(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023039616
(43)【公開日】2023-03-22
(54)【発明の名称】積層体
(51)【国際特許分類】
C03C 17/32 20060101AFI20230314BHJP
B32B 17/10 20060101ALI20230314BHJP
【FI】
C03C17/32 A
B32B17/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146826
(22)【出願日】2021-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芦原 公美
(72)【発明者】
【氏名】奥村 暢康
【テーマコード(参考)】
4F100
4G059
【Fターム(参考)】
4F100AG00A
4F100AH02B
4F100AK01B
4F100AK25B
4F100AK51B
4F100AK53B
4F100BA02
4F100CA02B
4F100EH46B
4F100GB41
4F100JK07B
4F100JK10
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4F100YY00B
4G059AA01
4G059AA08
4G059AC16
4G059FA07
4G059FA11
4G059FA12
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4G059FA18
4G059FA19
4G059FA20
4G059FA21
4G059FA22
4G059FA25
4G059FA29
4G059FB05
(57)【要約】
【課題】ガラス基材に樹脂層が積層された積層体であって、耐衝撃性に優れる積層体を提供する。
【解決手段】厚さが0.02~1mmのガラス基材に、20℃における貯蔵弾性率E1′が10~1000MPaである樹脂層が積層された積層体であって、ガラス基材面上に、重さ225.6g、φ38.1mmの鋼球を落下させる試験において、50%破壊高さが、300mm以上であることを特徴とする積層体。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さが0.02~1mmのガラス基材に、20℃における貯蔵弾性率E1′が10~1000MPaである樹脂層が積層された積層体であって、ガラス基材面上に、重さ225.6g、φ38.1mmの鋼球を落下させる試験において、50%破壊高さが、300mm以上であることを特徴とする積層体。
【請求項2】
樹脂層の厚みが1~50μmであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
樹脂層の60℃における貯蔵弾性率E2′が1~100MPaであることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
樹脂層がイソシアネート化合物、エポキシ化合物、またはオキサゾリン化合物を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂層が積層されてなる積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどをはじめとするディスプレイの分野などでは、薄型化、フレキシブル化が進められている。ガラスは、優れた光透過性、ガスバリア性、寸法安定性、硬度などを有することから、これらの用途で使用されており、より薄膜化した高性能なガラスも提供されている。
しかしながら、ガラスは、薄いと耐衝撃性が低下し、落下などの衝撃や操作時の外力により、容易に割れやすい。そこで、例えば、特許文献1には、ガラスの耐衝撃性を改善するために、ガラス基材の表面に樹脂フィルムを積層する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された積層体は、耐割れ性(耐衝撃性)が改善されているものの、樹脂フィルムの厚みが50μm以上と厚いという問題があり、また積層体の耐割れ性も不十分であった。
本発明の課題は、ガラス基材に樹脂層が積層された積層体であって、耐衝撃性に優れる積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ガラス基材に特定の物性を持った樹脂層を積層することで耐衝撃性に優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
【0006】
(1)厚さが0.02~1mmのガラス基材に、20℃における貯蔵弾性率E1′が10~1000MPaである樹脂層が積層された積層体であって、ガラス基材面上に、重さ225.6g、φ38.1mmの鋼球を落下させる試験において、50%破壊高さが、300mm以上であることを特徴とする積層体。
(2)樹脂層の厚みが1~50μmであることを特徴とする(1)に記載の積層体。
(3)樹脂層の60℃における貯蔵弾性率E2′が1~100MPaであることを特徴とする(1)または(2)に記載の積層体。
(4)樹脂層がイソシアネート化合物、エポキシ化合物、またはオキサゾリン化合物を含むことを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の積層体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガラス基材に樹脂層が積層された積層体であって、耐衝撃性に優れる積層体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体は、ガラス基材に樹脂層が積層された積層体であって、ガラス基材の厚さが0.02~1mmの範囲であり、樹脂層の20℃における貯蔵弾性率E1′が10~1000MPaであり、ガラス基材面上に、重さ225.6g、φ38.1mmの鋼球を落下させる試験において、50%破壊高さが、300mm以上であることが必要である。
【0009】
<ガラス基材>
本発明の積層体を構成するガラス基材は、板状のものであればよく、その素材は、特に限定されないが、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウ酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。また、アルカリ成分による分類によれば、無アルカリガラス、低アルカリガラスが挙げられる。上記ガラスのアルカリ金属成分(例えば、Na2O、K2O、Li2O)の含有量は、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
ガラス基材の厚みは、0.02~1mmであることが必要であり、0.03~0.7mmであることがより好ましく、0.05~0.5mmであることがさらに好ましい。ガラス基材は、厚過ぎると、フレキシブル性に劣る場合があり、薄すぎると、強度が不足し、破壊しやすくなる場合がある。
ガラス基材の成形方法は、特に限定されず、例えば、シリカやアルミナ等の主原料と、芒硝や酸化アンチモン等の消泡剤と、カーボン等の還元剤とを含む混合物を、1400~1600℃で溶融し、板状に成形した後、冷却して作製され、例えば、スロットダウンドロー法、フュージョン法、フロート法等が挙げられる。これらの方法によって板状に成形されたガラス基材は、薄板化したり、平滑性を高めたりするために、必要に応じて、フッ酸等の溶剤により化学研磨されてもよい。
ガラス基材は、市販のガラス板をそのまま用いてもよく、あるいは、市販の薄ガラス板を所望の厚みになるように研磨して用いてもよい。市販のガラス板としては、例えば、コーニング社製7059、1737、EAGLE2000、旭硝子社製AN100、NHテクノグラス社製NA-35、日本電気硝子社製OA-10、T2X-1、ショット社製D263、AF45、松浪硝子社製カバーグラス、スライドグラス等が挙げられる。
【0010】
<樹脂層>
本発明の積層体は、上記ガラス基材に樹脂層が積層されたものである。本発明の効果を損なわなければ、ガラス基材には、樹脂層が積層されていない部分があってもよい。
積層体を構成する樹脂層は、20℃における貯蔵弾性率(E1′)が10~1000MPaであることが必要であり、20~200MPaであることが好ましく、また、60℃における貯蔵弾性率(E2′)が1~100MPaであることが好ましく、10~100MPaであることがより好ましい。貯蔵弾性率が前記範囲である樹脂層をガラス基材に積層した積層体においては、衝撃応力が緩和される。
【0011】
20℃における貯蔵弾性率(E1′)が10~1000MPaである樹脂層は、従来公知の樹脂を使用して構成することができる。樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリオレフィン、ポリアミド、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム、ポリエステル、フェノール、エポキシ、ポリイミド、アクリル、シアノアクリレート等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。中でも、耐衝撃性の観点から、シリコーン、アクリル、ポリアミドが好ましく、本発明の積層体を構成する樹脂層は、特に、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂を含むことが好ましい。
【0012】
〔アクリル系樹脂〕
アクリル系樹脂を構成する成分としては、従来公知のものが挙げられ、例えば、2-エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、酢酸ビニル、アクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。このような成分を、所望する粘着性や熱特性に合わせて、共重合または混合して用いることができる。
【0013】
〔ポリアミド系樹脂〕
樹脂層を構成するポリアミド系樹脂は、ダイマー酸系ポリアミドまたはポリエーテルエステルポリアミドであることが好ましい。
(ダイマー酸系ポリアミド)
ダイマー酸系ポリアミドは、主鎖にアミド結合を有するものであり、主にジカルボン酸成分としてのダイマー酸とジアミン成分とを用いた脱水縮合反応によって得られるものである。ダイマー酸系ポリアミドは、ポリアミド樹脂として広く使用されているナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などの樹脂に比べて、大きな炭化水素グループを有するために、柔軟性を有している。
【0014】
本発明において、ダイマー酸系ポリアミドは、ジカルボン酸成分としてダイマー酸をジカルボン酸成分全体の50モル%以上含有することが好ましく、60モル%以上含有することがより好ましく、70モル%以上含有することがさらに好ましい。ダイマー酸の割合が50モル%未満であると、樹脂層は、ダイマー酸系ポリアミドが有する効果を奏することが難しくなる。
ここでダイマー酸とは、オレイン酸やリノレン酸などの炭素数18の不飽和脂肪酸を二量化することによって得られるものであり、ダイマー酸成分の25質量%以下であれば、単量体であるモノマー酸(炭素数18)、三量体であるトリマー酸(炭素数54)、炭素数20~54の他の重合脂肪酸を含んでもよく、さらに水素添加して不飽和度を低下させたものでもよい。ダイマー酸は、ハリダイマーシリーズ(ハリマ化成社製)、プリポールシリーズ(クローダジャパン社製)、ツノダイムシリーズ(築野食品工業社製)などとして市販されており、これらを用いることができる。
【0015】
ダイマー酸系ポリアミドのジカルボン酸成分としてダイマー酸以外の成分を用いる場合は、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ノナンジカルボン酸、フマル酸などを用いることが好ましく、これらを50モル%未満含有することにより、樹脂の軟化点や接着性などの制御が容易となる。
また、ダイマー酸系ポリアミドのジアミン成分としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、m-キシレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピペラジンなどを用いることができ、中でも、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、m-キシレンジアミン、ピペラジンが好ましい。
【0016】
ダイマー酸系ポリアミドを重合する際に、上記ジカルボン酸成分とジアミン成分の仕込み比を変更することなどによって、樹脂の重合度や酸価もしくはアミン価を制御することが可能となる。
本発明において、ダイマー酸系ポリアミドのアミン価は、1.0mgKOH/g未満であることが好ましく、0.7mgKOH/g未満であることがより好ましく、0.4mgKOH/g未満であることがさらに好ましい。アミン価が1.0mgKOH/g以上のダイマー酸系ポリアミドを用いた場合、耐熱性が低下することがある。
また、ダイマー酸系ポリアミドの酸価は、1~20mgKOH/gであることが好ましく、1~15mgKOH/gであることがより好ましく、3~12mgKOH/gであることがさらに好ましく、3~7mgKOH/gであることが最も好ましい。ダイマー酸系ポリアミドの酸価が1mgKOH/g未満では、樹脂層を形成するための塗剤として、安定なものを得ることが困難になり、一方、20mgKOH/gを超えると、本来のダイマー酸系ポリアミドの良好な特性である耐薬品性が低下することがある。
なお、酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義されるものである。一方、アミン価とは、樹脂1g中の塩基成分とモル当量となる水酸化カリウムのミリグラム数で表されるものである。いずれも、JIS K2501に記載の方法で測定される。
【0017】
ダイマー酸系ポリアミドの軟化点は、70~250℃であることが好ましく、80~240℃であることがより好ましく、80~200℃であることがさらに好ましい。軟化点が70℃未満であると、得られる樹脂層は、耐熱性が低くなる傾向にあり、また室温におけるタック感が高くなる傾向にある。一方、軟化点が250℃を超えると、ダイマー酸系ポリアミドを水性媒体中に分散させて樹脂層形成用塗剤を調製するのが困難となる傾向にあるだけでなく、得られる塗剤は、ガラス基材に積層する際に樹脂の流動性が不十分となり、積層された樹脂層は、ガラス基材に対して十分な接着性が得られないことがある。
【0018】
(ポリエーテルエステルポリアミド)
本発明において、樹脂層を構成するポリエーテルエステルアミドは、ポリアミド成分と、ポリオキシアルキレングリコールおよびジカルボン酸からなるポリエーテルエステル成分との反応で得られ、分子鎖中にアミド結合とエーテル結合とエステル結合とを有するブロック共重合体である。
【0019】
ポリエーテルエステルアミドを構成するポリアミド成分としては、具体的に、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、フェニレンジアミンおよびキシリレンジアミン類等の脂肪族、脂環族、または芳香族の炭素数が4以上のジアミンと、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸および重合脂肪酸等の脂肪族、脂環族、または芳香族の炭素数が6以上のジカルボン酸と、から製造されるポリアミドが挙げられる。
また、ω-アミノカプロン酸、ω-アミノエナン酸、ω-アミノカプリル酸、11-アミノウンデカン酸および12-アミノドデカン酸等の炭素数が6以上のアミノカルボン酸から製造されるポリアミドや、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタムおよびラウロラクタム等の炭素数が6以上のラクタムから製造されるポリアミドが挙げられる。また、これらの共重合ポリアミド、またはこれらの混合ポリアミド等が挙げられる。
特に、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸から製造されるポリアミドや、ヘキサメチレンジアミンと重合脂肪酸とアゼライン酸またはセバシン酸から製造されるポリアミドや、12-アミノドデカン酸、カプロラクタムから製造されるポリアミドが好ましい。
【0020】
上記重合脂肪酸としては、不飽和脂肪酸、例えば炭素数が10~24の二重結合または三重結合を一個以上有する一塩基性脂肪酸を重合して得た重合脂肪酸が用いられる。具体例としては、オレイン酸、リノール酸およびエルカ酸等の二量体が挙げられる。
市販されている重合脂肪酸は、通常二量体化脂肪酸を主成分とし、他に原料の脂肪酸や三量体化脂肪酸を含有するが、二量体化脂肪酸含有量が70重量%以上であることが好ましく、95重量%以上であることがより好ましい。二量体化脂肪酸含有量が70重量%未満であると、得られるポリアミドの分子量分布が広くなり、ポリアミドの特性を調整しにくくなる傾向にある。さらに、上記重合脂肪酸は、水素添加して不飽和度を下げたものが好ましい。不飽和度が低いほど、得られるポリアミドが酸化されにくく変質しにくい傾向がある。特に、重合脂肪酸の市販品としては、プリポール1009、プリポール1004、プリポール1010(クローダジャパン社製)やエンポール1010(ヘンケル社製)等が好ましく、これらの混合物を用いてもよい。
【0021】
ポリエーテルエステルアミドのポリエーテルエステル成分を構成するポリオキシアルキレングリコールとしては、具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロックまたはランダム共重合体、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランとのブロックまたはランダム共重合体、および2価フェノール化合物と上記ポリオキシアルキレングリコールとの共重合体等が挙げられる。
【0022】
ポリエーテルエステルアミドのポリエーテルエステル成分を構成するジカルボン酸としては、炭素数が6~20のジカルボン酸が好ましく、具体的には、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸およびイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸等が挙げられる。特に、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、およびイソフタル酸が、重合性およびポリエーテルエステルアミドの物性の点から好ましく用いられる。
【0023】
ポリエーテルエステルアミドにおける質量比(ポリアミドブロック/ポリエーテルエステルブロック)は、95/5~20/80であることが好ましい。
【0024】
ポリエーテルエステルアミドは、重量平均分子量が5000~200000であることが好ましい。ポリエーテルエステルアミドは、重量平均分子量が5000未満であると、ガラス基材面に、樹脂層をフィルム状に積層しがたくなる傾向にあり、重量平均分子量が200000を超えると、溶剤への溶解性および相溶性が低下して、後述する、樹脂層を形成するための塗剤を調製することが困難となる傾向にある。
【0025】
ポリエーテルエステルアミドは、末端がアミノ基またはヒドロキシル基によって変性されていてもよい。ポリエーテルエステルアミドは、末端の極性基によって接着性が向上する。
【0026】
ポリエーテルエステルアミドの製造方法としては、均一で高分子量の重合体が得られる方法であればどのような方法でも採用できる。例えば、ポリアミドオリゴマーをまず合成し、これにポリオキシアルキレングリコールとジカルボン酸を加え、減圧下で加熱して高重合度化させる方法が挙げられる。
【0027】
ポリエーテルエステルアミドとしては、市販品を好適に使用することができる。このような市販品としては、T&K TOKA社製のPA-200、PA-201、TPAE-12、TPAE-31、TPAE-32等が挙げられる。
【0028】
〔ポリオレフィン樹脂〕
本発明において、樹脂層を構成するポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸成分を含有するポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂の主成分であるオレフィン成分は、特に限定されないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2-ブテン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1ペンテン等の炭素数2~6のアルケンが好ましく、中でも、エチレン、プロピレンがより好ましい。これらの混合物であってもよい。また、ポリオレフィン成分の2種類以上が共重合されたものを用いてもよい。
ポリオレフィン樹脂は、接着性の観点から、不飽和カルボン酸成分を含有していることが好ましい。不飽和カルボン酸成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でも、接着性にいっそう優れる観点から、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。
ポリオレフィン樹脂として、市販品を使用してもよく、例えば、ユニチカ社製アローベース、東洋紡社製ハードレン、日本製紙社製アウローレンなどを挙げることができる。
【0029】
樹脂層の厚みは、1~50μmであることが好ましく、3~20μmであることがより好ましい。樹脂層は、厚みが上記の範囲にあることにより、より優れた耐衝撃性を得やすい。
【0030】
<添加剤>
本発明において、樹脂層は、架橋剤、粘着付与剤、充填剤、界面活性剤、顔料、酸化防止剤、難燃剤、シランカップリング剤などの添加剤を含有してもよい。
樹脂層は、凝集力向上、貯蔵弾性率とのバランスの観点から、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物、カルボジイミド化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物や、自己架橋性を有するものや多価の配位座を有するものが挙げられ、これらは単独でも複数を組み合わせて使用してもよい。中でも、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物がより好ましい。
【0031】
イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートモノマーおよびこれらイソシアネートモノマーをトリメチロールプロパンなどと付加したアダクト系イソシアネート化合物;イソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなどを付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
エポキシ化合物としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、イソソルビドジグリシジルエーテル、イソマンニドジグリシジルエーテル、イソイディットジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ化合物が1分子中に有するエポキシ基の数は、2~15個であることが好ましく、2~10個であることがより好ましく、2~6個であることがさらに好ましい。
また、エポキシ化合物のエポキシ当量は、特に限定されないが、100~1000が好ましく、120~700がより好ましい。
本発明では、入手が容易であるという点から、エポキシ化合物として、市販の架橋剤を用いてもよい。具体的には、ナガセケムテック社製のデナコールシリーズ(EX-211、EX-212、EX-313、EX-314、EX-411、EX-421、EX-512、EX-521、EX-611、EX-612、EX-614、EX-614B、EX-622、EX-810、EX-811、EX-850、EX-851、EX-821、EX-830、EX-832、EX-841、EX-861、EX-911、EX-941、EX-920)が挙げられる。
【0033】
オキサゾリン化合物として、例えば、日本触媒社製のエポクロスシリーズ(WS-500、WS-700、K-1010E、K-1020E、K-1030E、K-2010E、K-2020E、K-2030E、RPS-1005)などの市販品を用いることができる。
【0034】
<積層体の製造方法>
次に積層体の製造方法について説明する。
本発明の積層体は、ガラス基材の表面に樹脂層を積層することで製造することができる。
樹脂層を積層する方法としては、例えば、樹脂層を構成する樹脂を溶解または分散させた塗剤を、ガラス基材の表面に塗工した後、乾燥させる、塗布による方法や、ガラス基材の表面に樹脂層を構成する樹脂を熱溶融させて、押出コーティングする方法や、離型フィルムなどの工程フィルム上に予め形成しておいた樹脂層を、ガラス基材の表面に貼り合せて、転写する方法などが挙げられる。中でも、均一で薄膜の樹脂層を形成しやすいという観点から、塗布による方法が好ましい。
【0035】
(樹脂層形成用塗剤)
樹脂層形成用塗剤は、樹脂層を構成する樹脂を媒体に溶解または分散したものである。媒体としては、水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec-アミルアルコール、tert-アミルアルコール、1-エチル-1-プロパノール、2-メチル-1-ブタノール、n-ヘキサノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸-sec-ブチル、酢酸-3-メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチルなどのエステル類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのグリコール誘導体;さらには、3-メトキシ-3-メチルブタノール、3-メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル、トルエン、キシレン、シクロヘキサンが挙げられ、必要に応じて、これらの媒体を混合して用いてもよい。
【0036】
樹脂層形成用塗剤における樹脂の含有量(固形分濃度)は、使用目的や保存方法などにあわせて適宜選択でき、特に限定されないが、3~40質量%であることが好ましく、中でも10~35質量%であることが好ましい。樹脂層形成用塗剤中の樹脂の含有量が上記範囲より少ない場合は、乾燥工程によって塗膜を形成する際に時間を要することがあり、また厚い塗膜を得難くなる傾向にある。一方、樹脂層形成用塗剤中の樹脂の含有量が上記範囲より多い場合は、塗剤は保存安定性が低下しやすくなる傾向にある。
【0037】
樹脂層形成用塗剤の粘度は、特に限定されないが、室温でも低粘度であることが好ましい。具体的には、B型粘度計(トキメック社製、DVL-BII型デジタル粘度計)を用いて20℃で測定した回転粘度は、20000mPa・s以下が好ましく、5000mPa・s以下がより好ましく、1000mPa・s以下がさらに好ましい。樹脂層形成用塗剤は、粘度が20000mPa・sを超えると、ガラス基材に塗剤を均一に塗布することが難しくなる傾向にある。
【0038】
<積層体の特性>
本発明の積層体は、鋼球落下試験において、50%破壊高さが300mm以上である耐衝撃性を有することが必要である。より具体的には、後述するように、ガラス基材面上に、重さ225.6g、φ38.1mmの鋼球の高さを変えて落下させる試験において、ガラス基材の50%が破壊する鋼球の落下高さが、300mm以上であることが必要であり、400mm以上であることがさらに好ましく、700mm以上であることが特に好ましい。
【0039】
<積層体の使用>
本発明の積層体は、耐衝撃性、透明性に優れるために、液晶ディスプレイ、有機LEDをはじめとしたディスプレイ用途をはじめとした様々な用途への展開が可能であり、例えば太陽電池基板、センサーなどが挙げられる。
【実施例0040】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.評価方法
積層体の特性は、下記の方法で測定し、評価した。
1-1 樹脂層の貯蔵弾性率、温度依存性
樹脂層形成用塗剤を、乾燥後の塗膜の厚みが約0.3mmになるように、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製、エンブレットS-50)に塗布し、ホットプレート上で乾燥させた。その後、得られた塗膜を上記フィルムから剥離し、40mm×4mm×0.3mmにカッティングして、これを貯蔵弾性率評価用サンプルとした。
そして、動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製、RSA-G2 DMA)を用い、チャック間距離:20mm、温度範囲:-25~150℃、昇温速度:5℃/min、歪み:0.1%、周波数:1Hzの条件で、20℃における貯蔵弾性率(E1′)と、60℃における貯蔵弾性率(E2′)を測定した。
20℃での貯蔵弾性率(E1′)に対する60℃での貯蔵弾性率(E2′)の比率(E2′/E1′)を算出し、粘弾性特性の温度依存性を評価した。実用上、60℃での貯蔵弾性率の比率は、50%以上であると、温度依存性が小さく、好ましいものであると評価した。
【0041】
1-2 耐衝撃性
積層体の試料(縦50mm×横50mm)を、ガラス基材面を上側にして、樹脂層の下にステンレス板(厚み1.5mm、SUS304、日本テストパネル社製)を敷き、ガラス基材面上に、重さ225.6g、φ38.1mmの鋼球を、落下高さを変えて落下させ、試料10枚について、割れる場合もあり、割れない場合もある高さ(基準落下高さH)を求めた。
JIS K 5400のデュポン衝撃強度測定法を参考に、基準落下高さHから鋼球を落下させ、ガラス基材の破壊の有無を判断した。ガラス基材に破壊が見られた場合、鋼球の落下高さを1水準分低くして、再試験を実施した。ガラス基材に破壊が見られない場合、鋼球の落下高さを1水準分高くして、再試験を実施した。落下試験を合計20回繰り返し、下記式を用いて50%破壊高さ(H50)を求めた。なお、1水準の変化間隔dは50mmで実施した。
H50=H+d(Σ(i-ni)/N-1/2)
H=基準落下高さ(mm)
d=高さの変化間隔(mm)
i=水準数(・・・3、2、1、0、-1、-2、-3・・・)
ni=各水準において破壊が発生した回数
N=破壊が発生した回数の総数(=Σni)
【0042】
2.材料
積層体の製造に下記材料を使用した。
2-1 ガラス基材
ガラス基材として、下記のものを用いた。
〔G-1〕
松波硝子工業社製、カバーガラスNo.1、大きさ50mm×70mm、厚み約0.15mm(0.13mm~0.17mm)
〔G-2〕
アズワン社製、ガラス角板、ソーダガラス、大きさ50mm×50mm、厚み1mm
〔G-3〕
日本電気硝子社製、OA-10G、大きさ50mm×50mm、厚み0.05mm
〔G-4〕
アズワン社製、ガラス角板、ソーダガラス、大きさ50mm×50mm、厚み2mm
〔G-5〕
ガラス角板、ソーダガラス、大きさ50mm×50mm、厚み0.015mm
〔G-6〕
ガラス角板、ソーダガラス、大きさ50mm×50mm、厚み0.02mm
【0043】
2-2 樹脂層
樹脂層を形成するための樹脂層形成用塗剤を構成する樹脂溶液は、下記の方法で調製した。
〔アクリル系樹脂溶液P-1〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、n-ブチルアクリレート91.8質量部、メチルメタクリレート6質量部、N-ビニルピロリドン1.5質量部、アクリル酸0.2質量部、および4-ヒドロキシブチルアクリレート0.5質量部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、前記モノマー混合物(固形分)100質量部に対して、重合開始剤として2,2′-アゾビスイソブチロニトリル0.15質量部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を60℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、固形分濃度が20質量%となるように酢酸エチルを加えて、アクリル系樹脂溶液P-1を得た。
【0044】
〔ダイマー酸系ポリアミド樹脂溶液P-2〕
ダイマー酸系ポリアミド樹脂として、ジカルボン酸成分がダイマー酸を100モル%含有し、ジアミン成分がエチレンジアミンを100モル%含有し、酸価が10.0mgKOH/g、アミン価が0.1mgKOH/g、軟化点が158℃であるポリアミド樹脂を使用した。これを用いて固形分濃度が15質量%となるように、トルエン/メタノール=1/1の混合溶媒に溶解し、ダイマー酸ポリアミド樹脂溶液P-2を得た。
【0045】
〔ポリエーテルエステルアミド樹脂溶液P-3〕
ポリエーテルエステルアミドとして、T&K TOKA社製「TPAE-32」を用いて、固形分濃度が15質量%となるように、トルエン/メタノール=1/1の混合溶媒に溶解し、ポリエーテルエステルアミド樹脂溶液P-3を得た。
【0046】
〔ポリオレフィン樹脂水性分散体P-4〕
ポリオレフィン樹脂として、アルケマ社製のボンダインLX4110を用いた。
攪拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、60.0gのポリオレフィン樹脂、28.0gのIPA、1.5gのトリエチルアミンおよび210.5gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体P-4を得た。P-4の固形分濃度は20質量%、粘度は70mPa・sであった。
【0047】
〔アクリル系樹脂溶液P-5〕
上記アクリル系樹脂溶液P-1の調製において、モノマーの組成を4-ヒドロキシブチルアクリレート100質量部に変更し、重合条件を調整したこと以外は同様の方法でアクリル系ポリマーの溶液を調製し、アクリル系樹脂溶液P-5を得た。
【0048】
樹脂層形成用塗剤を構成する架橋剤として、下記のものを用いた。
〔C-1〕
エポキシ系化合物(ナガセケムテック社製、デナコールEX-512、固形分濃度100質量%)
〔C-2〕
オキサゾリン系化合物(日本触媒社製、エポクロスRPS―1005、固形分濃度100質量%)
〔C-3〕
イソシアネート系化合物(三井化学社製、タケネートD160N、固形分濃度75質量%)
【0049】
実施例1
アクリル系樹脂溶液P-1と、架橋剤(C-1、エポキシ系化合物)とを、それぞれの固形分が100質量部/20質量部の割合になるように配合し、室温で5分間撹拌混合して樹脂層形成用塗剤を得た。
得られた塗剤を、ガラス基材G-1に、乾燥後の厚みが10μmになるように塗布し、150℃、30秒の条件で乾燥し、樹脂層を形成して、積層体を得た。
【0050】
実施例2~12、比較例1~5
ガラス基材の種類と、樹脂層形成用塗剤の構成を表1の記載になるように変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層体を得た。比較例1においては、樹脂層を積層せずに、ガラス基材G-1の耐衝撃性を評価した。
【0051】
実施例、比較例の積層体の構成および特性を表1に示す。
【0052】
【0053】
実施例の積層体のガラス基材は、50%破壊高さが300mm以上と耐衝撃性に優れるものであった。
一方、比較例1は、樹脂層が積層されていないガラス基材であるため、また、比較例2~3の積層体は、ガラス基材の厚みが0.02~1mmの範囲から外れるため、また、比較例4~5の積層体は、樹脂層の20℃における貯蔵弾性率が10~1000MPaの範囲から外れるため、いずれも、十分な耐衝撃性が得られなかった。