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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039076
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】回転演出装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230313BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146041
(22)【出願日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】595112915
【氏名又は名称】株式会社ヤマダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山田 将人
(72)【発明者】
【氏名】島崎 健
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC25
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】 小型の光源を用いて且つ簡便な機構で多彩な演出を与え得る遊技機の回転演出装置の提供。
【解決手段】 遊技者に円盤面を視認させるようにして発光しながら回転する遊技機の回転演出装置である。本体部と、円盤面を含み本体部に対して回転する回転中心軸を有する透明な円盤回転体と、円盤回転体の外周部の外側にあってその光軸を回転中心軸に向けて本体部に固定され、円盤回転体の内部へ外周部から入射光を導く点光源と、円盤回転体を回転中心軸の回りで回転させる回転駆動機構と、を含み、点光源は円盤回転体の外周部に沿って所定間隔で複数個与えられるとともに、円盤回転体は円盤面に沿って進む入射光の一部を円盤面の前方へ光路変更させ出射光として出射させる光路変更部を与えられていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に円盤面を視認させるようにして発光しながら回転する遊技機の回転演出装置であって、
本体部と、
前記円盤面を含み前記本体部に対して回転する回転中心軸を有する透明な円盤回転体と、
前記円盤回転体の外周部の外側にあってその光軸を前記回転中心軸に向けて前記本体部に固定され、前記円盤回転体の内部へ前記外周部から入射光を導く点光源と、
前記円盤回転体を前記回転中心軸の回りで回転させる回転駆動機構と、を含み、
前記点光源は前記円盤回転体の外周部に沿って所定間隔で複数個与えられるとともに、前記円盤回転体は前記円盤面に沿って進む前記入射光の一部を前記円盤面の前方へ光路変更させ出射光として出射させる光路変更部を与えられていることを特徴とする遊技機の回転演出装置。
【請求項2】
前記円盤回転体は、前記回転中心軸の周囲に光を透過しない不透明環状部を設けられることを特徴とする請求項1記載の遊技機の回転演出装置。
【請求項3】
前記円盤回転体を介してその背面の画像を前記遊技者に視認可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機の回転演出装置。
【請求項4】
前記点光源は前記回転中心軸に向かって拡がる光束を与えるようにLED光源にレンズを組み合わせてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の遊技機の回転演出装置。
【請求項5】
隣り合う前記光源の前記光束同士の間に低光量部を設け、前記光路変更部について前記低光量部を通過させることで前記出射光の光量を変化させることを特徴とする請求項4記載の遊技機の回転演出装置。
【請求項6】
前記光路変更部は、前記回転中心軸に対して傾斜した傾斜面を有するように前記円盤回転体の表面から切削された切削穴又は切削溝からなることを特徴とする請求項5記載の遊技機の回転演出装置。
【請求項7】
前記光路変更部は、前記円盤面の半径上に中心を有する円周線に沿って前記切削穴を並べて又は一連の前記切削溝を形成してなることを特徴とする請求項6記載の遊技機の回転演出装置。
【請求項8】
前記円周線は、同心円状の複数からなることを特徴とする請求項7記載の遊技機の回転演出装置。
【請求項9】
前記円周線は、等角度間隔に設定された前記半径の複数のそれぞれの等価位置に与えられることを特徴とする請求項7又は8に記載の遊技機の回転演出装置。
【請求項10】
前記円盤回転体を回転させ、前記光源から直線状に延びる光跡を与えることを特徴とする請求項7乃至9のうちの1つに記載の遊技機の回転演出装置。
【請求項11】
前記光路変更部は、前記円盤面に点状に前記切削穴を分散形成されてなることを特徴とする請求項6記載の遊技機の回転演出装置。
【請求項12】
前記点光源は、複数の異なる色からそれぞれ選択して組み合わせられることを特徴とする請求項1乃至11のうちの1つに記載の遊技機の回転演出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者に円盤面を視認させるようにして発光しながら回転する遊技機の回転演出装置に関し、特に、円盤回転体の円盤面とともにその背後の画像とを組み合わせて該画像を変化させる演出を与え得る遊技機の回転演出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球式遊技機(パチンコ遊技機)や回胴式遊技機(スロット遊技機)などの演出装置として、発光しつつ回転する円盤を用いた回転演出装置が数多く提案されている。例えば、通常遊技の停止状態から、抽選結果の通知待機状態になると円盤を発光又は回転させ、その後、当たりの通知では円盤を発光しつつ回転させて、遊技者に抽選結果を通知するような演出に用い得る。かかる回転演出装置は、遊技者のもっとも視認されやすい位置に取り付けられることが多く、その機械的動作や光学的変化などの演出により趣向を凝らすような設計が試みられている。
【0003】
例えば、特許文献1では、遊技盤面中央の図柄表示装置の上部に与えられ、回転円盤上に円環状に配置された複数(6個)の可動片の背後に周部LEDを配置した回転演出装置を開示している。回転盤とともに周部LEDの前を周回するように可動片が回転し、可動片の間の間隔部から断続的に露光されるのである。周部LEDは、円周上に等角度間隔で複数のLED素子が基板上に配列され、前方の遊技者へ向けられている。周部LEDから照射される光を可動部材が移動して遮蔽および露出することにより、発光態様に変化やメリハリが付与され、また、周部LEDから照射される光を点滅させるのではなく、可動部材を移動させて発光態様を変化させているから、光の出没による視覚的変化だけでなく、可動部材の動きによる視覚的変化も併せて得ることができ、装飾効果をさらに良好にできるとしている。
【0004】
一方、特許文献2では、光を照射される移動役物が移動動作した場合に、著しく暗くなってしまうことを防止して、視覚的な演出効果を高めるとした、遊技者に円盤面を視認させるようにして発光しながら回転する遊技機の回転演出装置を開示している。複数の透光部が装飾部の背面側を移動し、初期位置から略90度回転した位置に移動した場合でも、照射した光を透光部に対して透過可能な位置に配置されるように、複数の発光手段が複数の透光部の移動方向に沿って前記した角度よりも小さい30度間隔で配置されるようにしている。光量を安定させることで、複数の透光部と装飾部とが一体となった演出を行うことができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-135002号公報
【特許文献2】特開2019-180572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したような遊技機の回転演出装置において、円盤回転体の円盤面とともにその背後の画像とを組み合わせて該画像を変化させる演出を考慮すると、透明な円盤回転体を介して背後の背景画像を遊技者が視認できるように、光照射手段を画像の背後から前方に向けて設けることになる。一方で、光照射手段には、背景画像を透過するだけの十分な光量が必要となる。また、円盤回転体の回転中心に光照射手段を設け、円盤回転体内に光を導き、部分的に光を円盤面の手前に向けて遊技者に出射することも考慮できる。このときも、円盤回転体の周縁部近傍では光量が低下し、やはり光照射手段には、十分な光量が必要とされることになる。
【0007】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、円盤回転体の円盤面とともにその背後の画像とを組み合わせて該画像を変化させる演出を与え得る遊技機の回転演出装置について、小型の光源を用いて且つ簡便な機構で多彩な演出を与え得る遊技機の回転演出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による回転演出装置は、遊技者に円盤面を視認させるようにして発光しながら回転する遊技機の回転演出装置であって、本体部と、前記円盤面を含み前記本体部に対して回転する回転中心軸を有する透明な円盤回転体と、前記円盤回転体の外周部の外側にあってその光軸を前記回転中心軸に向けて前記本体部に固定され、前記円盤回転体の内部へ前記外周部から入射光を導く点光源と、前記円盤回転体を前記回転中心軸の回りで回転させる回転駆動機構と、を含み、前記点光源は前記円盤回転体の外周部に沿って所定間隔で複数個与えられるとともに、前記円盤回転体は前記円盤面に沿って進む前記入射光の一部を前記円盤面の前方へ光路変更させ出射光として出射させる光路変更部を与えられていることを特徴とする。
【0009】
かかる特徴によれば、複数の点光源の点滅パターンと、回転円盤体の回転パターンとの多くの組み合わせによる演出が可能であり、小型の光源を用いて且つ簡便な機構で多彩な演出を与え得るのである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による1つの実施例における回転演出装置の正面図である。
図2】本発明による1つの実施例における回転演出装置の要部の側断面図である。
図3】本発明による1つの実施例における回転演出装置の分解斜視図である。
図4】光路変更部の明るい部分についての点光源との位置関係を示す正面図である。
図5】光路変更部の移動にともなう明るい部分の移動を示す正面図である。
図6】回転演出装置による演出の1形態を示す正面図である。
図7】光束と低光量部との位置関係を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明による1つの実施例としての弾球遊技機や回胴式遊技機などの遊技機に用いられる回転演出装置について、図1乃至図7を用いて説明する。
【0012】
図1に示すように、回転演出装置1は、正面視略円形の本体部10と本体部10に対して回転中心軸Aの周りで回転自在に軸支された円盤回転体20とを備える。回転演出装置1は、回転中心軸Aの紙面手前側を遊技者に向けるようにして遊技機に設置され、円盤回転体20の主面である円盤面29(図2参照)を遊技者に視認させるようにされる。
【0013】
本体部10は、円盤回転体20の外周部28(図2及び図3参照)に沿いつつ間隙を有して外側を覆うような環状部11を含む。環状部11は、手前側の面を円盤回転体20の円盤面と面一とするようにされている。環状部11の内部には、回転中心軸Aに光軸を向けた点光源としてLED12が固定される。LED12は、複数個を所定間隔となるよう円盤回転体20の外周部28に沿って配置されている。例えば、本実施例においては回転中心軸Aを中心として等角度間隔で16個を配置した。また、LED12は、レンズを組み合わされるなどして、回転中心軸Aに向かって拡がる光束を得られるようにされる。さらに、LED12は、発出する光の色を複数の異なる色の中から選択制御できるいわゆるマルチカラーやフルカラーと称されるLEDであることが好ましい。
【0014】
円盤回転体20は、外周側の導光部21を透明材料で構成され、回転軸体24(図3参照)に接続される中央側の接続部22を非透明な材料で構成される。これにより、LED12からの光を外周部28から導光部21の内部へ入射光として導くとともに、接続部22において光を遮り、回転中心軸Aの周囲に光を透過しない不透明環状部を設けることができる。
【0015】
円盤回転体20は、円盤面29に沿って進む入射光の一部を光路変更させる光路変更部23を備える。光路変更部23は、例えば、円盤面29の半径r上に中心Cを有する円周線CLに沿って円形となるように一連に切削された2本の切削溝からなる。つまり、かかる2本の切削溝は、共に中心Cを有する2つの同心円状に形成され、二重円環をなす。さらに、円周線CLは、回転中心軸Aの周りに等角度間隔Dに3本設定された半径rのそれぞれの等価位置となるよう、回転中心軸Aからの距離を同一とする中心Cを有するようにされる。つまり、上記した二重円環による光路変更部23が3つ、回転中心軸Aを中心として等角度間隔で並んでいる。
【0016】
図2に示すように、光路変更部23を形成する切削溝は、円盤面29の奥側の表面に開口するV字溝である。V字溝の底面は回転中心軸Aに対して傾斜する傾斜面であり、これによって円盤面29に沿って進む入射光の一部を反射させ、これを出射光として円盤面29の前方の遊技者へ向けて出射させることができる。
【0017】
図3に示すように、本体部10は環状部11の前方側の面に対して一段下がった位置に円盤回転体20と正対する底面13を備える。底面13の中央には円盤回転体20の接続部22から延びる回転軸体24を挿通させる貫通孔14を備える。貫通孔14に挿通された回転軸体24は、図示しない軸受によって回転中心軸Aの周りに回転自在に軸支される。また、回転軸体24の端部には底面13の裏側からギア25が嵌め込まれ、回転駆動機構26に接続される。つまり、回転駆動機構26は、図示しないモータ等の動力源からギア25に駆動力を伝達させて、円盤回転体20を回転させることができる。このような回転駆動機構26によって円盤回転体20はその回転を制御され、発光しながら回転することができる。回転駆動機構26は、円盤回転体20の回転のON、OFFだけでなく、回転速度も制御できるようにされることが好ましい。
【0018】
円盤回転体20は、本体部10の環状部11内に収容された状態で、円盤面29の反対側の主面を本体部10の底面13に正対させており、導光部21の背面にある底面13を視認させることができる。そこで、底面13には遊技機でモチーフとされるキャラクターなどの画像を描いておくことで、円盤回転体20の導光部21を介して遊技者にかかる画像を視認可能とさせ得る。
【0019】
次に、回転演出装置1の動作について説明する。
【0020】
円盤回転体20を停止させたままLED12を点灯させると、遊技者からは光路変更部23の全体が円環状の光跡として観察されるとともに、背後の底面13に描かれた画像を観察できる。このとき、円環状の光跡の中に明るい部分と暗い部分とが混在する。
【0021】
ここで、図4に示すように、明るい部分は、点光源であるLED12からの光束が円環の接線に垂直に入射する部分であり、V字溝の斜面によって最も多く光が手前側に光路変更される部分である。つまり、光路変更部23の円環の中心C及び点光源を結ぶ直線L1と、光路変更部23のV字溝との交点Pが明るい部分となる。また、LED12は円盤回転体20の外周部28を囲むように複数個配置されているため、多方向から光路変更部23へ光を入射させ、結果として円環の全体が光跡として観察される。このとき、遠くに配置されたLED12からの光束は拡がったり他の光路変更部23によって光路変更されたりして、小さい光量の光束として光路変更部23へ入射するため、上記したような明暗が形成される。また、接続部22において形成された不透明環状部は、回転中心軸Aを挟んだ反対側のLED12からの光の影響をほとんど与えないようにでき、このような明暗の形成に寄与する。
【0022】
続いて、低速で円盤回転体20を回転させると、光跡は上記した円環の移動を示すように略回転方向に円環を引き伸ばしたように観察される。上記と同様に円環であることは視認されるが、円環が回転方向に伸びることで暗い部分がより暗く感じられ、明るい部分との明度差を大きくしたように感じられる。一方、明るい部分については直線状に延びるように観察される。
【0023】
図5に示すように、円盤回転体20の回転によって光路変更部23が移動すると、交点Pも光路変更部23上で円環に沿って移動しつつ明るい部分を形成し、上記したような直線状の光跡を与える。なお、交点Pによる光跡は厳密には曲線であるが、光路変更部23の円環に比べて非常に大きな曲率を有するため、直線状と表現する。
【0024】
さらに、図6に示すように、高速で円盤回転体20を回転させると、もはや光路変更部23の円環はほぼ観察されず、主として交点Pによる明るい部分の直線状の光跡のみが観察される。また、この直線状の光跡は、点光源であるLED12に最も近づいた部分で折れ曲がり(図5を併せて参照)、その結果、円盤回転体20の全体として花びら様の模様が現れる。また、多数の長尺の光跡により、背後の底面13の画像は観察しづらくなる。なお、二重円環の数を変更したり等角度間隔以外の配置としたりしても、上記と同様の光跡を形成させることができる。
【0025】
このように、回転演出装置1によれば、円盤回転体20の回転速度によって遊技者に視認される光跡による模様や背後の画像の見え方を変動させ、多彩な演出を与え得る。このように、多彩な演出を与え得ることで、回転演出装置1は、単一の演出装置で態様の異なる多数の演出を行い得る。これにより、設置スペースの限られた遊技機においても、複数の演出装置を用いることなく、遊技機に要求されるチャンス予告などの様々な態様の演出を行い得る。上記では、LED12を点灯させたままとしたが、LED12による光の色を変化させたり、点滅を制御したりすることで、さらに多彩な演出を与え得る。
【0026】
図7を参照すると、LED12は、上記したように回転中心軸Aに向かって拡がる光束を与えるものとされ得る。かかる光束の拡がり角度によっては、隣り合う点光源である2つのLED12による光束同士の間に導かれる光量の少ない低光量部Gが生じる。このような場合、円盤回転体20の回転によって低光量部Gに光路変更部23を通過させることで光路変更部23から遊技者に向けた出射光の光量を変動させ得る。これによっても演出を更に多彩にし得る。
【0027】
また、上記したように接続部22において形成された不透明環状部は、回転中心軸Aを挟んだ反対側のLED12からの光の影響をほとんど与えないようにできる。そのため、LED12の配置に基づき、LED12から発出される光の色を場所ごとに変えることで円盤回転体20内に到達する場所ごとに光の色を変えることも容易である。例えば、上から時計回りに順に色を変えて全体で虹色を表現したりすることもできる。このように、複数の異なる色を組み合わせても演出を多彩にし得る。
【0028】
上記においては、光路変更部23は切削溝によって形成したが、切削穴を用いてもよい。この場合においても、切削穴の側面については、回転中心軸Aに対して傾斜する傾斜面とすることが好ましい。例えば、円錐や円錐台による袋穴や貫通孔とし得る。
【0029】
このような切削穴を光路変更部として用いる場合、切削穴の径を充分に小さくすると、入射光の方向によっても遊技者に向けた出射光の光量は変化しない。そのため、切削溝に比べて、回転速度による見え方の変動は小さくなる。一方で、切削穴に入射する光の量や色を変化させることで出射光の量や色を大きく変動させ得る。例えば、切削穴による光路変更部を上記した低光量部Gに通過させてもよい。
【0030】
このような切削穴は、円盤回転体20の円盤面に点状に分散させて光路変更部として形成してもよい。また、列をなすように切削穴を並べて形成して一定の形状を表すようにしてもよい。例えば、上記した円周線CL(図1参照)に沿って並べて円形の列とすることもできる。
【0031】
さらには、LED12を周期的に点滅させて、円盤回転体20の回転や光路変更部の配列の周期と同期させ、あるいは同期する周期に対して一定のずれを生じさせ、光路変更部による光跡に変化を与えるようにしてもよい。
【0032】
このように複数の点光源の点滅パターンと、回転円盤体の回転速度の変化による回転パターンとの多くの組み合わせによる多彩な演出が可能である。
【0033】
さらに、円盤回転体に上記した切削溝と切削穴とを混在させて配置し、回転速度による見え方の変動を部位によって変化させ、これによってさらに多彩な演出を行うこともできる。
【0034】
また、LEDをストロボ状に短く周期的に発光させるとともに、円盤回転体を回転させ、その回転速度とLEDの発光周期を調整することで、いわゆるゾートロープのように模様を変化させる表示とすることもできる。
【0035】
さらには、回転することで錯視を生じるような模様を光路変更部によって円盤回転体に形成しておき、円盤回転体を回転させて遊技者に錯視を生じさせるようにしてもよい。この場合、光路変更部による模様を均一に発光させることが好ましく、円盤回転体の回転速度を比較的小さなものとするとよい。
【0036】
ここまで本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれらの例に限定されるものではない。また、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0037】
1 回転演出装置
10 本体部
12 LED(点光源)
20 円盤回転体
23 光路変更部
26 回転駆動機構
28 外周部
29 円盤面
A 回転中心軸

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7