハウジング200との嵌合時、前記内部空間Aに積層されたウェハを固定する点にその特徴がある。
【0014】
ここで、特に、前記下部ハウジング200は、下板201の上面の各角に前記上部ハウジング100と嵌合する時、結合して固定するラッチ250を1つ以上含み、前記上部ハウジング100は、上板101の各角に前記ラッチ250に対応する位置に前記ラッチが結合して固定されるラッチホール150を1つ以上含むことにその特徴がある。
【0015】
ここで、特に、前記ラッチ250は、前記下板201において前記下部リブ210の外側に位置し、前記下板210の上面に底部を形成する第1のラッチ部材252と、前記第1のラッチ部材252に垂直方向に前記下部リブ250と対向するように形成される第2のラッチ部材251と、前記第2のラッチ部材251の内側面に突出する第3のラッチ部材253とを含み、前記上部ハウジング100と下部ハウジング200との嵌合時、前記第3のラッチ部材253が前記ラッチホール150に固定結合されることにその特徴がある。
【0016】
ここで、特に、前記下部ハウジング200は、前記下部リブ210を支持する支持部材220をさらに含み、前記支持部材220は、前記ラッチ250と下部リブ210との間に配置され、前記下部リブ210の下端部に下部リブ210に沿って弧を描いて形成して前記下部リブ210を固定して支持することにその特徴がある。
【0017】
ここで、特に、前記下部リブ210は、0.5°~3.0°の抜き勾配を有し、前記突出部材215が結合された部分は、0°の抜き勾配を有することにその特徴がある。
【0018】
ここで、特に、前記下部リブ210は、0.5°~1.0°の抜き勾配を有することにその特徴がある。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、ウェハの移動時に発生する振動や衝撃などを均一且つ最小に保つために、積層されたウェハを固定する固定手段を有するウェハ移送ボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例によるウェハ移送ボックスの全体構成を概略的に示す図である。
図2図1の一部切断面を示す図である。
図3】下部ハウジングの構成を示す図である。
図4図3の一部切断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の望ましい実施例を添付の図面に基づいて詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
【0022】
図1は、本発明の一実施例によるウェハ移送ボックスの全体構成を概略的に示す図である。
図2は、図1の一部切断面を示す図である。
図3は、下部ハウジングの構成を示す図である。
図4は、図3の一部切断面を示す図である。
【0023】
図1図4を参照すると、本発明によるウェハ移送ボックスは、上部ハウジング100及び下部ハウジング200を含み、その内部にウェハを積層して保管する。
【0024】
前記上部ハウジング100は、上板101と、前記上板101の下面に垂直に形成されて弧を描いて壁を形成する上部リブ110とを含む。
【0025】
前記上部ハウジング100は、360°の弧を有し、1つで形成される。しかしながら、下部ハウジング200のように複数で形成することができ、その個数に制限はない。
【0026】
前記下部ハウジング200は、下板201と、前記下板201の上面に垂直に形成され、弧を描いて壁を形成して内部空間Aにウェハを積層する1つ以上の下部リブ210とを含む。前記下部リブ210は、図1図4に示すように2つで形成することができるが、その個数に制限はない。
【0027】
前記上部ハウジング100と下部ハウジング200とを嵌結してその内部にウェハを積層して保管し、前記上部リブ110と下部リブ210は同じ縦の長さを有し、前記上部ハウジング100と下部ハウジング200との嵌合時、前記上部リブ110は、前記下部リブ210の外側に配置されるように嵌合される。
【0028】
前記下部ハウジング200は、下板201の上面の各角に前記上部ハウジング100との嵌合時、結合して固定するラッチ250を1つ以上含み、前記上部ハウジング100は、上板101の各角に前記ラッチ250に対応する位置に前記ラッチが結合して固定されるラッチホール150を1つ以上含むことができる。
【0029】
前記ラッチ250とラッチホール150とは、互いに結合され、同じ個数で形成されることが望ましい。
【0030】
前記ラッチ250は、前記下板201において前記下部リブ210の外側に位置し、前記下板201の上面に底部を形成する第1のラッチ部材252、前記第1のラッチ部材252に垂直方向に前記下部リブ210と対向するように形成される第2のラッチ部材251と、前記第2のラッチ部材251の内側面に突出する第3のラッチ部材253と、を含むことができる。前記上部ハウジング100と下部ハウジング200との嵌合時、前記第3のラッチ部材253が前記ラッチホール150に固定結合される。
【0031】
前記下部ハウジング200は、前記下部リブ210を支持する支持部材220をさらに含むことができる。
【0032】
前記支持部材220は、前記ラッチ250と下部リブ210との間に配置され、前記下部リブ210の下端部に前記下部リブ210に沿って弧を描いて形成することができる。
【0033】
一実施例として、前記支持部材220は、90°未満の弧を有して形成することができる。前記支持部材220は1つ以上配置することができる。
【0034】
前記下部リブ210と前記支持部材220とは一定間隔で離隔されており、前記上部ハウジング100と下部ハウジング200との嵌結時、前記上部リブ110が前記下部リブ210と前記支持部材220との間に嵌め込み結合されて内部空間Aに積層されたウェハを支持して固定することができる。
【0035】
一実施例として、前記支持部材220の高さは、前記下部リブ210よりも低く形成することができる。
【0036】
前記上部ハウジング100は、前記上部リブ110の外側面に形成される固定部材115をさらに含むことができる。
【0037】
前記固定部材115は、前記上部リブ110の外側面に2つのラッチホール150の間に位置され、前記上部ハウジング100と下部ハウジング200との嵌合時、2つの支持部材220の間に嵌め込み結合されて内部空間Aに積層されたウェハをさらにしっかりと固定することができる。
【0038】
前記下部リブ210は、内側に突出部材215を一定間隔で1つ以上含むことができる。
【0039】
前記突出部材215は、前記上部ハウジング100と下部ハウジング200との嵌結時、前記内部空間Aに積層されたウェハを固定することができる。
【0040】
より具体的に、図4に示すように、前記突出部材215を構成することができる。前記突出部材215は、前記下部リブ210の内側面に内側に突出するように形成され、前記突出部材215が形成された部分は、抜き勾配を0°に形成することが望ましい。
【0041】
下部リブ210は、0.5°~3.0°の抜き勾配を有する。より望ましくは、0.5°~1.0°の抜き勾配を有することがよい。前記下部リブ210が抜き勾配を有するため、内部空間Aにウェハの積層時、上部に行くほどウェハと下部リブ210との間に空間が生じ、ウェハの移送時、積層されたウェハが揺れる恐れがある。これに、突出部材215が下部リブ210に結合され、突出部材215が結合される部分は無勾配(抜き勾配0°)を形成することにより、積層されたウェハの上部まで空間がなく積層され、移送時における安全性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0042】
100 上部ハウジング
101 上板
110 上部リブ
115 固定部材
150 ラッチホール
200 下部ハウジング
201 下板
210 下部リブ
215 突出部材
220 支持部材
250 ラッチ
251 第2のラッチ部材
252 第1のラッチ部材
253 第3のラッチ部材
図1
図2
図3
図4