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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039230
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】ホーリーバジルを使用した歯磨剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20230313BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20230313BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20230313BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20230313BHJP
   A61K 36/53 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q11/00
A61P1/02
A61K36/185
A61K36/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146287
(22)【出願日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】521396824
【氏名又は名称】林 功浩
(71)【出願人】
【識別番号】595117471
【氏名又は名称】荒井 安彦
(74)【代理人】
【識別番号】100196760
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】荒井 安彦
【テーマコード(参考)】
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083BB55
4C083CC41
4C083EE33
4C083EE37
4C088AB12
4C088AB38
4C088AC02
4C088MA07
4C088MA57
4C088NA05
4C088ZA67
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歯垢、歯石をきれいに落とし、加えて、抗菌作用、清涼感の持続、体質改善等の各種効果を発揮する歯磨剤を提供する。
【解決手段】ホーリーバジル(カミメボウキ)の成分及びモロヘイヤの成分を含有させた歯磨剤であって、低温乾燥させたホーリーバジル(カミメボウキ)の成分及び低温乾燥させたモロヘイヤの成分を含有させた。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホーリーバジルの成分を含有させたことを特徴とする歯磨剤。
【請求項2】
ホーリーバジルの成分及びモロヘイヤの成分を含有させたことを特徴とする歯磨剤。
【請求項3】
低温乾燥させたホーリーバジルの成分及び低温乾燥させたモロヘイヤの成分を含有させたことを特徴とする請求項2記載の歯磨剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯磨剤に関し、特に、ホーリーバジルの成分及びモロヘイヤの成分を含有させることによって、歯垢、歯石をきれいに落とし、加えて、抗菌作用、清涼感の持続、体質改善等の各種効果を発揮する歯磨剤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、歯磨剤には、歯に付着する歯垢、歯石、細胞膜等を除去する清掃料、歯の表面を磨く研磨剤、乳酸中和剤、甘味剤、香料、及び色素等が含まれている。
ペースト状の歯磨剤は、粉歯磨きに、水、グリセリン、発泡剤、結合剤などを加えて練ってペースト状とし、チューブ等の各種容器に充填したものである。
歯を磨くときにはこれらの歯磨剤と共に歯ブラシを使用して歯を磨いている。
このような歯磨剤に関する技術として出願人は特許文献1の特許権を取得している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3263717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
虫歯の原因となる歯垢は、歯の表面に付着したタンパク質、糖分等の中に多くのバクテリアが増殖したものであり、この歯垢がそのままにされると唾液中のカルシウム分によって固められて歯石が形成される。
いったん歯石が形成されるとその周辺に歯垢が付着して虫歯の原因となる。
一度形成された歯石を落とすのは難しく、多くの場合は歯科医に削ってもらう必要がある。
そして、従来の歯磨剤では歯を磨いただけでは歯垢、歯石をきれいに落とすことができないという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、ホーリーバジルの成分及びモロヘイヤの成分を含有させることによって、歯垢、歯石をきれいに落とし、加えて、抗菌作用、清涼感の持続、体質改善等の各種効果を発揮する歯磨剤を提供することにある。
【0005】
本発明で使用するホーリーバジルはカミメボウキ(神目箒)の英語名として知られる植物であり、カミメボウキ(神目箒、Ocimum tenuiflorum, Syn.O. sanctum)は、アジア、オーストラリアの熱帯を原産とし、栽培品種や帰化植物として世界各地に広がった芳香のあるシソ目シソ科メボウキ属に分類されるシソ科植物である。ヒンディー語でトゥルシー (tulsi)とも呼ばれている。
本発明で使用するモロヘイヤは、アフリカ、インド原産の食用の麻で、シナノキ科、ツナソ属の食用農産物である。そして、主にエジプトで生産され、我国でも広く栽培が行われている。食用とされるのはやわらかい葉の部分であり、粉末として食用に供されるときは茎も含めて粉末とされて食用とされる。また、各種ビタミン、ミネラル類が豊富に含まれた栄養価の高い緑黄色野菜である。
【0006】
本願は、ホーリーバジル及びモロヘイヤに含まれる成分が、歯垢、歯石をきれいに落とし、加えて、抗菌作用、清涼感の持続、体質改善等の各種効果を有することを見出し完成させたものである。
すなわち、前記目的を達成するための手段として請求項1記載の歯磨剤では、ホーリーバジルの成分を含有させたことを特徴とする。請求項2記載の歯磨剤では、ホーリーバジルの成分及びモロヘイヤの成分を含有させたことを特徴とする。請求項3記載の歯磨剤では、低温乾燥させたホーリーバジルの成分及び低温乾燥させたモロヘイヤの成分を含有させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の歯磨剤は、ホーリーバジルの成分を含有させたので、歯磨き時、歯磨き後にホーリーバジルによるミントのような清涼感が広がる。ホーリーバジルの香りの成分である「リナロール」には心をリラックスする効果があるとされ、不安やストレス解消効果が得られる。
ホーリーバジルの成分である、オイゲノールやカリオフィレン、ウルソール酸等の抗酸化成分が、ストレスホルモンのコレチゾールを抑制し、若返りのホルモン「DHEA」を活性化させ、アンチエイジング効果が得られる。
ホージーバジルの葉に含まれるエーテル(ジエチルエーテル)による強力な抗菌効果、殺菌効果が得られる。
ホーリーバジルに含まれるβカロチン、ビタミンB、ビタミンE、ペリルアルデヒド等の成分が、免疫機能と新陳代謝を高め、生活習慣病やインフルエンザ、風邪の予防のほか、頭痛、呼吸器の疾患、肝機能の低下、胃炎、むくみ、冷え性など体の不調を和らげ、体質を改善する。
【0008】
請求項2記載の歯磨剤は、ホーリーバジルの成分及びモロヘイヤの成分を含有させたので、前記請求項1の効果に加え、モロヘイヤに含まれる成分、ビタミン、ミネラル、タンパク質等が歯ぐきに栄養を与え、モロヘイヤの成分が歯の歯垢、歯石に作用し、歯の歯垢、歯石をきれいに除去する。
モロヘイヤ及びホーリーバジルに含まれる葉緑素によって口中の脱臭、臭気発生防止がなされる。
ホーリーバジルの香気がモロヘイヤの青み臭気を除去し、ミントのような清涼感のある歯磨剤が形成される。
【0009】
請求項3記載の歯磨剤は、低温乾燥させたホーリーバジルの成分及び低温乾燥させたモロヘイヤの成分を含有させたので、熱、紫外線による成分の変質、タンパク質の変性、ビタミン類の破壊を防止し、人体に有効な植物成分が得られる。
【発明を実施するための形態】
【実施例0010】
第1実施例に係る歯磨剤を説明する。
第1実施例に係る歯磨剤は、ホーリーバジルの成分を歯磨剤に混入したものである。
ホーリーバジルの成分としては、ホーリーバジルの葉、茎を乾燥させた後、粉砕して形成したホーリーバジル粉末を使用する。
ホーリーバジル粉末の製造方法としては、まず、約0~30℃の温度と乾燥庫内湿度30%程度以下の乾燥空気をホーリーバジルの葉や茎に強制的に当てて低温低湿度乾燥させる。
低温低湿度乾燥は、出願人が先に取得した特許第6886701号「除湿送風機」、あるいは実公昭62ー3633号公報「除湿機」を用いて行うことができる。
低温低湿度乾燥を行なうのは、天日乾燥のような紫外線による成分の変質、熱風乾燥のような熱によるタンパク質の変性、ビタミン類の破壊を防止し、良質の乾燥ホーリーバジルを短時間のうちに得るためである。
【0011】
乾燥したホーリーバジルは粉砕機によって1~100μに細かく粉砕する。このとき粉砕機が熱を発生すると、その熱を受けてホーリーバジルの成分が変質するおそれがあるので、粉砕機としては、粉砕する際にホーリーバジルに熱を与えない構造のものを使用する。
次に、ホーリーバジル粉末をペースト状の練り歯磨きや粉状の粉歯磨きと混練する。
練り歯磨きや粉歯磨きとしては、一般的に使用されている研磨剤、湿潤剤、発泡剤、粘結剤、香味剤、保存料等が含まれたものを使用し、ホーリーバジル粉末の練り歯磨きへの混練割合は適宜設定されるが、一例として歯磨きの重量に対しホーリーバジル粉末を1~10%程度混練する。
そして混練後は、チューブ等の容器に充填する。歯を磨くときには、前記チューブから歯磨剤を適当量押し出し歯ブラシに付着させて歯を磨く。
【0012】
本実施例の歯磨剤では、ホーリーバジルの成分(粉末)が混入されているので、抗菌作用、清涼感の持続、体質改善等の各種効果を有する。
【実施例0013】
第2実施例に係る歯磨剤を説明する。
第2実施例に係る歯磨剤は、ホーリーバジルの成分及びモロヘイヤの成分を歯磨剤に混入したものである。
ホーリーバジルの成分及びモロヘイヤの成分としては、ホーリーバジル及びモロヘイヤの葉、茎を乾燥させた後、粉砕して形成した植物粉末を使用する。
植物粉末の製造方法としては、前記第1実施例と同様、約0~30℃の温度と乾燥庫内湿度30%程度以下の乾燥空気をそれぞれ、ホーリーバジルとモロヘイヤの葉や茎に強制的に当てて低温低湿度乾燥させる。
低温低湿度乾燥は、出願人が先に取得した特許第6886701号「除湿送風機」、あるいは実公昭62ー3633号公報「除湿機」を用いて行うことができる。
低温低湿度乾燥を行なうのは、天日乾燥のような紫外線による成分の変質、熱風乾燥のような熱によるタンパク質の変性、ビタミン類の破壊を防止し、良質の乾燥植物を短時間のうちに得るためである。
【0014】
乾燥した植物は粉砕機によって1~100μに細かく粉砕する。このとき粉砕機が熱を発生すると、その熱を受けてホーリーバジルの成分及びモロヘイヤの成分が変質するおそれがあるので、粉砕機としては、粉砕する際に植物に熱を与えない構造のものを使用する。
次に、ホーリーバジル及びモロヘイヤの粉末をペースト状の練り歯磨きや粉状の粉歯磨きと混練する。
練り歯磨きや粉歯磨きとしては、一般的に使用されている研磨剤、湿潤剤、発泡剤、粘結剤、香味剤、保存料等が含まれたものを使用し、ホーリーバジルとモロヘイヤの粉末の練り歯磨きへの混練割合は適宜設定されるが、一例として歯磨きの重量に対しホーリーバジル粉末を1~10%程度混練する。
ペースト状歯磨きへの混錬に際しては、同量(重量比)のホーリーバジルとモロヘイヤの粉末に水分を添加して混ぜ合わせ、あるいは、モロヘイヤに対してやや少量(重量比)のホーリーバジルに水分を添加して混ぜ合わせ、その混合物をペースト状歯磨きに混錬する。
なお、ホーリーバジルとモロヘイヤの混ぜ合わせ比率、混錬方法等については適宜設定がなされる。
前記混練後は、チューブ等の容器に充填する。歯を磨くときには、前記チューブから歯磨剤を適当量押し出し歯ブラシに付着させて歯を磨く。
【0015】
本実施例の歯磨剤では、ホーリーバジルの成分(粉末)が混入されているので、抗菌作用、清涼感の持続、体質改善等の各種効果を有する。
加えて、モロヘイヤの成分(粉末)が混入されているので、歯を磨くときにモロヘイヤに含まれる成分、ビタミン、ミネラル、タンパク質等が歯ぐきに栄養を与え、モロヤイヤの成分が歯の歯垢、歯石に作用し、歯の歯垢、歯石をきれいに除去する。
さらに、ホーリーバジルの香気がモロヘイヤの青み臭気を除去し、ミントのような清涼感のある歯磨剤が形成される。
【0016】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲における設定変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では研磨剤を含む歯磨剤にホーリーバジル及びモロヘイヤの成分を含有させる構成としたが、研磨剤を含まない歯磨剤にホーリーバジル及びモロヘイヤの成分を含有させる場合であっても、本実施例と同様の効果が得られる。