(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039506
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】眼科装置及び眼科システム
(51)【国際特許分類】
A61B 3/16 20060101AFI20230314BHJP
A61B 3/103 20060101ALI20230314BHJP
A61B 3/107 20060101ALI20230314BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20230314BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20230314BHJP
G01B 21/00 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
A61B3/16 300
A61B3/103
A61B3/107
G01B11/00 H
G01C3/06 110V
G01B21/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146643
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】中村 聡
【テーマコード(参考)】
2F065
2F069
2F112
4C316
【Fターム(参考)】
2F065AA06
2F065CC16
2F065DD03
2F065FF05
2F065FF11
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ26
2F065MM02
2F065QQ25
2F065QQ31
2F069AA02
2F069BB40
2F069DD19
2F069GG04
2F069GG06
2F069GG07
2F069HH09
2F069JJ11
2F112AC03
2F112AC06
2F112BA06
2F112CA12
2F112FA35
4C316AA03
4C316AA13
4C316AA20
4C316AA24
4C316FA07
4C316FA14
4C316FA16
4C316FC14
4C316FZ01
(57)【要約】
【課題】接近限度位置を適切な位置で且つ安全に設定可能な眼科装置及び眼科システムを提供する。
【解決手段】被検眼の眼特性を取得するヘッドと、被検眼に対してヘッドを相対移動させる相対移動機構と、ヘッドに設けられ、被検眼に対するヘッドの接近を非接触で検出する非接触式センサと、外部からの遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部と、遠隔操作受付部が、遠隔操作として、被検眼に対するヘッドの接近限度位置の設定開始操作を受け付けた場合に、相対移動機構を駆動して被検眼に対してヘッドを相対的に接近させながら非接触式センサからの検出値の出力を継続的に実行させる検出制御部と、非接触式センサから継続的に出力される検出値に基づき、接近限度位置の設定を行う設定部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼の眼特性を取得するヘッドと、
前記被検眼に対して前記ヘッドを相対移動させる相対移動機構と、
前記ヘッドに設けられ、前記被検眼に対する前記ヘッドの接近を非接触で検出する非接触式センサと、
外部からの遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部と、
前記遠隔操作受付部が、前記遠隔操作として、前記被検眼に対する前記ヘッドの接近限度位置の設定開始操作を受け付けた場合に、前記相対移動機構を駆動して前記被検眼に対して前記ヘッドを相対的に接近させながら前記非接触式センサからの検出値の出力を継続的に実行させる検出制御部と、
前記非接触式センサから継続的に出力される前記検出値に基づき、前記接近限度位置の設定を行う設定部と、
を備える眼科装置。
【請求項2】
前記設定部が、前記非接触式センサから継続的に出力される前記検出値が予め定められた閾値に達するか否かを判定し、前記検出値が前記閾値に達したと判定した場合の前記被検眼に対する前記ヘッドの相対位置を前記接近限度位置として決定する請求項1に記載の眼科装置。
【請求項3】
前記ヘッドが、前記被検眼の角膜に対して流体を吹き付けるノズルを備え、
前記ノズルの中心軸に平行な方向を作動距離方向とし、前記作動距離方向及び上下方向の双方に垂直な方向を左右方向とした場合において、前記非接触式センサが、前記ノズルの前方側に指向性を有し、且つ前記ノズルを前記左右方向側から見た場合に前記中心軸の下方側よりも上方側の指向性が弱くなる請求項1又は2に記載の眼科装置。
【請求項4】
前記中心軸に直交し且つ前記左右方向に平行な直線を平行線とした場合に、前記非接触式センサが、前記ノズルの先端側から見た場合において、前記ノズルを囲む環状領域の中で前記平行線よりも下方側の領域に形成されている請求項3に記載の眼科装置。
【請求項5】
被検眼の眼特性を取得するヘッドと、
前記被検眼に対して前記ヘッドを相対移動させる相対移動機構と、
前記ヘッドに設けられ、前記ヘッドから前記被検眼までの距離を示す距離情報を取得する測距センサと、
外部からの遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部と、
前記遠隔操作受付部が、前記遠隔操作として、前記被検眼に対する前記ヘッドの接近限度位置の設定開始操作を受け付けた場合に、前記測距センサに前記距離情報の取得を実行させるセンサ制御部と、
前記測距センサが取得した前記距離情報に基づき前記接近限度位置の設定を行う設定部と、
を備える眼科装置。
【請求項6】
前記測距センサが、前記距離情報として前記被検眼の距離画像を取得し、
前記設定部が、前記距離画像に基づき前記接近限度位置の設定を行う請求項5に記載の眼科装置。
【請求項7】
前記測距センサが、被検者の左右眼の前記距離画像を同時に取得する請求項6に記載の眼科装置。
【請求項8】
前記測距センサが、前記距離情報として前記被検眼のステレオ撮影画像を取得し、
前記設定部が、前記ステレオ撮影画像に基づき前記接近限度位置の設定を行う請求項5に記載の眼科装置。
【請求項9】
前記測距センサが、閉瞼状態の前記被検眼に対して前記距離情報の取得を行う請求項5から8のいずれか1項に記載の眼科装置。
【請求項10】
前記設定部が設定した前記接近限度位置に基づき、前記相対移動機構を制御して、前記被検眼に対する前記ヘッドの前記接近限度位置を超えた相対的な接近を規制する規制制御部を備える請求項1から9のいずれか1項に記載の眼科装置。
【請求項11】
遠隔操作の入力を行う遠隔操作装置と、
前記遠隔操作装置に対してネットワークを介して接続され且つ前記遠隔操作装置に入力された遠隔操作に従って動作する請求項1から9のいずれか1項に記載の眼科装置と、
を備える眼科システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作で操作可能な眼科装置及び眼科システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検眼の角膜に向けてノズルから空気(流体)を吹き付けることで角膜を変形させてその変形状態を検出することにより、角膜に接触することなく被検眼の眼圧値を測定する非接触式眼圧計が知られている(特許文献1参照)。非接触式眼圧計は、ノズルから角膜への空気の吹き付けに合せて角膜に対し指標光を照射すると共にこの角膜にて反射された指標光の反射光の光量を検出し、角膜の変形状態が扁平状態(圧平状態)になった場合の反射光の光量と空気の圧力とに基づき被検眼の眼圧値を演算する。
【0003】
非接触式眼圧計による被検眼の眼圧測定の開始前には、被検眼に対する非接触式眼圧計の測定ヘッド(ノズル)のアライメントを行う必要があるが、この際にノズルと被検眼及び被検者の顔との接触を防止する必要がある。特に近年では検者が離れた場所から非接触式眼圧計を遠隔操作する場合もあり(特許文献2参照)、被検眼等に対するノズルの接触を確実に回避することが要望されている。このため、非接触式眼圧計では、被検眼へのノズル(測定ヘッド)の接近限度位置であるセーフティストッパの位置設定(安全装置の設定)を行うのが通常である。
【0004】
また、上記特許文献1に記載の非接触式眼圧計では、ノズル及び被検眼の角膜頂点を撮影可能な位置に設けられたカメラによりノズル及び被検眼を動画撮影し、ノズル及び被検眼の動画像をモニタに表示させている。この特許文献1に記載の非接触式眼圧計によれば、検者がノズル及び被検眼の位置をリアルタイムで確認可能であるので、セーフティストッパの位置を設定することなく、被検眼へのノズルの接触が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-165991号公報
【特許文献2】特開2018-38518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、非接触式眼圧計においてセーフティストッパの位置設定を行う場合には、被検眼に対してノズル(測定ヘッド)を近接させる必要がある。この際に、検者が非接触式眼圧計の傍にいる場合には、検者が目視でノズル及び被検眼の位置の確認しながらノズルを被検眼に近づけることができるので、セーフティストッパの位置を適切な位置でかつ安全に設定することができる。しかしながら、遠隔操作でセーフティストッパの位置を設定する場合には、検者がノズル及び被検眼の位置を目視で確認することができない。このため、セーフティストッパの位置を適切な位置でかつ安全に設定することが困難である。
【0007】
このため、上記特許文献1に記載のようにカメラによりノズル及び被検眼を動画撮影してその動画像をモニタに表示させることで、ノズル及び被検眼の位置を確認可能にすることも考えられる。しかしながら、遠隔操作では、非接触式眼圧計と検者の端末とを接続する通信回線の速度によっては、ノズル及び被検眼の実際の位置と、検者がモニタで確認するノズル及び被検眼の位置との間に遅延が生じる場合ある。従って、この場合には、被検眼にノズルが接触するおそれがある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、接近限度位置を適切な位置で且つ安全に設定可能な眼科装置及び眼科システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を達成するための眼科装置は、被検眼の眼特性を取得するヘッドと、被検眼に対してヘッドを相対移動させる相対移動機構と、ヘッドに設けられ、被検眼に対するヘッドの接近を非接触で検出する非接触式センサと、外部からの遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部と、遠隔操作受付部が、遠隔操作として、被検眼に対するヘッドの接近限度位置の設定開始操作を受け付けた場合に、相対移動機構を駆動して被検眼に対してヘッドを相対的に接近させながら非接触式センサからの検出値の出力を継続的に実行させる検出制御部と、非接触式センサから継続的に出力される検出値に基づき、接近限度位置の設定を行う設定部と、を備える。
【0010】
この眼科装置によれば、検者が直接目視で被検眼及びヘッドの位置を確認したり、或いは被検眼及び測定ヘッドの動画像を確認したりすることなく、ヘッドを被検眼に安全に接近させることができる。
【0011】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、設定部が、非接触式センサから継続的に出力される検出値が予め定められた閾値に達するか否かを判定し、検出値が閾値に達したと判定した場合の被検眼に対するヘッドの相対位置を接近限度位置として決定する。これにより、接近限度位置を適切な位置で且つ安全に設定することができる。
【0012】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、ヘッドが、被検眼の角膜に対して流体を吹き付けるノズルを備え、ノズルの中心軸に平行な方向を作動距離方向とし、作動距離方向及び上下方向の双方に垂直な方向を左右方向とした場合において、非接触式センサが、ノズルの前方側に指向性を有し、且つノズルを左右方向側から見た場合に中心軸の下方側よりも上方側の指向性が弱くなる。これにより、非接触式センサにより被検者の額が誤検出されることが防止される。
【0013】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、中心軸に直交し且つ左右方向に平行な直線を平行線とした場合に、非接触式センサが、ノズルの先端側から見た場合において、ノズルを囲む環状領域の中で平行線よりも下方側の領域に形成されている。これにより、非接触式センサにより被検者の額が誤検出されることが防止される。
【0014】
本発明の目的を達成するための眼科装置は、被検眼の眼特性を取得するヘッドと、被検眼に対してヘッドを相対移動させる相対移動機構と、ヘッドに設けられ、ヘッドから被検眼までの距離を示す距離情報を取得する測距センサと、外部からの遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部と、遠隔操作受付部が、遠隔操作として、被検眼に対するヘッドの接近限度位置の設定開始操作を受け付けた場合に、測距センサに距離情報の取得を実行させるセンサ制御部と、測距センサが取得した距離情報に基づき接近限度位置の設定を行う設定部と、を備える。
【0015】
この眼科装置によれば、被検眼に対してヘッドを相対移動させることなく、接近限度位置の設定を行うことができる。
【0016】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、測距センサが、距離情報として被検眼の距離画像を取得し、設定部が、距離画像に基づき接近限度位置の設定を行う。これにより、被検眼に対してヘッドを相対移動させることなく、接近限度位置の設定を行うことができる。
【0017】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、測距センサが、被検者の左右眼の距離画像を同時に取得する。これにより、左右眼ごとの接近限度位置の設定を同時に行うことができる。
【0018】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、測距センサが、距離情報として被検眼のステレオ撮影画像を取得し、設定部が、ステレオ撮影画像に基づき接近限度位置の設定を行う。これにより、被検眼に対してヘッドを相対移動させることなく、接近限度位置の設定を行うことができる。
【0019】
本発明の他の態様に係る眼科装置において、測距センサが、閉瞼状態の被検眼に対して距離情報の取得を行う。これにより、被検眼の距離情報を確実に取得することができるため、接近限度位置の設定を確実に実行することができる。
【0020】
設定部が設定した接近限度位置に基づき、相対移動機構を制御して、被検眼に対するヘッドの接近限度位置を超えた相対的な接近を規制する規制制御部を備える。これにより、被検眼に対するヘッドの接触を確実に回避することができる。
【0021】
本発明の目的を達成するための眼科システムは、遠隔操作の入力を行う遠隔操作装置と、遠隔操作装置に対してネットワークを介して接続され且つ遠隔操作装置に入力された遠隔操作に従って動作する上述の眼科装置と、を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、接近限度位置を適切な位置で且つ安全に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態の眼科システムの概略図である。
【
図3】第1実施形態の測定ヘッドを被検者側から見た斜視図である。
【
図4】
図3中の静電容量型センサの電極の正面拡大図である。
【
図5】静電容量型センサの指向性を説明するための説明図である。
【
図6】ストッパ位置設定画面の一例を示した説明図である。
【
図7】第1実施形態の眼科装置の制御装置の機能ブロック図である。
【
図8】検出制御部による駆動機構及び静電容量型センサの制御を説明するための説明図である。
【
図9】設定部によるセーフティストッパの位置設定を説明するための説明図である。
【
図10】第1実施形態の眼科システムの作用、特に眼科装置の測定ヘッドに対するセーフティストッパの位置設定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】第2実施形態の眼科装置の測定ヘッドの拡大図である。
【
図12】第2実施形態の眼科システムのブロック図である。
【
図13】TOFカメラによる被検者の顔の撮影範囲を示した説明図である。
【
図14】TOFカメラによる被検者の閉瞼状態の左右眼の距離画像の取得を説明するための説明図である。
【
図15】第2実施形態の眼科システムの作用、特に眼科装置の測定ヘッドに対するセーフティストッパの位置設定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】第3実施形態の眼科装置の測定ヘッドの拡大図である。
【
図17】第3実施形態の眼科システムのブロック図である。
【
図18】ステレオ撮影画像に基づき測定ヘッドのセーフティストッパの位置設定を行う場合の変形例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の眼科システム9の概略図である。なお、図中の互いに直交するXYZ方向(3軸方向)のうちで、Y方向は上下方向であり、Z方向は被検者(被検眼E)に近づく前方向と被検者から遠ざかる後方向とに平行な前後方向(作動距離方向ともいう)であり、X方向は上下方向及び前後方向の双方に垂直な左右方向である。
【0025】
図1に示すように、眼科システム9は、遠隔操作により眼科装置10を制御して被検眼Eの眼圧値、眼屈折力、及び角膜曲率(角膜形状)等の各種眼特性を測定する。この眼科システム9は、眼科装置10と遠隔操作装置30とにより構成される。
【0026】
眼科装置10は、被検眼Eの眼圧値、眼屈折力、及び角膜曲率等を測定可能な複合機であり、遠隔操作装置30により遠隔操作される。この眼科装置10は、ベース11と、顔支持部12と、駆動機構13と、測定ヘッド14(装置本体ともいう)と、モニタ15と、制御装置16(
図7参照)と、を備えている。
【0027】
ベース11上には、Z方向の前方側から後方側に向かって顔支持部12と駆動機構13とが設けられている。
【0028】
顔支持部12は、被検者の顎を受ける顎受け部12aと、被検者の額が当接する額当て部12bとを備え、被検者の顔を支持する。
【0029】
駆動機構13は、本発明の相対移動機構に相当するものであり、例えばモータ等の不図示のアクチュエータにより構成されている。この駆動機構13は、ベース11に対して測定ヘッド14をXYZ方向に移動させる。これにより、被検眼Eに対して測定ヘッド14をXYZ方向に相対移動させることができる。そして、後述の制御装置16(
図7参照)の制御の下、駆動機構13を駆動することで、被検眼に対する測定ヘッド14のXYZ方向のアライメントが可能になる。
【0030】
図2は、第1実施形態の測定ヘッド14の拡大図である。
図2及び既述の
図1に示すように、測定ヘッド14には、非接触式眼圧計14A及びオートレフケラトメータ14Bを含む複数種類の眼科用の各種測定装置が設けられている。
【0031】
非接触式眼圧計14Aは、被検眼Eの角膜に向けてノズル20から空気(流体)を吹き付けることで角膜を変形させてその変形状態を検出することにより、非接触で被検眼Eの眼圧値を測定する。
【0032】
非接触式眼圧計14Aは、ノズル20と、ノズル20が設けられた窓ガラス22と、窓ガラス22を保持する凸状のガラス保持部24と、を備える。そして、非接触式眼圧計14Aは、ノズル20の内部又は窓ガラス22を通して、被検眼Eに向けてアライメント指標光及び固視標光等を出射すると共に、被検眼Eにて反射されたアライメント指標光及び固視標光等の反射光を受光する。
【0033】
非接触式眼圧計14Aは、ガラス保持部24に後述の静電容量型センサ26の電極26a(
図3参照)が形成されている点を除けば、その詳細構成については公知技術(例えば上記特許文献1参照)であるので、ここでは説明を省略する。
【0034】
オートレフケラトメータ14Bは、各種の光学系25を用いて被検眼Eの眼屈折力及び角膜曲率等を測定する。なお、オートレフケラトメータ14Bの具体的な構成についても公知技術(例えば特開2016-7774号公報参照)であるので、ここでは説明を省略する。
【0035】
図3は、第1実施形態の測定ヘッド14を被検者側から見た斜視図である。
図4は、
図3中の静電容量型センサ26の電極26aの正面拡大図である。なお、図中の符号AXはZ方向に平行なノズル20の中心軸を示し、図中の符号HLはX方向に平行な直線である平行線である。
【0036】
図3及び
図4に示すように、測定ヘッド14の被検者に対向する前面側には、窓ガラス22を保持する凸状のガラス保持部24と、本発明の非接触式センサに相当する静電容量型センサ26と、が設けられている。
【0037】
静電容量型センサ26は、後述の制御装置16(
図7参照)の制御の下、被検者の顔(被検眼Eを含む)に対するノズル20の接近を検出する。この静電容量型センサ26は、例えば自己容量方式のタイプが用いられ、電極26aと検出回路26bとを有する。
【0038】
電極26aは、ガラス保持部24に設けられており、被検者の顔との間で疑似コンデンサを形成する。この電極26aは、ノズル20の先端側から見た場合において、ノズル20を囲む環状領域の中で平行線HLよりも下方側の領域に形成、すなわち略半環状に形成されている。ここでいう「平行線HLよりも下方側の領域に形成」には、
図3及び
図4に示したような平行線HLよりも下方側の全領域に形成する場合と、平行線HLよりも下方側の領域の一部に形成する場合と、の両方が含まれる。
【0039】
検出回路26bは、例えば測定ヘッド14の内部(外部でも可)に設けられており、配線26cを介して電極26aに接続されている。この検出回路26bは、上述の疑似コンデンサにより発生する静電容量を検出して、その検出値を制御装置16(
図7参照)へ出力する。電極26aと被検者の顔との間の距離が短くなるのに応じて疑似コンデンサの静電容量が増加し、逆に電極26aと被検者の顔との間の距離が長くなるのに応じて疑似コンデンサの静電容量が減少する。このため、検出回路26bによる静電容量の検出値に基づき電極26a(ノズル20)と被検者の顔との間の距離を検出可能である。その結果、被検者の顔に対するノズル20の接近を静電容量型センサ26により検出可能である。
【0040】
図5は、静電容量型センサ26の指向性を説明するための説明図である。なお、図中の符号RDは、静電容量型センサ26の検出範囲を示す。また、
図5に示した検出範囲RDはその一例を示したものであり、その範囲は適宜変更可能である。
【0041】
図5に示すように、電極26aを略半環状に形成することで、ノズル20及びガラス保持部24をX方向の任意の一方向側から見た場合に、静電容量型センサ26の検出範囲RDが中心軸AXの上方側では制限される。これにより、静電容量型センサ26は、ノズル20の前方側に指向性を有するが、ノズル20をX方向側(左右方向側)から見た場合に中心軸AXの下方側よりも上方側の指向性が弱くなる。
【0042】
このように中心軸AXの上方側に対する静電容量型センサ26の指向性を弱めることで、被検眼Eに対してノズル20を所定距離まで近づけた場合であっても、電極26aと被検者の額との間の距離が十分に確保される。このため、被検者の額が張り出している場合(例えば顔の彫りが深い場合)であっても、静電容量型センサ26により被検者の額が誤検出されることが防止される。
【0043】
図1に戻って、モニタ15は、測定ヘッド14の背面側に取り付けられている。このモニタ15は、例えばタッチパネル式モニタが用いられる。モニタ15は、後述の制御装置16(
図7参照)の制御の下、被検眼Eの観察像を表示する。また、モニタ15は、被検眼Eの眼圧値、眼屈折力、及び角膜曲率等の眼特性の測定結果を表示する。さらにモニタ15は、各種操作を行うための操作メニュー画面と、後述のストッパ位置設定画面36とを表示すると共に、各画面に対する操作入力を受け付ける。
【0044】
遠隔操作装置30は、例えばパーソナルコンピュータ或いはタブレット端末等の入力装置であり、眼科装置10の遠隔操作に用いられる。この遠隔操作装置30は、ルータ32を経由してインターネット34(ネットワーク)に接続し、さらにインターネット34を経由して眼科装置10の制御装置16(
図7参照)に接続している。この遠隔操作装置30は、操作部30aと、モニタ30bと、操作装置本体30cと、を備える。
【0045】
操作部30aは、例えばキーボード及びマウス等が用いられ、検者による眼科装置10の遠隔操作の入力を受け付ける。この遠隔操作には、例えば、測定ヘッド14のXYZ方向の移動操作、非接触式眼圧計14Aによる被検眼Eの眼圧値の測定開始操作、オートレフケラトメータ14Bによる被検眼Eの眼屈折力及び角膜曲率の測定開始操作、後述のストッパ位置設定画面36の表示操作、及び後述の設定開始操作などが含まれる。
【0046】
モニタ30bは、例えば液晶ディスプレイが用いられる。モニタ30bは、眼科装置10の遠隔操作時にモニタ15の表示画面と同じ画面を表示する。
【0047】
操作装置本体30cは、ルータ32に無線接続又は有線接続されており、さらにルータ32からインターネット34を経由して眼科装置10に接続されている。操作装置本体30cは、眼科装置10の遠隔操作時に眼科装置10との間で各種情報の遣り取りを行う。
【0048】
具体的には操作装置本体30cは、検者により操作部30aに入力された遠隔操作の操作情報を眼科装置10へ出力する。また逆に、操作装置本体30cは、眼科装置10からモニタ15の画面情報を取得する。そして、操作装置本体30cは、眼科装置10から取得したモニタ15の画面情報に基づき、モニタ15に表示されている表示画面(表示内容)と同じ画面をモニタ30bに表示(複製)させる。例えば本実施形態ではモニタ30bに表示されるウェブブラウザ内にモニタ15の画面が複製される。これにより、モニタ30bには、眼科装置10の遠隔操作時に被検眼Eの観察像、被検眼Eの眼特性の測定結果、操作メニュー画面、及び後述のストッパ位置設定画面36などが表示される。
【0049】
図6は、ストッパ位置設定画面36の一例を示した説明図である。
図6に示すように、ストッパ位置設定画面36は、測定ヘッド14のセーフティストッパの位置の設定開始操作(以下、設定開始操作と略す)に用いられる。ここでセーフティストッパの位置とは、測定ヘッド14をZ方向前方側(被検眼E側)に移動させる場合、すなわち測定ヘッド14を被検眼Eに接近させる場合の被検眼Eに対する測定ヘッド14の接近限度位置である。このセーフティストッパの位置は、後述の制御装置16により、測定ヘッド14からZ方向前方側に最も突出しているノズル20が被検眼E(被検者の顔)に接触することを確実に回避可能な位置に設定される。従って、測定ヘッド14がセーフティストッパの位置よりもZ方向後方側に位置する場合には、被検眼Eへのノズル20の接触が確実に回避される。
【0050】
ストッパ位置設定画面36には、表示領域36aと、設定ボタン36bと、キャンセルボタン36cとが設けられている。
【0051】
表示領域36aは、非接触式眼圧計14Aにより取得された被検眼Eの観察像を表示する。この表示領域36aに表示される観察像に基づき、検者が測定ヘッド14のXY方向の位置調整操作を行うことで、被検眼Eに対する非接触式眼圧計14Aのノズル20の概略XYアライメントを行うことができる。なお、後述の制御装置16(
図7参照)において観察像を解析して概略XYアライメントを自動で行ってもよい。
【0052】
設定ボタン36bは、検者による設定開始操作の入力に用いられる。設定ボタン36bにより設定開始操作がなされると、操作装置本体30cからルータ32及びインターネット34を経由して眼科装置10に対し設定開始操作の操作情報が出力される。これにより、眼科装置10がセーフティストッパの位置設定を開始する。
【0053】
キャンセルボタン36cは、セーフティストッパの位置設定の中止に用いられる。キャンセルボタン36cにより中止操作がなされると、操作装置本体30cからルータ32及びインターネット34を経由して眼科装置10に対し中止操作の操作情報が出力される。これにより、眼科装置10がセーフティストッパの位置設定を中止する。
【0054】
図7は、第1実施形態の眼科装置10の制御装置16の機能ブロック図である。
図7に示すように、制御装置16は、例えばベース11又は測定ヘッド14の内部に設けられており、眼科装置10の動作、例えば眼圧値測定、眼屈折力測定、角膜曲率測定、及びストッパ位置設定等を統括制御する。制御装置16には、既述の顔支持部12、駆動機構13、測定ヘッド14(非接触式眼圧計14A及びオートレフケラトメータ14B)、及びモニタ15の他に、通信インタフェース37及び遠隔操作受付部38等が接続されている。
【0055】
通信インタフェース37は、インターネット34及びルータ32を経由して遠隔操作装置30に接続されており、遠隔操作装置30から入力された遠隔操作の操作情報を遠隔操作受付部38へ出力する。また、通信インタフェース37は、制御装置16から入力されたモニタ15の画面情報を遠隔操作装置30へ出力する。
【0056】
遠隔操作受付部38は、遠隔操作装置30から通信インタフェース37等を介して入力された遠隔操作を受け付けて制御装置16に入力する。これにより、制御装置16が、遠隔操作受付部38から入力された遠隔操作に基づき、眼科装置10の動作を制御する。
【0057】
制御装置16は、各種のプロセッサ(Processor)及びメモリ等から構成された演算回路を備える。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、制御装置16の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
【0058】
制御装置16は、不図示の記憶部に格納されている制御プログラムを読み出して実行することにより、眼圧計制御部40、オートレフケラトメータ制御部42、表示制御部44、検出制御部46、設定部48、及び規制制御部50として機能する。
【0059】
眼圧計制御部40は、非接触式眼圧計14Aによる被検眼Eの撮影、被検眼Eに対する非接触式眼圧計14A(測定ヘッド14)のアライメント、及び非接触式眼圧計14Aによる被検眼Eの眼圧測定等を制御する。なお、眼圧計制御部40の機能、すなわち非接触式眼圧計14Aによる被検眼Eの眼圧測定については公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
【0060】
オートレフケラトメータ制御部42は、オートレフケラトメータ14Bによる被検眼Eの撮影、被検眼Eに対するオートレフケラトメータ14B(測定ヘッド14)のアライメント、オートレフケラトメータ14Bによる被検眼Eの眼屈折力の測定、及びオートレフケラトメータ14Bによる被検眼Eの角膜曲率の測定等を制御する。なお、オートレフケラトメータ制御部42の機能、すなわちオートレフケラトメータ14Bによる被検眼Eの眼屈折力及び角膜曲率の測定については公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
【0061】
表示制御部44は、モニタ15の表示を制御する。具体的には表示制御部44は、被検眼Eの眼圧測定時には、非接触式眼圧計14Aにより撮影された被検眼Eの観察像、及び非接触式眼圧計14Aによる被検眼Eの眼圧値の測定結果をモニタ15に表示させる。また、表示制御部44は、被検眼Eの眼屈折力及び角膜曲率の測定時には、オートレフケラトメータ14Bにより撮影された被検眼Eの観察像、及びオートレフケラトメータ14Bによる被検眼Eの眼屈折力及び角膜曲率の測定結果をモニタ15に表示させる。
【0062】
さらに表示制御部44は、遠隔操作受付部38がストッパ位置設定画面36の表示操作を受け付けた場合、或いはモニタ15に対してタッチ操作でストッパ位置設定画面36の表示操作が入力された場合に、非接触式眼圧計14Aにより取得された被検眼Eの観察像に基づき、ストッパ位置設定画面36を生成してモニタ15に表示させる。これにより、表示領域36aの表示に基づき概略XYアライメントを行ったり、設定ボタン36bを操作して設定開始操作を実行したりすることができる。
【0063】
さらにまた、表示制御部44は、遠隔操作装置30により眼科装置10の遠隔操作が行われている間、モニタ15の画面情報を、通信インタフェース37、インターネット34、及びルータ32を経由して遠隔操作装置30に継続的(連続的)に出力する。これにより、既述の通り、モニタ15に表示されている表示画面と同じ画面がモニタ30bに複製される。
【0064】
図8は、検出制御部46による駆動機構13及び静電容量型センサ26の制御を説明するための説明図である。
図8の符号8A及び既述の
図7に示すように、検出制御部46は、既述の概略XYアライメント後、ストッパ位置設定画面36で設定開始操作がなされた場合に作動する。なお、概略XYアライメントの完了後、ノズル20と被検眼Eとの間のZ方向距離は十分に確保されているものとする。
【0065】
検出制御部46は、設定開始操作がなされた場合、
図8の符号8Bに示すように、駆動機構13を駆動して測定ヘッド14をZ方向前方側に移動させる。この時点ではセーフティストッパの位置設定前であるので、被検眼Eに対するノズル20の接触を確実に回避するために被検眼Eが閉瞼状態であることが好ましい。
【0066】
また、検出制御部46は、駆動機構13により測定ヘッド14をZ方向前方側に移動させている間、静電容量型センサ26を継続的に作動させて検出回路26bから検出値を繰り返し取得すると共に、取得した検出値を設定部48へ繰り返し出力する。検出値は、ノズル20から被検者の顔(被検眼E)までの距離である顔距離(距離情報)を示す指標であり、この顔距離が短くなるほど増加する。
【0067】
図9は、設定部48によるセーフティストッパの位置設定を説明するための説明図である。
図9と、既述の
図7及び
図8とに示すように、設定部48は、検出制御部46から静電容量型センサ26の検出値が入力されるごとに、この検出値が予め定めた閾値よりも大きくなるか否かを判定する。この閾値は、例えば、顔距離が5mm~9mmになる場合の静電容量の検出値に基づき定められる。そして、設定部48は、検出値が閾値に到達した場合に検出制御部46による測定ヘッド14の移動を停止させると共に、その時点での被検眼Eに対する測定ヘッド14(ノズル20)のZ方向の相対位置であるZ方向位置SPをセーフティストッパの位置として決定する。このセーフティストッパの位置情報は、設定部48により不図示の記憶部に記憶される。
【0068】
図7に戻って、規制制御部50は、不図示の記憶部に記憶されたセーフティストッパの位置情報に基づき、測定ヘッド14のZ方向の位置を監視する。そして、規制制御部50は、駆動機構13を制御して、測定ヘッド14がセーフティストッパの位置を超えてZ方向前方側へ移動すること、すなわち被検眼Eに対して相対的に接近することを規制(禁止)する。
【0069】
[第1実施形態の作用]
図10は、上記構成の第1実施形態の眼科システム9の作用、特に眼科装置10の測定ヘッド14に対するセーフティストッパの位置設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0070】
図10に示すように、検者は、遠隔操作装置30の操作部30aを操作して、この遠隔操作装置30を、ルータ32及びインターネット34を経由して眼科装置10に接続する(ステップSA1)。これにより、遠隔操作装置30による眼科装置10の遠隔操作が開始される(ステップSB1)。
【0071】
眼科装置10の遠隔操作が開始されると、表示制御部44がモニタ15の画面情報を、通信インタフェース37、インターネット34、及びルータ32を経由して遠隔操作装置30の操作装置本体30cへ継続的に出力する(ステップSB2)。これにより、操作装置本体30cが、眼科装置10から継続的に入力されるモニタ15の画面情報に基づき、このモニタ15の表示画面をモニタ30bに複製させる(ステップSA2)。
【0072】
次いで、検者は、操作部30aにストッパ位置設定画面36の表示操作を入力する(ステップSA3)。これにより、この表示操作の操作情報がルータ32及びインターネット34を経由して遠隔操作受付部38で受け付けられ(ステップSB3)、表示制御部44がモニタ15にストッパ位置設定画面36を表示させる(ステップSB4)。その結果、モニタ30bにもストッパ位置設定画面36が表示(複製)される(ステップSA4)。そして、検者は、ストッパ位置設定画面36の表示領域36aの表示に基づき、操作部30aによる遠隔操作で駆動機構13を駆動することで、被検眼Eに対する非接触式眼圧計14Aの概略XYアライメントを行う。
【0073】
概略XYアライメントが完了すると、検者は、不図示の音声伝達手段(遠隔操作装置30のマイク、眼科装置10のスピーカ)を用いて被検者に対して被検眼Eの瞼を閉じるように指示を行った後、ストッパ位置設定画面36内の設定ボタン36bにより設定開始操作を行う(ステップSA5)。これにより、この設定開始操作の操作情報がルータ32及びインターネット34を経由して遠隔操作受付部38で受け付けられる(ステップSB5)。
【0074】
遠隔操作受付部38が設定開始操作を受け付けると、検出制御部46及び設定部48が作動する。そして、検出制御部46が、駆動機構13を駆動して測定ヘッド14をZ方向前方側に移動させることで、測定ヘッド14のノズル20を閉瞼状態の被検眼Eに接近させる(ステップSB6)。
【0075】
また、検出制御部46は、駆動機構13により測定ヘッド14をZ方向前方側に移動させている間、静電容量型センサ26を継続的に作動させて検出回路26bから検出値を繰り返し取得すると共に、取得した検出値を設定部48へ繰り返し出力する(ステップSB7)。
【0076】
次いで、設定部48が、検出制御部46から静電容量型センサ26の検出値が入力されるごとに、この検出値が予め定めた閾値に到達したか否かを判定する(ステップSB8)。以下、検出値が閾値に到達するまで、測定ヘッド14の移動と、検出回路26bからの検出値の取得と、設定部48による判定とが繰り返し実行される(ステップSB8でNO)。
【0077】
設定部48は、検出値が閾値に到達したと判定した場合(ステップSB8でYES)、検出制御部46(駆動機構13)による測定ヘッド14の移動を停止させる(ステップSB9)。そして、設定部48は、停止後の測定ヘッド14(ノズル20)のZ方向位置SPをセーフティストッパの位置として決定し、このセーフティストッパの位置情報を不図示の記憶部に記憶させる。これにより、測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定が完了する(ステップSB10)。
【0078】
測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定が完了すると、規制制御部50が、セーフティストッパの位置情報に基づき、測定ヘッド14がセーフティストッパの位置を超えてZ方向前方側へ移動すること、すなわち被検眼Eに対して相対的に接近することを規制する。これにより、測定ヘッド14のアライメント時、或いは測定ヘッド14による被検眼Eの眼特性(眼圧値、眼屈折力、角膜曲率等)の測定時に、ノズル20が被検眼Eに接触することが回避される。
【0079】
以上のように第1実施形態では、セーフティストッパ位置設定時に測定ヘッド14を被検眼Eに接近させる場合に、ノズル20の周囲に設けられた静電容量型センサ26から継続的に出力される検出値に基づき、被検眼Eへのノズル20の接触を回避しつつノズル20を被検眼Eから所定距離の位置まで近接させられる。その結果、検者が目視で被検眼E及びノズル20の位置の確認しながら測定ヘッド14を被検眼Eに近づける必要がなくなるので、遠隔操作でもセーフティストッパの位置設定が可能になる。また、眼科装置10において検出値が閾値に到達したか否かを判定するので、上記特許文献1の記載の非接触式眼圧計のように、被検眼E及びノズル20の実際の位置と、検者がモニタ30bで確認する被検眼E及びノズル20の位置との間に遅延が生じるという問題も発生しない。その結果、第1実施形態ではセーフティストッパを適切な位置で且つ安全に設定することができる。
【0080】
なお、上記第1実施形態では、静電容量型センサ26の検出値に基づきセーフティストッパの位置設定を行うが、例えば、静電容量型センサ26の検出値が閾値に達した場合に測定ヘッド14のさらなるZ方向前方側への移動を規制するように駆動機構13を制御してもよい。これにより、セーフティストッパの位置設定を毎回行う必要がなくなる。
【0081】
また、上記第1実施形態では、静電容量型センサ26を用いて被検者の顔(被検眼E)に対するノズル20の接近を検出しているが、例えば超音波センサ及び赤外線近接センサ等の公知の各種非接触式センサ(近接センサ)を用いてもよい。
【0082】
さらに上記第1実施形態では、静電容量型センサ26の電極26aが略半環状に形成されているが、被検眼Eに対する測定ヘッド14の接近を検出可能であればその形状は特に限定はされず、例えば環状に形成されていてもよい。
【0083】
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態の眼科装置10の測定ヘッド14の拡大図である。
図12は、第2実施形態の眼科システム9のブロック図である。上記第1実施形態では、被検眼Eに対して測定ヘッド14を接近させながら、静電容量型センサ26から継続的に出力される検出値が閾値に到達するか否かを判定し、検出値が閾値に到達した場合に測定ヘッド14の移動を停止させることでセーフティストッパの位置設定を行っている。これに対して第2実施形態では、測定ヘッド14を移動させることなくセーフティストッパの位置設定を行う。
【0084】
図11及び
図12に示すように、第2実施形態の眼科システム9は、眼科装置10が静電容量型センサ26の代わりにタイムオブフライト(Time Of Flight:TOF)方式のTOFカメラ80を備え、且つ制御装置16が検出制御部46の代わりに撮影制御部47として機能する点を除けば上記第1実施形態の眼科システム9と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態の眼科システム9と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
【0085】
TOFカメラ80は、本発明の測距センサに相当するものであり、測定ヘッド14の被検者に対向する前面側に設けられている。TOFカメラ80は、被検眼Eを含む被検者の顔の距離画像を生成するものであり、光源80aと距離画像センサ80bと距離画像生成部80cとを備える。
【0086】
光源80aは、不図示のタイミングジェネレータから入力されるタイミング信号に同期して一定のパルス幅の測定光を被検者の顔(被検眼Eを含む)に向けて出射する。この測定光としては例えば近赤外光が用いられる。
【0087】
距離画像センサ80bは、垂直ドライバ及び水平ドライバ等を有するCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)ドライバ、及びタイミングジェネレータにより駆動されるCMOS型のイメージセンサにより構成されている。なお、距離画像センサ80bは、CMOS型に限らず、XYアドレス型、又はCCD(Charge Coupled Device)型のイメージセンサでもよい。
【0088】
距離画像センサ80bは、2次元状に複数の受光素子(フォトダイオード)が配列され、複数の受光素子の入射面側には、光源80aから出射される測定光(近赤外光)のパルス光の波長帯域のみを通過させるバンドパスフィルタ、又は可視光を除去する可視光カットフィルタが設けられている。これにより、距離画像センサ80bの複数の受光素子は、近赤外光であるパルス光に対して感度をもった画素として機能する。
【0089】
距離画像センサ80bは、タイミングジェネレータ(不図示)から入力されるタイミング信号により、光源80aからの測定光の出射と同期して露光期間(露光時間及び露光タイミング)が制御される。距離画像センサ80bの各受光素子には、露光期間に入射するパルス光の光量に対応する電荷が蓄積される。被検者の顔までの距離(測定光の飛翔時間)が短いほど受光素子の露光量が多くなり、逆に被検者の顔までの距離(飛翔時間)が遠いほど受光素子の露光量が少なくなるので、受光素子ごとの露光量の大きさに応じて被検者の顔までの距離を測定することができる。
【0090】
距離画像センサ80bの各受光素子からは、被検者の顔にて反射された測定光の反射光量に応じた受光信号が読み出される。この受光信号は、被検者の顔にて反射して距離画像センサ80bに入射する測定光の飛翔時間、すなわちTOFカメラ80から被検者の顔までの距離情報を示す。
【0091】
距離画像生成部80cは、距離画像センサ80bの各受光素子から読み出された受光信号に基づき、被検者の顔の距離画像を生成する。前述の通り、距離画像センサ80bの各受光素子の受光量は被検者の顔までの距離に応じて異なるため、距離画像は、通常の2次元画像の画素ごとの色及び濃淡の代わりに、画素ごとに距離画像センサ80bから被検者の顔までの距離情報をもったデータ、すなわち、被検者の顔表面の各点までの距離情報を有するデータである。このため、距離画像は、被検者の顔及び被検眼Eの角膜表面の三次元位置及び形状を表す。距離画像生成部80cは、生成した距離画像を設定部48へ出力する。
【0092】
図13は、TOFカメラ80による被検者の顔の撮影範囲RFを示した説明図である。
図13に示すように、TOFカメラ80は、TOFカメラ80の撮影範囲RF内に被検者の左右眼(両眼)が含まれるように、測定ヘッド14の前面上での位置が調整されている。これにより、被検者の左右眼の距離画像(距離情報)を同時取得することができる。これにより、後述の第2実施形態の設定部48により、被検者の左右眼ごとに測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行うことができる。なお、測定ヘッド14の前面上でのTOFカメラ80の位置調整を行う代わりに、広角のTOFカメラ80を用いて被検者の左右眼の距離画像を同時に取得してもよい。
【0093】
図14は、TOFカメラ80による被検者の閉瞼状態の左右眼の距離画像の取得を説明するための説明図である。被検眼Eの角膜は透明体であるのでTOFカメラ80の光源80aから出射される測定光の大部分は被検眼Eの角膜を透過するが、測定光の一部(約2.5%)は角膜で反射されるため、TOFカメラ80により被検者の左右眼(角膜表面)の距離画像を生成可能である。しかしながら、角膜表面の距離画像の生成が困難である場合には、
図14に示すように被検者に眼を瞑ってもらうことで、TOFカメラ80により閉瞼状態の左右眼、すなわち左右眼の瞼の距離画像を取得する。眼の角膜表面の三次元位置及び形状と、開瞼状態の瞼の三次元位置及び形状とは近似しているので、左右眼の瞼の距離画像から左右眼の角膜表面の三次元位置及び形状を検出可能である。
【0094】
図12に戻って、撮影制御部47は、本発明のセンサ制御部に相当するものであり、TOFカメラ80による被検者の顔の距離画像の撮影を制御する。撮影制御部47は、設定開始操作が遠隔操作受付部38で受け付けられた場合に、TOFカメラ80による被検者の顔の距離画像の撮影を実行させる。これにより、TOFカメラ80から設定部48に対して被検者の顔の距離画像が入力される。
【0095】
第2実施形態の設定部48は、TOFカメラ80から入力された被検者の顔の距離画像に基づき、被検者の左右眼ごとに測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行う。例えば設定部48は、距離画像に基づき被検者の左右眼ごとに角膜表面(閉瞼状態の場合は瞼)の三次元位置及び形状を検出する。これにより、設定部48は、測定ヘッド14に対する被検者の左右眼の相対位置を判別することができる。次いで、設定部48は、被検者の左右眼ごとの角膜表面の三次元位置及び形状の検出結果と、既知のTOFカメラ80に対するノズル20の先端の位置関係とに基づき、測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を左右眼ごとに行う。
【0096】
[第2実施形態の作用]
図15は、上記構成の第2実施形態の眼科システム9の作用、特に眼科装置10の測定ヘッド14に対するセーフティストッパの位置設定処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図15中のステップSA1からステップSA5までの処理、及びステップSB1からステップSB5までの処理は、第1実施形態(
図10参照)と基本的に同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0097】
ステップSB5において遠隔操作受付部38が設定開始操作を受け付けると、撮影制御部47がTOFカメラ80による被検者の顔(左右眼)の距離画像の撮影を実行させる(ステップSB6-1)。これにより、TOFカメラ80から設定部48に対して被検者の顔の距離画像が入力される。
【0098】
次いで、設定部48が、TOFカメラ80から入力された被検者の顔の距離画像に基づき、被検者の左右眼ごとに角膜表面の三次元位置及び形状を検出し、その検出結果と、既知のTOFカメラ80に対するノズル20の先端の位置関係と、に基づき、測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を左右眼ごとに行う(ステップSB7-1)。
【0099】
以上のように第2実施形態では、TOFカメラ80を用いて被検者の顔の距離画像を撮影することで、第1実施形態のように測定ヘッド14を移動させることなく、距離画像に基づき測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行うことができる。その結果、第1実施形態よりも簡単且つ短時間で測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行うことができる。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0100】
さらに第2実施形態では、TOFカメラ80の撮影範囲RF内に被検者の左右眼が含まれるようにTOFカメラ80の位置又は画角を調整することで、左右眼の距離画像、すなわち左右眼の角膜表面の三次元位置及び形状を同時取得することができる。その結果、被検者の左右眼ごとの測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を同時に行うことができる。
【0101】
さらにまた第2実施形態では、被検眼Eの角膜表面での測定光の反射量が少なく、角膜表面の距離画像の生成が困難である場合には、TOFカメラ80により閉瞼状態の左右眼の瞼の距離画像を取得することで、設定部48が左右眼の角膜表面の三次元位置及び形状を検出(推定)することができる。その結果、測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を確実に実行することができる。
【0102】
なお、上記第2実施形態では、TOFカメラ80により被検者の顔(左右眼)の距離画像を撮影することで左右眼ごとの測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を同時に行っているが、片眼ごとにTOFカメラ80による距離画像の撮影とセーフティストッパの位置設定とを行ってもよい。
【0103】
また、上記第2実施形態では、TOFカメラ80により被検者の顔(左右眼)の距離画像を撮影しているが、例えばパターン照射(Projector-Camera)方式のカメラにより距離画像の撮影を行ってもよく、距離画像の撮影方式は特に限定はされない。
【0104】
[第3実施形態]
図16は、第3実施形態の眼科装置10の測定ヘッド14の拡大図である。
図17は、第3実施形態の眼科システム9のブロック図である。上記第2実施形態では、TOFカメラ80で撮影した被検者の顔の距離画像に基づき、被検者の左右眼を含む顔の三次元位置等を検出し、その検出結果に基づいて測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行っている。これに対して第3実施形態では、ステレオカメラ90A,90Bで撮影した被検眼E(被検者の顔)のステレオ撮影画像に基づき、被検眼Eの三次元位置を検出し、その検出結果に基づき測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行う。
【0105】
図16及び
図17に示すように、第3実施形態の眼科システム9は、眼科装置10がTOFカメラ80の代わりにステレオカメラ90A,90Bを備える点を除けば上記第2実施形態の眼科システム9と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態の眼科システム9と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
【0106】
ステレオカメラ90A,90Bは、本発明の測距センサに相当するものであり、測定ヘッド14の前面に設けられている。このステレオカメラ90A,90Bは、被検眼E(被検者の顔)を互いに異なる方向、例えば左右方向から撮影して被検眼Eのステレオ撮影画像を生成し、ステレオ撮影画像を設定部48へ出力する。ステレオカメラ90A,90Bにより撮影されたステレオ撮影画像に基づき、被検眼Eまでの距離及び被検眼Eの三次元位置を検出する方法は公知技術(例えば特開2013-248376号公報)であるので、ステレオ撮影画像は本発明の距離情報に相当する。
【0107】
なお、第3実施形態ではステレオカメラ90A,90Bが2個のカメラで構成されているが、3個以上のカメラにより構成されていてもよい。
【0108】
第3実施形態の撮影制御部47は、ステレオカメラ90A,90Bによる被検眼Eの撮影を制御する。撮影制御部47は、設定開始操作が遠隔操作受付部38で受け付けられた場合に、ステレオカメラ90A,90Bによる被検眼Eのステレオ撮影を開始させる。これにより、ステレオカメラ90A,90Bから設定部48に対して被検眼Eのステレオ撮影画像が入力される。
【0109】
第3実施形態の設定部48は、ステレオカメラ90A,90Bから入力された被検眼Eのステレオ撮影画像に基づき、測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行う。例えば設定部48は、被検眼Eのステレオ撮影画像に基づき、既述の公知技術を用いて被検眼Eの角膜表面の三次元位置及び形状を検出し、その検出結果と、既知のTOFカメラ80に対するノズル20の先端の位置関係と、に基づき、測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行う。
【0110】
図18は、ステレオ撮影画像に基づき測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行う場合の変形例を説明するための説明図である。被検眼Eの角膜は透明体であるので、ステレオ撮影画像から被検眼Eの角膜表面(特に角膜頂点)の3次元位置及び形状を正確に検出することが困難な場合がある。このため、
図18に示すように、設定部48が、ステレオ撮影画像から被検眼Eの角膜頂点又は瞳孔の概略位置APを検出し、この概略位置APから所定距離Δd(例えば3mm)だけZ方向後方側の位置BPをセーフティストッパの位置として設定してもよい。
【0111】
また、
図18に示した方法でセーフティストッパの位置設定を行う代わりに、例えば、既述の
図14に示したような閉瞼状態の被検眼Eをステレオカメラ90A,90Bによりステレオ撮影してもよい。これにより、設定部48が、瞼のステレオ撮影画像に基づき被検眼Eの角膜表面の三次元位置及び形状を検出(推定)し、その検出結果に基づき測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行うことができる。
【0112】
なお、第3実施形態の眼科システム9において遠隔操作で行う眼科装置10の測定ヘッド14に対するセーフティストッパの位置設定処理の流れは、既述の
図15に示した第2実施形態と基本的に同じである。具体的にはステップSB6-1においてステレオカメラ90A,90Bによる被検眼Eのステレオ撮影が実行され、ステップSB7-1において設定部48が被検眼Eのステレオ撮影画像に基づき測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行う。
【0113】
以上のように第3実施形態では、ステレオカメラ90A,90Bを用いて被検眼Eのステレオ撮影画像を取得することで、上記第2実施形態と同様に、測定ヘッド14を移動させることなくこの測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を行うことができる。
【0114】
なお、上記第3実施形態においても、ステレオカメラ90A,90Bにより被検者の左右眼を含む顔のステレオ撮影を行うことで、左右眼の角膜表面の三次元位置及び形状を同時取得して、被検者の左右眼ごとの測定ヘッド14のセーフティストッパの位置設定を同時に行うことができる。
【0115】
[その他]
上記実施形態では、駆動機構13により測定ヘッド14をXYZ方向に移動させているが、被検眼Eに対して測定ヘッド14をXYZ方向に相対移動可能であればよく、例えば顔支持部12をXYZ方向に移動させてもよい。
【0116】
上記各実施形態では眼科装置10と遠隔操作装置30とがインターネット34を介して接続されているが、各種のネットワークを介して接続(通信ケーブルを介して接続される場合も含む)されていてもよい。
【0117】
上記各実施形態では、眼科装置10として非接触式眼圧計14A及びオートレフケラトメータ14Bの複合機を例に挙げて説明したが、眼圧値、眼屈折力、及び角膜曲率以外の被検眼Eの各種眼特性を各種のヘッドにより取得(測定、撮影、観察等)する各種眼科装置10、及びこの眼科装置10を備える眼科システム9に本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0118】
9 眼科システム
10 眼科装置
11 ベース
12 顔支持部
12a 顎受け部
12b 額当て部
13 駆動機構
14 測定ヘッド
14A 非接触式眼圧計
14B オートレフケラトメータ
15 モニタ
16 制御装置
20 ノズル
22 窓ガラス
24 ガラス保持部
25 光学系
26 静電容量型センサ
26a 電極
26b 検出回路
26c 配線
30 遠隔操作装置
30a 操作部
30b モニタ
30c 操作装置本体
32 ルータ
34 インターネット
36 ストッパ位置設定画面
36a 表示領域
36b 設定ボタン
36c キャンセルボタン
37 通信インタフェース
38 遠隔操作受付部
40 眼圧計制御部
42 オートレフケラトメータ制御部
44 表示制御部
46 検出制御部
47 撮影制御部
48 設定部
50 規制制御部
80 TOFカメラ
80a 光源
80b 距離画像センサ
80c 距離画像生成部
90A ステレオカメラ
90B ステレオカメラ
AP 概略位置
AX 中心軸
E 被検眼
HL 平行線
RD 検出範囲
RF 撮影範囲