(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039165
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】スマートロッカー装置及びスマートロッカー装置の商品管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230313BHJP
A47G 29/122 20060101ALI20230313BHJP
G16Y 10/45 20200101ALI20230313BHJP
【FI】
G06Q50/10
A47G29/122 Z
G16Y10/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146198
(22)【出願日】2021-09-08
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】521386205
【氏名又は名称】株式会社SGST
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】小鹿 泰光
【テーマコード(参考)】
3K100
5L049
【Fターム(参考)】
3K100CA47
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロッカー装置が備える複数の収容個に電子タグを読み取るセンサを所定位置に配置することにより、品物を預け入れた人と、品物を引き取りにきた人とが異なる場合でも、安全性と利便性を担保する品物の預け入れと、受け渡しを確実に管理するスマートロッカー装置及びスマートロッカー装置の商品管理方法を提供する。
【解決手段】複数の収容庫54-1~54-Nを備え、いずれかの収容庫に預け入れるか又は取り出す品物の状態を管理するロッカー装置1であって、管理部100は、各収容庫54-1~54-Nに収容される品物に付加されている電子タグ301の情報を通信部により読み取り、読み取る電子タグ301に基づいて、品物を取り出すための解錠情報を発行し、各収容庫54-1~54-Nの施錠/解錠の状態と、読み取る電子タグ301の情報と、解錠情報とを紐づけて記憶させることにより管理する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収容庫を備え、いずれかの収容庫に預け入れるまたは取り出す品物の状態を管理するスマートロッカー装置であって、
電子錠を用いて各収容庫の開閉扉の施錠/解錠を行う開閉制御部と、
各収容庫に収容される品物に付加されている電子タグの情報を通信により読み取る第1の読取部と、
前記第1の読取部が読み取る電子タグに基づいて、前記品物を取り出すための解錠情報を発行する発行部と、
前記開閉制御部が制御する各収容庫の施錠/解錠の状態と、前記第1の読取部が読み取る電子タグの情報と、前記解錠情報とを紐づけて管理する管理部と、
所定の画像を読み取る第2の読取部と、
前記第2の読取部が読み取る所定の画像と、前記管理部が管理する解錠情報から生成される解錠画像と、が一致するか否かを判断する判断部と、を備え、
前記開閉制御部は、前記判断部の判断結果に従い、前記電気錠の施錠/解錠の制御を行うことを特徴とするスマートロッカー装置。
【請求項2】
前記発行部は、所定の通信回線を介して、前記解錠情報に基づいて生成される解錠画像を指定されたアドレスに転送することを特徴とする請求項1に記載のスマートロッカー装置。
【請求項3】
前記判断部により前記第2の読取部が読み取る所定の画像と、前記管理部が管理する解錠情報から生成される解錠画像と、が一致すると判断した場合、前記管理部に管理される前記電子タグに基づいて特定される商品画像を表示する表示部を備えることを請求項1に記載のスマートロッカー装置。
【請求項4】
前記第2の読取部は、スマートフォンの表示部に表示される前記解錠画像を読み取ることを特徴とする請求項1に記載のスマートロッカー装置。
【請求項5】
前記第2の読取部は、パッドデバイスの表示部に表示される前記解錠画像を読み取ることを特徴とする請求項1に記載のスマートロッカー装置。
【請求項6】
前記第2の読取部は、デジタルカメラの表示部に表示される前記解錠画像を読み取ることを特徴とする請求項1に記載のスマートロッカー装置。
【請求項7】
前記第2の読取部は、印刷された前記解錠画像を読み取ることを特徴とする請求項1に記載のスマートロッカー装置。
【請求項8】
前記解錠画像は、二次元バーコードであることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のスマートロッカー装置。
【請求項9】
前記電子タグは、RFIDタグであることを特徴とする請求項1に記載のスマートロッカー装置。
【請求項10】
前記電子タグは、各収容庫の4隅で、各収容庫の底面より上方側に配置したことを特徴とする請求項1に記載のスマートロッカー装置。
【請求項11】
複数の収容庫を備え、いずれかの収容庫に預け入れるまたは取り出す品物の状態を管理するスマートロッカー装置の商品管理方法であって、
電子錠を用いて各収容庫の開閉扉の施錠/解錠を行う開閉制御ステップと、
各収容庫に収容される品物に付加されている電子タグの情報を通信により読み取る第1の読取ステップと、
前記第1の読取ステップが読み取る電子タグに基づいて、前記品物を取り出すための解錠情報を発行する発行ステップと、
前記開閉制御ステップで制御する各収容庫の施錠/解錠の状態と、前記第1の読取部が読み取る電子タグの情報と、前記解錠情報とを紐づけて記憶させることにより管理する管理ステップと、
所定の画像を読み取る第2の読取ステップと、
前記第2の読取ステップが読み取る所定の画像と、前記管理ステップで管理する解錠情報から生成される解錠画像と、が一致するか否かを判断する判断ステップと、を備え、
前記開閉制御ステップは、前記判断部の判断結果に従い、前記電気錠の施錠/解錠の制御を行うことを特徴とするスマートロッカー装置の商品管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タグが付加されて収容される品物を検出するスマートロッカー装置及びスマートロッカー装置の商品管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のロッカーシステムは、下記特許文献1に記載される以下の構成を備える。
【0003】
本例では、ロッカーシステムは、ロッカー装置と、利用者端末と、業者端末と、会員サービス管理システムと、を有している。また、ロッカーシステムにおいては、利用者端末と会員サービス管理システム間及び業者端末と会員サービス管理システム間のみ無線等の通信回線で接続されている。
【0004】
即ち、ロッカー装置は、会員サービス管理システムと通信回線で接続されていない。ロッカー装置は、例えば駅や空港、バスターミナル、あるいは商業施設や観光施設等に設置される。
【0005】
このロッカーシステムは、ロッカー装置と、利用者端末と、業者端末と、会員サービス管理システムと、を有している。また、ロッカーシステムにおいては、利用者端末と会員サービス管理システム6間及び業者端末と会員サービス管理システム間のみ無線等の通信回線で接続されている。
【0006】
即ち、ロッカー装置は、会員サービス管理システムと通信回線で接続されていない。ロッカー装置は、例えば駅や空港、バスターミナル、あるいは商業施設や観光施設等に設置される。
【0007】
電気錠は、扉の開閉を規制する機構であって、扉開閉スイッチ及び押ボタンスイッチの状態に基づいて、もしくは集中制御装置からの指示に応じて、扉の施錠または解錠を行う。電気錠によりロッカーボックスは施錠及び解錠可能となっている。即ち、電気錠は、ロッカーボックスの施錠及び解錠を行う施錠部として機能する。
【0008】
扉開閉スイッチは、扉の開閉状態を判定するスイッチ(SW)であり、例えば、電気錠に設けられたマイクロスイッチで構成することができる。扉開閉スイッチがON/OFFされると、そのON/OFFされたことを示す情報が制御部へ出力される。
【0009】
押ボタンスイッチは、扉を閉じた状態で仮施錠する場合に押下するボタン型スイッチ(SW)であり、押下されると、押下されたことを制御部に通知する信号が出力される。
【0010】
ランプは、ロッカーボックスの施錠状態を示す表示手段である。ランプは、後述するように、ロッカーボックスが、解錠状態、仮施錠状態、本施錠状態の各状態に応じて消灯、点滅、点灯のいずれかの状態で動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【0012】
ここで、ICタグが付いた商品(品物)をロッカー装置に預け入れる使用態様を考える。
【0013】
一般的に、ロッカー装置を使用する場合、品物(手荷物)をロッカー装置に預け入れる人A―収容された品物を引き取る人A(使用態様1)が通常の使用態様であるのに対し、使用態様2のように、品物をロッカー装置に収容する人A―収容された品物を引き取る人Bとなる場合が想定される。
【0014】
具体的には、ショッピングモールで購入した品物を人Aがロッカー装置に一時的に預け入れた状態において、購買者以外の人B(人Aの知人、親、兄弟)が取り出したいという要求に適用できない場合がある(品物をロッカー装置に収容する人A―収容された品物を引き取る人B(使用態様2))。
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
使用態様2において、特に、ファッション業界においては、ネット注文された商品、例えばワンピースやTシャツをネット配送依頼でなく、直接店舗に立ち寄り持ち帰りたい場合もある。
【0016】
その際、店舗側は、店舗の開店時間外に商品を受け渡すことができず、明日の結婚式に間に合わない等のような場合に柔軟な商品受け渡しを行えない場合があった。
【0017】
このような事態に備えて、店舗側が商品の受け渡しのためにロッカー装置を店舗内、または店舗外であって、近接した位置に設定した場合を考えると、以下の課題も発生し得る。
【0018】
例えば、受け渡す商品は、通常包装されていたり、プレゼント仕様のようにラッピング指示されていたりする場合もあり、ロッカー装置に収容された品物が購入した品物か否かを視覚的に判断することができず、店舗の店員が品物と引き取り手の関係を正確にチェックすることなく品物をロッカー装置に収容した場合、受け取るはずのない、他人が注文した品物を引き取ってしまうトラブルも発生し得る。
【0019】
さらに、収容する品物が包装されているため、その収容形態(載置される場合、手提げ袋入りの場合)によって収容物をセンサが正確に認識できなくなる場合もあった。
【0020】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、ロッカー装置が備える複数の収容個に電子タグを読み取るセンサを所定位置に配置することにより、品物を預け入れた人と、品物を引き取りにきた人とが異なる場合でも、安全性と利便性を担保する品物の預け入れと、受け渡しを確実に管理できるスマートロッカー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に係るスマートロッカー装置は、以下の特徴的構成を備える。
【0022】
本発明は、複数の収容庫を備え、いずれかの収容庫に預け入れるまたは取り出す品物の状態を管理するスマートロッカー装置であって、電子錠を用いて各収容庫の開閉扉の施錠/解錠を行う開閉制御部と、各収容庫に収容される品物に付加されている電子タグの情報を通信により読み取る第1の読取部と、前記第1の読取部が読み取る電子タグに基づいて、前記品物を取り出すための解錠情報を発行する発行部と、前記開閉制御部が制御する各収容庫の施錠/解錠の状態と、前記第1の読取部が読み取る電子タグの情報と、前記解錠情報とを紐づけて管理する管理部と、所定の画像を読み取る第2の読取部と、前記第2の読取部が読み取る所定の画像と、前記管理部が管理する解錠情報から生成される解錠画像と、が一致するか否かを判断する判断部と、を備え、前記開閉制御部は、前記判断部の判断結果に従い、前記電気錠の施錠/解錠の制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、品物を預け入れた人と、品物を引き取りにきた人とが異なる場合でも、安全性と利便性を担保する品物の預け入れと、受け渡しを確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係るスマートロッカー装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係るスマートロッカー装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明に係るスマートロッカー装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図4】本実施形態を示すスマートロッカー装置の商品の預け入れと受け渡しの全体の流れを示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態を示すスマートロッカー装置の商品管理方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、スマートロッカー装置の一例を示す斜視図である。
【0026】
図1の(a)において、1はロッカー本体で、例えば高さが1800mm、幅550mm、奥行き550mmとするがユーザーの仕様に応じて、収容庫の数と、収容庫のサイズとを決定するものとする。なお、上記ロッカー本体1のサイズは、一例であって、設置者の依頼に適応して本サイズよりも、小型、中型、大型化したロッカー装置であっても、本発明を適用することができる。
【0027】
2-1~2-4は収容庫で、収容サイズが一番小さいもので、間口は本体の横幅の1/2幅よりも狭いものとする。3は操作部と表示部とを兼ねるタッチパネル表示部で、品物の預け入れのための操作手順や使用料、使用期間等を表示することができる。なお、画面5のサイズは、15.6インチで構成されている。
【0028】
4は第2の読取部を構成するカメラで、ユーザーが翳す解錠情報を読み取ることができる。ここで、解錠情報は、スマートフォンの表示部に表示される場合と、パッドデバイスの表示部に表示される場合と、デジタルカメラの表示部に表示される場合と、用紙に印刷される場合とを含む。
6-1~6-4は収容庫で、収容サイズが二番目に小さいもので、間口は本体の横幅の1/2幅よりも狭いものとする。
7-1、7-2は収容庫で、収容サイズが一番大きいもので、間口は本体の横幅と同等である。
【0029】
図1の(b)は、
図1の(a)のa-a断面に対応し、収容庫2-1~2-4に配置される第1の読取部S1~S4の構成示している。
【0030】
図1の(b)に示す例では、第1の読取部が、電子タグとして機能するRFIDタグの情報を無線通信により読み取る。本例は、第1の読取部が各収容庫2-1~2-4の4隅、かつ、底面よりも上方位置に設けられている。なお、RFIDタグがリーダライタと間で行う通信方式として、電磁誘導方式と電波方式がある。また同じ通信方式でも使用する周波数によって性能は異なる場合がある。
【0031】
図1の(c)は、
図1の(a)のb-b断面に対応し、収容庫7-1、7-2に配置される第2の読取部S11~S14の構成示している。
【0032】
図1の(c)に示す例では、第1の読取部が、電子タグとしてRFIDタグ情報を無線通信により読み取る。本例は、第1の読取部が各収容庫7-1、7-2の4隅、かつ、底面よりも上方位置に設けられている。
【0033】
なお、ロッカー本体1は、店舗、例えばファッションビルに併設されて設置されたり、駅ビル等に出店している店舗の前に設置されたり、病院内の薬局前に設置されたり、スーパーマーケットの店舗前に設置されたり、外食店舗前等様々な場所に設置されることを想定している。また、コンビニエンス店舗内に設定される場合もある。
【0034】
図2は、本実施形態を示すスマートロッカー装置の構成を説明するブロック図である。なお、
図1と同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
図2において、50はタッチパネル部で、表示部51と操作部52とから構成されている。53はインタフェースで、収容庫54-1~54-Nが接続され、各収容庫54-1~54-Nの底板部の4隅に設けるタグセンサA1-1~A1-4,タグセンサA2-1~A2-4,…タグセンサAN-1~AN-4が検出する情報をコントローラ部121に出力する。
【0036】
55はカメラで、ロッカー本体1を操作する人、例えば電子タグが付加された商品を預け入れる又は取り出す人の顔を撮像する。撮像した操作者の顔の画像は、インタフェース53を介して、コント部121へ送信され、必要に応じてメモリ部122に保存される。保存された撮像した操作者の顔の画像は、タイムスタンプが付与されて、事後的に読み出して確認できるように構成されている。
【0037】
56はカード読み取り部で、ICカード、電子マネーカード等の電子決済時に自動的に残高を照会し、必要に応じて支払いに影響がある場合に警告(アラート)を発出するように構成されている。これにより、偽造カードや残金不足を使用者に通知して対応を求めることができる。
【0038】
57は通信部で、管理部100、店舗PC244、スマートフォン241、PADデバイス242、デジタルカメラ243、配送PC255等の電子機器と所定のアプリケーションを介して通信可能に構成されている。
【0039】
管理部100において、コントローラ部121と、メモリ部122と、通信部123を備えている。通信部123は、インターネット200を介して、店舗PC244、スマートフォン241、PADデバイス242、デジタルカメラ243と通信する。
なお、店舗PC244は、ロッカー本体1を利用する複数の店舗に合わせて複数台接続される場合もある。
【0040】
本システムでは、各収容庫54-1~54-Nに収容される品物は、店舗で包装され紙袋300に封入された状態で収容される。したがって、例えば各収容庫54-1~54-Nを開閉しても、品物を収容庫に預け入れる人も、当該預入された品物を収容庫から取り出す人も、即座にその内容物がどのような商品であるかを視認することはできない。
【0041】
一方、本実施形態では、紙袋300等に商品が包装されている場合でも、当該商品に付与されているICタグ301をタグセンサA1-1~A1-4,タグセンサA2-1~A2-4,…タグセンサAN-1~AN-4のいずれかが読み取ることが可能に構成されているため、コントローラ部121は、各収容庫54-1~54-Nの使用状態(使用状態中か、空き状態中か)を認知して、メモリ部122に確保されるロッカー本体1を管理するためのロッカー管理テーブル(詳細は後述する)にロッカー番号、TAG名、TAG識別コード(商品名に対応する)、商品代金、当該収容庫の開閉に使用する2次元バーコード(例えばQRコード)、商品のサムネイル画像、各収容庫54-1~54-Nの各扉の施錠状態(ON/OFF)等を管理している。
【0042】
なお、上記ロッカー管理テーブルは、収容されてから取り出すまでに要した時間(保管時間)や、未回収となっている商品を識別する情報や、収容物の処分に関して問い合わせる問い合わせ先等の情報を含めてもよい。
【0043】
図3は、
図2に示したコントローラ部121がメモリ部122を用いて管理するロッカー管理テーブルの一例を示す図である。
【0044】
図3において、400はロッカー管理テーブルで、ロッカー番号401、電子タグが付いているかどうかを示す電子タグ判断情報402,電子タグを読み取った商品情報(TAG1)403,商品価格(TAG2)404,QRコード405,商品サムネイル406,電子錠の施錠状態407,送り状番号408,お客様情報409を管理している例を示す。
なお、商品預け入れ時間と、商品引き渡し時間とを紐づけて管理して、ロッカー装置の各収容庫の占有時間を管理できるように構成してもよい。さらに、電子タグに、店舗コードを割り付けている場合は、どの店舗が頻繁に使用しているかをマーケティングすることも可能である。
なお、ロッカー管理テーブル400において、商品サムネイル406を管理するのは、ロッカー装置1に商品が収容されている状態で、コントローラ部121がその商品画像を必要に応じてスマートフォン241に通知することで、取り出した包装袋300の中身を、メモリ部122に記憶された商品画像サムネイルを読み出すことで確認が可能となる。これにより、預け入れされた商品が包装状態であっても、商品の中身を簡易に確認できる。誤って、購入していない商品がユーザーに収容庫から取り出されてしまうことを回避することができるとともに、事後処理にも有効な情報として活用することができる。
【0045】
また、ロッカー本体1の対応に不慮の事故が発生した場合、例えば電源遮断により商品管理状態が消失する場合でも、商品を預け入れた人や、商品を取り出したい人による商品確認作業を確実に行うことも可能となる。
【0046】
また、ロッカー本体1の稼働状態を管理する管理PC256を操作する管理会社は、上記ロッカー管理部100と通信することで、ロッカー装置で現在使用されていない収容庫をリアルタイムで管理することもできる。
〔第1のQRコード処理〕
【0047】
以下、
図3に示したQRコード405の発行処理例を説明する。本例は、ネットショップで購入した商品を店舗の店員がロッカー装置1に預け入れ、その後、商品を購入した本人が商品を受け取る場合である。
【0048】
図2に示すように、店舗PC244で販売する商品をネット販売する場合であって、スマートフォン241、PADデバイス242にインストールしたアプリを起動して、店舗PC244が提供するショップページから所望の商品、例えばワンピースを電子決済で処理した場合を想定する。
【0049】
まず、客(ユーザー)は、自分のスマートフォン241のアプリを起動して、電子タグがあらかじめ付与されているワンピースの購入とロッカー本体1を利用する商品受け渡しのリクエストを指示する。この後、電子決済が完了したら、店舗PC244は、お客様がロッカー本体1を利用してワンピースを受け渡すためのロッカー装置を特定する。なお、お客様が購入したワンピースを取り出すロッカー装置を指定できるように構成してもよい。なぜならば、ユーザーにとっては、店舗に併設するロッカー装置を希望する場合もあるし、店舗からやや離れた駅前の店舗を希望する場合があるからである。
【0050】
店舗PC244が指定する場合、店舗PC244は管理部100に接続して、商品を収容していない収容庫が空き状態のロッカー装置があるかどうかを、管理アプリを介して問い合わせる。
これに応答して、管理部100は、メモリ部122に記憶しているロッカー管理テーブル400を検索して商品を収容できる収容庫の候補を店舗PC244に通知する。
【0051】
ここで、店舗PC244の店員がお客様からの要求を満たす収容庫を選択した旨を、管理アプリを介して管理部100に通知すると、管理部100は、当該選択した収容庫の電子錠を施錠または解錠するためのQRコードを作成し、ロッカー管理テーブル400のQRコード部405に登録する。さらに、管理部100は、ロッカー管理テーブル400に登録したQRコードを店舗PC244に通知する。
【0052】
次に、店舗PC244の店員は、ワンピースを購入したユーザーに当該ワンピースを収容するロッカー装置の情報(設置位置および設置位置マップ)とともに、上記QRコードをメールで通知する。なお、当該メールにはセキュリティがかかる状態でQRコードを送信するものとする。
【0053】
この後、店舗PC244の店員は、購入されたワンピースを包装して、例えば紙袋に詰め込んでテープなどで開放口を両側から合わせてテープ留めする。これで、店員は、ロッカー装置に預け入れる包装された商品を持ってユーザーに選択されたロッカー装置の収容庫に向かう。
【0054】
上記商品のネット販売処理において、店員が操作するPADデバイス242には、管理部100が管理するロッカー管理テーブル400に登録されたQRコードを読み出して記憶させておき、電子錠を解錠する画像として画面に読み出し表示可能としておく。
【0055】
次に、店舗の店員は、指定されたロッカー装置1の前で、PADデバイス242に画面表示させたQRコードをカメラ55に読み取らせる。なお、カメラ55の読取指示は、自動または手動で行う。
【0056】
ここで、コントローラ部121は、読み取ったQRコードが管理テーブル400に登録されたQRコードと一致するかどうかを判断し、登録済であると判断した場合、ロッカー装置1のいずれかの収容庫(空き状態)を表示部50に表示する。このタイミングで、コントローラ部121は、使用するロッカー装置1の収容庫の電子錠は解錠されているものとする。そして、コントローラ部121は、店員が解錠した収容庫に電子タグ付きの商品が収容したことを確認したら、当該収容庫の電子情報を施錠状態とする。
これにより、店舗側の店員による商品預け入れ作業が完了することとなる。
【0057】
次に、コントローラ部121は、収容された商品を取り出しに来るお客様のスマートフォン241にメールで収容庫に貴方の商品(ワンピース)を指定されたロッカー装置1に収容され預かっていることを通知する。なお、メールアドレスは、商品購入時にユーザーから店舗PC244に対して通知されているものとする。
(お客様による第1の商品の取り出し処理)
【0058】
以下、商品購入者がロッカー装置1の管理部100から商品収容通知メールをスマートフォン241で受け取った場合について詳述する。なお、詳細は
図4で後述するがロッカー装置を使用した商品の受け渡しを行う場合、お客様がロッカー装置の予約処理を行うものとする。
【0059】
ロッカー装置1から商品収容通知メールをスマートフォン241で受け取ると、お客様(店舗店員により商品がロッカー装置1に預け入れられている)は、メールで通知されたロッカー設置の位置情報をGPS機能で解析し、地図アプリを起動してロッカー設置位置まで移動する(お客様自身が指定した場合は、異なる場合がある)。次に、お客様は、スマートフォン241を操作して、管理部10から受信したメールのQRコードを画面表示する操作を行う。これにより、商品受け取り準備が完了する。
次に、お客様は、ロッカー装置1のカメラ55にスマートフォン241のQRコード画面を読み取らせる操作を行う。
【0060】
これを受けて、コントローラ部121は、カメラ55が読み取ったQRコードがロッカー管理テーブル400のQRコード部405に登録したQRコード群の中のQRコードと一致するかどうかを判断する。
ここで、コントローラ部121が一致するQRコードがないと判断した場合、表示部51にその旨を通知し、預け入れエラーを通知する処理を行う。
【0061】
一方、コントローラ部121が一致するQRコードがあると判断した場合、コントローラ部121は品物を受け取りにきたお客様に商品が預け入れられている収容庫の番号(位置を含む)を表示部51に表示する。ここで、音声通知機能を備えて、その位置を音声通知したり、図示しないLED等を明滅してその位置を表示したりする処理を組み入れてもよい。
【0062】
次に、商品を受け取るお客様が収容庫の位置に移動したことをカメラ55の動画から検知するタイミングで、コントローラ部121は対応する収容庫の電子錠を解錠する。この状態で、お客様は収容庫の扉を開いて、包装された商品を取り出し、扉を閉じる操作を行う。コントローラ部121は、この操作を図示しない扉センサ等から感知して、当該収容庫の電子錠を施錠して、ロッカー管理テーブル400の収容庫の状態を更新する。
この後、コントローラ部121は、商品の受け渡しが正常に完了したことを、店舗PC244にメールで通知する。
これにより、店舗PC244で商品を管理している店員もお客様が確実に商品を引き取ったことを確認することができる。
〔お客様による第2の商品の取り出し処理〕
【0063】
お客様がロッカー装置1の管理部100から商品収容通知メールをスマートフォン241で配送業者がロッカー装置に預け入れる旨の通知を受け取った場合について詳述する。本例は、お客様がネットショップ(店舗)で商品を購入した際に、商品の在庫がない場合に、運送会社の配送員と連携して、在庫を取り寄せて指定されたロッカー装置の収容庫に電子タグ付きの商品を預けいれる点がお客様による第1の商品の取り出し処理との相違点である。
なお、詳細は後述するがロッカー装置を使用した商品の受け渡しを行う場合、お客様がロッカー装置の予約処理を行うものとする。
【0064】
ネットショップの電子決済情報がサーバから通知されると、店舗PC244で商品を管理している店員は、購入された商品の在庫が店舗内にあるかどうかを店舗PC244のメモリ部に記憶される在庫管理テーブルを検索して、店舗PC244の画面上に現在の商品在庫を表示して確認する。ここで、お客様が購入した商品の在庫がないと判断した場合、店舗の店員は、店舗PC244を操作して商品管理センター(在庫倉庫)から購入された商品を運送会社の配送員に商品を予約されたロッカー装置1の収容庫に預け入れを依頼して配送発注を確定する。
【0065】
これを受けて、配送員は、商品管理センター(在庫倉庫)へ出向き、指定された電子タグ付きの商品を受け取り、指定されたロッカー装置1へ移動する。この際、店舗PC244からロッカー装置1の収容庫の扉の電子錠を操作する送り状番号がメールで通知されている。
【0066】
これにより、配送員は、会社が提供する業務用のデータ端末の画面に送り状番号を読み出すことができる。配送員は、当該送り状番号をロッカー装置1の操作部52のテンキーを操作して入力することで、解錠されたロッカー装置1の収容庫の扉を開けて配送指示された商品を預け入れると、コントローラ部121が電子タグを読み取り、管理テーブル400を更新して、当該商品の受取人に購入された商品がロッカー装置1の収容庫に預け入れられた旨をメールにて通知する。この際、コントローラ部121は、電子タグの情報から店舗PC244に対してもメールで同様の通知を行う。
以後は、お客様による第1の商品の取り出し処理と同様であるので、説明は割愛する。
【0067】
これにより、店舗PC244の店員は、在庫切れの商品が商品管理センター(在庫倉庫)から予約されたロッカー装置1の収容庫に預け入れられた状態を確認すること、並びに、ロッカー装置1に預け入れられた商品を、お客様が確実に商品を引き取ったことを確認することができる。
〔ロッカー装置を利用する商品預け入れ及び商品取り出し処理〕
【0068】
図4は、本実施形態を示すスマートロッカー装置の商品の預け入れと受け渡しの全体の流れを示すフローチャートである。なお、S1~S6はスマートフォン241で実行するステップを示し、T1~T3は店舗PC244で実行するステップを示し、U1~U3は運送会社PC250で実行するステップを示し、L1~L7はロッカー装置1で実行するステップを示す。なお、各ステップは、スマートフォン241、店舗PC244、運送会社PC250の各コントローラが記憶された制御プログラムを実行することで実現される。以下、商品預け入れ及び商品取り出し処理について、スマートロッカー装置を含むシステムを利用する商品預け入れ及び商品取り出し処理について詳述する。
【0069】
商品を購入するスマートフォン244を操作するお客様は、ネットショップで商品(ワンピース)を購入して電子決済が完了すると(S1)、商品の受け取りに関する指定画面(図示しない)で店舗受け渡しと、ロッカー受け渡しを選択できる(S2)。なお、ネットショップでの買い物では、通常商品発送が通常である。
【0070】
店舗PC244では、スマートフォン241からネットページから購入した商品に対する支払いが完了して、ロッカー受け渡しを選択している旨の通知を受信したら、本ロッカー管理システムのためのアプリを起動して、当該商品の受け渡しで使用する情報(連絡先の電話番号、ロッカー装置1の電子錠を解錠するためのQRコード)を発行する(T1)。なお、QRコードの発行処理については、店舗PC244とロッカー装置1にインストールされている共通のロッカー管理アプリケーションを利用している。
【0071】
次に、店舗PC244では、ステップS2で商品受け渡しの指示を判断する。ここで、店舗PC244がロッカー受け渡しを指示していると判断した場合(T2)、店舗PC244は、店員が操作するPADデバイス242にロッカー装置1の収容庫を特定し、かつ、該収容庫の電子錠を解錠するためのQRコードを受信する(T2)。次に、店員は、購入した商品を持ってロッカー装置1の設置位置へ移動する預け入れ処理を開始し(T3)、ステップS2の処理で確定しているロッカー装置1に到着する。
【0072】
次に、店員が使用するPADデバイスが受信したQRコードを画面表示し、ロッカー装置1のカメラに画面表示されたQRコードを読み取らせる(L2)。コントローラ部121は、読み取ったQRコードがロッカー管理テーブル400に登録されたQRコードが一致することを確認した後、空き状態の収容庫(各収容庫54-1~54-Nのいずれか1つ)から選抜された収容庫の電子錠を解錠する(L3)。次に、コントローラ部121は、店員により商品が収容庫に預け入れられたことを確認したら(L4)、当該収容庫の電子錠を施錠し、その電子錠の状態を管理テーブル400に登録する。
【0073】
次に、コントローラ部121は、更新された管理テーブル400の内容に従い、収容庫に収容された商品を引き取りに来る予定のお客様のスマートフォン244で受信可能なメールにて、店員により商品が収容庫に預けいれられた旨を通知する(S4)。
これを受けて、商品を購入したお客様は、都合のよい日時に、ロッカー装置1に預けられて保管されている商品を受け取る行動を開始する(S5)。
【0074】
商品を購入したお客様は、メールで通知されている商品を受け渡すロッカー装置1に到着したら、スマートフォン241に通知されているQRコードを本体メモリから表示画面に読み出して、QRコードをロッカー装置1のカメラ55に読み取らせる(L5)。
【0075】
次に、コントローラ部121は、読み取ったQRコードが管理テーブル400に登録されているQRコードと一致する判断した場合、商品を引き取る収容庫の電子錠を解錠させ(L6)、ユーザーは、収容庫から取り出した商品を受け取り(S6)、処理を終了する。
【0076】
一方、ステップT2で、店舗PC244は、お客様が購入した商品が店舗で在庫切れ状態と判断した場合、店舗と提携して商品管理を委託する商品管理センターで在庫在りと判断した場合、運送会社PC250に商品管理センターで商品を受け取り指定されたロッカー装置1への預け入れの指示を行う(U1)。
【0077】
運送会社PC250は、ステップU1の指示に従い業務で管理する送り状番号を発行し、その旨を、商品を受け取る予定のお客様が操作するスマートフォン241へ通知する。
【0078】
これにより、スマートフォン241のユーザーは、ネットショップで購入した商品が運送会社の配送員により指定したロッカー装置1に預け入れがなされることを確認できる。
なお、配送員が使用する送り状番号は、ロッカー装置1の収容庫の電子錠を解錠するキーとし機能する。
【0079】
次に、スマートフォン241のユーザー(お客様)は、本システムが提供するアプリを起動して運送会社PC(配送PC)255から受け取る送り状番号と、本人確認情報(パスワードあるいは携帯番号)とを用いて、スマートフォン241のユーザー(お客様)にとって便利な位置に設置されているロッカー装置1にロッカー予約を行う(L1)。
【0080】
なお、スマートフォン244のユーザーがロッカー管理アプリを起動して、ユーザーのGPS情報や地図アプリから提供される位置情報で特定する使用可能なロッカー装置の現在稼働情報を取得することができるように構成されている。そこで、スマートフォン244のユーザーは、購入した商品を受け取るロッカー装置1をユーザー自身で予約することができる。ここで、予約されたロッカー情報は、ロッカー管理テーブル400で一元管理されている。
【0081】
このように本実施形態では、ロッカー装置1のコントローラ部121は、メモリ部122を使用して、上述したQRコードや、送り状番号を送り状番号408、ユーザー情報(お客様情報)409を一元管理している。
なお、上記実施形態では、ステップT2で、店舗PC244は、お客様が購入した商品が店舗で在庫切れ状態と判断した場合、店舗と提携して商品管理を委託する商品管理センターで在庫在りと判断した場合、運送会社PC250に商品管理センターで商品を受け取り指定されたロッカー装置1への預け入れの指示を行う(U1)処理例を説明したが、店舗と提携して商品管理を委託する商品管理センターで在庫在りかどうかを先に判断し、在庫がない場合に、商品が店舗で在庫切れか否かを判断する処理に置き換える構成であってもよい。本システムは、商品管理は店舗のシステムに依存するところが大きいので、上記プロセスは柔軟に入れ替えて対応することができる。
〔第1実施形態の効果〕
【0082】
本実施形態によれば、電子タグが付いた品物がロッカー装置に収容されている状態を管理する場合に、電子タグの利点である無線通信による商品の識別処理を活用することで、様々な品物(洋服、食品(お弁当(調理可能))、冷凍食品(アイスクリーム)、要冷商品))、書類、植物等)であって、ロッカー装置の収容庫に収まるもの収容状態を管理することができる。上記調理可能とは、ロッカー装置の収容庫の一部が調理器(電子レンジ)として利用可能な場合である。
【0083】
また、ロッカー装置を介して、収容庫に品物を預けいれる者と、品物を受け取る者が異なる非接触のビジネス展開を考える起業家にも新たなビジネスを提案できる。
【0084】
なお、本実施形態では、収容庫に品物を預けいれる者と、品物を受け取る者が異なる非接触のビジネス展開を例としてビジネスモデルを説明したが、収容庫に品物を預けいれる者と、品物を受け取る者が同一であっても本発明を適用することができる。
〔第2実施形態〕
【0085】
上記実施形態では、ロッカー装置の1つの収容庫に1つの品物を預けいれる場合を説明したが、電子タグの付いた複数の商品が収容庫に預け入れる場合にも本発明を適用することができる。
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、電子タグ付きの品物を収容する収容庫の利用率を格段に高めつつ、収容された品物を個別的に管理することができる。
〔第3実施形態〕
【0086】
上記実施形態では、電子タグの付いた商品が収容庫に預け入れて、必ず品物を受け取りに来るシステムを前提としているが、品物の引き取りを忘れているユーザーも多々ある。
【0087】
そこで、ロッカー装置1の品物を預かっている状態が所定時間、所定日数を超えているかどうかを管理テーブル400の管理情報から判別して受け取り忘れメッセージを該当するユーザーに通知して、品物の取引を催促させる構成としてもよい。
〔第3実施形態の効果〕
【0088】
本実施形態によれば、預けいれられた品物の受け取りをうっかり忘れているユーザーに催促することで、収容庫が無駄に占有されてしまうことを回避して、ロッカー装置の利用率を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
【0089】
以下、
図2に示したスマートロッカー装置の商品管理方法について説明する。
図5は、本実施形態を示すスマートロッカー装置の商品管理方法の一例を示すフローチャートである。なお、S1~S12は各ステップを示す。
なお、スマートロッカー装置の構成は、
図2に示した構成を備えているものとする。
【0090】
ロッカー装置1の電源スイッチ(図示しない)がオン状態になると(S1)、コントローラ部121は、メモリ部122、通信部123を初期化する(S2)。これにより、管理部100は、インタフェース53を介してロッカー装置1と、インターネット200を介して外部デバイスとの通信が可能な状態となる。
【0091】
また、コントローラ部121は、タグセンサA1-1~A1-4,タグセンサA2-1~A2-4,…タグセンサAN-1~AN-4の検出状態を確認して各各収容庫54-1~54-Nの使用状態をロッカー管理テーブル400上に初期設定する。
【0092】
続いて、ロッカー装置1を使用したいユーザーがQRコードを翳している場合、コントローラ部121は、カメラ55がQRコードを読み取っているかどうかを判断する(S3)。ここで、コントローラ部121がQRコードを読み取っていると判断した場合、さらに、コントローラ部121は、ロッカー管理テーブル400を参照して、すでに登録されているQRコードと一致するかどうかを判断する。
【0093】
ここで、コントローラ部121がすでに登録されているQRコードと一致していないと判断した場合、警告メッセージを表示部50に表示して、本処理を終了する。
【0094】
一方、ステップS4でコントローラ部121がすでに登録されているQRコードと一致していると判断した場合、ロッカー管理テーブル400に基づいて特定される収容庫の電子錠を解錠する(S5)。
【0095】
この状態でコントローラ部121が、ユーザーは解錠された扉を開けて、電子タグが付加した品物を預け入れて、扉を閉めたことを検知したら、電子錠を施錠して、ロッカー管理テーブル400の対応する収容庫の情報を更新する。
【0096】
次に、コントローラ部121は、読み取った電子タグが登録された電子タグであるか否かについて、ロッカー管理テーブル400を参照して判断する(S7)。ここで、読み取った電子タグが登録された電子タグでないと判断した場合は、ステップS10の警告通知を実行した後、本処理を終了する。
【0097】
一方、ステップS7で、読み取った電子タグが登録された電子タグであると判断した場合は、コントローラ部121は、ロッカー管理テーブル400を更新する(S8)。
次に、コントローラ部121は、ロッカー管理テーブル400を参照して、品物が特定の収容庫に収容されたことをメールで送信する(S9)。
【0098】
次に、コントローラ部121は、管理PC256から、現在のロッカー管理テーブル400の送信指示を受信しているかどうかを判断する(S10)。ここで、管理PC256から、現在のロッカー管理テーブル400の送信指示を受信していないと判断した場合、ステップS3に戻り、QRコード読み取りを待機する。
【0099】
一方、ステップS11で、コントローラ部121が管理PC256から、現在のロッカー管理テーブル400の送信指示を受信していると判断した場合、メモリ部122から読み出した最新のロッカー管理テーブル400を読み出して、インターネット200に接続されている管理PC256へ送信する(S11)。
【0100】
次に、コントローラ部121が同一の収容庫で別の電子タグをよみとっているかどうか、すなわち、同一収容庫に複数の品物が収容されているかどうかを判断する(S12)。
ここで、コントローラ部121が同一収容庫に複数の品物が収容されていないと判断した場合、本処理を終了する。
一方、コントローラ部121が同一収容庫に複数の品物が収容されていると判断した場合、ステップS7へ戻り同様の処理を繰り返す。
【0101】
これにより、本システムは、コントローラ部121が管理するロッカー管理テーブル400を参照して各収容庫の使用状態を管理することができる。さらに、ロッカー管理会社が設ける管理PC256でも、複数のロッカー装置からそれぞれのロッカー管理テーブル400を取得することで使用中のロッカーシステムの稼働状況をリアルタイムで把握することができる。
【0102】
これにより、ある期間ごとに発生し得るメンテナンスのタイミングを最適にスケジュールすることも可能となり、ロッカー管理会社のメンテナンスの負担を大幅に削減できる。
〔第4実施形態の効果〕
本実施形態によれば、品物を預け入れた人と、品物を引き取りにきた人とが異なる場合でも、安全性と利便性を担保する品物の預け入れと、受け渡しを確実に管理できる。
また、1つの収容庫に複数の品物を預け入れた場合も、それぞれの品物に付与した電子タグを読み取ることが可能となるため、それぞれの品物の収容状態については、一元管理するロッカー管理テーブルを参照して認識することができる。
さらに、1つの収容庫に複数の品物を預け入れた場合も、それぞれの品物に付与した電子タグを読み取ることが可能となるため、それぞれの品物のうち、1つの品物を取り出し、他の品物については、そのまま保管した状態を継続するような使用形態についても、一元管理するロッカー管理テーブルが構成されるため、取り置きされた保管中の品物の最新の情報を確認することができる。
これにより、取り忘れた品物が誰の品物で、誰に連絡すればよいか等の情報をリアルタイムで把握し、複数台のロッカー装置を設定してロッカーシステムが通信する環境において、使用状態にあるロッカー装置の各収容庫に預けられている品物を総合的に管理することができる。
なお、オプションとして、本スマートロッカー装置に物品を預け入れるあるいは受け取りに来る人物や、夜盗によるこじ開け等が発生したかどうかを監視するための無線操作可能な外部監視カメラと連携するロッカーシステムとして構成すれば、防犯機能をも担保して、ロッカー利用者の安心安全に貢献できる。
【0103】
本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0104】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【符号の説明】
【0105】
1 ロッカー装置
121 コントローラ部
244 店舗PC
250 運送会社PC