(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038911
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/00 20060101AFI20230310BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20230310BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20230310BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
H01F27/00 Q
H01F27/29 123
H01F17/04 A
H01F41/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128075
(22)【出願日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】10-2021-0119003
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 成 權
【テーマコード(参考)】
5E062
5E070
【Fターム(参考)】
5E062FF10
5E070AA01
5E070AB10
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】微細回路パターンを含む基板に実装可能なコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品10Aは、一面101と、それぞれ一面と連結されて互いに対向する側面100A~100Dと、一面と対抗する多面102を含む本体100と、本体内に配置されるコイル部200と、本体の一面に配置されるマーカー300と、本体の一面に配置され、マーカーを覆うコーティング層400と、を有する。コーティング層400は、光透過性樹脂材を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面と、それぞれ前記一面と連結されて互いに対向する一側面及び他側面を含む本体と、
前記本体内に配置されるコイル部と、
前記本体の一面に配置されるマーカーと、
前記本体の一面に配置され、前記マーカーを覆うコーティング層と、を有し、
前記コーティング層は、光透過性樹脂材を含むことを特徴とするコイル部品。
【請求項2】
前記コーティング層は、可視光線波長に対して85%以上95%以下の光透過率を有することを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記マーカー及び前記コーティング層のそれぞれは、前記本体の一面と少なくとも一部が接することを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記マーカーは、前記本体から突出して、
前記マーカーの一面及び前記一面と連結された両側面のそれぞれが前記コーティング層と接することを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記コイル部と連結され、前記本体の一側面及び他側面のそれぞれの少なくとも一部に露出する引出部と、
それぞれ前記本体の一面と対向する他面に、互いに離隔配置された外部電極と、をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記引出部は、前記外部電極と連結される連結部を含むことを特徴とする請求項5に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記外部電極は、前記本体の一側面及び他側面のそれぞれの少なくとも一部に延長され、前記引出部と連結されることを特徴とする請求項5に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記コーティング層は、可視光線波長に対して85%以上95%以下の光透過率を有することを特徴とする請求項7に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記マーカー及び前記コーティング層のそれぞれは、前記本体の一面と少なくとも一部が接することを特徴とする請求項7に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記マーカーは、前記本体から突出して、
前記マーカーの一面及び前記一面と連結された両側面のそれぞれが前記コーティング層と接することを特徴とする請求項7に記載のコイル部品。
【請求項11】
前記外部電極は、上記コーティング層と離隔していることを特徴とする請求項7に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記外部電極は、前記本体の一面に少なくとも一部が延長されることを特徴とする請求項7に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記コーティング層は、前記本体の一面、他面、及び前記一面と他面のそれぞれと連結された4つの側面のそれぞれの少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項12に記載のコイル部品。
【請求項14】
一面に前記コイル部が配置され、前記本体の一側面及び他側面のそれぞれに少なくとも一部が露出する基板をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記コーティング層は、可視光線波長に対して85%以上95%以下の光透過率を有することを特徴とする請求項14に記載のコイル部品。
【請求項16】
前記マーカー及び前記コーティング層のそれぞれは、前記本体の一面と少なくとも一部が接し、
前記マーカーは、前記本体から突出して、前記マーカーの一面及び前記一面と連結された両側面のそれぞれが前記コーティング層と接し、
前記コーティング層は、前記本体の一面、他面、及び前記一面と他面のそれぞれと連結された4つの側面のそれぞれの少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項15に記載のコイル部品。
【請求項17】
前記コイル部は、巻線タイプであり、
前記コーティング層は、可視光線波長に対して85%以上95%以下の光透過率を有することを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項18】
前記マーカーは、前記本体から突出して、前記マーカーの一面及び前記一面と連結された両側面のそれぞれが前記コーティング層と接することを特徴とする請求項17に記載のコイル部品。
【請求項19】
磁性シートが積層されたコイルバーを準備する段階と、
前記磁性シートの一面と少なくとも一部が接するようにマーカーを配置する段階と、
前記マーカーが配置されたコイルバーをルーティング(routing)して第1~第6面を有する本体を準備する段階と、
前記マーカーを覆い、前記本体の第1~第6面を囲み、光透過性樹脂材を含むコーティング層を配置する段階と、を有することを特徴とするコイル部品の製造方法。
【請求項20】
前記コーティング層は、可視光線波長に対して85%以上95%以下の光透過率を有することを特徴とする請求項19に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項21】
前記コーティング層の少なくとも一部を剥離する段階と、
前記コーティング層が剥離した領域に外部電極を配置する段階と、をさらに有することを特徴とする請求項19に記載のコイル部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関し、特に、微細回路パターンを含む基板に実装可能なコイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の一つであるインダクタ(inductor)は、抵抗(resistor)及びキャパシタ(capacitor)とともに電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。
電子機器がますます高性能化し、小型化するにつれて、電子機器に用いられる電子部品は、その数が増加し小型化している。
【0003】
「L」及び下面電極タイプは、内部コイルによって電流が流れると、「Magnetic flux」が生成される。
これにより周辺部品に影響を及ぼすようになるため、「Magnetic flux」の方向を一定に管理しなければならない。
したがって、チップ部品の上端にマーキングを形成して内部のコイル方向を一定にし、マーキング方向に応じて基板に実装することができる。
このとき、マーキングが、部品の最上端に位置して物理的衝撃に脆弱であり、これによりマーキングがぼやけるという問題が発生するため、これを改善するための研究が続けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来のコイル部品における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、微細回路パターンを含む基板に実装可能なコイル部品を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、マークの損傷を防止することができるコイル部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明によるコイル部品は、一面と、それぞれ前記一面と連結されて互いに対向する一側面及び他側面を含む本体と、前記本体内に配置されるコイル部と、前記本体の一面に配置されるマーカーと、前記本体の一面に配置され、前記マーカーを覆うコーティング層と、を有し、前記コーティング層は、光透過性樹脂材を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るコイル部品によれば、コーティング層に高い光透過率を有する樹脂材を用いることにより、マークの読み取りが容易となり、測定やテーピング工程における方向整列なども現行の設備仕様そのまま対応が可能となり、微細回路パターンを含む基板に実装可能なコイル部品を提供でき、マークの損傷を防止することができるコイル部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態によるコイル部品の概略構成を示す斜視図である。
【
図2a】
図1のI-I’線に沿って切断した断面図である。
【
図2b】
図1のII-II’線に沿って切断した断面図である。
【
図3】本発明の他の実施形態によるコイル部品の概略構成を示す斜視図である。
【
図4】本発明の他の実施形態によるコイル部品の概略構成を示す斜視図である。
【
図5】本発明の他の実施形態によるコイル部品の概略構成を示す斜視図である。
【
図6a】本発明の実施形態によるコイル部品の製造方法を概略的に示す斜視図である。
【
図6b】本発明の実施形態によるコイル部品の製造方法を概略的に示す斜視図である。
【
図6c】本発明の実施形態によるコイル部品の製造方法を概略的に示す斜視図である。
【
図6d】本発明の実施形態によるコイル部品の製造方法を概略的に示す斜視図である。
【
図6e】本発明の実施形態によるコイル部品の製造方法を概略的に示す斜視図である。
【
図7a】本発明の他の実施形態によるコイル部品の製造方法を概略的に示す斜視図である。
【
図7b】本発明の他の実施形態によるコイル部品の製造方法を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係るコイル部品を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0010】
図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することがある。
また、添付した図面の構成要素に参照番号を付加する際には、同一の構成要素に限っては、他の図面上に表されていても可能な限り同一の番号を付するようにする。
なお、本発明の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明瞭にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明は、省略する。
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示しているため、本発明は必ずしも示したものに限定されない。
図面において、T方向は第1方向又は厚さ方向、W方向は第2方向又は幅方向、L方向は第1方向又は長さ方向と定義する。
【0011】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施形態によるコイル部品を詳細に説明する。
添付の図面を参照して説明するにあたり、同一又は対応する構成要素については、同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は、省略する。
【0012】
電子機器には様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品の間にはノイズ除去等を目的として様々な種類のコイル部品が適切に用いられる。
すなわち、電子機器においてコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビード(General Bead)、高周波用ビード(GHz Bead)、共通モードフィルタ(Common Mode Filter)等で用いられる。
【0013】
≪コイル部品≫
図1は、本発明の実施形態によるコイル部品の概略構成を示す斜視図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品10Aは、一面101と、それぞれ一面101と連結されて第3方向に互いに対向する一側面及び他側面(100A、100B)を含む本体100、本体100内に配置されるコイル部200、本体100の一面101に配置されたマーカー300、及び本体の一面101に配置されてマーカー300を覆うコーティング層400を含む。
【0014】
このとき、マーカー300は、本体100から突出して、マーカーの一面301及び一面301と連結された両側面(300A、300B)のそれぞれがコーティング層400と少なくとも一部が接するが、これに限定されるものではない。
このとき、コーティング層400は、光透過性樹脂材を含み、可視光線波長に対して85%以上95%以下の光透過率を有する。
また、コーティング層400は、可視光線波長に対して目視で識別可能な光透過率を有するが、これに限定されるものではない。
特に、コーティング層400に埋め込まれたマーカー300を目視で識別可能な範囲内での、コーティング層400の可視光線波長に対する光透過率は、任意の数値を有する。
【0015】
コーティング層400は、エポキシ系、シリカ系、アクリル系樹脂など、熱硬化性樹脂の内の少なくとも一つを含み得るが、これに限定されない。
コーティング層400の光透過率が可視光線波長に対して85%未満の場合、コーティング層400に埋め込まれたマーカー300を目視で識別しにくい可能性があるため、コーティング層400の光透過率を可視光線波長に対して85%以上とするが、これに限定されるものではない。
また、コーティング層400の光透過率が可視光線波長に対して95%を超えると、製造コストが過度に増加する可能性がある。
したがって、コーティング層400の光透過率は、可視光線波長に対して85%以上95%以下であることが好ましい。
【0016】
コーティング層400の光透過率を測定するために、本体100を取り囲むコーティング層400の一部又は全部を抽出することができる。
コーティング層400の光透過率を測定する方法は、公知の技術と同一であるが、これに限定されない。
このとき、コーティング層400の光透過率は、コーティング層400の任意の点を選択して測定する。
より具体的には、コーティング層400の任意の点を選択した後、当該点の光透過率を複数回測定して、その測定値の平均値がコーティング層400の光透過率に該当する。
また、コーティング層400の内の複数の任意の点を選択して複数の任意の点の光透過率を測定した値の平均値が、コーティング層400の光透過率に該当することもできる。
このとき、平均値は、算術平均値(arithmetic average)に該当するが、これに限定されるものではない。
【0017】
このようにコーティング層400に高い光透過率を有する樹脂材を用いることにより、マークの読み取りが容易となり、測定やテーピング工程における方向整列なども現行の設備仕様そのまま対応が可能となる。
また、コーティング層400の材質を透明又は半透明とすることにより、コーティング層400の厚さの選択自由度が上がるが、これに限定されるものではない。
また、コーティング層400が、マーカー300の一面及び両側面(300A、300B、301)のそれぞれを覆ってマーカー300が外部の物理的な衝撃によって破損されることを防止することができる。
【0018】
また、本実施形態によるコイル部品10Aは、本体100内に配置され、コイル部200と連結されて本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれに少なくとも一部が露出する引出部600を含む。
【0019】
また、本実施形態によるコイル部品10Aの本体100は、本体の一面101、本体の一面と第1方向に対向する他面102、一面及び他面とそれぞれ連結される第1~第4側面(100A、100B、100C、100D)を含み、第3方向に対向する本体の一側面及び他側面のそれぞれは、本体の第1及び第2側面(100A、100B)に該当する。
本体100の第1及び第2側面(100A、100B)は、第3方向に互いに対向し、第3及び第4側面(100C、100D)は、第2方向に互いに対向するように配置される。
【0020】
また、コイル部200は、少なくとも一つのターンを有するコイルパターン210と、コイルパターン210を覆う絶縁層220とを含む。
このとき、絶縁層200は、本体100とコイルパターン210との間を絶縁する機能を果たすが、これに限定されるものではない。
【0021】
また、本実施形態によるコイル部品10Aは、本体100内に配置され、一面にコイル部200が配置される基板700をさらに含む。
基板700は、コイル部200を支持する構成であり得るが、これに限定されない。
このとき、コイル部の絶縁層220は、基板700を覆うように延長され得る。
このとき、基板700の上下部のそれぞれにコイル部200が配置し、基板700を貫通して、上下部のそれぞれのコイル部200を連結するビアを含むが、これに限定されない。
また、基板700は、本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれに少なくとも一部が露出するが、これに限定されるものではない。
【0022】
また、本実施形態によるコイル部品10Aは、第3方向に互いに対向する本体100の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれの少なくとも一部に配置される外部電極500をさらに含む。
また、外部電極500は、少なくとも一部が本体の他面102にさらに延長される。
このとき、本体100の一側面及び他側面(100A、100B)の内の少なくとも一部に配置された外部電極500は、引出部600と少なくとも一部が接する。
また、コイル部200を支持する基板700が配置される場合、外部電極500は、本体の一側面及び他側面(100A、100B)の内の少なくとも一部に露出した基板700の少なくとも一部とさらに接する。
【0023】
また、本実施形態によるコイル部品10Aは、一面101、一面と第1方向に対向する本体100の他面102と、第1~第4側面(100A、100B、100C、100D)のそれぞれに、コーティング層400が延長され、コーティング層400は、本体の他面102の内の外部電極500が配置されていない領域にのみ形成される。
【0024】
本体100は、本実施形態によるコイル部品10Aの外観をなし、内部にコイル部200を埋設する。
本体100は、全体的に六面体の形状に形成される。
本体100は、磁性物質と絶縁樹脂とを含む。
具体的には、本体100は、絶縁樹脂及び絶縁樹脂に分散された磁性物質を含む磁性複合シートを一つ以上積層して形成する。
ただし、本体100は、磁性物質が絶縁樹脂に分散された構造以外に他の構造を有してもよい。
例えば、本体100は、フェライトのような磁性物質からなることもできる。
【0025】
磁性物質は、フェライト又は金属磁性粉末であり得る。
フェライト粉末は、例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系等のスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系等の六方晶型フェライト類、Y系等のガーネット型フェライト、及びLi系フェライトの内の少なくとも一つ以上であり得る。
【0026】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択されるいずれか一つ以上を含むことができる。
例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末の内の少なくとも一つ以上であり得る。
【0027】
金属磁性粉末は、非晶質又は結晶質であり得る。
例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であり得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。
フェライト及び金属磁性粉末は、それぞれ平均直径が約0.1μm~30μmであり得るが、これに限定されるものではない。
【0028】
本体100は、絶縁樹脂に分散された2種類以上の磁性物質を含み得る。
ここで、磁性物質が異なる種類というのは、絶縁樹脂に分散された磁性物質が平均直径、組成、結晶性、及び形状の内のいずれか一つで互いに区別されることを意味する。
絶縁樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独又は混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0029】
コイル部200は、本体100に埋設される。
コイル部200から本発明によるコイル部品がその特性を発現する。
例えば、本実施形態のコイル部品がパワーインダクタとして活用される場合、コイル部200は、電場を磁場として保存して出力電圧を保持することにより、電子機器の電源を安定させる役割を果たす。
このとき、コイル部200は、薄膜型コイルに限定されるものではなく、巻線タイプのコイルあるいは積層タイプのコイルに該当し得る。
【0030】
コイル部200、引出部600、及びビアのそれぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成され得るが、これらに限定されるものではない。
【0031】
マーカー300は、本体の一面101と接し、コーティング層400によって覆われる。
このとき、マーカー300は、コーティング層400よりも光透過性の低い材料を含み、これにより、コーティング層400によって覆われた構造において、マーカー300を目視で識別することができる。
マーカー300は、本発明によるコイル部品10の方向性、品名又は製造番号の少なくともいずれか一つを示すことができるが、これに限定されるものではない。
マーカー300は、絶縁性物質を含む。
例えば、マーカー300は、エポキシ及びシリカ系樹脂の内の少なくとも一つを含むが、これに限定されない。
また、マーカー300は、印刷あるいはディッピングなどによって形成され得るが、これに限定されるものではない。
【0032】
基板700は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂、又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、このような絶縁樹脂にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁材料で形成される。
例として、基板700は、銅箔積層板(Copper Clad Laminate:CCL)、Unclad CCL、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)フィルム、PID(Photo Imagable Dielectric)フィルムなどの絶縁材料で形成され得るが、これらに限定されるものではない。
【0033】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、炭化珪素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO4)、タルク(talc)、泥(clay)、マイカ粉、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO3)から構成された群から選択された少なくとも一つ以上を使用することができる。
【0034】
基板700が補強材を含む絶縁材料で形成される場合、基板700は、より優れた剛性を提供することができる。
基板700がガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、同じ本体100のサイズ内でコイル部200の体積を増加させることができ、有利である。
基板700が感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、コイル部200を形成するための工程数が減少し、生産コストの削減に有利であり、微細なビアを形成することができる。
【0035】
外部電極500に含まれる金属は、錫(Sn)、鉛(Pb)、インジウム(In)、銅(Cu)、銀(Ag)、及びビスマス(Bi)の内から選択された2以上の合金からなる。
外部電極500は、導電性樹脂ペーストを塗布して形成してもよく、金属材料を含む物質をめっきして形成してもよいが、これに限定されない。
【0036】
コイル部200の絶縁層220は、気相蒸着法及びフィルム積層法の内の少なくとも一つ以上の方法で形成され得る。
一方、後者の場合、絶縁層220は、コイル部200を基板700にめっき形成する際に用いられためっきレジストが最終製品に残存する形態である永久レジストであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0037】
また、外部電極500は、めっき層をさらに含む。
このとき、めっき層は、導電性物質を含む。
めっき層は、接続導体である半田(Solder)と電気的に接続される。
このとき、めっき層は、ニッケル(Ni)又は錫(Sn)を含み得、ニッケル(Ni)めっき層と錫(Sn)めっき層とが順次に積層された構造であり得る。
外部電極が導電性樹脂層である場合、ニッケル(Ni)めっき層は、外部電極500の内部の導電性樹脂層の導電性連結部及びベース樹脂と接触する。
【0038】
図2a及び
図2bは、それぞれ、
図1のI-I’線及びII-II’線に沿って切断した断面図である。
図1のI-I’線及びII-II’線は、本発明によるコイル部品10のマーカー300を貫通するように切断された線を意味する。
【0039】
図2a及び
図2bを参照すると、本実施形態によるコイル部品10Aの本体100は、第1方向に互いに対向する一面101及び他面102を有し、本体の一面101にはマーカー300及びマーカー300を覆うコーティング層400が配置される。
このとき、コーティング層400は、マーカー300の一面301及び両側面(300A、300B)のそれぞれを覆い、図には示していないが、マーカー300の一面301とは離隔配置される。
すなわち、マーカー300は、コーティング層400に埋め込まれてもよく、突出してもよいが、これに限定されるものではない。
【0040】
また、本実施形態によるコイル部品10Aのコーティング層400は、本体の一面101の全体を覆い、本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれまで少なくとも一部が延長される。
このとき、本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれに配置される外部電極500は、本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれに少なくとも一部が延長されたコーティング層400と接する。
これに対し、コーティング層400が本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれに延長されない場合、コーティング層400は、外部電極500と離隔配置されるが、これに限定されるものではない。
【0041】
本実施形態によるコイル部品10Aのコーティング層400は、本体の第3及び第4側面(100C、100D)に延長され、このとき、本体の一面と対向する他面102まで延長形成される。
すなわち、コーティング層400は、外部電極500が形成される領域を除く部分全体を覆い、外部電極500と少なくとも一部が接し、外部電極500と離隔配置されるが、これに限定されるものではない。
【0042】
また、
図2a及び
図2bを参照すると、本実施形態によるコイル部品10Aは、基板700の上下部のそれぞれにコイル部200が配置され、基板700を貫通して、上下部のそれぞれのコイル部200を連結するビアを含み得るが、これに限定されない。
コイル部200は、少なくとも一つのターンを有するコイルパターン210と、コイルパターンを覆う絶縁層220とを含む。
このとき、絶縁層200は、本体100とコイル部200との間を絶縁する機能を果たすが、これに限定されるものではない。
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は、省略する。
【0043】
図3は、本発明の他の実施形態によるコイル部品の概略構成を示す斜視図である。
本実施形態によるコイル部品10Bは、図を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品10Cは、コイル部200と連結され、本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれの少なくとも一部に露出する引出部600及びそれぞれ本体100の一面101と対向する他面102に互いに離隔配置された外部電極500を含む。
このとき、外部電極500は、本体の一側面及び他側面(100A、100B)には延長されなくてもよい。
このとき、引出部600は、本体の一面101にのみ互いに離隔配置された外部電極500と、引出部600を連結するための連結部610とを含む。
ただし、図には示していないが、別途の連結部610なしで、引出部600が外部電極500と直接に接してもよいが、これに限定されるものではない。
【0044】
本実施形態によるコイル部品10Bのコーティング層400は、本体100の一面101、他面102、及び一面と他面(101、102)のそれぞれに連結された第1~第4側面(100A、100B、100C、100D)のそれぞれの少なくとも一部を覆うが、これに限定されるものではない。
このとき、コーティング層400は、本体の他面102にのみ配置された外部電極500と少なくとも一部が接し、外部電極500と離隔する。
また、コーティング層400は、本体の他面102の内の互いに離隔した外部電極500が配置された領域を除く残りの領域にのみ配置されるが、これに限定されるものではない。
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は、省略する。
【0045】
図4は、本発明の他の実施形態によるコイル部品の概略構成を示す斜視図である。
図を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品10Cは、コイル部200と連結され、本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれの少なくとも一部に露出する引出部と、本体600の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれの少なくとも一部に配置されて引出部600と連結される外部電極500とを含む。
【0046】
外部電極500は、本体の一面101と、一面と対向する他面102のそれぞれの少なくとも一部に延長される。
このとき、外部電極500は、本体の第3及び第4側面(100C、100D)にも延長され、互いに離隔したそれぞれの外部電極500が本体の5つの面に配置される。
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は、省略する。
【0047】
図5は、本発明の他の実施形態によるコイル部品の概略構成を示す斜視図である。
図を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品10Dは、第1~第4側面(100A、100B、100C、100D)と、第1~第4側面とそれぞれ連結され、第1方向に互いに対向する一面101と他面102とを含む本体100、本体100内に配置されるコイル部200、本体100の一面101に配置されたマーカー300、及び本体の一面101内に配置されてマーカー300を覆うコーティング層400を含み、本体100内に配置され、コイル部200と連結されて本体の第1及び第2側面(100A、100B)のそれぞれに少なくとも一部が露出する引出部300を含む。
【0048】
このとき、本体100の第1及び第2側面(100A、100B)は、第3方向に互いに対向し、第3及び第4側面(100C、100D)は、第2方向に互いに対向するように配置される。
このとき、コイル部200は、絶縁膜で被覆された巻線タイプのコイルパターンを含み、このとき、絶縁膜は、本体100とコイル部200との間を絶縁する機能を果たすが、これに限定されるものではない。
【0049】
マーカー300は、本体100から突出して、マーカーの一面301及び一面301と連結された両側面(300A、300B)のそれぞれがコーティング層400と少なくとも一部が接するが、これに限定されるものではない。
このとき、コーティング層400は、光透過性樹脂材を含み、可視光線波長に対して85%以上95%以下の光透過率を有する。
また、コーティング層400は、可視光線波長に対して目視で識別可能な光透過率を有することができるが、これに限定されるものではない。
より具体的には、コーティング層400は、エポキシ系あるいはシリカ系樹脂を含み得るが、これに限定されない。
【0050】
特に、コーティング層400が可視光線波長に対して85%未満の光透過率を有する場合、コーティング層400に埋め込まれたマーカー300を目視で識別しにくい可能性があり、95%を超える光透過率を有する素材を含む場合、製造コストが過度に増加する可能性がある。
したがって、コーティング層400の光透過率は、可視光線波長に対して85%以上95%以下であることが好ましい。
【0051】
このようにコーティング層400に高い光透過率を有する樹脂材を用いることにより、マークの読み取りが容易となり、測定やテーピング工程における方向整列なども現行の設備仕様そのまま対応が可能となる。
また、コーティング層400の材質を透明又は半透明とすることにより、コーティング層400の厚さの選択自由度が上がるが、これに限定されるものではない。
また、コーティング層400がマーカー300の一面及び両側面(300A、300B、301)のそれぞれを覆って、マーカー300が外部の物理的な衝撃から破損されることを防止することができる。
【0052】
また、本実施形態によるコイル部品10Dは、別途の基板なしでコイル部200が本体100内に埋設されて本体の第1~第4側面(100A、100B、100C、100D)、一面及び他面(101、102)のそれぞれと離隔し得るが、これに限定されるものではない。
また、図には示していないが、本実施形態によるコイル部品の本体100は、一面にコイル部200が配置されるモールド部を含み得る。
このとき、本体100内には、コイル部200及びモールド部上に配置されたカバー部を含み得るが、これに限定されるものではない。
また、図には示していないが、本実施形態によるコイル部品10Dは、本体100の第1~第4側面(100A、100B、100C、100D)のそれぞれに絶縁膜がさらに配置されるが、これに限定されない。
【0053】
また、本実施形態によるコイル部品10Dは、第3方向に互いに対向する本体100の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれの少なくとも一部に配置される外部電極500をさらに含む。
なお、外部電極500は、少なくとも一部が本体の一面と対向する他面102にさらに延長される。
このとき、本体100の一側面及び他側面(100A、100B)の内の少なくとも一部に配置された外部電極500は、引出部600と少なくとも一部が接する。
また、外部電極500は、本体の一面101と、一面と対向する他面102のそれぞれの少なくとも一部と、本体の第3及び第4側面(100C、100D)にも延長されて、互いに離隔したそれぞれの外部電極500が本体の5つの面に配置される。
【0054】
また、図には示していないが、外部電極500は、本体の一面101にのみそれぞれ離隔配置され、本体の一側面及び他側面(100A、100B)には延長されない。
このとき、引出部600は、本体の一面101にのみ互いに離隔配置された外部電極500と、引出部600を連結するための連結部610とを含む。
ただし、別途の連結部610なしで、引出部600が外部電極500と直接に接してもよいが、これに限定されるものではない。
【0055】
また、本実施形態によるコイル部品10Dのコーティング層400は、本体の一面101の全体を覆い、本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれまで少なくとも一部が延長される。
上記本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれに外部電極500が配置される場合、本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれに少なくとも一部が延長されたコーティング層400と接する。
これに対し、コーティング層400が本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれに延長されない場合、コーティング層400は、外部電極500と離隔配置されるが、これに限定されるものではない。
【0056】
本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれに外部電極500が配置されない場合、コーティング層400は、本体の一側面及び他側面(100A、100B)のそれぞれを覆い、コーティング層400は、外部電極500と離隔配置され、少なくとも一部が接するが、これに限定されるものではない。
本実施形態によるコイル部品10Dのコーティング層400は、本体の第3及び第4側面(100C、100D)に延長され、このとき、本体の一面と対向する他面102まで延長形成される。
すなわち、コーティング層400は、外部電極500が形成される領域を除く部分全体を覆い、外部電極500と少なくとも一部が接し、外部電極500と離隔配置されるが、これに限定されるものではない。
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は、省略する。
【0057】
≪コイル部品の製造方法≫
図6a~
図6eは、本発明によるコイル部品の製造方法を概略的に示す斜視図である。
まず、
図6aのように複数のコイルが互いに連結され、磁性シートが積層されたコイルバーを準備する。
このとき、基板が配置された形態のコイルバーを示しているが、これに限定されるものではない。
【0058】
コイルバーを準備する具体的な方法は、以下の通りである。
絶縁基板に複数のコイルパターン210を形成する。
絶縁基板は、特に限定されず、例えば、銅箔積層板(Copper Clad Laminate)、プリプレグ(Prepreg、PPG)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PID(Photo Imageable Dielectric)の内の少なくとも一つで形成され得、20~100μmの厚さであり得る。
【0059】
コイルパターン210の形成方法としては、例えば、電気めっき法が挙げられるが、これに限定されない。
コイルパターン210は、電気伝導性に優れた金属を含んで形成し、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)又はこれらの合金などを使用することができる。
【0060】
絶縁基板の一部にはビアホールを形成し、伝導性物質を充填してビアを形成し、ビアを介して絶縁基板の一面と他面のそれぞれに形成されたコイルパターン210が電気的に接続される。
コイルパターン210は、ダイシング後に、本体100の第1及び第2側面(100A、100B)にそれぞれ露出する引出部300と連結される。
ダイシング前のコイルバー状態で隣接したそれぞれのコイルパターン210の両端部は、物理的及び電気的に互いに接続される。
その後、絶縁基板においてコイルパターン210が形成されていない部分を除去する。
絶縁基板の除去は、メカニカルドリリング、レーザードリリング、サンドブラスト、パンチング加工などを適用して行うことができ、例えば、CO2レーザードリルで除去することができる。
【0061】
コイルパターン210が形成されていない絶縁基板の中央領域を除去して、絶縁基板を貫通する貫通孔を形成する。
このとき、絶縁基板においてコイルパターン210が形成されていない部分の一部を除いて除去することで連結部を形成する。
従来は、コイルパターン210が形成された部位を除く全ての領域の絶縁基板を除去したが、本発明の一実施形態は、コイルパターン210が形成されていない一部領域の絶縁基板を除去せずに、連結部を形成することによって、コイルパターン210を支持する力を増加させ、磁性複合シートの積層圧着時に、コイルパターン210の変形を最小化することができる。
【0062】
コイルパターン210の表面には、コイルパターン210を被覆する絶縁層220を形成する。
絶縁層220は、スクリーン印刷法、スプレー(spray)塗布工程、真空ディッピング(Dipping)工程、CVD(気相蒸着法)、及びフィルム積層法などの方法により形成することができるが、これらに限定されない。
【0063】
また、図には示していないが、コイルパターン210は、絶縁膜で被覆されて巻線工法で形成された巻線コイルであってもよい。
このとき、絶縁基板ではなくモールド部を形成してコイルパターン210を形成することができ、絶縁基板を用いて巻線コイルパターンを形成した後、絶縁基板を除去することもできるが、これに限定されるものではない。
このとき、巻線コイルパターンを形成する方法は、公知の方法と同様である。
【0064】
そして、
図6bのように、絶縁基板に磁性シート20を積層して本体100を形成する。
磁性シート20を絶縁基板の両面に積層し、ラミネート法や静水圧プレス法により圧着して本体100を形成する。
【0065】
磁性シート20は、磁性体樹脂複合体をシート状に成形したものであり、半硬化状態に圧着される。
磁性体樹脂複合体は、金属磁性体粉末及び樹脂混合物が混合されたものである。
このとき、金属磁性体粉末は、Fe、Cr、又はSiを主成分として含み得、樹脂混合物は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)などの単独又は組み合わせでもよいが、これに限定されるものではない。
第1磁性シート20の圧着によって加工された空間111内の空き空間が、磁性体樹脂複合体などのような磁性物質で満たされる。
後続工程で硬化を経れば、一定の位置に配置されたコイル120の位置ずれを防止し、シート流動によるバー(Bar)変形を制御する。
このとき、磁性シート20の少なくとも一部が絶縁基板の中央部に形成された貫通孔を満たすことにより、コア部200を形成する。
【0066】
図6cを参照すると、磁性シート20が上下部のそれぞれに積層されたコイルバーにおいて、個別コイル部品に対応するように、磁性シート20の一面に少なくとも一つのマーカー300を配置する。
このとき、マーカー300は、上述したように、コーティング層400よりも光透過性の低い材料を含み、目視で識別することができる。
マーカー300は、本発明によるコイル部品10の方向性、品名、又は製造番号の少なくともいずれか一つを示すが、これに限定されない。
【0067】
図6dを参照すると、複数の加工された空間の境界面、すなわち、ダイシングライン30に沿って絶縁基板及びその両面に積層された磁性シート20を切断(Dicing)する。
切断は、予め設計されたサイズに合わせて行い、その結果、個別コイル部品10が提供される。
切断は、切断設備を用いて個別コイル部品10に切断可能であることはもちろんであり、その他にもブレード(blade)やレーザー(laser)など、その他の切断方法を適用することもできる。
【0068】
一方、絶縁基板及び/又は固定フレーム(図示せず)が、ダイシングブレード(Dicing Blade)幅等によって切断されてなくなる領域(Dicing Kerf領域)より小さく設計された場合には、切断後、個別コイル部品10において、絶縁基板及び/又は固定フレーム(図示せず)が残存しない可能性がある。
すなわち、絶縁基板及び/又は固定フレーム(図示せず)は、コイルを安着させるためのものであって、最終部品では残存することも、残存しないこともできる。
ただし、コイル部200の位置固定精度を向上させるために、絶縁基板がコイル部200にかなり近接しているときは、絶縁基板及び/又は固定フレーム(図示せず)の一部分がコイル部200の内部に残存可能であることはもちろんである。
【0069】
図には示していないが、切断工程後には、個別コイル部品10のエッジ部を研磨するために研磨工程を行う。
研磨工程により、コイル部品10の本体100のエッジ部を丸くした形態にすることができ、従来は、めっき防止のために本体100の表面に絶縁物質の印刷をさらに行った。
このとき形成される絶縁層は、Siを含むガラス(glass)系物質、絶縁樹脂、及びプラズマ(plasma)の内の一つ以上を含み
得る。
これに対し、本発明によるコイル部品10は、本体100の表面に絶縁物質印刷を行わず、マーカー300を先に配置する。
その後、後述するように、マーカー300を覆うようにコーティング層400で本体100の6面全体を囲む。
【0070】
図6eを参照すると、個別コイル部品10のそれぞれの本体の6面にコーティング層400を覆う。
このとき、コーティング層400は、光透過性樹脂材を含み、可視光線波長に対して85%以上95%以下の光透過率を有する。
また、コーティング層400は、可視光線波長に対して目視で識別可能な光透過率を有するが、これに限定されるものではない。
より具体的には、コーティング層400は、エポキシ系あるいはシリカ系樹脂を含み得るが、これに限定されない。
特に、コーティング層400が可視光線波長に対して85%未満の光透過率を有する場合、コーティング層400に埋め込まれたマーカー300を目視で識別しにくい可能性があり、95%を超える光透過率を有する素材を含む場合、製造コストが過度に増加する可能性がある。
したがって、コーティング層400の光透過率は、可視光線波長に対して85%以上95%以下であることが好ましい。
【0071】
このようにコーティング層400に高い光透過率を有する樹脂材を用いることにより、マークの読み取りが容易となり、測定やテーピング工程における方向整列なども現行の設備仕様そのまま対応が可能となる。
また、コーティング層400の材質を透明又は半透明とすることにより、コーティング層400の厚さの選択自由度が上がることができるが、これに限定されるものではない。
また、コーティング層400がマーカー300の一面及び両側面(300A、300B、301)のそれぞれを覆ってマーカー300が外部の物理的な衝撃から破損されることを防止することができる。
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は、省略する。
【0072】
図7a及び
図7bは、本発明の他の実施形態によるコイル部品の製造方法を概略的に示す斜視図である。
図7a及び
図7bを参照すると、複数のコイル部200を個別化するダイシング工程の後に、個別化した本体100の表面に外部電極500を形成する。
このとき、外部電極500を形成するために、
図7aのように本体100の表面に配置されたコーティング層400の一部を剥離する工程を行う。
コーティング層400の剥離工程は、外部電極500の形成領域を考慮して行われる。
【0073】
例えば、本体の一面101及び他面102のそれぞれの少なくとも一部と、本体の一側面及び他側面(100A、100B)それぞれのコーティング層400と、を剥離して、本体100の一面、他面、一側面及び他側面(101、102、100A、100B)のそれぞれに配置される外部電極500を形成する。
また、本体100の一面と対向する他面102の一部に形成されたコーティング層400のみを剥離して、それぞれの外部電極500が本体の他面102に互いに離隔配置されるように形成することもできる。
また、本体の一側面及び他側面(100A、100B)と、本体の他面102の内の少なくとも一部のコーティング層400と、を剥離して、本体の他面102に互いに離隔配置され、それぞれ本体の一側面及び他側面(100A、100B)に延長されるように外部電極500が配置してもよい。
その後、
図7bのようにコーティング層400が剥離された領域に外部電極500を形成する。
【0074】
図には示していないが、外部電極500は、単層又は複数層の構造で形成され得る。
例として、銅を含む第1層、第1層上に配置されニッケル(Ni)を含む第2層、及び第2層上に配置され錫(Sn)を含む第3層で構成される。
ここで、第1~第3層は、それぞれめっきで形成してもよいが、これに限定されるものではない。
他の例として、外部電極500は、導電性粉末と樹脂を含む樹脂電極と、樹脂電極上にめっき形成されためっき層とを含むことができる。
外部電極500は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金等の導電性物質を含み得るが、これらに限定されるものではない。
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は、省略する。
【0075】
本明細書において、「ある構成要素上に配置される(た)」という表現は、方向を設定する意図ではない。
したがって、ある構成要素上に配置される(た)という表現は、ある構成要素の上側上に配置される(た)ことを意味することもでき、下側上に配置される(た)ことを意味することもできる。
本明細書において、「上面、下面、上側、下側、最上側、最下側」などの用語は、説明の便宜上、図面を基準にして設定した方向である。
したがって、設定方向に応じて上面、下面、上側、下側、最上側、最下側などは他の用語で説明してもよい。
本明細書において、「連結(接続)される」とは、直接連結(接続)されることだけでなく、間接的に連結(接続)することを含む概念である。
また、「電気的に接続される」とは、物理的に連結された場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。
本明細書において、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用するものであり、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定するものではない。
説明に応じて、第1構成要素は第2構成要素と命名してもよく、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名してもよい。
本明細書で使用する「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために使用したものである。
しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。
例えば、特定の一例に説明されている事項が他の一例に説明されていなくても、他の一例においてその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
本明細書で使用する用語は、一例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。
この時、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り複数の表現を含む。
【0076】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0077】
10、10A、10B、10C、10D コイル部品
20 磁性シート
30 ダイシングライン
100 本体
100A、100B、100C、100D 本体の第1~第4側面
101 本体の一面
102 本体の他面
200 コイル部
210 コイルパターン
220 絶縁層
300 マーカー
300A、300B マーカーの両側面
301 マーカーの一面
400 コーティング層
500 外部電極
600 引出部
610 連結部
700 基板