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特開2023-39510運用管理システム、運用管理システムの制御方法、文書管理システム、文書管理システムの制御方法、関連文書登録システム、関連文書登録システムの制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039510
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】運用管理システム、運用管理システムの制御方法、文書管理システム、文書管理システムの制御方法、関連文書登録システム、関連文書登録システムの制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230314BHJP
   G06F 16/383 20190101ALI20230314BHJP
   G06F 40/279 20200101ALI20230314BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06F16/383
G06F40/279
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146652
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】関塚 晋
(72)【発明者】
【氏名】中川 喜隆
(72)【発明者】
【氏名】西澤 幸紘
【テーマコード(参考)】
5B091
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B091AA15
5B091AB17
5B091CA02
5B091CA12
5B175CA07
5B175DA01
5B175FB02
5L049CC15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プラントに生じた異常などの記録をシステムへ登録する手間を省く運用管理システム、運用管理システムの制御方法、文書管理システム、文書管理システムの制御方法、関連文書登録システム、関連文書登録システムの制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】運用管理システム100は、プラントの運用日報を登録する日報作成システム10と、プラントに生じる異常の情報を登録する不適合管理システム20と、を有する。日報作成システム10は、運用日報に係る日報データを取得する入力部11と、日報データを記憶部へ記録する制御部12と、を有する。不適合管理システム20は、異常の情報を記憶するデータベース241を有する記憶部24と、日報データを自然言語解析して異常が記載された文章を探索し、異常が記載された文章が探索できた場合、当該文章をデータベース241へ登録する制御部22と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントの運用日報を登録する日報作成システムと、前記プラントに生じる異常の情報を登録する不適合管理システムと、を有し、
前記日報作成システムは、
前記運用日報に係る日報データを取得する入力部と、
前記日報データを記憶部へ記録する制御部と、
を有し、
前記不適合管理システムは、
前記異常の情報を記憶するデータベース、
を有し、
前記制御部は、前記日報データを自然言語解析して前記日報データに含まれる前記異常が記載された文章を探索し、前記異常が記載された文章が探索できた場合、当該文章を前記データベースへ登録する、
運用管理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記日報データを文章に分割し、分割後の文章を形態素解析して単語に細分化し、前記単語について表記揺らぎを統一して代表語に置き換える処理を行い、前記代表語が前記異常を示す場合、前記代表語を含む文章を前記異常が記載された文章として特定する、
請求項1に記載の運用管理システム。
【請求項3】
前記日報作成システムは、前記日報データの入出力を行う日報登録画面を出力する第1出力部を有し、
前記不適合管理システムは、前記異常の情報の入出力を行う不適合情報処理画面を出力する第2出力部を有し、
前記日報登録画面に表示される日報データ中の前記異常が記載された文章には、当該文章に係る異常の情報を入出力する不適合情報処理画面へのアクセス情報が含まれる、
請求項1または請求項2に記載の運用管理システム。
【請求項4】
前記不適合管理システムは、
前記異常の情報の入出力を行う不適合情報処理画面から前記異常の情報の入力を受け付ける第2入力部と、
前記不適合情報処理画面を出力する出力部と、
前記不適合情報処理画面に前記データベースに登録された前記異常が記載された文章を表示するとともに、前記不適合情報処理画面へ入力された前記異常の情報を前記データベースへ登録する第2制御部と、を有し、
前記不適合情報処理画面に前記異常に関連するキー情報が入力されると、前記制御部は、前記データベースに登録された前記キー情報に対応する前記異常が記載された文章を検索し、検索された文章を前記不適合情報処理画面に表示して出力する、
請求項1または請求項2の何れか1項に記載の運用管理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記データベースに登録された前記異常が記載された文章を解析して、前記異常を分類するための種別コードを特定し、前記データベースが有する前記種別コードを登録する項目に、特定した前記種別コードを登録する、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の運用管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記データベースに登録された前記異常が記載された文章を前記不適合情報処理画面に表示するとともに、当該文章に含まれる異常に類似する他の前記文章を前記データベースから読み出して提示する、
請求項3または請求項4に記載の運用管理システム。
【請求項7】
文書を登録するための文書登録システムと当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムとを有する文書管理システムであって、
前記文書登録システムは、
前記文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出する文書処理部、
を備え、
前記関連文書登録システムは、
前記文書処理部により検出した文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御部、
を備える文書管理システム。
【請求項8】
登録された文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出するための文書登録システムと通信可能な当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムであって、
前記関連文書登録システムは、
前記文書登録システムにより検出した文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御部、
を備える関連文書登録システム。
【請求項9】
プラントの運用日報を登録する日報作成システムと、前記プラントに生じる異常の情報を登録する不適合管理システムと、を有する運用管理システムの制御方法であって、
前記日報作成システムが、前記運用日報に係る日報データを取得するステップと、
前記日報作成システムが、前記日報データを前記日報作成システムの記憶部へ記録するステップと、
前記日報作成システムが、前記日報データを自然言語解析して前記日報データに含まれる前記異常が記載された文章を探索し、前記異常が記載された文章が探索できた場合、当該文章を、前記不適合管理システムが有する前記異常の情報を記憶するデータベースへ登録するステップと、
を有する運用管理システムの制御方法。
【請求項10】
文書を登録するための文書登録システムと当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムとを有する文書管理システムの制御方法であって、
前記文書登録システムは、前記文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出する文書処理ステップ、
を実行し、
前記関連文書登録システムは、前記文書処理ステップにより検出した文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップを実行する、
文書管理システムの制御方法。
【請求項11】
登録された文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出するための文書登録システムと通信可能な当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムの制御方法であって、
前記関連文書登録システムは、前記文書登録システムにより検出された文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップ、
を実行する関連文書登録システムの制御方法。
【請求項12】
プラントの運用日報を登録する日報作成システムと、前記プラントに生じる異常の情報を登録する不適合管理システムと、を有する運用管理システムのコンピュータに、
前記運用日報に係る日報データを取得するステップと、
前記日報データを前記日報作成システムの記憶部へ記録する取得するステップと、
前記日報データを自然言語解析して前記日報データに含まれる前記異常が記載された文章を探索し、前記異常が記載された文章が探索できた場合、当該文章を、前記不適合管理システムが有する前記異常の情報を記憶するデータベースへ登録するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項13】
文書を登録するための文書登録システムと当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムとを有する文書管理システムのコンピュータに、
前記文書登録システムが、前記文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出する文書処理ステップと、
前記関連文書登録システムが、前記文書処理ステップにより検出した文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項14】
登録された文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出するための文書登録システムと通信可能な当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムのコンピュータに、
前記文書登録システムにより検出された文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップ、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運用管理システム、運用管理システムの制御方法、文書管理システム、文書管理システムの制御方法、関連文書登録システム、関連文書登録システムの制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラントの運用では、日々発生するイベントを運転員が日報として日報作成システムに入力している。日報作成システムに入力されるイベントの中には、プラント運用中に生じた、異常や故障などのトラブル、普段生じないアラームの発報などが含まれる。これらトラブル等の情報を不適合情報とよぶ。不適合情報は、イベントの一種として日報作成システムに入力されるほか、トラブルの発生から収束までの情報を記録しておくための不適合管理システムにも別途入力される。
【0003】
現在、形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析等の自然言語処理技術により特定の文章抽出が可能となっている。例えば、特許文献1には、自然言語処理技術を活用して、アンケートやコールセンターに寄せられた顧客意見情報をテキスト化し、形態素解析、構文解析、クラスタリング等を行って、顧客意見情報を顧客ニーズ毎に分類し、顧客ニーズを評価するためのキーワード、およびその評価値の設定を受け付けて、顧客ニーズの重要度を示すスコアを算出し、顧客ニーズを定量的かつ高精度に分析する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-226568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
日報作成システムと不適合管理システムの両方に不適合情報を入力する作業負担を軽減することにより作業効率を向上させることが求められている。
【0006】
本開示は、上記課題を解決することができる運用管理システム、運用管理システムの制御方法、文書管理システム、文書管理システムの制御方法、関連文書登録システム、関連文書登録システムの制御方法およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の運用管理システムは、プラントの運用日報を登録する日報作成システムと、前記プラントに生じる異常の情報を登録する不適合管理システムと、を有し、前記日報作成システムは、前記運用日報に係る日報データを取得する入力部と、前記日報データを記憶部へ記録する制御部と、を有し、前記不適合管理システムは、前記異常の情報を記憶するデータベース、を有し、前記制御部は、前記日報データを自然言語解析して前記日報データに含まれる前記異常が記載された文章を探索し、前記異常が記載された文章が探索できた場合、当該文章を前記データベースへ登録する。
【0008】
本開示の文書管理システムは、文書を登録するための文書登録システムと当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムとを有する文書管理システムであって、前記文書登録システムは、前記文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出する文書処理部、を備え、前記関連文書登録システムは、前記文書処理部により検出した文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御部、を備える。
【0009】
本開示の関連文書登録システムは、登録された文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出するための文書登録システムと通信可能な当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムであって、前記関連文書登録システムは、前記文書登録システムにより検出された文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御部、を備える。
【0010】
本開示の運用管理システムの制御方法は、プラントの運用日報を登録する日報作成システムと、前記プラントに生じる異常の情報を登録する不適合管理システムと、を有する運用管理システムの制御方法であって、前記日報作成システムが、前記運用日報に係る日報データを取得するステップと、前記日報作成システムが、前記日報データを前記日報作成システムの記憶部へ記録するステップと、前記日報作成システムが、前記日報データを自然言語解析して前記日報データに含まれる前記異常が記載された文章を探索し、前記異常が記載された文章が探索できた場合、当該文章を、前記不適合管理システムが有する前記異常の情報を記憶するデータベースへ登録するステップと、を有する。
【0011】
本開示の文書管理システムの制御方法は、文書を登録するための文書登録システムと当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムとを有する文書管理システムの制御方法であって、前記文書登録システムは、前記文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出する文書処理ステップ、を実行し、前記関連文書登録システムは、前記文書処理ステップにより検出した文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップを実行する。
【0012】
本開示の関連文書登録システムの制御方法は、登録された文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出するための文書登録システムと通信可能な当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムの制御方法であって、前記関連文書登録システムは、前記文書登録システムにより検出された文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップ、を実行する。
【0013】
本開示のプログラムは、プラントの運用日報を登録する日報作成システムと、前記プラントに生じる異常の情報を登録する不適合管理システムと、を有する運用管理システムのコンピュータに、前記運用日報に係る日報データを取得するステップと、前記日報データを前記日報作成システムの記憶部へ記録する取得するステップと、前記日報データを自然言語解析して前記日報データに含まれる前記異常が記載された文章を探索し、前記異常が記載された文章が探索できた場合、当該文章を、前記不適合管理システムが有する前記異常の情報を記憶するデータベースへ登録するステップと、を実行させる。
【0014】
本開示のプログラムは、文書を登録するための文書登録システムと当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムとを有する文書管理システムのコンピュータに、前記文書登録システムが、前記文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出する文書処理ステップと、前記関連文書登録システムが、前記文書処理ステップにより検出した文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップと、を実行させる。
【0015】
本開示のプログラムは、登録された文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出するための文書登録システムと通信可能な当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムのコンピュータに、前記文書登録システムにより検出された文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップ、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の運用管理システム、運用管理システムの制御方法、文書管理システム、文書管理システムの制御方法、関連文書登録システム、関連文書登録システムの制御方法およびプログラムによれば、不適合情報の登録作業を効率化、省力化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】各実施形態に係る運用管理システムの一例を示すブロック図である。
図2】第一実施形態に係る運用管理システムの処理の概要を示す図である。
図3】第一実施形態に係る不適合情報の自動登録処理の一例を示すフロー図である。
図4A】日報データの一例を示す図である。
図4B】文章単位に分割された日報データを示す図である。
図4C】単語に分割された日報データを示す図である。
図4D】不適合情報の一例を示す第1の図である。
図4E】不適合情報の一例を示す第2の図である。
図4F】不適合情報起票後に表示される日報データの一例を示す図である。
図5】不適合情報データベースの一例を示す図である。
図6】第二実施形態に係る2重登録防止処理の一例を示すフロー図である。
図7】第二実施形態に係る不適合情報処理画面の表示例を示す図である。
図8】第三実施形態に係る入力項目の自動登録について説明する図である。
図9】第三実施形態に係る入力項目の自動登録処理の一例を示すフロー図である。
図10】第四実施形態に係る類似情報提示処理の一例を示すフロー図である。
図11】第四実施形態に係る不適合情報処理画面の表示例を示す図である。
図12】各実施形態に係る運用管理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施形態に係る不適合情報の登録処理について、図1図12を参照しながら詳しく説明する。
(システム構成)
図1は、各実施形態に係る運用管理システムの一例を示すブロック図である。
運用管理システム100は、日報作成システム10と、不適合管理システム20と、を有する。運用管理システム100は、プラントの運用管理に役立つ情報を登録・蓄積し、運転員へ提示する機能を有する文書管理システムである。例えば、日報作成システム10は、運転員によるプラント運用中に発生した様々な出来事、気づき等のイベント情報の入力を受け付け、プラント運用における日報データを作成し、日々の日報データを記憶する文書登録システムである。日報データは、プラントの運転状況の記録として蓄積される。また、プラントの運用は24時間体制で行われる場合があり、日報データは、運転員が交代する際の引き継ぎに用いられる。不適合管理システム20は、日報データに関わる不適合情報の入力を受け付け、不適合情報を記憶する関連文書登録システムである。不適合情報には、プラント運用中に生じたトラブルの発生から収束までの情報(経過の詳細や対処方法など)が含まれる。不適合情報は、プラントの運用を行う企業内で共有され、保守計画の立案や異常発生時における対処方法のナレッジベースとして活用される。従来、運転員が、日報作成システム10へ日々のイベント情報を入力し、イベント情報に不適合情報が含まれるような場合(運用中に異常等が発生した場合)には、別途、不適合管理システム20へ不適合情報の入力を行っている。これに対し、本実施形態の運用管理システム100は、運転員が、日報作成システム10へイベント情報を入力すると、イベント情報に不適合情報が含まれる場合には、自動的に、不適合管理システム20へその内容が登録される機能を提供する。
【0019】
図示するように、日報作成システム10は、入力部11と、制御部12と、出力部13と、記憶部14と、通信部15と、を有する。
入力部11は、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタン等の入力装置を用いて構成される。入力部11は、日報作成システム10に対するユーザの操作による入力を受け付ける。入力部11は、受け付けた入力の内容を制御部12に出力する。
制御部12は、日報入力処理や、日報データに不適合情報が含まれている場合にその不適合情報を不適合管理システム20へ登録する処理を制御する。例えば、制御部12は、日報データを入力するための日報登録画面を作成して表示装置へ表示し、日報登録画面に入力された日報データを記憶部14に登録する。また、制御部12は、文書処理部121を有している。文書処理部121は、形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析等の自然言語処理機能を有している。文書処理部121は、自然言語処理機能を用いて、入力された日報データから不適合情報を検出し、検出した不適合情報を不適合管理システム20へ登録する処理を実行する(第一実施形態)。
【0020】
出力部13は、日報登録画面などを表示装置へ出力する。
記憶部14は、入力された日報データ、各種辞書などの種々の情報を記憶する。
通信部15は、不適合管理システム20と通信を行い、データの送受信を行う。
【0021】
不適合管理システム20は、入力部21と、制御部22と、出力部23と、記憶部24と、通信部25と、を備える。
入力部21は、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタン等の入力装置を用いて構成される。入力部21は、不適合管理システム20に対する利用者の操作による入力を受け付ける。入力部21は、受け付けた入力の内容を制御部22へ出力する。
制御部22は、不適合情報の登録処理や編集処理を制御する。例えば、制御部22は、不適合情報処理画面を作成して表示装置へ表示し、画面に入力された不適合情報を記憶部24に登録する。制御部22は、不適合情報の登録や編集を支援する様々な機能を備えている(第二~第四実施形態)。例えば、制御部22は、形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析等の自然言語処理機能を有している。制御部22は、自然言語処理機能を利用して、登録された不適合情報を解析し、不適合情報の分類(事象分類、機器分類、系統分類)や、類似する他の不適合情報の探索を行う(第三、第四実施形態)。また、制御部22は、日報作成システム10から不適合情報の登録通知を受信したり、不適合情報へアクセスするためのリンク情報を日報作成システム10へ通知したりする(第一実施形態)。
出力部23は、不適合情報処理画面などを表示装置へ出力する。
記憶部24は、不適合情報等の種々の情報を記憶する。例えば、記憶部24は、不適合情報データベース241、各種辞書を記憶している。不適合情報は、不適合情報データベース241に登録、蓄積される。
通信部25は、日報作成システム10と通信を行い、データの送受信を行う。
【0022】
<第一実施形態>
次に第一実施形態として不適合情報の自動登録処理について、図2図5を参照して説明する。図2に文書処理部121による処理に概要を示す。プラントの運転員が図2の枠2Aに例示するような日報データを日報作成システム10へ登録する。文書処理部121は、構文解析、形態素解析などを用いて、日報データを単語(用語)に分節し、不適合情報に出現する用語が記載された辞書、データベースなどを参照し(これらの辞書、データベースは記憶部14に登録されている。)、日報データに含まれる不適合情報(枠2Aの下線部)を検出する。また、文書処理部121は、日報データ内に不適合情報の目印となる用語を検出すると、検出した用語および当該用語が含まれる文章に含まれる他の用語等から、その文章に記載された異常等のカテゴリを特定する。例えば、枠2Aに示す不適合情報の場合、文書処理部121は、下線部の文章には、コンベア、異音、停止などの単語からコンベアに関する異常(異常2B)と、ボイラ、水質、悪化などの単語からボイラに関する異常(異常2C)という異なるカテゴリの不適合情報が含まれていることを解析し、不適合情報データベース241へ解析した2つの不適合情報を2件のデータとして登録する。従来、2件分の不適合情報を登録(起票)する場合、運転員は、日報データの入力に加え、不適合情報処理画面を通じて不適合情報の入力を2回行う必要があった。運用管理システム100によれば、日報作成システム10へ日報データを入力するだけで、文書処理部121によって、2件分の不適合情報を自動的に不適合管理システム20へ登録することができる。
【0023】
(不適合情報の自動登録処理)
次に図3図5を参照して、第一実施形態の不適合情報の自動登録処理について詳しく説明する。図3は、第一実施形態に係る不適合情報の自動登録処理の一例を示すフロー図である。
まず、運転員が、日報作成システム10に日報データを入力する(ステップS1)。日報データには、日報ID、日付、入力者、発生したイベントの内容(イベント情報)などが含まれる。日報データの一例を図4Aに示す。入力部11は、入力された日報データを取得し、制御部12へ出力する。制御部12は、日報データを記憶部14へ記録する(ステップS2)とともに、文書処理部121へ不適合情報の検出を指示する。
【0024】
この指示に基づいて、文書処理部121は所定の条件を満たす不適合情報の検出(不適合文章の探索処理)を開始する。まず、文書処理部121は日報データ(テキストデータ)を文章単位に分割する(ステップS3)。図4Aの日報データを文章単位に分割した結果を図4Bに示す。文書処理部121は、意味解析、文脈解析を行って、文章の内容をカテゴライズし、カテゴリごとの文章に分割する。例えば、文書処理部121は、コンベアに関する文章とボイラに関する文章とを別のカテゴリに分類し、異なる文章として分割する。文書処理部121は、分割した各文章の冒頭文字の位置と末尾の文字の位置をカウントして記憶する。次に文書処理部121は、分割して得られた1つの文章ごとに不適合情報を含む文章(不適合文章とよぶ。)であるか探索する。まず、文書処理部121は、分割後の文章を形態素解析し、文章を用語レベルに細分化する(ステップS4)。形態素解析により用語レベルに細分化した結果を図4Cに示す。次に、文書処理部121は、分割してできた各単語に対して、用語揺らぎを吸収する処理を行う(ステップS5)。文書処理部121は、用語別に同義語、類義語等が定義された辞書(この辞書は記憶部14に登録されている。)を参照して、用語の表記揺れを吸収する。例えば、辞書には、“ブレーカ”の類義語として、“ブレーカー”、“CB”、“遮断器”などが登録されており、代表語として“ブレーカ”とすることが定義されている。文書処理部121は、細分化された後に残ったこれらの用語を“ブレーカ”に統一する。次に文書処理部121は、細分化した用語に基づいて、不適合文章を特定する(ステップS6)。例えば、文書処理部121は、異常やトラブル等を表す用語やその組合せ(例えば、“ブレーカ”と“故障”の組合せ)を定義した辞書やデータベースを参照して、この辞書等に登録された用語やその組み合わせを含む文章を不適合文章であると特定する。文書処理部121は、ステップS3で分割してできた文章のそれぞれについて、不適合文章か否かを判定する。
【0025】
次に文書処理部121は、日報データ中に不適合文章があるか否かを判定する(ステップS7)。不適合文章が存在しない場合(ステップS7;No)、不適合管理システム20に不適合情報を登録する必要が無いので、図3の処理フローを終了する。
【0026】
不適合文章がある場合(ステップS7;Yes)、文書処理部121は、不適合文章(複数含む)、日付、日報ID、入力者、不適合文章の冒頭および末尾の位置(文字数)などを不適合情報データベース241に登録する(ステップS8)。図4Aの日報データから検出された2件の不適合文章の例を図4D図4Eに示す。また、2件の不適合文章が登録された不適合情報データベース241の一例を図5に示す(「不適合管理票ID」欄、「不適合管理表アドレス情報」欄の情報は後の処理にて登録される。)。なお、図5に例示する不適合情報データベース241のレイアウトは一例である。不適合情報データベース241は、図5に例示する項目のほかにも、「発見者」項目、「重大度」項目、「事象分類コード」項目、「機器分類コード」項目、「系統分類コード」項目などを有していてもよい。
【0027】
不適合情報データベース241への不適合文章などの登録が完了すると、次に文書処理部121は、不適合管理システム20へ不適合文章の登録完了を通知する(ステップS9)。文書処理部121は、通信部15を通じて登録完了通知を不適合管理システム20へ送信する。不適合管理システム20では、制御部22が、通信部25を通じて登録完了通知を受信する。登録完了通知を受信すると、不適合管理システム20側の処理が開始される。
【0028】
まず、制御部22は、不適合情報データベースより不適合文章を取得し、不適合処理票を自動起票する(ステップS10)。例えば、制御部22は、新たに不適合情報データベース241へ登録された不適合情報について、不適合管理IDを採番して、そのIDを不適合情報データベース241の「不適合管理票ID」欄に登録する。不適合管理票IDが採番された不適合情報を不適合処理票とよぶ。次に制御部22は、起票した不適合処理票へのアクセス情報(アドレス、ショートカット等)を不適合情報データベース241に登録する(ステップS11)。例えば、制御部22は、新たに自動起票された2件の不適合処理票の表示や編集などを行うことができる不適合情報処理画面(例えば、図7)へのリンク等のアクセス情報を生成し、そのアクセス情報を不適合情報データベース241の「不適合管理表アドレス情報」欄に登録する。次に制御部22は、通信部25を通じて、新たに起票された不適合処理票へのアクセス情報の登録完了を日報作成システム10へ通知する(ステップS12)。日報作成システム10では、文書処理部121が、通信部15を通じてアクセス情報の登録完了通知を受信する。登録完了通知を受信すると、文書処理部121は、登録済みの不適合文章に関連する情報とアクセス情報を取得し、該当する文章にアクセス情報を埋め込む(ステップS13)。文書処理部121は、ステップS2で記憶部14に登録した日報データを読み出して、当該日報データに含まれる不適合文章に、適切なアクセス情報を対応付けて記憶部14に記録する。例えば、文書処理部121は、コンベアに関する不適合文章には、コンベアに関して起票された不適合処理票へのアクセス情報を対応付け、ボイラに関する不適合文章には、ボイラに関して起票された不適合処理票へのアクセス情報を対応付けて記録する。アクセス情報を埋め込んだ後の日報データの一例を図4Fに示す。
【0029】
(効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、運転員が日報作成システム10へ日報データの登録を行うと、自動的に不適合処理票を起票することができる。これにより、運転員が入力した日報データに含まれる不適合文章と同じ不適合文章を不適合管理システム20へ再入力する負担が軽減される。また、ステップS5にて用語揺らぎの吸収を行うことにより、精度よく不適合文章を特定することができる。また、不適合処理票で自動起票した処理票へのアクセス情報を日報作成システム10に展開することで、プラント運転員の当該不適合処理票へのアクセス性を向上させることができる。
【0030】
<第二実施形態>
次に、第二実施形態として不適合情報の2重登録防止機能について、図6図7を参照して説明する。
第一実施形態では、日報作成システム10へ登録された日報データから不適合文章を抽出し、抽出した不適合文章に関して、不適合管理システム20で不適合処理票を自動起票することとしたが、プラント運転は複数人で担当することが多く、日報データを入力した運転員とは異なるプラント運転員が、自動起票された不適合処理票と同内容の不適合情報を、不適合管理システム20に手動で登録するような事態が想定される。すると、不適合管理システム20に同じ不適合情報が2件登録され、管理上不適切であると同時にプラント運転員に余計な作業をさせたことになる。そこで、以下で説明する処理によって、不適合情報の2重登録を防止する。
【0031】
(2重登録防止処理)
図6は、第二実施形態に係る2重登録防止処理の一例を示すフロー図である。
まず、運転員が、不適合管理システム20に所定の操作を行って、不適合情報処理画面を表示させる。運転員は、不適合処理票を手動で起票するために発生日欄に日付を入力する(ステップS20)。図7に発生日欄に日付(2021/01/15)が入力された状態の不適合情報処理画面701を示す。日付が入力されると、入力部21は、入力された日付の情報を取得し、制御部22へ出力する。制御部22は、不適合情報データベース241を参照して、入力された発生日と同じ日の不適合処理票があるか照会する(ステップS21)。制御部22は、不適合情報処理画面701の「発生日」欄に入力された日付を使って、図5に例示するデータベースの「日報登録日」欄を検索する。同じ日の不適合処理票が無い場合(ステップS22;No)、図6の処理を終了する。運転員は、不適合情報処理画面701の他の項目への入力を行って、不適合処理票を手動で起票する。
【0032】
同じ日の不適合処理票がある場合(ステップS22;Yes)、制御部22は、画面に入力された発生日と「日報登録日」欄の日付が同じである登録済みの不適合処理票に関する情報を不適合情報データベース241から読み出して、不適合管理システム20の画面上に表示する(ステップS23)。例えば、制御部22は、読み出した情報を用いて、図7の登録済み不適合処理票一覧画面702を生成し、この画面702をポップアップ表示させる。運転員は、不適合処理票一覧画面702を見て、自ら手入力しようとしていた不適合情報が有るかどうかを探し、あった場合には「発生状況」欄を選択等する。すると、制御部22は、不適合情報処理画面701の表示内容を更新し、画面702にて選択等された「発生状況」欄の情報を画面701の「発生状況」欄に表示する。表示後の表示例を図7の不適合情報処理画面703に示す。尚、この「発生状況」欄の情報を修正したとしても既に生成したアクセス情報は、そのまま維持される。
【0033】
(効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、不適合処理票の2重起票を防止することができる。また、手動で入力しようとしていた運転員の無駄な作業の発生を防止することができる。例えば、第一実施形態で例示した不適合情報であれば、2件分の手動登録作業の発生を未然に防ぐことができる。
【0034】
なお、上記の例では、発生日を入力すれば、不適合情報データベース241から登録済みの不適合処理票が一覧表示できるようにすることとしたが、検索のキーとなる情報は発生日に限定されない。例えば、発生日に代えて発見者を入力すると、同じ発見者によって発見された登録済みの不適合情報を検索するように構成されていてもよいし、発生日と発見者が入力されると、制御部22は、入力された発生日と発見者の情報をキー情報として、不適合情報データベース241を検索し、検索結果を不適合処理票一覧画面702に表示してもよい。
【0035】
<第三実施形態>
次に、第三実施形態として不適合情報処理画面の他の入力項目へ値を自動設定する機能について、図8図9を参照して説明する。
図8に不適合情報処理画面の一例を示す。不適合情報処理画面704では、「発生日」欄と、「発生状況欄」欄に値が設定されている。不適合情報処理画面704は、第一実施形態で説明した自動登録処理によって起票された直後に、運転員が例えば、日報データに埋め込まれたアクセス情報を押下、選択等したときに表示される画面の表示状態である。図示するように、運転員は、「タイトル」欄、「重大度」欄、「発見者」欄、「事象分類」欄、「機器分類」欄、「系統分類」欄に追加で情報を入力する必要がある。これに対し、第三実施形態の自動設定機能では、「発生状況」欄の不適合文章の内容を自然言語処理技術により解析し、事象分類、機器分類、系統分類を推定する。そして、その推定に基づく入力値を、それぞれ「事象分類」欄、「機器分類」欄、「系統分類」欄へ設定し、運転員の入力作業の負担を軽減する。なお、事象分類、機器分類、系統分類についてはそれぞれマスタ情報が記憶部24に予め登録されている。事象分類とは、プラント運用中に発生した不適合な事象をその種類に基づいて分類するもので、事象分類の観点から不適合情報は、振動、異音・騒音、変形、性能劣化、・・・などに分類される。記憶部24の事象分類マスタでは、各分類に対して事象分類コードが割り当てられており、不適合情報処理画面704の「事象分類」欄には事象分類コードを入力する。機器分類とは、不適合な事象が発生した機器に基づいて分類するもので、不適合情報は、機器分類の観点で、ポンプ、ボイラ、搬送装置、・・・などに分類される。記憶部24の機器分類マスタでは、各分類に対して機器分類コードが割り当てられていて、不適合情報処理画面704の「機器分類」欄には機器分類コードを入力する。系統分類とは、不適合な事象が発生した機器が属するプラントの系統に基づいて分類するもので、不適合情報は、系統分類の観点で、燃料系統、冷却水系統、・・・などに分類される。記憶部24の系統分類マスタでは、各分類に対して系統分類コードが割り当てられていて、不適合情報処理画面704の「系統分類」欄には系統分類コードを入力する。
【0036】
(入力項目の自動設定処理)
次に図9を参照して、第三実施形態の入力項目の自動登録処理について詳しく説明する。図9は第三実施形態に係る入力項目の自動登録処理の一例を示すフロー図である。ステップS1~ステップS13までの処理は、第一実施形態と同様であるため簡単に説明する。まず、運転員が、日報作成システム10に日報データを入力する(ステップS1)。制御部12は、日報データを記憶部14へ記録する(ステップS2)。文書処理部121は日報データを文章単位に分割し(ステップS3)、形態素解析により文章を用語レベルに細分化し(ステップS4)、用語揺らぎを吸収し(ステップS5)、不適合文章を特定する(ステップS6)。文書処理部121は、特定した不適合文章を不適合情報データベース241に登録し(ステップS8)、不適合管理システム20へ登録完了通知を行う(ステップS9)。不適合管理システム20では、制御部22が、不適合処理票を自動起票し(ステップS10)、自動起票した不適合処理票へのアクセス情報を不適合情報データベース241に登録する(ステップS11)。制御部22は、アクセス情報の登録完了を日報作成システム10へ通知する(ステップS12)。日報作成システム10では、文書処理部121が、日報データにアクセス情報を埋め込む(ステップS13)。
【0037】
次に制御部22は、不適合文章を解析して、事象分類、機器分類、系統分類の各観点から解析(入力項目の探索処理)を行う。まず、制御部22は、不適合文章(テキストデータ)を形態素解析し(ステップS14)、不適合文章を用語レベルに細分化する。次に、制御部22は、分割してできた各用語に対して、用語揺らぎを吸収する処理を行う(ステップS15)。例えば、記憶部24には、用語別に同義語、類義語、代表後等が定義された辞書が登録されていて、制御部22は、ステップS4で説明したものと同様の処理により、同じ意味の用語を代表語に統一する。次に制御部22は、細分化し揺らぎをなくした用語に基づいて、入力項目の分類を特定する(ステップS16)。例えば、制御部22は、“コンベア”、“異音”等の用語から、この不適合文章の事象分類を“異音・騒音”に分類し、機器分類を“搬送装置”に分類する。制御部22は、記憶部24に登録された事象分類マスタを検索して“異音・騒音”に対応する事象分類コードを特定する。制御部22は、機器分類、系統分類についても同様にして形態素解析後の用語から適切な機器や系統を特定し、機器分類マスタ、系統分類マスタを参照して、機器分類コード、系統分類コードをそれぞれ特定する。次に制御部22は、特定した入力項目を不適合情報データベース241へ登録する(ステップS17)。具体的には、制御部22は、特定した事象分類コードを、不適合情報データベース241に登録済みの処理対象の不適合情報のレコードにおける「事象分類コード」項目へ登録し、特定した機器分類コードを「機器分類コード」項目へ登録し、特定した系統分類コードを「系統分類コード」項目へ登録する。この処理により、例えば、日報作成システム10からアクセス情報を辿って、不適合情報処理画面704を照会した際には、「事象分類」、「機器分類」、「系統分類」の各入力欄には既に適切な値が設定された状態となる。
【0038】
(効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、不適合管理システム20での入力項目設定作業を省略化でき、プラント運転員の入力作業負荷をさらに低減することができる。
【0039】
なお、上記の例では、「事象分類コード」、「機器分類コード」、「系統分類コード」の各項目の値を自動登録することとしたが、例えば、不適合情報データベース241に一定量の不適合情報が登録された後には、制御部22が、形態素解析後の用語に基づいて、既に登録された不適合情報の中から類似する事象を見つけ出し、見つけた不適合情報と対応付けて不適合情報データベース241に登録されている「タイトル」項目や「重大度」項目の情報を読み出して、これらの情報を新たに登録(起票)した不適合情報における「タイトル」、「重大度」に設定し、不適合情報データベース241に自動的に登録するようにしてもよい。
【0040】
<第四実施形態>
次に、第四実施形態として、過去の類似する不適合情報を提示する機能について、図10図11を参照して説明する。
第一実施形態では、日報作成システム10へ登録された日報データから不適合文章を検出し、検出した不適合文章に関する不適合処理票を自動起票した。また、第三実施形態では、自動起票では設定されない入力項目について適切な値を自動登録することとした。不適合管理システム20の目的の一つに異常発生時における対処方法のナレッジベースとして活用することがある。この目的のためには、異常等が収束した後に、どのような対処を行ってトラブル等を解決したか、あるいは、一時的な事態の収束後にどのような対処(修理、部品交換など)を行ったかといった情報を登録しておく必要がある。そこで、第四実施形態では、以下で説明する処理によって、過去の類似する不適合情報を検索し、検索できた不適合情報の一覧を提示し、自動起票後に追加すべき情報の入力や、現在発生している不適合な事象への対策に関する意思決定を支援する。
【0041】
(類似不適合処理票提示処理)
図10は、第四実施形態に係る類似情報提示処理の一例を示すフロー図である。
まず、運転員が、自動起票された不適合処理票にアクセスする(ステップS30)。例えば、運転員は、日報データのアクセス情報をクリックしたり、所定の操作を行って、不適合情報処理画面を起動し、発生日や発見者などを入力したりして、処理対象の不適合処理票にアクセスする。すると、制御部22が、図11に例示する不適合情報処理画面705を表示する。次に、制御部22が、不適合情報データベース241に登録された全不適合情報の「発生状況」項目の情報(閲覧中のデータを除く)を取得する(ステップS31)。制御部22は、閲覧中の不適合処理票の“発生状況”欄の文章と、それ以外の不適合情報の「不適合文章」項目の情報とを照合する。そして、類似する発生状況の文章が登録された不適合情報を探索する。具体的には、制御部22は、閲覧中の「発生状況」の文章と、不適合情報データベース241から読み出した「不適合文章」項目の文章のそれぞれに対して形態素解析を行い(ステップS33)、用語揺らぎを吸収する処理を行う(ステップS34)。これらの処理内容は、図9のステップS14、S15等で説明したものと同様である。次に制御部22は、閲覧中の「発生状況」の文章の形態素解析により得られた用語と、不適合情報データベース241から読み出した「不適合文章」項目の文章の形態素解析により得られた用語とに基づいて、閲覧中の不適合文章と不適合情報データベース241から読み出した不適合文章との関連度(類似度)を計算する(ステップS35)。文章に含まれる単語に基づいて文章間の関連度や類似度を計算する方法は公知である。例えば、単語の出現回数に基づいて文章をベクトル化しベクトル類似度を計算する方法や、word2vec等のツールを用いて各単語を分散表現したベクトルを用いて文章間のベクトル類似度を計算する方法などが知られている。制御部22は、任意の方法を用いて、不適合文章との関連度(類似度)を計算する。次に制御部22は、不適合情報データベース241から読み出した不適合文章の中から、閲覧中の不適合文章に類似する不適合処理票を特定する(ステップS36)。例えば、制御部22は、ステップS35で計算した、関連度や類似度が閾値以上のものを抽出し、抽出した不適合文章を含む不適合処理票を類似不適合処理票として特定する。次に制御部22は、特定された類似不適合処理票を関連度の高い順に提示する(ステップS37)。関連度の高い類似不適合処理票の表示例を図11の類似不適合処理票一覧画面706に示す。制御部22は、特定した類似不適合処理票の「発生状況」項目の内容とステップS35で計算した関連度などを表示した類似不適合処理票一覧画面706を生成し、この画面706をポップアップ表示する。運転員は、表示された「発生状況」欄、「関連度」欄の内容を参考にしながら、現在発生している異常等に対する対処方法、対処方針を検討することができる。また、運転員は、表示された「発生状況」欄、「関連度」欄の内容を参考にしながら、閲覧中の不適合処理票について「発生状況」欄の入力を行うことができる。また、例示する類似不適合処理票一覧画面706では、「ドラフト作成」欄が表示され、類似不適合処理票ごとに選択可能となっている。運転員が、ある1つの類似不適合処理票について、「ドラフト作成」欄の「これを選ぶ」の表示(ドラフト作成ボタン)に対して押下・選択等すると、制御部22は、選択された類似不適合処理票の「発生状況」の不適合文章を、閲覧中の不適合情報処理画面705における「発生状況」欄に反映させる。例えば、制御部22は、選択された不適合文章に現れる機器名を、閲覧中の不適合処理票で使用されている機器名(例えば、「機器分類」欄に入力された機器分類コードに紐づく機器名や自動起票時の不適合文章に含まれる機器名)に置換した文章を閲覧中の「発生状況」欄に表示されている不適合文章に追加したり、置き換えたりする。さらに、「発生状況」欄に表示されている不適合文章が変更されたとしても、日報作成システム10に展開した不適合処理票へのアクセス情報は変更されないため、プラント運転員の当該不適合処理票へのアクセス性を担保することができる。これにより、運転員の作業負担を軽減することができる。
【0042】
(効果)
従来から、不適合情報データベース241に登録済みのデータを、運転員が不適合管理システム20を利用して能動的に検索する(pull型)ことは可能であった。しかし、pull型の検索では、過去の不適合情報を照会するかどうかは運転員次第ということになり、過去の不適合情報を積極的に活用するという観点からは課題が残るものであった。これに対し、本実施形態によれば、運転員が自動起票された不適合処理票にアクセスすると、自動起票された不適合情報と不適合情報データベース241に格納されている過去の不適合情報とを照合し、不適合管理システム20が能動的に関連しそうな過去の不適合処理票を関連性の高い順に提示する(push型の検索機能;類似不適合処理票一覧画面706)。これにより、発生中の不適合事象への対応方針を決定する際の参考情報とすることができ、結果として不適合事象への対応を効率化することができる。また、運転員は、決定した対応方針に関する記載を「発生状況」欄に入力しなければならないが、上記で説明したように類似不適合処理票一覧画面706の情報を参考にすることによって入力作業の負担を軽減することができる。さらに、ドラフト作成ボタンの押下により入力作業の負担を大幅に軽減することができる。なお、図11の処理では、自動的に類似不適合処理票一覧画面706が表示されることとしたが、例えば、運転員が、所定の操作(例えば、図示しない「類似不適合情報呼び出しボタン」を押下する等)を行うと、ステップS31以降の処理が実行されるように構成してもよい。
【0043】
図12は、実施形態に係る運用管理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。上述の日報作成システム10、不適合管理システム20は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0044】
日報作成システム10、不適合管理システム20の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0045】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0046】
<付記>
実施形態に記載の運用管理システム、運用管理システムの制御方法、文書管理システム、文書管理システムの制御方法、関連文書登録システム、関連文書登録システムの制御方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0047】
(1)第1の態様に係る運用管理システム100は、プラントの運用日報を登録する日報作成システム10と、前記プラントに生じる異常の情報(不適合情報)を登録する不適合管理システム20と、を有し、前記日報作成システム10は、前記運用日報に係る日報データを取得する入力部11と、前記日報データを記憶部14へ記録する制御部12と、を有し、前記不適合管理システム20は、前記異常の情報を記憶するデータベース(不適合情報データベース241)、を有し、前記制御部(文書処理部121)は、前記日報データを自然言語解析して前記日報データに含まれる前記異常が記載された文章(不適合文章)を探索し、前記異常が記載された文章が探索できた場合、当該文章を前記データベースへ登録する。
これにより、日報として登録する情報(日報データ)に不適合情報が含まれていた場合、自動的に不適合情報を不適合情報データベース241に登録することができ、登録作業を効率化、省力化することができる。
【0048】
(2)第2の態様に係る運用管理システム100は、(1)の運用管理システム100であって、前記制御部は、前記日報データを文章に分割し、分割後の文章を形態素解析して単語に細分化し、前記単語について表記揺らぎを統一して代表語に置き換える処理を行い、前記代表語が前記異常を示す場合、前記代表語を含む文章を前記異常が記載された文章として特定する。
これにより、日報データの中から不適合文章を特定することができ、不適合情報の自動登録を実現することができる。
【0049】
(3)第3の態様に係る運用管理システム100は、(1)~(2)の運用管理システム100であって、前記日報作成システム10は、前記日報データの入出力を行う日報登録画面を出力する第1出力部13を有し、前記不適合管理システム20は、前記異常の情報の入出力を行う不適合情報処理画面を出力する第2出力部23を有し、前記日報登録画面に表示される日報データ中の前記異常が記載された文章には、当該文章に係る異常の情報を入出力する不適合情報処理画面へのアクセス情報が含まれる。
これにより、運転員は、日報登録画面に入力した日報データに基づいて、所望の不適合文章に関する情報の入出力を行うことができる不適合情報処理画面を容易に呼び出すことができる。
【0050】
(4)第4の態様に係る運用管理システム100は、(1)~(2)の運用管理システム100であって、前記不適合管理システム20は、前記異常の情報の入出力を行う不適合情報処理画面から前記異常の情報の入力を受け付ける第2入力部(入力部21)と、前記不適合情報処理画面を出力する出力部23と、前記不適合情報処理画面に前記データベースに登録された前記異常が記載された文章を表示するとともに、前記不適合情報処理画面へ入力された前記異常に関する情報を前記データベースへ登録する第2制御部(制御部22)と、を有し、前記不適合情報処理画面に前記異常に関連するキー情報が入力されると、前記制御部は、前記データベースに登録された前記キー情報に対応する前記異常が記載された文章を検索し、検索された文章を前記不適合情報処理画面に表示して出力する。
これにより、不適合処理票の2重登録を防止することができる。
【0051】
(5)第5の態様に係る運用管理システム100は、(1)~(4)の運用管理システム100であって、前記制御部は、前記データベースに登録された前記異常が記載された文章を解析して、前記異常を分類するための種別コード(事象分類コード、機器分類コード、系統分類コード)を特定し、前記データベースにおける前記種別コードを登録する項目に、特定した種別コードを登録する。
これにより、不適合情報を分類するための種別コード(事象分類コード、機器分類コード、系統分類コード)を自動で登録することができ、入力負担を軽減することができる。
【0052】
(6)第6の態様に係る運用管理システム100は、(3)~(4)の運用管理システム100であって、前記制御部は、前記データベースに登録された前記異常が記載された文章を前記不適合情報処理画面に表示するとともに、当該文章に含まれる異常に類似する他の前記文章を前記データベースから読みだして提示するし、提示した前記文章の中から1つが選択されると、選択された前記文章に含まれる前記異常の発生状況とその解決策を、前記不適合情報処理画面に反映させる。
これにより、過去に発生した類似する異常等への対策を参考にすることができる。
【0053】
(7)第7の態様に係る文書管理システム(運用管理システム100)は、文書を登録するための文書登録システム(日報作成システム10)と当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システム(不適合管理システム20)とを有する文書管理システムであって、前記文書登録システムは、前記文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出する文書処理部121、を備え、前記関連文書登録システムは、前記文書処理部により検出した文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御部22、を備える。
文書登録システムにて文書を登録すると、その文書に含まれる関連情報に基づいた関連文章を自動作成して作成して関連文書登録システムに登録し、さらに自動作成された関連文章へのアクセス情報を自動作成することができる。これにより、ユーザを、関連文書を作成する作業、関連文書を探し出す作業から解放することができる。尚、所定の条件を満たす文章とは、例えば、辞書等に登録された用語やその組み合わせを含む文章である。
【0054】
(8)第8の態様に係る関連文書登録システム(不適合管理システム20)は、登録された文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出するための文書登録システム(日報作成システム10)と通信可能な当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システム(不適合管理システム20)であって、前記関連文書登録システムは、前記文書登録システムにより検出された文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御部、を備える。
文書登録システムにて検出された文章情報に基づく関連文章を自動作成して登録し、さらに自動作成された関連文章へのアクセス情報を自動作成することができる。これにより、文書登録システムのユーザは、関連文書登録システムを用いて関連文書を作成・登録する作業や関連文書を探し出す作業から解放される。
【0055】
(9)第9の態様に係る運用管理システムの制御方法は、プラントの運用日報を登録する日報作成システムと、前記プラントに生じる異常の情報を登録する不適合管理システムと、を有する運用管理システムの制御方法であって、前記日報作成システムが、前記運用日報に係る日報データを取得するステップと、前記日報作成システムが、前記日報データを前記日報作成システムの記憶部へ記録するステップと、前記日報作成システムが、前記日報データを自然言語解析して前記日報データの異常が記載された文章を探索し、前記異常が記載された文章が探索できた場合、当該文章を、前記不適合管理システムが有する前記異常の情報を記憶するデータベースへ登録するステップと、を有する。
【0056】
(10)第10の態様に係る文書管理システムの制御方法は、文書を登録するための文書登録システムと当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムとを有する文書管理システムの制御方法であって、前記文書登録システムは、前記文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出する文書処理ステップ、を実行し、前記関連文書登録システムは、前記文書処理ステップにより検出した文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップを実行する。
【0057】
(11)第11の態様に係る関連文書登録システムの制御方法は、登録された文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出するための文書登録システムと通信可能な当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムの制御方法であって、前記関連文書登録システムは、前記文書登録システムにより検出された文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップ、を実行する。
【0058】
(12)第12の態様に係るプログラムは、プラントの運用日報を登録する日報作成システムと、前記プラントに生じる異常の情報を登録する不適合管理システムと、を有する運用管理システムのコンピュータ900に、前記運用日報に係る日報データを取得するステップと、前記日報データを前記日報作成システムの記憶部へ記録する取得するステップと、前記日報データを自然言語解析して前記日報データの異常が記載された文章を探索し、前記異常が記載された文章が探索できた場合、当該文章を、前記不適合管理システムが有する前記異常の情報を記憶するデータベースへ登録するステップと、を実行させる。
【0059】
(13)第13の態様に係るプログラムは、文書を登録するための文書登録システムと当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムとを有する文書管理システムのコンピュータに、前記文書登録システムが、前記文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出する文書処理ステップと、前記関連文書登録システムが、前記文書処理ステップにより検出した文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップと、を実行させる。
【0060】
(14)第14の態様に係るプログラムは、登録された文書から所定の条件を満たす文章に関わる文章情報を検出するための文書登録システムと通信可能な当該文書に関わる関連文書を登録するための関連文書登録システムのコンピュータに、前記文書登録システムにより検出された文章情報を含む前記関連文書を作成し、前記文書登録システムから前記関連文書へアクセスするためのアクセス情報を作成する制御ステップ、を実行させる。
【符号の説明】
【0061】
100・・・運用管理システム
10・・・日報作成システム
11・・・入力部
12・・・制御部
121・・・文書処理部
13・・・出力部
14・・・記憶部
15・・・通信部
20・・・不適合管理システム
21・・・入力部
22・・・制御部
23・・・出力部
24・・・記憶部
25・・・通信部
241・・・不適合情報データベース
900・・・コンピュータ
901・・・CPU
902・・・主記憶装置
903・・・補助記憶装置
904・・・入出力インタフェース
905・・・通信インタフェース
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
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図4F
図5
図6
図7
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図10
図11
図12