(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039300
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】屋根用支持具及び二層折板屋根
(51)【国際特許分類】
E04D 3/36 20060101AFI20230313BHJP
E04D 3/35 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
E04D3/36 C
E04D3/35 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146413
(22)【出願日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000175973
【氏名又は名称】三晃金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 邦男
(72)【発明者】
【氏名】北村 雄
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108BB04
2E108BN06
2E108CC01
2E108DD07
2E108DD11
2E108GG01
(57)【要約】
【目的】異なるタイプの下層折板屋根と上層折板屋根とからなる二層折板屋根において、下層折板屋根と上層折板屋根との間に設置され施工し易く且つ断熱性にも優れた屋根用支持具及び二層折板屋根とすること。
【構成】折板屋根の馳締部Jの幅方向一方側を包持する馳包持部14を有する第1挟持部材1と、該第1挟持部材1と同等の構成で且つ前記馳締部Jの幅方向他方側を包持する馳包持部24を有する第2挟持部材2と、前記第1挟持部材1と前記第2挟持部材2とを接合する締付具3と、上面部41の幅方向中央部分を平坦状の吊子設置面411が形成され,該吊子設置面411の幅方向中心箇所に吊子用連結孔412が形成されてなる断熱ベース4と、前記吊子用連結孔412に挿通するネジ軸部621を有する吊子取付ボルト62とを備え、前記断熱ベース4は、前記第1挟持部材1と前記第2挟持部材2の少なくとも何れか一方の頂部に固着されること。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折板屋根の馳締部の幅方向一方側を包持する馳包持部を有する第1挟持部材と、該第1挟持部材と同等の構成で且つ前記馳締部の幅方向他方側を包持する馳包持部を有する第2挟持部材と、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とを接合する締付具と、上面部の幅方向中央部分を平坦状の吊子設置面が形成され,該吊子設置面の幅方向中心箇所に吊子用連結孔が形成されてなる断熱ベースと、前記吊子用連結孔に挿通するネジ軸部を有する吊子取付ボルトとを備え、前記断熱ベースは、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の少なくとも何れか一方の頂部に固着されてなることを特徴とする屋根用支持具。
【請求項2】
請求項1に記載の屋根用支持具おいて、前記断熱ベースの上面部の幅方向中央より何れか一方側に偏る位置に、上下方向に貫通するベース取付孔が形成された底面を有する凹状部が形成され、前記凹状部の前記底面には前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の少なくとも何れか一方の頂部に固着するためのベース取付ボルトの頭部が配置されてなることを特徴とする屋根用支持具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の屋根用支持具おいて、前記断熱ベースの前記吊子設置面には、前記吊子用連結孔と連通する副凹部が形成され、該福凹部には前記吊子取付ボルトが挿入する断熱性を有するスペーサが配置可能としてなることを特徴とする屋根用支持具。
【請求項4】
請求項1,2又は3の何れか1項に記載の屋根用支持具おいて、前記断熱ベースの下面側で且つ幅方向中心箇所に前後方向に沿って楔状部が形成され、該楔状部の長手方向中間箇所には、前記吊子取付ボルトの頭部が配置される空隙が設けられ、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の頂部付近には前記吊子取付ボルトの頭部が挿入される頭部収納開口が前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の頂部付近に形成され、前記頭部が挿入されてなる構成としてなることを特徴とする屋根用支持具。
【請求項5】
請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載の屋根用支持具おいて、前記吊子取付ボルトには、ボルト頭部を被覆する断熱性を有する頭部被覆部材が具備されてなることを特徴とする屋根用支持具。
【請求項6】
請求項1,2,3,4又は5の何れか1項に記載の屋根用支持具おいて、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材のそれぞれの正面板部の上端箇所に半円状のネジ軸用窪み部が形成されてなることを特徴とする屋根用支持具。
【請求項7】
請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載の屋根用支持具おいて、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との間に前記締付具により配置固着される挟持プレート材が具備され、前記挟持プレート材は、上方に前後方向に突出する連結腕状部が設けられると共に、並列に配列されると共に隣接する前記屋根用支持具同士を連結する連結部材が備えられ、該連結部材は前記屋根用支持具の前記連結腕状部を介して連結されてなることを特徴とする屋根用支持具。
【請求項8】
折板屋根板材同士が馳締連結されてなる下層折板屋根と、折板屋根板材同士の頂部箇所にキャップ材が嵌合されてなる上層折板屋根と、下方に馳包持部を有する第1挟持部材と、該第1挟持部材と同等の構成とした第2挟持部材と、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とを接合する締付具と、上面に吊子設置面が形成され,該吊子設置面の幅方向中心箇所に吊子用連結孔が形成されてなる断熱ベースと、前記吊子用連結孔に挿通する吊子取付ボルトとを有し、前記断熱ベースは、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の少なくとも何れか一方の頂部に固着されてなる屋根用支持具とを備え、前記下層折板屋根の馳締部は前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の両前記馳包持部にて包持され、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材が前記締付具にて固定され、前記屋根用支持具上部側の断熱ベース上に前記上層折板屋根が施工されてなることを特徴とする二層折板屋根。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なるタイプの下層折板屋根と上層折板屋根とからなる二層折板屋根において、下層折板屋根と上層折板屋根との間に設置され施工し易く且つ断熱性にも優れた屋根用支持具及び二層折板屋根に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下層折板屋根と上層折板屋根とからなる二層タイプの屋根が多く存在している。これらの屋根は、新設の二層タイプの屋根(又は壁)及び既設の屋根(壁も含む)に新たに屋根を新設した改修屋根が存在する。その下層折板屋根は、金属製の折板タイプの屋根板材によって施工されている。
【0003】
この種の屋根において、下馳部と上馳部とを有する折板屋根板材から構成され、その隣接する折板屋根板材同士の下馳部と上馳部とが馳締されて、折板屋根板材同士が連結されて施工される馳締タイプの折板屋根が存在する。また、折板屋根板材とキャップ材とからなり、複数の前記折板屋根板材が並設され、その隣接する折板屋根板材の対向する被嵌合部にキャップ材を嵌合させて施工される嵌合タイプの折板屋根が存在する。
【0004】
そして、このような、下層折板屋根が馳締タイプであり、上層折板屋根がキャップ材を使用する嵌合タイプとした二層折板屋根が存在する。上層折板屋根と下層折板屋根との間には支持具が設けられており、該支持具は下層折板屋根上に装着され、前記支持具によって上層折板屋根が下層折板屋根上に支持されるものである。
【0005】
二層折板屋根は、折板屋根の断熱工法として、極めて有効なものであるり、昨今の気象状況や、地球温暖化への対策・省エネ対策の強化として、二層折板屋根に対する施工の要求が高まっている。二層折板屋根は、一般的には、下層折板屋根と上層折板屋根は同一種類のものが使用される。つまり、下層折板屋根が馳締タイプものであれば、上層折板屋根も馳締タイプのものが使用される。
【0006】
しかし、二層折板屋根を新設施工するには、このように下層及び上層の折板屋根を馳締タイプ等の同一種類のものにできるが、施工及び建築物の条件や状況に応じて、下層折板屋根と上層折板屋根とが同一種類ではなく、相互に異なる種類も折板屋根であることも存在する。
【0007】
例えば、既設の単層の折板屋根を二層の折板屋根に改修するときに、既設折板屋根上に新たな折板屋根を施工する場合、必ずしも、下層屋根となる既設の折板屋根と同一種類のものが使用されず、タイプの異なる折板屋根が使用されることもある。または、新設時から、下層折板屋根と上層折板屋根を異なるタイプの折板屋根とすることも十分に有りうる。そして、このような二層折板屋根において、重要な要素として、下層折板屋根と上層折板屋根との間に配置する屋根用支持具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
二層折板屋根は、特許文献1に開示されているように、下層折板屋根と上層折板屋根とが、同一タイプの折板屋根であることを前提としたものである。特許文献1では、このような条件の元で、屋根支持部材が存在している。特許文献1における屋根支持部材は、下層の折板屋根と上層の折板屋根が同一の馳締タイプとして開発されたものである。
【0010】
しかし、前述したように下層折板屋根と上層折板屋根とは、異なるタイプの折板屋根となることもあり得る。そのために、異なるタイプの折板屋根による二層折板屋根に適した下層折板屋根と上層折板屋根との間に配置される屋根用支持具も多く要求されるようになっている。そして、二層折板屋根は、良好な断熱性が要求されており、その要求を十分満たす屋根用支持具の出現が望まれている。
【0011】
そこで、本発明の目的(解決しようとする技術的課題)は、極めて簡単な構成にて、断熱性に優れ、馳締タイプと嵌合タイプの異なるタイプの折板屋根による二層折板屋根を施工する屋根用支持具及びその二層折板屋根を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、折板屋根(下層折板屋根)の馳締部の幅方向一方側を包持する馳包持部を有する第1挟持部材と、該第1挟持部材と同等の構成で且つ前記馳締部の幅方向他方側を包持する馳包持部を有する第2挟持部材と、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とを接合する締付具と、上面部の幅方向中央部分を平坦状の吊子設置面が形成され,該吊子設置面の幅方向中心箇所に吊子用連結孔が形成されてなる断熱ベースと、前記吊子用連結孔に挿通するネジ軸部を有する吊子取付ボルトとを備え、前記断熱ベースは、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の少なくとも何れか一方の頂部に固着されてなることを特徴とする屋根用支持具としたことにより、上記課題を解決した。
【0013】
請求項2の発明を、請求項1に記載の屋根用支持具おいて、前記断熱ベースの上面部の幅方向中央より何れか一方側に偏る位置に、上下方向に貫通する取付孔が形成された底面を有する凹状部が形成され、前記凹状部の前記底面には前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の少なくとも何れか一方の頂部に固着するためのベース取付ボルトの頭部が配置されてなることを特徴とする屋根用支持具としたことにより、上記課題を解決した。
【0014】
請求項3の発明を、請求項1又は2に記載の屋根用支持具おいて、前記断熱ベースの前記吊子設置面には、前記吊子用連結孔と連通する副凹部が形成され、該福凹部には前記吊子取付ボルトが挿入する断熱性を有するスペーサが配置可能としてなることを特徴とする屋根用支持具としたことにより、上記課題を解決した。
【0015】
請求項4の発明を、請求項1,2又は3の何れか1項に記載の屋根用支持具おいて、前記断熱ベースの下面側で且つ幅方向中心箇所に前後方向に沿って楔状部が形成され、該楔状部の長手方向中間箇所には、前記吊子取付ボルトの頭部が配置される空隙が設けられ、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の頂部付近には前記吊子取付ボルトの頭部が挿入される頭部収納開口が前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の頂部付近に形成され、前記頭部が挿入されてなる構成としてなることを特徴とする屋根用支持具としたことにより、上記課題を解決した。
【0016】
請求項5の発明を、請求項1,2,3又は4の何れか1項に記載の屋根用支持具おいて、前記吊子取付ボルトには、ボルト頭部を被覆する断熱性を有する頭部被覆部材が具備されてなる屋根用支持具としたことにより、上記課題を解決した。請求項6の発明を、請求項1,2,3,4又は5の何れか1項に記載の屋根用支持具おいて、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材のそれぞれの正面板部の上端箇所に半円状のネジ軸用窪み部が形成されてなることを特徴とする屋根用支持具としたことにより、上記課題を解決した。
【0017】
請求項7の発明を、請求項1,2,3,4,5又は6の何れか1項に記載の屋根用支持具おいて、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との間に前記締付具により配置固着される挟持プレート材が具備され、前記挟持プレート材は、上方に前後方向に突出する連結腕状部が設けられると共に、並列に配列されると共に隣接する前記屋根用支持具同士を連結する連結部材が備えられ、該連結部材は前記屋根用支持具の前記連結腕状部を介して連結されてなることを特徴とする屋根用支持具としたことにより、上記課題を解決した。
【0018】
請求項8の発明を、折板屋根板材同士が馳締連結されてなる下層折板屋根と、折板屋根板材同士の頂部箇所に嵌合キャップ材が嵌合されてなる上層折板屋根と、下方に馳包持部を有する第1挟持部材と、該第1挟持部材と同等の構成とした第2挟持部材と、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とを接合する締付具と、上面に吊子設置面が形成され,該吊子設置面の幅方向中心箇所に吊子用連結孔が形成されてなる断熱ベースと、前記吊子用連結孔に挿通する吊子取付ボルトとを有し、前記断熱ベースは、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の少なくとも何れか一方の頂部に固着されてなる屋根用支持具とを備え、前記下層折板屋根の馳締部は前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の両前記馳包持部にて包持され、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材が前記締付具にて固定され、前記屋根用支持具上部側の断熱ベース上に前記上層折板屋根が施工されてなることを特徴とする二層折板屋根としたことにより、上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明における屋根用支持具は、下層折板屋根が馳締タイプであり、上層折板屋根がキャップ材を使用する嵌合タイプである二層折板屋根に好適とである。詳細に述べると、第1挟持部材と、第2挟持部材とはそれぞれの下方に馳包持部を備えており、第1挟持部材と第2挟持部材とで例えば下層折板屋根の馳締部を幅方向両側から包持することができる。
【0020】
また、断熱ベースは、上面部の幅方向中央部分を平坦状の吊子設置面が形成され,該吊子設置面の幅方向中心箇所に吊子用連結孔が形成され、前記吊子用連結孔に挿通するネジ軸部を有する吊子取付ボルトとを備えており、断熱ベースが前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の少なくとも頂部に固着される構成としたものである。これによって、例えば二層折板屋根の上層折板屋根を、嵌合キャップ材が使用される嵌合タイプとした場合では、嵌合タイプの折板屋根に専用となる吊子は、通常、嵌合キャップ材の直下に位置し、断熱ベースの幅方向の中央に設置されるものである。
【0021】
したがって、断熱ベースは、上面部の幅方向中央部分を平坦状の吊子設置面が形成されており、且つ吊子設置面の幅方向中心箇所に吊子用連結孔が形成さているので、嵌合タイプの折板屋根の吊子の設置には最適な断熱ベースとなる。このように、本発明の屋根用支持具は、二層折板屋根において異なるタイプの下層折板屋根と上層折板屋根の場合に、下層折板屋根上に上層折板屋根を支持する中間の支持具として、断熱性を備えた極めて優れたものである。
【0022】
請求項2の発明では、前記断熱ベースの上面部の幅方向中央より何れか一方側に偏る位置に、上下方向に貫通する取付孔が形成された底面を有する凹状部が形成され、前記凹状部の前記底面には前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の少なくとも何れか一方の頂部に固着するためのベース取付ボルトの頭部が配置される構成としたものである。
【0023】
このような構成によって、断熱ベースが第1挟持部材又は第2挟持部材に装着されたときに、ベース取付ボルトの頭部が断熱ベースの上面部から突出することがないので、断熱ベース上に施工される上層折板屋根と、ベース取付ボルトの頭部が接触干渉することなく、良好な上層折板屋根の施工ができる。
【0024】
請求項3の発明では、断熱ベースの吊子設置面には、吊子用連結孔と連通する副凹部が形成され、該福凹部には前記吊子取付ボルトが挿入する断熱性を有するスペーサが配置可能としたことにより、断熱ベースと吊子取付ボルトとが直接接触することなく、断熱性を有するスペーサが両者の間に介在することにより、より一層良好な断熱性にすることができる。
【0025】
請求項4の発明では、断熱ベースの下面側で且つ幅方向中心箇所に前後方向に沿って楔状部が形成されている。これにより、第1挟持部材と第2挟持部材とを締付具にて締め付けたときに、前記楔状部が第1挟持部材と第2挟持部材との間にまさに楔状に作用して、両者の上方に隙間を構成する。これによって、断熱ベースと、第1挟持部材,第2挟持部材との間の断熱性を良好にすることができる。
【0026】
また、第1挟持部材と第2挟持部材の頂部付近にて前記吊子取付ボルトの頭部が挟持されると共に、該頭部が挿入される頭部収納開口が前記第1挟持部材と前記第2挟持部材の頂部付近に形成され、前記頭部が挿入されてなる構成としたものである。このような構成により、吊子取付ボルトは、その頭部を、第1挟持部材と第2挟持部材との両頭部収納開口に挿入しつつ、吊子取付ボルトのネジ軸部を、第1挟持部材と第2挟持部材と締付具で挟持することで、吊子取付ボルトを第1挟持部材と第2挟持部材とで極めて強固に固定することができる。
【0027】
さらに、楔状部の長手方向中間箇所には、空隙が設けられており、吊子取付ボルトのネジ軸部が通過できるスぺ―スとなっている。これによって、吊子取付ボルトは、断熱ベースの楔状部と干渉することなく、断熱ベースの吊子用連結孔に挿通し、断熱ベース上に設置された吊子を強固に断熱ベース上に固定することができる。
【0028】
請求項5の発明では、吊子取付ボルトには、ボルト頭部を被覆する断熱性を有する頭部被覆部材が具備されてなる構成としたことにより、第1挟持部材,第2挟持部材と、吊子取付ボルトの頭部が直接、接触しないので、相互の熱伝達を遮断し良好な断熱性を有する。請求項6の発明では、第1挟持部材と第2挟持部材のそれぞれの正面板部の上端箇所に半円状のネジ軸用窪み部が形成される構成としたことにより、吊子取付ボルトが第1挟持部材と第2挟持部材に挟持されたときに、吊子取付ボルトが、第1挟持部材と第2挟持部材との接合に対して干渉とならないようにすることができる。
【0029】
請求項7の発明では、第1挟持部材と第2挟持部材との間に前記締付具により配置固着される挟持プレート材が具備され、前記挟持プレート材は、上方に前後方向に突出する連結腕状部が設けられると共に、並列に配列されると共に隣接する前記屋根用支持具同士を連結する連結部材が備えられ、該連結部材は前記屋根用支持具の前記連結腕状部を介して連結されてなる構成としたことにより、本発明の屋根用支持具を2層折板屋根において下層折板屋根を馳締タイプとし、並列する馳締部に並列状態に装着すると、並列状態で隣接する屋根用支持具同士を連結部材にて連結し、これを、並列する全屋根用支持具同士を一列状に連結することで、屋根用支持具の幅方向における倒れを防止できる。
【0030】
また、連結部材は、2層折板屋根を構成する折板屋根板の断面形状に合わせた形状とすることにより、上層折板屋根の折板屋根板の底部が連結部材にて支持されることとなり、該底部が強固に補強された状態となる。そのために、折板屋根の施工工程の場合においては、連結部材にて支持された折板屋根板の底部を作業員が歩行可能となり、屋根施工作業を行い易くすることができ、作業効率も向上させることができるという利点も存在する。請求項8の発明では、二層折板屋根におい馳締タイプの下層の折板屋根と、嵌合キャップ材を使用する嵌合タイプの上層折板屋根とからなる二層折板屋根における施工が行い易くなり、且つ施工完了後に極めて強固な二層屋根にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】(A)は本発明の屋根用支持具を使用した二層折板屋根の正面図、(B)は(A)の(α)部における拡大正面図、(C)は(A)の(α)部における拡大縦断正面図である。
【
図2】(A)は本発明における二層折板屋根の要部の一部切除した拡大正面図、(B)は二層折板屋根の要部の拡大縦断正面図、(C)は(A)のX1-X1矢視断面図、(D)は(A)のX2-X2矢視断面図である。
【
図3】(A)は本発明の二層屋根の一部切除した側面図、(B)は屋根用支持具の分解斜視図、(C)は第1挟持部材の要部斜視図、(D)は(C)のX3-X3矢視端面図である。
【
図4】(A)は吊子,断熱ベース及び吊子取付ボルトの分離した斜視図、(B)は断熱ベースの平面図、(C)は(B)のX4-X4矢視断面図、(D)は断熱ベースの底面図、(E)は断熱ベースの側面図、(F)は(B)のY1-Y1矢視を水平にした断面図、(G)は頭部被覆部材を断面にした吊子取付ボルトの正面図である。
【
図5】(A)は下層折板屋根に屋根用支持具を並列配置し連結部材にて互い違いに連結した状態を示す斜視図、(B)は下層折板屋根に屋根用支持具を並列配置し連結部材にて互い違いに連結した状態を示す平面図である。
【
図6】(A)は高さを一層低くした屋根用支持具を使用した二層折板屋根の正面図、(B)は(A)の二層折板屋根に適応した屋根用支持具の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。まず、本発明における屋根用支持具Aの説明を行い、次に該屋根用支持具Aを用いた二層折板屋根Bについて説明する。屋根用支持具Aは、主に折板タイプの金属屋根板から構成される断熱性を有する二層折板屋根に使用される。特に、本発明における屋根用支持具Aが使用される二層折板屋根は、下層屋根が馳締タイプの折板屋根であり、上層折板屋根が嵌合キャップ材を使用する嵌合タイプの折板屋根を前提としている。
【0033】
また、本発明の説明では、方向を示す文言が使用され、前後方向,幅方向及び上下方向である。なお、上下方向は高さ方向と称しても構わない。前後方向,幅方向及び上下方向は、座標軸(X軸,Y軸及びZ軸)に対応する。本発明では、屋根用支持具Aが後述する下層屋根板材71,71,…にて施工される下層折板屋根B1に設置したときの馳締部Jの長手方向に沿う方向を前後方向とし、馳締部Jに直交する方向を幅方向とする。前後方向,幅方向及び上下方向については、図面に記載されている。
【0034】
屋根用支持具Aの主な構成は、
図1,
図3(B)に示すように、第1挟持部材1と、第2挟持部材2と、締付具3と、断熱ベース4と、挟持プレート材5及び連結部材54から構成される。前記第2挟持部材2は、前記第1挟持部材1と略同等に形成されたものである〔
図1(B),(C)参照〕。前記第1挟持部材1と第2挟持部材2とは、金属製であり、プレス加工等によって形成される。
【0035】
前記第1挟持部材1は、
図1,
図3(B)に示すように、正面板部11の幅方向両側より背面側に側面板部12,12が形成され、前記正面板部11の上端に頂面板部13が形成されている。正面板部11は、略長方形状に形成されたものであり、側面板部12は、正面板部11に対して直角(略直角も含む)に折曲形成されたものであり、さらに側面板部12の端縁から第1挟持部材1の外方に向かって補強端片12aが形成されている。該補強端片12aは、側面板部12に対して直角(略直角も含む)に形成されている。
【0036】
前記頂面板部13は、前記正面板部11の上端より直角(略直角も含む)に折曲形成されている。さらに、前記側面板部12の上端位置には、前記頂面板部13の位置よりも僅かに高くなるように、折曲形成された折曲片12bが設けられている〔
図2(A)参照〕。該折曲片12bは、両側面板部12,12の両方に形成されたものであって、前記頂面板部13には、幅方向両側に、折曲片12b,12bが存在するものである。そして、両折曲片12b,12bとの間には適宜の間隔が設けられ空隙が形成され〔
図3(B)参照〕、後述する断熱ベース4が前記空隙を介して載置され、固定し易い構成としている。さらに、頂面板部13には、嵌合吊子82等の部品装着用の貫通孔13aが形成されている。
【0037】
前記正面板部11及び両側面板部12の下方の位置には馳包持部14が形成されている〔
図1(B),
図3等参照〕。該馳包持部14は、後述する二層折板屋根の下層折板屋根B1が構成される隣接する下層屋根板材71,71同士の馳締部Jの幅方向一方側の略半分の部分を収納することができる空隙部であり、後述する第2挟持部材2の馳包持部24と共に馳締部Jを包持する役目をなすものである(
図1参照)。
【0038】
馳包持部14は、正面空隙部14aと両側面空隙部14b,14bとから構成されており、前記正面空隙部14aは、前記正面板部11に略長方形状の開口として形成されたものであり、前記側面空隙部14b,14bは、前記両側面板部12,12に略半円形状又は略「C」字形状の開口として形成されたものである〔
図1,
図3(B)参照〕。
【0039】
馳包持部14の正面空隙部14aの下端縁より正面板部11の正面側に上向き傾斜状に突出する押え突起片14cが形成されている。該押え突起片14cは、第1挟持部材1と第2挟持部材2とで下層折板屋根B1の馳締部Jを挟持したときに、該馳締部Jの一部を押圧固定する役目をなすものである〔
図1(C)参照〕。
【0040】
さらに、前記正面板部11において、前記馳包持部14(正面空隙部14a)の形成位置よりも下方の面が馳挟持面11aとして使用される面となる〔
図3(B)参照〕。該馳挟持面11aは、平坦状の面であり、馳締タイプの下層折板屋根における馳締部Jの首部71f,72f箇所を後述する第2挟持部材2の馳挟持面21aと共に挟持固定する部位である。
【0041】
さらに、前記正面板部11及び前記側面板部12の下端には台座部15が形成されており、該台座部15は前記両側面板部12より外方に向かって突出形成されたものである。該台座部15は、前記正面板部11の下端から背面側に折曲形成されたものであり、僅かに傾斜角度を有して形成されることもある。
【0042】
この傾斜角度は、後述する下層折板屋根の折板屋根板材の上片部71cの傾斜面と略同等となるように形成されることが好ましい(
図1参照)。ここで、前記正面板部11の正面側とは、第1挟持部と第2挟持部材とを接合した状態で、後述する第2挟持部材2の正面板部21と対向する面であり、また背面側は、前記正面側の反対側の面のことである。前記正面板部11には、締付具3の締付ボルト31が貫通する固着用貫通孔16が形成されている。
【0043】
次に、第2挟持部材2は、
図1,
図3(B)等に示すように、前記第1挟持部材1と略同等の形状であり、略同等の構成としたものであり、前記第1挟持部材1で使用された各部位の名称は、そのまま使用され、各部位の相対的な構成についても第1挟持部材1の場合と同様である。
【0044】
第2挟持部材2の正面板部21の幅方向両側より背面側に側面板部22,22が形成され、前記正面板部21の上端に頂面板部23が形成されている。さらに前記側面板部22の端縁から第2挟持部材2の外方に向かって補強端片22aが形成されている〔
図1,
図3(B)参照〕。さらに、第1挟持部材1と同様に、側面板部22の上端位置には、前記頂面板部23の位置よりも僅かに高くなるように形成された折曲片22bが設けられている。第2挟持部材2の折曲片22bは、第1挟持部材1における折曲片12bと同等の構成である〔
図3(B)参照〕。
【0045】
前記正面板部21及び両側面板部22の下方の位置には馳包持部24が形成されている。該馳包持部24は、前述したように、二層折板屋根Bの下層折板屋根B1を構成する折板屋根板材71,71,…の馳締部Jの幅方向他方側の略半分の部分を収納することができる空隙部であり、前記第1挟持部材1の馳包持部14と共に馳締部Jを包持する役目をなすものである〔
図1,
図3(B)参照〕。
【0046】
第2挟持部材2の馳包持部24は、正面空隙部24aと両側面空隙部24b,24bとから構成されており、前記正面空隙部24aは、前記正面板部21に略長方形状の開口として形成されたものであり、前記側面空隙部24b,24bは、前記両側面板部22,22に長方形又は正方形等の略方形状の開口として形成されたものである。前記正面板部21において、前記馳包持部24(具体的には正面空隙部24a)の形成位置よりも下方の面が馳挟持面21aとして使用される面となる。
【0047】
該馳挟持面21aは、平坦状の面であり、前述したように馳締部の首部箇所を後述する前記第1挟持部材1の馳挟持面11aと共に挟持固定する部位である〔
図1,
図3(B)参照〕。前記正面板部21及び前記側面板部22の下端には台座部25が形成されており、該台座部25は前記両側面板部22より外方に向かって突出形成されたものである。前記台座部25は、前記正面板部21の下端から背面側に折曲形成されたものであり、僅かに傾斜角度を有して形成されることもある。この傾斜角度は、後述する下層屋根板材71の上片部71cの傾斜面と略同等となるように形成されることが好ましい。
【0048】
ここで、前記正面板部21の正面側とは、第1挟持部と第2挟持部材とを接合した状態で、後述する第1挟持部材1の正面板部11と対向する面であり、また背面側は、前記正面側の反対側の面のことである。前記正面板部21には、締付具3の締付ボルト31が貫通する固着用貫通孔26が形成されている。
【0049】
締付具3は、締付ボルト31,ナット32から構成されている〔
図1,
図3(B)参照〕。そして、前記締付ボルト31が第1挟持部材1の正面板部11と、第2挟持部材2の正面板部21の固着用貫通孔16,26に挿通され、ナット32によって、両正面板部11,12が締め付けられる。この締付具3の締付けによって、両馳挟持面11a,21aによる馳締部Jの首部を締めつけることができる。
【0050】
次に、前記断熱ベース4は、
図1,
図2,
図3(A)に示すように、前記第1挟持部材1と、前記第2挟持部材2のそれぞれの頂面板部13,23に配置されるものである。その断熱ベース4は、合成樹脂にて形成されたものであり、具体的には、プラスチック材等にて形成されている。また、断熱ベース4は、断熱性を有し且つ建築用材として使用できるものであれば、その材質は限定されない。
【0051】
この断熱ベース4は、その裏面側が第1挟持部材1及び第2挟持部材2のそれぞれの頂面板部13,23の形状に対応する形状で、載置し易いものとなっている。断熱ベース4は、主に上面部41と下面部43を有している。上面部41の幅方向中央部分は、平坦状で且つ水平状の面である吊子設置面411が形成されている。換言するならば中央に最高位置となる平坦状の吊子設置面411が形成され、該吊子設置面411の幅方向両側に幅方向外端に向かって低くなる傾斜面とした上面部41が存在すると言える〔
図1(B),(C),
図2(A),(B)参照〕。
【0052】
また、上面部41は、吊子設置面411を最上位部分とする扁平台形状であるともいえる。吊子設置面411の幅方向両側の上面部41は、後述する上層折板屋根B2を構成する上層屋根板材72の水平状片723aの傾斜角度と略同等となることが好適である。また、上面部41は、吊子設置面411の位置が高くなる構成としないで、上面部41と吊子設置面411が同一面の平坦状面としてもよい。
【0053】
そして、吊子設置面411の幅方向の中央箇所には、吊子用連結孔412が形成されている〔
図2,
図4(A)乃至(D)参照〕。該吊子用連結孔412は、具体的には、断熱ベース4の幅方向中心位置に形成されている。吊子用連結孔412は、断熱ベース4の幅方向に沿って延在する長孔としたり〔
図4(A)乃至(E)参照〕、或いは円形状としてもよい。吊子用連結孔412は、略方形状で、具体的には長方形とすることもある。吊子用連結孔412には、後述する吊子取付ボルト62のネジ軸部621が挿通する。
【0054】
断熱ベース4の上面部41の幅方向(左右方向)の中央より何れか一方側に偏った位置には、凹状部42が形成されている〔
図2(B),
図4(A),(B),(C)等参照〕。凹状部42は、
図2(B),
図4(B),(C)において、幅方向左側に形成されている。凹状部42は、略方形状の窪み室として形成され、底面421が形成されており、該底面421から下面部43まで貫通するベース取付孔422が形成されている。
【0055】
凹状部42の底面421上には前記第1挟持部材1と前記第2挟持部材2の少なくとも何れか一方の頂面板部13又頂面板部14に固着するためのベース取付ボルト61の頭部612が配置され、ネジ軸部611が前記ベース取付孔422を貫通し、頭部612が凹状部42に収まるようになっている〔
図2(B)参照〕。
【0056】
ベース取付ボルト61の頭部が凹状部42に収容されることで、断熱ベース4上に施工される上層折板屋根B2の上層屋根板材72と接触することを防止し、相互に干渉することを防止できる。ベース取付孔422は、断熱ベース4の幅方向に沿って延在する長孔として形成されたり、円形状に形成される。
【0057】
断熱ベース4の吊子設置面411には、吊子用連結孔412と連通する副凹部413が形成されている。該副凹部413には、スペーサ47が挿入配置される。前記副凹部413は円形状の窪みであり、スペーサ47は環状の部材で、断熱性を有する部材から形成され、具体的には合成樹脂である。スペーサ47は前記副凹部413に略密接状に挿入される。スペーサ47は、前記吊子取付ボルト62のネジ軸部621が挿通する。
【0058】
断熱ベース4の下面部43側で且つ該断熱ベース4の幅方向中心箇所に前後方向に沿って楔状部45が形成されている〔
図4(C),(D),(E)参照〕。該楔状部45は、吊子用連結孔412の直下に位置している。該楔状部45は、長手方向(前後方向)の中間箇所に空隙部が形成されている〔
図4(E)参照〕。換言するならば、楔状部45は断熱ベース4の前後方向中間箇所で二つに分離され、分離された楔状部45は、相互に離間した構造となっている。
【0059】
楔状部45の空隙部には吊子取付ボルト62のネジ軸部621が通過し、そのまま吊子用連結孔412を挿通する〔
図2(B)参照〕。楔状部45は、第1挟持部材1と、第2挟持部材2の上端箇所に配置され、第1挟持部材1と第2挟持部材2とが支持具3にて連結固定された状態で、第1挟持部材1と第2挟持部材2の上端は楔状部45を介して離間する構造となる〔
図2(A),(C)参照〕。吊子取付ボルト62は、第1挟持部材1と第2挟持部材2と、断熱ベース4と、嵌合吊子82とを連結する役目をなし、ネジ軸部621とボルト頭部622を有する。
【0060】
前記第1挟持部材1の正面部11と、前記第2挟持部材2の正面部21のそれぞれの上方には、頭部収納開口17及び頭部収納開口27が形成されている〔
図2(B),
図3(B),(C)参照〕。頭部収納開口17及び頭部被覆部材27は、略方形状の開口で、具体的には長方形状の開口である。それぞれの頭部収納開口17及び頭部被覆部材27には吊子取付ボルト62のボルト頭部622の略半分の部分が挿入可能である〔
図2(A),(B),(D)参照〕。
【0061】
そして、吊子取付ボルト62のネジ軸部621を上方にしてボルト頭部622を下端とし、ボルト頭部622を頭部収納開口17,27に挿入させつつ、第1挟持部材1と第2挟持部材2とを締付具3にて締め付けることにより、吊子取付ボルト62のボルト頭部622が頭部収納開口17及び,頭部収納開口27によって固定された状態となる〔
図2(B)参照〕。
【0062】
また、第1挟持部材1と第2挟持部材2のそれぞれの正面板部11,正面板部21の上端箇所に、半円状のネジ軸用窪み部11b,ネジ軸用窪み部21bが形成されることもある〔
図3(B),(C),(D)参照〕。ネジ軸用窪み部11bは、正面板部11の裏面側に向かって凹む略半円形状の窪みである〔
図3(C),(D)参照〕。第1挟持部材1において、ネジ軸用窪み部11bは、前記頭部収納開口17の直上に位置しており、吊子取付ボルト62のネジ軸部621の径方向における一方側半分が入り込むようになっている〔
図3(B),(C)参照〕。
【0063】
同様に、第2挟持部材2において、ネジ軸用窪み部21bは前記頭部収納開口27の直上に位置しており、前記ネジ軸用窪み部21bは、正面板部21の裏面側に向かって凹む略半円形状の窪みである〔
図3(C),(D)参照〕。ネジ軸用窪み部21bにも吊子取付ボルト62のネジ軸部621の径方向における他方側半分が入り込むようになっている。
【0064】
そして、第1挟持部材1と第2挟持部材2における頭部収納開口17及び頭部収納開口27と前記断熱ベース4の楔状部45とによって、第1挟持部材1と第2挟持部材2との上端箇所は離間しており、これによって、吊子取付ボルト62のボルト頭部622が第1挟持部材1と第2挟持部材2の両正面板部11,21に直接、接触しない構造とし、熱伝達を遮断することができる構成にできる〔
図2(C)参照〕。
【0065】
吊子取付ボルト62には、頭部被覆部材623が装着される実施形態が存在する〔
図2(A),(B),(D),
図4(A),(G)参照〕。頭部被覆部材623は、吊子取付ボルト62のボルト頭部622を被覆する断熱性を有する部材である。頭部被覆部材623の材質は、具体的には合成樹脂であり、吊子取付ボルト62のボルト頭部622の外形と略同一形状をなしている。頭部被覆部材623は、具体的には外周側面623aが六角形に形成され、該外周側面623aには蓋面623bが形成され、該蓋面623bの中心に貫通孔623cが形成されている。また、蓋面623aの上下方向反対側は、全面開口であり、ボルト頭部622が挿入できるようになっている。
【0066】
そして、外周側面623aの内部にボルト頭部622が挿入可能であり、貫通孔623cにネジ軸部621を挿入し、吊子取付ボルト62のボルト頭部622のみが頭部被覆部材623にて被覆される。このように吊子取付ボルト62のボルト頭部622が断熱性を有する頭部被覆部材623にて被覆されることで、ボルト頭部622が第1挟持部材1と第2挟持部材2の頭部収納開口17及び頭部収納開口27に支持固定されたときに、頭部被覆部材623によって直接、接触しない構造にすることができる。
【0067】
そして、第1挟持部材1,第2挟持部材2と、吊子取付ボルト62との間の熱伝達が頭部被覆部材623によって遮断されることになり、断熱性にすぐれた屋根用支持具とすることができる〔
図2(B)参照〕。また、頭部被覆部材623の別の実施形態としては、吊子取付ボルト62のボルト頭部622を、溶融した樹脂に漬けて、硬化することによる樹脂被覆構造とすることもある。
【0068】
第1挟持部材1の頂面板部13と、第2挟持部材2の頂面板部23には、それぞれの貫通孔13a及び貫通孔23aが設けられている。両該貫通孔13a,23a箇所で且つ前記頂面板部13,23のそれぞれの下面側には、内螺子部材63が溶接手段等にて固着されている。該内螺子部材63は、ナットが使用されてもよい。そして、第1挟持部材1の貫通孔13aと、第2挟持部材2の貫通孔23aとにそれぞれ連通する内螺子部材63にベース取付ボルト61が螺合される。
【0069】
そして、第1挟持部材1と第2挟持部材2が締付具3によって、適正に接合された状態で、両頂面板部13,23にわたって、断熱ベース4が配置され、前記ベース取付ボルト61及び前記ベース取付ボルト61により断熱ベース4が接合された第1挟持部材1と第2挟持部材2上に固着されるようになっている〔
図1(B)参照〕。
【0070】
次に、挟持プレート材5は、略長方形状の板状材であり、該挟持プレート材5は2つ備えられる。各挟持プレート材5は、第1挟持部材1と第2挟持部材2との間に締付具3にて固着されるための固定用貫通孔51a,51a,…を有しており、具体的には、それぞれの挟持プレート材5には、2個の固定用貫通孔51a,51aを有している〔
図3(B)参照〕。
【0071】
また、2つの挟持プレート材5は第1挟持部材1と第2挟持部材2との間に上下方向に配置され、第1挟持部材1の固着用貫通孔16と、第2挟持部材2の固着用貫通孔26は、それぞれ4個としており、下方側に位置する2個の固着用貫通孔16,26は、下方側の挟持プレート材5専用であり、上方側に位置する2個の固着用貫通孔16,26は上方側の挟持プレート材5専用である〔
図3(B)参照〕。
【0072】
第1挟持部材1と第2挟持部材2において上方に位置する挟持プレート材5は、後述する連結部材54が取り付けられ、本発明の屋根用支持具の幅方向に対する転倒防止の役目をなす(
図5参照)。また、第1挟持部材1と第2挟持部材2において下方に位置する挟持プレート材5は、本発明の屋根用支持具を下層折板屋根B1の馳締部Jに装着したときに、挟持プレート材5の下端が馳締部Jの上端と当接又は近接させることによって、前後方向に対する転倒防止の役目をなすものである〔
図3(A)参照〕。
【0073】
挟持プレート材5、その前後方向の中央箇所が中央支持部51であり、その前後方向の両側に、その上端且つ前後方向両側に、連結腕状部53,53が存在する。連結腕状部53,53は、挟持プレート材5が第1挟持部材1と第2挟持部材2によって挟持固定されたときに、第1挟持部材1と第2挟持部材2の前後方向両側から突出する部分である〔
図3(A)参照〕。そして、下方に位置する挟持プレート材5の連結腕状部53,53は、屋根用支持具Aの前後方向の倒れを防止する役目をなす。
【0074】
挟持プレート材5は、上下方向に2つ備えられる構成としたことにより、屋根用支持具Aでは、その多様性のある使用ができる。まず、これらの2部材を両方とも使用したり、何れか一方のみを使用する構成としたものにできる。また、屋根用支持具Aの下方側の挟持プレート材5はその下端を、単に馳締部J上に当接させるだけで転倒防止を可能とすることができる。なお、実際には、上方に位置する挟持プレート材5と、下方に位置する挟持プレート材5とは、その形状が同一(略同一も含む)である。
【0075】
次に、挟持プレート材5の両連結腕状部53,53は、連結部材54が併用される。それぞれの連結腕状部53には、前後方向外端寄り箇所且つ上端には上方に突出する突起状の係止部53aが形成されている〔
図3(B)参照〕。また、連結部材54は、金属帯板によって形成されたものであり、上層折板屋根B2を構成する複数の上層屋根板材72,72,…のそれぞれの長手方向に直交する断面形状に合わせ形状となっており、幅方向に沿って左右対称であり、谷形支持片54bの幅方向両側に水平状の上片54a,54aが形成された構成となっている〔
図1(A),
図5(C),
図6(A)参照〕。
【0076】
また、両上片54b,54bには、それぞれに被係止孔54cが形成されており、前記連結腕状部53の突起状の係止部53aが貫通するようになっている(
図3,
図5参照)。挟持プレート材5の連結腕状部53は、第1挟持部材1,第2挟持部材2の前後方向両側から突出している。
【0077】
複数の並列された下層屋根板材71,71,…によって施工された下層折板屋根B1において、並列された複数の馳締部J,J,…に、並列に配列された複数の屋根用支持具A,A,…のそれぞれの隣接する屋根用支持具A,A同士が連結部材54により連結される。このようにして、連結部材54は、並列に配列された屋根用支持具A,A同士を連結するとともに、連結部材54の谷形支持片54bは、上層折板屋根B2の上層屋根板材72を下方から支持する役目をなす(
図5参照)。
【0078】
このとき、それぞれの並列された屋根用支持具A,A,…において、連結部材54,54,…は、屋根用支持具Aの前後方向に位置が異なる上方側の挟持プレート材5の係止部53aに係止され、並列する方向に沿って複数の連結部材54,54,…は、互い違いとなるように連結されることが好ましい〔
図5(A),(B)参照〕。これによって各屋根用支持具Aは、前後方向両側に連結部材54が存在し、前後方向に安定した状態となる。
【0079】
次に、本発明における屋根用支持具Aによって施工される二層折板屋根Bについて説明する。二層折板屋根Bは下層折板屋根B1と上層折板屋根B2とから構成される〔
図1,
図2(A),
図7(A)参照〕。下層折板屋根B1は、複数の下層屋根板材71,71,…から構成される。該下層屋根板材71は、主板71aの幅方向両側より立上り側部71b,71bが形成されている。該立上り側部71b,71bの上端には略平坦状とした上片部71c,71c形成されている。該上片部71cは外方上向きに僅かな角度にて傾斜している。
【0080】
そして、両上片部71c,71cには、馳締タイプの下馳部と上馳部が存在し、下馳部71d及び上馳部71eである。下馳部71d及び上馳部71eは、円弧状をなしている(
図1参照)。また、特に図示しないが,下馳部71d及び上馳部71eが共に略三角形状に折曲形成されたタイプも存在する。また、前記下馳部71dと上馳部71eには、略垂直状に形成された部位を有している。
【0081】
この垂直状部位は、下馳部71d及び上馳部71eの下部と前記上片部71cとの間に位置しており、首部71fと称する。そして、前記下馳部71dと上馳部71eとが馳締めされて馳締部Jが構成される。該馳締部Jでは、前記下馳側の首部71fと、上馳側の首部71fとが略当接状態となる。
【0082】
母屋,胴縁等の構造材100上に複数の受金具200,200,…が所定間隔をおいて配置固着され、該受金具200及び馳締用吊子81を介して下層屋根板材71,71,…が複数並設され、隣接する下層屋根板材71,71同士の下馳部71d及び上馳部71eとが共に前記馳締用吊子81と共に馳締されて連結され、馳締部Jが形成され、下層折板屋根B1が構成される(
図1参照)。
【0083】
次に、上層折板屋根B2は、
図1,
図2(A),(B)に示すように、嵌合キャップ材73を使用した嵌合タイプの折板屋根である。上層折板屋根B2を構成する上層屋根板材72は、主板721の幅方向両端箇所に半山形状部722,722が形成され、該両半山形状部722,722の上端より被嵌合部723,723が形成されている〔
図1(A)参照〕。前記半山形状部722は、前記主板721に対して幅方向両端より上向きで外方に傾斜状として形成されている。
【0084】
被嵌合部723は、前記半山形状部722の上端より外方に向かって水平状片723aが形成され、該水平状片723aの外端より垂直状片723bが形成され、該垂直状片723bの上端より内方側(主板71側)に向かって被嵌合屈曲片723cが形成されたものである〔
図1(B)参照〕。嵌合キャップ材73は、その長手方向に長尺物として形成されたものであり〔
図2(B)参照〕、上面部731と嵌合脚部732,732とからなる。
【0085】
そして、前記上面部731の幅方向両側より下方側に向かって前記嵌合脚部732,732が形成されている〔
図2(A),(B)参照〕。上面部731は、扁平三角形状に形成されている。嵌合脚部732は、側片732a,嵌合屈曲片732b及び下端屈曲片732cから構成されている。前記両嵌合屈曲片732c,732cは相互に向かい合うように嵌合キャップ材73の内方側向かって膨出形成されている。
【0086】
そして、下層屋根板B1上に設置された屋根用支持具Aに嵌合吊子82が装着され、半山形状部722が屋根用支持具Aの断熱ベース4上に配置される。隣接する半山形状部722,722は、左右対称に対向する構成となる。次いで、嵌合吊子82が吊子取付ボルト62を介して固着される。該嵌合吊子82は、吊子本体821の幅方向両側に舌片822,822が形成されている〔
図1(B),
図2(A),(B)参照〕。
【0087】
嵌合吊子82の両舌片822,822が屋根用支持具Aの断熱ベース4上で隣接対向する被嵌合部723,723に巻き付けられる〔
図1(B)参照〕。これによって、屋根用支持具A上に両被嵌合部723,723と共に隣接する上層屋根板材72,72が屋根用支持具Aに固定される。屋根用支持具A上で隣接する上層屋根板材72,72の被嵌合部723,723に嵌合キャップ材73の嵌合脚部732,732が嵌合され、これを順次繰り返すことにより下層屋根板B1上に屋根用支持具Aを介して上層折板屋根B2が施工される。
【0088】
図1,
図2(A),(B),
図4(A)における符号83は中間座金であり、座金筐体部83aと押え片83bとから構成され、前記座金筐体部83aの底面部には吊子取付ボルト62が挿通する貫通孔が形成されている。座金筐体部83aは、嵌合吊子82の吊子本体821内に収納され。両押え片83bは、前記嵌合吊子82の両舌片822,822を押さえる構造となる〔
図1,
図2(A),(B)参照〕。
【0089】
二層折板屋根Bにおける下層折板屋根B1と上層折板屋根B2との間には、断熱材91が設けられている。該断熱材91は、グラスウール等により構成され、布団状に形成されたものである。本発明では、通常の二層の断熱屋根よりも多量の断熱材91を充填するために、下層折板屋根B1と上層折板屋根B2との上下方向における間隔を大きくしている。したがって、屋根用支持具Aは、その高さに応じた高さとしている。通常の二層折板屋根の上下方向の間隔は約100mm程度である。本発明では、少なくとも、通常の約1.5倍程度以上とし、約2倍の高さとした。通常の二層折板屋根では、布団状の断熱材は、1枚層としているが、本発明では、2枚層とする〔
図1(A)参照〕。
【0090】
そこで、本発明における屋根用支持具Aは、その全高を約200mm程度としている。屋根用支持具Aは、全高が高くなるにつれて、二層折板屋根Bの熱伸縮時に下層折板屋根B1と上層折板屋根B2との間にズレが生じ、倒れやすくなるが、屋根用支持具Aに装着された挟持プレート材5の下端を下層屋根板B1の馳締部Jに当接させることによって、屋根用支持具Aの前後方向における倒れを防止或いは抑制することができる。
【0091】
通常の二層折板屋根の上下方向の間隔は約100mm程度である。本発明では、少なくとも、通常の約1.5倍程度以上とし、約2倍の高さ、具体的には約200m程度とした。通常の二層折板屋根では、布団状の断熱材9は、通常1枚層としているが、これに対して本発明では、2枚層とする〔
図1(A)参照〕。また、二層折板屋根Bの下層折板屋根B1と上層折板屋根B2との間隔をさらに広げて断熱材91を3枚層とする実施形態も存在する。この実施形態では、屋根用支持具Aは、これを構成する第1挟持部材1,第2挟持部材2の高さ寸法が、通常よりさらに高く設定されている。このように、屋根用支持具Aの高さをより一層高く設定することにより、断熱材91を4枚層以上とすることも十分に可能である。
【0092】
次に、本発明の屋根用支持具Aを下層折板屋根B1の馳締部Jに装着する工程について説明する。まず、本発明の屋根用支持具Aの第1挟持部材1の馳包持部14と、第2挟持部材2の馳包持部24とで馳締部Jを構成する下馳部71dと上馳部71eとを包持しつつ、前記第1挟持部材1の馳挟持面11aと、前記第2挟持部材2の馳挟持面21aとで、馳締部Jの下馳側の首部71fと上馳側の首部71f同士を挟持する。
【0093】
そして、前記第1挟持部材1と前記第2挟持部材2とを締付具3を介して接合する。第1挟持部材1と第2挟持部材2のそれぞれの頂面板部13及び頂面板部23上に断熱ベース4が設置される。該断熱ベース4の下面側には、前記第1挟持部材1の頂面板部13箇所における両折曲片12b,12bとの間に設けられた間隔に収まる突出条44が形成されており、該突出条44が両折曲片12b,12b間に挿入されることによって、正確に設置される。
【0094】
前記断熱ベース4は、ボルト・ナットから構成される固着具61によって、第1挟持部材1の頂面板部13又は第2挟持部材2の頂面板部23の何れか一方に固着される。そして、前記断熱ベース4の吊子設置面411に嵌合吊子82が吊子取付ボルト62及びナット624によって装着される。また、第1挟持部材1と第2挟持部材2の上端箇所には、断熱ベース4の楔状部45が喰い込むようにして配置され、第1挟持部材1と第2挟持部材2の上端箇所は離間する構成となる。
【0095】
二層折板屋根Bの施工において、下層折板屋根B1上に屋根用支持具Aを設置するときに、下層折板屋根B1の各馳締部Jに対して屋根用支持具Aをそれぞれの設置予定箇所に配置する。このとき屋根用支持具Aは、まず、締付具3による締付は行われず、仮設置状態とする。この屋根用支持具Aの馳締部Jに対する仮設置状態は、上層折板屋根B2を実際に施工するときに、設置位置の微調整を行うために移動させる必要が生じることも十分あり、そのために仮設置とするものである。
【0096】
本発明では、屋根用支持具Aを仮設置するときに、締付具3を緩めて第1挟持部材1と第2挟持部材2とを馳締部Jをそれぞれの馳包持部14,24に挿入可能となる程度の間隔に離間させる。そして、そのまま、屋根用支持具Aを下層折板屋根B1の馳締部J上に配置する。このとき、上下2つの挟持プレート材5で下方の挟持プレート材5の下端は、馳締部J上に当接(近接も含む)するように載置される(
図1参照)。次いで、締付具3の締付を行い、第1挟持部材1と第2挟持部材2とを近接させ、両方の馳包持部14,馳包持部24にて馳締部Jを幅方向より挟持固定する。このとき、挟持プレート材5の下端は、馳締部Jの頂部に載置固定されることになる。
【0097】
さらに、下層折板屋根B1の複数の並列する馳締部Jと共に並列配置された複数の屋根用支持具A,A,…は、それぞれの挟持プレート材5の連結腕状部53,53と連結部材54とにより幅方向の連結が行われる〔
図5(A),(B)参照〕。これを順次繰り返して、複数の屋根用支持具A,A,…を下層折板屋根B1上に配置してゆく。そして、下層折板屋根B1上に装着された屋根用支持具Aの断熱ベース4上に嵌合吊子82を介して前記上層折板屋根B2が施工される。
図6(A)は、二層折板屋根Bにおいて、下層折板屋根B1と上層折板屋根B2との上下方向の間隔が小さく設定したタイプである。そして、
図6(B)は、この上下方向に低いタイプの二層折板屋根Bに適した屋根用支持具の分解図である。
【0098】
本発明では、下層折板屋根B1の複数並列する馳締部J,J,…に、並列する複数の屋根用支持具A,A,…は、幅方向への倒れも防止できる。そして連結部材54の谷形支持片54bは、上層折板屋根B2を構成するそれぞれの上層屋根板材72を下方より支持することができ、これによって、上層折板屋根B2は強固となり、施工現場の作業員は、上層折板屋根B2を安心して歩行することができる。
【符号の説明】
【0099】
A…屋根用支持具、1…第1挟持部材、14…馳包持部、15…台座部、
2…第2挟持部材、24…馳包持部、25…台座部、3…締付具、4…断熱ベース、
41…上面部、411…吊子設置面、412…吊子用連結孔、413…副凹部、
47…スペーサ、5…挟持プレート材、53…連結腕状部、54…連結部材、
62…吊子取付ボルト、B1…下層折板屋根、71…下層屋根板材、71d…下馳部、
71e…上馳部、71d…下馳部、J…馳締部、B2…上層折板屋根、
72…折板屋根板材、721…主板、722…半山形状部、723…被嵌合部、
73…嵌合キャップ材、嵌合吊子82。