(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039126
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20230313BHJP
【FI】
G06F3/0481
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146129
(22)【出願日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 由香
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA22
5E555AA28
5E555AA74
5E555BA03
5E555BA05
5E555BA06
5E555BB03
5E555BB05
5E555BB06
5E555BE11
5E555CB72
5E555CC22
5E555DA01
5E555DB02
5E555DB03
5E555DC05
5E555DC31
5E555DC35
5E555DD06
5E555EA09
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザの利便性を向上させた電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器1は、表示部10と、表示部10を制御する制御部20と、を備える。制御部20は、電子機器1の状態を検出し、検出された状態に基づいて表示部10に表示される画面のうちユーザの操作を妨げない部分の画面を変化させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
表示部と、
前記表示部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記電子機器の状態を検出し、
検出された前記状態に基づいて前記表示部に表示される画面のうちユーザの操作を妨げない部分の画面を変化させる、
電子機器。
【請求項2】
前記状態は、前記電子機器の連続稼働時間、前記電子機器の記録媒体の劣化状態、前記記録媒体の残り容量、前記電子機器のバッテリーの劣化状態、前記電子機器の冷却ファンの劣化状態、無線通信の電波状態、プロセッサの温度、または未読メールの数のうち少なくともいずれか1つを示す、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部による画面の変化は、前記表示部に表示される画面のうちGUIによる操作が可能な部分以外の部分において行われる、
請求項1また2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部による画面の変化は、前記状態に応じてファイル一覧画面の背景色の変更を含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部による画面の変化は、前記表示部に表示される画面の隅への半透明の画像の表示を含み、
前記制御部は、前記状態に応じて前記半透明の画像の大きさを変化させる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部による画面の変化は、前記状態に応じた前記表示部に表示される背景画像の変更を含む、
請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、検出された前記状態に基づいてレベルを判定し、前記状態のレベルに応じて前記画面を変化させる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の情報処理装置は、ハードディスクドライブの使用環境または使用状況の履歴と所定の条件とを比較して、所定の条件を満たす場合に、表示部に比較結果を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の情報処理装置では、ユーザの利便性を向上させるといった点で改善の余地がある。
【0005】
本開示は、ユーザの利便性を向上させた電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる電子機器は、
電子機器であって、
表示部と、
前記表示部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記電子機器の状態を検出し、
検出された前記状態に基づいて前記表示部に表示される画面のうちユーザの操作を妨げない部分の画面を変化させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によると、ユーザの利便性を向上させた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1にかかる電子機器の外観を示す斜視図
【
図2】
図1の電子機器の機能的構成を示すブロック図
【
図3】電子機器1における画面の変化の一例を示す模式図
【
図4A】ファイル一覧画面の背景色の例を示す模式図
【
図4B】ファイル一覧画面の背景色の例を示す模式図
【
図4C】ファイル一覧画面の背景色の例を示す模式図
【
図6A】表示部の隅に表示された半透明の画像の例を示す模式図
【
図6B】表示部の隅に表示された半透明の画像の例を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示に至った経緯)
使用環境または使用状況などの機器の状態を監視し、状態に基づいて表示部に情報を表示する電子機器が知られている。例えば、特許文献1に記載の情報処理装置は、ハードディスクドライブの使用環境または使用状況の履歴と所定の条件とを比較して、所定の条件を満たす場合に、表示部に比較結果を出力する。
【0010】
特許文献1に記載の情報処理装置の場合、所定の条件を満たす場合に、表示部に報知画面が表示される。表示部に報知画面が表示されると、ユーザの作業を妨げることとなり、ユーザの利便性が低下してしまう。
【0011】
また、機器の状態を、ポップアップ通知等により一時的に報知画面を通知する電子機器も知られている。この場合、ユーザが通知を見逃してしまい、電子機器のパフォーマンス低下をユーザが認識することができないという問題がある。
【0012】
そこで、本発明者らは、ユーザの作業を妨げることなく、状態を通知することのできる電子機器について検討し、以下の発明に至った。
【0013】
本開示の第1態様にかかる電子機器は、
電子機器であって、
表示部と、
前記表示部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記電子機器の状態を検出し、
検出された前記状態に基づいて前記表示部に表示される画面のうちユーザの操作を妨げない部分の画面を変化させる。
【0014】
このような構成によると、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0015】
本開示の第2態様にかかる電子機器において、
前記状態は、前記電子機器の連続稼働時間、前記電子機器の記録媒体の劣化状態、前記記録媒体の残り容量、前記電子機器のバッテリーの劣化状態、前記電子機器の冷却ファンの劣化状態、無線通信の電波状態、プロセッサの温度、または未読メールの数のうち少なくともいずれか1つを示してもよい。
【0016】
このような構成によると、電子機器のパフォーマンスに影響する電子機器の状態を検知し、ユーザに事前に通知することで、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0017】
本開示の第3態様にかかる電子機器において、
前記制御部による画面の変化は、前記表示部に表示される画面のうちGUIによる操作が可能な部分以外の部分において行われてもよい。
【0018】
このような構成によると、ユーザの作業を妨げることなく状態を通知することができる。
【0019】
本開示の第4態様にかかる電子機器において、
前記制御部による画面の変化は、前記状態に応じてファイル一覧画面の背景色の変更を含んでもよい。
【0020】
このような構成によると、SSD等の記録媒体の残容量または劣化状態などをユーザが視覚的に認識することができる。
【0021】
本開示の第5態様にかかる電子機器において、
前記制御部による画面の変化は、前記表示部に表示される画面の隅への半透明の画像の表示を含み、
前記制御部は、前記状態に応じて前記半透明の画像の大きさを変化させてもよい。
【0022】
このような構成により、例えば連続稼働時間が長くなっており、電子機器のパフォーマンス改善のために再起動が必要であることを、ユーザの作業を妨げることなく通知することができる。
【0023】
本開示の第6態様にかかる電子機器において、
前記制御部による画面の変化は、前記状態に応じた前記表示部に表示される背景画像の変更を含んでもよい。
【0024】
このような構成により、ユーザの作業を妨げることなく、電子機器の状態を通知することができる。
【0025】
本開示の第7態様にかかる電子機器において、
前記制御部は、検出された前記状態に基づいてレベルを判定し、前記状態のレベルに応じて前記画面を変化させてもよい。
【0026】
このような構成により、ユーザの作業を妨げることなく、電子機器の状態がどの程度悪化しているか、または改善しているかを通知することができる。
【0027】
以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、実施の形態1にかかる電子機器1の外観を示す斜視図である。
図2は、
図1の電子機器1の機能的構成を示すブロック図である。電子機器1は、
図1および
図2に示すように、画像を表示する表示部10と、表示部10を制御する制御部20と、を備える。また、本実施の形態では、電子機器1は、
図1に示すように、いわゆるラップトップ型コンピュータであり、本体40に表示部10が回動可能に取り付けられた構成となっている。
【0029】
表示部10は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等の画像を表示することのできる装置である。
【0030】
制御部20は、例えば、CPU、MPU、DSP、FPGA、ASIC等で構成することができる。制御部20は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。制御部20は、制御部20内の図示しない記憶領域に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことにより、所定の機能を実現する。
【0031】
本実施の形態では、制御部20は、機能的構成として、状態検出部21と、レベル判定部22と、表示更新部23と、を有する。なお、レベル判定部22は必須の構成ではないため、制御部20はレベル判定部22を有していなくてもよい。
【0032】
状態検出部21は、電子機器1の状態を検出する。電子機器1の状態は、例えば、電子機器1の連続稼働時間、電子機器1に搭載されたSSD等の記録媒体の劣化状態、記録媒体の残り容量、電子機器1に搭載されたバッテリーの劣化状態、または、電子機器1に搭載された冷却ファンの劣化状態等を含む。
【0033】
状態検出部21により検出された電子機器1の状態に基づいて、レベル判定部22は、電子機器1の状態のレベルを判定する。
【0034】
表示更新部23は、レベル判定部22により判定された状態のレベルに基づいて、表示部10に表示される画面を変化させる。表示更新部23は、表示部10に表示される画面のうち、ユーザの操作を妨げない部分の画面を変化させる。ユーザの操作を妨げない部分とは、例えば、表示部10に表示されている画面のうち、ユーザが操作しているアプリケーションウィンドウ以外の部分、または、表示部10に表示される画面のうちGUI(Graphical User Interface)による操作が可能な部分以外の部分である。表示部10に表示される画面のうちGUIによる操作が可能な部分以外の部分には、例えば、ファイル一覧画面の背景色、表示部10に表示される画面の隅、または、背景画像等が含まれる。ファイル一覧画面とは、例えばフォルダ内のファイルを一覧表示することのできる画面を示す。表示更新部23は、例えば、状態レベルに基づいて、ファイル一覧画面の背景色の変更、表示部10の隅への半透明の画像の表示、または背景画像の変更、などを行うことができる。
【0035】
図3は、電子機器1における画面の変化の一例を示す模式図である。
図4A~
図4Cは、ファイル一覧画面の背景色の例を示す模式図である。
【0036】
例えば、状態検出部21により検出された電子機器1の状態に応じて、レベル判定部22が、電子機器1の状態レベルを判定する。状態レベルは、電子機器1の状態に対応して段階的に設定することができる。例えば、本実施の形態では、記録媒体の残り容量が30%以上の場合に「レベル0(正常範囲)」、記録媒体の残り容量が5%以上30%未満の場合「レベル1(対処する必要あり)」、記録媒体の残り容量が5%未満の場合「レベル2(すぐに対処する必要あり)」、等の状態レベルを設定してもよい。状態レベルは、「レベル0」から「レベル2」の3段階に限定されず、2段階または4段階以上に設定されてもよい。
【0037】
表示更新部23は、レベル判定部22による状態レベルの判定に基づいて、表示部10に表示される画面を更新する。本実施の形態では、表示更新部23は、状態検出部21により検出された記録媒体の残り容量に応じて、ファイル一覧画面31の背景色を変化させる。例えば、レベル判定部22が「レベル0」と判定した場合、表示更新部23は、
図4Aに示すように、ファイル一覧画面31の背景色を白色にする。また、レベル判定部22が通知すると判定し状態レベルが「レベル1」である場合、表示更新部23は、
図4Bに示すように、ファイル一覧画面31の背景色を白色以外の色(例えば、黄色)に変更する。さらに、レベル判定部22が通知すると判定し状態レベルが「レベル2」である場合、表示更新部23は、
図4Cに示すように、ファイル一覧画面31の背景色をさらに別の色(例えば、赤色)に変更する。このように、状態レベルに応じて、ファイル一覧画面31の色を変化させることで、ユーザに電子機器1の状態を認識させることができる。
【0038】
または、表示更新部23は、状態レベルに応じてファイル一覧画面の背景色を徐々に変化させてもよい。例えば、表示更新部23は、記録媒体の残り容量が少なくなるにつれて、白色から濃い色(例えば、赤色)に徐々に変化させてもよい。
【0039】
例えば、ユーザにより記録媒体に保存されたデータが削除されて、記録媒体の残り容量が増えた場合には、レベル判定部22は状態レベルを引き下げ、表示更新部23は新たな状態レベルに基づいて、ファイル一覧画面の背景色を変更することができる。したがって、電子機器1の状態が悪化したことまたは改善したことに基づいて、表示更新部23は画面を変化させてもよい。
【0040】
状態レベルに応じて背景色を変えることで、ユーザが電子機器1の状態(ここでは、記録媒体の残り容量)を正しく認識することができる。また、ユーザが目視できる部分の画面を変化させることで、ユーザは、能動的に情報にアクセスすることなく電子機器1の状態を把握することができる。
【0041】
表示更新部23により、ユーザの操作を妨げない部分の画面を変化させることで、ユーザの作業を妨げずに、ユーザに対して記録媒体に異常(残容量の低下など)が発生したことを通知することができる。例えば、記録媒体に関する異常は、記録媒体の内容を表示するファイル一覧画面の背景色を変更して通知することで、ユーザは記録媒体に異常が生したということを容易に認識することができる。ユーザは作業を続けつつ、記録媒体の異常を認識することができるため、適切なタイミングで対処することができる。
【0042】
[動作]
図5を参照して、電子機器1の状態に基づいて表示部10に表示される画面を変化させる動作について説明する。
図5は、制御部20による動作を示すフローチャートである。ここでは、電子機器1の状態として、上述した記録媒体の残り容量を例にして説明する。
【0043】
電子機器1が起動すると、状態検出部21が電子機器1の状態を検出する(ステップS11)。本実施の形態では、電子機器1は、記録媒体の残り容量を監視する。状態検出部21は、例えば、電子機器1が起動している間、所定の間隔で電子機器1の状態を検出してもよい。または、状態検出部21は、例えば、電子機器1が起動している間、常に電子機器1の状態を検出していてもよい。
【0044】
レベル判定部22は、状態検出部21により検出された電子機器1の状態に基づいて、電子機器1の状態レベルを判定する。本実施の形態では、レベル判定部22は、記録媒体の残り容量に応じて、例えば「レベル0」から「レベル2」までの3つのレベルのいずれに該当するかを判定する。
【0045】
表示更新部23は、レベル判定部22の判定結果に基づいて、表示部10に表示される画面を変化させる。レベル判定部22の判定結果が「レベル0」である場合、表示更新部23は、ファイル一覧画面の背景色を白色にする。レベル判定部22の判定結果が「レベル1」である場合、表示更新部23は、ファイル一覧画面の背景色を黄色にする。レベル判定部22の判定結果が「レベル2」である場合、表示更新部23は、ファイル一覧画面の背景色を赤色にする。
【0046】
[効果]
上述した実施の形態によると、ユーザの作業を妨げることなく、状態を通知することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0047】
ユーザの作業を妨げることなく、電子機器1の状態(例えば、記録媒体の残り容量)をユーザに認識させることができる。このため、電子機器1の状態が悪化した場合に、適切なタイミングで状態改善の対策を実施することができる。したがって、電子機器1の急な故障またはパフォーマンス低下によるユーザの作業効率の低下を防止することができる。
【0048】
なお、上述した実施の形態では、制御部20がレベル判定部22を有する例について説明したが、これに限定されない。制御部20はレベル判定部22を有していなくてもよく、この場合、表示更新部23は、状態検出部21で検出した状態に基づいて、表示部10に表示される画面を変化させてもよい。
【0049】
また、上述した実施の形態では、電子機器1の状態として、記録媒体の残り容量を例にして説明したが、電子機器1の状態はこれに限定されない。例えば、電子機器1の状態は、記録媒体の劣化状態であってもよい。
【0050】
状態検出部21は、例えば、記録媒体に搭載されている自己診断システムであるS.M.A.R.T.(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)情報を取得することで記録媒体の劣化状態を検出することができる。S.M.A.R.T.情報は、例えば、使用時間、電源投入回数、読み取り/書き込みのエラー率等の検査項目に基づいて算出される記録媒体の状態を表す数値である。検出されたS.M.A.R.T.情報に基づいて、レベル判定部22は、電子機器1の状態レベルを判定してもよい。すなわち、レベル判定部22は、S.M.A.R.T.情報に基づいて、記録媒体の劣化状態のレベルを判定してもよい。さらに、表示更新部23は、記録媒体の劣化状態のレベルに応じてファイル一覧画面31の背景色を変更してもよい(
図4A~
図4C)。
【0051】
また、電子機器1の状態として、記録媒体の残り容量または劣化状態に加えて、電子機器1の連続稼働時間、電子機器1のバッテリーの劣化状態、電子機器1に搭載された冷却ファンの劣化状態、無線通信の電波状態、電子機器1のプロセッサの温度、または未読メールの数等を検出してもよい。言い換えると、電子機器1の状態としては、電子機器1の連続稼働時間、電子機器1の記録媒体の劣化状態、記録媒体の残り容量、電子機器1のバッテリーの劣化状態、電子機器1の冷却ファンの劣化状態、無線通信の電波状態、電子機器1のプロセッサの温度、または未読メールの数のうち少なくともいずれか1つを使用することができる。
【0052】
例えば、電子機器1の状態として、電子機器1の連続稼働時間を使用する場合、状態検出部21により電子機器1が前回起動した時点からの経過時間を検出し、レベル判定部22により連続稼働時間に応じて状態レベルを判定してもよい。電子機器1の連続稼働時間が長くなると、メモリリーク等により電子機器1の動作が遅くなることがある。このため、連続稼働時間に基づいて、レベル判定部22が状態レベルを設定することにより、ユーザに適切な対処(例えば、再起動)を促すことができる。
【0053】
また、電子機器1の状態として、電子機器1のバッテリーの劣化状態を使用する場合、例えば、状態検出部21によりバッテリーの電流値、電圧値、または温度等を検出し、レベル判定部22によりバッテリーの劣化状態のレベルを判定してもよい。
【0054】
また、電子機器1の状態として、電子機器1の冷却ファンの劣化状態を使用する場合、状態検出部21により冷却ファンの風量または騒音等を検出し、レベル判定部22により冷却ファンの劣化状態のレベルを判定してもよい。
【0055】
また、電子機器1の状態として、無線通信の電波状態を使用する場合、例えば無線WANまたは無線LAN等に使用する電波の強度を検出し、レベル判定部22により無線通信の電波状態のレベルを判定してもよい。
【0056】
また、電子機器1の状態として、電子機器1のプロセッサの温度を使用する場合、例えばCPUまたはGPU等の温度を検出し、レベル判定部22によりプロセッサの状態のレベルを判定してもよい。
【0057】
また、電子機器1の状態として、未読メールの数を使用する場合、電子機器1で受信したメールのうち、まだ読んでいないメールの数を検出し、レベル判定部22により未読メールがどのくらい蓄積しているかを状態レベルとして判定してもよい。
【0058】
また、表示更新部23は、これらの電子機器1の状態に基づいて、ファイル一覧画面の背景色を変更すること以外にも、様々な方法で表示部10に表示される画面の変更をしてもよい。
【0059】
例えば、表示更新部23は、表示部10に表示される画面の隅に半透明の画像を表示させてもよい。
【0060】
図6A~
図6Bは、表示部10の隅に表示された半透明の画像の例を示す模式図である。
図6A~
図6Bに示すように、表示更新部23は、表示部10に表示される画面の左下隅および右上隅に半透明の画像32を表示してもよい。なお、半透明の画像32の表示は、表示部10に表示される画面の左下隅および右上隅に限定されず、表示部10に表示される画面の四隅のうちいずれか1つ以上に表示されていればよい。表示部10に表示される画面の隅であれば、ユーザの作業の妨げとなりづらいが、画像の表示をユーザは常に認識することができる。したがって、ユーザの作業を妨げることなく、電子機器1の状態をユーザに認識させることができる。
【0061】
半透明の画像32は、表示部10に表示されている背景画像やアプリケーションウィンドウ等を透過する画像、すなわち透過性を有する画像である。半透明の画像32は、例えば、灰色のドットパターン等で構成された画像である。
【0062】
また、表示更新部23は、レベル判定部22により設定された電子機器1の状態レベルに応じて、半透明の画像32の大きさを変更してもよい。例えば、レベル判定部22により電子機器1の状態レベルが「レベル0」と判定された場合、表示更新部23は半透明の画像32を表示しない。レベル判定部22により電子機器1の状態レベルが「レベル1」と判定された場合、表示更新部23は、
図5Aのような半透明の画像32aを表示する。さらに、レベル判定部22により電子機器1の状態レベルが「レベル2」と判定された場合、表示更新部23は、
図5Bのように、半透明の画像32aよりも大きな半透明の画像32bを表示する。
【0063】
このように、表示更新部23による画面の変化を、表示部10に表示される画面の隅に半透明の画像32を表示してもよい。表示部10に表示される画面の隅に画像を表示することで、ユーザの作業を妨げることなく電子機器1の状態をユーザに認識させることができる。
【0064】
また、状態検出部21により検出された電子機器1の状態に応じて、表示更新部23が表示部10の背景画像を変更してもよい。
【0065】
図7A~
図7Bは、表示部10の背景画像の変更例を示す模式図である。
図7Aは、朝の風景を示す背景画像33aが表示されている例であり、
図7Bは、夜の風景を示す背景画像33bが表示されている例である。
【0066】
背景画像とは、表示部10の背景に表示される画像であり、一般的にデスクトップ壁紙またはデスクトップピクチャと呼ばれる画像である。
【0067】
例えば、表示更新部23は、電子機器1の状態が良い(正常であり対処の必要がない)場合に背景画像33aを表示し、電子機器1の状態が悪い(異常が発生している可能性があり対処の必要がある)場合に背景画像33bを表示してもよい。
【0068】
背景画像は、例えば、朝から夜のほか、都会風景から田舎風景、または浅瀬から深海など、電子機器1の状態レベルと関連付けて変化させることのできる画像であるとよい。また、ユーザが任意の画像を電子機器1の状態と関連付けて設定してもよい。
【0069】
表示部10の背景画像は、ユーザの作業を妨げることなく変化させることができ、また、ユーザが目視で認識しやすいため、ユーザの作業を妨げることなく電子機器1の状態を認識させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本開示は、ラップトップ型PC、タブレット型PC、またはスマートフォン等の電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 電子機器
10 表示部
20 制御部
21 状態検出部
22 レベル判定部
23 表示更新部
31 ファイル一覧画面
32 半透明の画像
32a 半透明の画像
32b 半透明の画像
33a 背景画像
33b 背景画像