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特開2023-39435プラズマ処理装置のフォーカスリングをクリーニングするための導電性部材
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  • 特開-プラズマ処理装置のフォーカスリングをクリーニングするための導電性部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039435
(43)【公開日】2023-03-20
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置のフォーカスリングをクリーニングするための導電性部材
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230313BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20230313BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022142133
(22)【出願日】2022-09-07
(31)【優先権主張番号】202111048934.9
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】17/563,560
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502278714
【氏名又は名称】マトソン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mattson Technology, Inc.
【住所又は居所原語表記】47131 Bayside Parkway, Fremont, CA 94538, USA
(71)【出願人】
【識別番号】520111187
【氏名又は名称】ベイジン イータウン セミコンダクター テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing E-Town Semiconductor Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 8 Building, No. 28 Jinghai Er Rd., Economic and Technical Development Zone, 100176 Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マオリン ロン
(72)【発明者】
【氏名】チャングー グアン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004AA15
5F004BA08
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BC08
5F004BD03
5F131AA02
5F131AA03
5F131CA09
5F131CA13
5F131CA15
5F131CA17
5F131DA02
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB18
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB82
5F131JA16
5F131JA22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フォーカスリング上に堆積する微粒子の量を低減する導電性部材を有する台座アセンブリを提供する。
【解決手段】台座アセンブリ200は、ワークピース106を支持する静電チャック210を含む。台座アセンブリ200は、上面と下面とを有するフォーカスリング220を含む。フォーカスリング220は、ワークピース106が静電チャック210上に位置決めされたときにワークピース106の周囲を囲む。台座アセンブリ200はさらに、複数の絶縁体(例えば、内側絶縁リング230、外側絶縁リング240)と、フォーカスリング220の下面の少なくとも一部と、複数の絶縁体のうちの1つの少なくとも一部との間に位置決めされた導電性部材250と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座アセンブリであって、
ワークピースを支持するように構成された静電チャックと、
上面と下面とを有するフォーカスリングであって、前記ワークピースが前記静電チャック上に位置決めされたときに前記ワークピースの周囲を囲むように構成されたフォーカスリングと、
複数の絶縁体と、
前記フォーカスリングの前記下面の少なくとも一部と、前記複数の絶縁体のうちの1つの少なくとも一部との間に位置決めされた導電性部材と
を含む、台座アセンブリ。
【請求項2】
前記導電性部材が、半導体材料を含む、請求項1記載の台座アセンブリ。
【請求項3】
前記導電性部材が、金属を含む、請求項1記載の台座アセンブリ。
【請求項4】
前記導電性部材が、前記静電チャックの周囲から第1の軸線に沿って第1の距離だけ離間させられており、
前記導電性部材が、前記静電チャックの周囲から、前記第1の軸線に対して実質的に垂直である第2の軸線に沿って第2の距離だけ離間させられている、
請求項1記載の台座アセンブリ。
【請求項5】
前記第1の距離が、前記第2の距離と異なる、請求項4記載の台座アセンブリ。
【請求項6】
前記第1の距離が、約2mm~約5mmの範囲である、請求項4記載の台座アセンブリ。
【請求項7】
前記導電性部材が、導電性のリングを含む、請求項1記載の台座アセンブリ。
【請求項8】
前記複数の絶縁体が、
前記静電チャックの周囲の一部を囲むように構成された、段差面を規定する内側絶縁リングと、
前記内側絶縁リングの周囲を囲むように構成された外側絶縁リングと
を含む、請求項1記載の台座アセンブリ。
【請求項9】
前記導電性部材が、前記内側絶縁リングによって規定された前記段差面と、前記フォーカスリングの前記下面の少なくとも一部との間に位置決めされている、請求項8記載の台座アセンブリ。
【請求項10】
前記内側絶縁リングが、
前記静電チャックの周囲によって規定された複数の段差面のうちの第1の段差面上に位置決めされる第1の部分と、
前記静電チャックの周囲によって規定された前記複数の段差面のうちの第2の段差面上に位置決めされる第2の部分と
を含む、請求項9記載の台座アセンブリ。
【請求項11】
前記導電性部材が、前記内側絶縁リングによって規定された前記段差面と、前記フォーカスリングの前記下面の第1の部分との間に位置決めされている、請求項8記載の台座アセンブリ。
【請求項12】
前記導電性部材が、前記外側絶縁リングと前記フォーカスリングの前記下面の前記第1の部分との間にさらに位置決めされている、請求項11記載の台座アセンブリ。
【請求項13】
前記フォーカスリングの前記下面の第2の部分が、前記導電性部材の周囲を囲んでいる、請求項12記載の台座アセンブリ。
【請求項14】
前記フォーカスリングの前記第2の部分が、前記外側絶縁リングによって規定された段差面上に位置決めされている、請求項13記載の台座アセンブリ。
【請求項15】
前記導電性部材が、前記静電チャックの周囲から第1の軸線に沿って第1の距離だけ離間させられており、
前記導電性部材が、前記静電チャックの周囲から、前記第1の軸線に対して実質的に垂直である第2の軸線に沿って第2の距離だけ離間させられている、
請求項11記載の台座アセンブリ。
【請求項16】
前記第1の距離は、前記第2の距離と異なる、請求項15記載の台座アセンブリ。
【請求項17】
プラズマ処理装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された台座アセンブリであって、
ワークピースを支持するように構成された静電チャックと、
上面と下面とを有し、前記ワークピースが前記静電チャック上に位置決めされたときに前記ワークピースの周囲を囲むように構成されたフォーカスリングと、
複数の絶縁体と、
前記フォーカスリングの前記下面の少なくとも一部と、前記複数の絶縁体のうちの1つの少なくとも一部との間に位置決めされた導電性部材と
を含む台座アセンブリと
を含む、プラズマ処理装置。
【請求項18】
前記導電性部材が、前記静電チャックの周囲から第1の軸線に沿って第1の距離だけ離間させられており、
前記導電性部材が、前記静電チャックの周囲から、前記第1の軸線に対して実質的に垂直である第2の軸線に沿って第2の距離だけ離間させられている、
請求項17記載のプラズマ処理装置。
【請求項19】
前記複数の絶縁体が、
前記静電チャックの周囲の一部を囲むように構成された、段差面を規定する内側絶縁リングと、
前記内側絶縁リングの周囲を囲むように構成された外側絶縁リングと
を含む、請求項17記載のプラズマ処理装置。
【請求項20】
前記導電性部材が、導電性のリングを含む、請求項17記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本願は、出願日が2021年9月8日である「Conductive Member for Cleaning Focus Ring of a Plasma Processing Apparatus」と題する中国特許出願第202111048934.9号の優先権の利益を主張するものであり、同号を参照により本明細書に援用するものとする。
【0002】
分野
本開示は、概して、例えば、半導体基板などの基板を処理するための処理装置に使用されるフォーカスリングに関する。
【0003】
背景
プラズマ処理ツールを使用して、集積回路、マイクロメカニカル装置、フラットパネルディスプレイ、および他の装置を製造することができる。現代のプラズマエッチング用途で使用されるプラズマ処理ツールは、高いプラズマ均一性と、独立したプラズマプロファイル、プラズマ密度、およびイオンエネルギー制御を含む複数のプラズマ制御とを提供することが要求されることがある。プラズマ処理ツールは、場合によっては、様々なプロセスガス中で、様々な異なる条件(例えば、ガス流、ガス圧など)で、安定したプラズマを維持することを要求されることがある。
【0004】
台座アセンブリを使用して、プラズマ処理装置および他の処理ツール(例えば、熱処理ツール)内で基板を支持することができる。台座アセンブリは、静電チャックと、静電チャックの一部を囲む絶縁リングとを含むことができる。台座アセンブリは、静電チャックによって支持されるワークピース(例えば、半導体ウェーハ)の周囲を囲むフォーカスリングをさらに含むことができる。ワークピースの処理中、静電チャックを介してワークピースにわたって印加されるバイアス電圧に少なくとも部分的に起因して、フォーカスリング上に微粒子が堆積することがある。そのため、定期的にフォーカスリングをクリーニングして、フォーカスリング上に堆積した微粒子を除去する必要がある。
【0005】
発明の概要
本開示の態様および利点は、以下の説明で部分的に示されるか、または説明から明らかであるか、または実施形態の実践を通じて学ぶことができる。
【0006】
1つの態様では、台座アセンブリが提供される。台座アセンブリは、ワークピースを支持するように構成された静電チャックを含む。台座アセンブリは、上面と下面とを有するフォーカスリングを含む。フォーカスリングは、ワークピースが静電チャック上に位置決めされたときにワークピースの周囲を囲むように構成することができる。台座アセンブリは、複数の絶縁体を含む。台座アセンブリは、フォーカスリングの下面の少なくとも一部と、複数の絶縁体のうちの1つの少なくとも一部との間に位置決めされた導電性部材をさらに含む。
【0007】
別の態様では、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、処理チャンバを含む。プラズマ処理装置は、処理チャンバ内に配置された台座アセンブリをさらに含む。台座アセンブリは、ワークピースを支持するように構成された静電チャックを含む。台座アセンブリは、上面と下面とを有するフォーカスリングを含む。フォーカスリングは、ワークピースが静電チャック上に位置決めされたときにワークピースの周囲を囲むように構成することができる。台座アセンブリは、複数の絶縁体を含む。台座アセンブリは、フォーカスリングの下面の少なくとも一部と、複数の絶縁体のうちの1つの少なくとも一部との間に位置決めされた導電性部材をさらに含む。
【0008】
本開示のこれらの特徴、態様および利点、並びに他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付の請求項を参照することにより、より良く理解される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示し、説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
当業者にとって完全かつ有効な開示は、添付の図への参照を含む本明細書の残りの部分に、より具体的に記載される。
図1】本開示の例示的な実施形態による例示的なプラズマ処理装置の図である。
図2】本開示の例示的な実施形態による台座アセンブリの図である。
図3図2の台座アセンブリの静電チャックの図である。
図4図2の台座アセンブリの一部の図である。
図5】本開示の別の例示的な実施形態による台座アセンブリの一部の図である。
図6】本開示の更なる別の例示的な実施形態による台座アセンブリの図である。
図7図6の台座アセンブリの一部の図である。
図8】本開示の更なる別の例示的な実施形態による台座アセンブリの一部を示す図である。
【0010】
詳細な説明
次に、本発明の実施形態を詳細に参照し、その1つ以上の例を図面に示す。各例は、本発明の説明のために提供されるものであって、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明において様々な改良および変形を行うことができることは、当業者にとって明らかである。例えば、ある実施形態の一部として図示または説明された特徴は、別の実施形態と共に使用して、更なる別の実施形態を得ることができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るような改良および変形をカバーすることを意図している。
【0011】
本開示の例示的な態様は、プラズマ処理装置(例えば、プラズマエッチング装置)などの処理装置と組み合わせて使用するための台座アセンブリを対象にしている。プラズマ処理装置は、処理チャンバを規定する処理チャンバを含むことができる。台座アセンブリは、処理チャンバ内に位置することができる。台座アセンブリは、ワークピース(例えば、半導体ウェーハ)を支持するように構成された静電チャックを含むことができる。静電チャックは、無線周波数(RF)源に結合することができる。このようにして、静電チャックは、RF源を介してRF入力を受電することができる。静電チャックがRF入力を受電すると、静電チャックはワークピースにわたって自己バイアス電圧を印加し、ワークピースのプラズマ処理(例えば、エッチング)を促進することができる。
【0012】
台座アセンブリは、複数の絶縁体を含むことができる。例えば、台座アセンブリは、内側絶縁リングと、外側絶縁リングとを含むことができる。内側絶縁リングは、静電チャックの周囲の一部を囲むことができる。外側絶縁リングは、内側絶縁リングの周囲を囲むことができる。内側絶縁リングおよび外側絶縁リングは、それぞれ誘電性材料(例えば、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、石英)を含むことができる。
【0013】
台座アセンブリは、静電チャック上のワークピースの周囲を囲むフォーカスリングを含むことができる。このようにして、例えば、フォーカスリングを使用して、ワークピースの周囲またはワークピースの周囲の近傍でプラズマ処理(例えば、エッチング速度)の非均一性を低減することができる。しかしながら、ワークピースのプラズマ処理(例えば、エッチング)に部分的に起因して発生する副産物または微粒子が、フォーカスリング上に堆積することがある。特に、微粒子は、フォーカスリングの周囲またはフォーカスリングの周囲の近傍に堆積することがある。微粒子により、フォーカスリングの耐用年数が短くなる可能性があるので、フォーカスリングのクリーニングを可能にするため、従来のプラズマ処理装置を定期的にオフラインにする必要がある。特に、フォーカスリング上に堆積した微粒子は、それから除去することが可能になる。
【0014】
例示的な態様は、フォーカスリング上に堆積する微粒子の量を低減するように構成された導電性部材を有する台座アセンブリを対象にしている。例えば、導電性部材は、フォーカスリングの下面と絶縁体(例えば、内側絶縁リング、外側絶縁リング、上部リング、カバーリング)のうちの1つの少なくとも一部との間に位置決めすることができる。さらに、幾つかの実現形態では、導電性部材は、フォーカスリングの中心よりもフォーカスリングの周囲に近い位置に位置決めすることができる。このようにして、導電性部材は、フォーカスリング上に堆積する微粒子の量を低減するように位置決めすることができる。例えば、導電性部材は、フォーカスリングの周囲に堆積する微粒子の量を低減するように位置決めすることができる。
【0015】
幾つかの実現形態では、導電性部材は、静電チャックから第1の軸線に沿って第1の距離だけ離間させることができる。例えば、第1の距離は、約2mm~約5mmの範囲であってよい。幾つかの実現形態では、第1の距離は、約3mm以下であってよい。代替的または付加的に、導電性部材は、静電チャックと導電性部材との間の結合を電気的に制御するために、静電チャックから第2の軸線に沿って第2の距離だけ離間させることができる。第2の軸線は、第1の軸線に対して実質的に垂直(例えば、90°からの差が、15°未満、10°未満、5°未満、1°未満など)であってよい。フォーカスリングの消耗は、第2の距離の関数であることを理解されたい。例えば、第2の距離を小さくすることにより、フォーカスリングの消耗が増加し、それによって、フォーカスリングの耐用年数を減少させる可能性がある。
【0016】
幾つかの実現形態では、導電性部材は、半導体材料を含むことができる。代替的な実現形態では、導電性部材は、金属を含むことができる。例えば、幾つかの実現形態では、導電性部材は、アルミニウムを含むことができる。さらに、幾つかの実現形態では、導電性部材の表面は、陽極酸化することができる。
【0017】
幾つかの実現形態では、導電性部材は、導電性のリングであってよい。導電性部材は、任意の適切な形状を有することができることを理解されたい。また、幾つかの実現形態では、本開示の例示的な態様による台座アセンブリは、複数の導電性部材を含むことができることを理解されたい。
【0018】
本開示の例示的な態様による台座アセンブリは、多くの技術的効果および技術的利点を有することができる。例えば、導電性部材は、ワークピースのプラズマ処理(例えば、プラズマエッチング)に関連する微粒子がフォーカスリング上に堆積する速度を低減する。このようにして、導電性部材は、フォーカスリングのクリーニングを可能にするためにプラズマ処理装置をオフラインにすることが必要になる前に、プラズマ処理装置がより長い期間動作することを可能にすることができる。したがって、本開示の例示的な態様による台座アセンブリを有するプラズマ処理装置は、従来のプラズマ処理装置と比較して、より高いスループットを有することができる。
【0019】
本開示の態様は、図示および説明のために、「基板」または「ウェーハ」を参照して説明される。本明細書で提供される開示を使用する当業者は、本開示の例示的な態様が、任意の半導体基板、または他の適切な基板もしくはワークピースと関連して使用されてよいことを理解されたい。加えて、数値と関連した「約」という用語の使用は、記載された数値の10%以内を指すことを意図している。
【0020】
ここで図を参照すると、図1は、本開示の例示的な実施形態によるプラズマ処理装置100の図である。本開示は、図示および説明のために、図1に示されたプラズマ処理装置100を参照して説明される。本明細書で提供される開示を使用する当業者は、本開示の例示的な態様が、本開示の範囲から逸脱しない、プラズマストリップツール、熱処理ツールなどの他の処理ツールおよび/または他の処理装置と共に使用することができることを理解されたい。
【0021】
プラズマ処理装置100は、処理チャンバ102を規定する処理チャンバ101を含む。台座アセンブリ104は、処理チャンバ102内で半導体ウェーハなどのワークピース106を支持するために使用される。誘電体窓110は、台座アセンブリ104の上方に位置し、処理チャンバ102の天井として機能する。誘電体窓110は、比較的平坦な中央部分112と、傾斜した周囲部分114とを含む。誘電体窓110は、処理チャンバ102にプロセスガスを供給するためのシャワーヘッド120のための空間を中央部分112に含む。
【0022】
プラズマ処理装置100は、処理チャンバ102内に誘導プラズマを発生させるための一次誘導素子130および二次誘導素子140などの、複数の誘導素子をさらに含む。誘導素子130,140は、RF電力が供給されたときにプラズマ処理装置100の処理チャンバ102内のプロセスガスにプラズマを誘導するコイル素子またはアンテナ素子を含むことができる。例えば、第1のRF発生器160は、整合ネットワーク162を通して電磁エネルギーを一次誘導素子130に提供するように構成することができる。第2のRF発生器170は、整合ネットワーク172を通して電磁エネルギーを二次誘導素子140に提供するように構成することができる。
【0023】
本開示は、一次誘導素子および二次誘導素子に言及しているが、当業者であれば、一次および二次という用語が便宜上のみ使用されていることを理解されたい。二次コイルは、一次コイルと独立して動作させることができる。一次コイルは、二次コイルとは独立して動作させることができる。加えて、幾つかの実施形態では、プラズマ処理装置は、単一の誘導結合素子のみを有することができる。
【0024】
本開示の態様によれば、プラズマ処理装置100は、二次誘導素子140の周囲に配置された金属シールド部分152を含むことができる。金属シールド部分152は、一次誘導素子130と二次誘導素子140とを分離して、誘導素子130,140の間のクロストークを低減させる。プラズマ処理装置100は、一次誘導素子130と誘電体窓110との間に配置された第1のファラデーシールド154をさらに含むことができる。第1のファラデーシールド154は、一次誘導素子130と処理チャンバ101との間の容量結合を低減するスロット付き金属シールドであってよい。図示されるように、第1のファラデーシールド154は、誘電体窓110の傾斜した部分の上に形状適合することができる。
【0025】
幾つかの実現形態では、金属シールド152および第1のファラデーシールド154は、製造の容易さおよび他の目的のために、一体型の、金属シールド/ファラデーシールド150を形成することができる。一次誘導素子130の多重コイルは、一体型の、金属シールド/ファラデーシールド150の第1のファラデーシールド154に隣接して位置することができる。二次誘導素子140は、一体型の、金属シールド/ファラデーシールド150の金属シールド部分152に近接して、例えば金属シールド部分152と誘電体窓110との間に位置することができる。
【0026】
金属シールド152の対向する側同士に一次誘導素子130と二次誘導素子140とを配置することにより、一次誘導素子130および二次誘導素子140は、異なる構造構成を有し、異なる機能を実行することができる。例えば、一次誘導素子130は、処理チャンバ101の周囲部分に隣接して位置する多重コイルを含むことができる。一次誘導素子130を使用して、本質的に過渡的な点火段階中に基本的なプラズマを生成し、高い信頼性で始動することができる。一次誘導素子130は、強力なRF発生器および高価な自動チューニング整合ネットワークに結合することができ、約13.56MHzなどの増加したRF周波数で動作させることができる。
【0027】
二次誘導素子140は、補正機能および支持機能のためと、定常状態動作中のプラズマの安定性を向上させるためとに使用することができる。二次誘導素子140は、主に、補正機能および支持機能のためと、定常状態動作中のプラズマの安定性の向上のためとに使用することができるので、二次誘導素子140は、一次誘導素子130ほど強力なRF発生器に結合される必要がなく、従来の設計に関連する困難を克服するために異なる方法でコスト効率よく設計することが可能である。以下に詳述するように、二次誘導素子140はまた、約2MHzなどの低い周波数で動作させることができ、二次誘導素子140を極めてコンパクトにして、誘電体窓の上部の限られた空間に収まるようにすることが可能である。
【0028】
一次誘導素子130および二次誘導素子140は、異なる周波数で動作させることができる。周波数は、一次誘導素子130と二次誘導素子140との間のプラズマにおけるクロストークを低減するために十分に異なるものとすることができる。例えば、一次誘導素子130に適用される周波数は、二次誘導素子140に適用される周波数よりも少なくとも約1.5倍大きくすることができる。幾つかの実現形態では、一次誘導素子130に適用される周波数は約13.56MHzであってよく、二次誘導素子140に適用される周波数は約1.75MHz~約2.15MHzの範囲であってよい。他の適切な周波数、例えば、約400kHz、約4MHz、および約27MHzも使用することができる。本開示は、一次誘導素子130が二次誘導素子140に対してより高い周波数で動作されることを参照して説明されるが、本明細書で提供される開示を使用する当業者は、二次誘導素子140が本開示の範囲から逸脱しない、より高い周波数で動作してよいことを理解されたい。
【0029】
二次誘導素子140は、平面コイル142と、磁束集中器144とを含むことができる。磁束集中器144は、フェライト材料から製造することができる。適切なコイルを備えた磁束集中器を使用することにより、二次誘導素子140の高いプラズマ結合と良好なエネルギー伝達効率とが得られ、金属シールド150へのプラズマ結合を著しく低減することができる。二次誘導素子140に約2MHzのような低い周波数を使用することにより、スキン層を増やすことができ、それもプラズマ加熱効率を向上させる。
【0030】
本開示の態様によれば、異なる誘導素子130および140は、異なる機能を担うことができる。具体的には、一次誘導素子130は、点火中にプラズマ生成の基本的な機能を実行し、二次誘導素子140に十分なプライミングを提供するために使用することができる。一次誘導素子130は、プラズマ電位を安定させるために、プラズマと接地シールドとの両方への結合を有することができる。一次誘導素子130に関連する第1のファラデーシールド154は、窓のスパッタリングを回避し、接地への結合を供給するために使用することができる。
【0031】
付加的なコイルは、一次誘導素子130によって提供される良好なプラズマプライミングの存在下で動作させることができ、そのようなものとして、好ましくは、良好なプラズマ結合とプラズマへの良好なエネルギー伝達効率とを有する。磁束集中器144を含む二次誘導素子140は、プラズマ体積への良好な磁束の伝達と、同時に、周囲の金属シールド150からの二次誘導素子140の良好な減結合との両方を提供する。磁束集中器144を使用することと、二次誘導素子140が対称的に駆動することとにより、コイル端部と周囲の接地素子との間の電圧の振幅をさらに低減する。これにより、ドームのスパッタリングを低減することができるが、同時に、点火を補助するために使用することができるプラズマへのいくらかの小さな容量結合を付与することがある。幾つかの実現形態では、第2のファラデーシールドをこの二次誘導素子140と組み合わせて使用して、二次誘導素子140の容量結合を低減することができる。
【0032】
ここで図2を参照すると、本開示の例示的な実施形態による台座アセンブリ200が提供される。示されるように、台座アセンブリ200は、静電チャック210を含むことができる。幾つかの実現形態では、静電チャック210は、1つ以上のクランプ電極を含むことができる。1つ以上の電極は、ワークピース106を保持するように構成することができる。例えば、無線周波数(RF)入力が静電チャック210に提供されるとき、自己バイアス電圧をワークピース106にわたって印加することができる。このようにして、静電チャック210は、プラズマに関連するイオンを吸収し、ワークピース106に衝突させて、プラズマ処理プロセス(例えば、プラズマエッチング)を促進させることができる。代替的または付加的に、静電チャック210は、ワークピース106にわたる温度プロファイルを制御するために使用することができる温度調節システム(例えば、流体通路、電気ヒータなど)を含むことができる。
【0033】
台座アセンブリ200は、フォーカスリング220を含むことができる。フォーカスリング220は、ワークピース106が静電チャック210上に位置決めされたときに、フォーカスリング220がワークピース106の周囲を囲むように、静電チャック210に対して配置することができる。幾つかの実現形態では、フォーカスリング220は、誘電性材料を含むことができる。例えば、幾つかの実現形態では、誘電性材料は、酸化アルミニウム(Al)または酸化イットリウム(Y)を含むことができる。代替的な実現形態では、誘電性材料は、石英を含むことができる。しかしながら、フォーカスリング220は、任意の適切な誘電性材料を含むことができることを理解されたい。
【0034】
台座アセンブリ200は、1つ以上の絶縁体を含むことができる。例えば、幾つかの実現形態では、台座アセンブリ200は、内側絶縁リング230と、外側絶縁リング240とを含むことができる。示されるように、内側絶縁リング230は、静電チャック210の周囲216(図3)の一部を囲むことができる。外側絶縁リング240は、内側絶縁リング230の周囲232を囲むことができる。幾つかの実現形態では、内側絶縁リング230および外側絶縁リング240は、誘電性材料を含むことができる。例えば、幾つかの実現形態では、誘電性材料は、酸化アルミニウム(Al)または酸化イットリウム(Y)を含むことができる。代替的な実現形態では、誘電性材料は、石英を含むことができる。しかしながら、内側絶縁リング230および外側絶縁リング240は、任意の適切な誘電性材料を含むことができることを理解されたい。
【0035】
台座アセンブリ200は、フォーカスリング220上に堆積する、ワークピース106のプラズマ処理に関連する微粒子の量を低減するように構成された導電性部材250を含むことができる。示されるように、導電性部材250は、フォーカスリング220の下面と、内側絶縁リング230の少なくとも一部との間に位置決めすることができる。このようにして、導電性部材250は、フォーカスリング220上に堆積する微粒子の量を低減するように位置決めすることができる。例えば、導電性部材250は、フォーカスリング220の周囲またはフォーカスリング220の周囲の近傍に堆積する微粒子の量を低減することができる。
【0036】
幾つかの実現形態では、導電性部材250は、金属を含むことができる。例えば、導電性部材250は、アルミニウムを含むことができる。さらに、そのような実現形態では、導電性部材250の表面は陽極酸化することができる。代替的な実現形態では、導電性部材250は、半導体材料を含むことができる。導電性部材250は、任意の適切な形状を有することができることを理解されたい。例えば、幾つかの実現形態では、導電性部材250は、導電性のリングであってよい。
【0037】
ここで図3を参照すると、静電チャック210は、静電チャック210の上部212と静電チャック210の下部214との間の第1の軸線202(例えば、垂直軸線)に沿って延在することができる。付加的に、静電チャック210は、第1の軸線202に対して実質的に垂直(例えば、90°からの差が15°未満、10°未満、5°未満、1°未満など)である第2の軸線204(例えば、水平軸線)に沿って静電チャック210の周囲216まで延在することができる。幾つかの実現形態では、静電チャック210の周囲216は、複数の段差面218を規定することができる。例えば、幾つかの実現形態では、静電チャック210の周囲216は、2つの段差面(例えば、第1の段差面および第2の段差面)を規定することができる。代替的な実現形態では、静電チャック210の周囲216は、3つ以上の段差面を規定することができる。代替的または付加的に、複数の段差面218の各々は、異なる奥行き219を有することができる。例えば、複数の段差面218の第1の段差面は、第1の奥行きを有することができ、一方、複数の段差面218の第2の段差面は、第1の奥行きとは異なる(例えば、より深い、より浅い)第2の奥行きを有することができる。
【0038】
ここで図4を参照すると、幾つかの実現形態では、内側絶縁リング230は、静電チャック210の周囲216(図3)上に位置決めすることができる。例えば、内側絶縁リング230の第1の部分は、静電チャック210の周囲216によって規定された複数の段差面218の第1の段差面上に位置決めすることができる。加えて、内側絶縁リング230の第2の部分は、静電チャック210の周囲216によって規定された複数の段差面218の第2の段差面上に位置決めすることができる。
【0039】
幾つかの実現形態では、内側絶縁リング230は、段差面234を規定することができる。示されるように、導電性部材250は、内側絶縁リング230によって規定された段差面234上に位置決めすることができ、その結果、導電性部材250は、第1の軸線202に沿ってフォーカスリング220と段差面234との間に位置決めされる。さらに、導電性部材250は、第2の軸線204に沿って外側絶縁リング240と内側絶縁リング230の一部との間に位置決めすることができる。
【0040】
導電性部材250は、静電チャック210から第1の軸線202に沿って第1の距離260だけ離間させることができる。例えば、幾つかの実現形態では、第1の距離260は、約2mm~約5mmの範囲であってよい。代替的な実現形態では、第1の距離260は、約15mm以下であってよい。
【0041】
導電性部材250は、静電チャック210と導電性部材250との間の結合を電気的に制御するために、静電チャック210から第2の軸線204に沿って第2の距離262だけ離間させることもできる。フォーカスリング220の消耗は、第2の距離262の関数とすることができることを理解されたい。例えば、第2の距離262を小さくすることにより、フォーカスリング220の消耗が増加し、それによってフォーカスリング220の耐用年数を減少させる可能性がある。幾つかの実現形態では、第2の距離262は、約2mm~約10mmの範囲であってよい。代替的な実現形態では、導電性部材250が静電チャック210の一部と接触するように、第2の距離262はゼロであってよい。
【0042】
幾つかの実現形態では、導電性部材250の厚さ264は、1mm以下であってよい。導電性部材250は、任意の適切な厚さ264を有することができることを理解されたい。例えば、幾つかの実現形態では、導電性部材250の厚さ264は、1mmより大きくすることができる。
【0043】
ここで図5を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態による台座アセンブリ300の一部が提供される。台座アセンブリ300は、静電チャック310を含むことができる。静電チャック310は、ベースプレート312を含むことができる。ベースプレートは、第1の軸線302(例えば、垂直軸線)と、第1の軸線302に対して実質的に垂直(例えば、90°からの差が15°未満、10°未満、5°未満、1°未満など)である第2の軸線304(例えば、水平軸線)とに沿って延在することができる。幾つかの実現形態では、ベースプレート312は、ベースプレートの温度を下げる(例えば、冷却する)ために流体(例えば、水)が流れる1つ以上の通路を規定することができる。
【0044】
静電チャック310は、パック314をさらに含むことができる。パック314は、ベースプレート312上に配置することができる。パック314は、ワークピース106を支持するように構成することができる。幾つかの実現形態では、パック314は、静電気を介してワークピース106を保持するように構成された1つ以上のクランプ電極を含むことができる。
【0045】
台座アセンブリ300は、フォーカスリング320を含むことができる。フォーカスリング320は、ワークピース106がパック314上に位置決めされたときに、ワークピース106の周囲を囲むように構成することができる。フォーカスリング320は、第1の部分(例えば、水平部分)および第2の部分(例えば、垂直部分)を含むことができる。フォーカスリング320の第1の部分は、第1の軸線302に沿って延在することができる。フォーカスリング320の第2の部分は、フォーカスリング320の第1の部分から、第2の軸線304に沿って延在することができる。
【0046】
幾つかの実現形態では、フォーカスリング320は、誘電性材料を含むことができる。例えば、幾つかの実現形態では、誘電性材料は、酸化アルミニウム(Al)または酸化イットリウム(Y)を含むことができる。代替的な実現形態では、誘電性材料は、石英を含むことができる。しかしながら、フォーカスリング320は、任意の適切な誘電性材料を含むことができることを理解されたい。
【0047】
台座アセンブリ300は、1つ以上の絶縁リングを含むことができる。例えば、幾つかの実現形態では、1つ以上の絶縁リングは、内側絶縁リング330と、外側絶縁リング340とを含むことができる。内側絶縁リング330は、ベースプレート312の周囲の一部を囲むことができる。外側絶縁リング340は、内側絶縁リング330の周囲332を囲むことができる。幾つかの実現形態では、外側絶縁リング340は、フォーカスリング320の第2の部分(例えば、垂直部分)を位置決めすることができる段差面342を規定することができる。
【0048】
内側絶縁リング330および外側絶縁リング340は、誘電性材料を含むことができる。例えば、幾つかの実現形態では、誘電性材料は、酸化アルミニウム(Al)または酸化イットリウム(Y)を含むことができる。代替的な実現形態では、誘電性材料は、石英を含むことができる。しかしながら、内側絶縁リング330および外側絶縁リング340は、任意の適切な誘電性材料を含むことができることを理解されたい。
【0049】
台座アセンブリ300は、フォーカスリング320上に堆積する、ワークピース106のプラズマ処理に関連する微粒子の量を低減するように構成された導電性部材350を含むことができる。示されるように、導電性部材350は、フォーカスリング320と、内側絶縁リング330によって規定された段差面344との間に位置決めすることができる。加えて、導電性部材350は、外側絶縁リング340と、フォーカスリング320の第1の部分(例えば、水平部分)との間に位置決めすることができる。さらに、フォーカスリング320の第2の部分(例えば、垂直部分)は、導電性部材350の周囲352を囲むことができる。このようにして、フォーカスリング320、および絶縁リング(すなわち、内側絶縁リング330および外側絶縁リング340)は、処理チャンバ102(図1)内で発生するプラズマから導電性部材350を遮蔽することができる。
【0050】
幾つかの実現形態では、導電性部材350は、金属を含むことができる。例えば、導電性部材350は、アルミニウムを含むことができる。さらに、そのような実現形態では、導電性部材350の表面は陽極酸化することができる。代替的な実現形態では、導電性部材350は、半導体材料を含むことができる。幾つかの実現形態では、導電性部材350は、導電性のリングであってよい。代替的な実現形態では、導電性部材350は、異なる形状を有することができる。
【0051】
導電性部材350は、ベースプレート312から第1の軸線302に沿って第1の距離360だけ離間させることができる。例えば、幾つかの実現形態では、第1の距離360は、約2mm~約5mmの範囲であってよい。代替的な実現形態では、第1の距離360は約3mm以下であってよい。
【0052】
導電性部材350はまた、静電チャック310と導電性部材350との間の結合を電気的に制御するために、ベースプレートから第2の軸線304に沿って第2の距離362だけ離間させることができる。フォーカスリング320の消耗は、第2の距離362の関数とすることができることを理解されたい。例えば、第2の距離362を小さくすることにより、フォーカスリング320の消耗が増加し、それによって、フォーカスリング320の耐用年数を減少させる可能性がある。幾つかの実現形態では、第2の距離362は、約2mm~約10mmの範囲であってよい。
【0053】
幾つかの実現形態では、導電性部材350の厚さ364は、約1mm以下であってよい。導電性部材350は、任意の適切な厚さ364を有することができることを理解されたい。例えば、幾つかの実現形態では、導電性部材350の厚さ364は、1mmより大きくすることができる。
【0054】
ここで図6および図7を参照すると、本開示の更なる別の例示的な実施形態による台座アセンブリ400が提供される。示されるように、台座アセンブリ400は、静電チャック410を含むことができる。静電チャック410は、ベースプレート412を含むことができる。ベースプレートは、第1の軸線402(例えば、垂直軸線)と、第1の軸線402に対して実質的に垂直(例えば、90°からの差が15°未満、10°未満、5°未満、1°未満など)である第2の軸線404(例えば、水平軸線)とに沿って延在することができる。幾つかの実現形態では、ベースプレート412は、ベースプレートの温度を下げる(例えば、冷却する)ために、流体(例えば、水)が流れる1つ以上の通路を規定することができる。
【0055】
静電チャック410は、パック414をさらに含むことができる。パック414は、ベースプレート412上に配置することができる。パック414は、ワークピース106を支持するように構成することができる。幾つかの実現形態では、パック414は、静電気を介してワークピース106を保持するように構成された1つ以上のクランプ電極を含むことができる。
【0056】
台座アセンブリ400は、フォーカスリング420を含むことができる。フォーカスリング420は、ワークピース106が静電チャック410上に位置決めされたときに、フォーカスリング420がワークピース106の周囲を囲むように、静電チャック410に対して配置することができる。幾つかの実現形態では、フォーカスリング420は、誘電性材料を含むことができる。例えば、幾つかの実現形態では、誘電性材料は、酸化アルミニウム(Al)または酸化イットリウム(Y)を含むことができる。代替的な実現形態では、誘電性材料は、石英を含むことができる。しかしながら、フォーカスリング420は、任意の適切な誘電性材料を含むことができることを理解されたい。
【0057】
台座アセンブリ400は、複数の絶縁体を含むことができる。例えば、幾つかの実現形態では、複数の絶縁体は、第1の絶縁体430(例えば、上部リング)と、第2の絶縁体432(例えば、カバーリング)と、第3の絶縁体434(例えば、クランプリング)とを含むことができる。代替的な実現形態では、台座アセンブリ400は、より多くのまたはより少ない絶縁体を含むことができる。複数の絶縁体は、任意の適切な誘電性材料を含むことができることを理解されたい。例えば、幾つかの実現形態では、第1の絶縁体430および第2の絶縁体432はそれぞれ、石英材料を含むことができる。代替的または付加的に、第3の絶縁体434は、イットリウム被覆を施したアルミニウムを含むことができる。
【0058】
台座アセンブリ400は、フォーカスリング420の下面と複数の絶縁体のうちの1つとの間に位置決めされた導電性部材440を含むことができる。例えば、導電性部材440は、フォーカスリング420の下面と第1の絶縁体430(例えば、上部リング)との間に位置決めすることができる。このようにして、導電性部材440は、フォーカスリング420上に堆積する、ワークピース106のプラズマ処理に関連する微粒子の量を低減するように位置決めすることができる。
【0059】
幾つかの実現形態では、導電性部材440は、金属を含むことができる。例えば、導電性部材440は、アルミニウムを含むことができる。さらに、そのような実現形態では、導電性部材440の表面は陽極酸化することができる。代替的な実現形態では、導電性部材440は、半導体材料を含むことができる。幾つかの実現形態では、導電性部材440は、導電性のリングであってよい。代替的な実現形態では、導電性部材440は、異なる形状を有することができる。
【0060】
ここで図8を参照すると、本開示の更なる別の例示的な実施形態に従って、別の台座アセンブリ500が提供される。台座アセンブリ500は、図6および図7を参照して上述した台座アセンブリ400と実質的に同じ様式で構成することができる。例えば、台座アセンブリ500は、静電チャック410と、フォーカスリング420とを含むことができる。しかしながら、台座アセンブリ500は、フォーカスリング420の下面と第1の絶縁体430(図6)との間に位置決めされた導電性部材440(図7)を含まない。その代わりに、台座アセンブリ500は、第1の絶縁体430を導電性部材510に置き換える。このようにして、図8の台座アセンブリ500は、図6および図7の台座アセンブリ400よりも少ない絶縁体を含む。より具体的には、図8の台座アセンブリ500は、第1の絶縁体520(例えば、カバーリング)と、第2の絶縁体522(例えば、クランプリング)とを含む。
【0061】
示されるように、導電性部材510は、フォーカスリング420の下面と第1の絶縁体520(例えば、カバーリング)との間に位置決めされる。幾つかの実現形態では、導電性部材510は、炭化ケイ素(SiC)を含むことができる。しかしながら、導電性部材510は、任意の適切な導電性材料を含むことができることを理解されたい。幾つかの実現形態では、導電性部材510は、導電性のリングであってよい。代替的な実現形態では、導電性部材510は、異なる形状を有することができる。
【0062】
本発明に対するこれらの改良および変形および他の改良および変形は、添付の特許請求の範囲により特に説明される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者が実施することができる。加えて、様々な実施形態の態様は、全体または一部を入れ替えてもよいことを理解されたい。さらに、当業者であれば、前述の説明は例示であって、そのような添付の特許請求の範囲にさらに記載される本発明を限定することを意図していないことを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】