(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039149
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】来訪者呼出システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230313BHJP
G06Q 40/02 20230101ALI20230313BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146171
(22)【出願日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 良
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L055BB29
(57)【要約】
【課題】整理券を発行することなく、来訪者を呼び出すことができる来訪者呼出システムを提供する。
【解決手段】施設に来訪した来訪者を検出し、当該来訪者を継続して追跡し且つ当該来訪者の来訪者位置情報を継続して出力する監視追跡手段82と、監視追跡手段82で検出された来訪者を、施設への来訪順に区別して記憶するとともに、監視追跡手段82から出力される当該来訪者の来訪者位置情報を更新して記憶する来訪者位置情報記憶部91と、呼び出すべき一の来訪者を特定する制御部93とを有し、制御部93は特定した一の来訪者の来訪者位置情報を来訪者位置情報記憶部91から呼び出し、当該来訪者位置情報に基づいて表示部41,51,61に、当該一の来訪者の位置に関する表示を行わせる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に来訪した来訪者を検出し、当該来訪者を継続して追跡し且つ当該来訪者の来訪者位置情報を継続して出力する監視追跡手段と、
前記監視追跡手段で検出された来訪者を、前記施設への来訪順に区別して記憶するとともに、前記監視追跡手段から出力される当該来訪者の来訪者位置情報を更新して記憶する来訪者位置情報記憶部と、
呼び出すべき一の来訪者を特定する制御部とを有し、
前記制御部は、特定した一の来訪者の来訪者位置情報を前記来訪者位置情報記憶部から呼び出し、当該来訪者位置情報に基づいて表示部に、当該一の来訪者の位置に関する表示を行わせる来訪者呼出システム。
【請求項2】
さらに、
前記施設内に配置される複数の設備と、
これら複数の設備ごとに、設備識別情報と設備位置情報とが関連付けて記憶された設備位置情報記憶部とを有し、
前記制御部は、特定した一の来訪者の来訪者位置情報を前記来訪者位置情報記憶部から呼び出すとともに、当該来訪者位置情報と、前記設備位置情報記憶部に記憶された設備位置情報との近似度を確認し、当該来訪者位置情報と所定の近似度を有する設備位置情報がある場合に、当該設備位置情報に関連付けて前記設備位置情報記憶部に記憶されている設備識別情報を、当該一の来訪者の位置に関する表示として前記表示部に表示させる請求項1に記載の来訪者呼出システム。
【請求項3】
前記複数の設備は、呼び出し待ちの間、来訪者が着席可能であって、それぞれに異なる座席番号が付与された複数の座席であり、
前記設備位置情報記憶部には、前記複数の座席のそれぞれに、設備識別情報としての座席番号と設備位置情報とが関連付けて記憶されており、
前記制御部は、特定した一の来訪者の来訪者位置情報を前記来訪者位置情報記憶部から呼び出すとともに、当該来訪者位置情報と、前記設備位置情報記憶部に記憶された設備位置情報との近似度を確認し、当該来訪者位置情報と所定の近似度を有する設備位置情報がある場合に、当該設備位置情報に関連付けて前記設備位置情報記憶部に記憶されている設備識別情報としての座席番号を、当該一の来訪者の位置に関する表示として前記表示部に表示させる請求項2に記載の来訪者呼出システム。
【請求項4】
前記表示部は、携帯端末に設けられたものを含む請求項1から3のいずれか一項に記載の来訪者呼出システム。
【請求項5】
さらに、
前記監視追跡手段と連携して、前記監視追跡手段で検出された来訪者の生体情報から、来訪者の個人情報を特定する来訪者個人情報特定手段を備え、
前記制御部は、前記来訪者個人情報特定手段によって、来訪者の個人情報を特定でき、当該来訪者が重要顧客であると判断した場合には、それ以外の場合とは異なる順で当該来訪者を呼び出すべき一の来訪者と特定可能である請求項1から4のいずれか一項に記載の来訪者呼出システム。
【請求項6】
さらに、
前記監視追跡手段と連携して、前記監視追跡手段で検出された来訪者の生体情報から、来訪者の個人情報を特定する来訪者個人情報特定手段を備え、
前記制御部は、特定した一の来訪者の来訪者位置情報を前記来訪者位置情報記憶部から呼び出し、当該来訪者位置情報に基づいて前記表示部に、当該一の来訪者の位置に関する表示を行わせるとともに、前記来訪者個人情報特定手段によって、当該一の来訪者の個人情報を特定できた場合には、当該一の来訪者の個人情報を前記表示部に表示させる請求項1から5のいずれか一項に記載の来訪者呼出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、来訪者呼出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等の窓口にあっては、その受付順に窓口に顧客を呼び出せるように、整理券を発行し、例えば、その発行順で顧客を窓口に呼び出す呼出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。さらには、複数の業務に区分される窓口を有する場合には、当該複数の窓口業務ごとに整理券を発行して、当該複数の窓口業務ごとの発行順で顧客を窓口に呼び出す呼出装置も知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2865767号公報
【特許文献2】特開2004-192503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの呼出装置にあっては、顧客はまず呼出装置の発券機に向かい、整理券の発行を受けてこれを所持し、当該整理券に記載されている受付順を示す番号が呼び出されるのを待つ必要がある。店舗の大きさによっては、呼出装置の場所が判り難く、その場所に気付くのが遅れたり、その設置場所が店舗入口から遠い場合には、足の不自由な人には苦痛であったりする。また、発行される整理券は、一般的にロール紙に印字を行って作成されるものであるが、呼び出された後には、不要なものとして廃棄されるものであり、紙資源の有効活用とは相反する利用形態でもある。
【0005】
したがって、本発明は、整理券を発行することなく、来訪者を呼び出すことができる来訪者呼出システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一態様は、施設に来訪した来訪者を検出し、当該来訪者を継続して追跡し且つ当該来訪者の来訪者位置情報を継続して出力する監視追跡手段と、前記監視追跡手段で検出された来訪者を、前記施設への来訪順に区別して記憶するとともに、前記監視追跡手段から出力される当該来訪者の来訪者位置情報を更新して記憶する来訪者位置情報記憶部と、呼び出すべき一の来訪者を特定する制御部とを有し、前記制御部は、特定した一の来訪者の来訪者位置情報を前記来訪者位置情報記憶部から呼び出し、当該来訪者位置情報に基づいて表示部に、当該一の来訪者の位置に関する表示を行わせる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、整理券を発行することなく、来訪した来訪者を呼び出すことができる来訪者呼出システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る実施形態の来訪者呼出システムを概略的に示す平面図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の来訪者呼出システムを示すブロック図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の来訪者呼出システムの変形例3を概略的に示す平面図である。
【
図4】本発明に係る実施形態の来訪者呼出システムの変形例5を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
本発明に係る実施形態の来訪者呼出システムを
図1および
図2を参照して以下に説明する。
【0010】
実施形態の来訪者呼出システム11は、金融機関等の店舗、病院、役所等の施設に設置されて施設に来訪した来訪者を呼び出すものである。ここでは、施設としての金融機関等の店舗12に設置されて店舗12に来訪(来店)した来訪者V(来店者)を呼び出す来訪者呼出システム11を例にとり説明する。
【0011】
図1は、金融機関の店舗12の一例を概略的に示す平面図である。店舗12には、来訪者Vが店舗12に対する出入りを行う出入口15が設けられている。店舗12内には、出入口15の前方に待合スペース16が広がっている。また、店舗12には、待合スペース16の出入口15とは反対側に複数、具体的には3カ所の共通窓口21、共通窓口22および共通窓口23が設置されている。店舗12内を出入口15から見て右側から順に、共通窓口21、共通窓口22および共通窓口23が設置されている。共通窓口21~23は、いずれも同様の顧客対応が可能な窓口となっている。
【0012】
来訪者呼出システム11は、店舗12内に配置される設備として、来訪者Vが着席可能な複数の座席31を有している。複数の座席31は、待合スペース16に、共通窓口21~23と出入口15とを結ぶ前後方向および左右方向に整列し、向きを揃えて設置されている。座席31は、全て共通窓口21~23の方向に向いている。複数の座席31は位置固定である。待合スペース16には、具体的には、前後方向に4列、各列21個の合計84個の座席31が設置されている。座席31の列は、共通窓口21~23に近い前側から順に、A列、B列、C列、D列に設定されている。また、A列~D列の各列の座席31には、共通窓口21~23から見て左端側から順に、番号として1番、2番、3番、…、20番、21番が設定されている。そして、全ての座席31には、それぞれに設定された列と番号との組み合わせの座席番号を表示した図示略の表示板が、例えば背もたれの上端部に取り付けられている。
【0013】
例えば、A列~D列のうち最も共通窓口21~23側のA列の共通窓口21~23から見て左端の座席31は、座席番号が「A列1番」に設定されており、この座席31には、「A列1番」と表示された図示略の表示板が取り付けられている。また、例えば、A列~D列のうち最も出入口15側のD列の共通窓口21~23から見て右端の座席31は、座席番号が「D列21番」に設定されており、この座席31には、「D列21番」と表示された表示板が取り付けられている。A列~D列の各列の1番~21番の各座席31は、同様に、列と番号との組み合わせの座席番号が設定されて、この座席番号が表示された表示板が取り付けられている。複数の座席31は、呼び出し待ちの間、来訪者Vが着席可能であって、それぞれに異なる座席番号が付与されている。なお、勿論、窓口および座席の配置は、上記の配置に限定されるものではない。
【0014】
来訪者呼出システム11は、
図2に示すように、第1表示部41と第1操作部42とが一体とされた第1表示操作卓43を有している。第1表示操作卓43は、
図1に示すように共通窓口21に設置されており、第1表示部41は、主に共通窓口21の窓口担当者Mに向けて表示を行う。第1操作部42は、主に共通窓口21の窓口担当者Mによって操作される。第1操作部42には、共通窓口21での一の取引が終了したときに、次の呼び出しを待っている来訪者Vを共通窓口21に呼び出すための図示略の呼び出しボタン等が設けられている。第1表示操作卓43は、例えばタブレット端末である。
【0015】
来訪者呼出システム11は、第2表示部51と第2操作部52とが一体とされた第2表示操作卓53を有している。第2表示操作卓53は、共通窓口22に設置されており、第2表示部51は、主に共通窓口22の窓口担当者Mに向けて表示を行う。第2操作部52は、主に共通窓口22の窓口担当者Mによって操作される。第2操作部52には、共通窓口22での一の取引が終了したときに、次の呼び出しを待っている来訪者Vを共通窓口22に呼び出すための図示略の呼び出しボタン等が設けられている。第2表示操作卓53も、例えばタブレット端末である。
【0016】
来訪者呼出システム11は、第3表示部61と第3操作部62とが一体とされた第3表示操作卓63を有している。第3表示操作卓63は、共通窓口23に設置されており、第3表示部61は、主に共通窓口23の窓口担当者Mに向けて表示を行う。第3操作部62は、主に共通窓口23の窓口担当者Mによって操作される。第3操作部62には、共通窓口23での一の取引が終了したときに、次の呼び出しを待っている来訪者Vを共通窓口23に呼び出すための図示略の呼び出しボタン等が設けられている。第3表示操作卓63も、例えばタブレット端末である。
【0017】
来訪者呼出システム11は、
図1に示すように店舗12内に設置された監視部本体71と、
図2に示す人物識別部72とを有する監視部73を備えている。監視部本体71は、店舗12の天井付近に設けられて店舗12内を監視する。人物識別部72は、監視部本体71の検出データから、少なくとも、一の人物と他の人物とを区別できるように識別する。監視部73は、店舗12に来訪した来訪者Vを検出する。
【0018】
来訪者呼出システム11は、追跡部81を有している。追跡部81は、監視部73で検出した来訪者Vを継続して追跡し且つ追跡している来訪者Vの位置情報である来訪者位置座標情報(来訪者位置情報)を継続して出力する。来訪者位置座標情報は店舗12内における水平座標(x,y)で表される。
【0019】
監視部73と追跡部81とが監視追跡部82(監視追跡手段)を構成している。よって、監視追跡部82は、店舗12に来訪した来訪者Vを検出し、当該来訪者Vを継続して追跡し且つ当該来訪者Vの位置情報である来訪者位置座標情報を継続して出力する。監視追跡部82は、複数の来訪者Vを検出した場合に、それぞれの来訪者Vについて個別に、継続して追跡を行い且つ来訪者位置座標情報を継続して出力する。言い換えれば、監視追跡部82は、複数の来訪者Vを検出した場合に、それぞれの来訪者Vについての来訪者位置座標情報を、個別かつリアルタイムに出力し続ける。
【0020】
ここで、監視追跡部82としては、例えば、LiDAR(light detection and ranging)と呼ばれる、光による検知および測距を行うものが用いられる。LiDARは、例えば、監視部本体71から赤外線レーザ光を照射し、照射した赤外線レーザ光が物体に当たって監視部本体71に跳ね返ってくるまでの時間を計測することで、監視部本体71から物体までの距離や方向を測定する。ここでは、監視追跡部82が、撮像を行う監視部本体71を待合スペース16に有する場合を例にとり説明するが、待合スペース16に加えて、店舗12の出入口15の外側付近、さらには店舗12内の待合スペース16以外の、来訪者Vが移動可能な領域をカバーするように監視部本体71を複数設けても良い。監視追跡部82の監視部本体71は、複数の来訪者Vが店舗12内で交差しても、その識別・追跡に支障がないよう、店舗12内の天井付近に設けられている。
【0021】
来訪者呼出システム11は、来訪者位置情報記憶部91を有している。来訪者位置情報記憶部91は、監視追跡部82で検出された来訪者Vを、店舗12への来訪順に区別して記憶するとともに、監視追跡部82から出力される当該来訪者Vの来訪者位置座標情報を更新して記憶する。来店した来訪者Vは、その個人個人が識別されて、常にそれぞれの来訪者位置座標情報が来訪者位置情報記憶部91に更新記録される。
【0022】
来訪者位置情報記憶部91は、監視追跡部82で検出された複数の来訪者Vの一人一人について、他の来訪者Vと識別するための来訪者識別情報と、店舗12への来訪順に割り当てられる受付番号と、呼び出し済みであるか未呼び出しであるかを示す呼出有無情報と、監視追跡部82から出力される来訪者位置座標情報とを関連付けて、来訪者情報として記憶する。来訪者情報のうちの来訪者位置座標情報は、リアルタイムで更新して記憶される。来訪者情報のうちの呼出有無情報は、来訪者Vが店舗12に最初に来訪すると、「未呼び出し」に設定され、後述するように呼び出しが行われると「呼び出し済み」に書き換えられる。
【0023】
すなわち、来訪者位置情報記憶部91は、監視追跡部82の人物識別部72により来訪した第1の来訪者Vを初めて識別した場合には、この第1の来訪者Vを他の来訪者Vと識別するための来訪者識別情報と、来訪順を示す受付番号と、「未呼び出し」の呼出有無情報と、監視追跡部82から出力される、この第1の来訪者Vのリアルタイムの来訪者位置座標情報とを関連付けて、来訪者情報として記憶する。来訪者位置情報記憶部91は、この第1の来訪者Vが少なくとも店舗12内に居る限り、この第1の来訪者Vの来訪者識別情報と受付番号と呼出有無情報と来訪者位置座標情報とを関連付けて来訪者情報として記憶し続ける。来訪者位置情報記憶部91は、監視追跡部82の人物識別部72により来訪した第1の来訪者Vを初めて識別した場合には、その時点の受付番号、例えば、それまでの来訪者Vが10人であったとすると、この第1の来訪者Vは11番目になるので、この第1の来訪者Vの来訪者識別情報に11番の受付番号を割り当てる。
【0024】
同様に、来訪者位置情報記憶部91は、監視追跡部82の人物識別部72により、この第1の来訪者Vの次に第2の来訪者Vを初めて識別した場合には、この第2の来訪者Vを他の来訪者Vと識別するための来訪者識別情報と、来訪順を示す12番の受付番号と、「未呼び出し」の呼出有無情報と、監視追跡部82から出力される、この第2の来訪者Vのリアルタイムの来訪者位置座標情報とを関連付けて、来訪者情報として記憶する。なお、この場合、新たな一の来訪者Vの来訪者識別情報に対して受付番号を割り当てても、受付番号に対して、この一の人物の来訪者識別情報を割り当てても良い。
【0025】
よって、監視追跡部82および来訪者位置情報記憶部91が、来訪者Vの来訪から退店まで、来訪者Vを識別するとともに、来訪者Vの店舗12内の所在を追跡し記憶し続ける。なお、監視追跡部82および来訪者位置情報記憶部91は、来訪者Vが店舗12内から退店した場合であっても、退店から所定時間が経過するまでは来訪者Vの監視を継続するようにしても良い。すなわち、監視部本体71が待合スペース16に加えて店舗12の出入口15の外側付近まで来訪者Vを監視可能である場合に、監視追跡部82および来訪者位置情報記憶部91が、来訪者Vの来訪から退店後の一定時間が経過するまで、来訪者Vを識別するとともに、店舗12内の所在を追跡し記憶するようにしても良い。
【0026】
なお、監視追跡部82としては、店舗12に来訪した複数人の来訪者Vを同時に常時検出できれば良く、LiDAR以外にも、監視カメラ等の二次元画像を検知する監視部本体と人物識別ソフトとの組み合わせであっても良い。すなわち監視カメラ等の二次元画像を検知する監視部本体と人物識別ソフトとにより、店舗12内に新たに入店した来訪者Vを、既に入店済みの他の来訪者V等と区別して認識し、店舗12内で、監視カメラ等によって追跡できる範囲に居る限りにおいては、追跡し続けることができれば良い。
【0027】
来訪者呼出システム11は、設備位置情報記憶部92を有している。設備位置情報記憶部92は、複数の座席31ごとに、設備識別情報としての座席番号と、その位置情報である設備位置座標情報(設備位置情報)とが関連付けて記憶されている。設備位置座標情報も店舗12内の水平座標(x,y)で表される。例えば、座席番号「A列1番」の座席31の設備位置座標情報が(x1,y1)である場合、設備位置情報記憶部92は、設備識別情報としての「A列1番」の座席番号と設備位置座標情報(x1,y1)とを関連付けて記憶している。また、例えば、座席番号「D列21番」の座席31の設備位置座標情報が(x2,y2)である場合、設備位置情報記憶部92は、設備識別情報としての「D列21番」の座席番号と設備位置座標情報(x2,y2)とを関連付けて記憶している。このように関連付けて記憶された設備識別情報としての座席番号と設備位置座標情報との組を、設備位置情報記憶部92は、待合スペース16に設けられた全ての座席31について記憶している。
【0028】
来訪者呼出システム11は、次に共通窓口21~23に呼び出すべき一の来訪者Vを特定する制御部93を有している。制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報のうち、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報の中から、最も小さい受付番号を含む来訪者情報に含まれる来訪者識別情報を、次に共通窓口21~23に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
【0029】
すなわち、制御部93は、例えば、共通窓口21の窓口担当者Mによって、第1操作部42の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報のうち、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報の中から、最も小さい受付番号を含む来訪者情報に含まれる来訪者識別情報を、次に共通窓口21に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
【0030】
また、制御部93は、例えば、共通窓口22の窓口担当者Mによって、第2操作部52の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報のうち、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報の中から、最も小さい受付番号を含む来訪者情報に含まれる来訪者識別情報を、次に共通窓口22に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
【0031】
また、制御部93は、例えば、共通窓口23の窓口担当者Mによって、第3操作部62の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報のうち、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報の中から、最も小さい受付番号を含む来訪者情報に含まれる来訪者識別情報を、次に共通窓口23に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
【0032】
制御部93は、第1操作部42への呼び出し操作で次に共通窓口21に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報を来訪者位置情報記憶部91から呼び出し、この来訪者位置座標情報に基づいて第1表示部41に、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示を行わせる。それと共に、制御部93は、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる呼出有無情報を「未呼び出し」から「呼び出し済み」に書き換える。
【0033】
また、制御部93は、第2操作部52への呼び出し操作で次に共通窓口22に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報を来訪者位置情報記憶部91から呼び出し、この来訪者位置座標情報に基づいて第2表示部51に、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示を行わせる。それと共に、制御部93は、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる呼出有無情報を「未呼び出し」から「呼び出し済み」に書き換える。
【0034】
また、制御部93は、第3操作部62への呼び出し操作で次に共通窓口23に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報を来訪者位置情報記憶部91から呼び出し、この来訪者位置座標情報に基づいて第3表示部61に、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示を行わせる。それと共に、制御部93は、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる呼出有無情報を「未呼び出し」から「呼び出し済み」に書き換える。
【0035】
具体的に、制御部93は、第1操作部42への呼び出し操作で次に共通窓口21に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、この特定した一の来訪者Vの、この特定時点の来訪者位置座標情報と、設備位置情報記憶部92に記憶された設備位置座標情報との近似度を確認し、この来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報がある場合に、この設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報としての座席番号を第1表示部41に、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示として表示させる。
【0036】
また、制御部93は、第2操作部52への呼び出し操作で次に共通窓口22に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、この特定した一の来訪者Vの、この特定時点の来訪者位置座標情報と、設備位置情報記憶部92に記憶された設備位置座標情報との近似度を確認し、この来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報がある場合に、この設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報としての座席番号を第2表示部51に、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示として表示させる。
【0037】
また、制御部93は、第3操作部62への呼び出し操作で次に共通窓口23に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、この特定した一の来訪者Vの、この特定時点の来訪者位置座標情報と、設備位置情報記憶部92に記憶された設備位置座標情報との近似度を確認し、この来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報がある場合に、この設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報としての座席番号を第3表示部61に、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示として表示させる。
【0038】
ここでは、具体例として、第1操作部42への呼び出し操作が行われて第1表示部41に表示を行い、続けて、第2操作部52への呼び出し操作が行われて第2表示部51に表示を行う場合を説明する。第3操作部62への呼び出し操作が行われて第3表示部61に表示を行う場合も同様である。また、ここでは、これまでに7人の来訪者Vを共通窓口21~23に呼び出し、次の呼び出すべき来訪者Vが8番目の来訪者Vであるとする。そして、「A列9番」の座席番号の座席31に、呼出有無情報が「未呼び出し」の来訪者情報の中で、受付番号が最も小さい例えば「8番」の、第1来訪者識別情報の来訪者Vが着席しているとする。また、「B列3番」の座席番号の座席31に、呼出有無情報が「未呼び出し」の来訪者情報の中で、受付番号が2番目に小さい例えば「9番」の、第2来訪者識別情報の来訪者Vが着席しているとする。
【0039】
この状態で、共通窓口21の窓口担当者Mによって、第1操作部42の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報のうち、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報の中から、最も小さい受付番号「8番」を含む来訪者情報の第1来訪者識別情報を、次に共通窓口21に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
【0040】
制御部93は、このように第1操作部42への呼び出し操作で次に共通窓口21に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、この特定した一の来訪者Vの第1来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報を来訪者位置情報記憶部91から呼び出し、この来訪者位置座標情報に基づいて第1表示部41に、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示を行わせる。
【0041】
すなわち、制御部93は、呼び出した来訪者位置座標情報と、設備位置情報記憶部92に記憶された設備位置座標情報との近似度を確認し、この来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報があるか否かを判定する。ここでは、第1来訪者識別情報の来訪者Vは、「A列9番」の座席番号の座席31に着席しているため、第1来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報と、「A列9番」の座席番号の座席31の設備位置座標情報とが所定の近似度を有することになる。このとき、第1来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報と、「A列9番」以外の例えば「A列8番」、「A列10番」、「B列9番」等の座席番号の座席31の設備位置座標情報とは所定の近似度を有さない。
【0042】
よって、制御部93は、「A列9番」の座席番号の座席31の設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報としての座席番号「A列9番」を、第1来訪者識別情報の来訪者Vの位置に関する表示として第1表示部41に表示させる。それと共に、制御部93は、この特定した一の来訪者Vの第1来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる呼出有無情報を「未呼び出し」から「呼び出し済み」に書き換える。
【0043】
このようにして、第1表示部41に表示された座席番号「A列9番」を見て、呼出者である共通窓口21の窓口担当者Mは、「座席番号A列9番に着席中のお客様」等と声掛けして、来訪者Vを呼び出すことになる。これを受けて、座席番号「A列9番」に着席していた受付番号「8番」の、第1来訪者識別情報で識別される来訪者Vが共通窓口21に向かう。なお、第1表示部41に加えて、これとは別に待合スペース16に向けて表示を行う表示部を共通窓口21に設けて、この表示部にも座席番号「A列9番」を同時に表示させるようにしても良い。
【0044】
ここで、制御部93は、上記に加えて、または上記にかえて、特定した一の来訪者Vの第1来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる来訪者位置座標情報を来訪者位置情報記憶部91からリアルタイムで呼び出し、この来訪者位置座標情報を、第1来訪者識別情報の来訪者Vの位置に関する表示として、第1表示部41に、店舗12内マップと共に店舗12内マップ上にポイントで示してリアルタイムで表示させても良い。この場合、共通窓口21の窓口担当者Mは、このポイントがある座席の座席番号をマップから読み取ることによっても、来訪者Vを呼び出すことができる。
【0045】
次に、共通窓口22の窓口担当者Mによって、第2操作部52の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報のうち、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報の中から、最も小さい受付番号「9番」を含む来訪者情報の第2来訪者識別情報を、次に共通窓口22に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
【0046】
制御部93は、このように第2操作部52への呼び出し操作で次に共通窓口22に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、この特定した一の来訪者Vの第2来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報を来訪者位置情報記憶部91から呼び出し、この来訪者位置座標情報に基づいて第2表示部51に、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示を行わせる。
【0047】
すなわち、制御部93は、呼び出した来訪者位置座標情報と、設備位置情報記憶部92に記憶された設備位置座標情報との近似度を確認し、この来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報があるか否かを判定する。ここでは、第2来訪者識別情報の来訪者Vは、「B列3番」の座席番号の座席31に着席しているため、第2来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報と、「B列3番」の座席番号の座席31の設備位置座標情報とが所定の近似度を有することになる。このとき、第2来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報と、「B列3番」以外の例えば「B列2番」、「B列4番」、「A列3番」、「C列3番」等の座席番号の座席31の設備位置座標情報とは所定の近似度を有さない。
【0048】
よって、制御部93は、「B列3番」の座席番号の座席31の設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報としての座席番号「B列3番」を、第2来訪者識別情報の来訪者Vの位置に関する表示として第2表示部51に表示させる。それと共に、制御部93は、この特定した一の来訪者Vの第2来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる呼出有無情報を「未呼び出し」から「呼び出し済み」に書き換える。
【0049】
このようにして、第2表示部51に表示された座席番号「B列3番」を見て、呼出者である共通窓口22の窓口担当者Mは、「座席番号B列3番に着席中のお客様」等と声掛けして、来訪者Vを呼び出すことになる。これを受けて、座席番号「B列3番」に着席していた受付番号「9番」の、第2来訪者識別情報で識別される来訪者Vが共通窓口22に向かう。なお、第2表示部51に加えて、これとは別に待合スペース16に向けて表示を行う表示部を共通窓口22に設けて、この表示部にも座席番号「B列3番」を表示させても良い。
【0050】
なお、以上においては、来訪者Vの居場所を示す設備として座席31を例にとり説明したが、記帳台等の什器、種々のパンフレット棚や、雑誌ラック、観葉植物等の設備位置座標情報を設備位置情報記憶部92に記憶するようにしても良い。この場合、制御部93は、例えば、共通窓口21の第1操作部42への呼び出し操作で次に共通窓口21に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報が、設備位置情報記憶部92に記憶された一の設備、例えば「1番記帳台」の設備位置座標情報と所定の近似度を有すると、この一の設備の設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報としての設備名、例えば「1番記帳台」を、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示として第1表示部41に表示させる。
【0051】
このようにして、第1表示部41に表示された設備名を見て、呼出者である共通窓口21の窓口担当者Mは、「1番記帳台の近くでお立ちのお客様」等と声掛けして、来訪者Vを呼び出すことになる。これを受けて、1番記帳台の近くに居た来訪者Vが共通窓口21に向かう。
【0052】
この場合も、制御部93は、上記に加えて、または上記にかえて、特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる来訪者位置座標情報を来訪者位置情報記憶部91からリアルタイムで呼び出し、この来訪者位置座標情報を、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示として、第1表示部41に、店舗12内マップと共に店舗12内マップ上にポイントで示してリアルタイムで表示させても良い。これにより、共通窓口21の窓口担当者Mは、例えば、設備識別情報としての設備名を有する設備の近傍に複数の来訪者Vがいる場合であっても、このポイントがある場所をマップから読み取ることによって、適正な来訪者Vを呼び出すことができる。
【0053】
呼び出して対応することにより、来訪者情報の呼出有無情報が「呼び出し済み」の来訪客Vを含んで、監視追跡部82で監視追跡していた一の来訪客Vが店舗12から退店し監視追跡部82で検出できなくなると、制御部93は、この一の来訪者Vの来訪者情報を来訪者位置情報記憶部91から削除する。
【0054】
以上に述べた実施形態の来訪者呼出システム11によれば、監視追跡部82が、店舗12に来訪した来訪者Vを検出し、当該来訪者Vを継続して追跡し且つ当該来訪者Vの来訪者位置座標情報を継続して出力する。また、来訪者位置情報記憶部91が、監視追跡部82で検出された来訪者Vを、店舗12への来訪順に区別して記憶するとともに、監視追跡部82から出力される当該来訪者Vの来訪者位置座標情報を更新して記憶する。そして、制御部93が、呼び出すべき一の来訪者Vを特定すると、この特定した一の来訪者Vの、当該特定時点の来訪者位置座標情報を来訪者位置情報記憶部91から呼び出し、当該来訪者位置座標情報に基づいて第1~第3表示部41,51,61に、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示を行わせる。すると、この第1~第3表示部41,51,61の表示を見た呼び出し者が声掛けを行ったり、直接来訪者Vに向けて表示を行うことで、来訪者Vを共通窓口21~23に呼び出すことができる。よって、整理券を発行せずとも、来訪者Vを共通窓口21~23に呼び出すことが可能となる。
【0055】
また、来訪者呼出システム11は、店舗12内に配置される座席31や什器等の複数の設備と、これら複数の設備ごとに、設備識別情報と設備位置座標情報とが関連付けて記憶された設備位置情報記憶部92とを有している。そして、制御部93が、呼び出すべき一の来訪者Vを特定すると、この特定した一の来訪者Vの、当該特定時点の来訪者位置座標情報を来訪者位置情報記憶部91から呼び出すとともに、当該来訪者位置座標情報と、設備位置情報記憶部92に記憶された設備位置座標情報との近似度を確認し、当該来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報がある場合に、当該設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報を、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示として第1~第3表示部41,51,61に表示させる。よって、次に呼び出すべき来訪者Vを容易に特定することができる。
【0056】
また、来訪者呼出システム11は、店舗12内に配置される複数の座席31と、これら複数の座席31ごとに、設備識別情報と設備位置座標情報とが関連付けて記憶された設備位置情報記憶部92とを有している。そして、制御部93が、呼び出すべき一の来訪者Vを特定すると、この特定した一の来訪者Vの、当該特定時点の来訪者位置座標情報を来訪者位置情報記憶部91から呼び出すとともに、当該来訪者位置座標情報と、設備位置情報記憶部92に記憶された設備位置座標情報との近似度を確認し、当該来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報がある場合に、当該設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報としての座席番号を、この特定した一の来訪者Vの位置に関する表示として第1~第3表示部41,51,61に表示させる。よって、次に呼び出すべき来訪者Vをさらに容易に特定することができる。
【0057】
<変形例1>
上記の実施形態では、待合スペース16の座席31に来訪者Vが着席している場合には、座席番号という固有で明確な情報で呼び出す来訪者Vを特定できる。しかしながら、その他の什器等の近傍に立位姿勢で待機する来訪者V等の場合であって、当該什器等の近傍に複数の来訪者Vがいる場合には、いずれの来訪者Vが正しく呼び出すべき来訪者Vであるかを、呼び出す窓口担当者M自身も不明確になる恐れがある。
【0058】
変形例1では、この点を解決すべく、監視追跡部82の監視部73によって来訪者Vを撮像し、その生体情報である人物画像(顔画像、上半身画像または全身画像)を第1~第3表示部41,51,61に、設備識別情報と共に表示させる。その際に、共通窓口21~23に待合スペース16に向けた表示部がある場合に、この表示部には人物画像を表示させないようにする。第1~第3表示部41,51,61に表示させる人物画像は、来店した来訪者Vを認識した際の画像でも良く、また、監視追跡部82で常時監視追跡を行っていることから、まさにその監視追跡部82のリアルタイムの監視画像でも良い。
【0059】
このような構成により、窓口担当者Mが、第1~第3表示部41,51,61に表示された人物画像から、正しく呼び出すべき一の来訪者Vを明確に認識して声掛けを行うことができる。すなわち、窓口担当者Mは、表示された人物画像に基づいて、呼び出すべき一の来訪者Vの例えば服装、持ち物等から、この一の来訪者Vを特定することにより、正しく呼び出すべき一の来訪者Vに声掛けすることができる。
【0060】
また、監視追跡部82が一の来訪者Vの生体情報である人物画像を認識することができることから、この一の来訪者Vが一時的に監視追跡部82で検出できない状態になっても、その前後で同一人物と判断することによって、この一の来訪者Vの監視を継続することができる。すなわち、この一の来訪者Vが、店舗12から一時的に退店したり、店舗12内の監視部本体71が検知できない場所に一時的に移動する等しても、この一の来訪者Vの監視を継続することができる。その場合、一の来訪者Vが店舗12から退店し、監視部本体71が検知できない時間が所定時間経過すると、監視追跡部82は監視を終了する。それと共に、制御部93が、この一の来訪者Vの来訪者情報を来訪者位置情報記憶部91から削除する。
【0061】
<変形例2>
店舗12の規模によっては、待合スペース16内の座席31の数も増え、また、座席31に着席している来訪者V自身がその着席場所を把握していない恐れもある。
そのような場合には、窓口担当者Mからの声掛けだけでは、呼ばれている来訪者Vが自分自身であることを認識できない恐れがある。
そのような場合を考慮し、店舗12内の待合スペース16に待機して、来訪者Vに対する誘導や種々の案内等を行うロビー担当の店舗員に携帯容易なタブレット端末(携帯端末)を所持させる。そして、このタブレット端末の表示部にも、共通窓口21~23への表示タイミングに合わせて、第1~第3表示部41,51,61に表示される来訪者Vの位置情報や人物画像を表示させる。
このような構成により、店舗12内の待合スペース16内で待機する店舗員にも、来訪者Vを共通窓口21~23に案内させる機会を持たせることができる。
【0062】
<変形例3>
変形例3においては、
図3に示すように、共通窓口21にかえて専用窓口121が、共通窓口22にかえて専用窓口122が、共通窓口23にかえて専用窓口123が、それぞれ設けられている。専用窓口121~123は、取り扱う業務等の種別ごとに設けられている。すなわち、専用窓口121~123は、それぞれ取り扱う業務が異なっている。また、変形例3においては、待合スペース16も、それぞれの専用窓口121~123ごとにパーテーション131,132で仕切られ、来訪者Vは、その目的にあったそれぞれのエリア141~143内で待つことが求められている。すなわち、パーテーション131,132のうち、専用窓口121~123から見て左側のパーテーション131よりも左側のエリア141には、このエリア141に近い専用窓口121が取り扱う業務に対する来訪者Vが着席する。また、左右のパーテーション131,132の間のエリア142には、このエリア142に近い専用窓口122が取り扱う業務に対する来訪者Vが着席する。また、パーテーション131,132のうち、専用窓口121~123から見て右側のパーテーション132よりも右側のエリア143には、このエリア143に近い専用窓口123が取り扱う業務に対する来訪者Vが着席する。
【0063】
変形例3においても、監視追跡部82の動作は、実施形態の動作と同じである。
監視追跡部82によって新たな一の来訪者Vの店舗12への来訪を確認したときに、制御部93は、実施形態の動作と同じように、この一の来訪者Vの来訪者識別情報と、受付番号と、呼出有無情報と、来訪者位置座標情報とを関連付けて来訪者情報として記憶する。
【0064】
そして、例えば、専用窓口121の窓口担当者Mによって、第1操作部42の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報に基づいて、次に専用窓口121に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定するが、この特定手順は、実施形態と少し異なることになる。
【0065】
すなわち、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報の中から、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報を抽出して呼び出す。次に、制御部93は、このように抽出した来訪者情報の中から、来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報に対応する設備識別情報が、専用窓口121で応対するエリア141にあるA列の1番~7番、B列の1番~7番、C列の1番~7番およびD列の1番~7番のいずれか一の座席番号である来訪者情報を抽出する。これらの抽出の順番は逆でも良い。次に、制御部93は、このように抽出した来訪者情報の中から、最も小さい受付番号を含む来訪者情報の来訪者識別情報を、次に専用窓口121に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
【0066】
すると、制御部93は、実施形態と同様にして、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報と、設備位置情報記憶部92に記憶された設備位置座標情報との近似度を再度確認し、この来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報がある場合に、この設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報である座席番号を第1表示部41に表示させる。それと共に、制御部93は、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる呼出有無情報を「未呼び出し」から「呼び出し済み」に書き換える。
【0067】
また、例えば、専用窓口122の窓口担当者Mによって、第2操作部52の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報に基づいて、次に専用窓口122に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定する。
【0068】
すなわち、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報の中から、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報を抽出して呼び出す。次に、制御部93は、このように抽出した来訪者情報の中から、来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報に対応する設備識別情報が、専用窓口122で応対するエリア142にあるA列の8番~14番、B列の8番~14番、C列の8番~14番およびD列の8番~14番のいずれか一の座席番号である来訪者情報を抽出する。次に、制御部93は、このように抽出した来訪者情報の中から、最も小さい受付番号を含む来訪者情報の来訪者識別情報を、次に専用窓口122に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
【0069】
すると、制御部93は、実施形態と同様にして、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報と、設備位置情報記憶部92に記憶された設備位置座標情報との近似度を再度確認し、この来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報がある場合に、この設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報である座席番号を第2表示部51に表示させる。それと共に、制御部93は、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる呼出有無情報を「未呼び出し」から「呼び出し済み」に書き換える。
【0070】
また、例えば、専用窓口123の窓口担当者Mによって、第3操作部62の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報に基づいて、次に専用窓口123に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定する。
【0071】
すなわち、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報の中から、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報を抽出して呼び出す。次に、制御部93は、このように抽出した来訪者情報の中から、来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報に対応する設備識別情報が、専用窓口123で応対するエリア143にあるA列の15番~21番、B列の15番~21番、C列の15番~21番およびD列の15番~21番のいずれか一の座席番号である来訪者情報を抽出する。次に、制御部93は、このように抽出した来訪者情報の中から、最も小さい受付番号を含む来訪者情報の来訪者識別情報を、次に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
【0072】
すると、制御部93は、実施形態と同様にして、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる、この特定時点の来訪者位置座標情報と、設備位置情報記憶部92に記憶された設備位置座標情報との近似度を再度確認し、この来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報がある場合に、この設備位置座標情報に関連付けて設備位置情報記憶部92に記憶されている設備識別情報である座席番号を第3表示部61に表示させる。それと共に、制御部93は、この特定した一の来訪者Vの来訪者識別情報を含む来訪者情報に含まれる呼出有無情報を「未呼び出し」から「呼び出し済み」に書き換える。
【0073】
<変形例4>
変形例3に対して、専用窓口121~123のそれぞれについての専用の受付番号を設定する。来訪者位置情報記憶部91は、一の来訪者Vの店舗12への来訪時点では、この一の来訪者Vの来訪者識別情報には受付番号を付与せず、例えば、この一の来訪者Vの来訪者情報に含まれる来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報に対応する設備識別情報が、エリア141にあるA列の1番~7番、B列の1番~7番、C列の1番~7番およびD列の1番~7番のいずれか一の座席番号となると、この一の来訪者Vの来訪者識別情報に対して、専用窓口121専用の受付番号の中から、未付与の受付番号のうち最小の受付番号を付与し、この受付番号を含む来訪者情報として記憶する。
【0074】
そして、例えば、専用窓口121の窓口担当者Mによって、第1操作部42の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報のうち、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報の中から、専用窓口121専用の最も小さい受付番号を含む来訪者情報の来訪者識別情報を、次に専用窓口121に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
制御部93は、このように次に専用窓口121に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、変形例3と同様にして、第1表示部41への表示等を行わせる。
【0075】
また、来訪者位置情報記憶部91は、例えば、一の来訪者Vの来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報に対応する設備識別情報が、エリア142にあるA列の8番~14番、B列の8番~14番、C列の8番~14番およびD列の8番~14番のいずれか一の座席番号となると、この一の来訪者Vの来訪者識別情報に対して、専用窓口122専用の受付番号の中から、未付与の受付番号のうち最小の受付番号を付与し、この受付番号を含む来訪者情報として記憶する。
【0076】
そして、例えば、専用窓口122の窓口担当者Mによって、第2操作部52の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報のうち、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報の中から、専用窓口122専用の最も小さい受付番号を含む来訪者情報の来訪者識別情報を、次に専用窓口122に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
制御部93は、このように次に専用窓口122に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、変形例3と同様にして、第2表示部51への表示等を行わせる。
【0077】
また、来訪者位置情報記憶部91は、例えば、一の来訪者Vの来訪者位置座標情報と所定の近似度を有する設備位置座標情報に対応する設備識別情報が、エリア143にあるA列の15番~21番、B列の15番~21番、C列の15番~21番およびD列の15番~21番のいずれか一の座席番号となると、この一の来訪者Vの来訪者識別情報に対して、専用窓口123専用の受付番号の中から、未付与の受付番号のうち最小の受付番号を付与し、この受付番号を含む来訪者情報として記憶する。
【0078】
そして、例えば、専用窓口123の窓口担当者Mによって、第3操作部62の呼び出しボタンに呼び出し操作が入力されると、制御部93は、来訪者位置情報記憶部91に記憶されている来訪者情報のうち、「未呼び出し」の呼出有無情報を含む来訪者情報の中から、専用窓口123専用の最も小さい受付番号を含む来訪者情報の来訪者識別情報を、次に専用窓口123に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報として特定する。
制御部93は、このように次に専用窓口123に呼び出すべき一の来訪者Vの来訪者識別情報を特定すると、変形例3と同様にして、第3表示部61への表示等を行わせる。
【0079】
これにより、変形例4においては、取引種別べつの専用窓口121~123ごとに来訪者Vの受付番号が付与され、専用窓口121~123のそれぞれから新たに来訪者Vを呼び出す際には、取引種別ごとの受付順で、実施形態のように声掛け等で呼び出すことになる。
【0080】
なお、変形例3,4においても、変形例1,2と同様に、次に専用窓口121~123のいずれか一つに呼び出すべき一の来訪者Vの人物画像(顔画像、上半身画像または全身画像)を、第1~第3表示部41,51,61またはタブレット端末の表示部等の他の表示部の対応するものに、設備識別情報と共に表示させることが可能である。
【0081】
<変形例5>
図4に示すように、変形例5では、上記実施形態ないし変形例1~4までの内容に加え、さらに、監視追跡部82と連携して、監視追跡部82で検出された来訪者Vの生体情報から、来訪者Vの個人情報を特定する来訪者個人情報特定部151(来訪者個人情報特定手段)を備えている。
【0082】
金融機関等の店舗12にあっては、来訪者Vの一部は常連客であることが多い。一の来訪者Vが店舗12の常連客である場合、この店舗12にあっては、この一の来訪者Vの個人情報を保持していることがある。または、この一の来訪者V自身も、種々の優遇措置を期待して、これらの個人情報の店舗12側での取得に予め同意していることがある。このような背景に基づき、変形例5では、監視追跡部82の監視部73によって一の来訪者Vであることを確認すると同時に、併せて、来訪者個人情報特定部151によって、この一の来訪者Vが、生体情報である人物画像(顔画像、上半身画像または全身画像)が予め記録された特定顧客であるか否かを判断する。
【0083】
そして、制御部93は、次に呼び出す一の来訪者Vを特定した際に、来訪者個人情報特定部151によって、この特定した一の来訪者Vが、生体情報である人物画像が予め記録された特定顧客であると判定でき、この一の来訪者Vの個人情報を特定できた場合に、来訪者個人情報特定部151からこの一の来訪者Vの個人情報を取得する。制御部93は、このように取得した個人情報から、共通窓口21~23あるいは専用窓口121~123への呼び出しの際に、この一の来訪者Vの来訪者位置座標情報に基づいて実施形態ないし変形例1~4と同様に第1~第3表示部41,51,61等に、この一の来訪者Vの位置に関する表示を行わせる。それと共に、制御部93は、特定顧客であるこの一の来訪者Vの個人情報、一般的には個人名等を第1~第3表示部41,51,61等に表示させる。その際に、共通窓口21~23あるいは専用窓口121~123に待合スペース16に向けた表示部がある場合には、この表示部には表示させないようにする。
【0084】
なお、このように、来訪者個人情報特定部151によって、次に呼び出す一の来訪者Vの個人情報を特定できた場合に、制御部93は、来訪者個人情報特定部151からこの一の来訪者Vの個人情報を取得した後の、共通窓口21~23あるいは専用窓口121~123への呼び出しの際の処理を上記とは異ならせることも可能である。すなわち、制御部93は、来訪者個人情報特定部151からこの一の来訪者Vの個人情報を取得した後、この一の来訪者Vの来訪者位置座標情報に基づいた実施形態ないし変形例1~4と同様の第1~第3表示部41,51,61等への表示を行わせずに、特定顧客であるこの一の来訪者Vの個人情報、一般的には個人名等を第1~第3表示部41,51,61等に表示させる。すなわち、この一の来訪者Vの位置に関する表示を行わせないで、個人情報のみを第1~第3表示部41,51,61等へ表示させる。その際にも、共通窓口21~23あるいは専用窓口121~123に待合スペース16に向けた表示部がある場合には、この表示部には表示させないようにする。
【0085】
さらには、監視追跡部82の監視部73による検出で、一の来訪者Vが特定顧客であることが、呼び出し前に把握でき、この一の来訪者Vが重要顧客であるかの個人情報をも取得可能である。このことから、制御部93は、この一の来訪者Vが特定顧客、特に重要顧客である場合、呼び出しの順番を優遇制御することも可能となる。例えば、次に呼び出すべき来訪者Vの後に複数の来訪者Vが待機している場合であっても、次に呼び出すべき来訪者Vの直後に、この一の来訪者Vを呼び出すこと等が可能である。すなわち、制御部93は、来訪者個人情報特定部151によって、一の来訪者Vの個人情報を特定でき、この一の来訪者Vが、その個人情報から重要顧客であると判断した場合には、それ以外の場合とは異なる順でこの一の来訪者Vを呼び出すべき来訪者Vと特定することが可能である。
【0086】
さらには、共通窓口21~23あるいは専用窓口121~123への呼び出しに際して個人情報を利用することから、個人情報の望外の漏洩に配慮したシステムを構築することもできる。この場合、来訪者Vが、来訪する店舗12等の顧客であることと、店舗12等が保有する個人情報の一部に対して、個人情報に代わる代替情報を登録できることとを要する。代替情報とは、具体的には、店舗12等において呼び出されるときの氏名・名称の仮名等の自由な名前を使用可能とする。具体例としては、個人情報が「本名:〇〇 太郎」である場合に、「呼出名(仮名):□△ 〇太」としたり、個人情報が「正式名:〇〇株式会社」である場合に、「呼出名(仮名):△□会社」としたりすることが可能である。この場合、呼出名(仮名)は、インターネットバンキング等の手段を通じて、本人・登録人(会社)等のみが、適宜、更新登録可能とする。
【0087】
この仕組みにより、共通窓口21~23あるいは専用窓口121~123への呼び出しの際に、対象の来訪者Vの個人情報ではなく、登録された代替情報を第1~第3表示部41,51,61等に表示させる。これにより、窓口担当者Mは、登録された代替情報にて来訪者Vを呼び出すことができ、個人情報の望外の漏洩に配慮することができる。
【0088】
<その他の変形例>
監視追跡部82が一の来訪者Vを検出した際に、設備位置情報記憶部92は、この一の来訪者Vが明らかに大人でないと判断したときには、この一の来訪者Vを、大人についてきた子供と判断して、呼び出すべき来訪者Vから除外し、来訪者情報を記憶しないことも可能である。
また、呼び出して対応した一の来訪客が店舗12から退店する際に、一度も呼び出さずに退店する未呼び出しの他の来訪者Vが居たときは、設備位置情報記憶部92は、他の来訪者Vは一の来訪客の同行者と判断して、この他の来訪者Vの来訪者情報を削除する。
また、来訪受け付け前から、店舗12内に居ると検出した人物については、設備位置情報記憶部92は、ロビー担当の店舗員として、呼び出すべき来訪者Vから除外し、この人物の来訪者情報を記憶しない。または、店舗員のデータベースを備えることで、設備位置情報記憶部92は、監視追跡部82が検出した人物が店舗員と判断したときには、呼び出すべき来訪者Vから除外し、この人物の来訪者情報を記憶しない。
【符号の説明】
【0089】
11…来訪者呼出システム、12…店舗(施設)、31…座席(設備)、41…第1表示部、51…第2表示部、61…第3表示部、82…監視追跡部(監視追跡手段)、91…来訪者位置情報記憶部、92…設備位置情報記憶部、93…制御部、V…来訪者。