IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エビデントの特許一覧

特開2023-39392検査支援方法、検査支援装置、検査支援システム、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039392
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】検査支援方法、検査支援装置、検査支援システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20230313BHJP
【FI】
G01N21/956 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022031000
(22)【出願日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2021146215
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】322004393
【氏名又は名称】株式会社エビデント
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】光永 修
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA82
2G051AA83
2G051AC21
2G051CA04
2G051CB01
2G051CC01
2G051EA12
2G051EB01
2G051EC06
2G051ED01
2G051ED04
2G051ED11
2G051ED21
(57)【要約】
【課題】ユーザーが異常を見逃す、または異常の評価を誤る可能性を低減させることができる検査支援方法、検査支援装置、検査支援システム、およびプログラムを提供する。
【解決手段】検査支援方法は、受付ステップ、取得ステップ、検査支援ステップ、および画像表示ステップを有する。受付部は、前記受付ステップにおいて、検査部位に関する検査部位情報を受け付ける。取得部は、前記取得ステップにおいて、前記検査部位情報と対応する前記検査部位の検査の結果を記憶媒体から取得する。表示制御部は、前記検査支援ステップにおいて、前記過去の検査において検出された前記検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する検査支援情報を前記表示部に表示する。前記検査支援情報が表示された後、前記表示制御部は、前記画像表示ステップにおいて、前記検査部位の画像を前記表示部に表示する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報を受付部が受け付ける受付ステップと、
取得部が、過去の検査の結果を記憶する記憶媒体に接続し、かつ前記検査部位情報と対応する前記検査部位の前記結果を前記記憶媒体から取得する取得ステップと、
表示制御部が、前記取得ステップにおいて取得された前記結果に基づいて、前記過去の検査において検出された前記検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する検査支援情報を表示部に表示する検査支援ステップと、
前記検査支援情報が表示された後、前記表示制御部が前記検査部位の画像を前記表示部に表示する画像表示ステップと、
を有する検査支援方法。
【請求項2】
前記取得ステップにおいて2つ以上の前記結果が取得された場合、前記表示制御部は、前記検査支援ステップにおいて、予め設定された優先度に基づいて前記検査支援情報を前記表示部に表示する
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項3】
前記優先度は、前記異常の状態に応じて設定される
請求項2に記載の検査支援方法。
【請求項4】
前記検査支援ステップは、
前記表示制御部が、第1の優先度を持つ前記状態を示す前記結果に基づいて前記検査支援情報を前記表示部に表示する第1の検査支援ステップと、
前記第1の検査支援ステップが実行された後、前記表示制御部が、前記第1の優先度よりも低い第2の優先度を持つ前記状態を示す前記結果に基づいて前記検査支援情報を前記表示部に表示する第2の検査支援ステップと、
を有する請求項3に記載の検査支援方法。
【請求項5】
前記優先度は、前記異常の種類毎の前記異常の数に応じて設定される
請求項2に記載の検査支援方法。
【請求項6】
前記検査支援ステップは、
前記表示制御部が、第1の数だけ検出された前記異常の前記種類を示す前記結果に基づいて前記検査支援情報を前記表示部に表示する第1の検査支援ステップと、
前記第1の検査支援ステップが実行された後、前記表示制御部が、前記第1の数よりも少ない第2の数だけ検出された前記異常の前記種類を示す前記結果に基づいて前記検査支援情報を前記表示部に表示する第2の検査支援ステップと、
を有する請求項5に記載の検査支援方法。
【請求項7】
前記受付ステップが実行される前に、前記表示制御部が前記検査部位情報を前記表示部に表示する情報表示ステップをさらに有する
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記情報表示ステップにおいて、検査される予定の前記検査部位に関する前記検査部位情報を含む検査計画を参照し、前記検査計画に基づいて前記検査部位情報を前記表示部に表示する
請求項7に記載の検査支援方法。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記情報表示ステップにおいて、前記検査対象の画像を前記表示部に表示し、かつ前記検査部位情報を前記画像上に表示する
請求項7に記載の検査支援方法。
【請求項10】
前記検査部位情報は、前記結果が保存される前記記憶媒体のフォルダを示し、
前記フォルダは、前記検査部位毎に用意され、前記検査部位と関連付けられており、
前記取得部は、前記取得ステップにおいて、前記検査部位情報が示す前記フォルダから前記検査部位の前記結果を取得する
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項11】
前記検査支援情報は、過去の検査において検出された前記異常の画像を含む
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項12】
前記検査支援情報は、前記異常の種類毎の前記異常の数を示す
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項13】
前記検査支援情報は、前記検査部位において過去に検出された全ての異常の数に対する前記検査部位において検出された前記異常の種類毎の前記異常の数の割合を示す
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項14】
前記取得部は、前記取得ステップにおいて、前記検査対象と同じ物体または前記検査対象の種類と同じ種類の物体に対して過去に実施された検査の前記結果を取得する
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項15】
前記取得部は、前記取得ステップにおいて、前記検査対象と同じ物体における前記検査部位の前記結果を検索し、
前記検査部位の前記結果が取得できなかった場合、前記取得部は、前記取得ステップにおいて、前記検査対象の種類と同じ種類の物体における前記検査部位の前記結果を取得する
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項16】
前記表示制御部は、前記検査支援ステップにおいて、連続的に生成された前記検査部位の2枚以上の画像のうちの1枚を前記表示部に表示する
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項17】
前記検査支援情報が表示された後、前記検査対象に挿入された挿入部の動きが検出されたとき、前記表示制御部は、前記検査支援情報を非表示にする、または前記表示部に表示されている前記検査支援情報の領域を小さくする
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項18】
前記表示制御部は、前記検査支援ステップにおいて、前記検査支援情報を前記検査部位の前記画像上に表示し、
前記検査支援情報が表示された後、前記検査対象に挿入された挿入部の動きが検出されたとき、前記表示制御部は、前記検査支援情報の透過率を変更する
請求項1に記載の検査支援方法。
【請求項19】
検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報を受け付ける受付部と、
過去の検査の結果を記憶する記憶媒体に接続し、かつ前記検査部位情報と対応する前記検査部位の前記結果を前記記憶媒体から取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記結果に基づいて、前記過去の検査において検出された前記検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する検査支援情報を表示部に表示する検査支援部と、
前記検査支援情報が表示された後、前記検査部位の画像を前記表示部に表示する画像表示部と、
を有する検査支援装置。
【請求項20】
検査支援装置およびサーバーを有し、
前記検査支援装置は、
検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報を受け付ける受付部と、
前記検査部位情報を前記サーバーに送信し、かつ前記検査部位の過去の検査の結果を前記サーバーから受信する第1の通信部と、
前記第1の通信部によって受信された前記結果に基づいて、前記過去の検査において検出された前記検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する検査支援情報を表示部に表示する検査支援部と、
前記検査支援情報が表示された後、前記検査部位の画像を前記表示部に表示する画像表示部と、
を有し、
前記サーバーは、
過去の検査の結果を記憶する記憶媒体に接続し、かつ前記検査部位情報と対応する前記検査部位の前記結果を前記記憶媒体から取得する取得部と、
前記検査部位情報を前記検査支援装置から受信し、かつ前記取得部によって取得された前記結果を前記検査支援装置に送信する第2の通信部と、
を有する検査支援システム。
【請求項21】
検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報を受け付ける受付ステップと、
過去の検査の結果を記憶する記憶媒体に接続し、かつ前記検査部位情報と対応する前記検査部位の前記結果を前記記憶媒体から取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記結果に基づいて、前記過去の検査において検出された前記検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する検査支援情報を表示部に表示する検査支援ステップと、
前記検査支援情報が表示された後、前記検査部位の画像を前記表示部に表示する画像表示ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査支援方法、検査支援装置、検査支援システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラー、パイプ、および航空機エンジン等の内部の異常および腐食等の検査に工業用の内視鏡装置が使用されている。ユーザーは、内視鏡装置を使用することにより、検査対象内の検査部位を検査する。ユーザーは、検査において傷などの異常が検査部位に発生しているか否かを確認する。検査の証拠を残すために、検査部位の画像(静止画または動画)が記録される。異常が発見された場合には、異常の種類および異常の状態を示す情報も記録される。
【0003】
検査対象は非常に多くの検査部位を含み、異常の種類および異常の状態は検査部位に応じて異なる。そのため、検査者は、検査の観点および各検査部位における異常の発生しやすさ等に関する知識またはスキルを必要とする。例えば、経験の少ない検査者が検査を実施する場合、異常が見逃される可能性がある。
【0004】
特許文献1に開示された技術は、画像への注意をユーザーに促す方法を提供する。静止画が記録されるとき、ユーザーによって異常の種類および異常の状態が選択される。ユーザーによって選択された種類および状態を示す情報は静止画と一緒に記録される。また、過去の検査結果を含む検査履歴テーブルが更新される。検査履歴における検査対象の異常を示す検査結果の量が所定条件を満たすとき、ユーザーは画像への注意を促される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-166959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術では、検査者が検査対象における異常の具体的な例を認識し、かつ正しい検査結果が検査履歴テーブルに反映される必要がある。異常に関する検査者の知識またはスキルが不足している場合、検査者が異常を見逃す、または傷の種類を正しく判断できない可能性がある。
【0007】
本発明は、ユーザーが異常を見逃す、または異常の評価を誤る可能性を低減させることができる検査支援方法、検査支援装置、検査支援システム、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報を受付部が受け付ける受付ステップと、取得部が、過去の検査の結果を記憶する記憶媒体に接続し、かつ前記検査部位情報と対応する前記検査部位の前記結果を前記記憶媒体から取得する取得ステップと、表示制御部が、前記取得ステップにおいて取得された前記結果に基づいて、前記過去の検査において検出された前記検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する検査支援情報を表示部に表示する検査支援ステップと、前記検査支援情報が表示された後、前記表示制御部が前記検査部位の画像を前記表示部に表示する画像表示ステップと、を有する検査支援方法である。
【0009】
本発明の検査支援方法において、前記取得ステップにおいて2つ以上の前記結果が取得された場合、前記表示制御部は、前記検査支援ステップにおいて、予め設定された優先度に基づいて前記検査支援情報を前記表示部に表示する。
【0010】
本発明の検査支援方法において、前記優先度は、前記異常の状態に応じて設定される。
【0011】
本発明の検査支援方法において、前記検査支援ステップは、前記表示制御部が、第1の優先度を持つ前記状態を示す前記結果に基づいて前記検査支援情報を前記表示部に表示する第1の検査支援ステップと、前記第1の検査支援ステップが実行された後、前記表示制御部が、前記第1の優先度よりも低い第2の優先度を持つ前記状態を示す前記結果に基づいて前記検査支援情報を前記表示部に表示する第2の検査支援ステップと、を有する。
【0012】
本発明の検査支援方法において、前記優先度は、前記異常の種類毎の前記異常の数に応じて設定される。
【0013】
本発明の検査支援方法において、前記検査支援ステップは、前記表示制御部が、第1の数だけ検出された前記異常の前記種類を示す前記結果に基づいて前記検査支援情報を前記表示部に表示する第1の検査支援ステップと、前記第1の検査支援ステップが実行された後、前記表示制御部が、前記第1の数よりも少ない第2の数だけ検出された前記異常の前記種類を示す前記結果に基づいて前記検査支援情報を前記表示部に表示する第2の検査支援ステップと、を有する。
【0014】
本発明の検査支援方法は、前記受付ステップが実行される前に、前記表示制御部が前記検査部位情報を前記表示部に表示する情報表示ステップをさらに有する。
【0015】
本発明の検査支援方法において、前記表示制御部は、前記情報表示ステップにおいて、検査される予定の前記検査部位に関する前記検査部位情報を含む検査計画を参照し、前記検査計画に基づいて前記検査部位情報を前記表示部に表示する。
【0016】
本発明の検査支援方法において、前記表示制御部は、前記情報表示ステップにおいて、前記検査対象の画像を前記表示部に表示し、かつ前記検査部位情報を前記画像上に表示する。
【0017】
本発明の検査支援方法において、前記検査部位情報は、前記結果が保存される前記記憶媒体のフォルダを示し、前記フォルダは、前記検査部位毎に用意され、前記検査部位と関連付けられており、前記取得部は、前記取得ステップにおいて、前記検査部位情報が示す前記フォルダから前記検査部位の前記結果を取得する。
【0018】
本発明の検査支援方法において、前記検査支援情報は、過去の検査において検出された前記異常の画像を含む。
【0019】
本発明の検査支援方法において、前記検査支援情報は、前記異常の種類毎の前記異常の数を示す。
【0020】
本発明の検査支援方法において、前記検査支援情報は、前記検査部位において過去に検出された全ての異常の数に対する前記検査部位において検出された前記異常の種類毎の前記異常の数の割合を示す。
【0021】
本発明の検査支援方法において、前記取得部は、前記取得ステップにおいて、前記検査対象と同じ物体または前記検査対象の種類と同じ種類の物体に対して過去に実施された検査の前記結果を取得する。
【0022】
本発明の検査支援方法において、前記取得部は、前記取得ステップにおいて、前記検査対象と同じ物体における前記検査部位の前記結果を検索し、前記検査部位の前記結果が取得できなかった場合、前記取得部は、前記取得ステップにおいて、前記検査対象の種類と同じ種類の物体における前記検査部位の前記結果を取得する。
【0023】
本発明の検査支援方法において、前記表示制御部は、前記検査支援ステップにおいて、連続的に生成された前記検査部位の2枚以上の画像のうちの1枚を前記表示部に表示する。
【0024】
本発明の検査支援方法において、前記検査支援情報が表示された後、前記検査対象に挿入された挿入部の動きが検出されたとき、前記表示制御部は、前記検査支援情報を非表示にする、または前記表示部に表示されている前記検査支援情報の領域を小さくする。
【0025】
本発明の検査支援方法において、前記表示制御部は、前記検査支援ステップにおいて、前記検査支援情報を前記検査部位の前記画像上に表示し、前記検査支援情報が表示された後、前記検査対象に挿入された挿入部の動きが検出されたとき、前記表示制御部は、前記検査支援情報の透過率を変更する。
【0026】
本発明は、検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報を受け付ける受付部と、過去の検査の結果を記憶する記憶媒体に接続し、かつ前記検査部位情報と対応する前記検査部位の前記結果を前記記憶媒体から取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記結果に基づいて、前記過去の検査において検出された前記検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する検査支援情報を表示部に表示する検査支援部と、前記検査支援情報が表示された後、前記検査部位の画像を前記表示部に表示する画像表示部と、を有する検査支援装置である。
【0027】
本発明は、検査支援装置およびサーバーを有し、前記検査支援装置は、検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報を受け付ける受付部と、前記検査部位情報を前記サーバーに送信し、かつ前記検査部位の過去の検査の結果を前記サーバーから受信する第1の通信部と、前記第1の通信部によって受信された前記結果に基づいて、前記過去の検査において検出された前記検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する検査支援情報を表示部に表示する検査支援部と、前記検査支援情報が表示された後、前記検査部位の画像を前記表示部に表示する画像表示部と、を有し、前記サーバーは、過去の検査の結果を記憶する記憶媒体に接続し、かつ前記検査部位情報と対応する前記検査部位の前記結果を前記記憶媒体から取得する取得部と、前記検査部位情報を前記検査支援装置から受信し、かつ前記取得部によって取得された前記結果を前記検査支援装置に送信する第2の通信部と、を有する検査支援システムである。
【0028】
本発明は、検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報を受け付ける受付ステップと、過去の検査の結果を記憶する記憶媒体に接続し、かつ前記検査部位情報と対応する前記検査部位の前記結果を前記記憶媒体から取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記結果に基づいて、前記過去の検査において検出された前記検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する検査支援情報を表示部に表示する検査支援ステップと、前記検査支援情報が表示された後、前記検査部位の画像を前記表示部に表示する画像表示ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、検査支援方法、検査支援装置、検査支援システム、およびプログラムは、ユーザーが異常を見逃す、または異常の評価を誤る可能性を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態による検査システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置の斜視図である。
図3】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置およびサーバーの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が有する制御部の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第1の実施形態によるサーバーが有する制御部の構成を示すブロック図である。
図6】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図7】本発明の第1の実施形態によるサーバーが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が有する表示部に表示された検査支援情報の例を示す図である。
図9】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が有する表示部に表示された検査支援情報の例を示す図である。
図10】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が有する表示部に表示された検査支援情報の例を示す図である。
図11】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が有する表示部に表示された検査支援情報の例を示す図である。
図12】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が有する表示部に表示された検査支援情報の例を示す図である。
図13】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が有する表示部に表示された検査支援情報の例を示す図である。
図14】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が有する表示部に表示された検査支援情報の例を示す図である。
図15】本発明の第1の実施形態の第1の変形例による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図16】本発明の第1の実施形態の第1の変形例による内視鏡装置が有する表示部に表示された情報ボタンの例を示す図である。
図17】本発明の第1の実施形態の第2の変形例による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図18】本発明の第1の実施形態の第2の変形例による内視鏡装置が有する表示部に表示された検査支援情報の例を示す図である。
図19】本発明の第1の実施形態の第3の変形例における検査フォルダの構造の例を示す図である。
図20】本発明の第1の実施形態の第3の変形例による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図21】本発明の第1の実施形態の第3の変形例における内視鏡装置が有する表示部に表示された検査フォルダ情報の変化の例を示す図である。
図22】本発明の第1の実施形態の第4の変形例による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図23】本発明の第1の実施形態の第4の変形例における内視鏡装置が有する表示部に表示された画像の例を示す図である。
図24】本発明の第1の実施形態の第5の変形例による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図25】本発明の第1の実施形態の第5の変形例における内視鏡装置が有する表示部に表示された画像の例を示す図である。
図26】本発明の第1の実施形態の第6の変形例による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図27】本発明の第2の実施形態による内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図28】本発明の第2の実施形態による内視鏡装置が有する制御部の構成を示すブロック図である。
図29】本発明の第2の実施形態による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。本発明の各実施形態における検査対象は、工業製品である。検査対象は、1つ以上の検査部位を有する。例えば、検査対象が飛行機のエンジンである場合、検査部位は燃焼管または高圧タービン等である。検査部位が検査対象の全体であってもよい。以下では、異常が傷である例を説明する。例えば、傷は、ひび割れ、へこみ、または欠けである。
【0032】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、第1の実施形態による検査システム100の構成を示す。図1に示す検査システム100は、内視鏡装置1およびサーバー8を有する。内視鏡装置1およびサーバー8は、互いに通信を実施する。例えば、サーバー8はクラウドサーバーである。
【0033】
図2は、内視鏡装置1の外観を示す。図2に示す内視鏡装置1は、挿入部2、本体部3、操作部4、およびケーブル6を有する。
【0034】
挿入部2は、内視鏡を構成する。挿入部2は、検査対象の内部に挿入される。先端部20が挿入部2の先端に配置されている。挿入部2は、先端部20から基端部にわたって屈曲可能な細長い管状である。光学アダプター10が先端部20に装着される。先端部20の基端側に湾曲部21が配置されている。湾曲部21は、所定の方向に湾曲することができる。挿入部2の基端部は、操作部4に接続されている。
【0035】
操作部4は、ケーブル6によって本体部3に接続されている。操作部4は、フリーズボタンおよび記録ボタンを含む各種ボタンを有する。また、操作部4は、湾曲用ジョイスティックを含む各種ジョイスティックを有する。
【0036】
ユーザーは、フリーズボタンを操作することにより、静止画を取得するための静止画取得指示を内視鏡装置1に入力する。ユーザーは、記録ボタンを操作することにより、取得された静止画を記録するための静止画記録指示を内視鏡装置1に入力する。ユーザーは、湾曲用ジョイスティックを操作することにより、湾曲部21を湾曲させるための湾曲指示を内視鏡装置1に入力する。ユーザーは、操作部4のボタン等を操作することにより各種情報を内視鏡装置1に入力する。操作部4は、ユーザーによって入力された指示または情報を本体部3に出力する。挿入部2および操作部4は、スコープ7を構成する。
【0037】
本体部3の表面に表示部5が配置されている。表示部5は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニタ(ディスプレイ)である。表示部5は、タッチパネルであってもよい。表示部5がタッチパネルとして構成されている場合、ユーザーは、体の一部(例えば、指)または道具を使用することにより表示部5の画面をタッチする。
【0038】
図3は、内視鏡装置1およびサーバー8の構成を示す。内視鏡装置1が有するスコープ7および本体部3の構成が図3に示されている。
【0039】
スコープ7は、操作部4、撮像素子51、およびLED52を有する。撮像素子51およびLED52は、先端部20に配置されている。撮像素子51は、CCDセンサまたはCMOSセンサ等のイメージセンサである。撮像素子51は、2枚以上の画像(フレーム)を連続的に生成する。その2枚以上の画像は動画を構成する。撮像素子51は、生成された各画像を本体部3に出力する。静止画取得指示が本体部3から出力された場合、撮像素子51は静止画を生成し、生成された静止画を本体部3に出力する。LED52は、照明光を生成する。LED52によって生成された照明光は被写体に照射される。
【0040】
本体部3は、表示部5、メモリカード11、制御部31、ROM32、RAM33、I/F35から41、タッチパネル42、コネクタ43、および通信部44を有する。制御部31、ROM32、RAM33、およびI/F35から41は、バス34を経由して互いに接続されている。I/F35から41の各々は、インターフェースである。
【0041】
制御部31は、内視鏡装置1の各部を制御する。制御部31は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも1つである。例えば、論理回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field-Programmable Gate Array)の少なくとも1つである。制御部31は、1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。制御部31は、1つまたは複数の論理回路を含んでもよい。
【0042】
内視鏡装置1のコンピュータがプログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。そのプログラムは、制御部31の動作を規定する命令を含む。つまり、制御部31の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。
【0043】
上記のプログラムは、例えばフラッシュメモリのような「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」により提供されてもよい。そのプログラムは、そのプログラムを保持するコンピュータから、伝送媒体を経由して、あるいは伝送媒体中の伝送波により内視鏡装置1に伝送されてもよい。プログラムを伝送する「伝送媒体」は、情報を伝送する機能を有する媒体である。情報を伝送する機能を有する媒体は、インターネット等のネットワーク(通信網)および電話回線等の通信回線(通信線)を含む。上述したプログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上述したプログラムは、差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。前述した機能は、コンピュータに既に記録されているプログラムと差分プログラムとの組合せによって実現されてもよい。
【0044】
ROM32は、上記のプログラムを記憶する。RAM33は、制御部31によって処理された情報およびデータを一時的に記憶する。I/F35は、駆動信号を撮像素子51に送信し、かつ撮像素子51から出力された画像を受信する。I/F36は、駆動信号をLED52に送信する。
【0045】
I/F37は、操作部4から出力された指示または情報を受信する。I/F38は、駆動信号をタッチパネル42に出力し、かつタッチパネル42から出力された信号を受信する。タッチパネル42は、表示部5の画面に組み込まれている。I/F39は、I/F35によって受信された画像を表示部5に出力する。内視鏡装置1の外部に配置された表示部が表示部5の代わりに使用されてもよい。I/F40は、コネクタ43を経由して、メモリカード11に接続されている。I/F40は、I/F35によって受信された画像をメモリカード11に記録し、かつ画像をメモリカード11から読み出す。静止画記録指示が制御部31から出力された場合、I/F40は静止画をメモリカード11に記録する。メモリカード11は、コネクタ43に着脱可能に装着される。
【0046】
I/F41は、通信部44に接続されている。通信部44は、通信回路を有する通信機である。例えば、通信部44は、無線通信機である。通信部44は、サーバー8と通信を実施する。
【0047】
サーバー8は、通信部81、制御部82、および検査結果記憶部83を有する。通信部81は、通信回路を有する通信機である。例えば、通信部81は、無線通信機である。通信部81は、内視鏡装置1と通信を実施する。
【0048】
制御部82は、サーバー8の各部を制御する。制御部82は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。制御部82は、1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。制御部82は、1つまたは複数の論理回路を含んでもよい。
【0049】
サーバー8のコンピュータがプログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。そのプログラムは、制御部82の動作を規定する命令を含む。つまり、制御部82の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。そのプログラムは、制御部31の機能を実現するプログラムと同様に実現されてもよい。
【0050】
検査結果記憶部83は、検査結果を示す検査結果情報を記憶する。検査結果記憶部83は、不揮発性の記録媒体である。例えば、検査結果記憶部83は、SRAM(Static Random Access Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、およびフラッシュメモリの少なくとも1つである。
【0051】
図4は、制御部31の構成を示す。制御部31は、装置制御部310、受付部311、表示制御部312、および通信制御部313を有する。装置制御部310は、内視鏡装置1の各部を制御する。
【0052】
受付部311は、ユーザーによって操作部4を経由して入力された指示または情報を受け付ける。ユーザーが操作部4のフリーズボタンを操作した場合、受付部311は、静止画取得指示を受け付け、静止画取得指示を撮像素子51に出力する。ユーザーが操作部4の記録ボタンを操作した場合、受付部311は、静止画記録指示を受け付け、静止画記録指示をI/F40に出力する。
【0053】
検査において取得された静止画は、メモリカード11内の検査フォルダに記録される。検査部位ごとに検査フォルダが用意されている。ユーザーは、操作部4のジョイスティックを操作することにより、検査フォルダを示す検査フォルダ情報を内視鏡装置1に入力する。これにより、ユーザーは、静止画が記録される検査フォルダを選択することができる。ユーザーが検査フォルダ情報を入力した場合、受付部311は検査フォルダ情報を受け付ける。検査フォルダおよび検査部位が互いに関連付けられているため、検査フォルダ情報は、検査部位を示す。
【0054】
表示制御部312は、I/F35によって受信された画像を、I/F39を経由して表示部5に出力する。これにより、表示制御部312は、その画像を表示部5に表示する。
【0055】
後述するように、検査結果情報がサーバー8から受信される。検査結果情報は、検査フォルダ情報と対応する検査部位の過去の検査結果を示す。表示制御部312は、検査結果情報を検査支援情報として、I/F39を経由して表示部5に出力する。あるいは、表示制御部312は、検査結果情報に基づいて生成された検査支援情報を、I/F39を経由して表示部5に出力する。これにより、表示制御部312は、検査支援情報を表示部5に表示する。検査支援情報は、過去の検査において検出された検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する。例えば、検査支援情報は、検査部位の画像である。検査支援情報は、過去の検査において発見された異常の状態等に関する情報を含んでもよい。
【0056】
例えば、検査部位の画像は、撮像素子51によって生成された2次元画像(2D画像)である。検査部位の画像は、その2D画像を使用することにより生成された3次元画像(3D画像)であってもよい。
【0057】
通信制御部313は、I/F41を経由して通信部44を制御し、かつサーバー8と通信を実施する。通信制御部313は、通信部44を使用することにより、検査フォルダ情報をサーバー8に送信する。また、通信制御部313は、通信部44を使用することにより、検査結果情報をサーバー8から受信する。通信制御部313は、通信部44を使用することにより、静止画等の画像をサーバー8に送信してもよい。
【0058】
図5は、制御部82の構成を示す。制御部82は、サーバー制御部820、検査部位検出部821、検査結果取得部822、および通信制御部823を有する。
【0059】
サーバー制御部820は、サーバー8の各部を制御する。検査部位検出部821は、検査フォルダ情報が示す検査フォルダと対応する検査部位を検出する。検査結果取得部822は、検査部位検出部821によって検出された検査部位の検査結果情報を検査結果記憶部83から取得する。
【0060】
通信制御部823は通信部81を制御し、かつ内視鏡装置1と通信を実施する。通信制御部823は、通信部81を使用することにより、検査フォルダ情報を内視鏡装置1から受信する。また、通信制御部823は、通信部81を使用することにより、検査結果情報を内視鏡装置1に送信する。通信制御部823は、通信部81を使用することにより、静止画等の画像を内視鏡装置1から受信してもよい。受信された画像は検査結果記憶部83に記録されてもよい。
【0061】
図6を使用することにより、内視鏡装置1が実行する処理について説明する。図6は、内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。
【0062】
撮像素子51は連続的に画像(フレーム)を生成する。表示制御部312は、撮像素子51によって生成された画像を、I/F39を経由して表示部5に出力する。表示部5は、画像を連続的に表示することにより、被写体のライブ画像を表示する。被写体の画像を生成および表示するための処理は、図6に示す処理と並行して実行される。
【0063】
検査が開始される前、または検査が開始されたとき、ユーザーは、操作部4のジョイスティックを操作することにより、検査フォルダ情報を内視鏡装置1に入力する。受付部311は、検査フォルダ情報を受け付ける(ステップS100)。
【0064】
ステップS100の後、通信制御部313は、I/F41を経由して検査フォルダ情報を通信部44に出力し、検査フォルダ情報をサーバー8に送信する(ステップS101)。
【0065】
ステップS101の後、通信制御部313は、通信部44を使用することにより、検査結果情報またはエラー通知をサーバー8から受信する(ステップS102)。
【0066】
検査フォルダ情報と対応する検査部位の検査結果情報がサーバー8の検査結果記憶部83に記録されている場合、サーバー8はその検査結果情報を内視鏡装置1に送信する。その検査結果情報がステップS102において受信される。検査フォルダ情報と対応する検査部位の検査結果情報がサーバー8の検査結果記憶部83に記録されていない場合、サーバー8は、エラー通知を内視鏡装置1に送信する。この場合、エラー通知がステップS102において受信される。
【0067】
ステップS102の後、装置制御部310は、検査結果情報が受信されたか否かを判断する(ステップS103)。エラー通知がステップS102において受信された場合、装置制御部310は、検査結果情報が受信されていないと判断する。検査結果情報がステップS102において受信された場合、装置制御部310は、検査結果情報が受信されたと判断する。
【0068】
検査結果情報が受信されていないと装置制御部310がステップS103において判断した場合、後述するステップS105が実行される。検査結果情報が受信されたと装置制御部310がステップS103において判断した場合、表示制御部312は、検査結果情報を検査支援情報として、I/F39を経由して表示部5に出力する。あるいは、表示制御部312は、検査結果情報に基づいて検査支援情報を生成し、I/F39を経由して検査支援情報を表示部5に出力する。これにより、表示制御部312は、検査支援情報を表示部5に表示する(ステップS104)。
【0069】
検査される予定の検査部位の検査が実施される前に検査支援情報が表示部5に表示される。ユーザーは、検査支援情報を確認することにより、検査部位において過去に検出された傷の種類および状態を認識することができる。ユーザーは、傷の種類および状態を認識している状態で検査を実施することができる。そのため、ユーザーが異常を見逃す、または異常の評価を誤る可能性が低減する。
【0070】
その後、ユーザーは、表示部5に表示されたライブ画像を確認し、挿入部2の先端部20を検査部位に移動させる。ユーザーは、静止画を取得するために操作部4のフリーズボタンを操作する。このとき、受付部311は、静止画取得指示を受け付け、静止画取得指示を撮像素子51に出力する。撮像素子51は静止画を生成し、生成された静止画を本体部3に出力する。I/F35は静止画を受信し、静止画を制御部31に出力する。表示制御部312は、I/F39を経由して静止画を表示部5に出力する。表示部5は静止画を表示する(ステップS105)。
【0071】
静止画が表示された後、ユーザーは、操作部4を操作することにより、傷の種類およびランクを内視鏡装置1に入力する。受付部311は、傷の種類およびランクを受け付ける(ステップS106)。
【0072】
例えば、ユーザーは、傷の種類を予め登録されているリストから選択する。傷のランクは傷の状態(深刻度)を示す。例えば、傷のランクは、「問題無し(Accept)」、「要交換(Reject)」、「要補修(Repair)」、および「要再検査(Re-Inspect)」のいずれか1つである。傷のランクとして、「マーク無し(No Mark)」が指定されてもよい。
【0073】
ステップS106の後、装置制御部310は、I/F40を経由して静止画をメモリカード11に記録する(ステップS107)。このとき、静止画は、検査フォルダ情報によって示される検査フォルダに記録される。ステップS107が実行されたとき、図6に示す処理が終了する。
【0074】
メモリカード11に記録された静止画のファイル名は、フォルダ名、連番、およびファイルマークを含む。例えば、静止画のファイル形式はJPEGである。傷の種類は、EXIF情報に含まれる。
【0075】
フォルダ名は、静止画が記録されたフォルダの名称である。連番は、そのフォルダに記録されている静止画のファイル名に含まれる最後の番号の次の番号である。ファイルマークは、傷のランクを示す文字である。例えば、「問題無し(Accept)」と対応するファイルマークは「A」である。「要交換(Reject)」と対応するファイルマークは「B」である。「要補修(Repair)」と対応するファイルマークは「C」である。「要再検査(Re-Inspect)」と対応するファイルマークは「D」である。「マーク無し(No Mark)」と対応するファイルマークは「X」である。傷のランクとして「マーク無し(No Mark)」が指定された場合、ファイルマークを含まないファイル名が使用されてもよい。
【0076】
例えば、フォルダ名は、「HPC_STAGE1_ZONE」である。そのフォルダ名を持つフォルダに、番号00005をファイル名に含む静止画が記録されている。例えば、ファイルマーク「A」が選択される。この場合、静止画のファイル名は、「HPC_STAGE1_ZONE_00006_A.JPG」である。
【0077】
図6に示す処理が終了した後、装置制御部310は、今回の検査結果を示す検査結果情報を生成する。例えば、検査結果情報は、ステップS105において表示部5に表示された静止画を含む。検査結果情報は、傷の種類およびランクを示す情報を含んでもよい。通信制御部313は、I/F41を経由して検査結果情報を通信部44に出力し、検査結果情報をサーバー8に送信する。
【0078】
図7を使用することにより、サーバー8が実行する処理について説明する。図7は、サーバー8が実行する処理の手順を示す。
【0079】
通信制御部823は、通信部81を使用することにより、検査フォルダ情報を内視鏡装置1から受信する(ステップS200)。
【0080】
ステップS200の後、検査部位検出部821は、ステップS200において受信された検査フォルダ情報に基づいて検査部位を検出する(ステップS201)。検査フォルダは、検査部位毎に用意され、検査部位と関連付けられている。検査フォルダと検査部位との関係は予め設定されている。例えば、検査結果記憶部83は、その関係を示す情報を記憶する。検査部位検出部821は、ステップS201において、検査フォルダ情報が示す検査フォルダと関連付けられている検査部位を検出する。
【0081】
ステップS201の後、検査結果取得部822は、ステップS201において検出された検査部位の検査結果情報を検査結果記憶部83において検索する。検査結果取得部822は、検索の結果に基づいて、検査部位の過去の検査結果情報があるか否かを判断する(ステップS202)。
【0082】
ステップS201において検出された検査部位の検査結果情報が検査結果記憶部83に記憶されている場合、検査結果取得部822は、検査部位の過去の検査結果情報があると判断する。ステップS201において検出された検査部位の検査結果情報が検査結果記憶部83に記憶されていない場合、検査結果取得部822は、検査部位の過去の検査結果情報がないと判断する。
【0083】
検査部位の過去の検査結果情報があると検査結果取得部822がステップS202において判断した場合、検査結果取得部822は、その検査結果情報を検査結果記憶部83から取得する(ステップS203)。
【0084】
ステップS203の後、通信制御部823は、通信部81を使用することにより、ステップS203において取得された検査結果情報を内視鏡装置1に送信する。検査部位の過去の検査結果情報がないと検査結果取得部822がステップS202において判断した場合、通信制御部823は、通信部81を使用することにより、エラー通知を内視鏡装置1に送信する(ステップS204)。ステップS204が実行されたとき、図7に示す処理が終了する。
【0085】
検査部位が変更される可能性がある。例えば、挿入部2の先端部20が第1の位置に配置され、第1の検査部位の検査が実施される。第1の検査部位の検査が実施された後、挿入部2の先端部20が第2の位置に配置され、第2の検査部位の検査が実施される。第2の位置は第1の位置と異なり、かつ第2の検査部位は第1の検査部位と異なる。
【0086】
第2の検査部位の画像がメモリカード11に予め記録されてもよい。あるいは、通信制御部313は、通信部44を使用することにより、第2の検査部位の画像をサーバー8から受信してもよい。装置制御部310は、撮像素子51によって生成された画像と、第2の検査部位の画像とを比較する画像処理を実行してもよい。撮像素子51によって生成された画像と、第2の検査部位の画像とが類似しているとき、装置制御部310は、第2の検査部位が画像に写っていると判断してもよい。これにより、装置制御部310は、挿入部2の先端部20が第2の位置に配置されたことを検出することができる。このとき、表示制御部312は、第2の検査部位に関する検査支援情報を表示部5に表示してもよい。
【0087】
挿入部2の先端部20が第2の位置に配置されたことを装置制御部310が検出する他の例を説明する。
【0088】
挿入部2の先端部20は、重力センサを有してもよい。重力センサは、先端部20に加わる重力の方向を検出する。重力センサは先端部20に固定されているため、先端部20に対する重力センサの相対的な方向は変化しない。重力の方向に対する先端部20の方向が変化したとき、重力センサによって検出された重力の方向が変化する。そのため、装置制御部310は、先端部20の移動方向を検出することができる。
【0089】
2つのローラーが、挿入部2の基端部を挟むように配置され、かつロータリーエンコーダが配置されてもよい。2つのローラーは、挿入部2と接触している。挿入部2が移動すると2つのローラーが回転する。ロータリーエンコーダは、2つのローラーのうちの少なくとも1つの回転量を検出することにより、検査対象に挿入された挿入部2の部分の長さ(挿入長さ)を検出する。ロータリーエンコーダは、検出された挿入長さの情報を装置制御部310に出力する。
【0090】
経路情報がメモリカード11に予め記録されてもよい。経路情報は、検査される予定の各検査部位への経路を示す。通信制御部313は、通信部44を使用することにより、経路情報をサーバー8から受信してもよい。
【0091】
装置制御部310は、先端部20の移動方向および挿入部2の挿入長さに基づいて先端部20の位置を算出する。先端部20の位置が経路情報によって示される第2の検査部位の位置になったとき、装置制御部310は、先端部20が第2の位置に配置されたと判断する。このとき、表示制御部312は、第2の検査部位に関する検査支援情報を表示部5に表示してもよい。
【0092】
図8から図14を使用することにより、検査支援情報の例を説明する。図8から図14は、ステップS104に表示部5に表示された検査支援情報の例を示す。
【0093】
図8は、表示部5に表示された検査支援情報INF10およびライブ画像IMG10を示す。ライブ画像IMG10が表示部5に表示され、検査支援情報INF10がライブ画像IMG10上に表示される。検査支援情報INF10は、傷を持つ検査部位の画像である。検査支援情報INF10は、ライブ画像IMG10と重なり、ライブ画像IMG10の一部を隠す。
【0094】
検査支援情報INF10はリファレンス画像であってもよい。リファレンス画像は、傷モデルの画像である。例えば、検査部位のCADデータが処理され、検査部位に傷が加えられる。処理されたデータを2D画像または3D画像に変換することにより、リファレンス画像が生成される。
【0095】
図9は、表示部5に表示された検査支援情報INF11を示す。検査支援情報INF11は、傷を持つ検査部位の画像である。検査支援情報INF11は、表示部5の画面の全体に表示される。
【0096】
図10は、表示部5に表示された検査支援情報INF12およびライブ画像IMG10を示す。ライブ画像IMG10が表示部5に表示され、検査支援情報INF12がライブ画像IMG10上に表示される。検査支援情報INF12は、傷の種類およびランクを示す文字を含む。検査支援情報INF12は、ライブ画像IMG10と重なり、ライブ画像IMG10の一部を隠す。検査支援情報INF12は、表示部5の画面の全体に表示されてもよい。
【0097】
図11は、表示部5に表示された検査支援情報INF13およびライブ画像IMG10を示す。ライブ画像IMG10が表示部5に表示され、検査支援情報INF13がライブ画像IMG10上に表示される。検査支援情報INF13は、傷を持つ検査部位の画像と、傷の種類およびランクを示す文字とを含む。検査支援情報INF13は、ライブ画像IMG10と重なり、ライブ画像IMG10の一部を隠す。検査支援情報INF13は、表示部5の画面の全体に表示されてもよい。
【0098】
図12は、表示部5に表示された検査支援情報INF14およびライブ画像IMG10を示す。ライブ画像IMG10が表示部5に表示され、検査支援情報INF14がライブ画像IMG10上に表示される。検査支援情報INF14は、検査部位において過去に検出された傷の種類毎の発生率を示す。その発生率は、検査部位において過去に検出された全ての傷の数に対する各種類の傷の数の割合を示す。検査支援情報INF14は、検査部位において過去に検出された傷の種類毎の発生数を示してもよい。その発生数は、検査部位において過去に検出された各種類の傷の数を示す。検査支援情報INF14は、ライブ画像IMG10と重なり、ライブ画像IMG10の一部を隠す。検査支援情報INF14は、表示部5の画面の全体に表示されてもよい。
【0099】
内視鏡装置1から送信された検査結果情報がサーバー8の検査結果記憶部83に保存されたとき、サーバー制御部820は、検査結果記憶部83に記憶されている検査結果情報に基づいて傷の種類毎の発生率または傷の種類毎の発生数を算出してもよい。サーバー制御部820は、算出された発生率または発生数を検査結果記憶部83に保存してもよい。検査結果取得部822は、ステップS203において、その発生率または発生数を検査結果情報として検査結果記憶部83から取得してもよい。
【0100】
検査結果取得部822がステップS203において検査結果情報を検査結果記憶部83から取得したとき、サーバー制御部820は、その検査結果情報に基づいて傷の種類毎の発生率または傷の種類毎の発生数を算出してもよい。通信制御部823は、ステップS204において、その発生率または発生数を検査結果情報として内視鏡装置1に送信してもよい。
【0101】
図13は、表示部5に表示された検査支援情報INF15およびライブ画像IMG10を示す。ライブ画像IMG10が表示部5に表示され、検査支援情報INF15がライブ画像IMG10上に表示される。検査支援情報INF15は、傷を持つ検査部位の画像と、計測対象の位置を示す情報と、計測結果を示す情報とを含む。検査支援情報INF15は、ライブ画像IMG10と重なり、ライブ画像IMG10の一部を隠す。検査支援情報INF15は、表示部5の画面の全体に表示されてもよい。
【0102】
検査支援情報INF15は、矢印AR10および計測値MSR10を含む。矢印AR10は、検査部位において過去に検出された傷(計測対象)の位置を示す。計測値MSR10は、その傷の大きさ(長さまたは深さ)の計測結果を示す。静止画がメモリカード11に記録されたとき、矢印AR10および計測値MSR10がユーザーによって検査支援情報INF15に付加される。あるいは、静止画がメモリカード11に記録された後、矢印AR10および計測値MSR10が任意のタイミングでユーザーによって検査支援情報INF15に付加される。
【0103】
2つ以上の傷の間で種類またはランクが同じまたは類似している場合がある。傷の計測値が検査支援情報として表示されるため、ユーザーは、その計測値を参照することにより2つ以上の傷の重要度を判断することができる。
【0104】
図14は、表示部5に表示された検査支援情報INF16およびライブ画像IMG10を示す。ライブ画像IMG10が表示部5に表示され、検査支援情報INF16がライブ画像IMG10上に表示される。検査支援情報INF16は、傷を持つ検査部位の画像と、その傷に関するメッセージとを含む。検査支援情報INF16は、ライブ画像IMG10と重なり、ライブ画像IMG10の一部を隠す。検査支援情報INF16は、表示部5の画面の全体に表示されてもよい。
【0105】
検査支援情報INF16は、メッセージMSG10を含む。メッセージMSG10は、発生率または発生数が最大の傷を示す文字列を含む。つまり、メッセージMSG10は、傷の発生傾向を示す文字列を含む。図14に示す例では、ひび割れの発生率または発生数が最大である。また、メッセージMSG10は、その傷の位置を示す文字列を含む。図14に示す例では、傷の位置は検査部位の中央部である。
【0106】
メッセージMSG10は、検査部位の中央部におけるひび割れに関する。表示部5に表示されるメッセージは、検査部位の先端部におけるへこみ、または検査部位の先端部における欠け等を示してもよい。検査部位が2つ以上の類似した部品を有する場合、部品毎にメッセージが表示されてもよい。例えば、検査部位がタービン内の2枚以上のブレードを有する場合、そのメッセージは、特定のブレードにおける傷の種類および位置を示してもよい。
【0107】
2つ以上の傷の間で種類、発生率、または発生数が同じまたは類似している場合がある。傷の種類、位置、および発生傾向を示すメッセージが表示されるため、ユーザーは、注目すべき傷の種類および位置を予め予想することができる。そのため、ユーザーが傷を見逃す可能性が低減する。
【0108】
表示制御部312は、ライブ画像上に表示された検査支援情報の透過率(透明度)を設定してもよい。例えば、透過率は0から100%である。透過率が0%である場合、検査支援情報がライブ画像と重なる領域(重複領域)においてライブ画像は検査支援情報を透過しない。ユーザーは、検査支援情報を視認できるが、重複領域におけるライブ画像を視認できない。透過率が0%よりも大きく、かつ100%よりも小さい場合、ライブ画像は重複領域において検査支援情報を透過する。ユーザーは、重複領域における検査支援情報およびライブ画像を視認できる。透過率が100%である場合、検査支援情報は透明になる。ユーザーは、重複領域におけるライブ画像を視認できるが、検査支援情報を視認できない。
【0109】
例えば、表示制御部312は、ステップS104において透過率を0%に設定する。表示制御部312は、ステップS104において透過率を0%よりも大きな値に設定してもよい。
【0110】
検査支援情報がライブ画像上に表示された後、ユーザーは、操作部4またはタッチパネル42を操作することにより、透過率を変更する指示を内視鏡装置1に入力してもよい。例えば、ユーザーは、透過率を増加させる指示を内視鏡装置1に入力してもよい。受付部311は、その指示を受け付けてもよい。表示制御部312は、その指示に基づいて透過率を変更してもよい。透過率が変更可能であるため、ユーザーによるライブ画像の視認性を向上させることができる。
【0111】
検査支援情報がライブ画像と一緒に表示される必要はない。表示制御部312は、検査支援情報を表示部5に表示した後にライブ画像を表示部5に表示してもよい。
【0112】
検査支援情報が表示部5に表示された後、表示制御部312は、挿入部2の動きまたは湾曲のための操作に応じて検査支援情報を非表示にしてもよい。あるいは、表示制御部312は、挿入部2の動きまたは湾曲のための操作に応じて、検査支援情報が表示されている表示領域を小さくしてもよい。この制御が実行された後の表示領域の大きさは、この制御が実行される前の表示領域の大きさよりも小さい。例えば、検査支援情報が表示部5に表示されている状態で挿入部2が動いたとき、表示制御部312は検査支援情報を非表示にし、または表示領域を小さくしてもよい。あるいは、検査支援情報が表示部5に表示されている状態でユーザーが湾曲指示を内視鏡装置1に入力したとき、表示制御部312は検査支援情報を非表示にし、または表示領域を小さくしてもよい。
【0113】
表示制御部312は、挿入部2の動きまたは湾曲のための操作に応じて、検査支援情報の透過率を変更してもよい。例えば、検査支援情報が表示部5に表示されている状態で挿入部2が動いたとき、表示制御部312は透過率を増加させてもよい。あるいは、検査支援情報が表示部5に表示されている状態でユーザーが湾曲指示を内視鏡装置1に入力したとき、表示制御部312は透過率を増加させてもよい。これらの場合において、表示制御部312は、透過率を100%に設定してもよい。
【0114】
挿入部2の先端部20が加速度センサを有する場合、装置制御部310は、加速度センサによって検出された加速度に基づいて挿入部2の動きを検出してもよい。装置制御部310は、撮像素子51によって生成された画像における被写体の動き量を算出し、その動き量に基づいて挿入部2の動きを検出してもよい。
【0115】
ステップS203における処理の他の例を説明する。検査対象の種類に応じた型番が検査対象に与えられる。また、シリアル番号が検査対象の個体に与えられる。検査対象Aの型番が検査対象Bの型番と同じである場合、検査対象Aおよび検査対象Bは同種の検査対象である。検査対象Aの型番が検査対象Bの型番と同じであり、かつ検査対象Aのシリアル番号が検査対象Bのシリアル番号と異なる場合、検査対象Aおよび検査対象Bは同種の検査対象であり、かつ互いに異なる個体である。
【0116】
例えば、検査結果取得部822は、ステップS201において検出された検査部位を含む検査対象A1の検査結果情報を検査結果記憶部83から取得する。検査対象A1の過去の検査結果情報が存在しない場合がある。その場合、検査結果取得部822は、検査対象A2の検査結果情報を検査結果記憶部83から取得してもよい。検査対象A1の型番は検査対象A2の型番と同じである。検査対象A1のシリアル番号は検査対象A2のシリアル番号と異なる。つまり、検査対象A1および検査対象A2は同種の検査対象であり、かつ互いに異なる個体である。検査対象A1の過去の検査結果情報が存在しない場合、検査結果取得部822は、検査対象A1のリファレンス画像を検査結果記憶部83から取得してもよい。
【0117】
検査支援情報として3D画像が表示される場合、その3D画像は、ユーザーによる操作に応じて回転できてもよい。具体的には、ユーザーは、操作部4またはタッチパネル42を操作することにより、3D画像を回転する指示を内視鏡装置1に入力してもよい。受付部311は、その指示を受け付けてもよい。表示制御部312は、その指示に基づいて3D画像を回転することにより、3D画像における検査部位の方向を変更してもよい。
【0118】
検査支援情報として2D画像が表示される場合、ユーザーは1つの方向にのみ見た検査部位を確認することができる。検査支援情報として3D画像が表示される場合、その3D画像は立体的な情報(奥行きなど)を含む。そのため、3D画像を回転することにより、ユーザーは様々な方向に見た検査部位を確認することができる。ユーザーは、検査部位において過去に検出された異常を様々な視点から確認することができ、ユーザーが異常を見逃す可能性が低減する。
【0119】
制御部31は、公知の方法を使用することにより3D画像を生成してもよい。以下では、3D画像を生成する2つの方法を説明する。
【0120】
まず、1枚以上のステレオ画像を使用することにより3D画像を生成する方法を説明する。ステレオ画像は、第1の視点から見た被写体の2D画像(第1の2D画像)と、第1の視点と異なる第2の視点から見た被写体の2D画像(第2の2D画像)とを含む。互いに異なる2つの視野を持つステレオ光学系が、光学アダプター10として挿入部2の先端部20に装着される。
【0121】
ステレオ光学系は第1の光学系および第2の光学系を有する。内視鏡装置1は、第1の状態と第2の状態とを切り替えてもよい。第1の状態において、第1の光学系を通る光のみが撮像素子51に入射する。第2の状態において、第2の光学系を通る光のみが撮像素子51に入射する。撮像素子51は、第1の状態において第1の2D画像を生成し、かつ第2の状態において第2の2D画像を生成する。第1の2D画像および第2の2D画像の組み合わせは、ステレオ画像を構成する。制御部31は、1枚以上の第1の2D画像および1枚以上の第2の2D画像を使用することにより3D画像を生成する。
【0122】
次に、3D画像を生成する他の方法を説明する。1つの視野を持つ単眼光学系が、光学アダプター10として挿入部2の先端部20に装着される。単眼光学系が挿入部2の先端部20に装着されているときに2枚以上の画像が取得される。制御部31は、structure from motion(SfM)と呼ばれる技術をその2枚以上の画像に適用することにより、3D画像を生成する。
【0123】
本発明の各態様の検査支援方法は、受付ステップ、取得ステップ、検査支援ステップ、および画像表示ステップを有する。受付部311は、検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報(検査フォルダ情報)を受け付ける(受付ステップ(ステップS100))。検査結果取得部822は、過去の検査の結果を記憶する記憶媒体(検査結果記憶部83)に接続し、かつ検査部位の検査の結果を記憶媒体から取得する(取得ステップ(ステップS203))。表示制御部312は、取得ステップにおいて取得された結果に基づいて、検査支援情報を表示部5に表示する(検査支援ステップ(ステップS104))。検査支援情報は、過去の検査において検出された検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する。検査支援情報が表示された後、表示制御部312は、検査部位の画像を表示部5に表示する(画像表示ステップ(ステップS105))。その画像は、検査支援情報が表示された後に撮像素子51によって生成された静止画またはライブ画像であってもよい。
【0124】
本発明の各態様の検査支援システムは、内視鏡装置1(検査支援装置)およびサーバー8を有する。内視鏡装置1は、受付部311、通信部44(第1の通信部)、および表示制御部312(検査支援部、画像表示部)を有する。受付部311は、検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報(検査フォルダ情報)を受け付ける。通信部44は、検査部位情報をサーバー8に送信し、かつ検査部位の過去の検査の結果をサーバー8から受信する。表示制御部312は、通信部44によって受信された結果に基づいて、検査支援情報を表示部5に表示する。検査支援情報は、過去の検査において検出された検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する。検査支援情報が表示された後、表示制御部312は、検査部位の画像を表示部5に表示する。サーバー8は、検査結果取得部822および通信部81(第2の通信部)を有する。検査結果取得部822は、過去の検査の結果を記憶する記憶媒体(検査結果記憶部83)に接続し、かつ検査部位情報と対応する検査部位の検査の結果を記憶媒体から取得する。通信部81は、検査部位情報を内視鏡装置1から受信し、かつ検査結果取得部822によって取得された結果を内視鏡装置1に送信する。
【0125】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。検査部位情報(検査フォルダ情報)は、過去の検査の結果が保存される記憶媒体(検査結果記憶部83)のフォルダを示す。そのフォルダは、検査部位毎に用意され、検査部位と関連付けられている。検査結果取得部822は、取得ステップ(ステップS203)において、検査部位情報が示すフォルダから検査部位の検査の結果を取得する。
【0126】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。検査支援情報(INF10,INF11,INF13)は、過去の検査において検出された異常の画像を含む。例えば、その画像は、検査部位が検査されたときに取得される。その画像は、リファレンス画像であってもよい。異常の画像は2D画像または3D画像である。リファレンス画像は2D画像または3D画像である。
【0127】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。検査支援情報は、異常の種類毎の異常の数を示す。
【0128】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。検査支援情報(INF14)は、検査部位において過去に検出された全ての異常の数に対する検査部位において過去に検出された異常の種類毎の異常の数の割合を示す。
【0129】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。検査結果取得部822は、取得ステップ(ステップS203)において、検査対象と同じ物体または検査対象の種類と同じ種類の物体に対して過去に実施された検査の結果を取得する。
【0130】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。検査結果取得部822は、取得ステップ(ステップS203)において、検査対象と同じ物体における検査部位の検査の結果を検索する。検査部位の前記結果が取得できなかった場合、検査結果取得部822は、取得ステップ(ステップS203)において、検査対象の種類と同じ種類の物体における検査部位の検査の結果を取得する。
【0131】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。表示制御部312は、検査支援ステップ(ステップS104)において、連続的に生成された検査部位の2枚以上の画像(ライブ画像)のうちの1枚を表示部5に表示する。
【0132】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。検査支援情報が表示された後、検査対象に挿入された挿入部2の動きが検出されたとき、表示制御部312は、検査支援情報を非表示にする、または表示部5に表示されている検査支援情報の領域を小さくする。
【0133】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。表示制御部312は、検査支援ステップ(ステップS104)において、検査支援情報を検査部位の画像上に表示する。検査支援情報が表示された後、検査対象に挿入された挿入部2の動きが検出されたとき、表示制御部312は、検査支援情報の透過率を変更する。
【0134】
第1の実施形態において、内視鏡装置1は、検査支援情報を表示部5に表示する。そのため、内視鏡装置1は、ユーザーが異常を見逃す、または異常の評価を誤る可能性を低減させることができる。
【0135】
(第1の実施形態の第1の変形例)
本発明の第1の実施形態の第1の変形例を説明する。表示制御部312は、情報ボタンを表示部5の画面に表示する。情報ボタンが押されたとき、表示制御部312は検査支援情報を表示部5に表示する。
【0136】
図15を使用することにより、内視鏡装置1が実行する処理について説明する。図15は、内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。図6に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0137】
検査結果情報が受信されたと装置制御部310がステップS103において判断した場合、表示制御部312は、情報ボタンの画像を、I/F39を経由して表示部5に出力する。これにより、表示制御部312は、情報ボタンを表示部5に表示する(ステップS110)。
【0138】
図16は、ステップS110において表示部5に表示された情報ボタンBT10およびライブ画像IMG10を示す。ライブ画像IMG10が表示部5に表示され、情報ボタンBT10がライブ画像IMG10上に表示される。
【0139】
ユーザーは、操作部4を操作することにより、情報ボタンBT10を押す指示を内視鏡装置1に入力する。あるいは、ユーザーは、タッチパネル42を操作することにより、情報ボタンBT10を押す指示を内視鏡装置1に入力する。操作部4から出力された指示は、I/F37を経由して制御部31に入力される。あるいは、タッチパネル42から出力された指示は、I/F38を経由して制御部31に入力される。
【0140】
ステップS110の後、装置制御部310は、情報ボタンBT10が押されたか否かを判断する(ステップS111)。情報ボタンBT10を押す指示が操作部4またはタッチパネル42から出力されていない場合、装置制御部310は、情報ボタンBT10が押されていないと判断する。情報ボタンBT10を押す指示が操作部4またはタッチパネル42から出力された場合、装置制御部310は、情報ボタンBT10が押されたと判断する。
【0141】
情報ボタンBT10が押されたと装置制御部310がステップS111において判断した場合、ステップS104が実行される。表示制御部312は、ステップS104において、検査支援情報を表示部5に表示する。
【0142】
情報ボタンBT10が押されていないと装置制御部310がステップS111において判断した場合、装置制御部310は、所定の操作が実施されたか否かを判断する(ステップS112)。例えば、所定の操作は、フリーズボタンを押す操作である。所定の操作は、情報ボタンBT10を非表示にする操作であってもよい。
【0143】
所定の操作が実施されていないと装置制御部310がステップS112において判断した場合、ステップS111が実行される。所定の操作が実施されたと装置制御部310がステップS112において判断した場合、ステップS105が実行される。このとき、表示制御部312は、情報ボタンBT10を非表示にしてもよい。
【0144】
図15に示す処理において、情報ボタンBT10が押された場合、表示制御部312は、ステップS104において、検査支援情報を表示部5に表示する。情報ボタンBT10が押されない場合、表示制御部312は検査支援情報を表示部5に表示しない。
【0145】
第1の実施形態の第1の変形例において、情報ボタンBT10が押されたとき、内視鏡装置1は検査支援情報を表示部5に表示する。ユーザーは、検査支援情報を表示するか否かを選択することができる。
【0146】
(第1の実施形態の第2の変形例)
本発明の第1の実施形態の第2の変形例を説明する。検査結果記憶部83は、2つ以上の検査結果を示す検査結果情報を記憶する。検査結果取得部822は、2つ以上の検査結果を示す検査結果情報を検査結果記憶部83から取得する。表示制御部312は、予め設定された優先度に基づいて検査支援情報を表示部5に表示する。
【0147】
例えば、優先度は、傷のランクに応じて設定される。傷の深刻度が高いほど、優先度が高い。例えば、傷のランクは、「要交換(Reject)」、「要補修(Repair)」、「要再検査(Re-Inspect)」、「マーク無し(No Mark)」、または「問題無し(Accept)」である。優先度は、この順番に従って設定される。
【0148】
優先度は、傷の種類毎の傷の数に応じて設定されてもよい。その数は、傷の発生率または発生数を示す。傷の数が多いほど、優先度が高い。
【0149】
メモリカード11は、優先度の種類を示す優先度情報を記憶する。優先度の種類は、傷のランクまたは傷の数を示す。装置制御部310は、I/F40を経由して優先度情報をメモリカード11から読み出す。
【0150】
例えば、検査結果C1と対応する検査支援情報が表示部5に表示された後、ユーザーは、検査支援情報を切り替えるための指示を内視鏡装置1に入力する。その指示が入力されたとき、検査結果C2と対応する検査支援情報が表示部5に表示される。検査結果C1の優先度は検査結果C2の優先度よりも高い。具体的には、検査結果C1のランクは検査結果C2のランクよりも高い。あるいは、検査結果C1が示す傷の数は、検査結果C2が示す傷の数よりも多い。
【0151】
図17を使用することにより、内視鏡装置1が実行する処理について説明する。図17は、内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。図6に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0152】
サーバー8の検査結果取得部822は、ステップS203において、2つ以上の検査結果を示す検査結果情報を検査結果記憶部83から取得する。例えば、各検査結果は、検査部位の静止画に加えて、傷の種類およびランクを示す情報を含む。ステップS102において受信された検査結果情報は、2つ以上の検査結果を示す。
【0153】
検査結果情報が受信されていないと装置制御部310がステップS103において判断した場合、ステップS105が実行される。検査結果情報が受信されたと装置制御部310がステップS103において判断した場合、装置制御部310は、優先度情報を使用することにより2つ以上の検査結果の優先度を判断する(ステップS120)。
【0154】
優先度情報が傷のランクを示す場合、装置制御部310は、傷のランクに基づいて2つ以上の検査結果の優先度を判断する。検査結果が、高いランクを示す情報を含む場合、装置制御部310は、その検査結果の優先度が高いと判断する。検査結果が、低いランクを示す情報を含む場合、装置制御部310は、その検査結果の優先度が低いと判断する。
【0155】
優先度情報が傷の数を示す場合、装置制御部310は、傷の数に基づいて2つ以上の検査結果の優先度を判断する。検査結果情報は、傷の種類毎の発生率または傷の種類毎の発生数を示す。2つ以上の検査結果は2種類以上の傷と対応する。装置制御部310は、2種類以上の傷の優先度を判断する。傷の発生率または発生数が大きい場合、装置制御部310は、その傷の優先度が高いと判断する。傷の発生率または発生数が小さい場合、装置制御部310は、その傷の優先度が低いと判断する。
【0156】
ステップS120の後、装置制御部310は、2つ以上の検査結果のうちの1つを選択する(ステップS121)。装置制御部310は、最初に最も高い優先度を持つ検査結果を選択する。
【0157】
ステップS121の後、表示制御部312は、ステップS104において、検査支援情報を表示部5に表示する。このとき、表示制御部312は、ステップS121において選択された検査結果を示す検査結果情報を検査支援情報として表示部5に表示する。あるいは、表示制御部312は、その検査結果情報に基づいて生成された検査支援情報を表示部5に表示する。また、表示制御部312は、「閉じる」ボタンおよび「次へ」ボタンを検査支援情報と一緒に表示部5に表示する。
【0158】
図18は、表示部5に表示された検査支援情報INF10、ライブ画像IMG10、「閉じる」ボタンBT11、および「次へ」ボタンBT12を示す。ライブ画像IMG10が表示部5に表示され、検査支援情報INF10がライブ画像IMG10上に表示される。検査支援情報INF10は、傷を持つ検査部位の画像である。検査支援情報INF10は、ライブ画像IMG10の一部を隠す。また、「閉じる」ボタンBT11および「次へ」ボタンBT12が検査支援情報INF10上に表示される。「閉じる」ボタンBT11および「次へ」ボタンBT12は、ライブ画像IMG10上に表示されてもよい。
【0159】
ユーザーは、操作部4を操作することにより、「閉じる」ボタンBT11または「次へ」ボタンBT12を押す指示を内視鏡装置1に入力する。あるいは、ユーザーは、タッチパネル42を操作することにより、「閉じる」ボタンBT11または「次へ」ボタンBT12を押す指示を内視鏡装置1に入力する。操作部4から出力された指示は、I/F37を経由して制御部31に入力される。あるいは、タッチパネル42から出力された指示は、I/F38を経由して制御部31に入力される。
【0160】
ステップS104の後、装置制御部310は、「閉じる」ボタンBT11が押されたか否かを判断する(ステップS122)。「閉じる」ボタンBT11を押す指示が操作部4またはタッチパネル42から出力されていない場合、装置制御部310は、「閉じる」ボタンBT11が押されていないと判断する。「閉じる」ボタンBT11を押す指示が操作部4またはタッチパネル42から出力された場合、装置制御部310は、「閉じる」ボタンBT11が押されたと判断する。
【0161】
「閉じる」ボタンBT11が押されたと装置制御部310がステップS122において判断した場合、表示制御部312は、検査支援情報を非表示にする(ステップS123)。ステップS123の後、ステップS105が実行される。
【0162】
「閉じる」ボタンBT11が押されていないと装置制御部310がステップS122において判断した場合、装置制御部310は、「次へ」ボタンBT12が押されたか否かを判断する(ステップS124)。「次へ」ボタンBT12を押す指示が操作部4またはタッチパネル42から出力されていない場合、装置制御部310は、「次へ」ボタンBT12が押されていないと判断する。「次へ」ボタンBT12を押す指示が操作部4またはタッチパネル42から出力された場合、装置制御部310は、「次へ」ボタンBT12が押されたと判断する。
【0163】
「次へ」ボタンBT12が押されていないと装置制御部310がステップS124において判断した場合、ステップS122が実行される。「次へ」ボタンBT12が押されたと装置制御部310がステップS124において判断した場合、ステップS121が実行される。装置制御部310は、ステップS121において、前回選択された検査結果が持つ優先度よりも低い優先度を持つ検査結果を選択する。
【0164】
優先度情報が傷のランクを示す場合、装置制御部310は、最初に実行されたステップS121において、所定のランク(第1のランク)を持つ傷の検査結果を選択する。表示制御部312は、ステップS104において、その検査結果を示す検査支援情報を表示部5に表示する。例えば、その検査支援情報は、「要交換(Reject)」のランクを持つ傷に関する。
【0165】
装置制御部310は、再度実行されたステップS121において、第1のランクよりも低い第2のランクを持つ傷の検査結果を選択する。表示制御部312は、ステップS104において、その検査結果を示す検査支援情報を表示部5に表示する。例えば、その検査支援情報は、「要補修(Repair)」のランクを持つ傷に関する。第2のランクを持つ傷の種類は、第1のランクを持つ傷の種類と異なる、または同じである。
【0166】
優先度情報が傷の数を示す場合、装置制御部310は、最初に実行されたステップS121において、所定の数(第1の数)の傷の検査結果を選択する。表示制御部312は、ステップS104において、その検査結果を示す検査支援情報を表示部5に表示する。例えば、その検査支援情報は、発生率または発生数が最も大きい傷に関する。
【0167】
装置制御部310は、再度実行されたステップS121において、第1の数よりも小さい第2の数の傷の検査結果を選択する。表示制御部312は、ステップS104において、その検査結果を示す検査支援情報を表示部5に表示する。例えば、その検査支援情報は、発生率または発生数が2番目に大きい傷に関する。第2の数の傷の種類は、第1の数の傷の種類と異なる。
【0168】
前述した第1の実施形態において、検査支援情報は、優先度に応じて配置された2つ以上の検査結果を含んでもよい。例えば、図10に示す検査支援情報INF12と同様の検査支援情報が表示されるとき、傷のランクに応じた位置にその傷の種類が表示されてもよい。例えば、高いランクを持つ傷が表示部5の画面の上側に表示され、かつ低いランクを持つ傷が表示部5の画面の下側に表示されてもよい。
【0169】
あるいは、図12に示す検査支援情報INF14と同様の検査支援情報が表示されるとき、傷の発生率または発生数に応じた位置にその傷の種類が表示されてもよい。例えば、発生率または発生数が大きい傷が表示部5の画面の上側に表示され、かつ発生率または発生数が小さい傷が表示部5の画面の下側に表示されてもよい。
【0170】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。取得ステップ(ステップS203)において2つ以上の結果が取得された場合、表示制御部312は、検査支援ステップ(ステップS104)において、予め設定された優先度に基づいて検査支援情報を表示部5に表示する。
【0171】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。優先度は、異常の状態に応じて設定される。
【0172】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。表示制御部312は、第1の検査支援ステップ(ステップS104)において、第1の優先度を持つ状態を示す結果に基づいて検査支援情報を表示部5に表示する。第1の検査支援ステップが実行された後、表示制御部312は、第2の検査支援ステップ(ステップS104)において、第1の優先度よりも低い第2の優先度を持つ状態を示す結果に基づいて検査支援情報を表示部5に表示する。
【0173】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。優先度は、異常の種類毎の異常の数に応じて設定される。
【0174】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。表示制御部312は、第1の検査支援ステップ(ステップS104)において、第1の数だけ検出された異常の種類を示す結果に基づいて検査支援情報を表示部5に表示する。第1の検査支援ステップが実行された後、表示制御部312は、第2の検査支援ステップ(ステップS104)において、第1の数よりも少ない第2の数だけ検出された異常の種類を示す結果に基づいて検査支援情報を表示部5に表示する。
【0175】
第1の実施形態の第2の変形例において、内視鏡装置1は、優先度に応じて検査支援情報を表示部5に表示する。ユーザーは、優先度の順に検査支援情報を確認することができる。
【0176】
(第1の実施形態の第3の変形例)
本発明の第1の実施形態の第3の変形例を説明する。第1の実施形態の第3の変形例において、検査フォルダ情報は、検査部位の名称を含む。ユーザーは、検査部位を選択することにより、検査フォルダを選択する。
【0177】
サーバー8は、検査フォルダと検査部位との関係を管理する。内視鏡装置1の通信制御部313は、通信部44を使用することにより、その関係を示す情報をサーバー8から受信する。その情報は、メモリカード11に記録される。
【0178】
図19は、検査結果記憶部83における検査フォルダの構造の例を示す。図19において、各検査フォルダと、その検査フォルダに含まれるファイルとが模式的に示されている。検査フォルダが2つのレベル(クラス)を有する例が示されている。
【0179】
「root」フォルダが検査結果記憶部83に生成されている。「root」フォルダの下に「DCIM」フォルダがあり、「DCIM」フォルダの下に「IV70001」フォルダがある。
【0180】
「root」フォルダの下に「ENGINE1_SN001」フォルダがあり、「ENGINE1_SN001」フォルダの下に「HPC_STAGE1_ZONE1_1」フォルダ、「HPC_STAGE1_ZONE1_2」フォルダ、および「HPC_STAGE1_ZONE2_1」フォルダがある。
【0181】
「HPC_STAGE1_ZONE1_1」フォルダ、「HPC_STAGE1_ZONE1_2」フォルダ、および「HPC_STAGE1_ZONE2_1」フォルダ以外のフォルダが「ENGINE1_SN001」フォルダの下にあってもよい。「DCIM」フォルダおよび「ENGINE1_SN001」フォルダ以外のフォルダが「root」フォルダの下にあってもよい。
【0182】
「ENGINE1_SN001」フォルダの名称における「ENGINE1」は、エンジンの名称を示す。「SN001」は、シリアル番号などを示す。「ENGINE1_SN001」は、検査対象を示す。
【0183】
静止画のファイルが「HPC_STAGE1_ZONE1_1」フォルダ、「HPC_STAGE1_ZONE1_2」フォルダ、および「HPC_STAGE1_ZONE2_1」フォルダの各々に記憶されている。各フォルダに記憶されているファイルは、検査結果情報を構成する。「HPC_STAGE1_ZONE1_1」、「HPC_STAGE1_ZONE1_2」、および「HPC_STAGE1_ZONE2_1」の各々は、検査部位を示す。
【0184】
図20を使用することにより、内視鏡装置1が実行する処理について説明する。図20は、内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。図6に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0185】
表示制御部312は、検査フォルダの名称を含む情報を、I/F39を経由して表示部5に出力する。これにより、表示制御部312は、その情報を表示部5に表示する(ステップS130)。検査フォルダの名称は、検査部位の名称を含む。ステップS130の後、ステップS100が実行される。
【0186】
表示制御部312は、検査フォルダの名称の一覧を表示部5に表示してもよい。表示制御部312は、検査部位のライブ画像および検査フォルダの名称を表示部5に表示してもよい。
【0187】
ユーザーは、操作部4のジョイスティックを操作することにより、検査フォルダの名称を選択する。これにより、ユーザーは、その名称を内視鏡装置1に入力する。受付部311は、ステップS100においてその名称を受け付ける。受付部311は、検査フォルダと検査部位との関係を示す情報を使用することにより、検査部位の名称と対応する検査フォルダ情報を生成する。
【0188】
図21は、ステップS130において表示部5に表示された検査フォルダ情報の変化の例を示す。検査対象のライブ画像と、検査フォルダの名称とが表示される。内視鏡装置1の電源がONになった直後、画像IMG20が表示部5に表示される。画像IMG20は、「root」フォルダの下の「DCIM」フォルダの名称を示す文字列を含む。
【0189】
ユーザーは、操作部4のジョイスティックを操作することにより、検査フォルダを選択することができる。ユーザーは、ジョイスティックを上(U)、下(D)、左(L)、および右(R)のいずれか1つに傾ける。ジョイスティックの方向に応じて、複数の検査フォルダのいずれか1つが選択される。ユーザーがジョイスティックを所定の方向に傾け、かつ操作部4のボタンが押されたとき、選択された検査フォルダを示す検査フォルダ情報が内視鏡装置1に入力される。
【0190】
画像IMG20が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば下(D)に傾ける。これにより、「DCIM」フォルダの下にある「ENGINE1_SN001」フォルダが選択され、かつ画像IMG21が表示部5に表示される。画像IMG21は、「ENGINE1_SN001」フォルダの名称を示す文字列を含む。その文字列は、検査対象の名称を含む。
【0191】
画像IMG21が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば上(U)に傾ける。これにより、「ENGINE1_SN001」フォルダの上にある「DCIM」フォルダが選択され、かつ画像IMG20が表示部5に表示される。
【0192】
画像IMG21が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば右(R)に傾ける。これにより、「ENGINE1_SN001」フォルダの下にある3つの検査フォルダのうち「HPC_STAGE1_ZONE1_1」フォルダが選択され、かつ画像IMG22が表示部5に表示される。画像IMG22は、「HPC_STAGE1_ZONE1_1」フォルダの名称を示す文字列を含む。その文字列は、検査部位の名称を含む。
【0193】
画像IMG22が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば左(L)に傾ける。これにより、「HPC_STAGE1_ZONE1_1」フォルダの上にある「ENGINE1_SN001」フォルダが選択され、かつ画像IMG21が表示部5に表示される。
【0194】
画像IMG22が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば下(D)に傾ける。これにより、「HPC_STAGE1_ZONE1_1」フォルダと同じレベルを持つ「HPC_STAGE1_ZONE1_2」フォルダが選択され、かつ画像IMG23が表示部5に表示される。画像IMG23は、「HPC_STAGE1_ZONE1_2」フォルダの名称を示す文字列を含む。その文字列は、検査部位の名称を含む。
【0195】
画像IMG23が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば上(U)に傾ける。これにより、「HPC_STAGE1_ZONE1_2」フォルダと同じレベルを持つ「HPC_STAGE1_ZONE1_1」フォルダが選択され、かつ画像IMG22が表示部5に表示される。
【0196】
画像IMG23が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば下(D)に傾ける。これにより、「HPC_STAGE1_ZONE1_2」フォルダと同じレベルを持つ「HPC_STAGE1_ZONE2_1」フォルダが選択され、かつ画像IMG24が表示部5に表示される。画像IMG24は、「HPC_STAGE1_ZONE2_1」フォルダの名称を示す文字列を含む。その文字列は、検査部位の名称を含む。
【0197】
画像IMG24が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば上(U)に傾ける。これにより、「HPC_STAGE1_ZONE2_1」フォルダと同じレベルを持つ「HPC_STAGE1_ZONE1_2」フォルダが選択され、かつ画像IMG23が表示部5に表示される。
【0198】
画像IMG22が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば上(U)に傾ける。これにより、「HPC_STAGE1_ZONE1_1」フォルダと同じレベルを持つ「HPC_STAGE1_ZONE2_1」フォルダが選択され、かつ画像IMG24が表示部5に表示される。
【0199】
画像IMG24が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば下(D)に傾ける。これにより、「HPC_STAGE1_ZONE2_1」フォルダと同じレベルを持つ「HPC_STAGE1_ZONE1_1」フォルダが選択され、かつ画像IMG22が表示部5に表示される。
【0200】
画像IMG23または画像IMG24が表示されているとき、ユーザーはジョイスティックを例えば左(L)に傾ける。これにより、「HPC_STAGE1_ZONE1_2」フォルダまたは「HPC_STAGE1_ZONE2_1」フォルダの上にある「ENGINE1_SN001」フォルダが選択され、かつ画像IMG21が表示部5に表示される。
【0201】
内視鏡装置1は、コード読み取り器を有してもよい。内視鏡装置1は、コード読み取り器を使用することにより2次元コードを読み込んでもよい。その2次元コードは、検査部位に添付されており、検査部位の情報を含む。内視鏡装置1は、2次元コードが示す検査部位と対応する検査フォルダ情報を生成してもよい。
【0202】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。受付ステップ(ステップS100)が実行される前に、表示制御部312は、情報表示ステップ(ステップS130)において検査部位情報(検査部位の名称)を表示部5に表示する。
【0203】
第1の実施形態の第3の変形例において、ユーザーは、表示部5に表示された検査部位の名称を選択することにより、検査フォルダ情報を内視鏡装置1に入力することができる。
【0204】
(第1の実施形態の第4の変形例)
本発明の第1の実施形態の第4の変形例を説明する。第1の実施形態の第4の変形例において、表示制御部312は、検査対象の画像を表示部5に表示し、かつ検査部位の名称をその画像上に表示する。ユーザーは、検査部位を選択することにより、検査フォルダを選択する。メモリカード11は、検査フォルダと検査部位との関係を示す情報を予め記憶する。
【0205】
図22を使用することにより、内視鏡装置1が実行する処理について説明する。図22は、内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。図6に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0206】
表示制御部312は、検査対象の全体の画像と検査部位の名称とを含む画像を、I/F39を経由して表示部5に出力する。これにより、表示制御部312は、その画像を表示部5に表示する(ステップS140)。ステップS140の後、ステップS100が実行される。
【0207】
ユーザーは、タッチパネル42を操作することにより、検査部位の名称を選択する。これにより、ユーザーは、その名称を内視鏡装置1に入力する。受付部311は、ステップS100においてその名称を受け付ける。受付部311は、検査フォルダと検査部位との関係を示す情報を使用することにより、検査部位の名称と対応する検査フォルダ情報を生成する。
【0208】
図23は、ステップS140において表示部5に表示された画像の例を示す。画像IMG30、名称NM30、名称NM31、名称NM32、名称NM33、および名称NM34が表示部5に表示される。画像IMG30は検査対象の全体の画像である。名称NM30からNM34の各々は検査部位の名称を示す。
【0209】
検査部位IP30、検査部位IP31、検査部位IP32、検査部位IP33、および検査部位IP34の各々の位置が画像IMG30上に表示される。検査部位IP30は名称NM30を持ち、検査部位IP31は名称NM31を持ち、検査部位IP32は名称NM32を持ち、検査部位IP33は名称NM33を持ち、検査部位IP34は名称NM34を持つ。
【0210】
図23に示す例では、ユーザーは名称NM31を選択する。名称NM31の色が変更され、かつ名称NM31を持つ検査部位IP31の領域RG31が画像IMG30上に表示される。ユーザーは、ジョイスティックを操作することにより、名称の選択を解除し、かつ他の名称を選択することができる。例えば、ユーザーが名称NM32を選択したとき、名称NM32の色が変更され、かつ名称NM32を持つ検査部位IP32の領域が画像IMG30上に表示される。このとき、名称NM31の色は元の色に戻り、検査部位IP31の領域RG31は非表示となる。さらに、ユーザーは、ジョイスティックを操作することにより、選択された名称を持つ検査部位と対応する検査フォルダ情報を内視鏡装置1に入力する。
【0211】
あるいは、ユーザーが、タッチパネル42を操作することにより、名称NM30からNM34のいずれか1つを選択したとき、選択された名称を持つ検査部位と対応する検査フォルダ情報が内視鏡装置1に入力される。
【0212】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。表示制御部312は、情報表示ステップ(ステップS140)において、検査対象の画像を表示部5に表示し、かつ検査部位情報(検査部位の名称)をその画像上に表示する。
【0213】
第1の実施形態の第4の変形例において、ユーザーは、検査対象の全体における検査部位の位置を確認することができる。ユーザーは、表示部5に表示された検査部位の名称を選択することにより、検査フォルダ情報を内視鏡装置1に入力することができる。
【0214】
(第1の実施形態の第5の変形例)
本発明の第1の実施形態の第5の変形例を説明する。第1の実施形態の第5の変形例において、表示制御部312は、検査対象の画像を表示部5に表示し、かつ検査部位の名称をその画像上に表示する。また、表示制御部312は、傷の数に関する情報を表示部5に表示する。傷の数は、傷の発生率または発生数である。ユーザーは、検査部位を選択することにより、検査フォルダを選択する。メモリカード11は、検査フォルダと検査部位との関係を示す情報を予め記憶する。
【0215】
図24を使用することにより、内視鏡装置1が実行する処理について説明する。図24は、内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。図22に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0216】
ステップS140の後、表示制御部312は、傷の数に関する情報を含む画像を、I/F39を経由して表示部5に出力する。これにより、表示制御部312は、その画像を表示部5に表示する(ステップS141)。ステップS141の後、ステップS100が実行される。
【0217】
ユーザーは、ジョイスティックを操作することにより、またはタッチパネル42を操作することにより、検査部位の名称を選択する。これにより、ユーザーは、その名称を内視鏡装置1に入力する。受付部311は、ステップS100においてその名称を受け付ける。受付部311は、検査フォルダと検査部位との関係を示す情報を使用することにより、検査部位の名称と対応する検査フォルダ情報を生成する。
【0218】
図25は、ステップS141において表示部5に表示された画像の例を示す。画像IMG30、画像IMG31、名称NM30、名称NM31、名称NM32、名称NM33、および名称NM34が表示部5に表示される。画像IMG30は検査対象の全体の画像である。名称NM30からNM34の各々は検査部位の名称を示す。
【0219】
検査部位IP30、検査部位IP31、検査部位IP32、検査部位IP33、および検査部位IP34の各々の位置が画像IMG30上に表示される。検査部位IP30からIP34と名称NM30からNM34との関係は、図23に示す関係と同じである。画像IMG31は、検査部位において過去に検出された傷の種類毎の発生率または発生数を示す。
【0220】
図25に示す例では、ユーザーは名称NM31を選択する。名称NM31の色が変更され、かつ名称NM31を持つ検査部位IP31の領域RG31が画像IMG30上に表示される。また、名称NM31と対応する検査部位に関する画像IMG31が表示される。画像IMG31は、名称NM31と対応する検査部位において過去に検出された傷の発生率または発生数を示す。
【0221】
ユーザーは、ジョイスティックを操作することにより、名称の選択を解除し、かつ他の名称を選択することができる。例えば、ユーザーが名称NM32を選択したとき、名称NM32の色が変更され、かつ名称NM32を持つ検査部位IP32の領域が画像IMG30上に表示される。このとき、名称NM31の色は元の色に戻り、検査部位IP31の領域RG31は非表示となる。また、画像IMG31は非表示となり、名称NM32と対応する検査部位に関する画像が画像IMG31の代わりに表示される。さらに、ユーザーは、ジョイスティックを操作することにより、選択された名称を持つ検査部位と対応する検査フォルダ情報を内視鏡装置1に入力する。
【0222】
あるいは、ユーザーが、タッチパネル42を操作することにより、名称NM30からNM34のいずれか1つを選択したとき、選択された名称を持つ検査部位と対応する検査フォルダ情報が内視鏡装置1に入力される。
【0223】
第1の実施形態の第5の変形例において、ユーザーは、検査対象の全体における検査部位の位置を確認することができる。また、ユーザーは、検査部位における異常の数を確認することができる。ユーザーは、表示部5に表示された検査部位の名称を選択することにより、検査フォルダ情報を内視鏡装置1に入力することができる。
【0224】
(第1の実施形態の第6の変形例)
本発明の第1の実施形態の第6の変形例を説明する。第1の実施形態の第6の変形例において、メモリカード11は検査計画を予め記憶する。検査計画は、まだ実施されていない検査において検査される予定の検査部位に関する情報を含む。例えば、その情報は、検査部位の名称と、検査部位の位置と、検査の順番とを含む。表示制御部312は、検査計画に基づいて検査部位の情報を表示部5に表示する。メモリカード11は、検査フォルダと検査部位との関係を示す情報を予め記憶する。
【0225】
図26を使用することにより、内視鏡装置1が実行する処理について説明する。図26は、内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。図6に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0226】
装置制御部310は、I/F40を経由して検査計画をメモリカード11から読み出す。表示制御部312は、検査計画を参照し、検査部位の情報を検査計画から抽出する。表示制御部312は、抽出された情報を、I/F39を経由して表示部5に出力する。これにより、表示制御部312は、その情報を表示部5に表示する(ステップS150)。例えば、表示制御部312は、検査部位の名称の一覧を表示部5に表示する。ステップS150の後、ステップS100が実行される。
【0227】
ユーザーは、ジョイスティックを操作することにより、またはタッチパネル42を操作することにより、検査部位の名称を選択する。これにより、ユーザーは、その名称を内視鏡装置1に入力する。受付部311は、ステップS100においてその名称を受け付ける。受付部311は、検査フォルダと検査部位との関係を示す情報を使用することにより、検査部位の名称と対応する検査フォルダ情報を生成する。
【0228】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。表示制御部312は、情報表示ステップ(ステップS150)において、検査計画を参照し、検査計画に基づいて検査部位情報を表示部5に表示する。検査計画は、検査される予定の検査部位に関する検査部位情報を含む。
【0229】
第1の実施形態の第6の変形例において、ユーザーは、表示部5に表示された検査部位の名称を選択することにより、検査フォルダ情報を内視鏡装置1に入力することができる。
【0230】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を説明する。図3に示す内視鏡装置1は、図27に示す内視鏡装置1aに変更される。図27は、内視鏡装置1aの構成を示す。図3に示す構成と同じ構成の説明を省略する。第2の実施形態において、サーバー8が使用される必要はない。
【0231】
図3に示す本体部3は、図27に示す本体部3aに変更される。本体部3aにおいて、図3に示す制御部31は、図27に示す制御部31aに変更される。本体部3aにおいて、図3に示すRAM33はRAM33aに変更される。RAM33aは、検査結果記憶部45を有する。検査結果記憶部45は、検査結果を示す検査結果情報を記憶する。本体部3aは、図3に示すI/F41および通信部44を有していない。
【0232】
制御部31aは、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。制御部31aは、1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。制御部31aは、1つまたは複数の論理回路を含んでもよい。
【0233】
図28は、制御部31aの構成を示す。制御部31aは、装置制御部310、受付部311、表示制御部312、検査部位検出部314、および検査結果取得部315を有する。図4に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0234】
制御部31aは、図4に示す通信制御部313を有していない。検査部位検出部314は、検査フォルダ情報が示す検査フォルダと対応する検査部位を検出する。検査結果取得部315は、検査部位検出部314によって検出された検査部位の検査結果情報を検査結果記憶部45から取得する。
【0235】
図29を使用することにより、内視鏡装置1aが実行する処理について説明する。図29は、内視鏡装置1aが実行する処理の手順を示す。図6に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0236】
ステップS100の後、検査部位検出部314は、ステップS100において入力された検査フォルダ情報に基づいて検査部位を検出する(ステップS160)。ステップS160は、図7に示すステップS201と同様である。
【0237】
ステップS160の後、検査結果取得部315は、ステップS160において検出された検査部位の検査結果情報を検査結果記憶部45において検索する。検査結果取得部315は、検索の結果に基づいて、検査部位の過去の検査結果情報があるか否かを判断する(ステップS161)。ステップS161は、図7に示すステップS202と同様である。
【0238】
検査部位の過去の検査結果情報がないと検査結果取得部315がステップS161において判断した場合、ステップS105が実行される。検査部位の過去の検査結果情報があると検査結果取得部315がステップS161において判断した場合、検査結果取得部315は、その検査結果情報を検査結果記憶部45から取得する(ステップS162)。ステップS162は、図7に示すステップS203と同様である。ステップS162の後、ステップS104が実行される。
【0239】
図29に示す処理は、図15に示すステップS110からS112を有してもよい。図29に示す処理は、図17に示すステップS120からS124を有してもよい。図29に示す処理は、図20に示すステップS130を有してもよい。図29に示す処理は、図22に示すステップS140を有してもよい。図29に示す処理は、図24に示すステップS140およびステップS141を有してもよい。図29に示す処理は、図26に示すステップS150を有してもよい。
【0240】
本発明の各態様の検査支援装置(内視鏡装置1a)は、受付部311、検査結果取得部315、および表示制御部312(検査支援部、画像表示部)を有する。受付部311は、検査対象の少なくとも一部を構成する検査部位に関する検査部位情報を受け付ける。検査結果取得部315は、過去の検査の結果を記憶する記憶媒体(検査結果記憶部45)に接続し、かつ検査部位情報と対応する検査部位の検査の結果を記憶媒体から取得する。表示制御部312は、検査結果取得部315によって取得された結果に基づいて、検査支援情報を表示部5に表示する。検査支援情報は、過去の検査において検出された検査部位の異常に関する情報をユーザーに通知する。検査支援情報が表示された後、表示制御部312は、検査部位の画像を表示部5に表示する。
【0241】
第2の実施形態において、内視鏡装置1aは、検査支援情報を表示部5に表示する。そのため、内視鏡装置1aは、ユーザーが異常を見逃す、または異常の評価を誤る可能性を低減させることができる。
【0242】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0243】
1,1a 内視鏡装置
2 挿入部
3,3a 本体部
4 操作部
5 表示部
6 ケーブル
7 スコープ
8 サーバー
10 光学アダプター
11 メモリカード
20 先端部
21 湾曲部
31,31a,82 制御部
32 ROM
33,33a RAM
34 バス
35,36,37,38,39,40,41 I/F
42 タッチパネル
43 コネクタ
44,81 通信部
45,83 検査結果記憶部
51 撮像素子
52 LED
100 検査システム
310 装置制御部
311 受付部
312 表示制御部
313,823 通信制御部
314,821 検査部位検出部
315,822 検査結果取得部
820 サーバー制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29