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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023038949
(43)【公開日】2023-03-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20230310BHJP
【FI】
G06Q40/12
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023005170
(22)【出願日】2023-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】510229843
【氏名又は名称】株式会社ラクス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】高山 曜
(72)【発明者】
【氏名】松浦 孝治
(57)【要約】
【課題】仕入取引を行う買い手が売り手の適格請求書発行事業者の登録番号を取得可能とする。
【解決手段】登録番号管理装置101は、売り手に対応付けられる適格請求書発行事業者としての売り手の登録番号を入力する要求を、売り手に送信する入力要求送信部1014と、売り手から売り手の登録番号を取得する番号取得部1015と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
売り手に対して買い手が発行する証憑に記載される売り手に対応付けられる適格請求書発行事業者としての前記売り手の登録番号を入力する要求を、前記売り手に送信する入力要求送信部と、
前記売り手から前記売り手の登録番号を取得する番号取得部と、を備える、情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
複数の事業者の事業者名と前記複数の事業者のそれぞれの適格請求書発行事業者の登録番号とが対応付けられて記憶されたデータベースから、前記売り手の登録番号に基づいて、前記売り手の登録番号に対応する前記データベースにおける登録番号及び事業者名を参照し、参照結果を示す参照結果情報を生成する、データベース参照部と、
前記参照結果情報に基づいて、前記売り手の登録番号の前記データベースにおける登録状態を示す状態情報を生成する状態情報生成部と、をさらに備える、情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記参照結果情報には、前記データベースにおける登録番号及び前記データベースにおける事業者名が含まれ、
前記状態情報生成部は、前記買い手から取得された前記売り手の事業者名と前記データベースにおける事業者名とが同一の事業者であるか否かを判定し、
前記売り手の事業者名と前記データベースにおける事業者名とが同一の事業者を示す場合、前記売り手の登録番号が前記データベースに登録されていることを示す前記状態情報を生成し、
前記売り手の事業者名と前記データベースにおける事業者名とが異なる事業者を示す場合、前記売り手の登録番号が前記データベースに登録されていないことを示す前記状態情報を生成する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記参照結果情報には、前記売り手の登録番号及び前記売り手の事業者名が、前記データベースに登録されていないことを示す情報が含まれ、
前記状態情報生成部は、前記売り手の登録番号及び前記売り手の事業者名が前記データベースに登録されていない場合、前記売り手の登録番号が前記データベースに登録されていないことを示す前記状態情報を生成する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記参照結果情報には、前記売り手の登録番号が有効である期間を示す期間情報が含まれ、
前記状態情報生成部は、前記期間情報に基づいて、前記売り手の登録番号が有効であるか否かを示す前記状態情報を生成する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記番号取得部は、
前記売り手の登録番号に替えて前記売り手が登録番号を有しないことを示す未保有情報を前記売り手から取得し、
前記未保有情報を取得した場合、前記売り手の登録番号が、複数の事業者の事業者名と前記複数の事業者それぞれの登録番号とが対応付けられて記憶されたデータベースに登録される時期を前記売り手から取得する、情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
前記番号取得部は、前記売り手が前記登録番号を有しないことの理由を示す理由情報を前記売り手から取得する、情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
売り手に対して買い手が発行する証憑に記載される売り手に対応付けられる適格請求書発行事業者としての前記売り手の登録番号を入力する要求を、前記売り手に送信することと、
前記売り手から前記売り手の登録番号を取得することと、を実行させる、プログラム。
【請求項9】
コンピュータが、
売り手に対して買い手が発行する証憑に記載される売り手に対応付けられる適格請求書発行事業者としての前記売り手の登録番号を入力する要求を、前記売り手に送信することと、
前記売り手から前記売り手の登録番号を取得することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費税の課税対象となる取引を仕入のために事業者が行った場合、その取引について仕入税額控除を受けるためには、適格請求書(インボイス)を利用する必要がある。特許文献1には、適格請求書についてその適格性を判定するための証憑判定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-71991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仕入取引における買い手(仕入先)は、仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、売り手(仕入元)である登録事業者から交付を受けた適格請求書の保存等が必要となる。このとき、買い手が自ら作成した仕入明細書等の証憑のうち、売り手の適格請求書発行事業者の登録番号(以降登録番号とよぶ場合がある)を含む一定の事項が記載され、売り手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることも可能である。買い手が作成した仕入明細書等を用いて仕入税額控除の適用を受けようとする場合、買い手は売り手の適格請求書発行事業者の登録番号を取得する必要が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、仕入取引を行う買い手が売り手の適格請求書発行事業者の登録番号を取得可能とする、情報処理装置、プログラム、及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、売り手に対して買い手が発行する証憑に記載される売り手に対応付けられる適格請求書発行事業者としての売り手の登録番号を入力する要求を、売り手に送信する入力要求送信部と、売り手から売り手の登録番号を取得する番号取得部と、を備える。
【0007】
本発明の他の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、売り手に対して買い手が発行する証憑に記載される売り手に対応付けられる適格請求書発行事業者としての売り手の登録番号を入力する要求を、売り手に送信することと、売り手から売り手の登録番号を取得することと、を実行させる。
【0008】
本発明の他の一態様に係る方法は、売り手に対して買い手が発行する証憑に記載される売り手に対応付けられる適格請求書発行事業者としての売り手の登録番号を入力する要求を、売り手に送信することと、売り手から売り手の登録番号を取得することと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仕入取引を行う買い手が売り手の適格請求書発行事業者の登録番号を取得可能とする、情報処理装置、プログラム、及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る登録番号検証システムの概略を示す図である。
図2】本実施形態に係る登録番号管理装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る登録番号管理装置のハードウェア構成の一例である。
図4】本実施形態に係る顧客DBの一例である。
図5】本実施形態に係る登録番号DBの一例である。
図6】本実施形態に係る登録番号検証システムによる処理の一例を説明する図である。
図7】本実施形態に係る状態情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態に係る顧客管理画面の一例である。
図9】本実施形態に係る登録番号検証システムによる他の処理の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
図1は本実施形態に係る登録番号検証システム10の概略を示すブロック図である。登録番号検証システム10は、登録番号管理装置101、ユーザ端末201a,201b,201c,201d、及び登録番号記憶サーバ301を備える。ここで、ユーザ端末201a,201bは、仕入取引における買い手が操作する端末であり,ユーザ端末201c,201dは、仕入取引における売り手が操作する端末である。なお、ユーザ端末201a,201b,201c,201dのように複数のユーザ端末が存在するが、区別の必要がない場合、単にユーザ端末201とよぶ。
【0013】
登録番号検証システム10では、登録番号管理装置101、ユーザ端末201、及び登録番号記憶サーバ301がネットワークN(例えばインターネット)を通じて通信可能に接続される。
【0014】
登録番号検証システム10では、例えば、買い手側のユーザ端末201aの操作に応じて、登録番号管理装置101が、売り手側のユーザ端末201cに対して、ユーザ端末201cのユーザが登録している登録番号(売り手の登録番号)を入力する要求を送信する。登録番号管理装置101は、ユーザ端末201cから、ユーザ端末201cのユーザが登録している登録番号を取得する。登録番号管理装置101は取得した登録番号がユーザ端末201cのユーザが有する正しい番号か否かを検証する。登録番号管理装置101は、検証のために国税庁が有する登録番号記憶サーバ301を参照し、売り手の登録番号に対応する登録番号(データベースの登録番号)に基づいて、売り手の登録番号の登録状態を示す状態情報を生成する。
【0015】
登録番号管理装置101は、登録番号管理装置101の記憶部に記憶された所定のプログラムを実行することによって所定の処理を行うコンピュータを有するサーバ装置である。ユーザ端末201は、例えば、ユーザが使用する情報処理装置であり、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。登録番号記憶サーバ301は、適格請求書発行事業者の登録番号を記憶する情報処理装置であり、例えば、国税庁によって管理されている。
【0016】
図2を参照して、登録番号管理装置101の各部について説明する。登録番号管理装置101は、通信部1011、記憶部1012、顧客情報取得部1013、入力要求送信部1014、番号取得部1015、データベース参照部1016、及び状態情報生成部1017を有する。登録番号管理装置101の各部は、後述のハードウェア構成を有する情報処理装置において、記憶装置に記憶されたプログラムがプロセッサによって実行されることにより実現することができる。当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ等の記憶媒体であってもよい。
【0017】
通信部1011は、登録番号管理装置101と、ユーザ端末201及び登録番号記憶サーバ301を含む、登録番号管理装置101の外部の装置との間における通信を制御する。
【0018】
記憶部1012は、登録番号管理装置101での処理に用いられる各種の情報を記憶する。記憶部1012は、顧客DB10121を有する。顧客DB10121については後述する。
【0019】
顧客情報取得部1013は、買い手のユーザ端末201から、買い手の顧客である売り手に関する情報を取得する。顧客情報取得部1013は、例えば、売り手の事業者名、売り手の連絡先(例えばメールアドレス又はウェブシステムID)を、買い手のユーザから取得する。
【0020】
入力要求送信部1014は、顧客情報取得部1013が取得した売り手の連絡先に基づいて、売り手の登録番号を入力する要求を、売り手に送信する。入力要求送信部1014は、例えば、買い手が選択した売り手に対して、買い手から取得したメールアドレスにメールを送信する。メールを受信した売り手は、例えば、メール中のウェブサイトのリンクから、登録番号管理装置101が提供するウェブサイトにアクセスし、当該ウェブサイトを通じて、登録番号管理装置101に売り手の登録番号を送信する。あるいは、買い手と売り手は共通のウェブサービスのユーザであり、買い手のユーザID及び売り手のユーザIDに基づいて、売り手のユーザにメッセージが送信されてもよい。
【0021】
番号取得部1015は、売り手のユーザ端末201から売り手が入力した売り手の登録番号を取得する。また、番号取得部1015は、売り手の登録番号に替えて、売り手が売り手の登録番号を有しないことを示す未保有情報を売り手から取得してもよい。この場合、番号取得部1015は、売り手の登録番号が登録番号DB3011に登録される時期を売り手から取得することができる。また、番号取得部1015は、売り手が売り手の登録番号を有しないことの理由を示す理由情報を売り手から取得してもよい。
【0022】
データベース参照部1016は、複数の事業者の登録済み事業者名と複数の事業者のそれぞれの適格請求書発行事業者の登録番号とが対応付けられて記憶された登録番号DB3011から、売り手の登録番号に基づいて、売り手の登録番号及び売り手の登録済み事業者名を参照し、参照結果を示す参照結果情報を生成する。ここで、参照結果情報には登録番号DB3011における、売り手の登録番号に対応する登録番号がある場合、売り手の登録番号に対応する登録番号及び登録番号に関連付けられる事業者名、登録番号の登録日、及び登録番号の更新日が含まれる。登録番号DB3011に売り手の登録番号に対応する登録番号がない場合、データベース参照部1016は、そのことを示す情報を取得する。
【0023】
状態情報生成部1017は、参照結果情報に基づいて、売り手の登録番号の登録番号DB3011における登録状態を示す状態情報を生成する。状態情報とは、売り手の登録番号が登録番号DB3011に記憶されているか否かを示す情報を含む。また、状態情報には、登録番号DB3011に記憶されている売り手の登録番号が有効であるか否かを示す情報を含んでもよい。
【0024】
状態情報生成部1017は、状態情報生成部は、売り手の事業者名と登録済み事業者名とが同一の事業者であるか否かを判定する。状態情報生成部1017は、売り手の事業者名と登録済み事業者名とが同一の事業者を示す場合、売り手の登録番号が登録番号DB3011に登録されていることを示す状態情報を生成する。状態情報生成部1017は、売り手の事業者名と登録済み事業者名とが異なる事業者を示す場合、売り手の登録番号が登録番号DB3011に登録されていないことを示す状態情報を生成する。状態情報生成部1017は、事業者名を比較する場合、事業者名の表記ゆれに対して所定のルールを設けて比較することができる。例えば、状態情報生成部1017は、「株式会社A」と「A社」は、名称が完全に一致しないものの同一の事業者であると判断することができる。
【0025】
状態情報生成部1017は、登録番号DB3011に売り手の登録番号に対応する登録番号がない場合、売り手の登録番号が登録番号DB3011に登録されていないことを示す状態情報を生成する。
【0026】
状態情報生成部1017は、例えば、データベース参照部1016が取得する参照結果情報に含まれる、登録番号が有効である期間を示す期間情報に基づいて、登録番号の有効性を判定する。状態情報生成部1017は、例えば、期間情報として、登録番号の更新日から所定の期間を有効である期間とし、参照結果情報の取得日が当該期間内であるか否かによって、登録番号の有効性を判定し、判定結果に応じた状態情報を生成する。例えば、登録番号DB3011に売り手の登録番号に対応する登録番号が記憶されていたとしても、データベース参照部1016の参照時点が更新日から所定の期間を経過した後である場合は、登録番号が失効していることを示す状態情報を生成する。ここで、所定の登録番号の更新日から所定の期間とは、例えば、6ヶ月である。この期間を任意に設定するための情報は、登録番号管理装置101がユーザから設定を取得することで任意に設定可能であってもよい。
【0027】
図3を参照して、登録番号管理装置101のハードウェア構成の一例について説明する。登録番号管理装置101は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)等のプロセッサ401、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置402、有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)403、入力操作を受け付ける入力デバイス404、及び情報の出力を行う出力デバイス405を有する。入力デバイス404は、例えば、キーボード、タッチパネル、又はマウス等である。出力デバイス405は、必要に応じて設けられ、例えば、ディスプレイ又はタッチパネルである。通信部1011は通信IF403を用いて実現することができる。記憶部1012は記憶装置402を用いて実現することができる。
【0028】
図4を参照して、記憶部1012に記憶される情報について説明する。図4には顧客DB10121に記憶される情報の一例が示される。顧客DB10121は、「顧客情報」及び「参照情報」の項目を有する。「顧客情報」の項目には、さらに、「売り手の事業者名」、「顧客ID」、「ステータス」、及び「売り手の登録番号」の項目が含まれる。「参照情報」の項目には、「登録事業者名」、「登録年月日」、「更新年月日」、及び「事業者登録番号」の項目が含まれる。
【0029】
「売り手の事業者名」の項目に対応する情報は、買い手から取得した売り手の事業者名である。図4では。例えば、「株式会社A」、「株式会社B」等の事業者名が記録されている。「顧客ID」の項目に対応する情報は、顧客を識別するための情報である。
【0030】
「ステータス」の項目に対応する情報は、売り手から取得された売り手の登録番号に基づく、登録番号の登録状況を示す状態情報である。「売り手の登録番号」の項目に対応する情報は、売り手から取得された売り手の登録番号である。登録番号は、例えば、アルファベットの「T」に13桁の数字が続く番号である。
【0031】
図4では、例えば、「株式会社A」は、「売り手の登録番号」が「TXXX1」であり、その「ステータス」は、「確認済み」である。ここで、「確認済み」とは、売り手から取得した売り手の登録番号が登録番号DB3011に正しく記憶されていることを示す情報である。
【0032】
図4では、例えば、「株式会社B」は、「売り手の登録番号」が「TXXX2」であり、その「ステータス」は、「確認待ち」である。ここで、「確認待ち」とは、売り手から取得した売り手の登録番号が登録番号DB3011に正しく記憶されているかが、登録番号管理装置によって検証されたものの、買い手による確認が必要であることを示す情報である。図4の例では、売り手の事業者名が「株式会社B」である一方、登録事業者名が「BX社」となっているため確認が必要となっている。
【0033】
図4では、例えば、「株式会社C」は、「売り手の登録番号」が「TXXX3」であり、その「ステータス」は、「未設定」である。ここで、「未設定」とは、売り手の登録番号が設定されていないことを示す情報である。
【0034】
図4では、例えば、「株式会社D」は、「売り手の登録番号」が「TXXX4」であり、その「ステータス」は、「未検証」である。ここで、「未検証」とは、売り手の登録番号が登録番号管理装置101によって検証されていないことを示す情報である。
【0035】
図4では、例えば、「株式会社E」は、「売り手の登録番号」が「TXXX5」であり、その「ステータス」は、「失効」である。ここで、「失効」とは、売り手の登録番号の有効期間が切れていることを示す情報である。
【0036】
図4では、例えば、「株式会社F」は、「売り手の登録番号」が「TXXX6」であり、その「ステータス」は、「未登録」である。ここで、「未登録」とは、売り手の登録番号に対応する登録番号が登録番号DB3011に登録されていないことを示す情報である。
【0037】
「参照情報」における「登録事業者名」、「登録年月日」、「更新年月日」、及び「事業者登録番号」のそれぞれに対応する情報はデータベース参照部1016が取得した参照結果情報に基づいて更新される。「登録事業者名」の項目に対応する情報は、登録番号DB3011に記憶される登録事業者名である。「登録年月日」及び「更新年月日」のそれぞれの項目に対応する情報は、各登録番号が登録番号DB3011に記憶された日及び登録番号に関する情報が更新された日である。「事業者登録番号」の項目に対応する情報は、登録番号DB3011に記憶される正式な登録番号である。なお、登録番号DB3011に記録がない場合、顧客DB10121には対応する情報は記憶されない。また、「参照情報」に対応する情報は、図5に示されるように登録番号DB3011に記憶されている。なお、登録番号DB3011には、上述の各項目に加えて他の項目の情報が記憶されていてもよい。
【0038】
図6を参照して、登録番号検証システム10における処理について説明する。
【0039】
ステップS601において、買い手のユーザ端末201aは、買い手から顧客情報を取得する。このとき、ユーザ端末201aは、「売り手の登録番号」以外の各情報を取得する。
【0040】
ステップS602において、顧客情報取得部1013はユーザ端末201aから顧客情報を取得する。ステップS603において、顧客情報取得部1013は取得した顧客情報に基づいて顧客DB10121を更新する。
【0041】
ステップS604において、登録番号管理装置101はユーザ端末201aから、ある売り手に対する売り手の登録番号の入力のリクエストを取得する。ステップS605において、入力要求送信部1014は、例えば、予め記憶された売り手のメールアドレスに対してメールを送信するなどして、ユーザ端末201cに対して売り手の登録番号の入力リクエストを送信する。
【0042】
ステップS606において、番号取得部1015は、ユーザ端末201cから売り手の登録番号を取得する。ステップS607において、番号取得部1015は、顧客DB10121を更新する。番号取得部1015は、具体的には、「顧客情報」における「売り手の登録番号」の情報が、取得した売り手の登録番号となるように顧客DB10121を更新する。
【0043】
ステップS608において、データベース参照部1016は、登録番号記憶サーバ301に対してデータベースにおける登録番号の参照リクエストを送信する。データベースにおける登録番号の参照リクエストには、売り手の登録番号が含まれる。
【0044】
ステップS609において、登録番号記憶サーバ301は、取得したリクエスト及び売り手の登録番号に基づいて、登録番号DB3011を探索し、参照結果情報を生成する。ステップS610において、データベース参照部1016は、参照結果情報を登録番号記憶サーバ301から取得する。
【0045】
ステップS611において、状態情報生成部1017は状態情報生成処理を行う。
【0046】
ここで図7を参照して状態情報生成処理について説明する。
【0047】
ステップS701において、状態情報生成部1017は、参照結果情報に基づいて、登録番号DB3011に売り手の登録番号の登録があるか否かを判定する。ステップS701において否定判断される場合、つまり、売り手の登録番号が登録番号DB3011に登録されていない場合、ステップS702の処理に進む。ステップS702において、状態情報生成部1017は、売り手の登録番号が登録番号DB3011に登録されていないことを示す状態情報を生成する。この場合、顧客DB10121の「ステータス」は「未登録」と更新される。
【0048】
ステップS701で肯定判断された場合、ステップS703において、状態情報生成部1017は、顧客DB10121における売り手の事業者名を参照する。
【0049】
ステップS704において、状態情報生成部1017は、参照結果情報における登録事業者名を参照する。
【0050】
ステップS705において、状態情報生成部1017は、売り手の事業者名と登録事業者名とは同一の事業者を示すか否かを判定する。ステップS705において否定判断される、つまり事業者名が異なっている場合、状態情報生成部1017は、ステップS706において、事業者名が同一でないことを示す状態情報を生成する。この場合、顧客DB10121の「ステータス」は「確認待ち」と更新される。
【0051】
ステップS705で肯定判断された場合、ステップS707において、状態情報生成部1017は、参照結果情報に基づいて、登録番号の有効期間を算出する。ステップS708において、状態情報生成部1017は、有効期間に基づいて登録番号が有効か否かを判定する。
【0052】
ステップS708において否定判断された場合、つまり登録番号の有効期間が過ぎている場合、状態情報生成部1017は、ステップS709において、登録番号が失効していることを示す状態情報を生成する。この場合、顧客DB10121の「ステータス」は「失効」と更新される。
【0053】
ステップS708において肯定判断された場合、ステップS710において、状態情報生成部1017は、売り手の登録番号が登録済みであることを示す状態情報を生成する。この場合、顧客DB10121の「ステータス」は「確認済み」と更新される。
【0054】
図6に戻り、ステップS612において、状態情報生成部1017は、参照結果情報に基づいて、顧客DB10121を更新する。
【0055】
ステップS613において、登録番号管理装置101は図8に示されるような顧客管理画面801の情報を生成する。顧客管理画面801は、例えば、状態情報生成部1017によって生成されてもよく、あるいは登録番号管理装置101の別途の表示制御部等によって生成されてもよい。顧客管理画面801を通じて、買い手は売り手の登録番号及びその検証結果を確認することができる。
【0056】
ステップS614において、登録番号管理装置101はユーザ端末201aに顧客管理画面の情報を送信する。ステップS615において、ユーザ端末201aは顧客管理画面を表示する。
【0057】
図8に示される顧客管理画面801は、顧客DB10121に記憶される情報に基づいて生成される。顧客管理画面801では、例えば、「ステータス」が「確認待ち」、「失効」、「未登録」である場合、対応する行が強調表示されてもよい。これにより、ユーザの視認性が向上し、対応が必要な売り手を把握しやすくなる。
【0058】
ここで、「ステータス」が「未登録」である場合の追加的な処理について図9を参照して説明する。この処理では、売り手の登録番号の登録予定等を売り手が入力することが可能となり、買い手がそれを把握可能となる。
【0059】
ステップS901からS905までの処理はステップS601からS605までの処理と同じである。ここでは、売り手が入力すべき自身の登録番号を有していない場合を想定する。このとき、ステップS906において、番号取得部1015は、ユーザ端末201cから、取得意思の有無、取得予定時期、及び未登録の理由を取得する。ここで、「取得意思の有無」とは、売り手が将来的に登録番号を登録番号DB3011に登録する意思を有するか否かを示す情報である。「取得予定時期」は登録番号の取得予定時期を示す情報である。「未登録の理由」とは、売り手が登録番号を登録していない理由を示す情報(理由情報)である。番号取得部1015は、ステップS097において、これらの情報に基づいて、顧客DB10121の「ステータス」の情報を更新する。更新された場合の「ステータス」に基づく顧客管理画面の例は、図8の顧客管理画面801における「株式会社F」の情報である。ここでは「取得意思:あり、取得予定:2023/4/1、未登録理由:検討中のため」という情報が表示されている。
【0060】
以上本実施形態について説明した。登録番号管理装置101は、売り手に対して買い手が発行する証憑に記載される売り手に対応付けられる適格請求書発行事業者としての売り手の登録番号を入力する要求を、売り手に送信する入力要求送信部1014と、売り手から売り手の登録番号を取得する番号取得部1015と、を備える。
【0061】
これにより、売り手から売り手の登録番号を取得することができる。したがって、買い手が売り手の適格請求書発行事業者の登録番号を取得可能となる。
【0062】
登録番号管理装置101は、複数の事業者の事業者名と複数の事業者のそれぞれの適格請求書発行事業者の登録番号とが対応付けられて記憶された登録番号DB3011から、売り手の登録番号に基づいて、売り手の登録番号に対応する登録番号DB3011における登録番号及び事業者名を参照し、参照結果を示す参照結果情報を生成する、データベース参照部1016と、参照結果情報に基づいて、売り手の登録番号の登録番号DB3011における登録状態を示す状態情報を生成する状態情報生成部1017と、をさらに備える。
【0063】
この態様によれば、登録番号管理装置101は、登録番号DB3011における登録番号を参照し、状態情報を生成することが可能となる。これにより、正しい適格請求書発行事業者の登録番号が売り手の登録番号として売り手から取得されたか否かが検証可能となる。
【0064】
登録番号管理装置101では、参照結果情報には、登録番号DB3011における登録番号及び登録番号DB3011における事業者名が含まれ、番号取得部1015は、買い手又は売り手から売り手の事業者名を取得し、状態情報生成部1017は、買い手から取得された売り手の事業者名と登録番号DB3011における事業者名とが同一の事業者であるか否かを判定し、売り手の事業者名と登録番号DB3011における事業者名とが同一の事業者を示す場合、売り手の登録番号が登録番号DB3011に登録されていることを示す状態情報を生成し、売り手の事業者名と登録番号DB3011における事業者名とが異なる事業者を示す場合、売り手の登録番号が登録番号DB3011に登録されていないことを示す状態情報を生成してもよい。
【0065】
これにより、事業者名に基づく売り手の登録番号の検証が検証可能となる。
【0066】
登録番号管理装置101において、参照結果情報には、売り手の登録番号及び売り手の事業者名が、登録番号DB3011に登録されていないことを示す情報が含まれ、状態情報生成部1017は、売り手の登録番号及び売り手の事業者名が登録番号DB3011に登録されていない場合、売り手の登録番号が登録番号DB3011に登録されていないことを示す状態情報を生成してもよい。
【0067】
これにより、売り手の登録番号に対応する登録番号が元々登録番号DB3011に登録されていない場合であっても、そのことを買い手が知ることが可能となる。
【0068】
登録番号管理装置101では、参照結果情報には、売り手の登録番号が有効である期間を示す期間情報が含まれ、状態情報生成部1017は、期間情報に基づいて、売り手の登録番号が有効であるか否かを示す状態情報を生成してもよい。
【0069】
これにより、売り手の登録番号に対応する登録番号DB3011における登録番号が存在する場合であっても登録番号の有効期間が切れている場合が判定可能となる。
【0070】
登録番号管理装置101では、番号取得部1015は、売り手の登録番号に替えて売り手が登録番号を有しないことを示す未保有情報を売り手から取得し、未保有情報を取得した場合、売り手の登録番号が、複数の事業者の事業者名と複数の事業者それぞれの登録番号とが対応付けられて記憶された登録番号DB3011に登録される時期を売り手から取得してもよい。
【0071】
これにより、売り手の登録番号の取得時期を買い手が参照することが可能となり、買い手が売り手に対して適切な案内(例えばリマインドメールの送信)を行うことが可能となる。
【0072】
登録番号管理装置101では、番号取得部1015は、売り手が登録番号を有しないことの理由を示す理由情報を売り手から取得してもよい。
【0073】
これにより、売り手が登録番号を取得しない理由を買い手が知ることが可能となるため、買い手が売り手に対して適切な対応(例えば、登録の案内や、登録のサポート)を行いうる。
【0074】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0075】
10…登録番号検証システム、101…登録番号管理装置、201…ユーザ端末、301…登録番号記憶サーバ、1013…顧客情報取得部、1014…入力要求送信部、1015…番号取得部、1016…データベース参照部、1017…状態情報生成部
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