(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039305
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】宅配ボックス
(51)【国際特許分類】
A47G 29/22 20060101AFI20230313BHJP
A47G 29/12 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
A47G29/22
A47G29/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146419
(22)【出願日】2021-09-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】521397038
【氏名又は名称】有限会社北海道機械メンテナンス
(74)【代理人】
【識別番号】100110766
【弁理士】
【氏名又は名称】佐川 慎悟
(74)【代理人】
【識別番号】100165515
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 清子
(74)【代理人】
【識別番号】100169340
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 陽輔
(74)【代理人】
【識別番号】100195682
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100206623
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 智行
(72)【発明者】
【氏名】堀口 孝弘
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA05
3K100CA13
3K100CA45
3K100CA49
3K100CC10
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】 別個に配達される複数の宅配物をそれぞれ個別に収容することができるとともに、これらの宅配物を一度の操作で解錠してまとめて取り出すことができ、また設置場所の自由度を低減させることもない宅配ボックスを提供する。
【解決手段】 物品を出し入れするための開口部21を備えてなる箱状のボックス本体2と、ボックス本体2の開口部21の全体を開閉する大扉3とを有する宅配ボックス1であって、ボックス本体2の内部は仕切り板27によって複数の小部屋28に分かれているとともに、大扉3は、各小部屋28に連通する複数の小開口部31と、各小開口部31を開閉する複数の小扉4とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を出し入れするための開口部を備えてなる箱状のボックス本体と、前記ボックス本体の前記開口部の全体を開閉する大扉とを有する宅配ボックスであって、
前記ボックス本体の内部は仕切り板によって複数の小部屋に分かれているとともに、
前記大扉は、前記各小部屋に連通する複数の小開口部と、前記各小開口部を開閉する複数の小扉とを備えている、前記宅配ボックス。
【請求項2】
前記大扉を外側から施錠操作および解錠操作可能な大扉施錠手段と、
前記各小扉を外側から施錠操作可能で、かつ内側からのみ解錠操作可能な小扉施錠手段とを有する、請求項1に記載の宅配ボックス。
【請求項3】
前記小扉施錠手段は、一端が前記大扉に形成された係合孔に抜き差しされることで施錠および解錠可能なカンヌキ部と、前記カンヌキ部を長手方向にスライド可能に収容するカンヌキ収容部とを有しており、
前記カンヌキ部は、バネの付勢力によって前記カンヌキ部の外周面から外側に突出する解錠防止係止片を備えているとともに、
前記カンヌキ収容部は、前記カンヌキ部が施錠方向に所定距離スライドされたときに、前記バネの付勢力によって突出する前記解錠防止係止片を嵌め入れる係止片受け孔を備えており、
前記カンヌキ部の前記解錠防止係止片および前記カンヌキ収容部の前記係止片受け孔が前記小扉の内側に配置されている、請求項2に記載の宅配ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不在時に宅配物などの物品を受領することのできる宅配ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、通信販売など利便性から宅配サービスを利用する人が増えている。しかしながら、配達時に受取人が不在のため宅配物を受け渡すことができないケースがある。
【0003】
受取人は、宅配物を受け取れなかった場合、再配達を依頼しなければならない煩わしさがある。また、配達の時間を指定した場合には、家で待機していなければならず時間を拘束されてしまう。また、配達者にとっても再配達は負担であり過重労働の問題が指摘されている。
【0004】
そこで、このような問題を解決するため、不在時に宅配物を受領することを目的とした宅配ボックスを設置する戸建てや集合住宅が増えている。
【0005】
また、1日に複数回、宅配物が配達されることもある。しかしながら、通常の宅配ボックスは盗難防止のために、宅配物が入れられたボックスは受取人が解錠しなければ開かない構造となっており、後から配達される宅配物は宅配ボックスを利用することができない。そこで、これまでに特開2019-213584号公報(特許文献1)および特開平6-80194号公報(特許文献2)で開示されているような、複数の宅配物を入れることができる多段式の宅配ボックスが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-213584号公報
【特許文献2】特開平6-80194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された発明のような多段式の宅配ボックスでは、受取人が収容された宅配物を受け取るには、各段毎に鍵を解錠しなければならず面倒であって利便性が悪いという問題がある。また、特許文献2に記載された発明のように背面などに別の扉を設けて収容された宅配物を受け取れるように構成された宅配ボックスでは、宅配物を入れる扉および取り出す扉の両扉が開けられる状態で設置する必要があり、設置場所や設置方向が制限されるという問題もある。
【0008】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、別個に配達される複数の宅配物をそれぞれ個別に収容することができるとともに、これらの宅配物を一度の操作で解錠してまとめて取り出すことができ、また設置場所の自由度を低減させることもない宅配ボックスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る宅配ボックスは、別個に配達される複数の宅配物をそれぞれ個別に収容しながら一度の操作で解錠してまとめて取り出すことができ、しかも設置場所の自由度を低減させることもない宅配ボックスを提供するという課題を解決するために、物品を出し入れするための開口部を備えてなる箱状のボックス本体と、前記ボックス本体の前記開口部の全体を開閉する大扉とを有する宅配ボックスであって、前記ボックス本体の内部は仕切り板によって複数の小部屋に分かれているとともに、前記大扉は、前記各小部屋に連通する複数の小開口部と、前記各小開口部を開閉する複数の小扉とを備えている。
【0010】
また、本発明の一態様として、解錠操作を容易にしつつ収容された物品を盗難から守るという課題を解決するために、前記大扉を外側から施錠操作および解錠操作可能な大扉施錠手段と、前記各小扉を外側から施錠操作可能で、かつ内側からのみ解錠操作可能な小扉施錠手段とを有するようにしてもよい。
【0011】
さらに、本発明の一態様として、鍵を用いずに小扉の施錠および解錠するという課題を解決するために、前記小扉施錠手段は、一端が前記大扉に形成された係合孔に抜き差しされることで施錠および解錠可能なカンヌキ部と、前記カンヌキ部を長手方向にスライド可能に収容するカンヌキ収容部とを有しており、前記カンヌキ部は、バネの付勢力によって前記カンヌキ部の外周面から外側に突出する解錠防止係止片を備えているとともに、前記カンヌキ収容部は、前記カンヌキ部が施錠方向に所定距離スライドされたときに、前記バネの付勢力によって突出する前記解錠防止係止片を嵌め入れる係止片受け孔を備えており、前記カンヌキ部の前記解錠防止係止片および前記カンヌキ収容部の前記係止片受け孔が前記小扉の内側に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、別個に配達される複数の宅配物をそれぞれ個別に収容することができるとともに、これらの宅配物を一度の操作で解錠してまとめて取り出すことができ、また設置場所の自由度を低減させることもない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る宅配ボックスの一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態の宅配ボックスを示す展開図である。
【
図3】本実施形態の宅配ボックスであって大扉を開けた状態を示す正面図である。
【
図4】本実施形態の宅配ボックスであって小扉を開けた状態を示す正面図である。
【
図5】本実施形態における小扉に設けられた小扉施錠手段が大扉に対して解錠されている状態を示す断面図である。
【
図6】本実施形態における小扉に設けられた小扉施錠手段を、大扉に対して施錠した状態から解錠する操作を示す断面図である。
【
図7】本実施形態における小扉に設けられた小扉施錠手段を、大扉に対して施錠操作する状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る宅配ボックスの一実施形態について図面を用いて説明する。
【0015】
本実施形態の宅配ボックス1は、
図1および
図2に示すように、物品を出し入れするための開口部21を備えてなる箱状のボックス本体2と、前記ボックス本体2の開口部21を開閉する大扉3と、前記大扉3の複数の小開口部31に設けられた複数の小扉4と、前記大扉3を施錠する大扉施錠手段5と、前記小扉4を施錠する小扉施錠手段6とを有する。以下、各構成について詳細に説明する。
【0016】
ボックス本体2は、宅配物などの物品を不在時に一時的に収容するための箱であり、
図2に示すように、矩形状の背面部22および、両側面部23,23、床面部24、天面部25および開口部21を備えた矩形枠状の正面枠部26により、箱状に形成されている。
【0017】
また、ボックス本体2の内部には2枚の仕切り板27,27が設けられており、
図1および
図3に示すように、上下3段に分けられた小部屋28a,28b,28cが形成されている。本実施形態では、上段の小部屋28aの高さが最も低く形成されており、下段の小部屋28cの高さが最も高く形成されている。つまり、下段の小部屋28cには大型の物品が入れられるように大きく形成されている。
【0018】
なお、小部屋28の部屋数は、3部屋に限定されるものではなく、2部屋や4部屋以上でもよい。また、各小部屋28の配置は、上下方向に多段状に配置するものに限られるものではなく、左右方向に並べて配置しても、左右方向と上下方向とを合わせた配置にしてもよい。
【0019】
大扉3は、ボックス本体2の正面に開口された開口部21を開閉する扉であり、
図3に示すように、前記開口部21に対して片開き可能に設けられている。また、大扉3は物品を小部屋28に収納するための複数の小開口部31を有しており、本実施形態では、
図1、
図2および
図4に示すように、ボックス本体2の内部の中段の小部屋28bおよび下段の小部屋28cにそれぞれ連通する2つの小開口部31b,31cが形成されている。各小開口部31b,31cは、各小部屋28b、28cの大きさに合わせて開口しており、下段側の方が大きく開口している。
【0020】
また、本実施形態における大扉3は、ボックス本体2の内部の最上段の小部屋28aにハガキや封筒、新聞などを投函可能な郵便差込口32(ポスト口)を備えている。よって最上段の小部屋28a内の物品を取り出すときには大扉3を開いて取り出すようになっている。
【0021】
小扉4は、ボックス本体2の内部の小部屋28に物品を投入する際に用いられる扉であり、
図1および
図4に示すように、大扉3に設けられた各小開口部31に対して片開き可能に設けられている。本実施形態における小扉4は、開けるときに指を掛けやすくするため、正面(表面)から内部側に向けて凹状に形成された凹状ハンドル部41を有する。また、本実施形態における小扉4は、小扉施錠手段6の施錠および解錠に用いられるカンヌキ部7の一端部を押してスライド操作できるようにするための空間を形成する操作凹部42が凹状ハンドル部41に並べて形成されている。
【0022】
大扉施錠手段5は、ボックス本体2の開口部21に対して大扉3を外側から施錠操作および解錠操作することのできる錠前であり、本実施形態では、シリンダ錠により構成される。本実施形態ではシリンダ錠の鍵穴が大扉3の正面外側に向け開口するように設けられており、外側から解錠操作できるようになっている。
【0023】
なお、大扉施錠手段5として用いることのできる錠前は、シリンダ錠に限定されるものではなく、鍵を用いる南京錠の他、鍵の必要のないダイヤル錠や電子錠などから適宜選択することができる。
【0024】
小扉施錠手段6は、大扉3に対して小扉4を施錠および解錠するための錠前であって、小扉4を外側から施錠操作可能で、かつ内側からのみ解錠操作可能に構成されている。
【0025】
本実施形態における小扉施錠手段6は、
図5に示すように、小扉4の内側に設けられる錠前であって、主に、カンヌキ部7と、このカンヌキ部7をスライド可能に収容するカンヌキ収容部8とを有する。
【0026】
カンヌキ部7は、長手方向にスライド移動して一端が大扉3に形成された係合孔33に抜き差しされることで、小扉4を大扉3に対して施錠および解錠するものである。本実施形態におけるカンヌキ部7は棒状の部材からなり、一端は大扉3の係合孔33に抜き差ししやすいように一回り細く形成されている。また、他端は指などで押してスライド操作しやすいように一回り太く形成された指受け部71が設けられている。
【0027】
また、カンヌキ部7は、解錠方向へのスライドを妨げるストッパー機構として、係止片収容溝部72と、この係止片収容溝部72に収容される解錠防止係止片73と、この解錠防止係止片73を外側に向けて付勢するバネ74とを備えている。
【0028】
係止片収容溝部72は、解錠防止係止片73およびバネ74を収容するための溝であり、前記解錠防止係止片73および前記バネ74を収容可能な幅および深さの凹溝状に形成されている。
【0029】
解錠防止係止片73は、カンヌキ収容部8に形成された係止片受け孔81に嵌め入れ可能な大きさに形成された片状部材である。本実施形態における解錠防止係止片73は、カンヌキ収容部8に接する側が湾曲しており、スライド時、係止片受け孔81への嵌め入れ時および嵌め入れられた状態から前記カンヌキ収容部8の内部への挿入時に、カンヌキ収容部8や係止片受け孔81との抵抗を減らし、施錠および解錠操作をし易くしている。
【0030】
バネ74は、解錠防止係止片73をカンヌキ部7の外周面から外側に突出するように付勢力を発揮するためのものであり、本実施形態では、屈曲された板バネにより構成されている。
【0031】
カンヌキ収容部8は、カンヌキ部7をスライド移動可能に収容するためのものであり、筒状に形成されている。また、カンヌキ収容部8は、カンヌキ部7が施錠方向に所定距離スライドされたときに、バネ74の付勢力によって突出する解錠防止係止片73を嵌め入れる係止片受け孔81を備えている。
【0032】
また、本実施形態におけるカンヌキ収容部8は、
図5に示すように、解錠補助バネ82が内蔵されている。この解錠補助バネ82は、係合孔33側に内蔵されており、カンヌキ部7を解錠された位置に保持するように設置されている。このため、
図6に示すように、施錠状態の場合、解錠補助バネ82は、カンヌキ部7を解錠方向に付勢力を発揮しており、解錠防止係止片73が係止片受け孔81に対して係止されていないときには、カンヌキ部7を解錠位置に押し戻す補助力となるものである。
【0033】
また、この小扉施錠手段6は、カンヌキ部4の解錠防止係止片73およびカンヌキ収容部8の係止片受け孔81が小扉3の内側に配置されている。また、指受け部71が設けられている側の前記カンヌキ部7の端部は、小扉4を外側から施錠操作することができるように、操作凹部42を構成する壁面を貫通しているとともに、前記指受け部71が操作凹部42の内周側空間に配置されている。
【0034】
なお、小扉施錠手段6は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、小扉4を外側から施錠操作可能で、かつ内側からのみ解錠操作可能となる構成となる錠前等から適宜選択することができる。
【0035】
次に、本実施形態の宅配ボックス1の各構成による作用について、使用方法とともに説明する。
【0036】
まず、宅配ボックス1は、玄関先などの任意の位置に設置する。このとき大扉3を開閉できる状態であれば、背面や側面に扉などはないため建物の壁際に着けた状態で設置するなど、自由な位置に設置することができる。
【0037】
次に、受取人は、宅配ボックス1を物品の受け取りが可能な状態にする。まず、大扉3を開け、各小扉4の小扉施錠手段6を解錠された状態にする。
【0038】
ここで小扉施錠手段6が施錠状態の場合、小扉4の内側に配置されている解錠防止係止片73が係止片受け孔81に嵌め入れられて係止された状態であり、カンヌキ部41は解錠方向にスライドできない状態である。このため、
図6に示すように、解錠防止係止片73を内側からバネ74の付勢力に反して係止片収容溝部72に押し込む。解錠防止係止片73は係止片受け孔81から抜けだし、カンヌキ部4は解錠方向にスライド可能な状態になる。本実施形態では、カンヌキ収容部8に内蔵された解錠補助バネ82がカンヌキ部7を解錠方向へ付勢する。カンヌキ部7は解錠補助バネ82の付勢力および受取人によるスライド操作によって解錠方向にスライドする。そして、カンヌキ部7の一端が大扉3の係合孔33から抜け出て解錠状態になる。
【0039】
そして、各小扉4の小扉施錠手段6を解錠状態とした大扉3を閉め、大扉施錠手段5を操作して大扉3を施錠する。これにより、宅配ボックス1の受け取り準備は完了する。
【0040】
次に、配達者による物品の受け渡し(収納)について説明する。配達者は、物品を受け渡すため、解錠されている小扉4を開ける。本実施形態では、小扉4に凹状ハンドル部41を備えているため、ここに指を掛けて容易に開けることができる。
【0041】
配達者は、小扉4を開けた小部屋28に物品を収納する。物品収納後、小扉4を閉め、外側から小扉施錠手段6により小扉4を施錠する。具体的には、
図7に示すように、操作凹部42の内側に配置されているカンヌキ部7の一端を押す。本実施形態では、カンヌキ部7の端部にも受けられた指受け部71が大きく形成されているため押しやすい。
【0042】
配達者によりスライド操作したカンヌキ部7の端部は、大扉3に設けられた係合孔33に差し込まれる。解錠防止係止片73は、カンヌキ部7の外周面から外側に突出するようにバネ74の付勢力を受けており、端部が係合孔33に係合した位置までカンヌキ部7がスライドしたとき、解錠防止係止片73はバネ74の付勢力によりカンヌキ収容部8の係止片受け孔81に自動的に嵌め入れられる。この状態でカンヌキ部7を解錠方向にスライドさせようとしても、解錠防止係止片73が係止片受け孔81に係止されるためスライドさせることができない。これにより小扉施錠手段6が小扉3を施錠した状態になる。
【0043】
このように本実施形態における小扉4は鍵などがなくても簡単に施錠することができる。一方、解錠は内側からしか操作できないため、配達者が小扉4を施錠すると外側からは開けられず、収容された物品を盗難から守ることができる。
【0044】
また、本実施形態の宅配ボックス1は、物品を受け取り可能な小部屋28が2部屋用意されているため、後から物品を届けに来た配送者は、物品が収容されていない小部屋28に物品を収容することができる。
【0045】
次に、受取人が、ボックス本体2の小部屋28に収容された物品を受け取るには、施錠されている大扉施錠手段5を解錠し、大扉3を開ける。大扉3は、
図3に示すように、配達者により施錠された状態の小扉4とともに一体的に開けられる。このため、一度の操作で全ての小部屋から収容されている物品を受け取ることができ、小扉4を一つずつ解錠して開ける必要がないため、受け取りの利便性が向上する。
【0046】
物品の受け取り後は、大扉3を開けた状態で小扉4の内側から各小扉施錠手段6の解錠を行う。そして、大扉3を閉め、大扉施錠手段5により施錠することで、再び小部屋28にて物品の受け取り可能な状態にすることができる。
【0047】
以上のような本実施形態の宅配ボックス1によれば、以下の効果を奏することができる。
1.複数の小部屋28に収容された宅配物の受け取りを大扉3の解錠操作のみで行うことができるため、利便性を飛躍的に向上させることができる。
2.物品の受け渡しおよび受け取りを全て正面側から行うことができるため、設置場所や設置方向の自由度を低減することがない。
3.小扉4は外側から施錠すると内側からしか解錠することができないため、収容された物品を盗難から守る事ができる。
4.鍵を用いずに小扉4を施錠および解錠することができるため、利便性をより高めることができる。
【0048】
なお、本発明に係る宅配ボックスは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、配達者が伝票などに受け取り確認用の印鑑を押印できるように、小扉4の内側に印鑑ホルダなどを設けてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 宅配ボックス
2 ボックス本体
3 大扉
4 小扉
5 大扉施錠手段
6 小扉施錠手段
7 カンヌキ部
8 カンヌキ収容部
21 開口部
22 背面部
23 側面部
24 床面部
25 天面部
26 正面枠部
27 仕切り板
28,28a,28b,28c 小部屋
31,31b、31c 小開口部
32 郵便差込口
33 係合孔
41 凹状ハンドル部
42 操作凹部
71 指受け部
72 係止片収容溝部
73 解錠防止係止片
74 バネ
81 係止片受け孔
82 解錠補助バネ
【手続補正書】
【提出日】2022-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を出し入れするための開口部を備えてなる箱状のボックス本体と、前記ボックス本体の前記開口部の全体を開閉する大扉とを有する宅配ボックスであって、
前記ボックス本体の内部は仕切り板によって複数の小部屋に分かれているとともに、
前記大扉には、前記各小部屋に連通する複数の小開口部が形成されており、前記各小開口部を開閉する複数の小扉が備えられている、前記宅配ボックス。
【請求項2】
前記大扉を外側から施錠操作および解錠操作可能な大扉施錠手段と、
前記各小扉を外側から施錠操作可能で、かつ内側からのみ解錠操作可能な小扉施錠手段とを有する、請求項1に記載の宅配ボックス。
【請求項3】
前記小扉施錠手段は、一端が前記大扉に形成された係合孔に抜き差しされることで施錠および解錠可能なカンヌキ部と、前記カンヌキ部を長手方向にスライド可能に収容するカンヌキ収容部とを有しており、
前記カンヌキ部は、バネの付勢力によって前記カンヌキ部の外周面から外側に突出する解錠防止係止片を備えているとともに、
前記カンヌキ収容部は、前記カンヌキ部が施錠方向に所定距離スライドされたときに、前記バネの付勢力によって突出する前記解錠防止係止片を嵌め入れる係止片受け孔を備えており、
前記カンヌキ部の前記解錠防止係止片および前記カンヌキ収容部の前記係止片受け孔が前記小扉の内側に配置されているとともに、前記カンヌキ部の他端が前記小扉を外側から施錠操作できるように前記小扉に形成された操作凹部の内周側空間に配置されている、請求項2に記載の宅配ボックス。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を出し入れするための開口部を備えてなる箱状のボックス本体と、前記ボックス本体の前記開口部の全体を開閉する大扉とを有する宅配ボックスであって、
前記ボックス本体の内部は仕切り板によって複数の小部屋に分かれているとともに、
前記大扉には、前記各小部屋に連通する複数の小開口部が形成されており、前記各小開口部を開閉する複数の小扉が備えられており、
前記大扉を外側から施錠操作および解錠操作可能な大扉施錠手段と、
前記各小扉を外側から施錠操作可能で、かつ内側からのみ解錠操作可能な小扉施錠手段とを有するとともに、
前記小扉施錠手段は、一端が前記大扉の内側に係合および解除されることで施錠および解錠可能なカンヌキ部と、前記カンヌキ部を長手方向にスライド可能に収容するカンヌキ収容部とを有しており、
前記カンヌキ部は、バネの付勢力によって前記カンヌキ部の外周面から外側に突出する解錠防止係止片を備えているとともに、
前記カンヌキ収容部は、前記カンヌキ部が施錠方向に所定距離スライドされたときに、前記バネの付勢力によって突出する前記解錠防止係止片を嵌め入れる係止片受け孔を備えており、
前記カンヌキ部の前記解錠防止係止片および前記カンヌキ収容部の前記係止片受け孔が前記小扉の内側に配置されているとともに、前記カンヌキ部の他端が前記小扉を外側から施錠操作できるように前記小扉に形成された操作凹部の内周側空間に配置されている、前記宅配ボックス。