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特開2023-39376柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039376
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/21 20170101AFI20230313BHJP
   C01B 32/194 20170101ALI20230313BHJP
   C25D 5/56 20060101ALI20230313BHJP
   C25D 5/10 20060101ALI20230313BHJP
【FI】
C01B32/21
C01B32/194
C25D5/56 Z
C25D5/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153318
(22)【出願日】2021-09-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】202111020365.7
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521414210
【氏名又は名称】蘇州市安派精密電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲パン▼ 美興
【テーマコード(参考)】
4G146
4K024
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AA02
4G146AB07
4G146AD20
4G146BA01
4G146BA02
4G146CB12
4G146CB23
4G146CB31
4G146CB34
4K024AA09
4K024AB01
4K024AB02
4K024BA11
4K024BB26
4K024CA01
4K024CA02
4K024CA04
4K024CA16
4K024DA04
4K024DA06
4K024DA10
4K024DB03
4K024GA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法を提供する。
【解決手段】(1)グラファイト又はグラフェン原料をプラズマ洗浄し、(2)活性剤を調製する材料として、重量パーセントで、硫酸10~20%、OP-10界面活性剤0.05~1%、ラウリル硫酸ナトリウム0.05~1%、残りに水を取り、(3)前記グラファイト又はグラフェン原料を前記活性剤で洗浄し続け、(4)前記グラファイト又はグラフェンの原料を脱イオン水で洗浄し、(5)前記グラファイト又はグラフェン原料の表面に電気めっき加工を行い、銅膜層を形成させ、(6)続いて、前記グラファイト又はグラフェン原料を脱イオン水で洗浄し、(7)浸漬により、前記グラファイト又はグラフェン原料に保護膜を形成させ、(8)前記銅膜層を電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を乾燥することを備える。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法であって、
グラファイト又はグラフェン原料をプラズマ洗浄するステップ(1)と、
活性剤を調製する材料として、重量パーセントで、硫酸10~20%、OP-10界面活性剤0.05~1%、ラウリル硫酸ナトリウム0.05~1%、残りに水を取るステップ(2)と、
前記活性剤の成分を混合して活性剤を調製し、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記活性剤で洗浄し続けるステップ(3)と、
続いて、前記グラファイト又はグラフェンの原料を脱イオン水で洗浄するステップ(4)と、
前記グラファイト又はグラフェン原料の表面に電気めっき加工を行い、銅膜層を形成させるステップ(5)と、
続いて、表面に前記銅膜層が電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を脱イオン水で洗浄するステップ(6)と、
浸漬により、前記グラファイト又はグラフェン原料に保護膜を形成させるステップ(7)と、
前記銅膜層が電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を乾燥するステップ(8)と、を備えることを特徴とする、
柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項2】
前記ステップ(1)において、前記グラファイト又はグラフェン原料をプラズマ洗浄機に入れて洗浄することを特徴とする、
請求項1に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項3】
前記ステップ(2)において、前記活性剤は、重量パーセントで、硫酸12~16%、OP-110界面活性剤0.05~0.5%、ラウリル硫酸ナトリウム0.05~0.5%、残りに水を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項4】
前記ステップ(2)において、前記活性剤は、重量パーセントで、硫酸15%、OP-110界面活性剤0.1%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1%、残りに水を含むことを特徴とする、
請求項3に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項5】
前記ステップ(5)において、重量パーセントで、銅イオン5%、硫酸14%、光沢剤0.8%、助剤0.06%、レベリング剤0.06%、残りに水を含む電気めっき液により、前記グラファイト又はグラフェン原料に電気めっき加工を2回行うことを特徴とする、
請求項1に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項6】
前記ステップ(5)で、1回目で、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記電気めっき液により電気めっきする時、温度は40度、時間は20分間であり、
2回目で、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記電気めっき液により電気めっきする時、温度は40度、時間は15分間であることを特徴とする、
請求項5に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項7】
前記ステップ(6)において、前記グラファイト又はグラフェンの原材料をまず5g/Lのメチルベンゾトリアゾール溶液に20~30秒浸漬して第1の保護膜を形成させ、次に0.5g/Lの臭化セチルピリジニウム溶液に20~30秒浸漬して第2の保護膜を形成させることを特徴とする、
請求項1に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラファイト材料又はグラフェン材料のコンポーネントの製造分野に関し、特に柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
グラファイトは、炭素原子よりsp2混成軌道で構成される六角形のハニカム結晶格子を持つ2次元カーボンナノ材料である。グラファイトは非常に優れた熱伝導率を持っていて、純粋で欠陥のない単層グラファイトは、熱伝導率が5300W/mKと高く、これまで最も高い熱伝導率を持つ炭素材料であり、単層カーボンナノチューブ(3500W/mK)及び多層カーボンナノチューブ(3000W/mK)よも高い。これを担体として用いる場合、熱伝導率が600W/mKに達することもできる。さらに、グラファイトの弾道的熱伝導率が、カーボンナノチューブの単位円周及び長さあたりの弾道的熱伝導率の下限を下げることができる。
【0003】
電子製品において、様々な電子コンポーネントにとって熱放散が必要である。従来のグラファイト又はグラフェンを電子コンポーネントの熱放散に用いる時、主に一つの金属層をグラファイト又はグラフェンの表面に固定させる。具体的には、接着又は電気めっきの手段によって、金属層をグラファイト又はグラフェンに固定される。熱伝達効率の点から見ると、電気めっきは、接着の手段より優れている。
【0004】
グラファイト又はグラフェン材料の表面の金属層の電気めっき品質を保証するために、通常、電気めっきの前に、グラファイト又はグラフェンの表面に対して複数の洗浄工程を行う。洗浄工程において、グラファイト又はグラフェンの表面をOP-10界面活性剤で処理した後、グラファイト又はグラフェンの表面の滑らかさが普通であるため、グラファイト又はグラフェンの表面に電気めっきされた金属層の結合効果が低く、厚さが不均一であり、製造された熱放散コンポーネントの柔軟性に影響を与え、熱放散コンポーネントの表面に折り目がつきやすい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法を提供することである。まず、グラファイト又はグラフェンの表面にプラズマ洗浄を行い、次に、硫酸、OP-10界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウムから配合された活性剤で、グラファイト又はグラフェンの表面を処理することにより、材料の表面が滑らかになり、グラファイト又はグラフェンの表面に電気めっきされた銅膜層の結合が質高く均一であることを保証し、製造された熱放散コンポーネントの柔軟性を高め、熱放散コンポーネントの表面に折り目がつきにくい。
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明に係る態様によれば、
グラファイト又はグラフェン原料をプラズマ洗浄するステップ(1)と、
活性剤を調製する材料として、重量パーセントで、硫酸10~20%、OP-10界面活性剤0.05~1%、ラウリル硫酸ナトリウム0.05~1%、残りに水を取るステップ(2)と、
前記活性剤の成分を混合して活性剤を調製し、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記活性剤で洗浄し続けるステップ(3)と、
続いて、前記グラファイト又はグラフェンの原料を脱イオン水で洗浄するステップ(4)と、
前記グラファイト又はグラフェン原料の表面に電気めっき加工を行い、銅膜層を形成させるステップ(5)と、
続いて、表面に前記銅膜層を電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を脱イオン水で洗浄するステップ(6)と、
浸漬により、前記グラファイト又はグラフェン原料に保護膜を形成させるステップ(7)と、
前記銅膜層を電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を乾燥するステップ(8)と、を備える柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法が提供される。
【0007】
上記の技術案のより詳細な説明として、前記ステップ(1)において、前記グラファイト又はグラフェン原料をプラズマ洗浄機に入れ洗浄する。
【0008】
上記の技術案のより詳細な説明として、前記ステップ(2)において、前記活性剤は、重量パーセントで、硫酸12~16%、OP-10界面活性剤0.05~0.5%、ラウリル硫酸ナトリウム0.05~0.5%、残りに水を含む。
【0009】
上記の技術案のより詳細な説明として、前記ステップ(2)において、前記活性剤は、重量パーセントで、硫酸15%、OP-110界面活性剤0.1%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1%、残りに水を含む。
【0010】
上記の技術案のより詳細な説明として、前記ステップ(5)において、重量パーセントで、銅イオン5%、硫酸14%、光沢剤0.8%、助剤0.06%、レベリング剤0.06%、残りに水を含む電気めっき液により、前記グラファイト又はグラフェン原料に2回の電気めっき加工を行う。
【0011】
上記の技術案のより詳細な説明として、1回目で、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記電気めっき液により電気めっきする時、温度は40度、時間は20分間であり、
2回目で、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記電気めっき液により電気めっきする時、温度は40度、時間は15分間である。
【0012】
上記の技術案のより詳細な説明として、前記ステップ(6)において、前記グラファイト又はグラフェンの原材料をまず5g/Lのメチルベンゾトリアゾール溶液に20~30秒浸漬して第1の保護膜を形成させ、次に0.5g/Lの臭化セチルピリジニウム溶液に20~30秒浸漬して第2の保護膜を形成させる。
【0013】
ここで、上記の技術案を採用することにより、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0014】
1.本発明において、グラファイト又はグラフェン原料をまずプラズマ洗浄機に入れプラズマ洗浄し、次に、硫酸、OP-10界面活性剤及びラウリル硫酸ナトリウムから配合された活性剤で前記グラファイト又はグラフェンの表面を処理する。前記グラファイト又はグラフェン原料の油汚れを硫酸で洗い流し、前記グラファイト又はグラフェン原料の表面の滑らかさをOP-10界面活性剤で向上させ、前記グラファイト又はグラフェンの分散性をラウリル硫酸ナトリウムで高めることができることにより、前記グラファイト又はグラファイト原料の表面の滑らかさをさらに高め、電気めっきされた銅膜層の結合が質高く均一であり、製造された熱放散コンポーネントの柔軟性が向上され、熱放散コンポーネントの表面に折り目がつきにくくなることともに、熱放散コンポーネントの熱放散及び耐酸性又は耐アルカリ性を向上させることができる。
【0015】
2.本発明において、グラファイト又はグラフェン原料に銅膜層を電気めっきした後、前記銅膜層をめっきされたグラファイト又はグラフェン原料をまず5g/Lのメチルベンゾトリアゾール溶液に20~30秒浸漬し、前記銅膜層に第1の保護膜を形成させ、次に、0.5g/Lの臭化セチルピリジニウム溶液に20~30秒置いて、前記銅膜層に第2の保護膜を形成させることにより、前記銅膜層の変色を防ぐことに効果的である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明は例示的な実施例で示されているが、本発明を様々な形態で実施することができ、以下の実施例が本発明を限定するものではない。あくまでも本発明をより理解しやすく、本発明の範囲を当業者に詳細に伝えるためのものにすぎない。
【0017】
<実施例1>
本発明に係る実施例で提供された柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法は、
グラファイト又はグラフェン原料をプラズマ洗浄機に入れ、気圧2MPa、電力550~600Wの条件で、プラズマ洗浄を30分間行うステップ(1)と、
活性剤を調製する材料として、重量パーセントで、硫酸15%、OP-10界面活性剤0.1%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1%、残りに水を取るステップ(2)と、
前記活性剤の成分を混合して活性剤を調製し、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記活性剤で洗浄し続けるステップ(3)と、
続いて、前記グラファイト又はグラフェンの原料を脱イオン水で洗浄するステップ(4)と、
前記グラファイト又はグラフェン原料の表面に電気めっき加工を2回行い、銅膜層を形成させるステップ(5)と、
続いて、表面に前記銅膜層を電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を脱イオン水で洗浄するステップ(6)と、
前記銅膜層をめっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料をまず5g/Lのメチルベンゾトリアゾール溶液に20~30秒浸漬し、前記銅膜層に第1の保護膜を形成させ、次に、0.5g/Lの臭化セチルピリジニウム溶液に20~30秒置いて、前記銅膜層に第2の保護膜を形成させることにより、銅膜層の変色を防ぐことに効果的であるステップ(7)と、
前記銅膜層を電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を乾燥するステップ(8)を備える。
【0018】
前記ステップ(5)において、2回の電気めっき加工を含んだ。まず、前記グラファイト又はグラフェン原料に電気めっき液によって1次電気めっきを行い、次に、前記グラファイト又はグラフェン原料に電気めっき液によって2次電気めっきを行った。電気めっき液として、重量パーセントで、銅イオン5%、硫酸14%、光沢剤0.8%、助剤0.06%、レベリング剤0.06%、残りに水を含んだ。電気めっき工程と同時に、酸洗いを行うことにより、熱放散コンポーネントに優れた平坦度を得ることができる。
【0019】
実施例1の工程パラメータは、以下の表1に示されている。
【表1】
【0020】
<実施例2>
本発明に係る実施例で提供された柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法は、
グラファイト又はグラフェン原料をプラズマ洗浄機に入れ、気圧2MPa、電力550~600Wの条件で、プラズマ洗浄を30分間行うステップ(1)と、
活性剤を調製する材料として、重量パーセントで、硫酸16%、OP-10界面活性剤0.2%、ラウリル硫酸ナトリウム0.2%、残りに水を取るステップ(2)と、
前記活性剤の成分を混合して活性剤を調製し、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記活性剤で洗浄し続けるステップ(3)と、
続いて、前記グラファイト又はグラフェンの原料を脱イオン水で洗浄するステップ(4)と、
前記グラファイト又はグラフェン原料の表面に電気めっき加工を2回行い、銅膜層を形成させるステップ(5)と、
続いて、表面に前記銅膜層を電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を脱イオン水で洗浄するステップ(6)と、
前記銅膜層をめっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料をまず5g/Lのメチルベンゾトリアゾール溶液に20~30秒浸漬し、前記銅膜層に第1の保護膜を形成させ、次に、0.5g/Lの臭化セチルピリジニウム溶液に20~30秒置いて、前記銅膜層に第2の保護膜を形成させることにより、前記銅膜層の変色を防ぐことに効果的であるステップ(7)と、
前記銅膜層を電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を乾燥するステップ(8)とを備える。
【0021】
ここで、前述の実施例によって提供された柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法は、従来技術と比べ、以下の利点を有する。銅膜層を電気めっきする時、まず、グラファイト又はグラフェン原料をプラズマ洗浄機に入れプラズマ洗浄し、次に、硫酸、OP-10界面活性剤及びラウリル硫酸ナトリウムから配合された活性剤で前記グラファイト又はグラフェンの表面を処理する。前記グラファイト又はグラフェン原料の油汚れを硫酸で洗い流し、前記グラファイト又はグラフェン原料の表面の滑らかさをOP-10界面活性剤で向上させ、前記グラファイト又はグラフェンの分散性をラウリル硫酸ナトリウムで高めることができることにより、前記グラファイト又はグラファイト原料の表面の滑らかさをさらに高め、電気めっきされた前記銅膜層の結合が質高く均一であり、製造された熱放散コンポーネントの柔軟性が向上され、熱放散コンポーネントの表面に折り目がつきにくくなることともに、熱放散コンポーネントの熱放散及び耐酸性又は耐アルカリ性を向上させることができる。グラファイト又はグラフェン原料に銅膜層を電気めっきした後、前記銅膜層をめっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料をまず5g/Lのメチルベンゾトリアゾール溶液に20~30秒浸漬し、前記銅膜層に第1の保護膜を形成させ、次に、0.5g/Lの臭化セチルピリジニウム溶液に20~30秒置いて、前記銅膜層に第2の保護膜を形成させることにより、前記銅膜層の変色を防ぐことに効果的である。
【0022】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法であって、
グラファイト又はグラフェン原料をプラズマ洗浄するステップ(1)と、
活性剤を調製する材料として、重量パーセントで、硫酸10~20%、オクトキシノール-10界面活性剤0.05~1%、ラウリル硫酸ナトリウム0.05~1%、残りに水を取るステップ(2)と、
前記活性剤の成分を混合して活性剤を調製し、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記活性剤で洗浄し続けるステップ(3)と、
続いて、前記グラファイト又はグラフェンの原料を脱イオン水で洗浄するステップ(4)と、
前記グラファイト又はグラフェン原料の表面に電気めっき加工を行い、銅膜層を形成させるステップ(5)と、
続いて、表面に前記銅膜層が電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を脱イオン水で洗浄するステップ(6)と、
浸漬により、前記グラファイト又はグラフェン原料に保護膜を形成させるステップ(7)と、
前記銅膜層が電気めっきされた前記グラファイト又はグラフェン原料を乾燥するステップ(8)と、を備えることを特徴とする、
柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項2】
前記ステップ(1)において、前記グラファイト又はグラフェン原料をプラズマ洗浄機に入れて洗浄することを特徴とする、
請求項1に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項3】
前記ステップ(2)において、前記活性剤は、重量パーセントで、硫酸12~16%、オクトキシノール-10界面活性剤0.05~0.5%、ラウリル硫酸ナトリウム0.05~0.5%、残りに水を含むことを特徴とする、
請求項1に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項4】
前記ステップ(2)において、前記活性剤は、重量パーセントで、硫酸15%、オクトキシノール-10界面活性剤0.1%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1%、残りに水を含むことを特徴とする、
請求項3に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項5】
前記ステップ(5)において、重量パーセントで、銅イオン5%、硫酸14%、光沢剤0.8%、助剤0.06%、レベリング剤0.06%、残りに水を含む電気めっき液により、前記グラファイト又はグラフェン原料に電気めっき加工を2回行うことを特徴とする、
請求項1に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項6】
前記ステップ(5)で、1回目で、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記電気めっき液により電気めっきする時、温度は40度、時間は20分間であり、
2回目で、前記グラファイト又はグラフェン原料を前記電気めっき液により電気めっきする時、温度は40度、時間は15分間であることを特徴とする、
請求項5に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【請求項7】
前記ステップ(6)において、前記グラファイト又はグラフェンの原材料をまず5g/Lのメチルベンゾトリアゾール溶液に20~30秒浸漬して第1の保護膜を形成させ、次に0.5g/Lの臭化セチルピリジニウム溶液に20~30秒浸漬して第2の保護膜を形成させることを特徴とする、
請求項1に記載の柔軟性の高いグラファイト材料又はグラフェン材料の熱放散コンポーネントを製造する方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
グラファイト又はグラフェン材料の表面の金属層の電気めっき品質を保証するために、通常、電気めっきの前に、グラファイト又はグラフェンの表面に対して複数の洗浄工程を行う。洗浄工程において、グラファイト又はグラフェンの表面をオクトキシノール-10(以下、単にOP-10ともいう。)界面活性剤で処理した後、グラファイト又はグラフェンの表面の滑らかさが普通であるため、グラファイト又はグラフェンの表面に電気めっきされた金属層の結合効果が低く、厚さが不均一であり、製造された熱放散コンポーネントの柔軟性に影響を与え、熱放散コンポーネントの表面に折り目がつきやすい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記の技術案のより詳細な説明として、前記ステップ(2)において、前記活性剤は、重量パーセントで、硫酸15%、OP-10界面活性剤0.1%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1%、残りに水を含む。