(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039605
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】継電器保護システム
(51)【国際特許分類】
H02H 3/05 20060101AFI20230314BHJP
G05B 9/02 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
H02H3/05 Z
G05B9/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146814
(22)【出願日】2021-09-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】596016557
【氏名又は名称】上銀科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】張順凱
(72)【発明者】
【氏名】陳毅弘
(72)【発明者】
【氏名】黄彦舜
【テーマコード(参考)】
5G142
5H209
【Fターム(参考)】
5G142AB05
5G142AC01
5G142BB05
5G142BD02
5G142BD06
5G142FF15
5H209AA07
5H209DD20
5H209EE03
5H209GG20
5H209HH04
5H209JJ03
5H209JJ05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】継電器の接点に異常が発生した際、継電器に関連する電源を遮断し、継電器を使用する際の安全性を確保することができる継電器保護システム及びそれを応用するロボットアームコントローラーとを提供する。
【解決手段】継電器保護システム10は、継電器11、緊急停止装置13、トリガー検出回路15、スティッキング検出回路17及び電源オフ回路19を備える。緊急停止装置は、緊急停止信号を発する。トリガー検出回路は、継電器及び急停止装置に接続され、緊急停止信号をトリガー信号に転換する。スティッキング検出回路は、トリガー検出回路及び継電器に接続され、継電器からのスティッキング信号を検出し、トリガー信号及びスティッキング信号に基づいて電源オフ信号を発する。電源オフ回路は、緊急停止装置、継電器及びスティッキング検出回路に接続されて電源オフ信号をキャッチし、続いて電源オフ信号に基づいて継電器の電源を遮断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
継電器、緊急停止装置、トリガー検出回路、スティッキング検出回路および電源オフ回路を備え、
前記緊急停止装置は緊急停止信号を発し、
前記トリガー検出回路は前記継電器および前記緊急停止装置に接続され、前記緊急停止信号をトリガー信号に転換し、
前記スティッキング検出回路は前記トリガー検出回路および前記継電器に接続され、前記継電器からのスティッキング信号を検出し、前記トリガー信号および前記スティッキング信号に基づいて電源オフ信号を発し、
前記電源オフ回路は前記緊急停止装置、前記継電器および前記スティッキング検出回路に接続されて前記電源オフ信号をキャッチし、続いて前記電源オフ信号に基づいて前記継電器の電源を遮断することを特徴とする、
継電器保護システム。
【請求項2】
前記電源オフ回路は第一スイッチユニットおよび第二スイッチユニットを有し、前記第一スイッチユニットは前記緊急停止装置および第一電源に接続され、前記第二スイッチユニットは前記継電器のNO接点および第二電源に接続され、前記電源オフ回路は前記電源オフ信号に基づいて前記第一スイッチユニットおよび前記第二スイッチユニットを制御し、遮断状態を維持することを特徴とする請求項1に記載の継電器保護システム。
【請求項3】
前記電源オフ回路はフォトカプラおよびトランジスタを有し、前記フォトカプラは一次側が前記第一電源および前記電源オフ回路の前記トランジスタに電気的に接続され、二次側が前記第二電源および前記第二スイッチユニットに電気的に接続され、前記電源オフ回路は前記電源オフ信号に基づいて前記電源オフ回路の前記トランジスタの導通を制御することを特徴とする請求項2に記載の継電器保護システム。
【請求項4】
前記スティッキング検出回路はトランジスタを有し、前記トランジスタは前記継電器のNC接点、前記トリガー検出回路および前記電源オフ回路に接続され、前記トリガー信号に基づいて遮断され、前記スティッキング検出回路が前記トリガー信号をキャッチしなければ、前記スティッキング検出回路の前記トランジスタは導通状態であることを特徴とする請求項3に記載の継電器保護システム。
【請求項5】
前記トリガー検出回路は第一オペアンプおよび第二オペアンプを有し、前記第一オペアンプは逆相入力端が前記緊急停止装置に電気的に接続され、正相入力端が前記第一電源に電気的に接続され、出力端が前記第二オペアンプの逆相入力端に電気的に接続され、前記第二オペアンプは正相入力端が前記第一電源に電気的に接続され、出力端が前記スティッキング検出回路に電気的に接続されることを特徴とする請求項2に記載の継電器保護システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械設備のコントローラーに関し、詳しくは継電器保護システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
継電器(relay)はロボットアーム、機械設備またはその他の電気機械設備などの自動制御領域に幅広く応用される。しかし、継電器の機械接点において、使用温度および電気などの要素に関わって、NO接点とCOM接点(共同接点)がスティッキング状態になるか、相互にくっ付いて剥がれないという現象が発生する。
【0003】
特許文献1により開示された継電器の接点故障検出システムは制御回路ユニットによって制御システムを触発させて警告を発すると同時に制御システムを遮断するものである。特許文献1の別の一つの実施形態は保護回路ユニットによって内部の低電圧を制御する電力を遮断する。まとめると、特許文献1は常に継電器の状態を検出することが必要なだけでなく、高圧電源の作動を遮断する際、内部の低電圧の伝送を制御および遮断する方法を採用するため、内部の低電圧および高電圧源の伝送経路を単独で遮断することができない。また二つの継電器のいずれかの接点に異常が発生する時、直接継電器の電源を遮断できず、警告を発して次の起動を阻止するが、二つの継電器に異常が同時に発生する時の対応は具体的に開示されていなかった。
【0004】
特許文献2により開示された電源制御装置および継電器の異常検出方法はコンデンサの充電の仕組みによって継電器の状態を判断することである。
【0005】
特許文献3により開示された継電器装置は継電器内部に配置された制御部によって故障検出および切替制御を行うことである。しかし、特許文献3は制御部を増設するために継電器の構造を設計し直さなければならないため、体積が一般の継電器の体積より大きく、空間的に制限された制御器に対応することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾実用新案M472196号公報
【特許文献2】中国CN101427335号公報
【特許文献3】中国公開CN109216113A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した欠点に鑑み、継電器の接点に異常が発生した際、継電器に関連する電源を遮断し、継電器を使用する際の安全性を確保することができる継電器保護システムと、それを応用するロボットアームコントローラーとを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、継電器保護システムは継電器、緊急停止装置、トリガー検出回路、スティッキング検出回路および電源オフ回路を備える。緊急停止装置は緊急停止信号を発する。トリガー検出回路は継電器および緊急停止装置に接続され、緊急停止信号をトリガー信号に転換する。スティッキング検出回路はトリガー検出回路および継電器に接続され、継電器からのスティッキング信号を検出し、トリガー信号およびスティッキング信号に基づいて電源オフ信号を発する。電源オフ回路は緊急停止装置、継電器およびスティッキング検出回路に接続され、キャッチした電源オフ信号に基づいて継電器の電源を遮断する。
【0009】
上述した課題を解決するため、ロボットアームコントローラーは継電器保護システムを応用するものである。
【0010】
上述した技術的特徴により、本発明による継電器保護システムおよびそれを応用するロボットアームは緊急停止装置からの緊急停止信号に基づいてトリガー検出回路を介してスティッキング検出回路を作動させ、継電器にスティッキング現象、即ち異常が発生したか否かをスティッキング検出回路に判断させる。継電器にスティッキング現象が発生した場合、電源オフ回路は継電器に関連する電源を遮断し、継電器を使用する際の安全性を確保する。また緊急停止装置は継電器にスティッキング現象が発生したか否かという問題を検出し、継電器を使用する際の信頼性を向上させることができる。
【0011】
本発明による継電器保護システムの詳細な構造、特徴、組み立てまたは使用方法について、以下の実施形態の詳細な説明を通して明確にする。なお、以下の詳細な説明および本発明により開示された実施形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を限定できないことは、本発明にかかる領域において常識がある者ならば理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態による継電器保護システムの構築を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態による継電器保護システムを示すハード図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明による継電器保護システムを図面に基づいて説明する。なお、本明細書において接続や電気的接続などの導通に関わる用語と、高出力や低出力などの電力信号または電位信号に関わる用語とは本発明の請求範囲を限定するものではなく、明細書の記述に合わせて挙げられる。
【0014】
(一実施形態)
図1に示すように、継電器保護システム10はロボットアームまたは継電器が必要な環境に応用される。
【0015】
継電器保護システム10は継電器11、緊急停止装置13、トリガー検出回路15、スティッキング検出回路17および電源オフ回路19を備える。継電器11はコイル111、NO接点113、NC接点115およびCOM接点117を有する。緊急停止装置13は緊急停止信号を発する。トリガー検出回路15、スティッキング検出回路17および電源オフ回路19は回路基板(図中未表示)に配置される。
【0016】
トリガー検出回路15は継電器11のコイル111および緊急停止装置13に接続され、緊急停止信号をキャッチする。スティッキング検出回路17はトリガー検出回路15および継電器11のNC接点115に接続され、緊急停止信号および継電器11の接点信号に基づいて電源オフ信号を発する。電源オフ回路19はスティッキング検出回路17、継電器11および緊急停止装置13に接続され、電源オフ信号に基づいて継電器11の電源を遮断する。
【0017】
正常な状況下で電気を供給する際、継電器11はNO接点113とCOM接点117とが導通することによって負荷30に電力を供給する。このときNC接点115とCOM接点117とは導通せず、遮断される。
正常な状況下で電源を遮断する際、継電器11のNC接点115とCOM接点117とは導通し、NO接点113とCOM接点117とは導通せず、遮断されるため、ロボットアームコントローラーのほかの回路またはモーターなどの負荷30に電力を供給することはできない。
【0018】
継電器11に異常が発生した際、継電器11のNC接点115とCOM接点117とは導通させられる。つまり、NO接点113とCOM接点117とは相互にくっ付いて剥がれない状態またはスティッキング状態になる。或いは、継電器11はNC接点115とCOM接点117とを導通させないため、負荷に供給する電力を効果的に遮断することができない。
【0019】
異常状態下で本発明はトリガー検出回路15によって緊急停止信号の内容を検出する。このときトリガー検出回路15はキャッチした緊急停止信号をトリガー信号に転換し、続いてトリガー信号をスティッキング検出回路17に伝送する。スティッキング検出回路17はトリガー信号に基づいて継電器11の接点状態を検出する。
【0020】
本実施形態において、スティッキング検出回路17はNC接点115の作動状態を検出する。緊急停止信号が発生したうえでNC接点115とCOM接点117との間が遮断されたこと、即ち、継電器のNO接点113が相互にくっ付いて剥がれない状態またはスティッキング状態になることが検出されれば、スティッキング検出回路17は電源オフ信号を電源オフ回路19に発する。続いて電源オフ回路19は電源オフ信号に基づいて継電器11の電源を遮断し、メンテナンス作業を進行させる。
【0021】
緊急停止信号が発生した際、NC接点115とCOM接点117が接続状態であれば、継電器11は正常な状態である。
【0022】
本実施形態において、電源オフ回路19は第一スイッチユニット191および第二スイッチユニット193を有する。第一スイッチユニット191は第一電源VS1および緊急停止装置13に接続され、電源オフ信号に基づいて緊急停止装置13への給電を遮断する。第二スイッチユニット193は第二電源VS2およびNO接点113に接続され、電源オフ信号に基づいて継電器11のNO接点113への給電を遮断する。上述した技術的特徴により、継電器11に関連する電源を遮断すれば、電源オフを達成することができる。
【0023】
正常な状態下でNC接点115とCOM接点117との間が遮断状態であることをスティッキング検出回路17が検出すれば、スティッキング状態が解除され、継電器11が正常な状態に戻るため、電源オフ信号は発生しない。
【0024】
図2において、
図1との違いは二つの継電器11を配置することである。言い換えれば、別の実施形態において、継電器11の数は本実施形態に限定されず、三つか三つ以上増加してもよい。
【0025】
緊急停止装置13はヒューズ131および緊急停止スイッチユニット133を有する。緊急停止装置13は緊急停止スイッチユニット133の作動または起動によって緊急停止信号を発する。別の実施形態において、緊急停止装置13は別のユニットまたは電子回路によって緊急停止信号を発することができる。
【0026】
トリガー検出回路15は入力保護ユニット151、第一オペアンプOPA1および第二オペアンプOPA2を有する。スティッキング検出回路17はトリガー信号に基づいて作動し、第一Nチャネルトランジスタ(N-MOSFET)Q1を有する。電源オフ回路19はフォトカプラ195、第二NチャネルトランジスタQ2、第一Pチャネルトランジスタ(P-MOSFET)Q3、第二PチャネルトランジスタQ4および出力保護ユニット197を有する。第一スイッチユニット191は第一PチャネルトランジスタQ3からなる。第二スイッチユニット193は第二PチャネルトランジスタQ4からなる。
【0027】
入力保護ユニット151は緊急停止装置13の出力端VD(即ち緊急停止装置13の緊急停止スイッチユニット133)および第一オペアンプOPA1の逆相入力端に電気的に接続される。第一オペアンプOPA1は正相入力端が第一電源VS1に電気的に接続され、出力端が第二オペアンプOPA2の逆相入力端に電気的に接続される。第二オペアンプOPA2は正相入力端が第一電源VS1に電気的に接続され、出力端が第一NチャネルトランジスタQ1のゲート(gate)に電気的に接続される。
第一NチャネルトランジスタQ1はソース(source)が接地端に接続され、ドレイン(drain)が継電器11のNC接点115、第一電源VS1、第二NチャネルトランジスタQ2のゲートおよび第一PチャネルトランジスタQ3のゲートに電気的に接続される。第二NチャネルトランジスタQ2のソースは接地端に電気的に接続される。第一PチャネルトランジスタQ3のソースは第一電源VS1に電気的に接続される。出力保護ユニット197は第一PチャネルトランジスタQ3のドレインおよび緊急停止装置13の入力端、即ち緊急停止装置13のヒューズ131に電気的に接続される。
フォトカプラ195は一次側が第一電源VS1および第二NチャネルトランジスタQ2のドレインに電気的に接続され、二次側が第二電源VS2および第二PチャネルトランジスタQ4のゲートに電気的に接続される。第二PチャネルトランジスタQ4はソースが第二電源VS2に電気的に接続され、ドレインが継電器11のNO接点113に電気的に接続される。緊急停止装置13の出力端VDは継電器11のコイル111に電気的に接続される。
【0028】
本実施形態において、入力保護ユニット151および出力保護ユニット197は構成が同じであり、ダイオードと過渡電圧ダイオードを含む。本発明は入力保護ユニット151および出力保護ユニット197を配置するため、第二電源VS2および第一電源VS1の配線が間違ったことで給電システム(即ち第二電源VS2および第一電源VS1による電源環境)を損壊させることを避けることができる。
【0029】
一般的または正常な給電状況下で継電器11のNO接点113はCOM接点117に接続される。NC接点115はオープン状態下で負荷に給電することを許容する。このとき、緊急停止装置13が作動しないか、起動されない場合であれば、緊急停止装置13は第一運算増幅器OPA1の逆相入力端に高出力が生じ、第一運算増幅器OPA1の出力端に低出力が生じる。第二運算増幅器OPA2の出力は高出力である。
上述した構造の特徴により、第一NチャンネルトランジスタQ1は導通状態に維持される。つまり、第一NチャンネルトランジスタQ1はドレインとソースとの間が導通し、ドレインが低出力である。それに対し、第二NチャンネルトランジスタQ2、第一PチャンネルトランジスタQ3および第二PチャンネルトランジスタQ4のゲートは低入力である。第一NチャンネルトランジスタQ2を遮断し、第一PチャンネルトランジスタQ3と第二PチャンネルトランジスタQ4を導通させれば、継電器11への給電が持続する。
【0030】
緊急停止装置13が作動するか、起動される際、緊急停止装置13は第一運算増幅器OPA1の逆相入力端に低出力が生じ、第一運算増幅器OPA1の出力端に高出力が生じ、第二運算増幅器OPA2の出力は低出力である。このとき第一NチャンネルトランジスタQ1を遮断し、継電器11のNC接点115とCOM接点117とを接続する、即ち継電器11を正常な状態に維持すれば、第一PチャンネルトランジスタQ3および第二PチャンネルトランジスタQ4は導通状態になり、継電器11への給電を持続させる。
【0031】
緊急停止装置13が作動するか、起動される際、緊急停止装置13は第一運算増幅器OPA1の逆相入力端に低出力が生じ、第一運算増幅器OPA1の出力端に高出力が生じ、第二運算増幅器OPA2の出力は低出力である。第一NチャンネルトランジスタQ1は遮断されるのに対し、継電器11のNC接点115がCOM接点117に接続されず、NO接点113およびCOM接点117がスティッキング状態になる、即ち継電器11に異常が発生した場合、第一PチャンネルトランジスタQ3および第二NチャンネルトランジスタQ2のゲートに高入力が生じ、第二NチャンネルトランジスタQ2を導通させれば、フォトカプラ195の作動によって第二PチャンネルトランジスタQ4のゲートに高入力が生じる。このとき第一PチャンネルトランジスタQ3および第二PチャンネルトランジスタQ4は導通せず遮断状態になり、第二電源VS2および第一電源VS1の伝送経路を遮断する。
【0032】
電源オフ回路19はフォトカプラ195の第一電源VS1を介して第二PチャンネルトランジスタQ4のゲート電圧を制御するため、第一PチャンネルトランジスタQ3および第二PチャンネルトランジスタQ4の切り替えを同調にすることができる。第一電源VS1および第二電源VS2はフォトカプラ195によって距離があって離れるため、相互に影響を与えることを避けることができる。
【0033】
上述をまとめると、本発明による継電器保護システムは緊急停止装置からの緊急停止信号を介して緊急停止を指示し、トリガー検出回路およびスティッキング検出回路を介してスティッキング現象、即ち異常が継電器に発生したか否かを検出する。継電器に異常が発生した場合、電源オフ回路はすべての継電器に関連する電源を遮断する。ロボットアームコントローラーは継電器保護システムによって継電器の電源を遮断し、ロボットアームのメンテナンス作業または継電器の交換を実行させることができる。以上より、継電器を使用する際の安全性を確保する。また緊急停止装置は継電器にスティッキング現象が発生したか否かの問題を検出し、継電器を使用する際の信頼性を向上させることができる。
【0034】
本明細書において、オペアンプおよびトランジスタ(NチャンネルトランジスタまたはPチャンネルトランジスタ)の数および配置位置は上述に限定されず、論理的に変更されてもよい。言い換えれば、本発明は、上記の実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 継電器保護システム
11 継電器
111 コイル
113 NO接点
115 NC接点
117 COM接点
13 緊急停止装置
131 ヒューズ
133 緊急停止スイッチユニット
15 トリガー検出回路
151 入力保護ユニット
17 スティッキング検出回路
19 電源オフ回路
191 第一スイッチユニット
193 第二スイッチユニット
195 フォトカプラ
197 出力保護ユニット
30 負荷
OPA1 第一オペアンプ
OPA2 第二オペアンプ
Q1 第一Nチャネルトランジスタ
Q2 第二Nチャネルトランジスタ
Q3 第一Pチャネルトランジスタ
Q4 第二Pチャネルトランジスタ
VS1 第一電源
VS2 第二電源
VD 出力端