(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039460
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】止血弁の開閉機構、長尺状医療機器の固定機構および医療用コネクタ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/06 20060101AFI20230314BHJP
【FI】
A61M39/06 122
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146546
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】弁理士法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近野 一郎
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066CC03
(57)【要約】
【課題】開閉機構の操作性を向上させる。
【解決手段】貫通部材は、止血弁を閉状態とする第1の位置と、止血弁を押圧して開状態にする第2の位置とに位置し得る。リングピンは、貫通部材を取り囲むリング状の本体部と、本体部から突出したピン部とを有する。付勢部材は、貫通部材を基端側に付勢する。リングピンのピン部は、貫通部材の表面に形成された動作規制溝に遊嵌している。動作規制溝には、貫通部材が第1の位置にあるときにピン部が嵌まる閉位置部と、該状態から貫通部材が第2の位置より先端側の位置に至ったときにピン部が嵌まる第1頂部と、該状態から貫通部材が第2の位置に変位したときに貫通部材の基端側への移動を規制するようにピン部が嵌まる開保持部と、該状態から貫通部材が第2の位置より先端側の位置に至ったときにピン部が嵌まる第2頂部とが形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
止血弁の開閉機構であって、
先端側開口と基端側開口とに連通する管腔が形成された管状のハウジングと、
前記ハウジング内に取り付けられた止血弁であって、通常時は閉状態にあり、基端側から押圧されると前記ハウジングの前記先端側開口に連通する貫通孔が形成された開状態となる止血弁と、
前記止血弁より基端側において前記管腔の延伸方向である第1の方向に沿って摺動可能に前記ハウジング内に収容され、貫通孔が形成された貫通部材であって、前記止血弁を閉状態とする第1の位置と、前記第1の位置から前記第1の方向に沿って先端側に変位した第2の位置であって、前記止血弁を押圧することによって前記止血弁を前記開状態にして前記止血弁の前記貫通孔と前記貫通部材の前記貫通孔とを連通させる第2の位置と、に位置し得る貫通部材と、
前記貫通部材の外周面を取り囲むリング状の本体部と、前記本体部から径方向内側に突出したピン部と、を有するリングピンであって、前記止血弁より基端側において前記第1の方向の移動が規制され、かつ、前記第1の方向まわりの回転が許容された状態で前記ハウジング内に収容されたリングピンと、
前記貫通部材を基端側に付勢する付勢部材と、
を備え、
前記貫通部材の表面には、一周で繋がっている動作規制溝が形成されており、
前記リングピンの前記ピン部は、前記動作規制溝に遊嵌しており、
前記動作規制溝には、前記貫通部材が前記第1の位置にある第1状態のときに、前記貫通部材の先端側への移動を規制することなく前記ピン部が嵌まる閉位置部と、前記第1状態から前記貫通部材が前記第2の位置より先端側の位置に至った第2状態のときに、前記貫通部材の基端側への移動を規制することなく前記ピン部が嵌まる第1頂部と、前記第2状態から前記貫通部材が前記付勢部材の付勢力によって前記第2の位置に変位した第3状態のときに、前記貫通部材の基端側への移動を規制するように前記ピン部が嵌まる開保持部と、前記第3状態から前記貫通部材が前記第2の位置より先端側の位置に至った第4状態のときに、前記貫通部材の基端側への移動を規制することなく前記ピン部が嵌まる第2頂部と、が形成されている、
止血弁の開閉機構。
【請求項2】
請求項1に記載の止血弁の開閉機構であって、
前記貫通部材における前記貫通孔の外周側には、前記第1の方向に延伸する中空環状の収容孔が形成されており、
前記貫通部材の外周面には、前記第1の方向に延伸すると共に前記収容孔に連通するスリットが形成されており、
前記付勢部材は、筒状であり、前記貫通部材の前記収容孔に収容されており、
前記ハウジングの内周面には、径方向内側に突出する凸部であって、前記貫通部材の前記スリット内に挿入されて前記付勢部材の先端側への移動を規制する凸部が形成されている、
止血弁の開閉機構。
【請求項3】
長尺状医療機器の固定機構であって、
前記長尺状医療機器が挿入される貫通孔が形成された可撓性の円管状体と、
前記円管状体を収容する管腔が形成された管状のシャフト部材であって、前記管腔と外周面とを連通する少なくとも2つのスリット孔と、各スリット孔について設けられた支持部と、が形成されたシャフト部材と、
前記シャフト部材の外周側において前記支持部を支点に回動可能に前記支持部に支持された少なくとも2つのバルブレバーであって、それぞれ、外周側に突出するレバー部と、前記バルブレバーの回動に伴い前記シャフト部材の前記スリット孔を介して前記円管状体に干渉可能な位置に設けられた爪部と、を有すると共に、凹部が形成された、少なくとも2つのバルブレバーと、
前記シャフト部材を取り囲むように配置され、張力がかかった状態で各前記バルブレバーの前記凹部に係合する弾性体と、
各前記バルブレバーの前記レバー部に干渉する位置で、前記円管状体の軸方向である第1の方向に摺動する動力付与部材と、
を備え、
前記動力付与部材の第1の位置から第2の位置への摺動に伴い、各前記バルブレバーの前記レバー部が押圧されることによって前記バルブレバーが回動して、前記爪部が前記円管状体から離隔した第1の状態となり、かつ、前記動力付与部材の前記第2の位置から前記第1の位置への摺動に伴い、各前記バルブレバーの前記レバー部が押圧されることによって前記バルブレバーが回動して、前記爪部が前記円管状体に干渉して前記円管状体の前記貫通孔の内径が小さくなるように変形する第2の状態となるように構成されている、
長尺状医療機器の固定機構。
【請求項4】
請求項3に記載の長尺状医療機器の固定機構であって、
前記円管状体を挟んで互いに対向する2つの前記バルブレバーの組を複数備え、
前記バルブレバーの各組における前記第2の状態における前記爪部の位置は、前記第1の方向に沿って互いに異なる、
長尺状医療機器の固定機構。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の止血弁の開閉機構と、
請求項3または請求項4に記載の長尺状医療機器の固定機構と、
を備える、医療用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、止血弁の開閉機構、長尺状医療機器の固定機構および医療用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
Yコネクタは、ガイディングカテーテルに接続されて使用される医療用コネクタである。Yコネクタは、主管部と、主管部から分岐した分岐管部とを有しており、主管部を介して例えばガイドワイヤやカテーテル等の長尺状医療機器がガイディングカテーテル内に導入され、分岐管部を介して例えば造影剤や生理食塩水等の液剤が供給される。Yコネクタには、主管部の管腔を介した血液の流出を抑制する止血弁を開閉するための開閉機構と、長尺状医療機器を固定するための固定機構とが設けられている。
【0003】
従来のYコネクタにおける止血弁の開閉機構では、主管部の管腔と同軸の貫通孔が形成された貫通部材(オープナー)が設けられており、貫通部材に対して、主管部の管腔の軸線方向に平行な方向に押圧する操作を行うことにより、貫通部材が止血弁を押圧して止血弁が開放された開状態と、貫通部材が止血弁から離隔して止血弁が閉鎖された閉状態とを切り替える(例えば、特許文献1参照)。このとき、回転カムを有するいわゆるダブルノック機構により、手技者による貫通部材への押圧操作が解除された後も、止血弁の開状態または閉状態が保持される。また、従来のYコネクタにおける長尺状医療機器の固定機構では、長尺状医療機器が挿通される貫通孔が形成された弾性の固定弁が設けられており、スクリュを回転操作して軸線方向に移動させ、これに伴いプッシャを軸線方向に移動させることにより、固定弁がプッシャに押圧されて弾性変形し、固定弁の貫通孔の内径が縮小して長尺状医療機器が固定された固定状態と、固定弁がプッシャに押圧されず、固定弁の貫通孔の内径が拡大して長尺状医療機器の固定が解除された固定解除状態とを切り替える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のYコネクタの構成では、止血弁の開状態または閉状態の保持のために、カム機構が全周にわたって形成された回転カムを利用しているため、貫通部材を基端側に付勢する付勢部材を、カム機構との干渉を避けて止血弁と貫通部材との間に設置する必要があり、装置の全長が大きくなるという課題がある。そのため、止血弁の開閉機構として新たな設計が求められている。また、上述した従来のYコネクタの構成では、長尺状医療機器の固定/固定解除操作が、スクリュを回転させる操作であるため、操作が煩雑である上に、長尺状医療機器の固定具合を触感や視覚的に捉えることができないという課題がある。なお、このような課題は、Yコネクタに限らず、止血弁の開閉機構および/または長尺状医療機器の固定機構を備える医療用コネクタに共通の課題である。
【0006】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本明細書に開示される止血弁の開閉機構は、ハウジングと、止血弁と、貫通部材と、リングピンと、付勢部材とを備える。ハウジングは、先端側開口と基端側開口とに連通する管腔が形成された管状の部材である。止血弁は、ハウジング内に取り付けられており、通常時は閉状態にあり、基端側から押圧されると前記ハウジングの前記先端側開口に連通する貫通孔が形成された開状態となる。貫通部材は、貫通孔が形成された部材であり、前記止血弁より基端側において前記管腔の延伸方向である第1の方向に沿って摺動可能に前記ハウジング内に収容されている。貫通部材は、前記止血弁を閉状態とする第1の位置と、前記第1の位置から前記第1の方向に沿って先端側に変位した第2の位置とに位置し得る。第2の位置は、前記止血弁を押圧することによって前記止血弁を前記開状態にして前記止血弁の前記貫通孔と前記貫通部材の前記貫通孔とを連通させる位置である。リングピンは、前記貫通部材の外周面を取り囲むリング状の本体部と、前記本体部から径方向内側に突出したピン部と、を有する。リングピンは、前記止血弁より基端側において前記第1の方向の移動が規制され、かつ、前記第1の方向まわりの回転が許容された状態で前記ハウジング内に収容されている。付勢部材は、前記貫通部材を基端側に付勢する。前記貫通部材の表面には、一周で繋がっている動作規制溝が形成されており、前記リングピンの前記ピン部は、前記動作規制溝に遊嵌している。前記動作規制溝には、閉位置部と、第1頂部と、開保持部と、第2頂部と、が形成されている。閉位置部は、前記貫通部材が前記第1の位置にある第1状態のときに、前記貫通部材の先端側への移動を規制することなく前記ピン部が嵌まる部分である。第1頂部は、前記第1状態から前記貫通部材が前記第2の位置より先端側の位置に至った第2状態のときに、前記貫通部材の基端側への移動を規制することなく前記ピン部が嵌まる部分である。開保持部は、前記第2状態から前記貫通部材が前記付勢部材の付勢力によって前記第2の位置に変位した第3状態のときに、前記貫通部材の基端側への移動を規制するように前記ピン部が嵌まる部分である。第2頂部は、前記第3状態から前記貫通部材が前記第2の位置より先端側の位置に至った第4状態のときに、前記貫通部材の基端側への移動を規制することなく前記ピン部が嵌まる部分である。
【0009】
このように、本開閉機構では、貫通部材が第1の位置に位置し止血弁が閉状態にあるときに、貫通部材が押圧力を受けて第1の方向に沿ってハウジングの内部側に摺動すると、貫通部材が第2の位置より先端側の位置まで移動し、その結果、リングピンのピン部が、動作規制溝において、貫通部材の基端側への移動を規制することなく嵌まる部分である第1頂部に至る。その後、貫通部材に対する押圧力が解除されると、貫通部材が付勢部材の付勢力によって基端側に第2の位置まで移動し、止血弁が開状態から閉状態に切り替わる。このとき、リングピンのピン部が動作規制溝における第1頂部から開保持部に移動することにより、貫通部材の基端側への移動が規制されて貫通部材が第2の位置に維持されるため、止血弁の開状態が維持される。また、再度、貫通部材が押圧力を受けて第1の方向に沿ってハウジングの内部側に摺動すると、貫通部材が第2の位置より先端側の位置まで移動し、その結果、リングピンのピン部が、動作規制溝において、貫通部材の基端側への移動を規制することなく嵌まる部分である第2頂部に至る。その後、貫通部材に対する押圧力が解除されると、貫通部材が付勢部材の付勢力によって基端側に第1の位置まで移動し、止血弁が開状態から閉状態に切り替わる。そのため、本開閉機構によれば、手技者が貫通部材を押圧する操作を行う毎に、止血弁の開閉状態を切り替え、かつ、該状態を保持することができるため、開閉機構の操作性を向上させることができる。
【0010】
(2)上記止血弁の開閉機構において、前記貫通部材における前記貫通孔の外周側には、前記第1の方向に延伸する中空環状の収容孔が形成されており、前記貫通部材の外周面には、前記第1の方向に延伸すると共に前記収容孔に連通するスリットが形成されており、前記付勢部材は、筒状であり、前記貫通部材の前記収容孔に収容されており、前記ハウジングの内周面には、径方向内側に突出する凸部であって、前記貫通部材の前記スリット内に挿入されて前記付勢部材の先端側への移動を規制する凸部が形成されている構成としてもよい。本止血弁の開閉機構によれば、付勢部材を貫通部材内に配置することができ、付勢部材を止血弁と貫通部材との間に設置する構成と比較して、装置の全長を短くすることができる。
【0011】
(3)本明細書に開示される長尺状医療機器の固定機構は、円管状体と、シャフト部材と、少なくとも2つのバルブレバーと、弾性体と、動力付与部材とを備える。円管状体は、前記長尺状医療機器が挿入される貫通孔が形成された可撓性の円管状部材である。シャフト部材と、前記円管状体を収容する管腔が形成された管状の部材である。シャフト部材には、前記管腔と外周面とを連通する少なくとも2つのスリット孔と、各スリット孔について設けられた支持部と、が形成されている。各バルブレバーは、前記シャフト部材の外周側において前記支持部を支点に回動可能に前記支持部に支持されている。各バルブレバーは、外周側に突出するレバー部と、前記バルブレバーの回動に伴い前記シャフト部材の前記スリット孔を介して前記円管状体に干渉可能な位置に設けられた爪部と、を有すると共に、凹部が形成されている。弾性体と、前記シャフト部材を取り囲むように配置され、張力がかかった状態で各前記バルブレバーの前記凹部に係合している。動力付与部材は、各前記バルブレバーの前記レバー部に干渉する位置で、前記円管状体の軸方向である第1の方向に摺動する部材である。本固定機構は、前記動力付与部材の第1の位置から第2の位置への摺動に伴い、各前記バルブレバーの前記レバー部が押圧されることによって前記バルブレバーが回動して、前記爪部が前記円管状体から離隔した第1の状態となり、かつ、前記動力付与部材の前記第2の位置から前記第1の位置への摺動に伴い、各前記バルブレバーの前記レバー部が押圧されることによって前記バルブレバーが回動して、前記爪部が前記円管状体に干渉して前記円管状体の前記貫通孔の内径が小さくなるように変形する第2の状態となるように構成されている。
【0012】
このように、本固定機構では、動力付与部材を円管状体の延伸方向である第1の方向に沿って第2の位置から第1の位置に摺動させることにより、各バルブレバーを、円管状体に干渉していない第1の状態から円管状体に干渉している第2の状態へと切り替えることができ、これにより、各バルブレバーの爪部に押圧されて円管状体の貫通孔の内径が小さくなり、長尺状医療機器を固定することができる。このとき、弾性体の張力によって各バルブレバーが第2の状態に保持されることにより、長尺状医療機器が固定された状態が維持される。また、動力付与部材を第1の方向に沿って第1の位置から第2の位置に摺動させることにより、各バルブレバーを、第2の状態から第1の状態へと切り替えることができ、これにより、各バルブレバーの爪部による円管状体への干渉が解除され、長尺状医療機器の固定状態が解除される。このとき、弾性体の張力によって各バルブレバーが第1の状態に保持されることにより、長尺状医療機器の固定が解除された状態が維持される。そのため、本固定機構によれば、動力付与部材を摺動させる操作という、従来のスクリュを回転させるという操作と比べて容易な操作で、長尺状医療機器の固定および固定解除を実現することができると共に、長尺状医療機器の固定具合を触感や視覚により把握することができるため、固定機構の操作性を向上させることができる。
【0013】
(4)上記長尺状医療機器の固定機構において、前記円管状体を挟んで互いに対向する2つの前記バルブレバーの組を複数備え、前記バルブレバーの各組における前記第2の状態における前記爪部の位置は、前記第1の方向に沿って互いに異なる構成としてもよい。本長尺状医療機器の固定機構によれば、複数のバルブレバーの組の爪部により、円管状体における第1の方向に沿った複数の位置において長尺状医療機器を固定することができ、長尺状医療機器の固定の確実性を向上させることができる。
【0014】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、止血弁の開閉機構、長尺状医療機器の固定機構、止血弁の開閉機構および/または長尺状医療機器の固定機構を備える医療用コネクタ、医療用コネクタを備える医療機器等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態における医療用コネクタの構成を示す説明図
【
図2】
図1に示す医療用コネクタの止血弁の開閉機構の構成を示す説明図
【
図6】開閉機構のハウジングの基端側部分およびリングピンの外観構成を示す斜視図
【
図7】ハウジングの先端側部分および止血弁の外観構成を示す斜視図
【
図8】開閉機構における貫通部材の外観構成を示す斜視図
【
図10】貫通部材の動作規制溝におけるリングピンのピン部の位置を示す説明図
【
図11】貫通部材の動作規制溝におけるリングピンのピン部の位置を示す説明図
【
図12】本実施形態における固定機構の構成を示す説明図
【
図18】固定機構のシャフト部材の外観構成を示す斜視図
【
図19】固定機構の円管状体の外観構成を示す斜視図
【
図20】固定機構のバルブレバーの外観構成を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.実施形態:
A-1.医療用コネクタの構成:
図1は、本実施形態における医療用コネクタの構成を示す説明図である。
図1には、医療用コネクタ10の縦断面(YZ断面)の構成を示している。本実施形態の医療用コネクタ10は、ローテータ20を介してガイディングカテーテルGCに接続されて使用されるYコネクタである。本明細書では、医療用コネクタ10において、ガイディングカテーテルGCが接続される側(Z軸正方向側)を先端側といい、その反対側(Z軸負方向側)を基端側という。また、医療用コネクタ10およびその各構成部材について、先端側の端を「先端」といい、先端およびその近傍を「先端部」といい、基端側の端を「基端」といい、基端およびその近傍を「基端部」という。また、説明の便宜上、Z軸方向を前後方向ともいい、Y軸方向を上下方向ともいい、Y軸正方向を上方向ともいい、Y軸負方向を下方向ともいい、X軸方向を左右方向ともいう。ただし、医療用コネクタ10の姿勢はこれに限られない。
【0017】
医療用コネクタ10は、前後方向に延びる管状の主管部11と、その先端部付近から分岐して上方基端側に向かって斜めに延びる管状の分岐管部12と、を有する。主管部11には、前後方向に延びて主管部11を貫通する管腔13が形成されており、該管腔13を介して例えばガイドワイヤやカテーテル等の長尺状医療機器(図示せず)がガイディングカテーテルGC内に導入される。また、分岐管部12には、管腔13に連通する管腔14が形成されており、分岐管部12の端部に接続される液剤供給器(図示せず)から該管腔14を介して、例えば造影剤や生理食塩水等の液剤が供給される。
【0018】
医療用コネクタ10は、止血弁の開閉機構100と、長尺状医療機器の固定機構200と、を備える。開閉機構100は、固定機構200より基端側に設けられる。また、医療用コネクタ10における固定機構200より先端側の部分は、主管部11の先端部および分岐管部12として機能するジョイント部材300により構成されている。以下、開閉機構100および固定機構200の構成をこの順番に説明する。
【0019】
なお、医療用コネクタ10は、医師等の手技者によって把持されて使用される。例えば、手技者は、
図1に示す姿勢の医療用コネクタ10の主管部11を人差し指から小指までの4本の指が上方から被さるように主管部11を握り、親指が開閉機構100の貫通部材140の基端部または固定機構200の動力付与部材270の基端部付近に位置するように、医療用コネクタ10を把持する。
【0020】
A-2.止血弁の開閉機構100の構成:
次に、止血弁の開閉機構100の構成について説明する。
図2から
図5は、本実施形態における開閉機構100の構成を示す説明図である。
図2および
図3には、その縦断面(YZ断面)を、
図4および
図5には、その外観斜視図を示している。
図2および
図4には、止血弁120が閉鎖された状態の開閉機構100(以下「閉状態開閉機構100c」という)を示しており、
図3および
図5には、止血弁120が開放された状態の開閉機構100(以下「開状態開閉機構100o」という)を示している。
【0021】
開閉機構100は、管腔13(
図1)を介した血液の流出を抑制する止血弁120を開閉するための機構である。本実施形態の開閉機構100は、貫通部材140に対して手技者による押圧操作がなされる毎に、止血弁120が閉鎖された状態と、止血弁120が開放された状態との間で切り替わる機構である。開閉機構100は、ハウジング110と、止血弁120と、貫通部材140と、リングピン160と、付勢部材106とを備える。
【0022】
図2および
図3に示すように、ハウジング110は、先端側開口112と基端側開口111とが形成され、それらに連通する管腔113が形成された管状部材である。ハウジング110に形成された管腔113は、前後方向(Z軸方向)に延伸する貫通孔であり、医療用コネクタ10の主管部11の管腔13の一部を構成する。ハウジング110は、例えば樹脂により形成されている。なお、
図4および
図5では、ハウジング110の図示を省略している。Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向の一例である。
【0023】
本実施形態では、ハウジング110は、前後方向に並ぶ3つの部分、すなわち、先端側部分110Dと、中間部分110Mと、基端側部分110Pと、を有する。これらの部分はそれぞれ、前後方向に延伸する管腔が形成された管状部材である。基端側部分110Pの先端部の管腔に中間部分110Mの基端部が挿入されて固定され、かつ、中間部分110Mの先端部の管腔に先端側部分110Dの基端部が挿入されて固定されることにより、基端側部分110P、中間部分110Mおよび先端側部分110Dが一体となってハウジング110を構成している。
【0024】
図6は、ハウジング110の基端側部分110Pおよびリングピン160の外観構成を示す斜視図である。
図2、
図3および
図6に示すように、ハウジング110の基端側部分110Pの基端部には、外周方向に突出するフランジ部115が形成されている。また、基端側部分110Pの前後方向略中央付近における内周面には、径方向内側に突出する凸部114が形成されている。本実施形態では、基端側部分110Pに、径方向に互いに対向する2つの凸部114が形成されている。
【0025】
図7は、ハウジング110の先端側部分110Dおよび止血弁120の外観構成を示す斜視図である。
図2、
図3および
図7に示すように、先端側部分110Dの先端部には、外周面から径方向中心に向かって延伸する第1壁部116が形成されている。Z軸方向視での第1壁部116の形状は、管腔113を構成する孔が形成された円環状である。また、先端側部分110Dの先端部には、さらに、第1壁部116の先端から基端側に向かって延伸する第2壁部117が形成されている。第2壁部117は、前後方向に延びる略円筒状である。第1壁部116および第2壁部117の存在により、先端側部分110Dの先端部には、略中空円筒状の収容空間118が形成されている。
【0026】
図2から
図5および
図7に示すように、止血弁120は、略円板状の本体部127と、その外周部から先端側に突出した略円筒状の凸部128と、を有する部材であり、例えばシリコンゴムといった弾性材料により形成されている。止血弁120は、ハウジング110の先端部の内部に収容されている。より詳細には、凸部128がハウジング110の先端側部分110Dに形成された収容空間118に挿入されることにより、止血弁120がハウジング110に固定されている。本体部127におけるZ軸方向視での略中央の位置には、スリット121が形成されている(
図4)。止血弁120は、通常時には、スリット121が閉じて弁が閉鎖された閉状態にある(
図2および
図4)。止血弁120が閉状態にあるときには、止血弁120によって管腔113が閉鎖され、管腔113を介した止血弁120より基端側への血液の流出が抑制される。また、止血弁120は、基端側から押圧されると、スリット121により分けられた各片が先端側に変位するように弾性変形し、止血弁120を前後方向に貫通する貫通孔122が形成された開状態となる(
図3および
図5)。開状態において貫通孔122は、管腔113を介して先端側開口112に連通している。そのため、止血弁120が開状態にあるときには、管腔113が止血弁120の位置で閉鎖されず、開通した状態となる。基端側からの押圧力がなくなると、止血弁120は弾性変形して閉状態に戻る。
【0027】
図8および
図9は、本実施形態における貫通部材140の外観構成を示す斜視図である。本実施形態では、貫通部材140は、前後方向に並ぶ3つの部分、すなわち、先端側部分140Dと、中間部分140Mと、基端側部分140Pと、を有する。なお、
図9では、貫通部材140の内部構成を示すために、中間部分140Mの図示を省略している。先端側部分140D、中間部分140Mおよび基端側部分140Pは、互いに接合されて一体となって貫通部材140を構成している。貫通部材140は、前後方向に延びる貫通孔142が形成された部材であり、例えば樹脂により形成されている。
【0028】
貫通部材140の基端側部分140Pの基端部には、外周方向に突出するフランジ部145が形成されている。また、先端側部分140Dの先端部144は、他の部分より細径となっている。また、中間部分140Mおよび基端側部分140Pにおける貫通孔142の外周側には、前後方向に延伸する中空円環状の収容孔147が形成されている。収容孔147の基端は、基端側部分140Pの基端まで延伸しており、収容孔147の先端は、中間部分140Mの先端部付近まで延伸している。また、貫通部材140の外周面には、前後方向に延伸するスリット148が形成されている。本実施形態では、貫通部材140の外周面に、径方向に互いに対向する2つのスリット148が形成されている。各スリット148の先端は開口しており、スリット148の基端は基端側部分140Pの先端部付近まで至っている。各スリット148は、収容孔147に連通している。また、貫通部材140の中間部分140Mの外周面には、動作規制溝40が形成されている。動作規制溝40は、いわゆるハートカム溝であり、ハート型に一周で繋がっている溝である。なお、
図2および
図3に示すように、先端部144の外周には、前後方向視で略C状の平板状のリング部材102が取り付けられている。
【0029】
図2および
図3に示すように、貫通部材140は、ハウジング110の内部における止血弁120より基端側に収容されている。ハウジング110に収容された貫通部材140において、貫通孔142は、ハウジング110の管腔113に連通している。また、貫通部材140の貫通孔142と、ハウジング110の管腔113とは、互いに同軸である。また、貫通部材140の基端側部分140Pの基端部は、ハウジング110から露出しており、医師等の手技者による押圧操作が可能となっている。
【0030】
貫通部材140は、ハウジング110に対して上下方向および左右方向の位置が決められた状態で、前後方向に摺動可能となっている。貫通部材140は、貫通孔142が前後方向において止血弁120のスリット121と対向するように位置決めされている。前後方向に摺動可能な貫通部材140は、先端部144が止血弁120を押圧することによって止血弁120を開状態にする押圧位置P2(
図3および
図5)と、止血弁120を押圧せずに止血弁120を閉状態にする非押圧位置P1(
図2および
図4)と、に位置し得る。本実施形態では、非押圧位置P1に位置する貫通部材140は、止血弁120から基端側に離隔しているが、止血弁120に接するように貫通部材140を配置して、スリット121が後方向に変形することを規制してもよい。
図3および
図5に示すように、貫通部材140が押圧位置P2に位置する状態では、貫通孔122と貫通孔142とが互いに連通する。押圧位置P2は、特許請求の範囲における第2の位置の一例であり、非押圧位置P1は、特許請求の範囲における第1の位置の一例である。
【0031】
付勢部材106は、例えば略円筒状のバネである。バネは、例えばステンレス等の金属により形成されている。
図2および
図3に示すように、付勢部材106は、貫通部材140に形成された中空環状の収容孔147に収容されている。収容孔147は、貫通部材140の基端側に取り付けられた蓋部材108によって塞がれている。収容孔147に収容された付勢部材106の基端は、蓋部材108の先端側表面に当接している。また、付勢部材106の先端は、ハウジング110の凸部114に当接している。そのため、付勢部材106は、ハウジング110に対して貫通部材140を基端側に付勢している。付勢された貫通部材140は、手技者による押圧操作を受けない状態では、止血弁120を押圧しない非押圧位置P1(
図2および
図4)に位置する。
【0032】
図2から
図6に示すように、リングピン160は、リング状の本体部161と、本体部161から径方向内側に突出したピン部162と、を有する部材であり、例えば樹脂により形成されている。本体部161は、貫通部材140の外周面を取り囲むように配置されており、本体部161が有するバネ性によってピン部162を貫通部材140の表面に形成された動作規制溝40に押しつけるように、貫通部材140に嵌められている。ピン部162は、動作規制溝40に遊嵌している。
図2および
図3に示すように、リングピン160は、止血弁120より基端側の位置に収容されている。リングピン160は、ハウジング110内において、中間部分110Mの基端側表面と基端側部分110Pの先端側表面とに挟まれることによって、前後方向の移動が規制されている。一方、リングピン160は、Z軸まわりの回転が許容されている。
【0033】
動作規制溝40におけるピン部162の位置は、貫通部材140の前後方向(Z軸方向)の摺動に伴い変化する。
図10および
図11は、本実施形態における動作規制溝40におけるピン部162の位置を示す説明図である。
図10および
図11には、貫通部材140、リングピン160および止血弁120の平面構成を示している。
図10には、貫通部材140が非押圧位置P1にあって止血弁120が閉鎖された閉状態開閉機構100cを示しており、
図11には、貫通部材140が押圧位置P2にあって止血弁120に貫通孔122が形成された開状態開閉機構100oを示している。
【0034】
図10および
図11に白抜き矢印で示すように、貫通部材140の前後方向(Z軸方向)の摺動に伴い、ピン部162は、Z軸まわりに回転揺動しつつ、動作規制溝40内を一方向に(図示の例では反時計回りに)相対移動する。すなわち、
図10に示すように、貫通部材140が非押圧位置P1にある第1状態には、ピン部162は、動作規制溝40におけるハート型の底部(以下「閉位置部40A」という)に位置する。この状態では、ピン部162によって貫通部材140の先端側への移動が規制されていない。第1状態から貫通部材140が先端側(Z軸正方向)に移動すると、それに伴い、ピン部162は動作規制溝40内を基端側に相対移動する。貫通部材140が非押圧位置P1から押圧位置P2に変位し、さらに、押圧位置P2より先端側の位置に至った第2状態では、ピン部162は、動作規制溝40におけるハート型の谷部を挟む一対の頂部の一方(以下「第1頂部40B」という)に位置する。この状態では、ピン部162によって貫通部材140の基端側への移動が規制されていない。第2状態から貫通部材140が基端側に少し戻るようにして押圧位置P2に移動した第3状態では、
図11に示すように、ピン部162は動作規制溝40内を先端側に相対移動して、動作規制溝40におけるハート型の谷部(以下「開保持部40C」という)に至る。この状態では、ピン部162と動作規制溝40との干渉により、貫通部材140の基端側への移動が規制され、貫通部材140が押圧位置P2に位置する状態が維持される。第3状態から貫通部材140が先端側に少し移動して押圧位置P2より先端側の位置に至った第4状態では、ピン部162は動作規制溝40内を基端側に相対移動して、動作規制溝40におけるハート型の谷部を挟む一対の頂部の他方(以下「第2頂部40D」という)に位置する。この状態では、ピン部162によって貫通部材140の基端側への移動は規制されていない。第4状態から貫通部材140が基端側へ非押圧位置P1まで移動すると、これに伴い、ピン部162は、動作規制溝40内を先端側に相対移動して、動作規制溝40における閉位置部40Aに戻る(
図10)。なお、本実施形態では、動作規制溝40における各部(閉位置部40A、第1頂部40B、開保持部40Cおよび第2頂部40D)の境界位置に深さ方向の段差が設けられており、ピン部162が動作規制溝40内を逆行することが規制されている。
【0035】
A-3.止血弁120の開閉機構100の動作:
次に、開閉機構100の動作について説明する。初期状態では、
図2および
図4に示すように、貫通部材140は、付勢部材106による付勢力を受けて止血弁120を押圧しない非押圧位置P1に位置する。この状態では、止血弁120は閉鎖されており、開閉機構100は閉状態開閉機構100cとなっている。このとき、
図10に示すように、ピン部162は、動作規制溝40における閉位置部40Aに位置する。
【0036】
例えば医療用コネクタ10を把持する手技者の親指により、フランジ部145に対し、ハウジング110の内部側に押圧する弁開放操作が加えられると、貫通部材140は、付勢部材106による付勢力に抗して非押圧位置P1から先端側に摺動する。これに伴い、ピン部162は、動作規制溝40内を基端側に相対移動する。貫通部材140が一定距離以上、先端側に移動すると、貫通部材140の先端部144が止血弁120を押圧して止血弁120を開状態にする。貫通部材140が押圧位置P2より先端側の位置に至り、ピン部162が動作規制溝40の第1頂部40Bに至った後に、手技者による弁開放操作が解除されると、
図11に示すように、貫通部材140が付勢部材106の付勢力によって基端側に少し戻り、これに伴い、ピン部162が動作規制溝40内を先端側に相対移動して開保持部40Cに至る。この状態では、ピン部162と動作規制溝40との干渉により貫通部材140の基端側への移動が規制されているため、貫通部材140が押圧位置P2に位置する状態が維持される。その結果、開閉機構100は
図3および
図5に示す開状態開閉機構100oとなる。
【0037】
また、開閉機構100が開状態開閉機構100oとなっているときに、例えば手技者の親指により、弁開放操作と同様に、フランジ部145に対し、ハウジング110の内部側に押圧する弁閉鎖操作が加えられると、貫通部材140は、付勢部材106による付勢力に抗して押圧位置P2から先端側に摺動する。これに伴い、ピン部162は、動作規制溝40における開保持部40Cから、基端側に相対移動して第2頂部40Dに至る。この状態では、ピン部162により貫通部材140の基端側への移動は規制されていない。そのため、手技者による弁閉鎖操作が解除されると、貫通部材140が付勢部材106の付勢力によって基端側に移動し、非押圧位置P1に戻る。これに伴い、
図10に示すように、ピン部162が、動作規制溝40内を先端側に相対移動して閉位置部40Aに戻る。その結果、止血弁120が閉状態となり、開閉機構100は
図2および
図4に示す閉状態開閉機構100cとなる。
【0038】
このように、貫通部材140に対する押圧操作(弁開放操作および弁閉鎖操作)が行われる毎に、開閉機構100は、閉状態開閉機構100cと開状態開閉機構100oとの間で状態が切り替わる。
【0039】
A-4.止血弁120の開閉機構100の技術的効果:
以上説明したように、開閉機構100では、貫通部材140が非押圧位置P1に位置し止血弁120が閉状態にあるときに、貫通部材140が押圧力を受けて前後方向に沿ってハウジング110の内部側に摺動すると、貫通部材140が押圧位置P2より先端側の位置まで移動し、その結果、ピン部162が、動作規制溝40において、貫通部材140の基端側への移動を規制することなく嵌まる部分である第1頂部40Bに至る。その後、貫通部材140に対する押圧力が解除されると、貫通部材140が付勢部材106の付勢力によって基端側に押圧位置P2まで移動し、止血弁120が開状態から閉状態に切り替わる。このとき、ピン部162が動作規制溝40における第1頂部40Bから開保持部40Cに移動することにより、貫通部材140の基端側への移動が規制されて貫通部材140が押圧位置P2に維持されるため、止血弁120の開状態が維持される。また、再度、貫通部材140が押圧力を受けて前後方向に沿ってハウジング110の内部側に摺動すると、貫通部材140が押圧位置P2より先端側の位置まで移動し、その結果、ピン部162が、動作規制溝40において、貫通部材140の基端側への移動を規制することなく嵌まる部分である第2頂部40Dに至る。その後、貫通部材140に対する押圧力が解除されると、貫通部材140が付勢部材106の付勢力によって基端側に非押圧位置P1まで移動し、止血弁120が開状態から閉状態に切り替わる。そのため、開閉機構100によれば、手技者が貫通部材140を押圧する操作を行う毎に、止血弁120の開閉状態を切り替え、かつ、該状態を保持することができるため、開閉機構100の操作性を向上させることができる。
【0040】
また、開閉機構100では、貫通孔142の外周側には、前後方向に延伸する中空環状の収容孔147が形成されており、貫通部材140の外周面には、前後方向に延伸すると共に収容孔147に連通するスリット148が形成されている。また、付勢部材106は、筒状であり、貫通部材140の収容孔147に収容されており、ハウジング110の内周面には、径方向内側に突出する凸部114であって、貫通部材140のスリット148内に挿入されて付勢部材106の先端側への移動を規制する凸部114が形成されている。そのため、本実施形態の開閉機構100によれば、付勢部材106を貫通部材140内に配置することができ、付勢部材106を止血弁120と貫通部材140との間に設置する構成と比較して、装置の全長を短くすることができる。
【0041】
A-5.長尺状医療機器の固定機構200の構成:
次に、固定機構200の構成について説明する。
図12から
図17は、本実施形態における固定機構200の構成を示す説明図である。
図12および
図13には、そ縦断面(YZ断面)を、
図14および
図15には、その外観斜視図を、
図16および
図17には、その平面(XY平面)、を示している。
図12、
図14および
図16には、ガイドワイヤGW等の長尺状医療機器の固定が解除された状態の固定機構200(以下「解除状態固定機構200n」という)を示しており、
図13、
図15および
図17には、長尺状医療機器が固定された状態の固定機構200(以下「固定状態固定機構200f」という)を示している。
【0042】
固定機構200は、医療用コネクタ10の管腔13(
図1)に挿入された長尺状医療機器を固定したり、固定を解除したりするための機構である。本実施形態の固定機構200は、動力付与部材270に対して手技者による摺動操作がなされる毎に、長尺状医療機器が固定された固定状態と、長尺状医療機器の固定が解除された固定解除状態と、の間で状態が切り替わる機構である。固定機構200は、ハウジング210と、シャフト部材230と、円管状体220と、少なくとも2つのバルブレバー240と、弾性体250と、動力付与部材270とを備える。
【0043】
図12および
図13に示すように、ハウジング210は、略円筒状の部材であり、例えば樹脂により形成されている。ハウジング210の基端の全面は、基端側開口211となっており、ハウジング210の先端には比較的小径の先端側開口212が形成されている。なお、
図14から
図17では、ハウジング210の図示を省略している。
【0044】
図18は、シャフト部材230の外観構成を示す斜視図である。シャフト部材230は、先端から基端まで延びる管腔233が形成された管状部材であり、例えば樹脂により形成されている。
図12および
図13に示すように、シャフト部材230は、先端部がハウジング210の先端側開口212から先端側に突出した状態で、ハウジング210に収容されている。シャフト部材230において、管腔233は前後方向(Z軸方向)に延伸している。
【0045】
シャフト部材230の基端部には、外周方向に突出するフランジ部231が形成されている。フランジ部231の基端側表面は、開閉機構100のハウジング110の先端側部分110D(
図1参照)の先端側表面に当接している。また、シャフト部材230には、その外周面と管腔233とを連通するスリット孔234が形成されている。本実施形態では、シャフト部材230に、周方向に略均等に配置された4つのスリット孔234が形成されている。各スリット孔234は、前後方向に沿って、シャフト部材230の先端からやや基端側の位置からフランジ部231の手前まで延伸している。各スリット孔234の内部には、スリット孔234の対向する2つの側壁間を結ぶように、前後方向に略直交する方向(本実施形態ではX軸方向またはY軸方向)に延びる支持部235が形成されている。支持部235の延伸方向に直交する断面形状は、略半円形状である(
図12および
図13参照)。
【0046】
図19は、円管状体220の外観構成を示す斜視図である。円管状体220は、ガイドワイヤGW等の長尺状医療機器が挿入される貫通孔227が形成された可撓性の円管状部材であり、例えばシリコンゴム等の弾性材料により形成されている。円管状体220は、前後方向に延伸する円管状の本体部222と、本体部222の両端に配置され、本体部222より外径の大きいフランジ部221と、を有する。
【0047】
図12から
図15に示すように、円管状体220は、その軸線が前後方向(Z軸方向)に平行になるような姿勢で、シャフト部材230の管腔233内に収容されている。より詳細には、円管状体220の本体部222は、管腔233内に収容されており、円管状体220の両端のフランジ部221は、管腔233の前後から外部に突出している。円管状体220における貫通孔227は、管腔233と同軸である。また、貫通孔227は、管腔13(
図1参照)の一部を構成する。前後方向(Z軸方向)は、特許請求の範囲における第1の方向の一例である。
【0048】
図20は、バルブレバー240の外観構成を示す斜視図である。バルブレバー240は、ガイドワイヤGW等の長尺状医療機器を固定するための部材であり、例えば樹脂により形成されている。
図12から
図17に示すように、固定機構200は、円管状体220を挟んでY軸方向に互いに対向するように配置された一対のバルブレバー240(第1バルブレバー240A)と、円管状体220を挟んでX軸方向に互いに対向するように配置された一対のバルブレバー240(第2バルブレバー240B)との、合計4つのバルブレバー240を備えている。
【0049】
図20に示すように、各バルブレバー240は、例えば略円板形状のレバー部241と、尖った凸状の爪部242と、を有する。また、各バルブレバー240には、シャフト部材230の支持部235が係合する支持用凹部245が形成されている。
【0050】
図12から
図17に示すように、各バルブレバー240は、シャフト部材230のスリット孔234内において、シャフト部材230の支持部235を支点として回動可能に支持部235に支持されている。各バルブレバー240が支持部235に支持された状態において、各バルブレバー240のレバー部241は、外周側に突出するように形成されている。また、各バルブレバー240の爪部242は、支持部235を支点としたバルブレバー240の回動に伴い、シャフト部材230のスリット孔234を介して円管状体220に干渉可能な位置に設けられている。より具体的には、各バルブレバー240は、支持部235を支点として回動することにより、
図12、
図14および
図16に示すように、爪部242が円管状体220から離隔して円管状体220に干渉しない非干渉状態S1と、
図13、
図15および
図17に示すように、爪部242が円管状体220に干渉して円管状体220の貫通孔227の内径が小さくなるように円管状体220を弾性変形させた干渉状態S2との間で状態が切り替わる。各バルブレバー240が干渉状態S2にあるときには、円管状体220が弾性変形して貫通孔227の内径が小さくなるため、円管状体220の内周面が貫通孔227に挿通されているガイドワイヤGW等の長尺状医療機器に押しつけられ、その結果、長尺状医療機器が固定されて前後方向の摺動が規制される。非干渉状態S1は、特許請求の範囲における第1の状態の一例であり、干渉状態S2は、特許請求の範囲における第2の状態の一例である。
【0051】
なお、上述したように、本実施形態の固定機構200は、Y軸方向に互いに対向するように配置された一対の第1バルブレバー240Aと、X軸方向に互いに対向するように配置された一対の第2バルブレバー240Bと、を備える。一対の第1バルブレバー240Aと、一対の第2バルブレバー240Bとでは、干渉状態S2における爪部242の位置が、前後方向に沿って互いに異なっている。具体的には、一対の第1バルブレバー240Aの干渉状態S2における爪部242の位置は、一対の第2バルブレバー240Bの干渉状態S2における爪部242の位置より先端側である。このような構成は、第1バルブレバー240Aと第2バルブレバー240Bとで、爪部242の形成位置を異ならせることにより実現することができる。このような構成を採用することにより、前後方向に離隔した2つの位置でバルブレバー240の爪部242を円管状体220に干渉させることができ、長尺状医療機器のより確実な固定を実現することができる。また、
図17に示すように、一対の第1バルブレバー240Aのそれぞれの爪部242は、干渉状態S2において互いに略平行になって対向するようなテーパ面を有しており、一対の第1バルブレバー240Aのそれぞれの爪部242のテーパ面で両側から挟み込むことにより、長尺状医療機器のさらに確実な固定が実現される。この点は、一対の第2バルブレバー240Bについても同様である。
【0052】
図20に示すように、各バルブレバー240には、外周側に向けて開口する凹部244が形成されている。
図12から
図15に示すように、各バルブレバー240の凹部244には、弾性体250が係合している。弾性体250は、リング状の部材であり、例えばゴム等の弾性材料により形成されている。弾性体250は、シャフト部材230の外周を取り囲むように配置され、張力がかかった状態で各バルブレバー240の凹部244に係合している。そのため、弾性体250は、各バルブレバー240を非干渉状態S1または干渉状態S2に保持する。すなわち、
図12に示すように、弾性体250が各バルブレバー240を支持するシャフト部材230の支持部235より先端側に位置しているときには、弾性体250の張力により、各バルブレバー240が非干渉状態S1に保持される。この状態から各バルブレバー240が回動することにより、弾性体250がシャフト部材230の支持部235の位置よりも基端側に移動すると、弾性体250の張力により、各バルブレバー240の干渉状態S2に向けた回動が促進され、各バルブレバー240が干渉状態S2になった後に干渉状態S2に保持される。反対に、この状態から各バルブレバー240が回動することにより、弾性体250がシャフト部材230の支持部235の位置よりも先端側に移動すると、弾性体250の張力により、各バルブレバー240の非干渉状態S1に向けた回動が促進され、各バルブレバー240が非干渉状態S1になった後に非干渉状態S1に保持される。なお、各バルブレバー240が干渉状態S2にあるときには、各バルブレバー240による干渉によって円管状体220の貫通孔227の内径が小さくなり、貫通孔227に挿通されている長尺状医療機器が固定されるが、このときの固定力は、弾性体250の張力を調整することにより調整することができる。
【0053】
図12および
図13に示すように、動力付与部材270は、略円筒状の部材であり、例えば樹脂により形成されている。動力付与部材270は、前後方向に摺動可能にハウジング210に収容されている。動力付与部材270の周方向の一部分は、ハウジング210の基端側に突出するように延伸しており、その一部分の基端には、外周方向に突出するフランジ部272が形成されている。フランジ部272は、医師等の手技者による動力付与部材270を摺動させる操作を受け付ける部分である。なお、
図14から
図17では、動力付与部材270の図示を省略している。
【0054】
動力付与部材270の先端部には、各バルブレバー240のレバー部241を挟持する二重壁部273が形成されている。そのため、動力付与部材270は、前後方向に摺動することにより、レバー部241に干渉して、各バルブレバー240を回動させて状態を切り替えることが可能である。より具体的には、
図12に示すように、動力付与部材270が比較的先端側の先端側位置P2にあるときには、各バルブレバー240は非干渉状態S1となる。また、
図13に示すように、動力付与部材270が先端側位置P2よりも基端側の基端側位置P1にあるときには、各バルブレバー240は干渉状態S2となる。先端側位置P2は、特許請求の範囲における第2の位置の一例であり、基端側位置P1は、特許請求の範囲における第1の位置の一例である。
【0055】
A-6.長尺状医療機器の固定機構200の動作:
次に、固定機構200の動作について説明する。初期状態では、
図12に示すように、動力付与部材270が先端側位置P2に位置する。この状態では、
図12、
図14および
図16に示すように、各バルブレバー240は円管状体220に干渉しない非干渉状態S1にあり、円管状体220の貫通孔227に挿通されたガイドワイヤGW等の長尺状医療機器は固定されていない。すなわち、固定機構200は解除状態固定機構200nとなっている。
【0056】
例えば医療用コネクタ10を把持する手技者により、動力付与部材270に対し、基端側に向けて押圧する操作(以下「固定操作」という)が加えられると、動力付与部材270は先端側位置P2から基端側に摺動する。動力付与部材270が先端側位置P2から基端側に摺動すると、動力付与部材270の二重壁部273に挟持された各バルブレバー240のレバー部241に対して基端側に移動する荷重が加えられることにより、各バルブレバー240が、弾性体250の張力に抗して、シャフト部材230の支持部235を支点として回動する。この回動に伴い、各バルブレバー240の凹部244に係合した弾性体250が支持部235の位置よりも基端側に移動すると、弾性体250の張力により、各バルブレバー240の干渉状態S2に向けた回動が促進され、各バルブレバー240が干渉状態S2になった後に干渉状態S2に保持される(
図13、
図15および
図17)。この状態では、各バルブレバー240による干渉によって円管状体220の貫通孔227の内径が小さくなり、貫通孔227に挿通された長尺状医療機器が固定される。その結果、固定機構200は固定状態固定機構200fとなる。なお、このとき、動力付与部材270は基端側位置P1に位置する。
【0057】
また、固定機構200が固定状態固定機構200fとなっているときに、手技者により、動力付与部材270に対し、固定操作とは反対に先端側に向けて押圧する操作(以下「固定解除操作」という)が加えられると、動力付与部材270は基端側位置P1から先端側に摺動する。動力付与部材270が基端側位置P1から先端側に摺動すると、動力付与部材270の二重壁部273に挟持された各バルブレバー240のレバー部241に対して先端側に移動する荷重が加えられることにより、各バルブレバー240が、弾性体250の張力に抗して、シャフト部材230の支持部235を支点として回動する。この回動に伴い、各バルブレバー240の凹部244に係合した弾性体250が支持部235の位置よりも先端側に移動すると、弾性体250の張力により、各バルブレバー240の非干渉状態S1に向けた回動が促進され、各バルブレバー240が非干渉状態S1になった後に非干渉状態S1に保持される(
図12、
図14および
図16)。この状態では、各バルブレバー240が円管状体220に干渉しないため、円管状体220の弾性復元力によって貫通孔227の内径が元通りに大きくなり、貫通孔227に挿通された長尺状医療機器の固定が解除される。その結果、固定機構200は固定状態固定機構200fとなる。なお、このとき、動力付与部材270は先端側位置P2に位置する。
【0058】
このように、動力付与部材270を基端側または先端側に摺動させる操作(固定操作および固定解除操作)が行われる毎に、固定機構200は、解除状態固定機構200nと固定状態固定機構200fとの間を状態が切り替わる。このとき、手技者は、動力付与部材270の前後方向における位置を視認することにより、固定機構200が固定解除状態にあるのか固定状態にあるのかを容易に把握することができる。また、動力付与部材270を摺動させる際には、弾性体250が支持部235の位置を超える前後で、動力付与部材270を摺動させるのに要する力が明らかに変化するため、手技者は、固定操作または固定解除操作が正しく行われた否かを触覚により容易に把握することができる。
【0059】
A-7.長尺状医療機器の固定機構200の技術的効果:
以上説明したように、固定機構200では、動力付与部材270を円管状体220の延伸方向である前後方向に沿って先端側位置P2から基端側位置P1に摺動させることにより、各バルブレバー240を、円管状体220に干渉していない非干渉状態S1から円管状体220に干渉している干渉状態S2へと切り替えることができる。これにより、各バルブレバー240の爪部242に押圧されて円管状体220の貫通孔227の内径が小さくなり、長尺状医療機器を固定することができる。このとき、弾性体250の張力によって各バルブレバー240が干渉状態S2に保持されることにより、長尺状医療機器が固定された状態が維持される。また、動力付与部材270を前後方向に沿って基端側位置P1から先端側位置P2に摺動させることにより、各バルブレバー240を、干渉状態S2から非干渉状態S1へと切り替えることができ、これにより、各バルブレバー240の爪部242による円管状体220への干渉が解除され、長尺状医療機器の固定状態が解除される。このとき、弾性体250の張力によって各バルブレバー240が非干渉状態S1に保持されることにより、長尺状医療機器の固定が解除された状態が維持される。そのため、本実施形態の固定機構200によれば、動力付与部材270を摺動させる操作という、従来のスクリュを回転させるという操作と比べて容易な操作で、長尺状医療機器の固定および固定解除を実現することができると共に、長尺状医療機器の固定具合を触感や視覚により把握することができるため、固定機構200の操作性を向上させることができる。
【0060】
また、固定機構200は、円管状体220を挟んで互いに対向する2つのバルブレバー240の組を複数備え、バルブレバー240の各組における干渉状態S2における爪部242の位置は、前後方向に沿って互いに異なる。そのため、固定機構200によれば、複数のバルブレバー240の組の爪部242により、円管状体220における前後方向に沿った複数の位置で長尺状医療機器を固定することができ、長尺状医療機器の固定をより確実にできる。
【0061】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0062】
上記実施形態における医療用コネクタ10、開閉機構100および固定機構200の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、固定機構200が4つのバルブレバー240を備えているが、固定機構200が備えるバルブレバー240の個数は2個以上であれば、任意の個数に変形可能である。
【0063】
上記実施形態では、開閉機構100のハウジング110が3つの部分(先端側部分110D、中間部分110Mおよび基端側部分110P)から構成されているが、ハウジング110が2つ以下の部分から構成されていてもよいし、4つ以上の部分から構成されていてもよい。同様に、上記実施形態では、開閉機構100の貫通部材140が3つの部分(先端側部分140D、中間部分140Mおよび基端側部分140P)から構成されているが、貫通部材140が2つ以下の部分から構成されていてもよいし、4つ以上の部分から構成されていてもよい。
【0064】
上記実施形態では、開閉機構100の付勢部材106がハウジング110の収容孔147内に収容されているが、付勢部材106は他の位置に配置されてもよい。
【0065】
上記実施形態における各部材の寸法や材料は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
【0066】
上記実施形態では、医療用コネクタ10が開閉機構100と固定機構200との両方を備えているが、医療用コネクタ10が開閉機構100と固定機構200との一方のみを備えているとしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
10:医療用コネクタ
11:主管部 12:分岐管部 13:管腔 14:管腔
20:ローテータ
40:動作規制溝
40A:閉位置部 40B:第1頂部 40C:開保持部
40D:第2頂部
100:開閉機構
102:リング部材
106:付勢部材
108:蓋部材
110:ハウジング
110D:先端側部分 110M:中間部分 110P:基端側部分
111:基端側開口 112:先端側開口 113:管腔
114:凸部 115:フランジ部 116:第1壁部
117:第2壁部 118:収容空間
120:止血弁
121:スリット 122:貫通孔 127:本体部
128:凸部
140: 貫通部材
140D:先端側部分 140M:中間部分 140P:基端側部分
142: 貫通孔 144:先端部 145:フランジ部
147: 収容孔 148:スリット
160:リングピン
161:本体部 162:ピン部
200:固定機構
200f:固定状態固定機構 200n:解除状態固定機構
210:ハウジング
211:基端側開口 212:先端側開口
220:円管状体
221:フランジ部 222:本体部 227:貫通孔
230:シャフト部材
231:フランジ部 233:管腔 234:スリット孔
235:支持部
240:バルブレバー
241:レバー部 242:爪部 244:凹部
245:支持用凹部
250:弾性体
260:保持機構
270:動力付与部材
272:フランジ部 273:二重壁部
300: ジョイント部材
GC: ガイディングカテーテル
GW: ガイドワイヤ