(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038932
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】シグモイド曲線を用いて投影された電気生理学的波速度の重み付け
(51)【国際特許分類】
A61B 5/367 20210101AFI20230310BHJP
A61B 5/349 20210101ALI20230310BHJP
【FI】
A61B5/367
A61B5/349
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022141209
(22)【出願日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】17/467,566
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127HH12
4C127HH13
(57)【要約】
【課題】心臓電気生理学的マップを可視化すること。
【解決手段】方法は、心臓の少なくとも一部分の解剖学的マップの少なくともある領域について、位置、及びそれぞれの電気生理学的(EP)波伝播速度ベクトルを受信することを含み、ベクトルは、それぞれの振幅を有する。振幅は、非線形にスケーリングされる。スケーリングされた振幅を有するスケーリングされたベクトルは、解剖学的マップ上に重ね合わされることによって提示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
インターフェースであって、心臓の少なくとも一部分の解剖学的マップの少なくともある領域について、位置、及びそれぞれの電気生理学的(EP)波伝播速度ベクトルを受信するように構成されており、前記ベクトルが、それぞれの振幅を有する、インターフェースと、
プロセッサであって、
前記振幅を非線形にスケーリングすることと、
前記解剖学的マップ上に重ね合わされた、前記スケーリングされた振幅を有する、スケーリングされたベクトルを提示することと、を行うように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
【請求項2】
前記プロセッサが、
前記振幅の範囲を、低振幅領域、高振幅領域、及び前記低振幅領域と前記高振幅領域との間の中間振幅領域に分割することと、
前記低振幅領域及び前記高振幅領域に対して、前記中間振幅領域内の振幅の差を強調することと、によって、前記振幅を非線形にスケーリングするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサが、シグモイド関数を前記振幅に適用することによって、前記振幅を非線形にスケーリングするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記スケーリングされたベクトルを矢印として可視化することによって、前記スケーリングされたベクトルを提示するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
方法であって、
心臓の少なくとも一部分の解剖学的マップの少なくともある領域について、位置、及びそれぞれの電気生理学的(EP)波伝播速度ベクトルを受信することであって、前記ベクトルが、それぞれの振幅を有する、受信することと、
前記振幅を非線形にスケーリングすることと、
前記解剖学的マップ上に重ね合わされた、前記スケーリングされた振幅を有する、スケーリングされたベクトルを提示することと、を含む、方法。
【請求項6】
前記振幅を非線形にスケーリングすることが、
前記振幅の範囲を、低振幅領域、高振幅領域、及び前記低振幅領域と前記高振幅領域との間の中間振幅領域に分割することと、
前記低振幅領域及び前記高振幅領域に対して、前記中間振幅領域内の振幅の差を強調することと、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記振幅を非線形にスケーリングすることが、シグモイド関数を前記振幅に適用することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記スケーリングされたベクトルを提示することが、前記スケーリングされたベクトルを矢印として可視化することを含む、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電気生理学的マッピングに関し、特に、心臓電気生理学的マップの可視化に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓電気生理学的(electrophysiological、EP)マップの可視化方法は、EPマップの解釈を容易にするために、特許文献において以前にも提案された。例えば、米国特許出願公開第2017/0049348号は、不整脈を分類するために心臓組織のEP特性を判定するための方法を説明している。局所伝導速度の均一性を反映する偏心パラメータ、及び局所速度ベクトルと関連付けられた発散及びカール様の合計又は閉鎖経路積分パラメータが提供され、カテーテルの運動に応答するリズム分類が表示され、それにより、不整脈障害のタイプ及び原因の識別を容易にする。一実施形態では、伝導速度ベクトルマップは、局所活性化時間(local activation time、LAT)マップと結合される。
【0003】
別の例として、米国特許第6,301,496号は、心臓などの生物学的構造における異常状態を診断する方法であって、生物学的構造の表面上の少なくとも3つのサンプリングポイント内の生理学的反応を測定する工程と、その反応に関連するベクトル関数を計算する工程と、そのベクトル関数の表現を表示する工程と、その表現から異常状態を推測する工程と、を含む、方法を説明している。この方法は、心臓の不整脈の診断に有用であるとして出願内で考えられ、この場合の生理学的反応は、電圧であり、そこから局所活性化時間が推定され、ベクトル関数は局所活性化時間の勾配、具体的には伝導速度である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下に説明される本発明の実施形態は、心臓の少なくとも一部分の解剖学的マップの少なくともある領域について、位置、及びそれぞれの電気生理学的(EP)波伝播速度ベクトルを受信することを含む、方法を提供し、ベクトルは、それぞれの振幅を有する。振幅は、非線形にスケーリングされる。スケーリングされた振幅を有するスケーリングされたベクトルは、解剖学的マップ上に重ね合わされることによって提示される。
【0005】
いくつかの実施形態では、振幅を非線形にスケーリングすることは、振幅の範囲を、低振幅領域、高振幅領域、及び低振幅領域と高振幅領域との間の中間振幅領域に分割することを含む。中間振幅領域内の振幅の差は、低振幅領域及び高振幅領域に対して強調される。
【0006】
いくつかの実施形態では、振幅を非線形にスケーリングすることは、シグモイド関数を振幅に適用することを含む。
【0007】
他の実施形態では、スケーリングされたベクトルを提示することは、スケーリングされたベクトルを矢印として可視化することを含む。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、インターフェースと、プロセッサと、を含むシステムが追加的に提供される。インターフェースは、心臓の少なくとも一部分の解剖学的マップの少なくともある領域について、位置、及びそれぞれの電気生理学的(EP)波伝播速度ベクトルを受信するように構成され、ベクトルは、それぞれの振幅を有する。プロセッサは、振幅を非線形にスケーリングし、解剖学的マップ上に重ね合わされた、スケーリングされた振幅を有する、スケーリングされたベクトルを提示するように構成される。
【0009】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による、心臓の三次元(three-dimensional、3D)ナビゲーション及び電気生理学的(EP)マッピングシステムの概略的な描写図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、
図1に示されるEPマップを生成するために、
図1のマッピングシステムのプロセッサによって使用されるシグモイド関数のグラフである。
【
図3】本発明の一実施形態による、
図2のシグモイド関数を使用するEPマップ内に提示される非線形スケーリング波伝播に関する方法及びアルゴリズムを概略的に例解するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概論
患者の心臓電気生理学的(EP)異常部分を特徴付けるために、カテーテルベースのEPマッピングシステムが使用されて、心室のEPマップなど、患者の心臓の少なくとも一部のEPマップを生成し得る。典型的なカテーテルベースのEPマッピング手技では、1つ又は2つ以上の感知電極を備える、カテーテルの遠位端が、EP信号を感知するために心臓に挿入される。システムを動作させている医師が遠位端を心臓の内部に移動させる際、EPマッピングシステムは、様々な心臓の場所におけるEP信号、並びに遠位端のそれぞれの位置を取得する。これらの取得された信号に基づいて、マッピングシステムのプロセッサは、必要なEPマップを生成する。
【0012】
典型的には、EPマッピングシステムのプロセッサは、測定されたEPマップ、例えば、心臓の少なくとも一部分のボリューム(3D)レンダリングによって可視化された、例えば、心臓の解剖学的構造上に重ね合わされた(例えば、投影された)、EP波面伝播のマップを提示する。かかる重ね合わされたレンダリングは、心臓の不規則性を診断する際に非常に有用であり得る。例えば、プロセッサは、EP波面速度ベクトルを解剖学的マップ上に重ね合わせることが可能であり、ベクトルの振幅及び方向は、心臓電気活動の尺度を与える。かかるベクトルの集計は、不整脈(例えば、ロータ)を引き起こす異常伝導経路などの臨床パターンを示し得る。
【0013】
心臓内の波速の速度を計算するために様々な方法を使用することができ、速度は、上で説明されるように表示され得る。しかしながら、速度を観察する外科医は、典型的には、それらの極端な速度の値差、すなわち、速度が非常に低いか又は非常に高いときは、関心がない。典型的には、外科医は、ほとんどの場合、中間の速度範囲内の値の差に関心がある。
【0014】
以下に説明される本発明の実施形態は、低速度及び高速度における変化を抑制するために不均一なスケーリング関数(例えば、非線形スケーリング関数)を使用し、少なくとも中間の速度範囲における変化を保持又は強調する。具体的には、開示された技術は、これらの値範囲がエラー又はノイズに起因して外れ値を含む疑いがあるため、プロセッサに、非常に高い値(速度ベクトルの振幅)及び非常に低い値に低い重み付けを設置するように適用する。中間範囲が伝播波の実際の速度をより表現することが予想されるため、高い重み付けが、中間範囲上に適用され得る。
【0015】
この目的のために、プロセッサは、EP波面伝播ベクトルの振幅に非線形スケーリング関数を適用して、EP波面伝播を再度引き出す。したがって、スケーリングされたベクトルは、心臓の解剖学的構造上に重ね合わされる。ユーザは、元のEPマップ及び/又は非線形にスケーリングされたマップを見ることができる。
【0016】
使用することができる非線形スケーリング関数の例としては、いくつかのみの名前を挙げれば、シグモイド関数、好適な多項式関数、及び区分線形関数が挙げられる。
【0017】
典型的には、プロセッサは、プロセッサが、上で概略されるプロセッサ関連工程及び機能の各々を実施することを可能にする特定のアルゴリズムを含むソフトウェアにプログラム化されている。
【0018】
3D心臓解剖学的構造上でEP波面伝播を非線形的にスケーリングするための開示された可視化技術は、カテーテルベースのEPマッピング手技の診断値を改善し得る。
【0019】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、心臓の三次元(3D)ナビゲーション及び電気生理学的(EP)マッピングシステム21の概略的な描写図である。システム21は、実質的に任意の生理学的パラメータ又はかかるパラメータの組み合わせを解析するように構成され得る。本明細書の説明において、例として、解析されるEP信号は、心臓内電位図(electrograms、EGM)及び/又は心臓外(体表面)心電図(electrocardiogram、ECG)の電位-時空関係であると想定される。かかる関係を完全に特徴付けるために、プロセッサ28は、ECG信号を使用して、局所活性化時間(LAT)マップ及び/又はEP波ベクトルマップ31などの1つ又は2つ以上のEPマップを生成する。
【0020】
図1は、システム21がプローブ29を使用して心臓23の実際の電気的活性を測定する、調査手技を示す。典型的には、プローブ29は、システム21を使用する医師27によって実施されるEPマッピング手技の間に患者25の身体に挿入されるカテーテルを備える。プローブ29の遠位端アセンブリ32は、複数の電極22を有すると想定される。示される実施形態では、遠位端アセンブリ32は、マルチアームタイプ(5つのアーム20を有する)であるが、遠位端は、バスケット又はループなどの任意の他の形状を有し得る。
【0021】
測定されたEP信号は、インターフェース回路35を介してプロセッサ28に入力され、上で記されるように、及び他の使用の間に、ディスプレイ26上に提示された、患者25の心臓23の壁組織の少なくとも一部のEP波速度マップ31を作成するために使用される。概して、典型的には、医師にグラフィックユーザインターフェースを提示するディスプレイ26は、電極22によって感知されたEP信号の視覚的表現、並びに/又は検査中の心臓23の画像及び/若しくはマップ31を提供する。
【0022】
システム21は、メモリ33と通信するシステムプロセッサ28によって制御される。いくつかの実施形態では、プロセッサ28は、患者25の心臓23の壁組織の少なくとも一部のEP波速度マップ31を記憶するためのメモリ33を使用する。プロセッサ28は、典型的には、コンソール34に装着される。
【0023】
挿入
図45に見られるように、EP波ベクトルマップ31は、例えば、活性化時間と関連付けられた活性化波面の伝播速度を説明する複数の速度ベクトル75(単純化のために、全てが標識されているわけではない)を含む。各ベクトル75は、マップのそれぞれの位置で重ね合わされており、かつそれぞれの振幅及びそれぞれの方向を有する矢印として可視化される。矢印の振幅は、(必ずしも比例しないが、以下に説明されるように)それぞれの位置におけるEP波の振幅を示す。矢印の方向は、それぞれの位置におけるEP波の方向を示す。
【0024】
具体的には、挿入
図45に見られるように、EP波ベクトルマップ31は、前述の不均一なスケーリング関数(例えば、シグモイド関数)を利用して、対象となる選択されたベクトル振幅の範囲内の振幅の差を強調する複数の速度ベクトル75を含む。不均一なスケーリングが、
図2内でより詳細に説明される。以下に定義されるように、速度ベクトルの振幅の範囲、すなわち、非常に小さくかつ非常に大きいベクトルの外れ端部は、EP波ベクトルマップ31の視認者に無関係である差を重要視しないために、より弱いスケーリングを受ける。
【0025】
本開示の文脈では、「解剖学的マップ」という用語は、心臓の少なくとも一部分の三次元形状をモデル化し、また、その上に重ね合わされた1つ又は2つ以上のパラメータを有し得る、マップを指すことができる。EPマップは、1つ又は2つ以上の電気生理学的パラメータが重ね合わされた解剖学的マップの1つの特殊な場合である。LATマップ又はEP波マップは、EPマップの一例であり、それゆえ、あるタイプの解剖学的マップとも考えられる。
【0026】
マップ31などのマップを生成するために、プロセッサ28は、典型的には、患者25の心臓23内のプローブ29の遠位端32の場所を追跡する。プロセッサは、当該技術分野において既知である任意のプローブ場所追跡方法を使用し得る。例えば、プロセッサ28は、患者25の皮膚に取り付けられた電極22と外部パッチ電極24との間のインピーダンスを測定することによって、プローブ遠位端アセンブリ32を追跡し得る(明確にするために1つのパッチ電極のみが示される)。Biosense-Webster(Irvine,California)によって製造されたCarto3(登録商標)システムは、位置追跡のためにかかるインピーダンス測定値を使用する。
【0027】
プロセッサ28によって実行されるソフトウェアは、例えば、電子的な形でネットワークを介してプロセッサ28にダウンロードされ得るか、又は代替的に若しくは追加的に、磁気メモリ、光学メモリ若しくは電子メモリなどの非一時的な有形の媒体上に提供及び/若しくは記憶され得る。具体的には、プロセッサ28は、以下で説明されるように、開示される工程をプロセッサ28が実施することを可能にする専用アルゴリズムを実行する。
【0028】
シグモイド曲線を用いて投影されたEP波速度の重み付け
図2は、本発明の一実施形態による、
図1に示されるEPマップ31を生成するために、
図1のマッピングシステム21のプロセッサによって使用されるシグモイド関数200のグラフである。
【0029】
グラフは、スケーリング前の計算された波速度の振幅を表現する水平軸、及びスケーリング後の波速度の振幅を表現する垂直軸(ユーザに表示されるベクトル75の振幅)を有する。スケーリング前の振幅の範囲は、3つの領域、低速に対するA、中間速度に対するB、及び高速に対するCに分割される。シグモイド曲線200を計算された振幅に適用することにより、領域A及び領域C(すなわち、弱いスケーリング)内に表示された値において小さい変化が生じる。しかしながら、中間速度値に対応する領域Bにおいて、振幅における変化は、表示された値で強調される(すなわち、強いスケーリングを受ける)。
【0030】
図2は、例として挙げたものである。
図2はシグモイド関数を示すが、多項式又は区分線形関数などの任意の他の好適な非線形関数が使用され得る。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態による、
図2のシグモイド関数200を使用するEPマップ31内に提示される非線形スケーリング波伝播に関する方法及びアルゴリズムを概略的に例解するフローチャートである。
【0032】
アルゴリズムは、提示された実施形態によれば、プロセッサ28が、EPマッピングデータ受信工程302において、振幅の範囲を有する一組のEP伝播速度ベクトルを受信することで始まるプロセスを実行する。
【0033】
次に、非線形スケーリング工程304において、プロセッサ28は、ベクトルの範囲にわたって非線形スケーリング関数(例えば、シグモイド関数)を適用して、
図2において説明されるようにベクトルを非線形にスケーリングする。
【0034】
次に、プロセッサ28は、心臓の解剖学的レンダリング上に非線形的にスケーリングされたEP速度ベクトルを重ね合わせて、スケーリングされたEPマップ生成工程306において、
図1のEPマップ31などのEPマップを取得する。一実施形態では、プロセッサ40は、航程の可視化工程76において、航程60を更に半透明にする。プロセッサ28は、結果として生じる可視化(非線形的にスケーリングされたEP波速度)を、ディスプレイ26上で医師27に提示する。
【0035】
図3に示されている例示的なフローチャートは、純粋に概念を分かりやすくする目的で選択されたものである。本実施形態は、アルゴリズムの追加的な工程も含む。その例としては、航程60間及び航程60の下の伝導矢印などの追加的な可視化が挙げられる。かかる追加的な工程は、より単純化されたフローチャートを提供するために、本明細書の開示から意図的に省略されている。
【0036】
上で説明される実施形態は例として引用したものであり、本発明は、上記で特に図示及び説明されたものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上記の明細書に説明される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。参照により本特許出願に組み込まれる文献は、これらの組み込まれた文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾する様式で定義される程度まで、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の不可欠な部分と見なすものとする。
【0037】
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
心臓の少なくとも一部分の解剖学的マップの少なくともある領域について、位置、及びそれぞれの電気生理学的(EP)波伝播速度ベクトルを受信することであって、前記ベクトルが、それぞれの振幅を有する、受信することと、
前記振幅を非線形にスケーリングすることと、
前記解剖学的マップ上に重ね合わされた、前記スケーリングされた振幅を有する、スケーリングされたベクトルを提示することと、を含む、方法。
(2) 前記振幅を非線形にスケーリングすることが、
前記振幅の範囲を、低振幅領域、高振幅領域、及び前記低振幅領域と前記高振幅領域との間の中間振幅領域に分割することと、
前記低振幅領域及び前記高振幅領域に対して、前記中間振幅領域内の振幅の差を強調することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記振幅を非線形にスケーリングすることが、シグモイド関数を前記振幅に適用することを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記スケーリングされたベクトルを提示することが、前記スケーリングされたベクトルを矢印として可視化することを含む、実施態様1に記載の方法。
(5) システムであって、
インターフェースであって、心臓の少なくとも一部分の解剖学的マップの少なくともある領域について、位置、及びそれぞれの電気生理学的(EP)波伝播速度ベクトルを受信するように構成されており、前記ベクトルが、それぞれの振幅を有する、インターフェースと、
プロセッサであって、
前記振幅を非線形にスケーリングすることと、
前記解剖学的マップ上に重ね合わされた、前記スケーリングされた振幅を有する、スケーリングされたベクトルを提示することと、を行うように構成されている、プロセッサと、を備える、システム。
【0038】
(6) 前記プロセッサが、
前記振幅の範囲を、低振幅領域、高振幅領域、及び前記低振幅領域と前記高振幅領域との間の中間振幅領域に分割することと、
前記低振幅領域及び前記高振幅領域に対して、前記中間振幅領域内の振幅の差を強調することと、によって、前記振幅を非線形にスケーリングするように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記プロセッサが、シグモイド関数を前記振幅に適用することによって、前記振幅を非線形にスケーリングするように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(8) 前記プロセッサが、前記スケーリングされたベクトルを矢印として可視化することによって、前記スケーリングされたベクトルを提示するように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
【外国語明細書】